JP2006335637A - ダイヤモンド基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のダイヤモンド基板の製造方法は、凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有するシリコン基板を用意し、第1の領域の凹部深さよりも板厚の厚い単結晶ダイヤモンド種基板を、第1の領域に載置する載置工程と、気相合成法を用いて前記単結晶ダイヤモンド種基板から気相合成ダイヤモンド層を形成すると共に、前記第2の領域上にも気相合成ダイヤモンド層を形成して互いを接続する接続工程と、単結晶ダイヤモンド種基板上の気相合成ダイヤモンド層全部と、第2の領域上の気相合成ダイヤモンド層の全部又は一部を機械的に研磨して双方を実質的に平坦化する研磨工程とを経ることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
(1)ダイヤモンド基板の製造方法であって、凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有するシリコン基板を用意し、第1の領域の凹部深さよりも板厚の厚い単結晶ダイヤモンド種基板を、第1の領域に載置する載置工程と、気相合成法を用いて前記単結晶ダイヤモンド種基板から気相合成ダイヤモンド層を形成すると共に、前記第2の領域上にも気相合成ダイヤモンド層を形成して互いを接続する接続工程と、単結晶ダイヤモンド種基板上の気相合成ダイヤモンド層全部と、第2の領域上の気相合成ダイヤモンド層の全部又は一部を機械的に研磨して双方を実質的に平坦化する研磨工程とを経ることを特徴とするダイヤモンド基板の製造方法。
(5)単結晶ダイヤモンド種基板と前記第1の領域の凹部との隙間である隙間量が200μm以下となることを特徴とする前記(1)1から(4)のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
1)シリコン基板には凹部が存在し、この凹部上に単結晶ダイヤモンド種基板が配置されている
2)シリコン基板の凹部以外の表面上にダイヤモンド層が設けられており、該ダイヤモンド層と単結晶ダイヤモンド種基板とは表面近傍で密着し、両者の表面は実質的に平坦化且つ一体化されている
ことを特徴とするダイヤモンド基板。
本発明のダイヤモンド基板は、代表的な製造方法として、シリコン基板の主面凹部すなわち第1の領域に単結晶ダイヤモンド種基板をはめ込み、シリコン基板と単結晶ダイヤモンド種基板を、気相合成ダイヤモンド層を介して接続する。シリコン基板の凹部に単結晶ダイヤモンド種基板がはめ込まれた状態でこの主面上に気相合成ダイヤモンド層を形成してゆく。すると、気相合成ダイヤモンド層は、単結晶ダイヤモンド種基板上及び凹部を取り囲むシリコン基板の主面である第2の領域上にそれぞれ成長し、このとき層は成長するに従って少しずつ横に広がり、シリコン基板と単結晶ダイヤモンド種基板の隙間を埋めることになる。これによって、両基板はダイヤモンドで強固に接続され、表面の機械的な研磨が可能になる。次いで、気相合成ダイヤモンド層を単結晶ダイヤモンド種基板が露出するまで研磨し取り除いてゆく。機械的に研磨された表面は、単結晶ダイヤモンド種基板部分とその周囲の気相合成ダイヤモンド部分からなり、単結晶種基板部分が良質の単結晶として半導体・光学用等に利用できる。
これにより上記凹部に単結晶ダイヤモンド基板を埋め込んだ時の隙間が一様となり、気相合成時に気相合成ダイヤモンドが隙間を完全に覆い、単結晶ダイヤモンド基板との接合がより強固なものとなる。また、研磨時において角部分の脱落を防止することができる。
第一の工程はシリコン基板と単結晶ダイヤモンド種基板をそれぞれ準備し、シリコン基板主面には凹加工を施し、シリコン基板主面部の凹部に単結晶ダイヤモンド基板を載置する工程(以下、載置工程とする)。第二工程は気相合成法により単結晶シリコン基板主面部及び単結晶ダイヤモンド種基板主面部に気相合成ダイヤモンド層を形成して両者を接続する工程(以下、接続工程とする)。第三工程は単結晶ダイヤモンド種基板上及びシリコン基板主面上に成長した気相合成ダイヤモンド層を機械的に研磨する工程(以下、研磨工程とする)。そして、完成した製品の評価を行う工程(以下、評価工程とする)である。
載置工程を模式的に図1に示す。用意した単結晶ダイヤモンド種基板1は、高温高圧合成法で得られたIb型単結晶ダイヤモンドで、主面の面方位は(100)、サイズは縦2mm、横2mm、厚さ300μmの角型であり、主面方向から見た4角の角半径5は50μmとした(図1(b))。シリコン基板2は多結晶体であり、サイズは直径2インチで厚さは1mmとした。シリコン基板主面部にはエンドミル加工で凹部となる第1の領域3が形成され、そのサイズは縦2.1mm、横2.1mm、凹部深さ7は250μmとし、単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板凹部の隙間4を50μm取って単結晶ダイヤモンド基板を載置した(図1(a)(b))。単結晶ダイヤモンド種基板載置後の単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板主面部の段差6は50μmとした(図1(c))。
ここでは気相合成法を用いて、単結晶ダイヤモンド種基板主面部及びシリコン基板主面部にダイヤモンド層を形成して両者を接続した。気相合成ダイヤモンドの形成には、公知のマイクロ波プラズマCVD法を用いた。ダイヤモンド合成条件はメタン流量比(メタン流量/水素流量)3%、シリコン基板の温度が1000℃、圧力が1.2×104Paとして、30時間合成した。
単結晶ダイヤモンド種基板上及びシリコン基板主面上に成長した気相合成ダイヤモンド層を、自公転・乾式の研磨装置を用いて機械的に研磨した。研磨荷重は5kgとした。40時間の研磨後、単結晶ダイヤモンド種基板を露出させることができ、表面全面が鏡面に研磨された。研磨後のダイヤモンド基板の板厚は1.039〜1.049mm(すなわち気相合成ダイヤモンド層の厚さは39〜49μm)であった。この時の基板反り量は、表面(ダイヤモンド面)が凸(+)10μm、裏面(シリコン面)が凹(−)10μmであった。研磨後の基板の断面を模式的に図3に示す。図3において、単結晶ダイヤモンド種基板1がシリコン基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層8を介してシリコン基板に接合されていることが分かる。
まず、単結晶ダイヤモンド種基板表面と、その周囲の研磨済み気相合成ダイヤモンド層の接続部を、光学顕微鏡で観察した。その結果、図3中表面接合領域10を図4に模式的に示すように、種基板表面周囲の一部に、2重にわたる単結晶ダイヤモンド種基板周辺の接合領域に生じた溝11が観察された(図4(a))。図4(b)に基板の断面の様子を示すように、この溝のサイズを原子間力顕微鏡(AFM)で評価したところ、内側の溝深さは354nm、幅は11μmで、外側の溝深さ13は2.8μm、溝幅12は19μmであった。単結晶ダイヤモンド種基板と気相合成ダイヤモンド層の段差14は0.6μmであった。また、単結晶ダイヤモンド種基板の表面粗さはRaで2nmであった。
ここで比較例1として、シリコン基板に凹部を形成しないで作製した例について述べる。ここでは、実施例1と同じ仕様の単結晶ダイヤモンド種基板、シリコン基板を用意したが、<載置工程>において、図5に示すように、シリコン基板2には凹部を形成せず、そのまま平面の表面上に単結晶ダイヤモンド種基板1を載置した。<接続工程>は実施例と同じとし、<研磨工程>を行ったところ、研磨中に単結晶ダイヤモンド種基板が脱落した。このことから、シリコン基板に凹部を形成することの優位性が明らかになった。
さらに比較例2として、図6に示すように、シリコン基板凹部の深さと、単結晶ダイヤモンド種基板の板厚が一致した例について述べる。ここでは、実施例と同じ仕様の単結晶ダイヤモンド種基板、シリコン基板を用意したが、単結晶ダイヤモンド種基板の板厚が250μmである点のみが異なる。<接続工程>は実施例と同じとし、<研磨工程>を行ったところ、単結晶ダイヤモンド種基板上の気相合成ダイヤモンド層の厚さが10μmより薄くなった時点で、単結晶ダイヤモンド種基板が脱落し、種基板表面を露出されることはできなかった。このことから、単結晶ダイヤモンド種基板の板厚はシリコン基板に形成した凹部の深さよりも厚い必要があり、また、シリコン基板上のダイヤモンド層の厚さは10μm以上ある必要があることがわかった。
<載置工程>
載置工程の模式図が図7である。用意した単結晶ダイヤモンド種基板1は3枚あり、いずれも高温高圧合成法で得られたIIa型単結晶ダイヤモンドで、主面の面方位は(111)、サイズは直径2mm、厚さ100μmの円板状である。シリコン基板2は主面が(111)の単結晶基板であり、サイズは直径2インチで厚さは0.3mmとした。シリコン基板主面部には、図7(a)に示すように、マスクと高周波プラズマを用いたドライエッチング法で凹部となる第1の領域3を3ヶ所形成した。その形状は直径2.05mm、深さ70μmの円筒状とし、単結晶ダイヤモンド種基板に対して側面の隙間を25μm取った。図7(b)に示すように、単結晶ダイヤモンド種基板載置後のシリコン基板主面部と単結晶ダイヤモンド種基板主面部との段差は30μmとした。
ここでは気相合成法を用いて、単結晶ダイヤモンド種基板主面部及びシリコン基板主面部に気相合成ダイヤモンド層を形成して両者を接続した。気相合成ダイヤモンドの形成には、公知の熱フィラメントCVD法を用いた。ダイヤモンド合成条件はメタン流量比(メタン流量/水素流量)0.5%、シリコン基板の温度が1050℃、圧力が1.3×104Paとして、30時間合成した。
実施例1の<研磨工程>と同様の条件で研磨したが、単結晶ダイヤモンド種基板が露出するまでの研磨時間は35時間であった。研磨後のダイヤモンド基板の板厚は0.31mmであった。この時の基板反り量は、表面(ダイヤモンド面)が−10μm、裏面(シリコン面)が+10μmであった。また、接続工程で認められた、単結晶ダイヤモンド種基板とこの上に成長した気相合成ダイヤモンド層の界面近傍に存在した亀裂は完全に消失し、研磨で除去されていることがわかった。これにより、単結晶ダイヤモンド種基板の主面が(111)で、周囲を(111)配向ダイヤモンドで囲われたダイヤモンド基板が得られた。
ここでは、単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板主面部より成長した(111)配向ダイヤモンドの接合強度を評価した。評価方法は面方位(111)の単結晶ダイヤモンド種基板に付着棒を接着剤によって固定し、付着棒を上方に向かって垂直に引張り、単結晶ダイヤモンド種基板がはがれるときの付着力(結合力)を測定した。測定の結果、付着力は5.6kgfと判定された。
実施例2の<載置工程>と同様の試料を7組用意した。
気相合成ダイヤモンドの形成条件は、シリコン基板の温度以外は実施例2の<接続工程>と同じとした。基板温度を800から1100℃の範囲で変化させて、試料毎に形成後表面(ダイヤモンド面)の反りを−20〜+80μm、裏面(シリコン面)の反りを−20〜+20μmに設定した。この時、シリコン基板上のダイヤモンド層の厚さ分布は、それぞれ5〜90μmの範囲内にあった。
実施例1の<研磨工程>と同様行い、研磨後の両面の反りを測定した。さらに、実施例1の<評価工程>で述べたフォトレジスト塗布を行い、ステッパー及びアライナーを用いてパターン形成テストを行った。結果を下記表1に示す。
実施例2の<載置工程>と同様の試料を5組用意した。
<接続工程>
実施例2の<接続工程>と同様とした。
<研磨工程>
実施例1の<研磨工程>と同様に行い、研磨荷重を試料毎に1〜9kgの範囲で変化させた。単結晶ダイヤモンド種基板が表面に露出した時に研磨を終了した。
<評価工程>
研磨終了時に種基板外周に生じた溝の最大幅、深さ、段差を計測し、その後実施例1と同様の方法でレジスト塗布を行い、レジストの膜厚分布を測定した。結果は以下の表2に示す。
用意した単結晶ダイヤモンド種基板の形状は円板状で、高温高圧合成法で得られたIb型単結晶ダイヤモンドである。サイズは直径2mm、厚さは260μmから450μmまで10μm毎に厚さの異なるものを準備した。
シリコン基板は主面が(111)の単結晶基板であり、サイズは直径2インチで厚さは0.3mmとした。シリコン基板主面部の中心に1箇所凹部をマスクと高周波プラズマを用いたドライエッチング法で形成した。その形状は直径2.1mm、深さ250μmの円筒状とし、シリコン基板凹部に単結晶ダイヤモンド種基板を載置した際の隙間量を50μmにした。
単結晶ダイヤモンド種基板の段差量を10μmから400μmまで10μm毎に変化させた試料を準備した。段差量毎に試料を100組、合計4000組用意した。
気相合成法を用いて単結晶ダイヤモンド種基板主面部及びシリコン基板主面部にダイヤモンド層を形成して両者を接続した。気相合成ダイヤモンドの形成には公知のマイクロ波プラズマCVD法を用いた。ダイヤモンド合成条件はメタン流量比(メタン流量/水素流量)3%、シリコン基板の温度が1000℃、圧力が1.2×104Paとして、膜厚が段差量と同じ厚さになるまで合成した。
シリコン基板うに形成された気相合成ダイヤモンド層及び単結晶ダイヤモンド種基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層はいずれも多結晶体であった。
単結晶ダイヤモンド種基板上及びシリコン基板主面上に成長した気相合成ダイヤモンド層を、自公転・乾式の研磨装置を用いて機械的に研磨した。研磨荷重は4kgとした。単結晶ダイヤモンド種基板が露出した時点で研磨を終了させた。単結晶ダイヤモンド種基板が露出したかどうかは、実施例1の<評価工程>と同様にラマン分光測定によって判断した。
段差量を変化させたことにより、研磨中に単結晶ダイヤモンド種基板の脱落が発生し、脱落が段差量に依存していることがわかった。これにより単結晶ダイヤモンド種基板の脱落を防止し、ダイヤモンド基板製造の歩留まりを向上させることができた。
用意した単結晶ダイヤモンド種基板の形状は円板状で、高温高圧合成法で得られたIb型単結晶ダイヤモンドである。サイズは直径2.0mm、厚さは330μmとした。
シリコン基板は主面が(111)の単結晶基板であり、サイズは直径2インチで厚さは0.3mmとした。シリコン基板主面部の中心に1箇所凹部をマスクと高周波プラズマを用いたドライエッチング法で形成した。その形状は直径2.0mmから2.3mmまでの10μm毎に直径の異なるシリコン基板を準備した。シリコン基板凹部の深さは250μmの円筒状とし、シリコン基板凹部に単結晶ダイヤモンド種基板を載置した。
隙間量を0μmから300μmまで10μ毎に変化させた試料を準備し、各隙間量毎に試料を100組、合計3100組用意した。このときの単結晶ダイヤモンド種基板の段差量は80μmとした。
気相合成法を用いて単結晶ダイヤモンド種基板主面部及びシリコン基板主面部にダイヤモンド層を形成して両者を接続した。気相合成ダイヤモンドの形成には公知のマイクロ波プラズマCVD法を用いた。ダイヤモンド合成条件はメタン流量比(メタン流量/水素流量)3%、シリコン基板の温度が1000℃、圧力が1.2×104Paとして、膜厚が段差量80μmと同じ厚さになるまで合成した。合成時間は約27時間であった。シリコン基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層及び単結晶ダイヤモンド種基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層はいずれも多結晶体であった。
実施例5の<研磨工程>と同様の方法で研磨を行い、単結晶ダイヤモンド種基板が露出した時点で研磨を終了させた。単結晶ダイヤモンド種基板が露出したかどうかは実施例1の<評価工程>と同様にラマン分光測定によって判断した。
隙間量を変化させたことにより研磨中に単結晶ダイヤモンド種基板の脱落が発生し、脱落が隙間量に依存していることがわかった。これにより単結晶ダイヤモンド種基板の脱落を防止し、ダイヤモンド基板製造の歩留まりを向上させることができた。
用意した単結晶ダイヤモンド種基板の形状は円板状で、高温高圧合成法で得られたIb型単結晶ダイヤモンドである。サイズは直径2mm、厚さは260μmから450μmまで10μm毎に厚さの異なるものを準備した。
シリコン基板は主面が(111)の単結晶基板であり、サイズは直径2インチで厚さは0.3mmとした。シリコン基板主面部の中心に1箇所凹部をマスクと高周波プラズマを用いたドライエッチング法で形成した。その形状は直径2.0mmから2.3mmまでの10μm毎に直径の異なるシリコン基板を準備した。
単結晶ダイヤモンド種基板の段差量を10μmから200μmまで10μm毎に、また隙間量も同様にして0μmから300μmまで10μm毎に変化させた試料を準備した。各段差量、各隙間量毎に試料を10枚、合計6200枚用意した。
実施例5の<接続工程>と同様とした。
実施例5の<研磨工程>と同様の方法で研磨を行い、単結晶ダイヤモンド種基板が露出した時点で研磨を終了させた。単結晶ダイヤモンド種基板が露出したかどうかは実施例1の<評価工程>と同様にラマン分光測定によって判断した。
段差量と隙間量を変化させたことにより研磨中に単結晶ダイヤモンド種基板の脱落が発生し、脱落が段差量と隙間量の双方に依存していることがわかった。これにより単結晶ダイヤモンド種基板の脱落を防止し、ダイヤモンド基板製造の歩留まりを向上させることができた。
用意した単結晶ダイヤモンド種基板の形状は円板状で、高温高圧合成法で得られたIb型単結晶ダイヤモンドである。サイズは直径2mm、厚さは280μmとした。
シリコン基板は主面部が(111)の単結晶基板であり、サイズは直径1インチで厚さは3mmとした。シリコン基板主面部に4箇所凹部をマスクと高周波プラズマを用いたドライエッチング法で形成した。その形状は直径2.1mm、深さ200μmとした。
単結晶ダイヤモンド種基板の段差量は上述より80μm、隙間量は50μmであった。試料は1組用意した。
実施例5の<接続工程>と同様とした。
実施例5の<研磨工程>と同様の方法で研磨を行い、単結晶ダイヤモンド種基板が露出した時点で研磨を終了させた。単結晶ダイヤモンド種基板が露出したかどうかは実施例1の<評価工程>と同様にラマン分光測定によって判断した。本研磨工程では単結晶ダイヤモンド種基板の脱落は無く、ダイヤモンド基板の全面に渡って鏡面仕上げとなった。
平面研削機を用いてダイヤモンド基板裏面のSi基板部分を板厚にして2.5mm削り込んだ。研削用砥石にはGC砥石を使用し、削り込み量を5μmとして500ターンで平面研削が終了した。気相合成ダイヤモンド層も含めてダイヤモンド基板の板厚は580μmとなり、Si基板を薄くしたことでウェハープロセスに適用しやすくなった。
2 シリコン基板
3 凹部となる第1の領域
4 単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板凹部の隙間
5 単結晶ダイヤモンド種基板の角半径
6 単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板主面の段差
7 凹部深さ
8 シリコン基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層
9 単結晶ダイヤモンド種基板上に形成された気相合成ダイヤモンド層
10 表面接合領域
11 単結晶ダイヤモンド種基板周辺の接合領域に生じた溝
12 溝幅
13 溝深さ
14 単結晶ダイヤモンド種基板と気相合成ダイヤモンド層の段差
15 単結晶ダイヤモンド種基板及び気相合成ダイヤモンド層に生じた亀裂領域
Claims (31)
- ダイヤモンド基板の製造方法であって、
凹部となる第1の領域と、該第1の領域を取り囲む第2の領域とを含む主面を有するシリコン基板を用意し、第1の領域の凹部深さよりも板厚の厚い単結晶ダイヤモンド種基板を、第1の領域に載置する載置工程と、
気相合成法を用いて前記単結晶ダイヤモンド種基板から気相合成ダイヤモンド層を形成すると共に、前記第2の領域上にも気相合成ダイヤモンド層を形成して互いを接続する接続工程と、
単結晶ダイヤモンド種基板上の気相合成ダイヤモンド層全部と、第2の領域上の気相合成ダイヤモンド層の全部又は一部を機械的に研磨して双方を実質的に平坦化する研磨工程とを経ることを特徴とするダイヤモンド基板の製造方法。 - 前記第1の領域の形状は、シリコン基板の主面部上方から見たときに円形、楕円形もしくは、二辺の延長線で挟まれた角の角度が60度以上となる角が少なくとも1つ存在する多角形で、且つ該多角形の全ての角半径が50μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記第1の領域に載置する単結晶ダイヤモンド種基板は主面部上方から見たときに円形、楕円形もしくは、二辺の延長線で挟まれた角の角度が60度以上となる角が少なくとも1つ存在する多角形で、且つ上記の全ての角半径が50μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 単結晶ダイヤモンド種基板の主面部とシリコン基板主面部との段差である段差量が30μm以上、100μm以下となることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 結晶ダイヤモンド種基板と前記第1の領域の凹部との隙間である隙間量が200μm以下となることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 単結晶ダイヤモンド種基板の主面部とシリコン基板主面部との段差である段差量と単結晶ダイヤモンド種基板と前記第1の領域の凹部との隙間である隙間量の関係が、隙間量に対する段差量の比が0.3以上120以下となることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板は主面の面方位が(111)であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記シリコン基板は主面の面方位が(111)の単結晶であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記第2の領域上に形成した気相合成ダイヤモンド層は多結晶ダイヤモンドであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記第2の領域上に形成した気相合成ダイヤモンド層は(111)配向ダイヤモンドであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記研磨工程の後のダイヤモンド基板の表面は、その反りが±10μm以内であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記研磨工程の後のダイヤモンド基板の裏面は、その反りが±10μm以内であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記研磨工程の後における、第2の領域上の気相合成ダイヤモンド層の厚さは10μm以上であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記研磨工程の際、単結晶ダイヤモンド種基板表面の周囲全周又は一部に溝を発生させることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板の周囲に発生した溝の深さは3μm以下、幅は20μm以下であることを特徴とする請求項14に記載のダイヤモンド基板の製造方法。
- ダイヤモンド基板であって、単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板が、ダイヤモンド層を介して接合され、この断面構造が、
1)シリコン基板には凹部が存在し、この凹部上に単結晶ダイヤモンド種基板が配置されている
2)シリコン基板の凹部以外の表面上にダイヤモンド層が設けられており、該ダイヤモンド層と単結晶ダイヤモンド種基板とは表面近傍で密着し、両者の表面は実質的に平坦化且つ一体化されている
ことを特徴とするダイヤモンド基板。 - 前記シリコン基板凹部の形状は、シリコン基板の主面部上方から見たときに円形、楕円形もしくは、二辺の延長線で挟まれた角の角度が60度以上となる角が少なくとも1つ存在する多角形で、且つ該多角形の全ての角半径が50μm以上であることを特徴とする請求項16に記載のダイヤモンド基板。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板は主面部上方から見たときに円形、楕円形もしくは、二辺の延長線で挟まれた角の角度が60度以上となる角が少なくとも1つ存在する多角形で、且つ上記の全ての角半径が50μm以上であることを特徴とする請求項16または17に記載のダイヤモンド基板。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板の主面部とシリコン基板主面部との段差である段差量が30μm以上、100μm以下となることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板とシリコン基板凹部との隙間である隙間量が200μm以下となることを特徴とする請求項16から19のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 単結晶ダイヤモンド種基板の主面部とシリコン基板主面部との段差である段差量と単結晶ダイヤモンド種基板と第1の領域の凹部との隙間である隙間量の関係が、、隙間量に対する段差量の比が0.3以上120以下となることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板は主面の面方位が(111)であることを特徴とする請求項16または21のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記シリコン基板は主面の面方位が(111)の単結晶であることを特徴とする請求項16から22のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記ダイヤモンド層は、気相合成ダイヤモンド層であることを特徴とする請求項16から23のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記ダイヤモンド層は多結晶ダイヤモンドであることを特徴とする請求項16から24のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記ダイヤモンド層は(111)配向ダイヤモンドであることを特徴とする請求項16から25のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記ダイヤモンド基板の表面は、その反りが±10μm以内であることを特徴とする請求項16から26のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記ダイヤモンド基板の裏面は、その反りが±10μm以内であることを特徴とする請求項16から27のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記シリコン基板上のダイヤモンド層の厚さは10μm以上であることを特徴とする請求項16から28のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記単結晶ダイヤモンド種基板表面の周囲全周又は一部には溝が存在することを特徴とする請求項16から29のいずれかに記載のダイヤモンド基板。
- 前記溝の深さは3μm以下、幅は20μm以下であることを特徴とする請求項30に記載のダイヤモンド基板。
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