JP2006332373A - 酸化物薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダイオードの漏れ電流を抑制できる酸化物薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】 透明電極(12)とp型酸化物半導体層(14)とを含む酸化物薄膜太陽電池(10)であって、透明電極(12)とp型酸化物半導体層(14)との間に介在するn型高抵抗層(13)を含むことを特徴とする酸化物薄膜太陽電池(10)とする。これにより、トンネル電流による電子と正孔との再結合を防止することができるため、ダイオードの漏れ電流を抑制できる。よって、本発明の酸化物薄膜太陽電池によれば、例えば開放電圧を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸化物薄膜を光吸収層に用いた酸化物薄膜太陽電池に関する。
11族元素の酸化物であるCu2OやAg2Oは、直接遷移型半導体であり、それぞれ1.8eVと1.4eVの太陽光スペクトルを吸収するのに適したバンドギャップを有していることから、太陽電池の光吸収層として有望な材料である。また、Cu2OやAg2Oからなる薄膜は、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2等に記載されているように、溶液法や陽極酸化法等の安価なプロセスで形成できる利点がある。なかでも溶液法は、低温で上記薄膜の形成が可能なため、プラスティックフィルムを用いたフレキシブルな太陽電池を実現できる可能性がある。このように、Cu2OやAg2Oを光吸収層に用いることによって、変換効率が高く、低コストな太陽電池を提供できる可能性がある。
特開平10−183392号公報 E. Tselepis, E. Fortin, "Preparation and photovoltaic properties of anodically grown Ag2 film", Journal Materials Science, Vol.21, p.985 (1986). D. Trivich, E. Y. Wang, R. J. Komp, A. S. Kakar, "Cuprous oxide photovoltaic cells", Proceeding of 13th IEEE Photovoltaic Specialists Conference, p.174 (1978).
しかしながら、非特許文献2に記載されているように、Cu2Oを用いた太陽電池では、理論的には13%以上の変換効率を得ることができると報告されているが、実際には1%程度の変換効率しか得られていない。
従来のCu2Oを用いた太陽電池は、非特許文献2に示すように、p型酸化物半導体層であるCu2O層と、低抵抗なn型透明電極(例えばZnO、SnO2、In23等からなる電極)とを直接接続したヘテロ接合のダイオードを含む。Cu2O層とn型透明電極とのヘテロ接合は、図4に示すようなバンド構造となる。図中において、CBは伝導帯、VBは価電子帯、Efはフェルミ準位である。この場合、n型透明電極の伝導帯CBとCu2O層の価電子帯VBとが、ほぼ同じエネルギーレベルとなるため、n型透明電極側から注入された電子eの多くは、図中の破線矢印に示すように、トンネル電流としてCu2O層の価電子帯VBに流れて正孔hと再結合する。このように、Cu2O層とn型透明電極とからなるダイオードの漏れ電流が増大すると、太陽電池の開放電圧と曲線因子が低下し、変換効率が低くなる。
本発明は、上記課題を解決するため、ダイオードの漏れ電流を抑制できる酸化物薄膜太陽電池を提供する。
本発明の酸化物薄膜太陽電池は、透明電極とp型酸化物半導体層とを含む酸化物薄膜太陽電池であって、
前記透明電極と前記p型酸化物半導体層との間に介在するn型高抵抗層を含むことを特徴とする。
本発明の酸化物薄膜太陽電池によれば、透明電極とp型酸化物半導体層との間に介在するn型高抵抗層を含むため、トンネル電流による電子と正孔との再結合を防止することができる。これにより、ダイオードの漏れ電流を抑制できるため、例えば、酸化物薄膜太陽電池の開放電圧を向上させることができる。
本発明の酸化物薄膜太陽電池(以下、単に「太陽電池」ともいう)は、光の入射側に配置される透明電極と、光吸収層となるp型酸化物半導体層とを含む。
透明電極には、例えば近紫外〜近赤外域で透光性を有し、かつ導電性を有する材料を用いることができる。また、透明電極のキャリア濃度は、1016/cm3以上であることが好ましい。透明電極の抵抗による電流損失を低減できるからである。また、透明電極は、ZnO、In23及びSnO2から選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。可視光域での透光率が高くなるため、透明電極の光吸収によるエネルギー損失を低減できるからである。このような材料としては、例えば、In23:X(Xは、Sn、Mn、Mo、Ti及びZnから選ばれる少なくとも一つの元素)、SnO2:F、ZnO:Al、ZnO:Ga等からなる薄膜を用いることができる。また、上記薄膜が積層された複層膜を用いることもできる。なお、透明電極の厚みは、例えば0.1〜2μm程度である。
光吸収層となるp型酸化物半導体層には、11族元素から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を含む材料や、11族元素から選ばれる少なくとも一つの元素を含む複合酸化物を含む材料を使用することが好ましい。太陽光を吸収するために適したバンドギャップと大きな光吸収係数とを有するp型酸化物半導体層を形成できるため、例えば太陽電池の変換効率を向上させることができるからである。このような材料としては、例えば、Ag2O、Cu2O、CuAlOx(2≦x≦2.5)、CuGaOx(2≦x≦2.5)、CuInOx(2≦x≦2.5)等からなる薄膜を用いることができる。なお、p型酸化物半導体層の厚みは、例えば0.5〜5μm程度である。
そして、本発明の太陽電池は、透明電極とp型酸化物半導体層との間に介在するn型高抵抗層を含む。これにより、トンネル電流による電子と正孔との再結合を防止することができるため、ダイオードの漏れ電流を抑制できる。よって、本発明の太陽電池によれば、例えば開放電圧を向上させることができる。上記効果を確実に発揮させるには、n型高抵抗層の厚みが0.01〜0.5μmであることが好ましい。
また、本発明の太陽電池は、n型高抵抗層のキャリア濃度が1015/cm3以下であることが好ましい。上述したトンネル電流の発生を有効に抑制することが可能となるからである。このようなn型高抵抗層の好適な材料としては、2族元素、12族元素、13族元素及び16族元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む材料を挙げることができる。具体例については後述する。
また、本発明の太陽電池は、n型高抵抗層のバンドギャップ(以下、「Eg1」という)からp型酸化物半導体層のバンドギャップ(以下、「Eg2」という)を差し引いた値(Eg1−Eg2)が、0以上であることが好ましい。この条件を満たすことにより、n型高抵抗層で吸収される光スペクトルが減少するため、p型酸化物半導体層で吸収される光スペクトルが増加する。よって、例えば太陽電池の変換効率を向上させることができる。なお、本明細書において、バンドギャップの単位は「eV」である。
また、本発明の太陽電池は、n型高抵抗層のEg1から透明電極のバンドギャップ(以下、「Eg3」という)を差し引いた値(Eg1−Eg3)が、−0.5以上0.5以下であることが好ましい。この条件を満たすことにより、n型高抵抗層と透明電極との間において、それぞれの伝導帯及び価電子帯のレベルがほぼ合致して整合するため、n型高抵抗層と透明電極との間のキャリア輸送が効率よく行われる。
また、本発明の太陽電池は、p型酸化物半導体層の電子親和力(以下、「χ1」という)からn型高抵抗層の電子親和力(以下、「χ2」という)を差し引いた値(χ1−χ2)が、0以上であることが好ましい。この条件を満たすことにより、n型高抵抗層に注入された電子が、p型酸化物半導体層との界面でトラップされることなくp型酸化物半導体層へと輸送されるため、上記界面での電子と正孔との再結合を低減でき、太陽電池の開放電圧の低下を防ぐことができる。また、上記差(χ1−χ2)は、0以上0.5未満であることがより好ましい。この条件を満たすことにより、p型酸化物半導体層とn型高抵抗層との間において、キャリアが輸送されるそれぞれの伝導帯のレベルがほぼ合致して整合するため、p型酸化物半導体層で光吸収により励起されたキャリアをn型高抵抗層へ効率良く輸送することができる。なお、本明細書において、電子親和力の単位は「eV」である。
また、本発明の太陽電池において、各構成層のバンドギャップや電子親和力が上記関係を有するように構成するには、n型高抵抗層の材料が以下の(1)〜(4)に示す材料であることが好ましい。
(1)16族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と亜鉛とを含む材料。例えば、ZnO、ZnS、Zn(O,S)、ZnSe等からなる薄膜が挙げられる。
(2)2族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と亜鉛とを含む複合酸化物を含む材料。例えば、(Zn1-xMgx)O(0<x<1)、(Zn1-xCax)O(0<x<1)等からなる薄膜が挙げられる。
(3)13族元素としてIn及びGaの少なくとも一方を含み、かつ16族元素として酸素、硫黄及びセレンから選ばれる少なくとも一つを含む材料。例えば、In23、Ga23、In23、Ga23、In2Se3、Ga2Se3、Inx(O,S)y(0<x≦0.5、0<y≦0.5)、Gax(O,S)y(0<x≦0.5、0<y≦0.5)等からなる薄膜が挙げられる。
(4)12族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と、13族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と、16族元素から選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料。例えば、ZnInxy(1≦x≦3、2.5≦y≦5.5)、ZnInxSey(1≦x≦3、2.5≦y≦5.5)等からなる薄膜が挙げられる。
なお、n型高抵抗層の材料として硫黄を含む酸化物薄膜を使用する場合は、この酸化物薄膜が水酸基を含んでいても良い。水酸基が硫黄を含む酸化物薄膜のダングリング・ボンドを終端する効果等を有するためである。また、n型高抵抗層の材料としては、上記(1)〜(4)に示す材料以外にも、例えばSnO2等の酸化物を用いることもできる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る太陽電池について説明する。参照する図1は、第1実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。また、参照する図2は、第1実施形態に係る太陽電池のバンド構造を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る太陽電池10は、基板11と、基板11上に順次積層された透明電極12、n型高抵抗層13、p型酸化物半導体層14及び裏面電極15とを含む。
基板11としては、透光性基板を用いることができ、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる透光性基板を用いることができる。
透明電極12、n型高抵抗層13及びp型酸化物半導体層14としては、例えば、それぞれ上述した透明電極、n型高抵抗層及びp型酸化物半導体層の好適な材料を使用することができる。
裏面電極15としては、例えば、Cu、Ag、Al等からなる金属薄膜を用いることができる。また、上述した透明電極の好適な材料(例えば、透光性及び導電性を有する酸化物薄膜)を使用することもできる。
第1実施形態に係る太陽電池10は、透明電極12とp型酸化物半導体層14との間に介在するn型高抵抗層13を含むため、図2に示すように、透明電極12に注入された電子eとp型酸化物半導体層14に注入された正孔hとの再結合を防止することができる。これにより、ダイオードの漏れ電流を抑制できるため、例えば、太陽電池10の開放電圧を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る太陽電池について説明する。参照する図3は、第2実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。なお、図3において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図3に示すように、第2実施形態に係る太陽電池20は、第1のp型酸化物半導体層21と第2のp型酸化物半導体層22の2層のp型酸化物半導体層を含み、それぞれn型高抵抗層13上に順次積層されている。その他の構成は、上述した第1実施形態に係る太陽電池10(図1参照)と同様である。よって、第2実施形態に係る太陽電池20によっても上述した第1実施形態に係る太陽電池10と同様の効果を発揮させることができる。
光吸収層となる第1のp型酸化物半導体層21としては、例えば、Ag2OやCu2O等を用いることができる。第2のp型酸化物半導体層22としては、例えば、CuAlOx(2≦x≦2.5)、CuGaOx(2≦x≦2.5)、CuInOx(2≦x≦2.5)等を用いることができる。また、第1のp型酸化物半導体層21としてAg2Oを用いた場合は、第2のp型酸化物半導体層22としてCu2Oを用いてもよい。
ここで、第2のp型酸化物半導体層22のバンドギャップは、第1のp型酸化物半導体層21のバンドギャップより大きいことが好ましい。第1のp型酸化物半導体層21で光励起されて裏面電極15側へ移動するキャリアが、第1のp型酸化物半導体層21と第2のp型酸化物半導体層22との界面に到達しても、バンドギャップのより大きい第2のp型酸化物半導体層22によって、裏面電極15への上記キャリアの移動を防ぐことができるからである。よって、上記条件を満たすことにより、裏面電極15での電子と正孔との再結合が低減し、太陽電池20の変換効率が向上する。
以下、本発明の実施例について説明する。なお本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例として、図1に示す構成を有する太陽電池(実施例1〜3)、及び図3に示す構成を有する太陽電池(実施例4〜6)を作製した。まず、実施例1〜3の太陽電池の作製方法について、図1を参照して説明する。
(実施例1〜3の太陽電池の作製方法)
基板11としては、ガラス基板(厚み:3mm)を用いた。その上に、スパッタ法により、透明電極12としてZnO:Al膜(厚み:1μm)を形成した。スパッタは、Al23を2質量%含むZnO焼結体をターゲットに用い、基板11の温度を400℃に加熱した状態で、酸素を2容量%含有するAr雰囲気中、直流電源を用いて1kWの電力を印加して行った。作製したZnO:Al膜のシート抵抗は約15Ω/□であり、そのキャリア濃度は1020/cm3以上であった。
次に透明電極12上にn型高抵抗層13として、実施例1についてはSnO2膜、実施例2については(Zn0.7Mg0.3)O膜、実施例3についてはZnS膜を形成した。SnO2膜及び(Zn0.7Mg0.3)O膜については、それぞれの材料からなる焼結体をターゲットとし、基板11の温度を約200℃に加熱した状態で、高周波スパッタ法により厚み0.1μm堆積させて形成した。また、ZnS膜については、ZnSの焼結体を蒸発物に用い、基板11の温度を約300℃に加熱した状態で、熱蒸着法により厚み0.1μm堆積させて形成した。なお、上記3種類のn型高抵抗層13は、いずれもキャリア濃度が1015/cm3以下であった。
次にn型高抵抗層13上に、p型酸化物半導体層14としてCu2O膜を高周波スパッタ法で形成した。高周波スパッタは、Cu2Oの焼結体をターゲットとし、酸素を1容量%含有するAr雰囲気中、基板11の温度を400℃に加熱した状態で行った。作製したCu2O膜の厚みは、約1.5μmであった。
次にp型酸化物半導体層14上に、裏面電極15としてCu膜(厚み:約0.3μm)を形成した。Cu膜は、Cuをターゲットに用い、基板11の温度を約25℃に保った状態で、直流スパッタ法により形成した。以上の方法により、実施例1〜3の太陽電池を得た。
(比較例1)
また、実施例1〜3に対する比較のため、比較例1として、n型高抵抗層13のない構造の太陽電池を作製した。使用した基板11、透明電極12、p型酸化物半導体層14及び裏面電極15は上述した実施例1〜3の太陽電池と同様である。
(実施例4〜6の太陽電池の作製方法)
次に、実施例4〜6の太陽電池の作製方法について、図3を参照して説明する。基板11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み:200μm)を用いた。このPETフィルムを、硝酸亜鉛(0.05モル/リットル)とボランジメチルアミン((CH3)2NHBH3、0.05モル/リットル)とを含有する水溶液中に100分間浸漬することにより、透明電極12として、厚み約1μmのZnO膜を形成した。
次に透明電極12上に、n型高抵抗層13として、実施例4についてはZn(O,S)膜(厚み:約80nm)、実施例5についてはIn(O,S)膜(厚み:約20nm)、実施例6についてはZnInS膜(厚み:約10nm)を形成した。Zn(O,S)膜は、硫酸亜鉛(0.16モル/リットル)とチオ尿素(0.6モル/リットル)とアンモニア(7.5モル/リットル)との混合溶液に、透明電極12が形成された基板11を5分間浸漬することにより形成した。In(O,S)膜は、塩化インジウム(0.03モル/リットル)とチオアセトアミド(0.1モル/リットル)と塩酸(塩化水素換算で0.8質量%)との混合溶液に、透明電極12が形成された基板11を0.2分間浸漬することにより形成した。ZnInS膜は、塩化亜鉛(0.01モル/リットル)と塩化インジウム(0.01モル/リットル)とチオ尿素(0.15モル/リットル)との混合溶液に、透明電極12が形成された基板11を5分間浸漬することにより形成した。
次にn型高抵抗層13上に、第1のp型酸化物半導体層21として、Ag2O膜を以下に示す方法により形成した。n型高抵抗層13上に電解めっき法でAg膜を形成し、これらを硝酸銀(0.02モル/リットル)の水溶液中に浸漬し、この水溶液中に具備した電極と透明電極12との間に電流を流すことにより、上記Ag膜を酸化してAg2O膜を形成した。作製したAg2O膜の厚みは約1.5μmであった。
次に第1のp型酸化物半導体層21上に、第2のp型酸化物半導体層22としてCu2O膜を以下に示す方法により形成した。第1のp型酸化物半導体層21まで形成した基板11を、硝酸銅(0.02モル/リットル)の水溶液中に浸漬し、この水溶液中に具備した電極と透明電極12との間に電流を流すことにより、第1のp型酸化物半導体層21上にCu2O膜を形成した。作製したCu2O膜の厚みは約0.2μmであった。
次に第2のp型酸化物半導体層22上に、裏面電極15として、無電解めっき法によりCu膜(厚み:約0.2μm)を形成した。以上の方法により、実施例4〜6の太陽電池を得た。
(比較例2)
また、実施例4〜6に対する比較のため、比較例2として、n型高抵抗層13のない構造の太陽電池を作製した。使用した基板11、透明電極12、第1のp型酸化物半導体層21、第2のp型酸化物半導体層22及び裏面電極15は上述した実施例4〜6の太陽電池と同様である。
(評価)
作製した各々の太陽電池に、疑似太陽光(100mW/cm2、エアマス(AM)1.5)を照射し、電流−電圧特性を測定した。結果を表1(実施例1〜3及び比較例1)、及び表2(実施例4〜6及び比較例2)に示す。
Figure 2006332373
Figure 2006332373
(実施例1〜3及び比較例1について)
表1に示すように、実施例1〜3は比較例1に比べ開放電圧が向上している。これは、n型高抵抗層13の存在により、透明電極12とp型酸化物半導体層14との間において、電子と正孔との再結合が抑制されるためであると考えられる。特に、実施例2及び実施例3については、比較例1に比べ、開放電圧が約2倍に増加している。これは、実施例2及び実施例3の場合、いずれも上述した電子親和力の差(χ1−χ2)が0以上であることから、電子と正孔との再結合を効果的に抑制することができるためであると考えられる。
また、実施例2は比較例1に比べ曲線因子(FF)が1.5倍以上向上している。これは、実施例2の場合、上述した電子親和力の差(χ1−χ2)が0以上0.5未満であることから、上述したように電子と正孔との再結合を効果的に抑制することができる上、p型酸化物半導体層で光吸収により生成した電子をn型高抵抗層へ効率良く輸送することができるからである。結果として、実施例2の変換効率は、比較例1の変換効率に比べ約3.5倍増加した。
ここで、実施例2の構成においては、光透過特性から測定した、n型高抵抗層である(Zn0.7Mg0.3)O膜のバンドギャップEg1とp型酸化物半導体層であるCu2O膜のバンドギャップEg2との差(Eg1−Eg2)は約1.7eVであった。また、n型高抵抗層である(Zn0.7Mg0.3)O膜のバンドギャップEg1と透明電極であるZnO:Al膜のバンドギャップEg3との差(Eg1−Eg3)は約0.2eVであった。
なお、実施例2では、n型高抵抗層13として(Zn0.7Mg0.3)O膜を用いたが、Mgと同族の元素(2族元素)を含む(Zn,Ca)O膜等や、高抵抗のZnO膜、高抵抗のIn23膜等を用いても同様な結果が得られた。また、例えば蒸着法で形成された、In23膜、Ga23膜、In2Se3膜、Ga2Se3膜、ZnInxSey膜(1≦x≦3、2.5≦y≦5.5)等をn型高抵抗層13として用いても同様な結果が得られた。
(実施例4〜6及び比較例2について)
表2に示すように、実施例4〜6は比較例2に比べ、いずれも開放電圧が向上し、FFについても約1.5倍向上した。これは、n型高抵抗層13の存在により、透明電極12と第1のp型酸化物半導体層21との間において、電子と正孔との再結合が抑制されるためであると考えられる。結果として、実施例4,6の変換効率は、比較例2の変換効率に比べ3倍以上増加した。
なお、実施例5では、n型高抵抗層13としてIn(O,S)膜を用いたが、Inと同族の元素(13族元素)を含むGa(O,S)膜等を用いても同様な結果が得られた。また、実施例6では、n型高抵抗層13としてZnInS膜を用いたが、Sと同族の元素(16族元素)を含むZnInSe膜等を用いても同様な結果が得られた。
本発明の酸化物薄膜太陽電池は、軽量な基板やフレキシブルな基板を用いることができるため、例えば携帯可能な電源や携帯機器用電源等として有用である。
本発明の第1実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。 本発明の第1実施形態に係る太陽電池のバンド構造を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る太陽電池の模式断面図である。 従来の太陽電池のバンド構造を示す模式図である。
符号の説明
10,20 酸化物薄膜太陽電池
11 基板
12 透明電極
13 n型高抵抗層
14 p型酸化物半導体層
15 裏面電極
21 第1のp型酸化物半導体層
22 第2のp型酸化物半導体層
CB 伝導帯
f フェルミ準位
VB 価電子帯
e 電子
h 正孔

Claims (15)

  1. 透明電極とp型酸化物半導体層とを含む酸化物薄膜太陽電池であって、
    前記透明電極と前記p型酸化物半導体層との間に介在するn型高抵抗層を含むことを特徴とする酸化物薄膜太陽電池。
  2. 前記n型高抵抗層は、キャリア濃度が1015/cm3以下である請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  3. 前記n型高抵抗層のバンドギャップから前記p型酸化物半導体層のバンドギャップを差し引いた値が、0以上である請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  4. 前記n型高抵抗層のバンドギャップから前記透明電極のバンドギャップを差し引いた値が、−0.5以上0.5以下である請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  5. 前記p型酸化物半導体層の電子親和力から前記n型高抵抗層の電子親和力を差し引いた値が、0以上である請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  6. 前記p型酸化物半導体層の電子親和力から前記n型高抵抗層の電子親和力を差し引いた値が、0.5未満である請求項5に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  7. 前記n型高抵抗層は、2族元素、12族元素、13族元素及び16族元素からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  8. 前記n型高抵抗層は、16族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と亜鉛とを含む請求項7に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  9. 前記n型高抵抗層は、2族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と亜鉛とを含む複合酸化物を含む請求項7に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  10. 前記n型高抵抗層は、13族元素としてIn及びGaの少なくとも一方を含み、かつ16族元素として酸素、硫黄及びセレンから選ばれる少なくとも一つを含む請求項7に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  11. 前記n型高抵抗層は、12族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と、13族元素から選ばれる少なくとも一つの元素と、16族元素から選ばれる少なくとも一つの元素とを含む請求項7に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  12. 前記透明電極は、キャリア濃度が1016/cm3以上である請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  13. 前記透明電極は、ZnO、In23及びSnO2から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1又は12に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  14. 前記p型酸化物半導体層は、11族元素から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を含む請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
  15. 前記p型酸化物半導体層は、11族元素から選ばれる少なくとも一つの元素を含む複合酸化物を含む請求項1に記載の酸化物薄膜太陽電池。
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