JP2014053572A - 光電変換素子の半導体層材料、光電変換素子及びその製造方法 - Google Patents

光電変換素子の半導体層材料、光電変換素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子のi形もしくはn形半導体層材料、製造方法および当該半導体層を採用する構造を有する高変換効率光電変換素子を提供する。
【解決手段】高変換効率光電変換素子10は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層11上に、第2半導体層12を形成し、その上に透明導電層13を形成する構造を有し、第2半導体層12として膜厚が10〜100nm程度の酸化ガリウム薄膜を採用する。高変換効率光電変換素子10の製造方法は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層11を準備する工程と、第1半導体層11の上に、酸化ガリウムからなる層厚が10〜100nmの第2半導体層12を形成する半導体層形成工程と、第2半導体層12の上に透明導電層13を形成する工程と、を含み、第2半導体層12形成工程は、低温成膜技術を用いて成膜温度50℃以下で行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換できる光電変換素子の技術に関する。
近年、新興国の飛躍的な経済発展に伴って、地球規模でのエネルギー需要が増大してきている。その結果、石油等の化石エネルギーコストが上昇している。また、これら新興国の化石エネルギー消費の増大は地球規模でのCO排出量の増加を招き、深刻な環境破壊を引き起こしている。これらの問題解決の有力な候補としては、自然エネルギーの積極的な利用が叫ばれており、中でも太陽電池による太陽光発電への期待は極めて大きい。
太陽電池には、様々な材料が用いられており、主なものとしは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムガリウムセレン化合物(CIGS化合物)などが挙げられる。シリコンは、地殻埋蔵量は豊富であるもの、太陽電池の原料となる高純度シリコンの場合、安価な材料とは言い難い。また、CIGS化合物は、埋蔵量が少なく入手が困難なレアメタルを含んでおり、材料コストの低減にも限界がある。
そこで、主原料が極めて安価でかつ地殻埋蔵量も豊富な亜鉛や銅を用いた太陽電池の開発も行われている。
例えば、多結晶CuOシート上にAlドープ酸化亜鉛(AZO)透明導電膜を積層したAZO/CuOショットキー障壁ダイオードにおいて、1%以上の光電変換効率が得られることが報告されている(非特許文献1参照)。
このように、安価な材料からなる太陽電池は実現されつつあるものの、実用的には変換効率の更なる向上が求められている。このような状況において当該特許発明者らは、多結晶の亜酸化銅からなる第1の半導体層を準備する準備工程と、第1の半導体層の上に、ノンドープの酸化亜鉛からなる、層厚が10〜100nmの第2の半導体層を形成する半導体層形成工程と、第2の半導体層の上に透明導電層を形成する導電層形成工程において、半導体層形成工程を10〜50℃の雰囲気温度で行われることにより、従来の変換効率を飛躍的に改善する約4%を実現できる製造技術を発明した(特許文献1)。
Hideki Tanaka et al、「Electrical and optical properties of TCO−Cu2O heterojunction devices」、Thin Solid Filmes、2004、469−470、p.80−85
特願2011−050035
上記の製造技術を採用することにより、変換効率の大幅な改善を実現したが、実用化を視野に入れた場合、変換効率の更なる向上が求められている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされており、その目的とするところは、安価な材料を用いた光電変換装置において、変換効率を向上するための新規な半導体材料及び製造技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光電変換素子は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に、酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層と、第2半導体層の上の透明導電層と、多結晶の亜酸化銅の他方の面上に設けられている電極とを含む。また、本発明のある態様の光電変換素子は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に、酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層と、第2半導体層の上にさらに酸化亜鉛薄膜からなる第3半導体層と、第3半導体層の上の透明導電層と、多結晶の亜酸化銅の他方の面上に設けられている電極とを含む。
本発明のある態様の光電変換素子の製造方法は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層を準備する準備工程と、第1半導体層の上に、酸化ガリウム薄膜からなる、層厚が10〜100nmの第2半導体層を形成する半導体層形成工程と、第2半導体層の上に透明導電層を形成する導電層形成工程と、多結晶の亜酸化銅の他方の面上に設けられている電極形成工程と、を含み、特に第2半導体層形成工程は、50℃以下の雰囲気温度下で行われる。また、本発明のある態様の光電変換素子の製造方法は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層を準備する準備工程と、第1半導体層の上に、酸化ガリウム薄膜からなる、層厚が10〜100nmの第2半導体層を形成する半導体層形成工程と、第2半導体層の上に、さらに酸化亜鉛薄膜からなる第3半導体層を準備する準備工程と、透明導電層を形成する導電層形成工程と、多結晶の亜酸化銅の他方の面上に設けられている電極形成工程と、を含み、特に第2及び第3半導体層形成工程は、50℃以下の雰囲気温度下で行われる。
この態様によると、酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層を採用し、適切な作成条件下で成膜された光電変換素子において、光電変換効率を向上することができる。また、酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層および酸化亜鉛薄膜からなる第3半導体層を採用し、適切な作成条件下で成膜された光電変換素子においても、光電変換効率を向上することができる。
半導体層形成工程は、第1半導体層の上に到達する酸素の粒子のエネルギーが約10eV未満となる方法で行われる。
半導体層形成工程において、パルスレーザ蒸着法により第2及び第3半導体層を形成してもよい。あるいは、真空アークプラズマ蒸着法により第2及び第3半導体層を形成してもよい。これにより、エネルギーの小さい粒子による蒸着が可能となるが、エネルギーの小さい粒子による成膜技術であればよく、上記の方法の他に、公知の物理的や化学浴析出法等の公知の化学的成膜技術が使用可能である。
第2及び第3半導体層の層厚は、20〜70nmであってもよい。これにより、光電変換効率を更に向上することができる。
本発明の別の態様もまた、光電変換素子である。この光電変換素子は、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に設けられ、酸化ガリウム薄膜からなる層厚が10〜100nmの第2半導体層と、第2半導体層の上に設けられた透明導電層とを備える。第2半導体層は、光電変換効率が5%以上であるように構成されている。また、多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、第1半導体層の上に設けられ、酸化ガリウム薄膜からなる層厚が10〜100nmの第2半導体層と、第2半導体層の上に設けられ、酸化亜鉛薄膜からなる層厚が10〜100nmの第3半導体層と、その上に設けられた透明導電層とを備える。第2及び第3半導体層は、光電変換効率が5%以上であるように構成されている。
第1半導体層は、p形半導体層であり、第2及び第3半導体層はi形もしくはn形半導体層であってもよい。透明導電層は、金属酸化物薄膜、例えばアルミニウムをドープした酸化亜鉛からなってもよい。カーボン系薄膜、例えばグラフェンからなってもよい。金属ナノ粒子塗布及び印刷膜、例えばAgナノ粒子を含むペースト用いた膜からなってもよい。
第2及び第3半導体層は、50℃以下の雰囲気温度で形成されたものであってもよい。これにより、光電変換効率を更に向上することができる。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、第2半導体層として酸化ガリウムを用い、適切な作成条件下で成膜された光電変換装置において、変換効率を向上することができる。また、第2半導体層上に酸化亜鉛からなる第3半導体を適切な作製条件下で成膜された光電変換装置においても変換効率を向上することができる。
光電変換素子の一例の構成を示す概略断面図である。 図1に示す光電変換素子で得られる光起電力特性のグラフを示す図である。 本実施の形態に係る光電変換素子の構成を示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
(光電変換素子)
はじめに、本実施の形態に係る光電変換素子における第2半導体層の材料及び形成条件の影響について説明する。本発明者らが鋭意検討した結果、多結晶のCuO(亜酸化銅)層の上に形成する新規な第2半導体層の材料は太陽光、特に短波長(波長約350〜600nm程度)領域の透光性に優れたワイドギャップ半導体であり、化学的に安定であり、CuO表面の酸素と共有性を持って結合でき、且つCuOとの接合面においてクリフを形成しない材料であることが、高変換効率を実現するために極めて重要であることを見いだした。その材料としては酸化ガリウムが好適であることを見いだした。
図1は、光電変換素子の一例の構成を示す概略断面図である。光電変換素子10は、多結晶のCuO層11と、CuO層11の一方の面上に設けられた酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層12と透明導電層13と、CuO層11の他方の面上に設けられている電極14と、を備える。
CuO層11は、10〜1000μmの厚みを有するp形半導体層である。また、第2半導体層12はノンドープ酸化ガリウム薄膜である。透明導電層13は、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)である。また、電極14は、φ2mmのAu(金)からなる。
酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層12は、表1に示す成膜条件でパルスレーザ蒸着(PLD)法を用いて形成された。光起電力特性は、太陽光シミュレーターを用いてAM1.5G(100[mW/cm])光の照射下で、セル温度を25[℃]に保持して、測定された。
Figure 2014053572
図2は、図1に示す光電変換素子10で得られる光起電力特性のグラフを示す図である。図2の曲線C1は第2半導体層である酸化ガリウム層を膜厚50nm、故意に加熱しない雰囲気温度で形成している。同じく曲線C2は第2半導体層を持たず、多結晶のCuO層11上に、AZO透明導電層を形成した光電変換素子で得られる光起電力特性のグラフを示す図である。
図2に示すように、第2半導体層である酸化ガリウム薄膜を採用した素子は、酸化ガリウム層を持たない素子と比較して大幅に光起電力特性が改善し、実用化レベルに大きく近づいた変換効率5.09%を達成している。このような変換効率の向上は主として、酸化ガリウム層のエネルギーギャップが大きいことから太陽光の吸収による損失が極めて少なく、化学的に安定であり、また、ガリウムがCuO表面の酸素と共有性を持って結合できており、且つCuOとの界面でのバンドのクリフが低減された結果として、開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)及び曲線因子(F.F.)が改善されたことによるものと考えられる。
このように第2半導体層の材料として酸化ガリウム薄膜を採用し、且つ成膜時の膜厚及び雰囲気温度を最適化することで、CuO層を用いた光電変換素子としては、従来にはない高変換効率である5%以上を達成できる点が見出された。
図3は、光電変換素子の一例の構成を示す概略断面図である。光電変換素子20は、多結晶のCuO層11と、CuO層11の一方の面上に設けられた酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層12とその上に設けられた酸化亜鉛薄膜からなる第3半導体層15と、透明導電層13と、CuO層12の他方の面上に設けられている電極14と、を備える。
CuO層11は、10〜1000μmの厚みを有するp形半導体層である。また、第2半導体層12はノンドープ酸化ガリウム薄膜である。第3半導体層15はノンドープ酸化亜鉛薄膜である。透明導電層13は、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)である。また、電極14は、φ2mmのAu(金)からなる。
図3に示す光電変換素子20では、酸化ガリウム薄膜層及び酸化亜鉛薄膜層の膜厚を50nm、故意に加熱しない雰囲気温度で形成することにより、酸化ガリウム薄膜層のみを有する光電変換素子10と比較してさらに光起電力特性が改善した。
図1に示す本実施の形態に係る光電変換素子において、CuO層11の厚さを10μ程度まで薄く作製することにより、波長約650nm以上の長波長領域の透光性を改善した光電変換素子をトップセルとして、波長700nm付近から赤外域にかけて光電変換感度特性を有する多結晶Si系光電変換素子(ボトムセル)上に形成するタンデム型光電変換素子を作製し、20%以上の高光電変換効率を達成している。
図3に示す本実施の形態に係る光電変換素子において、CuO層11の厚さを10μ程度まで薄く作製することにより、波長約650nm以上の長波長領域の透光性を改善した光電変換素子をトップセルとして、波長750nm付近から赤外域にかけて光電変換感度特性を有するCIGS系化合物薄膜光電変換素子(ボトムセル)上に形成するタンデム型光電変換素子を作製し、22%以上の高光電変換効率を達成している。
(光電変換素子の製造方法)
次に、本実施の形態に係る光電変換素子の製造方法について説明する。はじめに、銅板(純度99.96[%])を洗浄後、約1010[℃]で酸化処理することで、基板および活性層を兼ねる多結晶のp型CuOシート(厚さ150μm)を作製し、第1半導体層11を準備する。
次に、前述のPLD法を用いて、ノンドープの酸化ガリウム薄膜を第2半導体層12として第1半導体層11の一方の面上に形成する。この際、成膜時の雰囲気温度は、故意に加熱しない〜50℃程度が好ましい。より好ましくは、故意に加熱しない〜40℃程度の雰囲気温度で第2半導体層12を形成するとよい。更に好ましくは、故意に加熱しない〜30℃程度の雰囲気温度で第2半導体層12を形成するとよい。また、膜厚は厚さ10〜100nm程度、より好ましくは20〜70nm程度、更に好ましくは、30〜50nm程度に第2半導体層12を形成するとよい。
その後、前述の透明導電層13が第2半導体層12の上に形成される。そして、電極14が公知の方法で第1半導体層11の他方の面上に形成され、光電変換素子10が作製される。
このように作製した光電変換素子10の光起電力特性は、前述と同様の条件で、太陽光シミュレーターを用いて測定された。
光電変換素子10は、変換効率5.06%、開放端電圧0.82V、短絡電流密度10.12mA/cm、曲線因子0.61である。酸化ガリウム薄膜を有している光電変換素子で得られた変換効率5.06[%]は、これまでに報告されているCuOを主成分とする太陽電池の変換効率としては世界最高値である。このように、第2半導体層12は、光電変換効率が5.0%以上であるように構成されているとよい。
以上のように、第2半導体層として酸化ガリウム薄膜を使用した光電変換素子において、光電変換効率を従来よりも飛躍的に向上することができた。
次に、第2半導体層12の形成方法について詳述する。本発明者らの検討により、第1半導体層11の表面に第2半導体層12を形成する際、第2半導体層12を構成する粒子が第1半導体層12の表面に到達する際に大きなエネルギーを持たない成膜方法が好ましいことが明らかになった。つまり、スパッタリング法のような数百eVのエネルギーを有する粒子が堆積して薄膜を形成する方法では変換効率の向上という観点ではあまり好ましくない。
そこで、前述のPLD法や、レーザMBE法、レーザーアブレーション法、真空アークプラズマ蒸着法(Vacuum Arc Plasma Evaporation:以下、VAPE法という)などの方法を用いて第2半導体層12を形成するとよい。これらの方法によれば、第1半導体層11の表面に到達する主として酸素粒子のエネルギーを約10eV未満に抑えることが可能となる。つまり、エネルギーの小さい粒子による蒸着が可能となる。
以下、VAPE法を行う装置について説明する。装置は、比較的高いガス圧下での大電力(低電圧、大電流)直流アーク放電を利用するアークプラズマ発生室を備える。この発生室で発生したアークプラズマを真空チャンバー内の円形加熱蒸発源(鋼製ハース)に導き、ハース内に充填された蒸着物質を加熱蒸発させて、基板上に堆積させる。すなわち、アルゴン(Ar)ガスの直流放電を利用するアークプラズマ発生室から磁界でガイドされたArプラズマを圧力差を利用して真空蒸着室へ引き出し、蒸発源に照射することにより蒸着物質が加熱される。
真空蒸着室に導入されたプラズマは拡散等により真空蒸着室部全体に広がっているため、蒸発した蒸気や導入したガスがプラズマにより活性化される可能性があり、活性化反応性蒸着(Activated Reactive Evaporation:ARE)を実現できる。特に、低電圧アーク放電を使用して発生するプラズマのエネルギーは低いため、基板上へ到達する粒子のエネルギーは、数十eV程度であり、粒子による衝撃やスパッタリング等によるダメージを生じる可能性が極めて低い。すなわち、VAPE法はソフトなAREが可能な成膜方法である。
なお、第2半導体層12の形成には、上述の各種蒸着方法以外に、化学浴析出法(Chemical Bath Deposition:CBD法)等の公知の化学的成膜技術を用いてもよい。
上述した本実施の形態に係る光電変換素子の利点を列挙すると以下の通りである。
(1)Alドープ酸化亜鉛(AZO)/酸化ガリウム(Ga)/亜酸化銅(CuO)を主成分とするヘテロ接合型光電変換素子は、第2半導体層として酸化ガリウム(Ga)を採用することにより、5%を超える極めて高い変換効率を実現できる。また、Alドープ酸化亜鉛(AZO)/ノンドープ酸化亜鉛(ZnO)/酸化ガリウム(Ga)/亜酸化銅(CuO)を主成分とするヘテロ接合型光電変換素子は、第2半導体層として酸化ガリウム(Ga)、第3半導体としてノンドープ酸化亜鉛(ZnO)を採用することにより、更に高い変換効率を実現できる。
(2)また、亜鉛や銅は人体に対して無毒・無害であり、「環境にやさしい」材料である。主原料の亜酸化銅は銅板を熱酸化させるだけで比較的簡単に製造できる。
(3)新規な第2半導体層である酸化ガリウム薄膜の作製には、PLD法やVAPE法等のソフトでダメージフリーな成膜技術を適用できる。
(5)また、携帯電話や携帯ゲーム機器用の太陽光発電器等への応用を考えた場合には室内での使用が前提になるため、Si系材料と比較して広いバンドギャップを有する亜酸化銅(約2eV)は、蛍光灯やLED照明下における発電に有利である。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや工程の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 光電変換素子、 11 Cu2O層、 12 第2の半導体層、13 透明導電層、 14 電極、 15 第3半導体層、20 光電変換素子

Claims (17)

  1. オーム性電極を裏面に形成してなる多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層の表面上に、第2半導体層を形成し、その上に透明導電層を形成する構造において、第2半導体層として層厚が10〜100nmの酸化ガリウム薄膜を採用することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記請求項1記載の光電変換素子において、第2半導体層と透明導電層との間にさらに第3半導体層を第2半導体層上に形成してなる構造を有することを特徴とする光電変換素子。
  3. 前記請求項2記載の第3半導体層として層厚が10〜100nmの酸化亜鉛薄膜を採用することを特徴とする光電変換素子。
  4. 第2半導体層である酸化ガリウム薄膜は不純物を故意にドープしない、もしくは、任意の1種類の不純物、もしくは数種類の不純物を共ドープしてなることを特徴とする請求項1または2記載の光電変換素子。
  5. 第3半導体層である酸化亜鉛薄膜は不純物を故意にドープしない、もしくは、任意の1種類の不純物、もしくは数種類の不純物を共ドープしてなることを特徴とする請求項1または2記載の光電変換素子。
  6. 多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられる層厚が10〜100nmの酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられた透明導電層と、を備え、前記第2半導体層は、光電変換効率が5.0%以上であるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  7. 多結晶の亜酸化銅からなる第1半導体層と、前記第1半導体層の上に設けられる層厚が10〜100nmの酸化ガリウム薄膜からなる第2半導体層と、前記第2半導体層の上に設けられる層厚が10〜100nmの酸化亜鉛薄膜からなる第3半導体層と、前記第3半導体層の上に設けられた透明導電層と、を備え、前記第2及び第3半導体層は、光電変換効率が5.0%以上であるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の光電変換素子。
  8. 前記第1半導体層は、p形半導体層であり、前記第2半導体層及び第3半導体層はi形もしくはn形半導体層であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. 前記透明導電層は、抵抗率が10−3Ωcm台より低い透明導電性薄膜からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  10. 前記透明導電層は、不純物ドープした金属酸化物薄膜、カーボン系薄膜もしくは金属ナノ粒子塗布膜及び印刷からなることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  11. 前記透明導電層は、不純物ドープ酸化亜鉛薄膜からなることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12. 前記第2半導体層の層厚は、好ましくは20〜70nmであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  13. 前記第3半導体層の層厚は、好ましくは20〜70nmであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  14. 前記第2半導体層は、故意に加熱することなく、もしくは50℃以下に加熱された第1半導体上に形成されたものであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  15. 前記請求項1から14のいずれか1項に記載の光電変換素子をトップセルとし、薄膜、多結晶もしくは単結晶Si系光電変換素子をボトムセルとする素子構造を特徴とするタンデム型光電変換素子。
  16. 前記請求項1から14のいずれか1項に記載の光電変換素子をトップセルとし、CIGS系化合物薄膜光電変換素子をボトムセルとする素子構造を特徴とするタンデム型光電変換素子。
  17. 前記第2半導体層形成は、前記第1半導体層の上に到達する酸素粒子のエネルギーが約10eV未満となる方法で行われることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のタンデム型光電変換素子。
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