JP2006330521A - グリッド偏光フィルム、グリッド偏光フィルムの製造方法、光学積層体、光学積層体の製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

グリッド偏光フィルム、グリッド偏光フィルムの製造方法、光学積層体、光学積層体の製造方法、および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広、長尺のグリッド偏光フィルム、及び、それを容易に製造するための方法を提供する。
【解決手段】微細な凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成し、次いで、該凹凸に複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して、該膜によって互いに略並行に配置された複数のグリッド線を連続的に形成して、長尺のグリッド偏光フィルムを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリッド偏光フィルム、グリッド偏光フィルムの製造方法、光学積層体、光学積層体の製造方法、および液晶表示装置に関し、特に、光通信、光記録、センサー、画像表示装置等に使用されるグリッド偏光フィルム、グリッド偏光フィルムの製造方法、光学積層体、光学積層体の製造方法、および液晶表示装置に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光部品である。このような金属グリッドを形成すると、グリッド周期が入射光の波長より短い場合に、金属グリッドを形成している線状金属に対して平行な偏光成分(P偏光)は反射し、垂直な偏光成分(S偏光)は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
グリッド構造を形成する方法として、特許文献1には、光透過性基板に金属を蒸着、スパッタリング、あるいはイオンプレーティングで形成し、これにレジストを塗布し、写真製版を行なった後、UHF−ECRプラズマエッチングにより、縞状細線を形成する方法が開示されている。特許文献2には、光透過性基板の片面上に銅の薄膜を形成し、硬化時の屈折率が、該光透過性基板とほぼ等しいフォトレジストを用いたフォトリソグラフィ技術によりイオンミリング法で多数本の銅細線を平行に配列したグリッドパターンを形成する方法が開示されている。これらの方法ではエッチング工程を採用しているので、面積の狭いグリッド偏光子(特許文献1では0.3μm×0.07μm、特許文献2では直径1インチ)しか得られない。
また、特許文献3には、透明な基材上に、電子線加熱や抵抗加熱による真空蒸着法、スパッター法や、メッキや電解メッキ法、金属化合物などを溶液状態で塗布した後、酸化還元することにより金属膜とする方法などの方法によって金属膜を形成し、該金属膜を形成した透明基材を延伸又は圧延して金属膜に微細なひび割れを生じさせて縞状細線を形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法は金属膜に生じる割れの幅、形状などをコントロールすることがきわめて困難で、狭い面積のグリッド偏光フィルムを得ることも非常に難しい。
特開2003−66229号公報 特開2000−284117号公報 特開2001−74935号公報
本発明の目的は、幅広、長尺のグリッド偏光フィルム、及び、それを容易に製造するための方法等を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために検討した結果、微細な凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成し、次いで、該凹凸に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる薄膜を形成して、該薄膜によってグリッド線を形成することによって、長尺のグリッド偏光フィルムが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、(1)基材となる長尺の樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの表面および/または内部に、互いに略平行に配置される複数のグリッド線とを有し、
前記グリッド線は、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなることを特徴とする長尺のグリッド偏光フィルムが提供される。
本発明の好適な態様として(2)前記樹脂フィルムの表面が微細な凹凸形状を成しており、
前記凹凸形状における凸部頂面及び/又は凹部底面に前記グリッド線が在ることを特徴とする前記の長尺グリッド偏光フィルム、
(3)前記グリッド線が前記長尺の樹脂フィルムの長手方向に略平行に延設されており、偏光透過軸の方向がフィルムの幅方向に略平行である、前記の長尺グリッド偏光フィルム、及び/又は
(4)表裏面のうちの少なくとも一方の面にさらに透明保護層が積層して有する前記の長尺グリッド偏光フィルムが提供される。
本発明によれば、(5)微細な凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成し、次いで、該凹凸形状の表面に、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して、前記膜によってグリッド線を形成する、長尺のグリッド偏光フィルムの製造方法が提供される。
本発明によれば、(6)前記の長尺のグリッド偏光フィルム又は長尺の偏光フィルムの製造方法により製造された長尺のグリッド偏光フィルムと、他の長尺の偏光光学フィルムとを含んでなる長尺の光学積層体が提供され、好適な態様として、(7)他の長尺の偏光光学フィルムが吸収型偏光フィルムである前記の長尺の光学積層体は提供される。
また、本発明によれば、(8)ロール状に巻かれた前記の長尺のグリッド偏光フィルムと、ロール状に巻かれた他の長尺の偏光光学フィルムとをそれぞれのロールから繰り出しながら、該グリッド偏光フィルムと該他の偏光光学フィルムとを密着させて光学積層体を製造する長尺の光学積層体の製造方法が提供され、
さらに本発明によれば、前記の長尺のグリッド偏光フィルム又は前記の長尺の光学積層体から切り出された光学部材を備える液晶表示装置が提供される。
本発明のグリッド偏光フィルムは、長尺であるので、他の長尺の偏光光学フィルムとの貼り合わせを、長尺のままでロール・トウ・ロール積層することができる。本発明の製法によれば、複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなるグリッド線の分布を精密にコントロールでき、長尺のグリッド偏光フィルムを容易に得ることができる。
本発明の長尺グリッド偏光フィルムは、基材となる長尺の樹脂フィルムと、樹脂フィルムの表面および/または内部に、互いに略平行に配置される複数のグリッド線とを有し、グリッド線は、複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料から構成されている。
本発明において長尺とは、ロール状に巻回できる程度に長いことを意味し、好ましくは1m以上のものである。本発明のグリッド偏光フィルムの幅は特に制限されないが、大面積の表示装置に適用できるように、広幅であることが好ましい。具体的には通常5〜3000cmである。
本発明を構成する樹脂フィルムは、透明な樹脂からなるフィルムである。透明樹脂フィルムは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上で、平滑であるものが好ましい。
本発明に好適に用いられる樹脂フィルムの平均厚みは、ハンドリングの観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。
樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては特に限定は無いが、フィルム表面への加工性の観点から樹脂のガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。脂環式オレフィンポリマーとしては、例えば特開平05−310845号公報、特開平05−097978号公報、特開平11−124429号公報に記載されているものが挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
樹脂フィルムは前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。樹脂フィルムは、光の偏光に及ぼす影響が小さいものがよいという観点から、その面内レターデーションが小さいものが好ましく、具体的には波長550nmにおいて好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以下である。
グリッド線に用いられる材料は、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料であり、複素屈折率の実部と虚部のいずれかが大きく、その差の絶対値が1.0以上の材料の中から適宜選択することができる。複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料の具体例としては、金属;シリコン、ゲルマニウム等の無機半導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン等の導電性ポリマー、及びこれら導電性樹脂をヨウ素、三フッ化ホウ素、五フッ化ヒ素、過塩素酸等のドーパントを用いてドーピングした有機系導電性材料;絶縁性樹脂に金、銀などの導電性金属微粒子を分散した溶液を乾燥して得られる有機−無機複合系導電性材料、などが挙げられる。これらの中でも、グリッド偏光フィルムの生産性、耐久性の観点からは金属材料が好ましい。可視域の光を効率よく偏光分離するためには、温度25℃、波長550nmにおける複素屈折率の実部n及び虚部κのそれぞれは、好ましくはnが4.0以下で、κが3.0以上で且つその差の絶対値|n−κ|が1.0以上のものであり、より好ましくはnが2.0以下で、κが4.5以上で且つ|n−κ|が3.0以上のものである。前記好ましい範囲にあるものとしては、銀、アルミニウム、クロム、インジウム、イリジウム、マグネシウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、スズ等が挙げられ、前記より好ましい範囲にあるものとしては、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。また上記以外に、nが3.0以上で且つκが2.0以下の範囲にある材料、好ましくはnが4.0以上で且つκが1.0以下の範囲にある材料も好適に用いることができる。このような材料としてはシリコンなどが挙げられる。複素屈折率Nは、電磁波の理論的関係式であり、実部の屈折率nと虚部の消衰係数κを用いて、N=n−iκで表現されるものである。
詳細は不明であるが|n−κ|の値は次のような意義を持つ。まず、n<κの場合においては、κが大きいものほど導電性が大きく、グリッド線の方向に振動できる自由電子が多くなるため、偏光(グリッド線に(電場が)平行な方向の偏光)の入射により発生する電界が強くなり、前記偏光に対する反射率が高まる。グリッド線の幅が小さいので、グリッド線と直交する方向には電子は動けず、グリッド線と直交する方向の偏光に対しては上記の効果は生じず、透過する。またnが小さい方が入射した光の媒質中での波長が大きくなるため、相対的に微細凹凸構造のサイズ(線幅、ピッチ等)が小さくなり、散乱、回折等の影響を受け難くなり、光の透過率(グリッド線に直交する方向の偏光)、反射率(グリッド線に平行な方向の偏光)が高まる。ここで|n−κ|が1.0以上というのは、κがより大きく、nがより小さいものほど好ましいということ示している。
一方n>κの場合においては、nが大きいものほど、グリッド線とそれに隣接する部分(図1では空気)との屈折率nの差が大きくなり、構造複屈折が発現しやすくなる。一方κが大きいと光の吸収が大きくなるため、光の損失を防ぐ意味でκは小さいほど好ましい。ここで|n−κ|が1.0以上というのは、nがより大きく、κがより小さいものほど好ましいということを示している。
グリッド線は、例えば図1に示すような公知のグリッド構造をなしていれば特に制限は無い。すなわち、図1に示すように、本発明の一実施形態に係るグリッド偏光フィルムは、上述した樹脂フィルム2と、この樹脂フィルムの上面に、互いに略平行に配列された複数のグリッド線1とを備えている。ここで、略平行とは、例えば、グリッド線が交わらず、グリッド線間のピッチが広がったり狭まったりしている場合でも、例えば平均ピッチの±5%程度以内に収まっていることをいう。グリッド線間のピッチは使用する光の波長の1/2以下とすることが必要である。グリッド線の幅は細いほど透過方向の偏光成分の吸収が小さくなり、特性上好ましい。可視光線に用いるグリッド偏光フィルムでは、ピッチが通常50〜1000nmであり、線幅が通常25〜600nm、高さは10〜800nmである。
本発明の好適な長尺グリッド偏光フィルムは、その偏光透過軸の方向がフィルムの幅方向に略平行である。偏光透過軸をフィルムの幅方向に略平行にすることにより、他の長尺の偏光光学素フィルム、特に長尺の吸収型偏光素フィルムとの積層を、長尺のまま、枚葉に切らずに行うことができるため、生産性に優れる。また、本発明の好適な長尺グリッド偏光フィルムは該グリッド線をフィルムの長手方向に略平行に延設するものである。これにより、前記材料で形成されたグリッド線に対して平行な偏光を反射し、該グリッド線に対して直角な偏光を透過する効果を発現するため、フィルムの幅方向に偏光透過軸を有する長尺グリッド偏光フィルムとすることができる。
また、図2,図3に示すように、本発明の好適な長尺グリッド偏光フィルムは、樹脂フィルム表面上に形成された微細な凹凸形状の凸部頂面及び/又は凹部底面に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる薄膜が設けられて、該薄膜によってグリッド線を形成していてもよい。
すなわち、本発明の好適な長尺グリッド偏光フィルムは、図2及び図3に示すように、樹脂フィルム30表面上に形成された微細な凹凸形状40の凸部の頂面41及び/又は凹部の低面42に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる薄膜が設けられて、該薄膜によってグリッド線を形成し、複数のグリッド線が互いに略平行に配置された構造40を有する。
微細な凹凸形状のピッチは好ましくは50〜1000nmであり、凸部又は凹部の巾は、通常光の波長よりも短く、好ましくは25〜600nmであり、凸部の高さ又は凹部の深さは好ましくは50〜800nmである。凹凸形状は格子長手方向に伸びており、その長さは、通常光の波長より長く、通常800nm以上である。
本発明の長尺グリッド偏光フィルムに好適な製法は、微細な凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成し、次いで、該凹凸に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して、該膜によってグリッド線を連続的に形成することを含むものである。
本発明の製法に用いられる、微細な凹凸形状を有する転写ロールは、その周面に微細な凹凸を有するものであればその製法によって特に限定されないが、例えば、モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に巾600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、該工具を用いてロール部材の周面にピッチが好ましくは50〜1000nmで、凸部又は凹部の巾が好ましくは25〜600nmで、凸部の高さ又は凹部の深さが好ましくは50〜800nmである凹凸形状を形成する方法が挙げられる。
図4は工具の一例を示す図である。モース硬度9以上の直方体を高エネルギー線で加工し、先端の面に溝を彫り込み、先端に巾600nm以下、好ましくは300nm以下の直線状の突起11を形成している。図4では直線状突起が一定のピッチで複数本平行に並んでいる。
先端に形成される突起の形状は特に制限されず、例えば、直線状突起の長手に垂直な面で切断した断面が、長方形、三角形、半円形、台形、又はこれらの形状を若干変形させたような形状などを挙げることができる。これらの中で断面が長方形のものが、複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる薄膜によってグリッド線を容易に形成できるので好適である。
工具の先端に形成される突起の算術平均粗さ(Ra)は好ましくは10nm以下、より好ましくは3nm以下である。
工具の突起(凸部)がロール周面では凹部となり、工具の凹部がロール周面では凸部となって形成される。図8に示す突起断面形状が長方形である切削工具10(巾W1、ピッチP1、高さH1)を用いた場合、ロール周面の突起11の巾W2はP1−W1、突起11のピッチP2はP1、突起11の高さH2はH1以下となる。この関係と転写時の熱膨張などを考慮して、ロール周面に形成したいナノオーダーの凹凸形状に対応する工具形状を決めることができる。工具の両側端の突起の巾eは、W1−25<e<W1+25(単位nm)又はe=0であることが、加工継ぎ目部分のピッチを設定どおりの値にすることができることから好ましい。
工具に用いられるモース硬度9以上の材料としては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、コランダムなどが挙げられる。これらの材料は単結晶又は焼結体であることが好ましい。単結晶であれば、加工精度と工具寿命の面で好ましく、単結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素が硬度が高いためにより好ましく、単結晶ダイヤモンドが特に好ましい。焼結体としては、例えば、コバルト、スチール、タングステン、ニッケル、ブロンズなどを焼結材とするメタルボンド;長石、可溶性粘土、耐火粘土、フリットなどを焼結材とするビトリファイドボンドなどを挙げることができる。これらの中でダイヤモンドメタルボンドが好適である。
工具の作製に用いられる高エネルギー線としては、例えば、レーザービーム、イオンビーム、電子ビームなどが挙げられる。これらの中でイオンビームと電子ビームが好適である。イオンビームによる加工では材料の表面にフロン、塩素などの活性ガスを吹き付けながらイオンビームを照射する方法(イオンビーム援用化学加工という。)が好ましい。電子ビーム加工では、材料の表面に酸素ガスなどの活性ガスを吹き付けながら電子ビームを照射する方法(電子ビーム援用化学加工という。)が好ましい。これらビーム援用化学加工によって、エッチング速度を速め、スパッタされた物質の再付着を防ぎ、且つナノオーダーの高精度で微細加工を効率よく行うことができる。
図5は、前記で得られた工具を用いてロール20の周面にナノオーダーの凹凸形状21を形成する方法の一例を示す図である。図5では、工具10の直線状突起11をロール20周面に圧しあて、ロールを回転させて、ロール周面を切削又は研削している。
ロールの切削又は研削は、精密微細加工機を用いて行うことが好ましい。精密微細加工機は、X,Y,Z軸の移動精度が、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、特に好ましくは10nm以下のものである。精密微細加工機は、好ましくは0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された室内、より好ましくは0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された室内に設置して、上記加工を行う。また、ロールの切削又は研削は、好ましくは温度が±0.5℃以内に管理された恒温室、より好ましくは±0.3℃以内に管理された恒温室で行う。
微細加工に用いられるロールは特に制限はないが、ロール周面は微細格子形状を形成するために適当な硬度のある材料で形成されていることが好ましく、例えば、電着又は無電解めっきにより形成された金属膜で形成される。金属膜を構成する材料としてはビッカース硬度が好ましくは40〜350、より好ましくは200〜300の金属膜を得ることができるものがよく、具体的には、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウムなどが挙げられ、これらのうち、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金が好ましい。
図5では、ロールに直接工具を圧し付けて、ナノオーダーの凹凸形状を形成させているが、金型部材にナノオーダーの凹凸形状を形成させ、その金型部材の上に電鋳などで金属版を作製し、金属版を金型部材から引き剥がし、その金属版をロール周面に貼り付ける方法で、転写ロールを作製してもよい。
上記の方法などで得られた転写ロールを用いて樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成する。図6は、転写ロールで樹脂フィルム30表面に凹凸形状を形成する工程の一例を示す図である。図6では、転写ロール20と、樹脂フィルムを挟んで反対側にあるロール21とで、樹脂フィルム30を圧し挟み、転写ロール周面の凹凸形状40を樹脂フィルムに転写している。転写ロールとその反対側にあるロールによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、好ましくは樹脂フィルムを構成している透明樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg〜(Tg+100)℃である。樹脂フィルムと転写ロールとの接触時間は樹脂フィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5〜600秒である。
樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成する別の方法としては、転写ロールに感光性透明樹脂を圧しあて、露光して、凹凸形状を転写する方法が挙げられる。具体的には感光性透明樹脂溶液を流延して、溶媒を除去し、次いで前記転写ロールを圧しあてると同時に光を照射して、感光性透明樹脂を硬化させ凹凸形状を固定する方法である。
次に、該凹凸に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して、該膜によって複数のグリッド線が互いに略並行に配置された構造を連続的に形成する。該膜は、前記構造を形成する形態であれば、特にその形成場所に制限はなく、例えば、図3に示すように凸部の頂面41及び凹部の底面42に形成させてもよいし、凸部頂面41だけ、凹部底面42だけでもよいし、凸部頂面41と凸部の片側側面の上半分の面とに形成させてもよい。さらに、少なくとも凹部の底面に上記膜を形成させ、エッチング処理により凸部を凹部底面と同じ高さに切除することで図1に示すような公知形状のグリッド構造を形成することもできる。
複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成させる方法は特に制限されない。用いる材料に応じて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜プロセスや、マイクログラビア法、スクリーンコート法、ディップコート法、無電解めっき、電解めっき等のウェットプロセスによる各種コーティング法を用いることができる。これらのうちグリッド構造の均一性の観点から、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましい。図7は連続スパッタリング装置の一例を示す図である。
以下、金属を用いてグリッド線を形成する場合を例示する。図7の装置500は、巻き出しロ−ル501に前記ナノオーダー凹凸形状を形成させた樹脂フィルムを装填でき、タ−ゲット506に蒸着しようとする金属を装填できるようになった直流マグネトロンスパッタリング装置である。真空室を真空にして、巻き出しロール501からフィルムを巻き出し、清浄な成膜ロ−ル503にフィルムを巻きつけ、タ−ゲット506からのスパッタリングにより、フィルム表面に金属膜を形成させる。金属膜を形成させたフィルムは巻き取りロ−ル504に巻き取る。
金属をスパッタリングや蒸着するときの方向をフィルムに形成された凹凸形状の方向とを傾けることによって、金属膜が形成される部分と金属膜が形成されない部分とができる。例えば、図3のような凹凸形状が形成された樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルム法線方向からスパッタリング等を行うと凸部頂面と凹部底面に金属膜が形成されるが、凸部側面には金属膜が形成されない。また同じ樹脂フィルムで、凹凸形状長手方向に直角な方向から斜めにスパッタリング等を行うと、凸部頂面と凸部の片側面の上半分の面に金属膜が形成されるが、凹部底面、凸部の片側面の下半分及びもう一方の片側面には金属膜が形成されない。このようなスパッタリングにより飛来する金属の直線性と、凹凸形状とを利用して、互いに略並行に配置されたグリッド線を容易に得ることができる。
本発明では、さらに、複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜の防食や、グリッド偏光フィルムの形状維持のために、長尺グリッド偏光フィルムに透明保護膜を積層することが好ましい。透明保護層は、その目的に応じて、長尺グリッド偏光フィルムの片面(グリッド線が形成されている面でも、グリッド線が形成されていない面でもよい)のみに形成しても良いし、両面に形成しても良い。透明保護膜としては光を透過できる層であれば特に限定は無く、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等からなる透明フィルムからなる層、ウレタン、アクリル等からなる有機層、オルガノアルコキシシラン、無機微粒子分散アクリル等からなる有機・無機複合層、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ケイ素等からなる無機層等が挙げられる。
透明保護膜を積層する手法としては特に限定は無いが、長尺グリッド偏光フィルムと透明保護フィルムをラミネーターを用いて積層する方法、透明保護層を形成する組成物を含有するコーティング剤を長尺グリッド偏光フィルムに塗布し、乾燥することにより透明保護層を積層する方法、前記手法により長尺グリッド偏光フィルムにコーティング層を形成し、さらに熱又は光により硬化する方法、長尺グリッド偏光フィルムに真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法方式等の手法により透明保護層を積層する方法等が挙げられる。
本発明の長尺光学積層体は、前記長尺グリッド偏光フィルムと、他の長尺の偏光光学フィルムとを含んでなるものである。他の偏光光学フィルムとしては、吸収型偏光フィルム、位相差フィルム、偏光回折フィルムなどが挙げられる。特に、液晶表示装置の輝度向上フィルムとして用いる場合には、他の偏光光学フィルムが吸収型偏光フィルムであることが好ましい。
本発明の長尺光学積層体に好適に用いられる吸収型偏光フィルムは、直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過し、他方を吸収するものであり、例えばポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。吸収型偏光フィルムの厚さは、通常5〜80μmである。
本発明の長尺光学積層体を得るための好適な製造方法は、ロール状に巻かれた前記の長尺のグリッド偏光フィルム及びロール状に巻かれた他の長尺の偏光光学フィルムを同時にロールから巻き出しながら、該グリッド偏光フィルムと該他の偏光光学フィルムとを密着させることを含む方法である。グリッド偏光フィルムと他の偏光光学フィルムとの密着面には接着剤を介在させることができる。グリッド偏光フィルムと他の偏光光学フィルムとを密着させる方法としては、二本の平行に並べられたロールのニップにグリッド偏光フィルムと他の偏光光学フィルムを一緒に通し圧し挟む方法が挙げられる。
本発明の長尺グリッド偏光フィルム及び長尺光学積層体は、その使用形態に応じて所望の大きさに
切り出した光学部材として用いられる。
本発明の液晶表示装置は、前記の長尺グリッド偏光フィルム又は長尺光学積層体から切り出された光学部材を備えるものである。液晶表示装置は、偏光透過軸を電圧の調整で変化させることができる液晶パネルと、それを挟むように配置される吸収型偏光フィルムとで構成される。そして、この液晶パネルに光を送りこむために、表示面の裏側に、透過型液晶表示装置ではバックライト装置が、反射型液晶表示装置では反射板が備えられる。
本発明の長尺のグリッド偏光フィルム及び長尺の光学積層体は、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持っている。透過型液晶表示装置において、本発明の長尺のグリッド偏光フィルム及び長尺の光学積層体から所望の大きさに切り出した光学部材(以下、切り出したものを、「グリッド偏光子」という。)を、バックライト装置と液晶パネルとの間に配置すると、バックライト装置で発光した光がグリッド偏光子によって、二つの直線偏光に分離され、一方の直線偏光は液晶パネルの方向へ、他方の直線偏光はバックライト装置の方向へ戻る。バックライト装置には反射板が通常備わっており、バックライト装置の方向へ戻った直線偏光は、その反射板により反射され、再びグリッド偏光子に戻ってくる。戻ってきた光はグリッド偏光子で再度二つの偏光に分離される。これを繰り返すことでバックライト装置で発光した光が有効に利用されることになる。その結果、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる効果が得られる。
また透過型液晶表示装置において、このグリッド偏光子を反射板と液晶パネルとの間に配置すると、外部から入ってきた自然光はグリッド偏光子で二つの偏光に分離され、一方の偏光は透過して反射板に達する。他方の偏光は反射されて液晶パネルに戻る。反射板に達した偏光は反射板で反射されて再びグリッド偏光子で二つの偏光に分離される。この繰り返しによって、液層パネルを透過して視認される光の量を多くすることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、部および%は、特に記載のない限り重量基準である。
実施例1 (長尺グリッド偏光フィルムの製造)
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置(セイコーインスツルメンツ(株)、SMI3050)を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行って、長さ1mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μmの溝をピッチ0.2μmで彫り込み、幅0.1μm、高さ0.1μmの直線状の突起1,000本をピッチ0.2μmで形成してなる切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430製ロールの周面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、先に作製した直線状突起を形成した切削工具と、精密円筒研削盤(スチューダ社、精密円筒研削機S30−1)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の突起を切削加工することにより、転写ロールを得た。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、振動制御システム((株)昭和サイエンス)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを使用した転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンションを0.1kgf/mm、ニップ圧が15MPaの条件で厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(商品名:ZF−14、日本ゼオン社製)表面上に転写ロール表面の形状を転写することにより、フィルムの流れ方向と平行に幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の形状を有するフィルムを作製した。
そして引き続き連続的に突起面上にアルミニウムを真空蒸着することによりフィルム表面にアルミニウムからなるグリッド線を形成した。さらに連続的に、トリアセチルセルロースからなる保護フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介してグリッド線側の面に積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して連続的に貼り合せることにより、長尺のグリッド偏光フィルムを得た。得られたグリッド偏光フィルムをロール状に巻き取った。
実施例2 実施例1で得られた長尺グリッド偏光フィルムの輝度向上効果確認
実施例1で得られた長尺グリッド偏光フィルムを所定の形状に打ち抜いて枚葉のグリッド偏光子を得た。入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シート、上記枚葉グリッド偏光子を順次積層し偏光光源装置を作製した。さらに吸収型偏光板の透過軸がグリッド偏光子の透過軸と同じになるように吸収型偏光板を積層し、さらに、透過型のTN液晶表示素子、吸収型偏光板を順次配置し、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の正面輝度を輝度計(商品名:BM−7、トプコン社製)を用いて測定したところ、正面輝度は201cd/mであった。
実施例3 (長尺グリッド偏光フィルムと長尺吸収型偏光フィルムとの積層)
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを長手方向に一軸延伸し、この延伸フィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムを含む水溶液、次いで硼酸とヨウ化カリウム水溶液に浸漬し、さらに水洗し、乾燥させる工程を連続的に行なうことにより厚さ20μmの長尺の吸収型偏光フィルムを得、ロール状に巻き取った。
前記吸収型偏光フィルムと実施例1で得た長尺グリッド偏光フィルムをロールから巻き出しながら、前記吸収型偏光フィルムの片面に長尺グリッド偏光フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、さらに吸収型偏光フィルムのもう一方の面側にトリアセチルセルロースからなる長尺の保護フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して、連続的に貼り合せることにより、長尺の光学積層体を得た。得られた光学積層体はロール状に巻き取った。
実施例4 実施例3で得られた光学積層体の輝度向上効果確認
実施例3で得られた長尺光学積層体を所定の形状に打ち抜いて枚様の光学積層体を得た。入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シート、前記枚様光学積層体を積層し、さらに、透過型のTN液晶表示素子、吸収型偏光板を配置し、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の正面輝度を輝度計(商品名:BM−7、トプコン社製)を用いて測定したところ、正面輝度は198cd/mであった。
本発明の一実施形態に係るグリッド偏光フィルムを示す図である。 本発明のグリッド偏光フィルムの微細凹凸形状の一例を示す図である。 図1の微細凹凸形状の拡大図である。 本発明の製法に用いる転写ロールを製造するために用いられる研削工具の一例を示す図である。 研削工具を用いてロールの周面に微細凹凸形状を形成する方法の一例を示す図である。 転写ロールで樹脂フィルム表面に凹凸形状を形成する工程の一例を示す図である。 連続スパッタリング装置の一例を示す図である。 切削工具の先端構造の一例を示す図である。
符号の説明
1:グリッド線
2、30:樹脂フィルム
20:転写ロール
40:凹凸形状
41:凸部頂面
42:凹部底面

Claims (9)

  1. 基材となる長尺の樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムの表面および/または内部に、互いに略平行に配置される複数のグリッド線とを有し、
    前記グリッド線は、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなることを特徴とする長尺のグリッド偏光フィルム。
  2. 請求項1に記載のグリッド偏光フィルムにおいて、
    前記樹脂フィルムの表面が微細な凹凸形状を成しており、
    前記凹凸形状における凸部頂面及び/又は凹部底面に前記グリッド線が在ることを特徴とする長尺のグリッド偏光フィルム。
  3. 前記グリッド線が前記長尺の樹脂フィルムの長手方向に略平行に延設されており、偏光透過軸の方向がフィルムの幅方向に略平行である、請求項1または2に記載の長尺のグリッド偏光フィルム。
  4. 表裏面のうちの少なくとも一方の面にさらに透明保護層が積層して有する請求項1〜3のいずれかに記載の長尺のグリッド偏光フィルム。
  5. 微細な凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム表面に微細な凹凸形状を連続的に形成し、次いで、該凹凸形状の表面に、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して、前記膜によってグリッド線を形成する、長尺のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の長尺のグリッド偏光フィルム又は請求項5に記載の長尺の偏光フィルムの製造方法により製造された長尺のグリッド偏光フィルムと、他の長尺の偏光光学フィルムとを含んでなる長尺の光学積層体。
  7. 他の長尺の偏光光学フィルムが吸収型偏光フィルムである請求項6に記載の長尺の光学積層体。
  8. ロール状に巻かれた請求項1〜4のいずれかに記載の長尺のグリッド偏光フィルムと、ロール状に巻かれた他の長尺の偏光光学フィルムとをそれぞれのロールから繰り出しながら、該グリッド偏光フィルムと該他の偏光光学フィルムとを密着させて光学積層体を製造する長尺の光学積層体の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の長尺のグリッド偏光フィルム又は請求項6もしくは7に記載の長尺の光学積層体から切り出された光学部材を備える液晶表示装置。
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