JP7064290B2 - 光学位相差部材、及び光学位相差部材の製造方法 - Google Patents

光学位相差部材、及び光学位相差部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学位相差部材及びその製造方法に関する。
光学位相差板は、非常に多くの用途を有しており、プロジェクタ(投影型表示装置)、反射型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、光ディスク用ピックアップ、PS変換素子など、種々の用途に使用されている。
光学位相差板には、方解石、雲母、水晶のような自然界に存在する複屈折結晶により形成されたものや、複屈折ポリマーにより形成されたもの、人工的に使用波長より短い周期構造を設けることにより形成されたもの、斜め柱状構造膜を用いたものなどがある。
人工的に周期構造を設けて形成された光学位相差板としては、透明基板上に凹凸構造が設けられたものがある。光学位相差板に用いられる凹凸構造は使用波長より短い周期を有し、例えば図3に示すようなストライプ状のパターンを有する。このような凹凸構造は屈折率異方性を有し、図3の光学位相差板400の基板420に対して垂直に光Lが入射すると、凹凸構造内において、凹凸構造の周期方向に平行な偏光成分と、凹凸構造の周期方向に垂直な偏光成分が異なる速度で伝播するので、両偏光成分間で位相差が生じる。この位相差は凹凸構造の高さ(深さ)、凸部を構成する材料と凸部の間の材料(空気)の屈折率差等を調整することによって制御することができる。上記のプロジェクタ等のデバイスに用いる光学位相差板は、使用波長λに対してλ/4又はλ/2の位相差を生じさせる必要があるが、そのような十分な位相差を生じさせることができる光学位相差板を形成するためには、凸部を構成する材料の屈折率と凸部間の材料(空気)の屈折率の差や凹凸構造の高さ(深さ)を十分に大きくする必要がある。このような光学位相差板として、特許文献1では、凹凸構造の表面を高屈折率材料で被覆したものが提案されている。
斜め柱状構造膜を用いた光学位相差板として、特許文献2には、斜め方向からの蒸着やスパッタ等によって形成される膜密度の低い斜め柱状構造を有するTa膜を、ニオブ酸リチウム基板の両面に設けたものが記載されている。特許文献2において、基板の両面に斜め柱状構造膜を設けることにより、片面のみに設ける場合と比べて斜め柱状構造膜の厚みを小さくすることができるため、斜め柱状構造膜が内部応力により基板から剥離することを防止できること、及び、基板の両面に斜め柱状構造膜を設けた光学位相差板は、片面のみに斜め柱状構造膜を設けた光学位相差板よりも透過率が高いことが記載されている。
特公平7-99402号公報 特開平8-122523号公報
上述のように、光学位相差部材が十分な位相差を生じるためには凹凸構造の高さを十分に大きくする必要があるが、そのような凹凸構造は形成が難しく、機械強度も低い傾向がある。また、光学位相差部材をプロジェクタ等に用いる場合、光学位相差部材は、広い波長範囲で高い透過率を有することが望まれるが、上記特許文献1に開示されている位相差板では高屈折率層が空気と接しているために当該位相差板に入射した光の多くは高屈折率層と空気の界面で反射されるため、位相差板の透過率が低い。また、透明基板の凹凸構造が形成された面の反対側の面においても光の一部が反射されるため、透過率がさらに低下する。
特許文献2に記載の光学位相差板の斜め柱状構造膜は、膜密度の低い疎な膜であるため、機械強度が低く、高湿環境下で容易に劣化するといわれている。
そこで、本発明は、高透過率を有し、所望の位相差を生じることができ、機械強度及び耐湿性の高い光学位相差部材、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
第1面及び該第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、
前記第1面上に形成され、第1の無機材料から構成される第1凹凸構造体と、
前記第2面上に形成され、第2の無機材料から構成される第2凹凸構造体とを備え、
前記第1凹凸構造体が、第1面に平行な第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第1面から離れる方向に向かって幅が小さくなる、複数の凸部を備え、
前記第2凹凸構造体が、前記第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第2面から離れる方向に向かって幅が小さくなる、複数の凸部を備える光学位相差部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の光学位相差部材の製造方法であって、
基材の第1面上に、第1の無機材料から構成される第1凹凸構造体を形成することと、
前記基材の前記第1面の反対側に位置する第2面上に、第2の無機材料から構成される第2凹凸構造体を形成することを含む光学位相差部材の製造方法が提供される。
本発明の光学位相差部材は、基材の両面に凹凸構造体が形成されていることにより、高透過率を有するとともに所望の位相差を生じることができる。また、凹凸構造体は機械強度及び耐湿性が高い。そのため、本発明の光学位相差部材は、プロジェクタ等の各種用途に好適である。
図1Aは、第1実施形態の光学位相差部材の断面構造を概念的に示す図である。 図1Bは、第2実施形態の光学位相差部材の断面構造を概念的に示す図である。 図1Cは、第3実施形態の光学位相差部材の断面構造を概念的に示す図である。 図2は、光学位相差部材の製造方法を示すフローチャートである。 図3は、従来技術の光学位相差部材の一例を概念的に示す図である。
以下、光学位相差部材及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
[光学位相差部材]
(1)光学位相差部材10A(第1実施形態)
図1Aに示す光学位相差部材10Aは、第1面41及び該第1面41の反対側に位置する第2面42を有する板状の基材40と、第1面41上に形成された第1凹凸構造体50と、第2面42上に形成された第2凹凸構造体52とを備える。第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52はいずれも表面が露出している。すなわち、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52のいずれの上にも他の層は形成されておらず、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52が最表層である。
<基材>
基材40としては特に制限されず、波長550nmにおける屈折率(以下、適宜「屈折率」という)が1.4~1.8の範囲内である、可視光を透過する公知の板状(平板状)の基材を適宜利用することができる。例えば、石英、ガラス等の透明無機材料からなる基材;任意の透明樹脂材料からなる基材などを利用することができる。光学位相差部材10Aをプロジェクタにおいて用いる場合、光学位相差部材10Aは高耐光性及び高耐熱性を有することが求められるため、基材40は耐光性及び耐熱性の高い基材であることが望ましい。この点で、無機材料からなる基材が好ましい。基材40の厚みは、1μm~20mmの範囲内であることが好ましい。
<第1凹凸構造体>
第1凹凸構造体50は複数の凸部60及び隣接する凸部の間の凹部70を有し、それにより第1凹凸構造体50の表面に凹凸パターン80が画成されている。
第1凹凸構造体50は、屈折率が1.6~1.9の範囲内である材料から構成されてよい。また、第1凹凸構造体50の屈折率をn、基材40の屈折率をnとすると、n-nの値が-0.4~0.4の範囲内であってよい。n-nの値が-0.4~0.4の範囲内である場合、凹凸構造体50と基材40の屈折率差が十分小さいため、凹凸構造体50と基材40の界面の反射率が低くなり、光学位相差部材10Aの透過率がより高くなる。また、n-nの値は-0.1~0.4の範囲内であってよく、0.1~0.4の範囲内であってよい。n-nの値が-0.1以上、特に0.1以上である場合、凸部60と後述する空気層90の屈折率差が十分大きいため、光学位相差部材10Aが所望の位相差を発生させやすくなる。第1凹凸構造体50を構成する材料としては、例えば、シリカ、SiN、SiON等のSi系の材料、TiO等のTi系の材料、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZnS、ZrO、Al、BaTiO、CuO、MgS、AgBr、CuBr、BaO、Nb、SrTiO等の無機材料を用いることができる。これらの無機材料は、これらの無機材料の前駆体(ゾル)をゾルゲル法により硬化させることで得られるキセロゲルであってよい。キセロゲルはSi-O結合などの強固な共有結合から構成される三次元的なネットワークを有し、十分な機械強度を有する。また、上記無機材料に、WO2016/056277号に記載されるような熱可塑性樹脂、紫外線硬化型樹脂等をコンポジット化した材料を用いてもよい。屈折率の調整、高硬度化等のために、上記無機材料に公知の微粒子やフィラーを含ませてもよい。さらに、上記の材料に紫外線吸収材料を含有させたものが用いられていてもよい。紫外線吸収材料は、紫外線を吸収し光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、第1凹凸構造体50の劣化を抑制する作用がある。紫外線吸収剤としては、WO2016/056277号に例示される紫外線吸収剤など任意のものが使用できる。光学位相差部材10Aをプロジェクタにおいて用いる場合、第1凹凸構造体50は高い耐光性及び耐熱性を有することが望ましい。この点、第1凹凸構造体50は無機材料から構成されるため、耐光性及び耐熱性に優れる。
第1凹凸構造体50の各凸部60及び各凹部70は、第1面41に平行な図1AのY方向(奥行き方向)に延在しており、複数の凸部60及び凹部70は、設計波長(光学位相差部材10Aにより位相差を生じさせる光の波長)より短い周期で配列されている。
各凸部60は、基材40の第1面41から上方(第1面41から離れる方向、すなわち図1AのZ方向)に向かって幅(図1AのX方向の長さ)が小さくなるような先細り形状を有する。すなわち各凸部60の延在方向と直交するZX平面における断面は略台形状であってよい。本願において「略台形状」とは、基材40の第1面41に略平行な一組の対辺を有し、該対辺のうち基材40の第1面41に近い辺(下底)が他方の辺(上底)よりも長く、下底と2つの斜辺のなす角がいずれも鋭角である略四角形を意味する。略四角形の各辺は湾曲していてよく、各頂点が丸みを帯びていてもよい。凸部60が、このような先細り形状を有していることにより、第1面41から離れる方向に向かって平均屈折率が連続的に低くなる。そのため、空気と第1凹凸構造体50の界面における光の反射が抑制されるため、光学位相差部材10Aの透過率が向上する。また、上底の長さが0であってもよい。つまり本願において「略台形状」は「略三角形状」も含む概念である。なお、上底の長さは0より大きいことが好ましい。上底が0より大きい略台形状の断面を有する凸部は、略三角形状の断面を有する凸部と比べて次のような利点がある。すなわち、凸部をインプリント法により形成するために用いるテンプレートの形成が容易であること、及び凸部の面押耐性などの機械強度が高いことである。
凸部60の高さ(凹凸高さ)は100~2000nmの範囲内であることが望ましい。凸部60の高さが100nm未満であると、光学位相差部材10Aに可視光が入射した場合に所望の位相差を生じることが困難となる傾向がある。凸部60の高さが2000nmを超える場合、凸部60のアスペクト比が大きいため、凹凸パターン80の形成が困難となる傾向がある。凸部60のアスペクト比は1~5の範囲内としてよい。凸部60のアスペクト比が1以上であることにより、光学位相差部材により十分な位相差を生じさせることができる。凸部60のアスペクト比が5以下であることにより、凸部60が十分な機械強度を有することができるとともに、凹凸構造体50の形成が容易になる。なお、本願において、「凸部のアスペクト比」とは凸部幅Wに対する凸部高さHaの比を意味し、「凸部高さHa」とは凸部60の底面から上面までの距離を意味し、「凸部幅W」とは凸部60の底面からHa/2の高さの位置における凸部60の厚みを意味する(図1A参照)。凸部60の上面60tの幅(凸部60の延在方向と直交する面における略台形状の断面の上底の長さ)は50nm以下であることが好ましい。凸部60の上面60tの幅が50nm以下であることにより、光学位相差部材10Aの透過率をより高くすることが容易になる。また、凹凸パターン80の凹凸ピッチは、50~1000nmの範囲内であることが好ましい。ピッチが50nm未満である凹凸パターンは、ナノインプリント法による形成が困難な傾向がある。ピッチが1000nmを超える場合、光学位相差部材として十分な無色透明性の確保が難しい傾向がある。
隣り合う凸部60の対向する側面60sの間の空間(隙間)に空気層90が存在する。空気層90と凸部60が周期的に配列されていることにより複屈折性が生じ、それにより位相差を生じさせることができる。空気層90の幅Waは、20~200nmの範囲内であることが好ましい。なお、「空気層90の幅Wa」とは、凸部60の底面からHa/2の高さの位置における空気層90の厚み(隣り合う凸部60の対向する側面60sの間の距離)を意味する。
<第2凹凸構造体>
第2凹凸構造体52は、第1凹凸構造体50の材料として用いられ得る上述の材料から構成されてよい。また、第2凹凸構造体52は、第1凹凸構造体50と同様に複数の凸部62及び隣接する凸部の間の凹部72を有し、それにより第2凹凸構造体52の表面に凹凸パターン82が画成されている。第2凹凸構造体52の各凸部62の形状及び大きさ並びに凹凸パターン82の凹凸ピッチ等は、第1凹凸構造体50について上述した各凸部60形状及び大きさ並びに凹凸パターン80の凹凸ピッチ等と同様であってよい。第2凹凸構造体52の凹凸パターン82は、第1凹凸構造体50の凹凸パターン80と同様のパターンであってよい。その場合、第1凹凸構造体50と第2凹凸構造体52を共通の元型から作製できるため、第1凹凸構造体50と第2凹凸構造体52のそれぞれについて元型を用意する必要がなく、光学位相差部材の製造コストを抑制できる。
隣り合う凸部62の対向する側面62sの間の空間(隙間)には空気層92が存在する。空気層92と凸部62が周期的に配列されていることにより複屈折性が生じ、それにより位相差を生じさせることができる。空気層92の幅Wsは、20~200nmの範囲内であることが好ましい。なお、「空気層92の幅Ws」とは、凸部62の底面から上面までの高さをHsとすると、凸部62の底面からHs/2の高さの位置における空気層92の厚み(隣り合う凸部62の対向する側面62sの間の距離)を意味する。
光学位相差部材10Aにより生じる位相差の大きさは、第1凹凸構造体50により生じる位相差と第2凹凸構造体52により生じる位相差を足し合わせた大きさとなる。そのため、光学位相差部材10Aは大きな位相差を生じさせることができる。光学位相差部材10Aにより生じる位相差は、任意の大きさでよいが、λ/4又はλ/2(λは入射光の波長を示す)であることが好ましい。例えば、第1凹凸構造体50と第2凹凸構造体52がそれぞれλ/4の位相差を生じさせることにより、光学位相差部材10Aはλ/2の位相差を生じさせることができる。
通常、凹凸による構造複屈折を利用してλ/2等の大きな位相差を生じさせるためには、凹凸の高さ(深さ)を十分に大きくする必要があるが、そのようなアスペクト比の大きな凹凸は、離形性や機械強度が低いため形成が難しい。しかし、光学位相差部材10Aは、第1凹凸構造体50により生じる位相差と第2凹凸構造体52により生じる位相差を足し合わせた大きさの位相差を生じさせるため、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52の凹凸高さを低く(例えば、光学位相差部材が一つの凹凸構造体のみを有する場合の半分の凹凸高さに)することができる。そのため、本実施形態の光学位相差部材10Aは、製造が容易でありながら大きな位相差を発生させることができる。
(2)光学位相差部材10B(第2実施形態)
図1Bに示す光学位相差部材10Bは、図1Aに示す光学位相差部材10Aと同様の板状の基材40と、第1凹凸構造体50と、第2凹凸構造体52とを備え、さらに、第1凹凸構造体50の凸部60の上面60t及び側面60sに形成された高屈折率層30と、凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成された中屈折率層20とを備える。基材40、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52は、上述の光学位相差部材10A(第1実施形態)と同様であるため説明を省略する。なお、光学位相差部材10Bの第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52の屈折率は、1.2~1.9の範囲内であってよい。
<高屈折率層>
高屈折率層30は、第1凹凸構造体50よりも高い屈折率を有する層である。高屈折率層30は、屈折率が2.3以上である材料から構成されることが好ましい。高屈折率層30を構成する材料としては、例えば、Ti、In、Zr、Ta、Nb、Zn等の金属、それら金属の酸化物、窒化物、硫化物、酸窒化物、ハロゲン化物等の無機材料を用いることができる。
高屈折率層30は、凸部60を被覆している。すなわち、高屈折率層30は凸部60の上面60t及び側面60sを被覆している。凸部60が高屈折率層30で被覆されることにより、凸部60と後述する空気層90bの周期配列により生じる複屈折性が大きくなる。そのため、凸部60の高さを小さく、すなわち、凸部60のアスペクト比を小さくすることができるため、第1凹凸構造体50の形成が容易になる。凸部60の上面60t上に形成された高屈折率層30の厚みThtは50~250nmの範囲内であることが好ましい。
また、光学位相差部材10Bを特定の波長λの光に位相差を与える目的で用いる場合、凸部60の側面60s上に形成された高屈折率層30の厚みThsは、0.03λ~0.11λであることが好ましい。高屈折率層30の厚みThsが上記範囲内であることにより、光学位相差部材10Bの透過率をより高くすることが容易になる。なお、光学位相差部材10Bにおける「凸部60の側面60s上の高屈折率層30の厚みThs」とは、凸部60の底面から中屈折率層20の最上部までの高さをHbとすると、凸部60の底面からHb/2の高さの位置における高屈折率層30の厚みを意味する。
中屈折率層20は、高屈折率層30よりも低い屈折率を有する層である。中屈折率層20は、屈折率が1.5~1.7の範囲内である材料から構成されることが好ましい。中屈折率層20を構成する材料の屈折率は1.6であることがより好ましい。中屈折率層20を構成する材料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化窒化ケイ素、フッ化ランタン、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
中屈折率層20は、凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成されている。それにより光の反射が抑制されるため、光学位相差部材10Bは高い透過率を有することができる。光学位相差部材10Aを特定の波長λの光に位相差を与える目的で用いる場合、凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成されている中屈折率層20の厚みTmtは、0.9λ/4n~1.3λ/4n(nは中屈折率層20の屈折率を表す)の範囲内であることが好ましい。中屈折率層20の厚みTmtが上記範囲内であることにより、光学位相差部材10Bの透過率をより高くすることが容易になる。
なお、中屈折率層20が凸部60の側面60s上の高屈折率層30上にも形成されていてもよい。凸部60の側面60s上の高屈折率層30上に形成される中屈折率層20の厚み(凸部60の側面60sにおける中屈折率層20の厚み)は、光学位相差部材10Aを特定の波長λの光に位相差を与える目的で用いる場合、0.03λ以下であることが好ましい。凸部60の側面60sにおける中屈折率層20の厚みが0.03λを超えると、光学位相差部材10Bにより生じる位相差が小さくなる傾向がある。なお、光学位相差部材10Bにおける「凸部60の側面60sにおける中屈折率層20の厚み」とは、凸部60の底面から中屈折率層20の最上部までの高さの1/2の高さの位置における中屈折率層20の厚みを意味する。
隣り合う凸部60の対向する側面60s上に形成された高屈折率層30の間の空間(隙間)に空気層90bが存在する。空気層90bと凸部60を被覆する高屈折率層30が周期的に配列されていることにより、複屈折性が生じ、それにより位相差を生じさせることができる。空気層90bの幅Wbは、前記入射光の波長の0.08~0.18倍の範囲内であることが好ましい。空気層90bの幅Wbが上記範囲内であることにより、光学位相差部材10Bの透過率をより高くすることが容易になり、また、十分な大きさの位相差を生じさせることが可能となる。なお、光学位相差部材10Bにおける「空気層90bの幅Wb」とは、凸部60の底面から中屈折率層20の最上部までの高さをHbとすると、凸部60の底面からHb/2の高さの位置における空気層90bの厚み(隣り合う凸部60の対向する側面60s上に形成された高屈折率層30の表面の間の距離)を意味する。
(3)光学位相差部材10C(第3実施形態)
図1Cに示す光学位相差部材10Cは、図1Aに示す光学位相差部材10Aと同様の板状の基材40と、第1凹凸構造体50と、第2凹凸構造体52とを備え、さらに、第1凹凸構造体50の凸部60の上面60t及び側面60sに形成された高屈折率層30と、凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成された積層体25とを備える。基材40、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52は上述の光学位相差部材10A(第1実施形態)と同様であり、高屈折率層30は上述の光学位相差部材10B(第2実施形態)と同様であるため説明を省略する。なお、光学位相差部材10Cの第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52の屈折率は、1.2~1.9の範囲内であってよい。
<積層体>
積層体25は、凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成されている。積層体25は、2n+1個(nは正の整数)の層、すなわち、3以上の奇数個の層から構成されてよい。図1Cでは、積層体25は第1層22、第2層24及び第3層26の3個の層から構成される。第1層22は高屈折率層30の上に直接形成され、第2層24は第1層22上に直接形成され、第3層26は第2層24上に直接形成される。
第1層22の屈折率は高屈折率層30よりも低く、第3層26の屈折率は第2層24の屈折率よりも低い。それにより、光学位相差部材10Cは広い波長範囲において高い透過率を有することができる。
第2層24の屈折率は第1層22の屈折率よりも高くてよく、あるいは、第2層24の屈折率が第1層22の屈折率よりも低くてもよい。
第2層24の屈折率が第1層22の屈折率よりも高い場合、積層体25は相対的に高い屈折率を有する層と相対的に低い屈折率を有する層とが交互に積層された構造を有する。この場合、第1層22及び第3層26の屈折率は1.3~1.55の範囲内であってよい。第1層22又は第3層26の屈折率が1.55を超える場合、光学位相差部材10Cの平均透過率(波長430nm~680nmにおける光の透過率の平均)が低い傾向がある。屈折率が1.3未満の材料は、安定性が低い傾向がある。また、第2層24の屈折率は2.1以上であってよく、好ましくは2.1~2.6の範囲内であってよい。第2層24の屈折率が2.1未満の場合、光学位相差部材100の平均透過率が低い傾向がある。屈折率が2.6を超える材料は、その材料自体の可視光領域における透明性が低い傾向がある。また、第1層22及び第3層26は同じ材料から形成されていてよく、第2層24は高屈折率層30と同じ材料から形成されていてよい。それにより、光学位相差部材10Cを少ない種類の材料で製造できるため、製造コストを低減できる。
第2層24の屈折率が第1層22の屈折率よりも低い場合、積層体25において、高屈折率層30から遠い層ほど低い屈折率を有する。この場合、積層体25の最表層(最上層)である第3層26の屈折率は1.3~1.4の範囲内であってよい。
第1層22及び第3層26を構成する材料としては、例えばSiO、MgFのようなSi、Al、Li、Mg、Ca、Kの酸化物、フッ化物が挙げられる。第2層74を構成する材料としては、例えばTi、In、Zr、Ta、Nb、Zn等の金属、それら金属の酸化物、窒化物、硫化物、酸窒化物、ハロゲン化物等の無機材料が挙げられる。
凸部60の上面60t上の高屈折率層30上に形成されている第1層22の厚みTst1は20~40nmの範囲内であってよく、その上の第2層24の厚みTst2は35~55nmの範囲内であってよく、さらにその上の第3層26の厚みTst3は100~140nmの範囲内であってよく、第1層22、第2層24、第3層26の厚みの合計である積層体25の厚みTstは155~210nmの範囲内であってよい。この場合、光学位相差部材10Cの平均透過率が高い傾向がある。また、第1層22の厚みTst1が25~35nmの範囲内であってよく、第2層24の厚みTst2が35~45nmの範囲内であってよく、第3層26の厚みTst3が115~125nmの範囲内であってよく、積層体25の厚みTstが185~195nmの範囲内であってよい。この場合、光学位相差部材10Cの平均透過率がより高い傾向がある。
なお、積層体25が凸部60の側面60s上の高屈折率層30上にも形成されていてもよい。凸部60の側面60s上の高屈折率層30上に形成された積層体25の厚み(凸部60の側面60sにおける積層体25の厚み)Tssは、5~40nmの範囲内であることが好ましい。積層体25の厚みTssが上記範囲内であることにより、積層体25が側面60sに成膜されることによる位相差の低減を押さえながら光学位相差部材10Cの透過率を高めることが出来る。また、第2層24の屈折率を大きくすると側面に形成される第2層24によっても構造複屈折による位相差が発生するため、積層体25が側面に形成されることによる位相差の低下を抑えることが出来る。なお、光学位相差部材10Cにおける「凸部60の側面60sにおける積層体25の厚みTss」とは、凸部60の底面から積層体25の最上部までの高さをHcとすると、凸部60の底面からHc/2の高さの位置における積層体25の厚みを意味する。
積層体が5以上の奇数個の層からなる場合、すなわち、積層体の層数が、2n+1(nは2以上の整数)である場合、積層体は、高屈折率層の上に直接形成された第1層と、第2k-1層(kは1~nの整数)上に直接形成された第2k層と、第2k層上に直接形成された第2k+1層を備え、積層体の最表層は第2n+1層となる。第1層の屈折率は高屈折率層よりも低く、第2k+1層の屈折率は第2k層の屈折率よりも低い。それにより、光学位相差部材10Cは広い波長範囲において高い透過率を有することができる。第2k層の屈折率は第2k-1層の屈折率よりも高くてよく、あるいは、第2k層の屈折率が第2k-1層の屈折率よりも低くてもよい。第2k層の屈折率が第2k-1層の屈折率よりも高い場合、積層体は、その層が接する層に対して相対的に高い屈折率を有する層と相対的に低い屈折率を有する層とが交互に積層された構造を有する。この場合において、第2k-1層及び第2k+1層は同じ材料から形成されていてよく、第2k層は高屈折率層と同じ材料から形成されていてよい。それにより、光学位相差部材10Cを少ない種類の材料で製造できるため、製造コストを低減できる。
隣り合う凸部60の対向する側面60s上に形成された高屈折率層30の間の空間(隙間)に空気層90cが存在する。空気層90cと凸部60を被覆する高屈折率層30が周期的に配列されていることにより、複屈折性が生じ、それにより位相差を生じさせることができる。空気層90cの幅Wcは、35~100nmの範囲内であることが好ましい。空気層90cの幅Wcが上記範囲内であることにより、低い凹凸高さでも大きな位相差を確保することが出来る。なお、光学位相差部材10Cにおける「空気層90cの幅Wc」とは、凸部60の底面から積層体25の最上部までの高さをHcとすると、凸部60の底面からHc/2の高さの位置における空気層90cの厚み(隣り合う凸部60の対向する側面60s上に形成された高屈折率層30の表面の間の距離)を意味する。
なお、図1A~1Cにおいては、第1凹凸構造体50の隣り合う凸部60が凸部60の底面(又は凸部60の裾)において互いに接しているが、隣り合う凸部60の底面(又は隣り合う凸部60の裾)同士が所定の距離を隔てていてもよい。この場合、凹部70と空気層90の界面、または、凹部70とその上に形成された高屈折率層30の界面で光の一部が反射されるため、透過率が低くなる傾向がある。ゆえに、光学位相差部材を高透過率にするという観点から、第1凹凸構造体50の隣り合う凸部60の底面同士の間隔(すなわち、凹部70の幅)は、凹凸パターン80のピッチの0~0.2倍の範囲内であることが好ましい。言い換えると、凸部60の底面の幅は、凹凸パターン80のピッチの0.8~1倍の範囲内であることが好ましい。凹凸パターン80のピッチに対する凹部70の幅の比が0.2以下、すなわち、凹凸パターン80のピッチに対する凸部60の底面の幅の比が0.8以上であることにより、光学位相差部材10A~10Cの透過率をより高くすることが容易になる。同様に、図1A~1Cにおいて、第2凹凸構造体52の隣り合う凸部62が凸部62の底面(又は凸部62の裾)において互いに接しているが、隣り合う凸部62の底面(又は隣り合う凸部62の裾)同士が所定の距離を隔てていてもよい。光学位相差部材10A~10Cを高透過率にするという観点から、第2凹凸構造体52の隣り合う凸部62の底面同士の間隔(すなわち、凹部72の幅)は、凹凸パターン82のピッチの0~0.2倍の範囲内であることが好ましい。
なお、図1A~1Cにおいて、凹部70、72はそれぞれ第1凹凸構造体50、第2凹凸構造体52の表面に形成されているが、凹部70、72において基材40の表面が露出していてもよい。すなわち、第1凹凸構造体50及び第2凹凸構造体52はいずれも、図1A~1Cに示されるような連続した1つの層であってもよいし、それに代えて複数の独立した凸部の集合体であってもよい。
[光学位相差部材の製造方法]
光学位相差部材の製造方法を説明する。光学位相差部材の製造方法は、図2に示すように、主に、板状の基材の第1面上に第1凹凸構造体を形成する工程S1と、基材の第1面の反対側に位置する第2面上に第2凹凸構造体を形成する工程S2と、高屈折率層を形成する工程S3と、中屈折率層または積層体を形成する工程S4とを有する。なお、S3、S4は任意の工程である。以下、各工程について説明する。
(1)第1凹凸構造体の形成S1
第1凹凸構造体を形成する工程S1は、無機材料の前駆体溶液を調製する溶液調製工程、基材又は転写パターンが形成されたモールドに、調製された前駆体溶液を塗布して塗膜を形成する塗布工程、基材と転写パターンの間に塗膜を挟んで押圧する押圧工程、塗膜を仮焼成する仮焼成工程、モールドを塗膜から剥離する剥離工程、及び塗膜を硬化させる硬化工程を有する。押圧工程、仮焼成工程及び剥離工程を合わせて転写工程ともいう。
i)溶液調製工程
最初に無機材料の前駆体の溶液を調製する。ゾルゲル法を用いて無機材料からなる第1凹凸構造体を形成する場合、無機材料の前駆体としてSi、Ti、Sn、Al、Zn、Zr、In等のアルコキシド(金属アルコキシド)を用いてよい。例えば、WO2016/056277号に記載される無機材料の前駆体を用いることができる。前駆体溶液の溶媒としては、WO2016/056277号に記載される溶媒を用いることができる。前駆体溶液には、WO2016/056277号に記載される添加物を添加してよい。また、無機材料の前駆体としてWO2016/056277号に記載されるポリシラザンを用いてもよい。
ii)塗布工程
上記のように調製した無機材料の前駆体溶液を、板状の基材の第1面上又は凹凸パターン転写用のモールドの凹凸面上に塗布して塗膜を形成する。基材上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよい。前駆体溶液の塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基材又はモールドに前駆体溶液を均一に塗布可能であること、前駆体溶液が硬化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。
凹凸パターン転写用のモールドは、例えばWO2016/056277号に記載される方法で製造することができる。モールドは、外周面に凹凸パターンを有するロール状(円柱状、円筒状)であってもよいし、平板状(シート状)であってもよい。
前駆体溶液を基材上に塗布した場合、塗膜中の溶媒を蒸発させるために基材を大気中もしくは減圧下で保持してもよい(乾燥工程)。パターン形成の安定性の観点から、パターン転写が良好にできる乾燥時間範囲が十分広いことが望ましく、これは乾燥温度(保持温度)、乾燥圧力、前駆体の材料種、前駆体の材料種の混合比、前駆体溶液調製時に使用する溶媒量(前駆体の濃度)等によって調整することができる。なお、基材をそのまま保持するだけでも塗膜中の溶媒が蒸発するので、必ずしも加熱や送風などの積極的な乾燥操作を行う必要はなく、塗膜を形成した基材をそのまま所定時間だけ放置したり、後続の工程を行うために所定時間の間に搬送したりするだけでもよい。
iii)押圧工程
次いで、塗膜を基材と凹凸パターン転写用のモールドの間に挟み、モールドを塗膜に押圧する。押圧しながら塗膜を加熱してもよい。
iv)仮焼成工程
塗膜にモールドを押し付けた後、塗膜を仮焼成してもよい。仮焼成することにより塗膜が硬化し、剥離の際に崩れにくくなる。仮焼成を行う場合は、大気中で室温~300℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。また、前駆体溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、仮焼成の代わりに、エネルギー線を照射することによって塗膜を硬化してもよい。
v)剥離工程
押圧工程または仮焼成工程の後、塗膜からモールドを剥離する。それにより、モールドの表面形状(凹凸パターン)が転写された第1凹凸構造体が得られる。モールドの剥離方法として公知の剥離方法を採用することができる。モールドの凹凸パターンの凸部及び凹部は一様な方向に延在して配列されているため、離形性がよい。モールドの剥離方向は凸部及び凹部の延在方向と平行な方向にしてよい。それによりモールドの離形性をさらに向上することができる。塗膜を加熱しながらモールドを剥離してもよく、それにより塗膜から発生するガスを逃がし、塗膜内に気泡が発生することを防ぐことができる。
vi)硬化工程
塗膜からモールドを剥離して第1凹凸構造体を得た後、第1凹凸構造体を本硬化してもよい。本焼成により第1凹凸構造体を本硬化させることができる。なお、硬化工程は必ずしも行う必要はない。また、前駆体溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、焼成の代わりに、エネルギー線の照射によって、第1凹凸構造体を本硬化することができる。
(2)第2凹凸構造体の形成S2
次いで、基材の第2面(第1面の裏面)に第2凹凸構造体を形成する。第2凹凸構造体は、第1凹凸構造体と同様にして形成することができる。なお、第2凹凸構造体の形成は、第1凹凸構造体の形成の前、又は第1凹凸構造体の形成と同時に行ってもよい。
(3)高屈折率層の形成
次いで、第1凹凸構造体の上に高屈折率層を形成してよい。上述のような膜厚を有する高屈折率層を第1凹凸構造体の凸部の上面及び側面に形成するためには、高屈折率層を付き回り性(カバレッジ性)の高い成膜方法で形成することが好ましく、例えば、メッキ法、原子層堆積法、化学気相成長法、スパッタ法、蒸着法等により形成することができる。
(4)中屈折層または積層体の形成
さらに、高屈折率層上に中屈折率層を形成してよい。中屈折率層は、付き回り性の低い成膜方法、例えば、スパッタ法、蒸着法等により形成することが好ましい。それにより、凸部の側面の高屈折率層上に中屈折率層が形成されないようにしながら、あるいは凸部の側面の高屈折率層上に形成される中屈折率層の膜厚を上述のような範囲内に制御しながら、凸部の上面の高屈折率層上に中屈折率層を形成することができる。
あるいは、高屈折率層上に積層体を構成する2n+1個(nは正の整数)の各層を順に形成してよい。各層は、付き回り性の低い成膜方法、例えば、スパッタ法、蒸着法等により形成することが好ましい。それにより、凸部の側面の高屈折率層上に積層体を構成する材料が堆積されないようにしながら、あるいは凸部の側面の高屈折率層上に形成される積層体の膜厚を上述のような範囲内に制御しながら、凸部の上面の高屈折率層上に積層体を形成することができる。
以上、本発明を実施形態により説明してきたが、本発明の光学位相差部材及びその製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。
以下、本発明の光学位相差部材を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
屈折率が1.5のガラス基板の表面(第1面)及び裏面(第2面)のそれぞれに屈折率が1.43である凹凸構造体を形成し、第1面上の凹凸構造体(第1凹凸構造体)上に屈折率が2.42である材料を110nmの厚みで堆積して高屈折率層を形成し、その上に第1層、第2層、第3層を順に、それぞれ32nm、23nm、109nmの厚みで堆積した場合の光学位相差部材の構造をシミュレーションにより求めた。第1層及び第3層の材料は屈折率が1.46である材料とし、第2層の材料は屈折率が2.42ある材料とした。各凹凸構造体は一方向に延在する複数の凸部及び凹部を有し、各凸部の上面の幅を15nm、下面の幅を160nm、高さを308nmとし、凹凸ピッチを180nmとした。この光学位相差部材について、波長450nmにおける透透過率及び位相差をシミュレーションにより求めた。光学位相差部材の波長450nmにおける透過率は98.5%、位相差は114nmであった。
実施例2
屈折率が1.5のガラス基板の表面(第1面)に屈折率が1.43である凹凸構造体(第1凹凸構造体)を形成し、裏面(第2面)に屈折率が1.8である凹凸構造体(第2凹凸構造体)を形成し、第1凹凸構造体上に屈折率が2.42である材料を55nmの厚みで堆積して高屈折率層を形成し、その上に第1層、第2層、第3層を順に、それぞれ32nm、27nm、118nmの厚みで堆積した場合の光学位相差部材の構造をシミュレーションにより求めた。第1層及び第3層の材料は屈折率が1.46である材料とし、第2層の材料は屈折率が2.42である材料とした。第1及び第2凹凸構造体の凹凸パターン(凹凸構造)は、実施例1と同様とした。この光学位相差部材について、波長450nmにおける透透過率及び位相差をシミュレーションにより求めた。透過率は98.9%、位相差は119nmであった。
比較例1
ガラス基板の第1面のみに、凸部高さが385nmである以外は実施例1と同様の凹凸構造体を形成し、第1面上の凹凸構造体上に実施例1と同様の屈折率の高屈折率層を145nmの厚みで堆積し、その上に実施例1の屈折率の第1層、第2層、第3層を順に、それぞれ32nm、40nm、100nmの厚みで堆積し、ガラス基板の第2面に、屈折率がそれぞれ2.33、1.46、2.33、1.46で、厚さがそれぞれ13nm、34nm、115nm、88nmである膜を順に積層して反射防止層を形成した光学位相差部材について、波長450nmにおける透透過率及び位相差をシミュレーションにより求めた。透過率は98.3%、位相差は114nmであった。
上記シミュレーション結果より、実施例1、2の光学位相差部材は、比較例1の光学位相差部材と同等の透過率及び位相差特性を有することがわかった。これは、以下のことを示している。第1に、実施例1、2のようにガラス基板の両面に凹凸構造体を形成することにより、比較例1のようにガラス基板の片面のみに凹凸構造体を形成した場合よりも低い凸部高さで、同等の位相差特性を達成できる。第2に、実施例1、2のようにガラス基板の両面に凹凸構造体を形成することにより、比較例1のように反射防止層を形成した場合と同等の高い透過率を達成できる。
実施例3
屈折率が1.5のガラス基板(日本電気硝子社製OA-10G)を用意した。このガラス基板の表面(第1面)に、シリカの前駆体溶液を塗布して塗膜を形成した。次いで、塗膜にインプリント用のモールドを押し付けながら塗膜を硬化させ、その後モールドを剥離した。それにより、ガラス基板の第1面上にシリカからなる第1凹凸構造体を形成した。同様にして、ガラス基板の裏面(第2面)上に第2凹凸構造体を形成した。なお、シリカの前駆体溶液から形成されたシリカの屈折率は1.43であった。また、第1凹凸構造体及び第2凹凸構造体は一方向に延在する複数の凸部及び凹部を有し、各凸部の上面の幅は15nm、下面の幅は160nm、高さは380nmであり、凹凸ピッチは180nmであった。
第1凹凸構造体上に、高屈折率層として酸化チタン膜をスパッタにより形成した。スパッタは第1凹凸構造体の凸部の上面に形成された高屈折率層の厚みが145nmとなるまで行った。なお、ここで凸部の上面に形成された高屈折率層の厚みは、試料付近に平坦基板を設置してスパッタ成膜を行い、平坦基板上に形成された膜の厚みを求めることにより求めた。形成された高屈折率層の屈折率は2.42であった。
次いで、二酸化ケイ素層(第1層)、酸化チタン層(第2層)及び二酸化ケイ素層(第3層)を順にスパッタにより形成して、高屈折率層上に積層体を形成した。凸部の上面の高屈折率層の上に形成された第1層、第2層、第3層の厚みは、それぞれ20nm、36nm、85nmであった。なお、ここで、各層の厚みは、試料付近に平坦基板を設置してスパッタ成膜を行い、平坦基板上に形成された膜の厚みを求めることにより求めた。第1層、第2層、第3層の屈折率は、それぞれ1.46、2.42、1.46であった。
なお、シリカ、高屈折率層及び積層体の各層の屈折率は、結晶シリコン基板上に各材料の平坦な膜を形成し、分光エリプソメトリー(Horiba-Scientific社製AutoSE)を用いて各膜の屈折率を測定することによって求めた。
こうして得られた光学位相差部材を温度60℃、湿度90%の高温高湿環境下に置き、0時間、24時間、120時間、240時間後の波長400nm~800nmにおける透過率及び位相差をポラリメータ(Axometrix社製Axoscan)を用いて測定した。測定した全波長範囲において、透過率及び位相差の変化率は±2.5%未満であり、ほとんど劣化しなかった。このことは、実施例3の光学位相差部材が高耐湿性を有することを示している。
10,10A,10B,10C…光学位相差部材、20…中屈折率層
22…第1層、24…第2層、25…積層体、26…第3層
30…高屈折率層、40…基材、50…第1凹凸構造体、
52…第2凹凸構造体、60,62…凸部、70,72…凹部
90…空気層、80,82…凹凸パターン

Claims (14)

  1. 第1面及び該第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、
    前記第1面上に形成され、第1の無機材料から構成され、且つ入射する光の波長よりも短い周期で配列された凹部及び凸部を有する第1凹凸構造体と、
    前記第2面上に形成され、第2の無機材料から構成され、且つ入射する光の波長よりも短い周期で配列された凹部及び凸部を有する第2凹凸構造体と、
    前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面及び側面に形成され、前記第1凹凸構造体の前記凸部よりも高い屈折率を有する高屈折率層と、
    前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面の前記高屈折率層上に形成され、前記高屈折率層よりも低い屈折率を有する層から構成される中屈折率層と、を備え、
    前記第1凹凸構造体の凸部が、前記第1面に平行な第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第1面から離れる方向に向かって幅が小さくなり、
    前記第2凹凸構造体の凸部が、前記第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第2面から離れる方向に向かって幅が小さくなり、
    前記第1凹凸構造体の隣り合う前記凸部の対向する前記側面に形成された前記高屈折率層の間に空気層が存在し、
    前記中屈折率層が、前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面及び側面の前記高屈折率層上に形成されている光学位相差部材。
  2. 前記第1凹凸構造体及び前記第2凹凸構造体の各凸部のアスペクト比が1~5の範囲内である請求項1に記載の光学位相差部材。
  3. 前記第1の無機材料及び前記第2の無機材料がゾルゲル材料の硬化物である請求項1または2に記載の光学位相差部材。
  4. 前記基材の屈折率をn、前記第1凹凸構造体を構成する材料の屈折率をn、前記第2凹凸構造体を構成する材料の屈折率をnとすると、n-nの値及びn-nの値が、-0.4~0.4の範囲内である請求項1~3のいずれか一項に記載の光学位相差部材。
  5. 第1面及び該第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、
    前記第1面上に形成され、第1の無機材料から構成され、且つ入射する光の波長よりも短い周期で配列された凹部及び凸部を有する第1凹凸構造体と、
    前記第2面上に形成され、第2の無機材料から構成され、且つ入射する光の波長よりも短い周期で配列された凹部及び凸部を有する第2凹凸構造体と、
    前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面及び側面に形成され、前記第1凹凸構造体の前記凸部よりも高い屈折率を有する高屈折率層と、
    前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面の前記高屈折率層上に形成された、2n+1個(nは正の整数)の層の積層体から構成される積層体と、を備え、
    前記第1凹凸構造体の凸部が、前記第1面に平行な第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第1面から離れる方向に向かって幅が小さくなり、
    前記第2凹凸構造体の凸部が、前記第1方向に延在するとともに、前記基材の前記第2面から離れる方向に向かって幅が小さくなり、
    前記第1凹凸構造体の隣り合う前記凸部の対向する前記側面に形成された前記高屈折率層の間に空気層が存在し、
    前記積層体は、前記高屈折率層上に形成された第1層と、第2k-1層(kは1~nの整数)上に形成された第2k層と、前記第2k層上に形成された第2k+1層を備え、
    前記第1層の屈折率が前記高屈折率層の屈折率よりも低く、
    前記第2k+1層の屈折率が前記第2k層の屈折率よりも低く、
    前記積層体が、前記第1凹凸構造体の前記凸部の上面及び側面の前記高屈折率層上に形成されている光学位相差部材。
  6. 前記第2k-1層(kは1~nの整数)の屈折率が、前記第2k層の屈折率よりも低い請求項5に記載の光学位相差部材。
  7. 記凸部の側面上に形成された前記高屈折率層の厚みは、前記入射する光の波長λに対して0.03λ~0.11λであることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の光学位相差部材。
  8. 記中屈折率層の屈折率をnとすると、前記凸部の上面上の前記高屈折率層に形成されている前記中屈折率層の厚みは、前記入射する光の波長λに対して0.9λ/4n~1.3λ/4nの範囲内であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の光学位相差部材。
  9. 記凸部の側面の前記高屈折率層上に形成された前記中屈折率層の厚みは、前記入射する光の波長λに対して0.03λ以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の光学位相差部材。
  10. 前記凸部の側面上の前記高屈折率層上に形成された前記積層体の厚みは、5~40nmの範囲内であることを特徴とする請求項5または6に記載の光学位相差部材。
  11. 前記第1凹凸構造体の隣り合う前記凸部の裾同士の間隔と前記第2凹凸構造体の隣り合う前記凸部の裾同士の間隔は、それぞれ、前記凹部及び前記凸部により形成された凹凸パターンのピッチの0~0.2倍の範囲内であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の光学位相差部材。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の光学位相差部材を備えるプロジェクタ。
  13. 請求項1~11のいずれか一項に記載の光学位相差部材の製造方法であって、
    基材の第1面上に、第1の無機材料から構成される第1凹凸構造体を形成することと、
    前記基材の前記第1面の反対側に位置する第2面上に、第2の無機材料から構成される第2凹凸構造体を形成することを含む光学位相差部材の製造方法。
  14. 前記第1凹凸構造体及び前記第2凹凸構造体を、ゾルゲル法を用いて形成する請求項13に記載の光学位相差部材の製造方法。
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