JP2007139814A - 位相差素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】法線方向から入射する光に位相差を付与可能であり、且つ高い信頼性を有する位相差素子を提供する。
【解決手段】位相差素子1は、基板10と、基板10の表面12の上に形成された積層膜13とを備えている。積層膜13は、低屈折率膜15と、低屈折率膜15よりも高い屈折率を有する高屈折率膜16とが交互に積層されてなる。基板10の表面11は平面に形成されており、積層膜13は、その表面11の法線に対して傾斜した法線を有する。
【選択図】図1
【解決手段】位相差素子1は、基板10と、基板10の表面12の上に形成された積層膜13とを備えている。積層膜13は、低屈折率膜15と、低屈折率膜15よりも高い屈折率を有する高屈折率膜16とが交互に積層されてなる。基板10の表面11は平面に形成されており、積層膜13は、その表面11の法線に対して傾斜した法線を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は位相差素子に関する。
現在実用化されている位相差素子として、樹脂製の複屈折波長フィルムが挙げられる。樹脂製の複屈折波長フィルムは、長方向と短方向とで屈折率の異なる(複屈折を有する)高分子結合鎖が特定方向に配向された構造を有するものである。
一方、例えば特許文献1及び2には、ガラス製の位相差素子が開示されている。具体的に、特許文献1には、誘電体材料を基板に対して斜め方向から入射させて蒸着してなる位相差素子が開示されている。
また、特許文献2には、高アスペクト比を有する銀ハロゲン化物粒子がガラスマトリクス中に分散混入してなる位相差素子が開示されている。
また位相差素子とは異なるものであるが、特許文献3には、無機材料からなる構造性複屈折体で構成された位相差補償素子が開示されている。特許文献3において、構造性複屈折体は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された構造を有している。
特開昭59−49508号公報
特開平5−188221号公報
特開2004−212468号公報
樹脂製の位相差素子は、高温環境、強い光線(特に青色、紫色、紫外の光線)が入射するような環境、又は高温且つ強い光線が入射する環境においては、寿命が短いという問題がある。これは、位相差素子の材料である樹脂が熱や光により劣化、損傷してしまうためである。具体的には変色、透過率低下、複屈折値の変動といった不具合が生じてしまうためである。
一方、特許文献1に開示された位相差素子は、位相差素子がおかれた環境の湿度や温度等によって、その位相差が経時的に変化してしまうという問題を有する。
また、特許文献2に開示されたガラス製の位相差素子は、熱処理により高アスペクト比を有する(針状の)銀ハロゲン化物粒子を析出させることにより製造される。しかしながら、アニール工程により銀ハロゲン化物粒子を析出させる場合、銀ハロゲン化物粒子の粒径や粒子濃度を制御することが困難である。従って、複屈折値を制御することが困難であるという問題がある。
また、特許文献3に記載された位相差補償素子は、位相差補償素子に対して垂直に入射する光に位相差を実質的に付与することができないため、位相差素子として使用することが困難であるという問題がある。
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、法線方向から入射する光に位相差を付与可能であり、且つ高い信頼性を有する位相差素子を提供することにある。
本発明に係る位相差素子は、基板と、基板の内部又は表面に形成された積層膜とを備えている。積層膜は、低屈折率膜と、低屈折率膜よりも高い屈折率を有する高屈折率膜とが交互に積層されてなる。基板の少なくとも一方の表面は平面に形成されており、積層膜は、その一方の表面の法線に対して傾斜した法線を有する。
本発明によれば、法線方向から入射する光に位相差を付与可能であり、且つ高い信頼性を有する位相差素子を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態1に係る位相差素子1の構成を表す斜視図である。
図1は本実施形態1に係る位相差素子1の構成を表す斜視図である。
図2は積層膜13の部分断面図である。
本実施形態1に係る位相差素子1は、第1の基板10と、積層膜13と、第2の基板14とを備えている。第1の基板10は、一方の表面11が平面状に形成されている。他方の表面12(詳細には表面12の周辺部分を除く板央部分)は、表面11に対して傾斜するように断面鋸歯状に形成されている。第2の基板14は積層膜13の上に積層膜13を覆うように形成されている。
積層膜13は、図2に示すように、複数の低屈折率膜15と、複数の低屈折率膜15よりも高い屈折率を有する高屈折率膜16とが交互に積層されてなるものである。このため、積層膜13は、積層膜13に対して垂直に入射した光をそのまま(位相差を付与せずに)透過させるものの、積層膜13に対して斜めに入射した光に対しては位相差を付与する特性を有する。
上述のように、本実施形態1に係る位相差素子1では、積層膜13は表面11に対して傾斜して配置されている。すなわち、表面11の法線と傾斜する法線を有するように配置されている。このため、表面11から位相差素子1に垂直に入射した垂直光は、積層膜13に対して傾斜して(積層膜13の法線方向に対して傾斜して)入射することとなる。従って、本実施形態1に係る位相差素子1は表面11から位相差素子1に垂直に入射した光に対しても位相差を付与することができる。
大きな位相差を付与可能な位相差素子1を実現する観点から、低屈折率膜15と高屈折率膜16との屈折率差は大きいことが好ましい。具体的には、高屈折率膜16が、低屈折率膜15のd線の屈折率(以下、「d線屈折率」とする。)よりも0.3以上高いd線屈折率を有するものであることが好ましい。
低屈折率膜15と高屈折率膜16との屈折率差を大きくするために、低屈折率膜15は、低屈折率材料により形成されることが好ましい。低屈折率材料の具体例としては、例えば、酸化ケイ素、アルカリ金属フッ化物(NaF、KF等)、アルカリ土類金属フッ化物(MgF2、CaF2、SrF2、BaF2等)、酸化アルミニウム等が挙げられる。それらの中でも、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等が特に好ましい。
一方、高屈折率膜16は1種又は複数の種類の高屈折率イオンを含む膜であることが好ましい。高屈折率イオンとしては、例えば、ニオブイオン、チタンイオン、ジルコンイオン、タンタルイオン、ランタノイドイオン(ランタンイオン、ガドリニウムイオン等)、イットリウムイオン等が挙げられる。具体的には、高屈折率膜16は、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコン、酸化タンタル、酸化ランタノイド(酸化ランタン、酸化ガドリニウム等)、酸化イットリウム等により形成してもよい。また、高屈折率膜16は、酸素イオン以外の陰イオン、例えばフッ素イオンを含有するものであってもよい。
低屈折率膜15及び高屈折率膜16は、上記材料以外で形成されていてもよい。例えば有機材料等により形成されていてもよい。しかし、低屈折率膜15及び高屈折率膜16は、例えば上述したような無機材料により実質的に形成されていることが好ましい。無機材料により形成することにより、耐光性、機械的耐久性等に優れた積層膜13、さらには位相差素子1を実現することができる。
同様に、大きな位相差を付与可能な位相差素子1を実現する観点から、低屈折率膜15及び高屈折率膜16のそれぞれの膜厚は、位相差素子1に入射する光の波長(設計波長)をλとしたとき、3λ/200以上であることが好ましい。且つ、λ/5以下であることが好ましい。膜厚がλ/5よりも大きい場合は、積層膜13の光透過率が低下する傾向にある。例えば、位相差素子1に400nm〜800nmの光が入射する場合は、3×800/200nm以上(すなわち、12nm以上)、400/5nm以下(すなわち、80nm以下)であることが好ましい。
また、同様に、大きな位相差を付与可能な位相差素子1を実現する観点から、積層膜13の膜数は50以上であることが好ましい。且つ、2000以下であることが好ましい。膜数が2000よりも多い場合は、積層膜13の光透過率が低下する傾向にある。
尚、位相差素子1の複屈折率は、積層膜13の膜数、低屈折率膜15及び高屈折率膜16のそれぞれの膜厚等により容易に制御することができる。従って、銀ハロゲン化物粒子を用いた位相差素子等と比較して容易に複屈折率等の物性の制御を行うことができる。すなわち、本実施形態1に係る位相差素子1は、比較的容易に、且つ安定して生産することができる。
第1の基板10は、例えばプラスチック製であってもよく、また、ガラス製であってもよい。さらには、光透過性セラミックス製、結晶化ガラス製であってもよい。耐光性、機械的耐久性(信頼性)の観点から、第1の基板10はガラス製であることが特に好ましい。また、ガラスは比較的熱膨張係数が小さく、且つ光弾性定数も小さいため、実質的にガラスにより第1の基板10を形成することで、光学装置への実装時に生じる歪みや経時的に発生する歪みに対する位相差素子1の複屈折率の変化を抑制することができる。
第2の基板14も第1の基板10と同様に、プラスチック製であってもよく、またガラス製であってもよい。さらには、光透過性セラミックス製、結晶化ガラス製であってもよい。第2の基板14は、これらの材料の中でも特に低い融点を有する材料により形成されていることが好ましい。具体的には、低融点ガラス等により形成されていることが好ましい。低融点ガラスの場合、積層膜13が形成された第1の基板10の上に低融点ガラス材をヒートプレスすることにより容易に第2の基板14を形成することができる。低融点ガラスの具体例としては、リン酸塩系ガラス、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンを含む硼珪酸塩系ガラス、酸化鉛含有ガラス、酸化ビスマス含有ガラス等が挙げられる。
この第2の基板14と第1の基板10との間に積層膜13を介在させた構成とすることにより、空気層から直接積層膜13に光が入射する場合と比較して、積層膜13内の光進行角度(光の進行方向と積層膜13の法線とのなす角度)が大きくなる。このため、入射光に対して比較的大きな位相差を付与することが可能となる。
また、第1の基板10は空気よりも屈折率が高いため、積層膜13への入射光の積層膜13表面における表面反射を抑制することができる。従って、高い光透過率を有する位相差素子1を実現することができる。
さらに、第1の基板10と第2の基板14とを設けることにより第1の基板10側から入射した垂直光と第2の基板14側から出射する出射光とのなす角度を小さくすることができる。すなわち、光直進性が高い位相差素子1を実現することができる。
また、例えば、第1の基板10と第2の基板14とがガラス製である場合、位相差素子1に入射した光の通過するガラス媒質の距離を相互に略同一にすることができる。
また、機能膜たる積層膜13が他の部材と接触することが抑制される。
上述のように、第1の基板10の表面12は、断面鋸歯状に形成されている。具体的には、表面12は、表面11の法線に対して傾斜した法線を有する第1の平面部12aと、表面11の法線及び第1の平面部12aの法線のそれぞれに対して傾斜した法線を有する第2の平面部12bとが交互に連続して配置されてなるものである。第2の平面部12bは、その法線が表面11の法線と第1の平面部12aの法線とを含む平面上に位置するように配置されている。
このため、積層膜13は、第1の平面部12aの上に形成された第1の積層部13aと、第2の平面部12bの上に形成された第2の積層部13bとが連続して交互に配置された構成となっている。すなわち、積層膜13は、表面11の法線に対して傾斜した法線を有する第1の積層部13aと、表面11の法線及び第1の積層部13aの法線のそれぞれに対して傾斜した法線を有する第2の積層部13bとが連続して交互に配置された構成となっている。このような構成にすることによって、表面11の法線方向(光軸AX方向)の厚さが比較的薄い面状の位相差素子1を実現することができる。従って、本実施形態1に係る位相差素子1を用いることで比較的小型・薄型な光学装置を実現することができる。
第1の積層部13a、第2の積層部13bと表面11の法線とのなす角度は、特に限定されるものではないが、例えば、20度以上70度以下であることが好ましい。また、一対の第1の積層部13aと第2の積層部13bとの幅及び高さも特に限定されるものではない。但し、製造容易性の観点、及び積層膜13の膜厚の高い均一性を実現する観点から、幅は1/100mm以上であることが好ましい。例えば、幅を1.5mm、高さを1.5mmとし、第1の積層部13a、第2の積層部13bと表面11の法線とのなす角度を45度としてもよい。
また、位相差素子1に含まれる第1の積層部13a、第2の積層部13bの数量も特に限定されるものではない。例えば、第1の積層部13aと第2の積層部13bとを9組形成してもよい。
次に、本実施形態1に係る位相差素子1の製造方法について説明する。
まず、第1の基板10を作製する。第1の基板10は、例えば、平板状のガラス板を切削・研削及び研磨することにより作製することができる。また、第1の基板10をヒートプレスにより作製してもよい。
次に、第1の基板10の上に積層膜13を形成する。積層膜13は、例えばスパッタ法、蒸着法、CVD法等により形成することができる。最後に、積層膜13の上に、積層膜13を被覆するように、例えばヒートプレス法により第2の基板14を形成することにより位相差素子1を製造することができる。
次に、本実施形態1に係る位相差素子1の一適用例について図3を参照しながら説明する。
図3は液晶プロジェクタ2の要部の構成を表す図である。
液晶プロジェクタ2は、光源21と、位相差素子1と、偏光板22、24、26と、液晶パネル23と、ガラス基板25とを備えている。光源21は直線偏光を出射するものである。位相差素子1は、光源21の光出射方向側に、光源21からの主光線が表面11に垂直に入射するように配置されている。光源21から出射された光には位相差素子1により位相差が付与され、入射光とは異なる偏光方向の光(例えば入射光に対して偏光方向が90度回転した光)とされて位相差素子1から出射される。位相差素子1から出射された光は液晶パネル23に入射し、液晶パネル23にて変調される。液晶パネル23にて変調された光はガラス基板25に貼り付けられた偏光板24、26に入射し、不要な偏光が取り除かれて、各画素ごとに光量制御された画像光として液晶プロジェクタ2から出射される。
上述の通り、本実施形態1に係る位相差素子1は垂直入射光に対して位相差を好適に付与することができるものであるため、高品位な液晶プロジェクタ2を実現することができる。
また、ガラス製の第1の基板10、第2の基板14、及び無機材料により形成された積層膜13を用いた場合は、液晶プロジェクタ2内の熱や光線による位相差素子1の劣化を抑制することができる。従って、長寿命を有する液晶プロジェクタ2を実現することができる。
以上、本実施形態1においては、板状の位相差素子1を例に挙げて本発明の好ましい形態の一例について説明してきたが、本発明に係る位相差素子の形状は板状に限定されない。例えば、レンズ状、プリズム状に形成されていてもよい。以下、実施形態2として、板状ではない位相差素子の例について説明する。
(実施形態2)
図4は本実施形態2に係る位相差素子3の構成を表す斜視図である。
図4は本実施形態2に係る位相差素子3の構成を表す斜視図である。
尚、本実施形態2及び下記実施形態3、4の説明において、図2は実施形態1と共通に参照する。また、実質的に同じ機能を有する構成要素を実施形態1と共通の参照符号で説明し、説明を省略する。
本実施形態2に係る位相差素子3は、第1の基板10と、積層膜13とを備えている。
本実施形態2において、第1の基板10の表面12には、一対の第1の平面部12a及び第2の平面部12bのみが形成されており、第1の基板10は略三角柱状に形成されている。そして、積層膜13は、第1の平面部12aの上に形成された第1の積層部13aと、第2の平面部12bの上に形成された第2の積層部13bとにより構成されている。
本実施形態2では、第2の基板14は設けられていない。このため、安価且つ少ない製造工程で容易に製造することができる。
(実施形態3)
図5は、本実施形態3に係る位相差素子4の構成を表す斜視図である。
図5は、本実施形態3に係る位相差素子4の構成を表す斜視図である。
本実施形態3に係る位相差素子4は、基板40と、積層膜13とを備えている。本実施形態3においては、積層膜13は基板40の内部に形成されている。具体的には、基板40は、端面が平行四辺形の四角柱状の複数の基材41により構成されており、積層膜13は隣接する基材41相互間に形成されている。このため、複数の積層膜13は、それぞれ基板40の表面の法線に対して傾斜した法線を有するように、相互に平行に配置されている。従って、本実施形態3に係る位相差素子4も上記実施形態1に係る位相差素子1と同様に、位相差素子4に垂直に入射した光に対しても位相差を付与することができる。
本実施形態3に係る位相差素子4は、角柱状の基材41の一側面に、スパッタ法等を用いて積層膜13を形成し、その後、貼り合わせることにより製造することができる。このため、例えば、断面鋸歯状の基板の制作を要する場合等と比較して、容易且つ安価に製造することができる。また、平面に積層膜13を形成することとなるため、比較的均一な層厚の積層膜13を実現することができる。
(実施形態4)
図6は本実施形態4に係る位相差素子5の構成を表す斜視図である。
図6は本実施形態4に係る位相差素子5の構成を表す斜視図である。
立方体状に形成された本実施形態4に係る位相差素子5は、第1の基材51と、第2の基材52と、積層膜13とを備えている。
第1の基材51と第2の基材52とはそれぞれ三角柱状に形成されており、一端面同士が対向するように配置されている。積層膜13は第1の基材51と第2の基材52との間に形成されている。このような構成の位相差素子5も、上記実施形態1に係る位相差素子1と同様に、位相差素子4に垂直に入射した光に対しても位相差を付与することができる。また、上記実施形態3と同様に、容易且つ安価に製造することができる。さらに、平面に積層膜13を形成することとなるため、比較的均一な層厚の積層膜13を実現することができる。
以上説明したように、本発明に係る位相差素子は、法線方向から入射する光に位相差を付与可能であり、且つ高い信頼性を有するため、液晶プロジェクタ、光ディスク装置、それに用いるピックアップ装置、液晶表示装置等に有用である。
1、3、4、5 位相差素子
2 液晶プロジェクタ
10 基板
10、14、25、40 基板
13 積層膜
15 低屈折率膜
16 高屈折率膜
21 光源
22、24、26 偏光板
23 液晶パネル
41、51、52 基材
2 液晶プロジェクタ
10 基板
10、14、25、40 基板
13 積層膜
15 低屈折率膜
16 高屈折率膜
21 光源
22、24、26 偏光板
23 液晶パネル
41、51、52 基材
Claims (13)
- 少なくとも一方の表面が平面である基板と、
上記一方の表面の法線に対して傾斜した法線を有するように上記基板の内部又は表面に形成され、低屈折率膜と、該低屈折率膜よりも高い屈折率を有する高屈折率膜とが交互に積層されてなる積層膜と、
を備えた位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記低屈折率膜及び上記高屈折率膜は、共に実質的に無機材料からなる位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記基板はガラス製である位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記積層膜は、上記一方の表面の法線に対して傾斜した法線を有する第1の積層部と、上記一方の表面の法線及び上記第1の積層部の法線のそれぞれに対して傾斜した法線を有する第2の積層部とを有する位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記積層膜は、各々、上記一方の表面の法線に対して傾斜した法線を有する複数の第1の積層部と、各々、上記一方の表面の法線及び上記第1の積層部の法線のそれぞれに対して傾斜した法線を有する複数の第2の積層部とを有し、該複数の第1の積層部と該複数の第2の積層部とが交互に連続して配置されてなる位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記積層膜を複数備えており、該複数の積層膜は相互に平行に配置されている位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記基板は、その他方の表面が上記一方の表面に対して傾斜するように形成されており、上記積層膜は、該他方の表面の上に形成されている位相差素子。 - 請求項7に記載された位相差素子に於いて、
上記積層膜の上に、該積層膜を覆うように形成されたさらなる基板を備えた位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記位相差素子は、その一方の表面から入射した光に位相差を付与して他方の表面から出射させるものであり、該入射光の波長をλとしたとき、上記低屈折率膜及び上記高屈折率膜のそれぞれは、その膜厚が3λ/200以上λ/5以下である位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記積層膜は、その積層された膜の数が50以上2000以下である位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記高屈折率膜は、そのd線の屈折率が上記低屈折率膜の同屈折率よりも0.3以上高い位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記高屈折率膜は、ニオブイオン、チタンイオン、ジルコンイオン、タンタルイオン、ガドリニウムイオン、ランタンイオン、及びイットリウムイオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属イオンを含む膜である位相差素子。 - 請求項1に記載された位相差素子において、
上記低屈折率膜は、実質的に、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、又は酸化アルミニウムからなる位相差素子。
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