JP2006349706A - 偏光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温高湿下に放置した後の白表示において額縁部の表示が着色せず、高輝度の液晶表示装置等を得ることができる偏光素子を提供する。
【解決手段】 樹脂フィルムの片面に縞状の凹凸を形成し、該凹凸面を有するフィルムの凹凸面側に複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料が線状格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層を形成し、凹凸を有するフィルムの平らな面側に二色性染料によって着色された吸収型偏光層を形成するなどの方法で偏光素子を得る。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、光通信、光記録、センサー、画像表示装置等に使用される偏光素子に関し、詳細には、金属が格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層と、二色性染料によって着色された吸収型偏光層とを有する光学異方性を有する偏光素子に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光部品である。このような金属グリッドを形成すると、グリッド周期が入射光の波長より短い場合に、金属グリッドを形成している線状金属に対して平行な偏光成分(P偏光)は反射し、垂直な偏光成分(S偏光)は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
特許文献1には、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子と、反射型グリッド偏光子とを積層させてなる光学部材が開示されている。また特許文献2には、ヨウ素又は二色性染料等の二色性色素を含有するポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光子の片面または両面に保護フィルムが設けられている偏光板と、金属に微細加工を施し可視光領域でも反射偏光を出すようにした金属格子反射偏光子又は金属の微粒子を高分子マトリック中に入れて延伸して得られる反射型グリッド偏光子とが、前記保護フィルムを挟んで粘着剤層を介して積層されている高輝度偏光板が開示されている。ところが、これらヨウ素系吸収型偏光子と反射型グリッド偏光子とを積層したものを液晶表示装置の液晶パネルとバックライト装置との間に配置すると、高温高湿下に放置した後の白表示において額縁部の表示が着色することがあった。
特開2004−61565号公報 特開2004−271846号公報
本発明の目的は、高温高湿下に放置した後の白表示において額縁部の表示が着色せず、高輝度の液晶表示装置等を得ることができる偏光素子を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために検討した結果、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料が線状格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層と、二色性染料によって着色された吸収型偏光層とを有する偏光素子が、特にグリッド偏光層が、樹脂フィルム上に形成されたナノサイズの凹凸形状の凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜で構成されているときに、高温高湿下に放置した後の白表示において額縁部の表示が着色せず、高輝度の液晶表示装置等を得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、(1)複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料が線状格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層と、二色性染料によって着色された吸収型偏光層とを有する偏光素子が提供される。
本発明偏光素子の好適な態様として、
(2) グリッド偏光層と吸収型偏光層とが接している前記の偏光素子、
(3) グリッド偏光層の偏光透過軸の方向と、吸収型偏光層の偏光透過軸の方向とが、略平行になるようにグリッド偏光層と吸収型偏光層が配置されている、前記の偏光素子、
(4)グリッド偏光層及び吸収型偏光層とがそれぞれ樹脂フィルム上に形成されている前記の偏光素子、
(5) 樹脂フィルムの一方の面にグリッド偏光層が形成され、他方の面に吸収型偏光層が形成されている前記の偏光素子、
(6) グリッド偏光層が、樹脂フィルム上に形成されたナノサイズの凹凸形状の、凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜で構成されているものである、前記の偏光素子、及び
(7)グリッド偏光層が、吸収型偏光層の表面上に形成されたナノサイズの凹凸形状の、凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜で構成されているものである前記の偏光素子が提供される。
さらに本発明によれば、前記の偏光素子を備える液晶表示装置が提供される。
本発明の偏光素子は、これを液晶表示装置の液晶パネルとバックライト装置との間に配置すると、高温高湿下に放置した後の白表示において額縁部の表示が着色することなく、輝度を向上させることができる。
本発明の偏光素子は、金属が格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層と、二色性染料によって着色された吸収型偏光層とを有するものである。
本発明の偏光素子を構成するグリッド偏光層は、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料が線状格子状に分布する構造を有するものである。
グリッド偏光層の線状格子状構造を形成する材料は、複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料である。複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料の具体例としては、金属;シリコン、ゲルマニウム等の無機半導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン等の導電性ポリマー、及びこれら導電性樹脂をヨウ素、三フッ化ホウ素、五フッ化ヒ素、過塩素酸等のドーパントを用いてドーピングした有機系導電性材料;絶縁性樹脂に金、銀などの導電性金属微粒子を分散した溶液を乾燥して得られる有機−無機複合系導電性材料、などが挙げられる。これらの中でも、グリッド偏光層の生産性、耐久性の観点からは金属材料が好ましい。可視域の光を効率よく偏光分離するためには、温度25℃、波長550nmにおける複素屈折率の実部n及び虚部κのそれぞれは、好ましくはnが4.0以下で、κが3.0以上で且つその差の絶対値|n−κ|が1.0以上のものであり、より好ましくはnが2.0以下で、κが4.5以上で且つ|n−κ|が3.0以上のものである。前記好ましい範囲にあるものとしては、銀、アルミニウム、クロム、インジウム、イリジウム、マグネシウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、スズ等が挙げられ、前記より好ましい範囲にあるものとしては、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。また上記以外に、nが3.0以上で且つκが2.0以下の範囲にある材料、好ましくはnが4.0以上で且つκが1.0以下の範囲にある材料も好適に用いることができる。このような材料としてはシリコンなどが挙げられる。複素屈折率Nは、電磁波の理論的関係式であり、実部の屈折率nと虚部の消衰係数κを用いて、N=n−iκで表現されるものである。
|n−κ|の値は次のような意義を持つ。まず、n<κの場合においては、κが大きいものほど導電性が大きく、該材料で形成される線状格子の分布する方向(図1中のA方向)に振動できる自由電子が多くなるため、偏光(線状格子の分布方向に(電場が)平行な方向の偏光)の入射により発生する電界が強くなり、前記偏光に対する反射率が高まる。また、線状格子の幅が小さいので、線状格子の分布方向と直交する方向には電子は動けず、線状格子と直交する方向の偏光に対しては上記の効果は生じず、透過する。またnが小さい方が入射した光の媒質中での波長が大きくなるため、相対的に微細凹凸構造のサイズ(線幅、ピッチ等)が小さくなり、散乱、回折等の影響を受け難くなり、光の透過率(線状格子に直交する方向の偏光)、反射率(線状格子に平行な方向の偏光)が高まる。ここで|n−κ|が1.0以上というのは、κがより大きく、nがより小さいものほど好ましいということを示している。
一方n>κの場合においては、nが大きいものほど、線状格子とそれに隣接する部分(図1では空気)との屈折率nの差が大きくなり、構造複屈折が発現しやすくなる。一方κが大きいと光の吸収が大きくなるため、光の損失を防ぐ意味でκは小さいほど好ましい。ここで|n−κ|が1.0以上というのは、nがより大きく、κがより小さいものほど好ましいということを示している。
線状格子は、例えば図1に示すような公知のグリッド構造をなしていれば特に制限は無い。線状格子間のピッチは使用する光の波長の1/2以下とすることが必要である。線状格子の幅は細いほど透過方向の偏光成分の吸収が小さくなり、特性上好ましい。可視光線に用いるグリッド偏光層では、ピッチが通常50〜1000nmであり、線幅が通常25〜600nm、高さは10〜800nmである。
本発明において好適なグリッド偏光層は、樹脂フィルム上に形成されたナノサイズの凹凸形状の、凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた薄膜で形成されてなるものである。例えば、図2及び図3に示すように、樹脂フィルム30表面上に形成されたナノサイズの凹凸形状40の、凸部の頂面41及び/又は凹部の底面42に複素屈折率の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる薄膜が設けられ、該薄膜によって線状格子状に分布する構造40を形成している。
ナノサイズの凹凸形状のピッチは好ましくは50〜1000nmであり、凸部又は凹部の巾は、通常光の波長よりも短く、好ましくは25〜600nmであり、凸部の高さ又は凹部の深さは好ましくは50〜800nmである。凹凸形状は格子長手方向に伸びており、その長さは、通常光の波長より長く、通常800nm以上である。
前記グリッド偏光層の好適な製法は、ナノサイズの凹凸形状を有する転写用の型、好適には転写ロールを用いて長尺の樹脂フィルム又は長尺の吸収型偏光層表面にナノサイズの凹凸形状を形成し、次いで、該凹凸に複素屈折率の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成して該膜が線状格子状に分布する構造を形成することを含むものである。
この製法に用いられる、ナノサイズの凹凸形状を有する転写用の型又は転写ロールは、ナノサイズの凹凸を有するものであればその製法によって特に限定されないが、例えば、モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に巾600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、該工具を用いて型部材又はロール部材の表面にピッチが好ましくは50〜1000nmで、凸部又は凹部の巾が好ましくは25〜600nmで、凸部の高さ又は凹部の深さが好ましくは50〜800nmである凹凸形状を形成する方法が挙げられる。
図4は工具10の一例を示す図である。モース硬度9以上の直方体を高エネルギー線で加工し、先端の面に溝を彫り込み、先端に巾600nm以下、好ましくは300nm以下の直線状の突起11を形成している。図4では直線状突起が一定のピッチで複数本平行に並んでいる。
先端に形成される突起の形状は特に制限されず、例えば、直線状突起の長手に垂直な面で切断した断面が、長方形、三角形、半円形、台形、又はこれらの形状を若干変形させたような形状などを挙げることができる。これらの中で断面が長方形のものが、複素屈折率の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料の格子を容易に形成できるので好適である。
工具の先端に形成される突起の算術平均粗さ(Ra)は好ましくは10nm以下、より好ましくは3nm以下である。
工具の突起(凸部)が型部材又はロール部材の表面では凹部となり、工具の凹部が型部材又はロール部材の表面では凸部となって形成される。図8に示す突起断面形状が長方形である切削工具10(巾W1、ピッチP1、高さH1)を用いた場合、型部材又はロール部材の表面の突起11の巾W2はP1−W1、突起11のピッチP2はP1、突起11の高さH2はH1以下となる。この関係と転写時の熱膨張などを考慮して、型部材又はロール部材の表面に形成したいナノオーダーの凹凸形状に対応する工具形状を決めることができる。工具の両側端の突起の巾eは、W1−25<e<W1+25(単位nm)又はe=0であることが、加工継ぎ目部分のピッチを設定どおりの値にすることができることから好ましい。
工具に用いられるモース硬度9以上の材料としては、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、コランダムなどが挙げられる。これらの材料は単結晶又は焼結体であることが好ましい。単結晶であれば、加工精度と工具寿命の面で好ましく、単結晶ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素が硬度が高いためにより好ましく、単結晶ダイヤモンドが特に好ましい。焼結体としては、例えば、コバルト、スチール、タングステン、ニッケル、ブロンズなどを焼結材とするメタルボンド;長石、可溶性粘土、耐火粘土、フリットなどを焼結材とするビトリファイドボンドなどを挙げることができる。これらの中でダイヤモンドメタルボンドが好適である。
工具の作製に用いられる高エネルギー線としては、例えば、レーザービーム、イオンビーム、電子ビームなどが挙げられる。これらの中でイオンビームと電子ビームが好適である。イオンビームによる加工では材料の表面にフロン、塩素などの活性ガスを吹き付けながらイオンビームを照射する方法(イオンビーム援用化学加工という。)が好ましい。電子ビーム加工では、材料の表面に酸素ガスなどの活性ガスを吹き付けながら電子ビームを照射する方法(電子ビーム援用化学加工という。)が好ましい。これらビーム援用化学加工によって、エッチング速度を速め、スパッタされた物質の再付着を防ぎ、且つナノオーダーの高精度で微細加工を効率よく行うことができる。
図5は、前記で得られた工具を用いてロール部材20の周面にナノオーダーの凹凸形状21を形成する方法の一例を示す図である。図5では、工具10の直線状突起11をロール部材20周面に圧しあて、ロール部材を回転させて、ロール部材周面を切削又は研削している。
型部材又はロール部材の切削又は研削は、精密微細加工機を用いて行うことが好ましい。精密微細加工機は、X,Y,Z軸の移動精度が、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、特に好ましくは10nm以下のものである。精密微細加工機は、好ましくは0.5Hz以上の振動の変位が50μm以下に管理された室内、より好ましくは0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された室内に設置して、上記加工を行う。また、型部材又はロール部材の切削又は研削は、好ましくは温度が±0.5℃以内に管理された恒温室、より好ましくは±0.3℃以内に管理された恒温室で行う。
微細加工に用いられる型部材又はロール部材は特に制限はないが型部材又はロール部材の表面は微細格子形状を形成するために適当な硬度のある材料で形成されていることが好ましく、例えば、電着又は無電解めっきにより形成された金属膜で形成される。金属膜を構成する材料としてはビッカース硬度が好ましくは40〜350、より好ましくは200〜300の金属膜を得ることができるものがよく、具体的には、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金、パラジウムなどが挙げられ、これらのうち、銅、ニッケル、ニッケル−リン合金が好ましい。
図5では、ロール部材に直接工具を圧し付けて、ナノオーダーの凹凸形状を形成させているが、金型にナノオーダーの凹凸形状を形成させ、その金型の上に電鋳などで金属版を作製し、金属版を金型から引き剥がし、その金属版をロール部材周面に貼り付ける方法で、転写ロールを作製してもよい。
上記の方法などで得られた転写用型又は転写ロールを用いて樹脂フィルム表面にナノサイズの凹凸形状を形成する。図6は、転写ロールで樹脂フィルム30表面に凹凸形状を形成する工程の一例を示す図である。図6では、転写ロール20と、樹脂フィルムを挟んで反対側にあるロール21とで、樹脂フィルム30を圧し挟み、転写ロール周面の凹凸形状40を樹脂フィルムに転写している。転写ロールとその反対側にあるロールによる挟み圧力は、好ましくは数MPa〜数十MPaである。また転写時の温度は、樹脂フィルムを構成している透明樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg〜(Tg+100)℃である。樹脂フィルムと転写ロールとの接触時間は樹脂フィルムの送り速度、すなわちロール回転速度によって調整でき、好ましくは5〜600秒である。
樹脂フィルム表面にナノサイズの凹凸形状を形成する別の方法としては、転写用型又は転写ロールに感光性透明樹脂を圧しあて、露光して、凹凸形状を転写する方法が挙げられる。具体的には感光性透明樹脂溶液を流延して、溶媒を除去し、次いで前記転写ロールを圧しあてると同時に光を照射して、感光性透明樹脂を硬化させ凹凸形状を固定する方法である。
次に、該凹凸に金属膜を形成して金属が格子状に分布する構造を連続的に形成する。金属膜は、金属の格子状構造を形成する形態であれば、特にその形成場所に制限はなく、例えば、図3に示すように凸部の頂面41及び凹部の底面42に形成させてもよいし、凸部頂面41だけ、凹部底面42だけでもよいし、凸部頂面41と凸部の片側側面の上半分の面とに形成させてもよい。さらに、少なくとも凹部の底面に上記膜を形成させ、エッチング処理により凸部を凹部底面と同じ高さに切除することで図1に示すような公知形状のグリッド構造を形成することもできる。
複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成させる方法は特に制限されない。用いる材料に応じて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜プロセスや、マイクログラビア法、スクリーンコート法、ディップコート法、無電解めっき、電解めっき等のウェットプロセスによる各種コーティング法を用いることができる。これらのうちグリッド構造の均一性の観点から、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましい。
以下、金属を用いて線状格子を形成する場合を例示する。図7は連続スパッタリング装置の一例を示す図である。図7の装置500は、巻き出しロール501に前記ナノオーダー凹凸形状を形成させた樹脂フィルムを装填でき、ターゲット506に蒸着しようとする金属を装填できるようになった直流マグネトロンスパッタリング装置である。真空室を真空にして、巻き出しロール501からフィルムを巻き出し、清浄な成膜ロ−ル503にフィルムを巻きつけ、ターゲット506からのスパッタリングにより、フィルム表面に金属膜を形成させる。金属膜を形成させたフィルムは巻き取りロ−ル504に巻き取る。
金属をスパッタリングや蒸着するときの方向をフィルムに形成された凹凸形状の方向とを傾けることによって、金属膜が形成される部分と金属膜が形成されない部分とができる。例えば、図3のような凹凸形状が形成された樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルム法線方向からスパッタリング等を行うと凸部頂面と凹部底面に金属膜が形成されるが、凸部側面には金属膜が形成されない。また同じ樹脂フィルムで、凹凸形状長手方向に直角な方向から斜めにスパッタリング等を行うと、凸部頂面と凸部の片側面の上半分の面に金属膜が形成されるが、凹部底面、凸部の片側面の下半分及びもう一方の片側面には金属膜が形成されない。このようなスパッタリングにより飛来する金属の直線性と、凹凸形状とを利用して、互いに略並行に配置されたグリッド線を容易に得ることができる。
本発明では、さらに、複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜の防食や、グリッド偏光層の形状維持のために、グリッド偏光層に透明保護膜を積層することが好ましい。透明保護層は、その目的に応じて、グリッド偏光層の片面(グリッド線が形成されている面でも、グリッド線が形成されていない面でもよい)のみに形成しても良いし、両面に形成しても良い。透明保護膜としては光を透過できる層であれば特に限定は無く、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等からなる透明フィルムからなる層、ウレタン、アクリル等からなる有機層、オルガノアルコキシシラン、無機微粒子分散アクリル等からなる有機・無機複合層、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化ケイ素等からなる無機層等が挙げられる。
透明保護膜を積層する手法としては特に限定は無いが、グリッド偏光層と透明保護フィルムをラミネーターを用いて積層する方法、透明保護層を形成する組成物を含有するコーティング剤をグリッド偏光層に塗布し、乾燥することにより透明保護層を積層する方法、前記手法によりグリッド偏光層にコーティング層を形成し、さらに熱又は光により硬化する方法、グリッド偏光層に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法方式等の手法により透明保護層を積層する方法等が挙げられる。
本発明の偏光素子を構成する吸収型偏光層は、偏光の一方を透過し、他方を吸収するものであり、二色性染料によって着色されてなるものである。二色性染料は、染料分子自体が光学的異方性を有するものである。具体的には、高い2色性を有するものが好ましく、例えば、一般式(1)〜(3)に示すアントラキノン系色素、一般式(4)に示すキノフタロン系色素、一般式(5)に示すペリレン系色素が挙げられる。これらの2色性色素は、単独でも使用できるが、数種類混合して用いてもよい。
Figure 2006349706
(上記式(1)中、XおよびXはそれぞれ独立に、水素原子、アミノ基又は水酸基を表し、Xは水素原子、アミノ基、水酸基又はハロゲン原子を表し、nが2以上の場合はXは互いに等しくても異なっても良く、nは1〜4の整数である。また、Aは置換または未置換のビフェニル基、ナフチル基、若しくはアントラキノニル基を表す。)
Figure 2006349706
(上記式(2)中、X、X、Xおよびnは、一般式(1)と同様の意味を表し、Qは−CH=CH−または−CH=N−を表し、Bは2価の置換または未置換のビフェニル基、ナフチル基、若しくはアントラキノニル基を表す。)
Figure 2006349706
(上記式(3)中、X、X、X、Aおよびnは、一般式(1)と同様の意味を表し、Yは酸素原子、イオウ原子またはイミノ基を表す。)
Figure 2006349706
(上記式(4)中、X、X、X、Aおよびnは、一般式(1)と同様の意味を表す。)
Figure 2006349706
(上記式(5)中、Aは、一般式(1)と同様の意味を表す。)
吸収型偏光層は、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに二色性染料を吸着させて一軸延伸することによって、若しくは前記高分子フィルムの樹脂溶液に二色性染料を混合した塗布液を作製し、キャスト法によりフィルム化して一軸延伸することによって得られる。なお、一軸延伸は、染料を吸着させる前、させている最中に行ってもよい。特にポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性染料を吸着・配向したものが好適である。吸収型偏光層の厚さは特に制限されないが、通常5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムを二色性染料で染色し一軸延伸した吸収型偏光層は、たとえば、ポリビニルアルコールを二色性染料の水溶液に浸漬することによって染色し、3〜7倍に一軸延伸することで作製することができる。必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して膨潤、水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸は二色性染料で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムの厚みはばらつきの小さいものが好ましい。そのばらつきは、面内100〜400mmの範囲内で厚みの極大値、極小値が存在し、その差が5μm以下、好ましくは3μm以下、好ましくは1μm以下であることの方が望ましい。染色配向後、25〜40℃で30〜300秒間の乾燥を行い、水分率を12%〜28%(好ましくは14〜25%)に調整するのが好ましい。
本発明の偏光素子は、図1のごとくグリッド偏光層と吸収型偏光層とが直接に接して積層されているものであってもよいし、グリッド偏光層と吸収型偏光層との間に他の層を介在させているものであってもよい。本発明の偏光素子は、グリッド偏光層の偏光透過軸の方向と、吸収型偏光層の偏光透過軸の方向とが、略平行になるようにグリッド偏光層と吸収型偏光層が配置されていることが好ましい。このような配置にすることによって、自然光を効率的に直線偏光に変換することができる。ここで、略平行とは、例えば、グリッド線が交わらず、グリッド線間のピッチが広がったり狭まったりしている場合でも、平均ピッチの±5%程度以内に収まっていることをいう。
本発明の偏光素子は、グリッド偏光層及び吸収型偏光層とがそれぞれ樹脂フィルム上に形成されていることが好ましい。
本発明の偏光素子を構成する樹脂フィルムは、透明な樹脂からなるフィルムである。透明樹脂フィルムは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が、80%以上で、平滑であるものが好ましい。本発明に好適に用いられる樹脂フィルムの平均厚みは、ハンドリングの観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。 樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては特に限定は無いが、フィルム表面への加工性の観点から樹脂のガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
樹脂フィルムを構成する透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。脂環式オレフィンポリマーは、主鎖及び/又は側鎖にシクロアルカン構造を有するポリマーである。脂環式ポリマーの具体例としては、例えば特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−097978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報に記載されている熱可塑性時シクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
樹脂フィルムは前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。樹脂フィルムは、その面内レターデーションが小さいものが好ましく、具体的には波長550nmにおいて好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以下、特に好ましくは5nm以下である。さらに樹脂フィルムの厚み方向レターデーション(Rth=d×((nx+ny)/2−nz)で定義される値、dはフィルム厚、nx,xyはフィルム面内において直交する屈折率、nzはフィルム厚み方向の屈折率)が、好ましくは−30〜10nm、より好ましくは−10nm〜10nm、さらに好ましくは−5〜5nm、特に好ましくは−3〜3nmである。さらに樹脂フィルムは、水蒸気などを吸収して変形しないものが好ましい。具体的には吸水率が好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。該樹脂フィルムは、吸収型偏光層の保護フィルムとして機能させることができる。保護フィルムは吸収型偏光層の片面だけでなく両面に配置してもよい。また該樹脂フィルムはグリッド偏光層の支持体として、又は前記のごとくナノサイズの凹凸形状を形成する支持体として機能する。グリッド偏光層及び吸収型偏光層と樹脂フィルムとは、接着剤等を介して積層されていてもよい。
本発明の好適な偏光素子は、樹脂フィルムの一方の面にグリッド偏光層が形成され、他方の面に吸収型偏光層が形成されているものである。樹脂フィルムは前記したものと同じものである。
本発明の別の好適な偏光素子は、グリッド偏光層が、吸収型偏光層上に形成されたナノサイズの凹凸形状の、凸部の頂面及び/又は凹部の底面に複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜が形成されてなるものである。
吸収型偏光層上にナノサイズの凹凸形状を形成する方法及び複素屈折率の実部と虚部の差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜を形成する方法は、前述した方法と同じである。このような構造とすることによって、吸収型偏光層の保護フィルムを一枚省くことができ、保護フィルムが持つ位相差によるカラーシフトなどの不具合を取り除くことができ、さらに薄型の液晶表示装置を構成しやすくなる。
本発明の偏光素子の大きさは特に制限されないが、大面積の表示装置に適用できるように、広面積であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記の偏光素子を備えるものである。液晶表示装置は、偏光透過軸を電圧の調整で変化させることができる液晶パネルと、それを挟むように配置される吸収型偏光板とで構成される。そして、この液晶パネルに光を送りこむために、表示面の裏側に、透過型液晶表示装置ではバックライト装置が、反射型液晶表示装置では反射板が備えられる。
本発明の偏光素子は、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持っている。透過型液晶表示装置において、バックライト装置と液晶パネルとの間に配置されている吸収型偏光板に代えて本発明の偏光素子を吸収型偏光層が液晶パネル側になるように配置すると、バックライト装置で発光した光が本発明の偏光素子によって、二つの直線偏光に分離され、一方の直線偏光は液晶パネルの方向へ、他方の直線偏光はバックライト装置の方向へ戻る。バックライト装置には反射板が通常備わっており、バックライト装置の方向へ戻った直線偏光は、その反射板により反射され、再び本発明の偏光素子に戻ってくる。戻ってきた光は本発明の偏光素子で再度二つの偏光に分離される。これを繰り返すことでバックライト装置で発光した光が有効に利用されることになる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、部および%は、特に記載のない限り重量基準である。
実施例1
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面を、集束イオンビーム加工装置(セイコーインスツルメンツ(株)、SMI3050)のアルゴンイオンビームによる集束イオンビーム加工して、長さ1mmの辺に平行な幅0.1μm、深さ0.1μmの溝をピッチ0.2μmで彫り込み、幅0.1μm、高さ0.1μmの直線状の突起1,000本をピッチ0.2μmで形成してなる切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmのステンレス鋼SUS430製ロールの周面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、先に作製した直線状突起を形成した切削工具と、精密円筒研削盤(スチューダ社、精密円筒研削機S30−1)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面を切削加工して、円周方向に伸びる幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの直線状の突起を有する転写ロールを得た。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された、振動制御システムを備えた恒温低振動室内で行った。
重合度2400のポリビニルアルコールからなる長尺フィルム(厚み75μm)をフィルムに後方張力を付与しつつ駆動する加熱ロールに接触させて縦一軸延伸し(延伸温度:約120℃、延伸倍率:約5倍)、この延伸状態を保ったまま54℃の水に60秒間浸漬し、次いで水100部、二色性染料(シー・アイ・ダイレクト・オレンジ・39)0.022部、二色性染料(シー・アイ・ダイレクト・レッド・81)0.018部及びぼう硝2部からなる69℃の水溶液に120秒間浸漬した。次に、水100部およびほう酸7.5部からなる74℃の水溶液に300秒間浸漬した。その後、水洗、乾燥して吸収型偏光子1を得た。
直径70mmのゴム製ニップロール及び上記転写ロールを備えた転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンション0.1kgf/mm、及びニップ圧15MPaの条件で、厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(基材フィルム)に前記転写ロール表面の凹凸形状を転写し、幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの縞状凹凸を賦形した。賦形された縞状凹凸にアルミニウムを真空蒸着することにより金属格子を形成した。さらに、アルミニウム蒸着面にウレタン系接着剤を塗布しトリアセチルセロースフィルムを貼り合わせてグリッド偏光子を得た。
次いで、先に得た吸収型偏光子1の一方の面にウレタン系接着剤を用いてトリアセチルセロースフィルムを貼り合わせ、吸収型偏光子1のもう一方の面に先に得たグリッド偏光子を、グリッド偏光子の偏光透過軸と吸収型偏光子1の偏光透過軸とが平行になり、且つグリッド偏光子の基材フィルム側が吸収型偏光子に向うようにウレタン系接着剤を用いて貼り合わせ偏光素子1を作製した。
入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シート及び上記偏光素子1(グリッド偏光層が光拡散シート側になる配置)を順次重ね合わせて偏光光源装置を作製した。さらに、該偏光光源装置の上に、透過型のTN液晶表示素子、及び吸収型偏光板(偏光透過軸が前記偏光素子1の偏光透過軸に直交する配置)を順次重ね合わせて液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の正面輝度を輝度計(商品名:BM−7、トプコン(株))を用いて測定したところ、正面輝度は201cd/mであった。
一方、前記偏光素子1を温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置し、次いで前記と同様に液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置を白表示し、出光面側から観察した。表示面全面にわたって着色がなく、良好な白表示であった。そのときの正面輝度は200cd/mであった。
実施例2
直径70mmのゴム製ニップロール及び実施例1で作製した転写ロールを備えた転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンション0.1kgf/mm、及びニップ圧15MPaの条件で、厚さ100μmの長尺の脂環式オレフィンポリマーフィルム表面上に転写ロール表面の凹凸形状を転写することにより、幅0.1μm、高さ0.1μm、ピッチ0.2μmの縞状の凹凸を有するフィルムを作製した。
水100部、二色性染料(シー・アイ・ダイレクト・オレンジ・39)0.022部、二色性染料(シー・アイ・ダイレクト・レッド・81)0.018部及びぼう硝2部からなる塗布液を、先に作製したフィルムの凹凸形状転写面の裏側に塗布し、80℃、1時間で乾燥した。次に、水100部およびほう酸7.5部からなる74℃の水溶液に300秒間浸漬し、水洗、乾燥した。さらに、得られたフィルムを、延伸温度150℃で凹凸形状の長手方向に2.0倍の一軸延伸をして凹凸を有するフィルムの裏面に吸収型偏光層2を形成した。吸収型偏光層は一軸延伸方向に直交する方向に偏光透過軸が向いていた。
次いで、前記吸収型偏光層2が形成された凹凸を有するフィルムの凹凸面(凸部の頂面及び凹部の底面)に、アルミニウムを真空蒸着して、蒸着膜が線状格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層を形成した。アルミニウム蒸着面にウレタン系接着剤を塗布し、トリアセチルセロースフィルムを貼り合わせて偏光素子2を得た。偏光素子2は、グリッド偏光層の偏光透過軸と吸収型偏光層2の偏光透過軸とが平行となっていた。
この偏光素子2を用いて実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の正面輝度を輝度計(商品名:BM−7、トプコン(株))を用いて測定したところ、正面輝度は195cd/mであった。
また、前記偏光素子を温度80℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置し、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の白表示では、表示面全面にわたって着色がなく、良好な白表示が得られた。そのときの正面輝度は196cd/mであった。
グリッド偏光層を形成する材料がフィルム上に線状格子状に分布する構造を示す図である。 本発明に用いるグリッド偏光子のナノサイズ凹凸形状の一例を示す図である。 図1のナノサイズ凹凸形状の拡大図である。 グリッド偏光層の製法に用いる転写ロールを製造するために用いられる研削工具の一例を示す図である。 研削工具を用いてロールの周面にナノオーダーの凹凸形状を形成する方法の一例を示す図である。 転写ロールで樹脂フィルム表面に凹凸形状を形成する工程の一例を示す図である。 連続スパッタリング装置の一例を示す図である。 切削工具の先端構造の一例を示す図である。
符号の説明
1:線状格子(グリッド偏光層)
2:樹脂フィルム又は吸収型偏光層
30:樹脂フィルム
40:凹凸形状
41:凸部
42:凹部

Claims (8)

  1. 複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料が線状格子状に分布する構造を有するグリッド偏光層と、二色性染料によって着色された吸収型偏光層とを有する偏光素子。
  2. グリッド偏光層と吸収型偏光層とが接している請求項1記載の偏光素子。
  3. グリッド偏光層の偏光透過軸の方向と、吸収型偏光層の偏光透過軸の方向とが、略平行になるようにグリッド偏光層と吸収型偏光層が配置されている、請求項1又は2記載の偏光素子。
  4. グリッド偏光層及び吸収型偏光層とがそれぞれ樹脂フィルム上に形成されている請求項1又は3に記載の偏光素子。
  5. 樹脂フィルムの一方の面にグリッド偏光層が形成され、他方の面に吸収型偏光層が形成されている請求項1又は3記載の偏光素子。
  6. グリッド偏光層が、樹脂フィルム上に形成されたナノサイズの凹凸形状の凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜で構成されている、請求項4又は5記載の偏光素子。
  7. グリッド偏光層が、吸収型偏光層上に形成されたナノサイズの凹凸形状の凸部の頂面及び/又は凹部の底面に設けられた複素屈折率(N=n−iκ)の実部nと虚部κの差の絶対値が1.0以上の材料からなる膜で構成されている、請求項1又は2記載の偏光素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光素子を備える液晶表示装置。
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