JP2006326271A - ウォールキャビネットユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱調理装置からの熱気が収納部の前面に廻り込むのを効果的に防止できるウォールキャビネットを提供する。
【解決手段】 加熱調理装置14を使用しない場合には、スライドフード31はその先端面がウォールキャビネット20の扉22と面一になる位置まで後退している。この状態で、ウォールキャビネット20に対して容易に物の出し入れができる。一方、加熱調理装置14を使用する場合には、モータ33が駆動してスライドフード31を前進端まで引き出され、加熱調理装置14からの熱気は全て固定フード27及びスライドフード31によって捕捉され排気ユニット23を介して外部に排出される。
【選択図】 図2
Description
本発明はウォールキャビネットと排気ユニットとを備えたウォールキャビネットユニットに関する。
一般的なシステムキッチンは、フロアキャビネットの一部に加熱調理装置を組み込み、この加熱調理装置の上方に排気ユニットを配置し、この排気ユニットの側方にウォールキャビネットを備えている。
加熱調理装置の上方にもウォールキャビネットを設けると収納スペースが増えて便利である。しかしながら、加熱調理装置の上方は高温になるためウォールキャビネット内に熱が籠ってしまう問題がある。このため、特許文献1及び特許文献2にあっては、排気ユニットに加熱調理装置からの熱気を導く固定フードをウォールキャビネットの下方まで延出し、この固定フード上面とウォールキャビネット底板との間に隙間を設け、効果的な断熱を行うようにしている。
一方、特許文献3にはレンジフードの一部を手前側に引き出し可能とされた排気ユニットが開示されている。
特開2001−321232号公報
特開2003−254575号公報
実開昭64−5035号公報
特許文献1,2にあっては、加熱調理装置上方のウォールキャビネットの背面側に排気ユニットを配置している。その結果、排気ユニットから遠くなるウォールキャビネットの手前側での吸引力が弱くなる。また複数のコンロを配置している加熱調理装置にあっては、手前側のコンロの方が高温になるように設定されている。これらのことが重なって、特許文献1,2に開示される構造では、加熱調理装置からの熱気を完全に排気することができず、ウォールキャビネットの前面側(手前側)まで熱気が廻り込んでしまい、フードとの間に隙間を設けたにも拘らずウォールキャビネット内が高温になってしまうおそれがある。
また特許文献1にあっては、ウォールキャビネットの収納ラックをフードよりも手前下方に引き出す構成になっており、この構成であると使用者が横に移動しにくく、使い勝手が悪い。
一方、特許文献3にはレンジフードとウォールキャビネットとの関係に関する記載はない。
上記課題を解決するため本願の請求項1に係るウォールキャビネットユニットは、加熱調理装置の上方に配置されるウォールキャビネットの背面側に排気ユニットを配置し、またウォールキャビネットの下側に固定フードを一定の隙間を介して配置し、この固定フードに前記加熱調理装置からの熱気がウォールキャビネットの前面側に回り込むのを防止するスライドフードが引き出し可能に設けられ、更にこのスライドフードの下面には、強い吸引力を発揮するための整流板が取り付けられている。
加熱調理装置を使用している際には、スライドフードの先端がウォールキャビネットよりも手前に引き出され、加熱調理装置からの熱気がウォールキャビネットの前面に廻り込むことを防げる。よってウォールキャビネット内の収納物に熱が伝わることがない。
請求項2に係るウォールキャビネットユニットは、前記固定フードとの間に形成される隙間が、外気または排気ユニットに通じる風路の一部をなすようにした。このようにすることで、隙間に熱気が滞留することがなくなり、冷却効果が高まる。
請求項3に係るウォールキャビネットユニットは、ウォールキャビネットの底板と固定フード上面との間に隙間を調整する連結金具を設けた。このようにすることで、ウォールキャビネットと固定フードが別個に壁に固定される場合でも、前記隙間を一定に維持することができ、その結果、確実に冷却効果を発揮することができる。
本発明に係るウォールキャビネットユニットは、その下側に隙間をもって配置される固定フードからスライドフードを引き出し可能としたため、加熱調理装置を使用中は被加熱部からの湯気などの熱気がウォールキャビネットの前面に廻り込むことがなく、また加熱調理装置を使用しないときはスライドフードは引っ込んでいるため、物の出し入れが楽に行える。
以下に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。先ず、図1及び図2に基づいて本発明に係るウォールキャビネットユニットを適用したシステムキッチンについて説明する。
システムキッチン1はフロアキャビネット10とウォールキャビネット20からなる。床面に固定されたフロアキャビネット10は複数の引き出し11…を備え、天板41の中央の調理台12の右側にはシンク13、左側には加熱調理装置14を配置している。
加熱調理装置14は手前側に火力の強い2つのコンロ15,15を、奥側に火力の弱い1つのコンロ16を設けている。また、加熱調理装置14の手前側には操作パネル17を設けている。この操作パネル17のボタンを押すことで、コンロの着火、後述するスライドフードの移動開始・停止、排気ファンのオンオフなどを行う。
本実施例にあっては、壁21に3つのウォールキャビネット20を固定しており、このうちの加熱調理装置14の上方に位置するウォールキャビネット20が本発明に係るウォールキャビネットユニットを構成するウォールキャビネットになる。
各ウォールキャビネット20は天板、底板、左右の側板、扉及び裏板からなり、各ウォールキャビネット20の前面の扉22は面一とされ、且つ前記フロアキャビネット10を構成する天板41の前縁41aよりも奥側に位置することで、ウォールキャビネット内への物の出し入れが自然な姿勢で楽に行えるようにしている。
次に、図3〜図7をも参照して本発明に係るウォールキャビネットユニットの詳細を説明する。ここで、図3はウォールキャビネットユニットの側面図、図4はウォールキャビネットユニットの平面図、図5はスライドフードを収納した状態の排気ユニットの斜視図、図6はスライドフードを引き出した状態の排気ユニットの斜視図、図7は隙間調整用の連結金具の使用状態を示す図である。
加熱調理装置14の直上に位置する本発明のウォールキャビネットユニットを構成するウォールキャビネット20の背面側には、排気ユニット23が設けられている。この排気ユニット23は図2に示すように、薄型且つ大径のターボファン24を回転軸が水平方向から若干傾くように斜めに配置し、下方には吸引口25が、上方にはダクトにつながる排出口26が形成されている。
前記排気ユニット23は固定フード27の上面に固着され、これら排気ユニット23と固定フード27が一体となって壁21に取り付けられている。この固定フード27の前面はウォールキャビネット20の扉22と面一とされている。
一方、ウォールキャビネット20は排気ユニット23或いは固定フード27とは別体として筒状をなすフレーム28を介して壁21に固着されている。この状態で、ウォールキャビネット20の底板と固定フード27の上面との間には断熱用の隙間29が形成されている。図2及び図3に示すように、隙間29は十分な冷却効果を発揮すべくウォールキャビネット20の背面と排気ユニット23の前面との間に設けた隙間につながっている。
ここで、ウォールキャビネット20と固定フード27は個別に壁21に固着されるため、取付誤差などによって隙間29の間隔が一定になりにくい。そこで、図7に示すように、ウォールキャビネット20の底板と固定フード27のそれぞれに連結金具30a,30bを設けこれらをネジ30cで結合し、隙間29の間隔を一定にしている。
また、前記固定フード27内にはスライドフード31が設けられている。このスライドフード31は固定フード27の左右側部に設けたレール32に係合し、モータ33の駆動によってレール32に沿って出入りする。尚、スライドフード31の前進端(最も引き出された位置)では、図2に示すように、スライドフード31の前面31aがフロアキャビネット10を構成する天板41の前縁41aと面一となる位置または天板41の前縁41aよりも更に手前位置まで前進し、スライドフード31の後退端(最も収納された位置)では、スライドフード31の前面がウォールキャビネット20の扉22と面一となる。
また、固定フード27及びスライドフード31の下面には、それぞれ整流板34,35が所定の隙間をもって取り付けられ、これら整流板34,35によって固定フード27及びスライドフード31との周囲の吸引口を絞り込み、ターボファン24から離れた箇所でも強い吸引力を発揮し得るようにしている。尚、整流板34,35は着脱自在とされており、掃除の際には取り外して固定フード27及びスライドフード31の下面を清掃する。
更に、本実施例ではファンや排気ユニットの内面などに付着した油は、表面の傾斜によって固定フード27の下面奥側のオイルキャッチャー36に集約する構造になっている。このオイルキャッチャー36は取外し可能とされ、一定量のオイルが溜まったならば、オイルキャッチャー36内のオイルを廃棄することで、フィルターを省略している。
以上において、加熱調理装置14を使用しない場合には、スライドフード31はその前面31aがウォールキャビネット20の扉22と面一になる位置まで後退している。よって、フロアキャビネット10を構成する天板41の前縁41aよりも奥側にウォールキャビネット20の扉22が揃う構成となる。その結果、フロアキャビネット10に接近して作業するときに、使用者がウォールキャビネット20の扉22に頭をぶつけるなどの不具合がなくなり、使い勝手が向上する。
一方、加熱調理装置14を使用する場合には、モータ33が駆動してスライドフード31が前進端まで引き出される。モータ33の駆動はコンロが着火したことを図示しないセンサが検出するか、使用者がスイッチを押すことによって行う。そして、スライドフード31が迫り出してきて加熱調理装置14の上方を覆うため、加熱調理装置14での被加熱物からの熱気は全て固定フード27及びスライドフード31によって捕捉され排気ユニット23を介して外部に排出される。
上記の説明ではスライドフード31の選択可能な位置として、後退端位置と前進端位置を説明したが、後退端位置から若干前進した位置など、複数の位置或いは任意の位置において停止できる設定としてもよい。このようにすることで、例えばスライドフード31を後退端位置から若干前進した位置で停止させ、内部を掃除することが可能となる。
図8及び図9は別実施例を示す図であり、図8に示す実施例ではウォールキャビネット20の背面側と排気ユニット23との間に隙間37を、またウォールキャビネット20の上面と排気ユニット23からの延出部38との間にも隙間39を設け、隙間29,37,39にて1つの風路を形成している。このように風路を形成することで冷却効果は更に高まる。
図9に示す実施例は、ウォールキャビネット20の背面側と排気ユニット23との間に隙間37を形成し、更に排気ユニット23の立壁に連通孔40を形成し、ターボファン24を駆動することで、隙間29,37及び連通孔40を介して排気ユニット23までの風路が形成される。この場合、ターボファン24に向けて風路内の空気が移動するので冷却効果は更に高まる。
また、風路を形成する代わりに隙間34にロックウールを芯材とする真空断熱材を配置して断熱効果を高めることも可能である。
1…システムキッチン、10…フロアキャビネット、11…収納部、12…調理台、13…シンク、14…加熱調理装置、15,16…コンロ、17…操作パネル、20…ウォールキャビネット、21…壁、22…ウォールキャビネットの扉、23…排気ユニット、24…ターボファン、25…吸引口、26…排出口、27…固定フード、28…フレーム、29…断熱用の隙間、30a、30b…連結金具、30c…ネジ、31…スライドフード、31a…スライドフードの前面、32…レール、33…モータ、34,35…整流板、36…オイルキャッチャー、37,39…隙間、38…延出部、40…連通孔、41…天板、41a…天板の前縁。
Claims (1)
- 加熱調理装置の上方に配置されるウォールキャビネットユニットであって、このウォールキャビネットユニットはウォールキャビネットの背面側に排気ユニットが配置され、また前記ウォールキャビネットの下側に固定フードが一定の隙間を介して配置され、この固定フードに前記加熱調理装置からの熱気が前記ウォールキャビネットの前面側に回り込むのを防止するスライドフードが引き出し可能に設けられ、更にこのスライドフードの下面には、強い吸引力を発揮するための整流板が取り付けられていることを特徴とするウォールキャビネットユニット。
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