JP2006313776A - 薄膜半導体装置、電子機器、および薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFTを備えた薄膜半導体装置、この薄膜半導体装置を用いた電子機器、および薄膜半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 薄膜半導体装置1において、TFT10のゲート電極5は、チャネル領域30および境界領域33、38に対向している。ゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域33、38と重なる第2の絶縁膜部分47と、ドレイン領域32およびソース領域37と重なる第3の絶縁膜部分48とを備え、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。境界領域33、38は、チャネル領域30の側から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。
【選択図】 図1
【解決手段】 薄膜半導体装置1において、TFT10のゲート電極5は、チャネル領域30および境界領域33、38に対向している。ゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域33、38と重なる第2の絶縁膜部分47と、ドレイン領域32およびソース領域37と重なる第3の絶縁膜部分48とを備え、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。境界領域33、38は、チャネル領域30の側から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transistor)という)が形成された薄膜半導体装置、およびこの薄膜半導体装置を備えた電子機器、および薄膜半導体装置の製造方法に関するものである。
アクティブマトリクス型液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置などの電気光学装置では、電気光学装置用基板上に画素スイッチング用のアクティブ素子として複数のTFTが形成されている。このようなTFTのうち、セルフアライン構造のTFTは、オフリーク電流が大きいという問題点があり、このような問題点は、ドレイン領域とチャネル領域とが接する部分(以下、ドレイン端という)の電界強度を緩和することにより改善できるとして、LDD(Lightly Doped Drain)構造やオフセットゲート構造のTFTが提案されている。
但し、LDD構造やオフセットゲート構造の場合、オン電流が低くなるため、チャネル領域およびLDD領域に対してゲート電極を対向させたGOLDD(Gate Overlapped Lightly Doped Drain)構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−330487号公報
しかしながら、上記特許文献に記載のGOLDD構造のTFTでは、チャネル領域からLDD領域に向かって電界強度が急変してしまうため、通常のLDD構造のTFTと比較してオフリーク電流が高く、かつ、ドレイン耐圧が低いという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFTを備えた薄膜半導体装置、この薄膜半導体装置を用いた電子機器、および薄膜半導体装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、ソース領域、ドレイン領域、および前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に設けられたチャネル領域とを有する半導体膜と、ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に対向するゲート電極とを備えた薄膜半導体装置において、前記ソース領域と前記チャネル領域との間、および前記ドレイン領域と前記チャネル領域との間に境界領域を備え、前記ゲート電極は、前記チャネル領域および前記境界領域に対向し、前記ゲート絶縁膜は、前記チャネル領域に重なる第1の絶縁膜部分と、前記境界領域と重なる第2の絶縁膜部分と、前記ソース領域および前記ドレイン領域に重なる第3の絶縁膜部分とを備え、前記第2の絶縁膜部分の膜厚は、前記第1の絶縁膜部分と隣接する部分では当該第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、当該第1の絶縁膜部分から前記第3の絶縁膜部分との隣接部分に向かうに伴って薄くなっていることを特徴とする。
本発明では、チャネル領域とドレイン領域との境界領域にゲート電極が対向しているので、TFTをLDD構造あるいはオフセットゲート構造とした場合のオン電流レベルが高い。また、ゲート絶縁膜において境界領域と重なる第2の絶縁膜部分は、チャネル領域と重なる第1の絶縁膜部分と隣接する部分で厚く、第1の絶縁膜部分から遠ざかるに伴って薄くなっているため、TFTをLDD構造あるいはオフセットゲート構造とした場合にドレイン端の電界強度が緩和され、かつ、かかる電界強度を緩和する効果は、チャネル領域からドレイン領域に向けてなだらかに減少している。このため、オフリーク電流を効果的に低減できるとともに、ドレイン耐圧を向上でき、かつ、オン電流レベルが高い。それ故、本発明によれば、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFTを備えた薄膜半導体装置を実現できる。
本発明において、TFTをオーバーラップ構造のゲート電極を備えたGOLDD構造とする場合には、前記境界領域を、不純物濃度が前記ソース領域及びドレイン領域の不純物濃度より低濃度領域を形成する。
ここで、前記境界領域は、前記チャネル領域の側から前記ソース領域および前記ドレイン領域へ向かうに伴って不純物濃度が漸増していることが好ましい。
本発明において、TFTを、オーバーラップ構造のゲート電極を備えたオフセットゲート構造とする場合には、前記境界領域を、不純物濃度が前記チャネル領域の不純物濃度と同一のオフセット領域として構成する。
本発明において、前記ゲート電極は、例えば、前記第1の絶縁膜部分を介して前記チャネル領域に対向する第1のゲート電極と、該第1のゲート電極の上層に積層されて前記第2の絶縁膜部分を介して前記境界領域と重なる第2のゲート電極とを備えている。
本発明において、前記半導体膜は、前記チャネル領域に相当する領域に凹部を備え、前記ゲート絶縁膜は、前記半導体膜の上層に積層された第1のゲート絶縁膜と、該第1のゲート絶縁膜の上層において前記第1のゲート電極側方の凹部を埋める第2のゲート絶縁膜とを備え、前記第1の絶縁膜部分は、前記チャネル領域と前記ゲート電極との間に介在する前記第1のゲート絶縁膜によって構成され、前記第2の絶縁膜部分は、前記境界領域と前記ゲート電極との間に介在する前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜とによって構成されている構造を採用することができる。
本発明において、前記半導体膜は、前記チャネル領域の膜厚が前記ソース領域および前記ドレイン領域の膜厚より薄く、前記境界領域の膜厚は、前記チャネル領域から前記ドレイン領域側および前記ソース領域側に向けて厚くなっていることが好ましい。このように構成すると、第1のゲート電極側方の凹部を第2のゲート絶縁膜で埋めるだけで、前記境界領域と重なる前記第2の絶縁膜部分の膜厚を、前記第1の絶縁膜部分と隣接する部分では当該第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、当該第1の絶縁膜部分から前記第3の絶縁膜部分との隣接部分に向かうに伴って薄くすることができる。
本発明に係る薄膜半導体装置は、例えば、各種電子機器において液晶装置や有機EL装置などの電気光学装置を構成するのに用いることができ、このような電気光学装置では、前記TFTからなる画素スイッチング用トランジスタおよび画素電極を備えた画素が複数形成されている。
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機、モバイルコンピュータ、投射型表示装置などの電子機器に用いられる。また、本発明に係る電気光学装置は、ページプリンタなどの電子機器において、露光用のラインヘッドの光源などとして用いられる。
本発明では、ソース領域、ドレイン領域、および前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に設けられたチャネル領域とを有する半導体膜と、ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に対向するゲート電極とを備えた薄膜半導体装置の製造方法において、チャネル領域を構成する部分の上面に凹部が形成された半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成する第1のゲート絶縁膜形成工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記チャネル領域を構成する部分と対向する位置に第1のゲート電極を形成する第1のゲート電極形成工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極側方の凹部を第2のゲート絶縁膜で埋める第2のゲート絶縁膜形成工程と、前記第1のゲート電極をマスクとして前記半導体膜に高濃度不純物を導入する高濃度不純物導入工程とを有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、ゲート絶縁膜には、チャネル領域に重なる第1の絶縁膜部分と、チャネル領域とドレイン領域との境界領域と重なる第2の絶縁膜部分とが形成され、この第2の絶縁膜部分は、第1の絶縁膜部分と隣接する部分では第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分から遠ざかるに伴って薄くなる。このため、第1のゲート電極をマスクとして高濃度不純物導入工程を行った際、不純物が第1のゲート電極に対して自己整合的に半導体膜に導入されるが、第2の絶縁膜部分は、第1の絶縁膜部分と隣接する部分では第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分から遠ざかるに伴って薄くなっているため、半導体膜において第2の絶縁膜部分と重なる部分には、チャネル領域の側から離れるに伴って不純物濃度が漸増する低濃度領域が形成され、この低濃度領域に対してチャネル領域とは反対側に高濃度領域が形成される。従って、LLD構造のTFTを容易に形成することができる。また、高濃度不純物を導入した後、前記第1のゲート電極の上層に前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜を介して前記半導体膜に対向する第2のゲート電極を積層すれば、オーバーラップ構造のゲート電極を備えたGOLDD構造のTFTを製造することができる。
本発明の別の形態では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル領域と、該チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えた薄膜トランジスタを基板上に備えた薄膜半導体装置の製造方法において、チャネル領域を構成する部分の上面に凹部が形成された半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成する第1のゲート絶縁膜形成工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記チャネル領域を構成する部分と対向する位置に第1のゲート電極を形成する第1のゲート電極形成工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極側方の凹部を第2のゲート絶縁膜で埋める第2のゲート絶縁膜形成工程と、前記第1のゲート電極および前記第2の絶縁膜を覆うマスクを形成した状態で前記半導体膜に高濃度不純物を導入する高濃度不純物導入工程とを有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、ゲート絶縁膜には、チャネル領域に重なる第1の絶縁膜部分と、チャネル領域とドレイン領域との境界領域と重なる第2の絶縁膜部分とが形成され、この第2の絶縁膜部分は、第1の絶縁膜部分と隣接する部分では第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分から遠ざかるに伴って薄くなる。このため、高濃度不純物導入工程において第1のゲート電極および前記第2の絶縁膜を覆うマスクを形成した状態で半導体膜に不純物を導入すれば、第2の絶縁膜部分と重なる領域にオフセット領域を形成することができる。従って、高濃度不純物導入工程で用いたマスクを除去して第1のゲート電極および前記第2の絶縁膜を覆うマスクを形成した場合、あるいは、高濃度不純物導入工程で用いたマスクを導電膜で形成し、この導電膜を第2のゲート電極として残せば、ゲート電極がオフセット領域に対して第2の絶縁膜部分を介して対向するオーバーラップ構造を有するオフセットゲート構造のTFTを製造することができる。
本発明において、前記第2の絶縁膜形成工程では、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極の近傍に形成された凹部に液状物を充填し、該液状物を固化させて前記第2のゲート絶縁膜を形成することが好ましい。
本発明を適用した薄膜半導体装置を電気光学装置に用いた例を説明する前に、本発明を適用したTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成、製造方法、および効果を説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1(a)、(b)はいずれも、本発明の実施の形態1に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成を示す断面図である。なお、図1(a)には、第1ゲート電極と第2ゲート電極との間に第2のゲート絶縁膜が形成されない場合の例を示し、図1(b)には、第1のゲート電極と第2ゲート電極との間に第2のゲート絶縁膜が形成されている場合の例を示してある。図1(a)において、本形態の薄膜半導体装置1では、基板2上にTFT10が形成されており、このTFT10は、シリコン膜などの半導体膜3に、不純物濃度が高濃度のソース領域37と、不純物濃度が高濃度のドレイン領域32と、ソース領域37とドレイン領域32との間のチャネル領域30とが形成されている。半導体膜3の表面側にはゲート絶縁膜4が形成され、ゲート絶縁膜4の上層には、ゲート絶縁膜4を介してチャネル領域30に対向するゲート電極5が形成されている。ゲート電極5の表面側には層間絶縁膜6が形成され、層間絶縁膜6に形成されたコンタクトホール61、62を介してドレイン電極71およびソース電極72が各々、ドレイン領域32およびソース領域37に電気的に接続している。
(全体構成)
図1(a)、(b)はいずれも、本発明の実施の形態1に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成を示す断面図である。なお、図1(a)には、第1ゲート電極と第2ゲート電極との間に第2のゲート絶縁膜が形成されない場合の例を示し、図1(b)には、第1のゲート電極と第2ゲート電極との間に第2のゲート絶縁膜が形成されている場合の例を示してある。図1(a)において、本形態の薄膜半導体装置1では、基板2上にTFT10が形成されており、このTFT10は、シリコン膜などの半導体膜3に、不純物濃度が高濃度のソース領域37と、不純物濃度が高濃度のドレイン領域32と、ソース領域37とドレイン領域32との間のチャネル領域30とが形成されている。半導体膜3の表面側にはゲート絶縁膜4が形成され、ゲート絶縁膜4の上層には、ゲート絶縁膜4を介してチャネル領域30に対向するゲート電極5が形成されている。ゲート電極5の表面側には層間絶縁膜6が形成され、層間絶縁膜6に形成されたコンタクトホール61、62を介してドレイン電極71およびソース電極72が各々、ドレイン領域32およびソース領域37に電気的に接続している。
本形態のTFT10は、ゲート電極5の端部がチャネル領域30とドレイン領域32との境界領域33、およびチャネル領域30とソース領域37との境界領域38に重なる位置まで延びたゲートオーバーラップ構造を備えている。また、本形態のTFT10は、境界領域33、38の不純物濃度をドレイン領域32およびソース領域37よりも低濃度としたGOLDD構造を有している。
このようなGOLDD構造のTFT10において、ゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域33、38の各々に重なる第2の絶縁膜部分47と、ソース領域37およびドレイン領域33の各々に重なる第3の絶縁膜部分48とを備えている。
ここで、ドレイン側の第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46からドレイン領域32に向かうに伴って薄くなっている。同様に、ソース側の第2の絶縁膜部分47も、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46からソース領域37に向かうに伴って薄くなっている。また、ドレイン側の境界領域33は、チャネル領域30と接する側では不純物濃度が極めて低く、チャネル領域30からドレイン領域32に向かうに伴って不純物濃度が漸増している。ソース側の境界領域38も、ドレイン側の境界領域33と同様、チャネル領域30と接する側では不純物濃度が極めて低く、チャネル領域30からソース領域37に向かうに伴って不純物濃度が漸増している。
このようなGOLDD構造のTFT10を構成するにあたって、本形態では、まず、ゲート電極5は、第1の絶縁膜部分46を介してチャネル領域30に対向する第1のゲート電極51と、この第1のゲート電極51よりもチャネル長方向の寸法が長い第2のゲート電極52とから構成され、第2のゲート電極52は、第1のゲート電極51の上層側に積層されている。従って、第2のゲート電極52は、ドレイン側の端部が第2の絶縁膜部分47を介してドレイン側の境界領域33と対向し、ソース側の端部が第2の絶縁膜部分47を介してソース側の境界領域38に対向している。
半導体膜3は、チャネル領域30に相当する領域の上面に凹部35が形成され、チャネル領域30の厚さがドレイン領域32側およびソース領域37側の厚さよりも薄くなっている。しかも、凹部35の両端部は、チャネル領域30からドレイン領域32側およびソース領域37側に向けて半導体膜3の膜厚を厚くするテーパ面35a、35bになっている。
ゲート絶縁膜4は、半導体膜3の上層に積層された第1のゲート絶縁膜41と、この第1のゲート絶縁膜41の上層において第1のゲート電極51の側方に形成された凹部を埋める第2のゲート絶縁膜42とから構成され、第1の絶縁膜部分46は、チャネル領域30と第1のゲート電極51との間に介在する第1のゲート絶縁膜41によって構成されている。第2の絶縁膜部分47は、境界領域33、38と第2のゲート電極52との間に介在する第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42とによって構成されている。第3の絶縁膜部分49は、第1のゲート絶縁膜41によって構成されている。
(本形態の主な効果)
このように構成したTFT10は、チャネル領域30とドレイン領域32との境界領域33にゲート電極5が対向するGOLDD構造になっているので、通常のLDD構造よりはオン電流レベルが高い。また、ゲート絶縁膜4において境界領域33と重なる第2の絶縁膜部分47は、チャネル領域30と重なる第1の絶縁膜部分46と隣接する部分でかなり厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和される。また、境界領域33は、チャネル領域30と接する側では不純物濃度が極めて低い。このため、本形態のTFT10は、オフリーク電流レベルが低く、かつ、ドレイン耐圧が高い。また、ドレイン側の第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっており、かつ、境界領域33は、チャネル領域30から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。それ故、ドレイン端の電界強度を緩和する効果は、チャネル領域30からドレイン領域32に向けてなだらかに小さくなっている。このため、オン電流レベルが高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFT10を備えた薄膜半導体装置1を実現できる。
このように構成したTFT10は、チャネル領域30とドレイン領域32との境界領域33にゲート電極5が対向するGOLDD構造になっているので、通常のLDD構造よりはオン電流レベルが高い。また、ゲート絶縁膜4において境界領域33と重なる第2の絶縁膜部分47は、チャネル領域30と重なる第1の絶縁膜部分46と隣接する部分でかなり厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和される。また、境界領域33は、チャネル領域30と接する側では不純物濃度が極めて低い。このため、本形態のTFT10は、オフリーク電流レベルが低く、かつ、ドレイン耐圧が高い。また、ドレイン側の第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっており、かつ、境界領域33は、チャネル領域30から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。それ故、ドレイン端の電界強度を緩和する効果は、チャネル領域30からドレイン領域32に向けてなだらかに小さくなっている。このため、オン電流レベルが高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFT10を備えた薄膜半導体装置1を実現できる。
(製造方法)
図2は、本発明の実施の形態1に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。図3および図4は、図2(a)に示す半導体膜形成工程の具体的な方法の例を示す説明図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。図3および図4は、図2(a)に示す半導体膜形成工程の具体的な方法の例を示す説明図である。
本形態の薄膜半導体装置1の製造方法においては、まず、図2(a)に示す半導体膜形成工程において、基板2上に、チャネル領域30を構成する部分がドレイン領域32やソース領域37を構成する部分に比して薄い半導体膜3を形成する。
より具体的には、例えば、図3(a)に示すように、基板2上に半導体膜3aを一定の膜厚で形成した後、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて半導体膜3aをパターニングして島状の半導体膜3bを形成する。次に、図3(c)に示すように、チャネル領域30に相当する部分が開口するレジストマスク9を形成し、このレジストマスク9の開口から半導体膜3bにエッチングを行って、図2(a)に示すように、チャネル領域30を構成する部分の上面に凹部35が形成された半導体膜3を形成する。ここで、図3(c)に示すエッチング工程において、酸素を含有するエッチングガスで半導体膜3をドライエッチングすると、レジストマスク9がアッシングされて端部が後退していくため、半導体膜3のドレイン側およびソース側の境界部分における上面に対し、チャネル領域30からドレイン領域32側およびソース領域37側に向けて半導体膜3の膜厚を厚くするようなテーパ面35a、35bが形成される。
また、図2(a)に示す形状の半導体膜3を形成するにあたっては、図4に示すように、ドレイン領域32およびソース領域37に相当する領域に第1の半導体膜3e、3fを島状に形成した後、第1の半導体膜3e、3fの上層に第2の半導体膜3gを積層し、しかる後に第2の半導体膜3gを島状にパターニングしてもよい。このような方法を採用した場合も、チャネル領域30を構成する部分の上面に凹部35が形成された半導体膜3を形成することができ、かつ、半導体膜3のドレイン側およびソース側の境界部分における上面に対し、チャネル領域30からドレイン領域32側およびソース領域37側に向けて半導体膜3の膜厚を厚くするようなテーパ面35a、35bを形成することができる。
次に、図2(b)に示す第1のゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜3の表面にCVD法などによりシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる第1のゲート絶縁膜41を形成する。
次に、図2(c)に示す第1のゲート電極形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、チャネル領域30となる部分と対向する位置に第1のゲート電極51を形成する。より具体的には、第1のゲート絶縁膜41の表面に金属膜やドープトシリコン膜などの導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて導電膜をパターニングして第1のゲート電極51を形成する。
次に、図2(d)に示す第2のゲート絶縁膜形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、第1のゲート電極51の側方に形成された凹部を第2のゲート絶縁膜42で埋める。より具体的には、インクジェット法やスピンコート法によって、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、第1のゲート電極51の側方に形成された凹部に、ポリシラザン、液状無機絶縁膜、液状有機絶縁膜などの液状物を充填し、この液状物を固化させて第2のゲート絶縁膜42を形成する。その結果、第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42によってゲート絶縁膜4が形成される。このゲート絶縁膜4は、第1の絶縁膜部分46、第2の絶縁膜部分47、および第3の絶縁膜部分48を備えており、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。このような第2のゲート絶縁膜42は、インクジェット法によれば凹部内に選択的に形成できる。
また、第2の絶縁膜42を形成する際、スピンコート法を採用した場合、ポリシラザン、液状無機絶縁膜、液状有機絶縁膜などの液状物の粘度などを調整することにより、第2の絶縁膜42を凹部内に選択的に形成できるが、ゲート電極51の上にも第2のゲート絶縁膜42が形成される場合がある。このような構成を図1(b)に示す。但し、スピンコート法は下地基板表面の凹凸形状を平坦化する効果が大きいので、ゲート電極51の上に形成される第2のゲート絶縁膜42の膜厚は厚くはならない。この場合、第1のゲート電極51と第2のゲート電極52との間の電気的な接続を確保するために、例えば、第2のゲート絶縁膜42の、第1のゲート電極51が形成された領域にコンタクトホール81を形成して、第1のゲート電極51と第2のゲート電極52とを接続させる。
次に、図2(e)に示す高濃度不純物導入工程において、第1のゲート電極51をマスクとして半導体膜3に高濃度不純物を導入する。その際、半導体膜3の表面に不純物濃度のピークが位置するように加速電圧を調整する。その結果、半導体膜3には第1のゲート電極51に対して高濃度不純物が導入され、ソース領域37およびドレイン領域32が形成される。半導体膜3のうち、不純物が導入されなかった領域がチャネル領域30となる。
ここで、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。このため、半導体膜3には、第2の絶縁膜部分47と重なる領域(ドレイン領域32とチャネル領域30との境界領域33、およびソース領域37とチャネル領域30との境界領域38)に低濃度の不純物濃度が導入され、かつ、境界領域33、38において、不純物濃度は、チャネル領域30側で極めて低く、チャネル領域30から離れるに伴って漸増している。なお、TFTをN型とする場合には不純物として、リン(P)などのN型の不純物を導入するが、TFTをN型とする場合には不純物としてボロンなどのN型の不純物を導入する。
次に、図2(f)に示す第2のゲート電極形成工程において、第1のゲート電極51の上層に第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42を介して半導体膜3の境界領域33、38に対向する第2のゲート電極52を積層する。より具体的には、第1のゲート電極51の表面側に金属膜やドープトシリコン膜などの導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて導電膜をパターニングして第2のゲート電極52を形成する。
次に、図1に示すように、第2のゲート電極52の表面側にCVD法などによりシリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜6を形成した後、層間絶縁膜6にコンタクトホール61、62を形成し、しかる後に、ソース電極72およびドレイン電極71を形成する。
このような製造方法によれば、高濃度領域(ドレイン領域32およびソース領域37)と低濃度領域(境界領域33、38)を同時に形成することができるので、従来のGOLDD構造のTFTと同一の工程数で、TFT10のオン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧を向上することができる。
[実施の形態1の変形例]
上記実施の形態1では、GOLDD構造のTFTに本発明を適用した例であったが、図2(a)〜図2(f)に示す工程を用いれば、図5に示すように、境界領域33、38がゲート電極5に略自己整合的に形成されたLDD構造のTFTを製造することができる。
上記実施の形態1では、GOLDD構造のTFTに本発明を適用した例であったが、図2(a)〜図2(f)に示す工程を用いれば、図5に示すように、境界領域33、38がゲート電極5に略自己整合的に形成されたLDD構造のTFTを製造することができる。
図5は、本発明の実施の形態1の変形例に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成を示す断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示す薄膜半導体装置1でも、実施の形態1と同様、TFT10は、ドレイン領域32とチャネル領域30との境界領域33に低濃度領域を備えているとともに、ソース領域37とチャネル領域30との境界領域38に低濃度領域を備えている。ここで、ゲート電極5は、チャネル領域30にゲート絶縁膜4を介して対向し、低濃度領域は、ゲート電極5に対して略自己整合的に形成されている。このようなLDD構造のTFT10において、ゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域33、38と重なる第2の絶縁膜部分47と、ソース領域37およびドレイン領域32と重なる第3の絶縁膜部分48とを備えている。第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。このような厚さに対応して、境界領域33は、チャネル領域30の側から離れるに伴って不純物濃度が漸増し、境界領域38も、境界領域33と同様、チャネル領域30の側から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。
このように構成したTFT10において、境界領域33は、チャネル領域30と接する側では不純物濃度が極めて低いため、本形態のTFT10は、オフリーク電流レベルが低く、かつ、ドレイン耐圧が高い。また、境界領域33は、チャネル領域30から離れるに伴って不純物濃度が漸増しているため、ドレイン端の電界強度を緩和する効果は、チャネル領域30からドレイン領域32に向けてなだらかに小さくなっている。このため、オン電流レベルが高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFT10を備えた薄膜半導体装置1を実現できる。
このような構成の薄膜半導体装置1の製造方法においては、まず、図2(a)に示す半導体膜形成工程において、基板2上に、チャネル領域30を構成する部分がドレイン領域32を構成する部分に比して薄い半導体膜3を形成する。
次に、図2(b)に示す第1のゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜3の表面にCVD法などによりシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる第1のゲート絶縁膜41を形成する。
次に、図2(c)に示す第1のゲート電極形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、チャネル領域30となる部分と対向する位置にゲート電極5(第1のゲート電極51)を形成する。
次に、図2(d)に示す第2のゲート絶縁膜形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、第1のゲート電極51の側方に形成された凹部を第2のゲート絶縁膜42で埋める。
次に、図2(e)に示す高濃度不純物導入工程において、ゲート電極5をマスクとして半導体膜3に高濃度不純物を導入する。その結果、半導体膜3には第1のゲート電極51に対して自己整合的に高濃度不純物が導入される。ここで、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっているため、半導体膜3には、第2の絶縁膜部分47と重なる境界領域33、38に低濃度領域が形成される。しかも、境界領域33、38では、チャネル領域30側で不純物濃度が極めて低く、かつ、チャネル領域30から離れるに伴って不純物濃度が漸増している。
次に、図5に示すように、第2のゲート電極52の表面側にCVD法などによりシリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜6を形成した後、層間絶縁膜6にコンタクトホール61、62を形成し、しかる後に、ソース電極72およびドレイン電極71を形成する。
[実施の形態2]
図6は、本発明の実施の形態2に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図7は、図6に示すTFT単体(薄膜半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係るTFT単体(薄膜半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図7は、図6に示すTFT単体(薄膜半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
図6において、本形態の薄膜半導体装置1では、実施の形態1と同様、基板2上にTFT10が形成され、このTFT10では、シリコン膜などの半導体膜3に、不純物濃度が高濃度のソース領域37と、不純物濃度が高濃度のドレイン領域32と、ソース領域37とドレイン領域32との間のチャネル領域30とが形成されている。半導体膜3の表面側にはゲート絶縁膜4が形成され、ゲート絶縁膜4の上層には、ゲート絶縁膜4を介してチャネル領域30に対向するゲート電極5が形成されている。ゲート電極5の表面側には層間絶縁膜6が形成され、層間絶縁膜6に形成されたコンタクトホール61、62を介してドレイン電極71およびソース電極72が各々、ドレイン領域32およびソース領域37に電気的に接続している。
本形態のTFT10において、ゲート電極5は、オーバーラップ構造を備えており、チャネル領域30、チャネル領域30とドレイン領域32との境界領域34、およびチャネル領域30とソース領域37との境界領域39に対向している。ここで、境界領域34、39とチャネル領域30とは、不純物の濃度や種類が同一である。すなわち、チャネル領域30が真性の半導体膜3である場合、境界領域34、39も真性の半導体膜3であり、チャネル領域30がチャネルドープされている場合、境界領域34、39に導入された不純物と同一の不純物が同一のドーズ量で導入されている。このようにして、本形態のTFT10は、オーバーラップ構造のゲート電極5を備えたオフセットゲート構造を有している。
このようなオフセットゲート構造のTFT10において、ゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域34、39と重なる第2の絶縁膜部分47と、ドレイン領域32およびソース領域37と重なる第3の絶縁膜部分48とを備えている。
ここで、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。
このような構成のオフセットゲート構造のTFT10を構成するにあたって、本形態では、まず、ゲート電極5は、第1の絶縁膜部分46を介してチャネル領域30に対向する第1のゲート電極51と、この第1のゲート電極51よりもチャネル長方向の寸法が長い第2のゲート電極52とから構成され、第2のゲート電極52は、第1のゲート電極51の上層側に積層されている。従って、第2のゲート電極52は、ドレイン側の端部が第2の絶縁膜部分47を介してドレイン側の境界領域34と対向し、ソース側の端部が絶縁膜部分47を介してソース側の境界領域39に対向している。
半導体膜3は、チャネル領域30に相当する領域の上面に凹部35が形成され、チャネル領域30の厚さがドレイン領域32側およびソース領域37側の厚さよりも薄くなっている。しかも、凹部35の両端部は、チャネル領域30からドレイン領域32側およびソース領域37側に向けて半導体膜3の膜厚を厚くするテーパ面35a、35bになっている。
ゲート絶縁膜4は、半導体膜3の上層に積層された第1のゲート絶縁膜41と、この第1のゲート絶縁膜41の上層において第1のゲート電極51の側方に形成された凹部を埋第2のゲート絶縁膜42とから構成され、第1の絶縁膜部分46は、チャネル領域30と第1のゲート電極51との間に介在する第1のゲート絶縁膜41によって構成されている。第2の絶縁膜部分は、境界領域34、39と第2のゲート電極52との間に介在する第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42とによって構成されている。第3の絶縁膜部分は、第1のゲート絶縁膜41によって構成されている。
このように構成したTFT10では、チャネル領域30とドレイン領域32との境界領域34にゲート電極5が対向する構造になっているので、通常のオフセットゲート構造よりはオン電流レベルが高い。また、ゲート絶縁膜4において境界領域34と重なる第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分で厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和される。このため、本形態のTFT10は、オフリーク電流レベルが低く、かつ、ドレイン耐圧が高い。また、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっているため、ドレイン端に対する電界強度が緩和は、チャネル領域30からドレイン領域32に向けてなだらかに小さくなっている。このため、オン電流レベルが高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、オフリーク電流特性およびドレイン耐圧のいずれにも優れたTFT10を備えた薄膜半導体装置1を実現できる。
このような構成の薄膜半導体装置1の製造方法においては、まず、図7(a)に示す半導体膜形成工程において、基板2上に、チャネル領域30を構成する部分がドレイン領域32を構成する部分に比して薄い半導体膜3を形成する。より具体的には、実施の形態1において図3および図4を参照して説明した方法を採用することができ、いずれの場合も、半導体膜3の上面には凹部35が形成され、この凹部35の端部は、チャネル領域30からドレイン領域32側およびソース領域37側に向けて半導体膜3の膜厚を厚くするようなテーパ面35a、35bになっている。
次に、図7(b)に示す第1のゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜3の表面にCVD法などによりシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる第1のゲート絶縁膜41を形成する。
次に、図7(c)に示す第1のゲート電極形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、チャネル領域30となる部分と対向する位置に第1のゲート電極51を形成する。
次に、図7(d)に示す第2のゲート絶縁膜形成工程において、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、第1のゲート電極51の側方に形成された凹部を第2のゲート絶縁膜42で埋める。より具体的には、第1のゲート絶縁膜41の表面のうち、第1のゲート電極51の側方に形成された凹部に液状物を充填し、この液状物を固化させて第2のゲート絶縁膜42を形成する。その結果、第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42によってゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜4は、チャネル領域30に重なる第1の絶縁膜部分46と、境界領域34、39と重なる第2の絶縁膜部分47と、ドレイン領域32およびソース領域37と重なる第3の絶縁膜部分48とを備えている。また、第2の絶縁膜部分47は、第1の絶縁膜部分46と隣接する部分では第1の絶縁膜部分46よりも厚く、かつ、第1の絶縁膜部分46から遠ざかるに伴って薄くなっている。
次に、図7(e)に示す第2のゲート電極形成工程において、第1のゲート電極51の上層に第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42を介して境界領域34、39に対向する第2のゲート電極52を積層する。
次に、図7(f)に示す高濃度不純物導入工程において、第2のゲート電極52をマスクとして半導体膜3に高濃度不純物を導入する。その結果、半導体膜3には第2のゲート電極52に対して自己整合的に高濃度不純物が導入され、ドレイン領域32およびソース領域37が形成される。その際、半導体膜3のうち、チャネル領域30および境界領域34、39には不純物が導入されない。
次に、図6に示すように、第2のゲート電極52の表面側にCVD法などによりシリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜6を形成した後、層間絶縁膜6にコンタクトホール61、62を形成し、しかる後に、ソース電極72およびドレイン電極71を形成する。
[実施の形態2の変形例]
上記実施の形態2では、図7(f)に示す高濃度不純物導入工程において、第2のゲート電極52をマスクとして半導体膜3に高濃度不純物を導入したが、図7(d)を参照して説明した第2のゲート絶縁膜形成工程の後、第1のゲート電極51の上層に第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42を介して半導体膜3に対向するレジストマスクを形成し、レジストマスクを形成した状態で高濃度不純物を半導体膜3に導入して、ドレイン領域32およびソース領域37を形成し、しかる後に、第2のゲート電極52を別途、形成してもよい。
上記実施の形態2では、図7(f)に示す高濃度不純物導入工程において、第2のゲート電極52をマスクとして半導体膜3に高濃度不純物を導入したが、図7(d)を参照して説明した第2のゲート絶縁膜形成工程の後、第1のゲート電極51の上層に第1のゲート絶縁膜41および第2のゲート絶縁膜42を介して半導体膜3に対向するレジストマスクを形成し、レジストマスクを形成した状態で高濃度不純物を半導体膜3に導入して、ドレイン領域32およびソース領域37を形成し、しかる後に、第2のゲート電極52を別途、形成してもよい。
[電気光学装置への適用例]
本発明に係る薄膜半導体装置は、電気光学装置用基板として、以下に説明する液晶装置や有機EL装置などの電気光学装置に用いることができる。
本発明に係る薄膜半導体装置は、電気光学装置用基板として、以下に説明する液晶装置や有機EL装置などの電気光学装置に用いることができる。
(液晶装置への適用)
図8は、本発明に係る薄膜半導体装置を電気光学装置用基板として用いた液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図9は、この液晶装置の画素構成を示す断面図である。なお、以下に説明する液晶装置は、画素スイッチング素子として、本発明を適用したTFTを用いた点のみに特徴を有し、その他の構成は周知であるので、周知の構成についての詳細な説明を省略する。
図8は、本発明に係る薄膜半導体装置を電気光学装置用基板として用いた液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図9は、この液晶装置の画素構成を示す断面図である。なお、以下に説明する液晶装置は、画素スイッチング素子として、本発明を適用したTFTを用いた点のみに特徴を有し、その他の構成は周知であるので、周知の構成についての詳細な説明を省略する。
図8および図9に示す液晶装置100(電気光学装置)において、マトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極109、および画素電極109を制御するための画素スイッチング用のTFT110が形成されており、画素信号を供給するデータ線106がTFT110のソースに電気的に接続されている。データ線106に書き込む画素信号S1、S2・・・Snは、この順に線順次に供給する。また、TFT110のゲートには走査線103が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線103にパルス的に走査信号G1、G2・・・Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極109は、TFT110のドレインに電気的に接続されており、TFT110を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線106から供給される画素信号S1、S2・・・Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極109を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、・・・Snは、対向基板120に形成された対向電極121との間で一定期間保持される。
液晶装置100では、TFTアレイ基板101(電気光学装置用基板/薄膜半導体装置)と対向基板120とが、画素電極109と対向電極121とが対面するように配置され、かつ、これらの基板間には、シール材(図示せず)により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶150が封入され、保持されている。液晶150は、画素電極109からの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。液晶150は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したものなどからなる。
TFTアレイ基板101において、基体たる透明基板の表面には下地保護膜112が形成されているとともに、その表面側にTFT110が形成されている。本形態では、TFT110として本発明を適用したTFTを用いる。TFT110の表面側には、シリコン酸化膜などからなる層間絶縁膜104、107が形成されている。層間絶縁膜104の表面にはデータ線106が形成され、このデータ線106は、TFT110に対するソース電極として、層間絶縁膜104に形成されたコンタクトホールを介してTFT110の高ソース領域に電気的に接続している。層間絶縁膜107の表面には画素電極109が形成され、画素電極109は、層間絶縁膜107に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極108に電気的に接続している。まドレイン電極108は、層間絶縁膜104およびゲート絶縁膜102に形成されたコンタクトホールを介してTFT110のドレイン領域に電気的に接続している。TFT110のドレイン領域からの延設部分171に対しては、誘電体膜を介して容量線104が上電極として対向することにより、蓄積容量170が構成されている。
画素電極109の上層には、ラビング処理等の所定の配向処理が施されたポリイミド膜などからなる配向膜116が形成されている。画素電極109は、たとえばITO(Indium Tin xide)膜等の透明な導電性膜からなる。対向基板120において、ITOなどからなる対向電極121の上層側にも、ポリイミド膜からなる配向膜122が形成され、この配向膜122もポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。なお、対向基板120には、各画素の境界領域に沿ってブラックマトリクスなどと称せられる遮光膜123が形成されている。
なお、対向基板120あるいはTFTアレイ基板101の側には、使用する液晶150の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
(有機EL装置への適用)
図10は、本発明に係る薄膜半導体装置を電気光学装置用基板として用いた有機EL装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図11は、この有機EL装置の画素構成を示す断面図である。なお、以下に説明する有機EL装置は、画素スイッチング素子として、本発明を適用したTFTを用いた点のみに特徴を有し、その他の構成は周知であるので、周知の構成についての詳細な説明を省略する。
図10は、本発明に係る薄膜半導体装置を電気光学装置用基板として用いた有機EL装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図11は、この有機EL装置の画素構成を示す断面図である。なお、以下に説明する有機EL装置は、画素スイッチング素子として、本発明を適用したTFTを用いた点のみに特徴を有し、その他の構成は周知であるので、周知の構成についての詳細な説明を省略する。
図10および図11に示す電気光学装置200は、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光する有機EL素子をTFTで駆動制御するアクティブマトリクス型の表示装置であり、このタイプの電気光学装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
ここに示す電気光学装置200では、TFTアレイ基板201(電気光学装置用基板/薄膜半導体装置)上に、複数の走査線203と、走査線203の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線206と、これらのデータ線206に並列する複数の共通給電線223と、データ線206と走査線203との交差点に対応する画素215とが構成されている。データ線206に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路251が構成されている。走査線203に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路252が構成されている。
画素215の各々には、走査線203を介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT211と、この第1のTFT211を介してデータ線206から供給される画像信号を保持する保持容量233(薄膜キャパシタ素子)と、この保持容量33pによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT212と、第2のTFT212がオン状態になったときに共通給電線223から駆動電流が流れ込む発光素子240とが構成されている。
本形態では、いずれの画素215においても、ガラスなどからなる基板の表面に下地保護膜202が形成されているとともに、この下地保護膜202の表面に島状に形成された2つの半導体膜を利用して第1のTFT211および第2のTFT212が形成されている。本形態では、第1のTFT211および第2のTFT212のうちの少なくとも一方に本発明を適用したTFTを用いる。
第2のTFT212のソース・ドレイン領域の一方には、ゲート絶縁膜250および層間絶縁膜251のコンタクトホールを介して中継電極235が電気的に接続し、この中継電極235には、層間絶縁膜252のコンタクトホールを介して、ITOなどからなる画素電極241が電気的に接続している。この画素電極241の上層側には、正孔注入層242、発光層243、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電極220が積層されている。対向電極220は、データ線206などを跨いで複数の画素領域215にわたって形成されている。第2のTFT212のソース・ドレイン領域のもう一方には、ゲート絶縁膜250および層間絶縁膜251のコンタクトホールを介して共通給電線223が電気的に接続している。
第1のTFT211では、そのソース・ドレイン領域の一方にゲート絶縁膜250および層間絶縁膜251のコンタクトホールを介してデータ線206が電気的に接続し、他方には、ゲート絶縁膜250および層間絶縁膜251のコンタクトホールを介して電位保持電極236が電気的に接続している。電位保持電極236は、層間絶縁膜251のコンタクトホールを介して第2のTFT212のゲート電極272の延設部分273に電気的に接続している。この延設部分273に対しては、その下層側においてゲート絶縁膜250を介して半導体膜271が対向し、この半導体膜271は、それに導入された不純物によって導電化されているので、延設部分273およびゲート絶縁膜250とともに保持容量233を構成している。ここで、半導体膜271に対してはゲート絶縁膜250および層間絶縁膜251のコンタクトホールを介して共通給電線223が電気的に接続している。保持容量233は、第1のTFT211を介してデータ線206から供給される画像信号を保持するので、第1のTFT211がオフになっても、第2のTFT212のゲート電極272は画像信号に相当する電位に保持される。それ故、発光素子240には共通給電線223から駆動電流が流れ続けるので、発光素子240は発光し続け、画像を表示する。
[電子機器への適用]
このような電気光学装置は、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。また、有機EL装置については、ページプリンタなどの画像形成装置(電子機器)において、露光用のラインヘッドの光源などとして用いることが可能である。
このような電気光学装置は、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。また、有機EL装置については、ページプリンタなどの画像形成装置(電子機器)において、露光用のラインヘッドの光源などとして用いることが可能である。
1 薄膜半導体装置、2 基板、3 半導体膜、4 ゲート絶縁膜、5 ゲート電極、10 TFT、30 チャネル領域、32 ドレイン領域、33、34、38、39 境界領域、35 凹部、35a、35b テーパ面、37 ソース領域、41 第1のゲート絶縁膜、42 第2のゲート絶縁膜、46 第1の絶縁膜部分、47 第2の絶縁膜部分、48 第3の絶縁膜部分、100 液晶装置(電気光学装置)、200 有機EL装置(電気光学装置)、101、201 TFTアレイ基板(電気光学装置用基板/薄膜半導体装置)
Claims (13)
- ソース領域、ドレイン領域、および前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に設けられたチャネル領域とを有する半導体膜と、ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に対向するゲート電極とを備えた薄膜半導体装置において、
前記ソース領域と前記チャネル領域との間、および前記ドレイン領域と前記チャネル領域との間に境界領域を備え、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域および前記境界領域に対向し、
前記ゲート絶縁膜は、前記チャネル領域に重なる第1の絶縁膜部分と、前記境界領域と重なる第2の絶縁膜部分と、前記ソース領域および前記ドレイン領域に重なる第3の絶縁膜部分とを備え、
前記第2の絶縁膜部分の膜厚は、前記第1の絶縁膜部分と隣接する部分では当該第1の絶縁膜部分よりも厚く、かつ、当該第1の絶縁膜部分から前記第3の絶縁膜部分との隣接部分に向かうに伴って薄くなっていることを特徴とする薄膜半導体装置。 - 請求項1において、前記境界領域は、不純物濃度が前記ソース領域及びドレイン領域の不純物濃度より低濃度であることを特徴とする薄膜半導体装置。
- 請求項2において、前記境界領域は、前記チャネル領域の側から前記ソース領域および前記ドレイン領域へ向かうに伴って不純物濃度が漸増していることを特徴とする薄膜半導体装置。
- 請求項1において、前記境界領域は、不純物濃度が前記チャネル領域の不純物濃度と同一のオフセット領域を構成していることを特徴とする薄膜半導体装置。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記ゲート電極は、前記第1の絶縁膜部分を介して前記チャネル領域に対向する第1のゲート電極と、該第1のゲート電極の上層に積層されて前記第2の絶縁膜部分を介して前記境界領域と重なる第2のゲート電極とを備えていることを特徴とする薄膜半導体装置。
- 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記半導体膜は、前記チャネル領域に相当する領域に凹部を備え、
前記ゲート絶縁膜は、前記半導体膜の上層に積層された第1のゲート絶縁膜と、該第1のゲート絶縁膜の上層において前記第1のゲート電極側方の凹部を埋める第2のゲート絶縁膜とを備え、
前記第1の絶縁膜部分は、前記チャネル領域と前記ゲート電極との間に介在する前記第1のゲート絶縁膜によって構成され、前記第2の絶縁膜部分は、前記境界領域と前記ゲート電極との間に介在する前記第1のゲート絶縁膜および前記第2のゲート絶縁膜とによって構成されていることを特徴とする薄膜半導体装置。 - 請求項6において、前記半導体膜は、前記チャネル領域の膜厚が前記ソース領域および前記ドレイン領域の膜厚より薄く、
前記境界領域の膜厚は、前記チャネル領域から前記ドレイン領域側および前記ソース領域側に向けて厚くなっていることを特徴とする薄膜半導体装置。 - 請求項1ないし7のいずれかに規定する薄膜半導体装置を用いて形成されていることを特徴とする電子機器。
- ソース領域、ドレイン領域、および前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に設けられたチャネル領域とを有する半導体膜と、ゲート絶縁膜を介して前記半導体膜に対向するゲート電極とを備えた薄膜半導体装置の製造方法において、
チャネル領域を構成する部分の上面に凹部が形成された半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
前記半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成する第1のゲート絶縁膜形成工程と、
前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記チャネル領域を構成する部分と対向する位置に第1のゲート電極を形成する第1のゲート電極形成工程と、
前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極側方の凹部を第2のゲート絶縁膜で埋める第2のゲート絶縁膜形成工程と、
前記第1のゲート電極をマスクとして前記半導体膜に高濃度不純物を導入する高濃度不純物導入工程と
を有することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。 - 請求項9において、前記第1のゲート電極の上層に前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜を介して前記半導体膜に対向する第2のゲート電極を積層することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル領域と、該チャネル領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えた薄膜トランジスタを基板上に備えた薄膜半導体装置の製造方法において、
チャネル領域を構成する部分の上面に凹部が形成された半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
前記半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成する第1のゲート絶縁膜形成工程と、
前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記チャネル領域を構成する部分と対向する位置に第1のゲート電極を形成する第1のゲート電極形成工程と、
前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極側方の凹部を第2のゲート絶縁膜で埋める第2のゲート絶縁膜形成工程と、
前記第1のゲート電極および前記第2の絶縁膜を覆うマスクを形成した状態で前記半導体膜に高濃度不純物を導入する高濃度不純物導入工程と
を有することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。 - 請求項11において、前記マスクを導電膜で形成し、当該導電膜を、前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜を介して前記半導体膜に対向する第2のゲート電極として残すことを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
- 請求項9ないし12のいずれかにおいて、前記第2の絶縁膜形成工程では、前記第1のゲート絶縁膜の表面のうち、前記第1のゲート電極の近傍に形成された凹部に液状物を充填し、該液状物を固化させて前記第2のゲート絶縁膜を形成することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
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