JP2004165622A - 半導体装置、電気光学装置、電子機器、半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オン電流特性およびオフリーク電流特性の双方に優れたトランジスタを備えた半導体装置、この半導体装置によって電気光学物質を保持した電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】トランジスタ40Aにおいて、ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460に対してセルフアライン的に不純物が導入された高濃度領域である。チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【選択図】 図1
【解決手段】トランジスタ40Aにおいて、ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460に対してセルフアライン的に不純物が導入された高濃度領域である。チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型トランジスタ、あるいはMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)型トランジスタのような電界効果型トランジスタが形成された半導体装置、この半導体装置によって電気光学物質を保持した電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクス型液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの電気光学装置では、画素スイッチング用のアクティブ素子として複数の薄膜トランジスタ(電界効果型トランジスタ/以下、TFT(Thin Film Transistor)という)が形成された基板が用いられている。
【0003】
このような基板に形成されるTFTの代表的な構造としては、図21(A)に示すセルフアライン構造と、図21(B)に示すLDD構造とがある。
【0004】
これらのTFTのうち、セルフアライン構造のTFTでは、図21(A)に示すように、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対向する部分のソース領域420、およびドレイン領域430が高濃度領域となっている。このため、図2および図6に点線L2で示すように、オン電流レベルが高いという利点がある。
【0005】
しかしながら、セルフアライン構造のTFTでは、ドレイン端における電界強度が高いため、図2および図6に点線L2で示すように、オフリーク電流レベル高く、かつ、その電流レベルが急峻に跳ね上がっているという問題点がある。
【0006】
これに対して、図21(B)に示すLDD構造のTFTでは、ソース領域420およびドレイン領域430において、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対向する部分が低濃度ソース領域421、および低濃度ドレイン領域431となっている。従って、LDD構造のTFTでは、ドレイン端における電界強度が緩和されるため、図2および図6に一点鎖線L3で示すように、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
M.Yazaki、S.Takenaka and H.Ohshima:Jpn.J.Appl.Phys.vol.31(1992)Pt.1、No2App.206−209
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LDD構造のTFTでは、ソース領域420とドレイン領域430との間に低濃度領域が介在するため、図2および図6に一点鎖線L3で示したように、オン電流レベルが低いという問題点がある。また、LDD構造のTFTにおいて、オフリーク電流をさらに低減する必要がある場合に、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431の寸法をさらに長くするなどの対策を行うと、オン電流が著しく低下してしまうという問題点がある。
【0009】
このように、従来の構造では、オン電流特性とオフリーク電流とがトレードオフの関係にあって、一方の特性を向上すれば他方の特性が犠牲になるという問題点がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、オン電流特性およびオフリーク電流特性の双方に優れたトランジスタを備えた半導体装置、この半導体装置によって電気光学物質を保持した電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置において、前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする。
【0012】
本願明細書における「MIS型」あるいは「MOS型」とはゲート電極が金属に限らず、導電性の半導体をゲート電極に用いたものも含む意味である。
【0013】
本発明に係るトランジスタでは、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和される。このため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄いので、オン電流レベルも高い。それ故、本発明によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0014】
本発明においては、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚くしてもよい。
【0015】
本発明において、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備える場合がある。このようなトランジスタの構造は、LDD構造あるいはオフセットゲート構造と称せられる。本願明細書において、「オフセット領域」とは、ゲート電極の端部にゲート絶縁膜を介して対峙する部分に、チャネル形成領域と同一の不純物濃度で形成されている部分を意味し、このようなオフセット領域は、ソースおよびドレイン領域をゲート電極の端部からチャネル長方向における両側にずらすことにより形成できる。
【0016】
このようなLDD構造あるいはオフセットゲート構造のトランジスタに対して本発明を適用した場合、前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い。
【0017】
本発明に係るトランジスタでは、ソース領域およびドレイン領域は、ゲート電極にゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備えているため、ドレイン端での電界強度が緩和されているので、オフリーク電流のレベルが低い。また、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度がさらに緩和されているため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄いため、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高い。
【0018】
本発明において、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚くしてもよい。
【0019】
本発明において、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域は、例えば、前記基板表面に形成された半導体膜に形成されている。
【0020】
本発明においては、前記基板が半導体基板であり、当該半導体基板に対して、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域が形成されている場合もある。
【0021】
本発明に係る半導体装置は、電気光学物質を保持する電気光学装置用基板として用いられる場合があり、この場合、当該電気光学装置用基板には、画素スイッチング用トランジスタおよび画素電極を備えた画素がマトリクス状に形成されることになる。
【0022】
このような電気光学装置において、前記電気光学物質は、例えば、前記電気光学装置用基板と対向基板との間に保持された液晶である。
【0023】
また、前記電気光学物質は、前記電気光学装置用基板上で発光素子を構成する有機エレクロトルミネッセンス材料の場合もある。
【0024】
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機あるいはモバイルコンピュータなどの電子機器の表示部として用いられる。
【0025】
本発明では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする。
【0026】
本発明の別の形態では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
【0027】
本発明において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けてもよい。このように構成すると、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い構造となる。
【0028】
本発明において、トランジスタがLDD構造あるいはオフセットゲート構造を備えている場合、その製造方法では、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする。
【0029】
本発明の別の形態では、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
【0030】
本発明において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けてもよい。このように構成すると、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い構造となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
電気光学装置に用いられるTFTアレイ基板などに本発明を適用した例を説明する前に、図1〜図9を参照して、本発明の実施の形態1〜9に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)としての構成、および効果を説明する。
【0032】
図1(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態1〜4に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用したセルフアライン構造のトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。図3および図4はそれぞれ、実施の形態1、3に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
【0033】
図5(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態5〜8に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図6は、本発明を適用したLDD構造のトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。図7および図8はそれぞれ、実施の形態5、8に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
【0034】
図9(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態9に係るボトムゲート構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【0035】
[実施の形態1]
図1(A)において、本形態の半導体装置では、基板400の上にトランジスタ40Aが形成されており、このトランジスタ40Aは、ソース領域420とドレイン領域430との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域410と、このチャネル形成領域410にゲート絶縁膜450を介して対向するゲート電極460とを備えている。ソース領域420およびドレイン領域430には、層間絶縁膜490、およびゲート絶縁膜450に形成されたコンタクトホールを介してソース電極470およびドレイン電極480がそれぞれ電気的に接続している。
【0036】
ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460に対してセルフアライン的に不純物が導入された高濃度領域である。
【0037】
本形態では、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、ソース領域420に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0038】
すなわち、ゲート絶縁膜450は、ソース領域420、ドレイン領域430、およびチャネル形成領域410を構成する半導体膜440の表面側全体に形成された下層側ゲート絶縁膜451と、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されており、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっている。これに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451のみから構成されている。
【0039】
このように構成したトランジスタ40Aでは、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、図2に実線L1で示すように、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0040】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図3(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するためのシリコン膜などの半導体膜440を形成する。なお、図示しないが、基板400に下地絶縁膜を形成してから半導体膜440を形成してもよい。
【0041】
次に、ゲート絶縁膜形成工程では、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる下層側ゲート絶縁膜451を形成する。
【0042】
次に、図3(B)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410においてドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0043】
次に、図3(C)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層401の表面側にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる上層側ゲート絶縁膜452を形成する。この際には、カバレージの低い方法で上層側ゲート絶縁膜452を形成することが好ましい。
【0044】
次に、図3(D)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去する(リフトオフ法)。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0045】
次に、図3(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図3(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に高濃度領域からなるソース領域420およびドレイン領域430を形成する。
【0046】
[実施の形態2]
実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法において、図3(B)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図1(B)に示すトランジスタ40Bが形成される。
【0047】
このトランジスタ40Bでは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、ソース領域420に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0048】
その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Bも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消されるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0049】
[実施の形態3]
図1(C)において、本形態の半導体装置でも、トランジスタ40Cは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、ソース領域420に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0050】
但し、本形態では、実施の形態1とは違って、ゲート絶縁膜450は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された下層側ゲート絶縁膜451と、その表面全体に形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されている。このため、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっているのに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、上層側ゲート絶縁膜452のみから構成されている。
【0051】
このように構成したトランジスタ40Cでも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0052】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図4(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するための半導体膜440を形成する。
【0053】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜440の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410においてドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0054】
次に、図4(B)に示すように、半導体膜440およびレジスト層401の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、図4(C)に示すように、リフトオフ法により、レジスト層401をレジスト層401を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去する。なお、上述したようなリフトオフ法によらず、半導体膜440上に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、レジスト層を形成してパターニングしてもよい。
【0055】
次に、図4(D)に示すように、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成する。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0056】
次に、図4(E)に示すように、ゲート電極450を形成した後、図4(F)に示すように、ゲート電極450をマスクにして半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極450に対してセルフアライン的に高濃度領域からなるソース領域420およびドレイン領域430を形成する。
【0057】
[実施の形態4]
実施の形態3で説明した半導体装置の製造方法において、図4(A)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図1(D)に示すトランジスタ40Dが形成される。
【0058】
このトランジスタ40Dでは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、ソース領域420に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0059】
その他の構成は、実施の形態3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Dも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消されるなど、実施の形態3と同様な効果を奏する。
【0060】
[実施の形態5]
図5(A)において、本形態の半導体装置では、基板400の上にLDD構造のトランジスタ40Eが形成されており、このトランジスタ40Eは、ソース領域420とドレイン領域430との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域410と、このチャネル形成領域410にゲート絶縁膜450を介して対向するゲート電極460とを備えている。ソース領域420およびドレイン領域430には、層間絶縁膜490およびゲート絶縁膜450に形成されたコンタクトホールを介してソース電極470およびドレイン電極480がそれぞれ電気的に接続している。
【0061】
ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460の端部に対してゲート絶縁膜450を介して対峙する部分に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を備え、その外側に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を備えている。
【0062】
本形態では、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0063】
すなわち、ゲート絶縁膜450は、ソース領域420、ドレイン領域430、およびチャネル形成領域410を構成する半導体膜440の表面側全体に形成された下層側ゲート絶縁膜451と、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されており、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっている。これに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451のみから構成されている。
【0064】
このように構成したトランジスタ40Eでは、ゲート電極460にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分に低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421を備えているため、図6に実線L11で示すように、ドレイン端での電界強度が緩和されているので、オフリーク電流のレベルが低い。また、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度がさらに緩和されているため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。それでも、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄いため、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高い。
【0065】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図7(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するためのシリコン膜などの半導体膜440を形成する。
【0066】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる下層側ゲート絶縁膜451を形成する。
【0067】
次に、図7(B)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410において低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0068】
次に、図7(C)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層401の表面側にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる上層側ゲート絶縁膜452を形成する。この際には、カバレージの低い方法で上層側ゲート絶縁膜452を形成することが好ましい。
【0069】
次に、図7(D)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去する(リフトオフ法)。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0070】
次に、図7(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図7(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に低濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を形成する。
【0071】
しかる後には、図7(G)に示すように、ゲート電極460を広めに覆うレジストマスク402を形成した後、このレジストマスク402の開口から半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分から外側にずれた部分に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を形成する。その結果、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分には、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431が残る。
【0072】
[実施の形態6]
実施の形態5で説明した半導体装置の製造方法において、図7(B)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図5(B)に示すトランジスタ40Fが形成される。
【0073】
このトランジスタ40Fでは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0074】
その他の構成は、実施の形態5と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Fも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0075】
[実施の形態7]
図5(C)において、本形態の半導体装置でも、トランジスタ40Gは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0076】
但し、本形態では、実施の形態5とは違って、ゲート絶縁膜450は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された下層側ゲート絶縁膜451と、その表面全体に形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されている。このため、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっているのに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、上層側ゲート絶縁膜452のみから構成されている。
【0077】
このように構成したトランジスタ40Gでも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0078】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図8(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するための半導体膜440を形成する。
【0079】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜440の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410において低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0080】
次に、図8(B)に示すように、半導体膜440およびレジスト層401の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、図8(C)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去する。
【0081】
次に、図8(D)に示すように、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成する。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0082】
次に、図8(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図8(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に低濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を形成する。
【0083】
しかる後には、図8(G)に示すように、ゲート電極460を広めに覆うレジストマスク402を形成した後、このレジストマスク402の開口から半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分から外側にずれた部分に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を形成する。その結果、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分には、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431が残る。
【0084】
[実施の形態8]
実施の形態7で説明した半導体装置の製造方法において、図8(A)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図5(D)に示すトランジスタ40Hが形成される。
【0085】
このトランジスタ40Hでは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0086】
その他の構成は、実施の形態7と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Hも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0087】
[実施の形態9]
実施の形態1〜4は、トップゲート型のセルフアライン構造のトランジスタに本発明を適用したが、図9(A)に示すように、ボトムゲート型のセルフアライン構造のトランジスタ40Lに本発明を適用してもよい。
【0088】
また、実施の形態5〜8は、トップゲート型のLDD構造のトランジスタに本発明を適用したが、図9(B)に示すように、ボトムゲート型のLDD構造のトランジスタ40Mに本発明を適用してもよい。
【0089】
これらのいずれのトランジスタ40L、40Mも、実施の形態1〜8と比較して、ゲート絶縁膜450に対するゲート電極460とチャネル形成領域410の上下位置が反対になっている他、その基本的な構造は、実施の形態1〜8と同様である。従って、共通する部分については、同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
【0090】
また、その製造方法では、図3あるいは図7を参照して説明したように、ゲート絶縁膜形成工程において、下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層を選択的に形成する。次に、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜452を形成した後、レジスト層をこのレジスト層を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去すればよい。
【0091】
また、図4あるいは図8を参照して説明したように、ゲート絶縁膜形成工程において、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層を選択的に形成した後、レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成する。次に、レジスト層をこのレジスト層を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去し、しかる後に、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成すればよい。
【0092】
[その他の実施の形態]
上記形態1〜9では、基板400上に形成した半導体膜440を用いて、トランジスタとしてTFTを製造したが、半導体層として、半導体基板上にエピタキシャル成長させた半導体層、あるいは半導体基板の表面自身を用いてもよい。この場合の構造、および製造方法は、それらの半導体層が半導体膜440に代わるだけであるため、説明を省略する。
【0093】
また、上記形態5〜8は、LDD構造のTFTをベースに本発明を適用した例であったが、オフセットゲート構造のTFTをベースに本発明を適用してもよい。この場合は図5において低濃度ソース領域421、および低濃度ドレイン領域431がそれぞれ、チャネル形成領域410と不純物濃度が等しいオフセット領域となるだけであり、製造方法において、図7(F)、および図8(F)を参照して説明した低濃度の不純物の導入工程を省略するだけであるため、説明を省略する。
【0094】
[電気光学装置への適用例]
次に、本発明に係る半導体装置を電気光学物質を保持する電気光学装置用基板(TFTアレイ基板)として用いる例を説明する。
【0095】
(全体構成)
図10は、電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図11は、対向基板を含めて示す図1のH−H′断面図である。
【0096】
図10において、本形態の電気光学装置100は、アクティブマトリクス型の液晶装置であり、TFTアレイ基板10の上には、シール材107が対向基板20の縁に沿うように設けられている。シール材107の外側の領域には、データ線駆動回路101および実装端子102(信号入力端子)がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って形成されている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられており、更に、額縁108の下などを利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が形成されている。
【0097】
そして、図11に示すように、図10に示したシール材107とほぼ同じ輪郭をもつ対向基板20がこのシール材107によりTFTアレイ基板10に固着されている。なお、シール材107は、TFTアレイ基板10と対向基板20とをそれらの周辺で貼り合わせるための光硬化樹脂や熱硬化性樹脂などからなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0098】
詳しくは後述するが、TFTアレイ基板10には、画素電極9aがマトリクス状に形成されている。これに対して、対向基板20には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像表示領域10aとされている。さらに、TFTアレイ基板10に形成されている画素電極(後述する)の縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、あるいはブラックストライプなどと称せられる遮光膜23が形成され、その上層側には、ITO膜からなる対向電極21が形成されている。
【0099】
このように形成した電気光学装置100は、投射型表示装置(液晶プロジェクタ)に使用される場合、3枚の電気光学装置100がRGB用のライトバルブとして各々使用され、各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、前記した各形態の電気光学装置100にはカラーフィルタが形成されていない。但し、対向基板20において各画素電極9aに対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成することにより、投射型表示装置以外にも、後述するモバイルコンピュータ、携帯電話機、液晶テレビなどといった電子機器のカラー表示装置として用いることができる。
【0100】
さらに、対向基板20に対して、各画素に対応するようにマイクロレンズを形成することにより、入射光の画素電極9aに対する集光効率を高めることができるので、明るい表示を行うことができる。さらにまた、対向基板20に何層もの屈折率の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付きの対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うことができる。
【0101】
(電気光学装置100の構成および動作)
次に、アクティブマトリクス型の電気光学装置100の構成および動作について、図12ないし図14を参照して説明する。
【0102】
図12は、電気光学装置100の画像表示領域10aを構成するためにマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線などの等価回路図である。図13は、データ線、走査線、画素電極などが形成されたTFTアレイ基板において相隣接する画素の平面図である。図14は、図13のA−A′線に相当する位置での断面、およびTFTアレイ基板と対向基板との間に電気光学物質としての液晶を封入した状態の断面を示す説明図である。なお、これらの図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0103】
図12において、電気光学装置100の画像表示領域10aにおいて、マトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a、および画素電極9aを制御するための画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号を供給するデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2・・・Snは、この順に線順次に供給する。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2・・・Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2・・・Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、・・・Snは、対向基板20に形成された対向電極21(図11参照)との間で一定期間保持される。
【0104】
ここで、保持された画素信号がリークするのを防ぐことを目的に、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70(キャパシタ)を付加することがある。この蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる電気光学装置が実現できる。なお、蓄積容量70を形成する方法としては、容量を形成するための配線である容量線3bとの間に形成する場合、あるいは前段の走査線3aとの間に形成する場合もいずれであってもよい。
【0105】
図13において、電気光学装置100のTFTアレイ基板10上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線で囲まれた領域)が各画素毎に形成され、画素電極9aの縦横の境界領域に沿ってデータ線6a(一点鎖線で示す)、走査線3a(実線で示す)、および容量線3b(実線で示す)が形成されている。
【0106】
図14に示すように、TFTアレイ基板10の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明基板10bからなり、対向基板20の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明基板20bからなる。TFTアレイ基板10には画素電極9aが形成されており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施されたポリイミド膜などからなる配向膜16が形成されている。画素電極9aは、たとえばITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明な導電性膜からなる。また、配向膜16は、たとえばポリイミド膜などの有機膜に対してラビング処理を行うことにより形成される。なお、対向基板20において、対向電極21の上層側にも、ポリイミド膜からなる配向膜22が形成され、この配向膜22も、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。
【0107】
TFTアレイ基板10には、透明基板10bの表面に下地保護膜12が形成されているとともに、その表面側において、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用のTFT30が形成されている。
【0108】
図13および図14に示すように、画素スイッチング用のTFT30は、島状のシリコン膜からなる半導体膜1aに対して、チャネル形成領域1a′、高濃度ソース領域1d、並びに高濃度ドレイン領域1eが形成されている。また、半導体膜1aの上層側には、この半導体膜1aと走査線3aとを絶縁するゲート絶縁膜2が形成されている。
【0109】
ここで、高濃度ソース領域1d、および高濃度ドレイン領域1eは、ゲート電極(走査線3a)に対してセルフアライン的に形成されているが、TFT30は、図1(A)を参照して説明した構造を有しており、ドレイン端のゲート絶縁膜2が厚い。従って、TFT30では、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域1a′の中央部分では、ゲート絶縁膜2が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。
【0110】
なお、図14には、TFT30として、図1(A)を参照して説明した構造のTFTを表してあるが、図1(A)に限らず、図1(B)〜(D)、図5(A)〜(D)、および図6(A)、(B)に示した構造を有するTFTを用いてもよい。
【0111】
このように構成したTFT30の表面側には、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜4、7が形成されている。層間絶縁膜4の表面には、データ線6aが形成され、このデータ線6aは、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続している。層間絶縁膜7の表面にはITO膜からなる画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール7aを介してドレイン電極6bに電気的に接続し、このドレイン電極6bは、層間絶縁膜4およびゲート絶縁膜2に形成されたコンタクトホール8を介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続している。この画素電極9aの表面側にはポリイミド膜からなる配向膜16が形成されている。
【0112】
また、高濃度ドレイン領域1eからの延設部分1f(下電極)に対しては、ゲート絶縁膜2aと同時形成された絶縁膜(誘電体膜)を介して、走査線3aと同層の容量線3bが上電極として対向することにより、蓄積容量70が構成されている。
【0113】
このように構成したTFTアレイ基板10と対向基板20とは、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置され、かつ、これらの基板間には、前記のシール材53(図10および図11を参照)により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶50が封入され、挟持されている。液晶50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。液晶50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したものなどからなる。
【0114】
なお、対向基板20およびTFTアレイ基板10の光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
【0115】
(周辺回路の構成)
再び図10において、本形態の電気光学装置100では、TFTアレイ基板10の表面側のうち、画像表示領域10aの周辺領域を利用してデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている。このようなデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104は、基本的には、図15および図16に示すNチャネル型のTFTとPチャネル型のTFTとによって構成されている。
【0116】
図15は、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101等の周辺回路を構成するTFTの構成を示す平面図である。図16は、この周辺回路を構成するTFTを図11のB−B′線で切断したときの断面図である。
【0117】
図15および図16において、周辺回路を構成するTFTは、Pチャネル型のTFT80とNチャネル型のTFT90とからなる相補型TFTとして構成されている。これらの駆動回路用のTFT80、90を構成する半導体膜60(輪郭を点線で示す)は、基板10b上に形成された下地保護膜12を介して島状に形成されている。
【0118】
TFT80、90には、高電位線71と低電位線72がコンタクトホール63、64を介して、半導体膜60のソース領域に電気的にそれぞれ接続されている。また、入力配線66は、共通のゲート電極65にそれぞれ接続されており、出力配線67は、コンタクトホール68、69を介して、半導体膜60のドレイン領域に電気的にそれぞれ接続されている。
【0119】
このような周辺回路領域も、画像表示領域10aと同様なプロセスを経て形成されるため、周辺回路領域にも、層間絶縁膜4、7およびゲート絶縁膜2が形成されている。
【0120】
また、駆動回路用のTFT80、90も、画素スイッチング用のTFT30と同様、チャネル形成領域81、91の両側には、高濃度ソース領域82、92と、高濃度ドレイン領域84、94とを備えている。ここで、高濃度ソース領域82、92、および高濃度ドレイン領域84、94は、ゲート電極65に対してセルフアライン的に形成されているが、TFT80、90は、図1(A)を参照して説明した構造を有しており、ドレイン端のゲート絶縁膜2が厚い。従って、TFT80、90では、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域81、91の中央部分では、ゲート絶縁膜2が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。
【0121】
なお、図16には、TFT80、90として、図1(A)を参照して説明した構造のTFTを表してあるが、図1(A)に限らず、図1(B)〜(D)、図5(A)〜(D)、および図6(A)、(B)に示した構造を有するTFTを用いてもよい。
【0122】
[その他の適用例]
上記形態では、半導体装置として、アクティブマトリクス型電気光学装置に用いるTFTアレイ基板を例に説明したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置、例えば、図17および図18を参照して以下に説明する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いるTFTアレイ基板、あるいは電気光学装置以外の半導体装置の製造などに本発明を適用してもよい。
【0123】
図17は、電荷注入型の有機薄膜エレクトロルミネセンス素子を用いたアクティブマトリクス型電気光学装置のブロック図である。図18(A)、(B)はそれぞれ、図17に示す電気光学装置に形成した画素領域を拡大して示す平面図、およびその断面図である。
【0124】
図17に示す電気光学装置100pは、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光するEL(エレクトロルミネッセンス)素子、またはLED(発光ダイオード)素子などの発光素子をTFTで駆動制御するアクティブマトリクス型の表示装置であり、このタイプの電気光学装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
【0125】
ここに示す電気光学装置100pでは、TFTアレイ基板10p上に、複数の走査線3pと、走査線3pの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線6pと、これらのデータ線6pに並列する複数の共通給電線23pと、データ線6pと走査線3pとの交差点に対応する画素領域15pとが構成されている。データ線6pに対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路101pが構成されている。走査線3pに対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路104pが構成されている。
【0126】
また、画素領域15pの各々には、走査線3pを介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT31p(半導体素子)と、この第1のTFT31pを介してデータ線6pから供給される画像信号を保持する保持容量33p(薄膜キャパシタ素子)と、この保持容量33pによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT32p(半導体素子)と、第2のTFT32pを介して共通給電線23pに電気的に接続したときに共通給電線23pから駆動電流が流れ込む発光素子40pとが構成されている。
【0127】
本形態では、図18(A)、(B)に示すように、いずれの画素領域15pにおいても、ガラスなどからなる基板10p′の表面に下地保護膜11pが形成されているとともに、この下地保護膜11pの表面に島状に形成された2つの半導体膜を利用して第1のTFT31pおよび第2のTFT32pが形成されている。また、第2のTFT32pのソース・ドレイン領域の一方には、中継電極35pが電気的に接続し、この中継電極35pには画素電極41pが電気的に接続している。この画素電極41pの上層側には、正孔注入層42p、有機エレクトロルミネッセンス材料層としての有機半導体膜43p、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電極20pが積層されている。ここで、対向電極20pは、データ線6pなどを跨いで複数の画素領域15pにわたって形成されている。
【0128】
第2のTFT32pのソース・ドレイン領域のもう一方には、コンタクトホールを介して共通給電線23pが電気的に接続している。これに対して、第1のTFT31pでは、そのソース・ドレイン領域の一方に電気的に接続する電位保持電極35pは、第2のゲート電極72pの延設部分720pに電気的に接続している。この延設部分720pに対しては、その下層側において上層側ゲート絶縁膜50pを介して半導体膜400pが対向し、この半導体膜400pは、それに導入された不純物によって導電化されているので、延設部分720pおよび上層側ゲート絶縁膜50pとともに保持容量33pを構成している。ここで、半導体膜400pに対しては層間絶縁膜51pのコンタクトホールを介して共通給電線23pが電気的に接続している。
【0129】
従って、保持容量33pは、第1のTFT31pを介してデータ線6pから供給される画像信号を保持するので、第1のTFT31pがオフになっても、第2のTFT32pのゲート電極31pは画像信号に相当する電位に保持される。それ故、発光素子40pには共通給電線23pから駆動電流が流れ続けるので、発光素子40pは発光し続け、画像を表示する。
【0130】
このようなTFTアレイ基板10pにおいても、第1のTFT31pおよび第2のTFT32pに対して、図1〜図9を参照して説明した構造を適用すれば、電気的特性の向上や信頼性の向上を図ることができる。
【0131】
[電子機器への適用]
次に、本発明を適用した電気光学装置100、100pを備えた電子機器の一例を、図19、図20(A)、(B)を参照して説明する。
【0132】
図19は、上記の電気光学装置と同様に構成された電気光学装置100を備えた電子機器の構成をブロック図である。図20(A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピュータの説明図、および携帯電話機の説明図である。
【0133】
図19において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、電気光学装置100、100p、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)、光ディスクなどのメモリ、テレビ信号の画信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットの画像信号を処理して表示情報処理回路1002に出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成され、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、電気光学装置100、100pを駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給する。なお、電気光学装置100、100pを構成するTFTアレイ基板の上に駆動回路1004を形成してもよく、それに加えて、表示情報処理回路1002もTFTアレイ基板の上に形成してもよい。
【0134】
このような構成の電子機器としては、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【0135】
すなわち、図20(A)に示すように、パーソナルコンピュータ180は、キーボード181を備えた本体部182と、表示ユニット183とを有する。表示ユニット183は、前述した電気光学装置100、100pを含んで構成される。
【0136】
また、図20(B)に示すように、携帯電話機190は、複数の操作ボタン191と、前述した電気光学装置100、100pからなる表示部とを有している。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を適用したトランジスタでは、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本発明によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態1〜4に係るセルフアライン構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態1に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図5】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態5〜8に係るLDD構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図6】図5に示すトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態5に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明の実施の形態7に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態9に係るLDD構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図10】本発明を適用した電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図11】図10のH−H′断面図である。
【図12】電気光学装置の画像表示領域において、マトリクス状に配置された複数の画素に形成された各種素子、配線などの等価回路図である
【図13】電気光学装置において、TFTアレイ基板に形成された各画素の構成を示す平面図である。
【図14】図10および図11に示す電気光学装置の画像表示領域の一部を図4のA−A′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図15】図10および図11に示す電気光学装置の画像表示領域の周辺領域に形成した回路の平面図である。
【図16】図15に示す駆動回路用のTFTの断面図である。
【図17】電荷注入型の有機薄膜エレクトロルミネセンス素子を用いたアクティブマトリクス型電気光学装置のブロック図である。
【図18】(A)、(B)はそれぞれ、図17に示す電気光学装置に形成した画素領域を拡大して示す平面図、およびその断面図である。
【図19】本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図20】(A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一実施形態としてのモバイル型のパーソナルコンピュータを示す説明図、および携帯電話機の説明図である。
【図21】(A)、(B)はそれぞれ、従来のセルフアライン構造のTFTの断面図、および従来のLDD構造のTFTの断面図である。
【符号の説明】
1a 半導体膜(多結晶のシリコン膜)、2 ゲート絶縁膜、3a 走査線、3b 容量線、4、7 層間絶縁膜、6a データ線、6b ドレイン電極、9a画素電極、10、10p TFTアレイ基板(半導体装置)、30、31p、32p、80、90 TFT(半導体素子)、40A〜40H、40L、40Mトランジスタ、100、100p 電気光学装置、400 基板、410 チャネル形成領域、411 チャネル形成領域の中央部分、412、413 チャネル形成領域の境界領域、420 ソース領域、421 低濃度ソース領域、422 高濃度ソース領域、430 ドレイン領域、431 低濃度ドレイン領域、432 高濃度ドレイン領域、450 ゲート絶縁膜、451 下層側ゲート絶縁膜、452 上層側ゲート絶縁膜、460 ゲート電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型トランジスタ、あるいはMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)型トランジスタのような電界効果型トランジスタが形成された半導体装置、この半導体装置によって電気光学物質を保持した電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクス型液晶装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの電気光学装置では、画素スイッチング用のアクティブ素子として複数の薄膜トランジスタ(電界効果型トランジスタ/以下、TFT(Thin Film Transistor)という)が形成された基板が用いられている。
【0003】
このような基板に形成されるTFTの代表的な構造としては、図21(A)に示すセルフアライン構造と、図21(B)に示すLDD構造とがある。
【0004】
これらのTFTのうち、セルフアライン構造のTFTでは、図21(A)に示すように、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対向する部分のソース領域420、およびドレイン領域430が高濃度領域となっている。このため、図2および図6に点線L2で示すように、オン電流レベルが高いという利点がある。
【0005】
しかしながら、セルフアライン構造のTFTでは、ドレイン端における電界強度が高いため、図2および図6に点線L2で示すように、オフリーク電流レベル高く、かつ、その電流レベルが急峻に跳ね上がっているという問題点がある。
【0006】
これに対して、図21(B)に示すLDD構造のTFTでは、ソース領域420およびドレイン領域430において、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対向する部分が低濃度ソース領域421、および低濃度ドレイン領域431となっている。従って、LDD構造のTFTでは、ドレイン端における電界強度が緩和されるため、図2および図6に一点鎖線L3で示すように、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【非特許文献1】
M.Yazaki、S.Takenaka and H.Ohshima:Jpn.J.Appl.Phys.vol.31(1992)Pt.1、No2App.206−209
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LDD構造のTFTでは、ソース領域420とドレイン領域430との間に低濃度領域が介在するため、図2および図6に一点鎖線L3で示したように、オン電流レベルが低いという問題点がある。また、LDD構造のTFTにおいて、オフリーク電流をさらに低減する必要がある場合に、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431の寸法をさらに長くするなどの対策を行うと、オン電流が著しく低下してしまうという問題点がある。
【0009】
このように、従来の構造では、オン電流特性とオフリーク電流とがトレードオフの関係にあって、一方の特性を向上すれば他方の特性が犠牲になるという問題点がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、オン電流特性およびオフリーク電流特性の双方に優れたトランジスタを備えた半導体装置、この半導体装置によって電気光学物質を保持した電気光学装置、この電気光学装置を用いた電子機器、および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置において、前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする。
【0012】
本願明細書における「MIS型」あるいは「MOS型」とはゲート電極が金属に限らず、導電性の半導体をゲート電極に用いたものも含む意味である。
【0013】
本発明に係るトランジスタでは、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和される。このため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄いので、オン電流レベルも高い。それ故、本発明によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0014】
本発明においては、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚くしてもよい。
【0015】
本発明において、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備える場合がある。このようなトランジスタの構造は、LDD構造あるいはオフセットゲート構造と称せられる。本願明細書において、「オフセット領域」とは、ゲート電極の端部にゲート絶縁膜を介して対峙する部分に、チャネル形成領域と同一の不純物濃度で形成されている部分を意味し、このようなオフセット領域は、ソースおよびドレイン領域をゲート電極の端部からチャネル長方向における両側にずらすことにより形成できる。
【0016】
このようなLDD構造あるいはオフセットゲート構造のトランジスタに対して本発明を適用した場合、前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い。
【0017】
本発明に係るトランジスタでは、ソース領域およびドレイン領域は、ゲート電極にゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備えているため、ドレイン端での電界強度が緩和されているので、オフリーク電流のレベルが低い。また、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度がさらに緩和されているため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄いため、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高い。
【0018】
本発明において、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚くしてもよい。
【0019】
本発明において、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域は、例えば、前記基板表面に形成された半導体膜に形成されている。
【0020】
本発明においては、前記基板が半導体基板であり、当該半導体基板に対して、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域が形成されている場合もある。
【0021】
本発明に係る半導体装置は、電気光学物質を保持する電気光学装置用基板として用いられる場合があり、この場合、当該電気光学装置用基板には、画素スイッチング用トランジスタおよび画素電極を備えた画素がマトリクス状に形成されることになる。
【0022】
このような電気光学装置において、前記電気光学物質は、例えば、前記電気光学装置用基板と対向基板との間に保持された液晶である。
【0023】
また、前記電気光学物質は、前記電気光学装置用基板上で発光素子を構成する有機エレクロトルミネッセンス材料の場合もある。
【0024】
本発明を適用した電気光学装置は、携帯電話機あるいはモバイルコンピュータなどの電子機器の表示部として用いられる。
【0025】
本発明では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする。
【0026】
本発明の別の形態では、ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
【0027】
本発明において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けてもよい。このように構成すると、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い構造となる。
【0028】
本発明において、トランジスタがLDD構造あるいはオフセットゲート構造を備えている場合、その製造方法では、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする。
【0029】
本発明の別の形態では、前記ゲート絶縁膜を形成する工程において、まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
【0030】
本発明において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けてもよい。このように構成すると、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚も、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚い構造となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
電気光学装置に用いられるTFTアレイ基板などに本発明を適用した例を説明する前に、図1〜図9を参照して、本発明の実施の形態1〜9に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)としての構成、および効果を説明する。
【0032】
図1(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態1〜4に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用したセルフアライン構造のトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。図3および図4はそれぞれ、実施の形態1、3に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
【0033】
図5(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態5〜8に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。図6は、本発明を適用したLDD構造のトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。図7および図8はそれぞれ、実施の形態5、8に係るトランジスタ単体(半導体装置単体)の製造方法を示す工程断面図である。
【0034】
図9(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態9に係るボトムゲート構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【0035】
[実施の形態1]
図1(A)において、本形態の半導体装置では、基板400の上にトランジスタ40Aが形成されており、このトランジスタ40Aは、ソース領域420とドレイン領域430との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域410と、このチャネル形成領域410にゲート絶縁膜450を介して対向するゲート電極460とを備えている。ソース領域420およびドレイン領域430には、層間絶縁膜490、およびゲート絶縁膜450に形成されたコンタクトホールを介してソース電極470およびドレイン電極480がそれぞれ電気的に接続している。
【0036】
ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460に対してセルフアライン的に不純物が導入された高濃度領域である。
【0037】
本形態では、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、ソース領域420に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0038】
すなわち、ゲート絶縁膜450は、ソース領域420、ドレイン領域430、およびチャネル形成領域410を構成する半導体膜440の表面側全体に形成された下層側ゲート絶縁膜451と、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されており、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっている。これに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451のみから構成されている。
【0039】
このように構成したトランジスタ40Aでは、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、図2に実線L1で示すように、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0040】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図3(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するためのシリコン膜などの半導体膜440を形成する。なお、図示しないが、基板400に下地絶縁膜を形成してから半導体膜440を形成してもよい。
【0041】
次に、ゲート絶縁膜形成工程では、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる下層側ゲート絶縁膜451を形成する。
【0042】
次に、図3(B)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410においてドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0043】
次に、図3(C)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層401の表面側にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる上層側ゲート絶縁膜452を形成する。この際には、カバレージの低い方法で上層側ゲート絶縁膜452を形成することが好ましい。
【0044】
次に、図3(D)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去する(リフトオフ法)。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0045】
次に、図3(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図3(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に高濃度領域からなるソース領域420およびドレイン領域430を形成する。
【0046】
[実施の形態2]
実施の形態1で説明した半導体装置の製造方法において、図3(B)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図1(B)に示すトランジスタ40Bが形成される。
【0047】
このトランジスタ40Bでは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、ソース領域420に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0048】
その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Bも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消されるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0049】
[実施の形態3]
図1(C)において、本形態の半導体装置でも、トランジスタ40Cは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、ソース領域420に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0050】
但し、本形態では、実施の形態1とは違って、ゲート絶縁膜450は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された下層側ゲート絶縁膜451と、その表面全体に形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されている。このため、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっているのに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、上層側ゲート絶縁膜452のみから構成されている。
【0051】
このように構成したトランジスタ40Cでも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本形態によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【0052】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図4(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するための半導体膜440を形成する。
【0053】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜440の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410においてドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0054】
次に、図4(B)に示すように、半導体膜440およびレジスト層401の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、図4(C)に示すように、リフトオフ法により、レジスト層401をレジスト層401を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去する。なお、上述したようなリフトオフ法によらず、半導体膜440上に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、レジスト層を形成してパターニングしてもよい。
【0055】
次に、図4(D)に示すように、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成する。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0056】
次に、図4(E)に示すように、ゲート電極450を形成した後、図4(F)に示すように、ゲート電極450をマスクにして半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極450に対してセルフアライン的に高濃度領域からなるソース領域420およびドレイン領域430を形成する。
【0057】
[実施の形態4]
実施の形態3で説明した半導体装置の製造方法において、図4(A)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図1(D)に示すトランジスタ40Dが形成される。
【0058】
このトランジスタ40Dでは、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、ソース領域420に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0059】
その他の構成は、実施の形態3と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Dも、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消されるなど、実施の形態3と同様な効果を奏する。
【0060】
[実施の形態5]
図5(A)において、本形態の半導体装置では、基板400の上にLDD構造のトランジスタ40Eが形成されており、このトランジスタ40Eは、ソース領域420とドレイン領域430との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域410と、このチャネル形成領域410にゲート絶縁膜450を介して対向するゲート電極460とを備えている。ソース領域420およびドレイン領域430には、層間絶縁膜490およびゲート絶縁膜450に形成されたコンタクトホールを介してソース電極470およびドレイン電極480がそれぞれ電気的に接続している。
【0061】
ソース領域420およびドレイン領域430は、ゲート電極460の端部に対してゲート絶縁膜450を介して対峙する部分に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を備え、その外側に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を備えている。
【0062】
本形態では、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0063】
すなわち、ゲート絶縁膜450は、ソース領域420、ドレイン領域430、およびチャネル形成領域410を構成する半導体膜440の表面側全体に形成された下層側ゲート絶縁膜451と、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されており、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっている。これに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451のみから構成されている。
【0064】
このように構成したトランジスタ40Eでは、ゲート電極460にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分に低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421を備えているため、図6に実線L11で示すように、ドレイン端での電界強度が緩和されているので、オフリーク電流のレベルが低い。また、ドレイン端のゲート絶縁膜450が厚いので、ドレイン端での電界強度がさらに緩和されているため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。それでも、チャネル形成領域410の中央部分411では、ゲート絶縁膜450が薄いため、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高い。
【0065】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図7(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するためのシリコン膜などの半導体膜440を形成する。
【0066】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる下層側ゲート絶縁膜451を形成する。
【0067】
次に、図7(B)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410において低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0068】
次に、図7(C)に示すように、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層401の表面側にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などからなる上層側ゲート絶縁膜452を形成する。この際には、カバレージの低い方法で上層側ゲート絶縁膜452を形成することが好ましい。
【0069】
次に、図7(D)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去する(リフトオフ法)。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0070】
次に、図7(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図7(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に低濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を形成する。
【0071】
しかる後には、図7(G)に示すように、ゲート電極460を広めに覆うレジストマスク402を形成した後、このレジストマスク402の開口から半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分から外側にずれた部分に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を形成する。その結果、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分には、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431が残る。
【0072】
[実施の形態6]
実施の形態5で説明した半導体装置の製造方法において、図7(B)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図5(B)に示すトランジスタ40Fが形成される。
【0073】
このトランジスタ40Fでは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0074】
その他の構成は、実施の形態5と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Fも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0075】
[実施の形態7]
図5(C)において、本形態の半導体装置でも、トランジスタ40Gは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。また、チャネル形成領域410のうち、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚も、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚い。
【0076】
但し、本形態では、実施の形態5とは違って、ゲート絶縁膜450は、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分を避けるように形成された下層側ゲート絶縁膜451と、その表面全体に形成された上層側ゲート絶縁膜452とから構成されている。このため、チャネル形成領域410のうち、ドレイン領域430およびソース領域420に隣接する境界領域412、413と重なる部分のゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造になっているのに対して、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450は、上層側ゲート絶縁膜452のみから構成されている。
【0077】
このように構成したトランジスタ40Gでも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0078】
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、まず、図8(A)に示すように、基板400の表面にチャネル形成領域410、ソース領域420、およびドレイン領域430を形成するための半導体膜440を形成する。
【0079】
次に、ゲート絶縁膜形成工程において、半導体膜440の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層401を形成するとともに、チャネル形成領域410において低濃度ドレイン領域431および低濃度ソース領域421に隣接する境界領域412、413と重なる部分に対してはレジスト層401の形成を避ける。
【0080】
次に、図8(B)に示すように、半導体膜440およびレジスト層401の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、図8(C)に示すように、レジスト層401をレジスト層401を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去する。
【0081】
次に、図8(D)に示すように、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成する。その結果、ゲート絶縁膜450は、下層側ゲート絶縁膜451と上層側ゲート絶縁膜452との二層構造の厚い部分と、下層側ゲート絶縁膜451のみからなる薄い部分を有することになる。
【0082】
次に、図8(E)に示すように、ゲート電極460を形成した後、図8(F)に示すように、ゲート電極460をマスクにして半導体膜440に低濃度の不純物を導入して、ゲート電極460に対してセルフアライン的に低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431を形成する。
【0083】
しかる後には、図8(G)に示すように、ゲート電極460を広めに覆うレジストマスク402を形成した後、このレジストマスク402の開口から半導体膜440に高濃度の不純物を導入して、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分から外側にずれた部分に高濃度ソース領域422および高濃度ドレイン領域432を形成する。その結果、ゲート電極460の端部にゲート絶縁膜450を介して対峙する部分には、低濃度ソース領域421および低濃度ドレイン領域431が残る。
【0084】
[実施の形態8]
実施の形態7で説明した半導体装置の製造方法において、図8(A)を参照して説明した工程で、レジスト層401の形成範囲を一点鎖線401′で示す範囲まで広げれば、図5(D)に示すトランジスタ40Hが形成される。
【0085】
このトランジスタ40Hでは、チャネル形成領域410のうち、低濃度ドレイン領域431に隣接する境界領域412と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚が、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450の膜厚に比して厚いが、低濃度ソース領域421に隣接する境界領域413と重なる部分のゲート絶縁膜450については、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分のゲート絶縁膜450と膜厚が等しい。
【0086】
その他の構成は、実施の形態7と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示することにしてそれらの説明を省略するが、本形態のトランジスタ40Hも、オフリーク電流レベルが低いわりには、オン電流レベルのレベルが高いなど、実施の形態5と同様な効果を奏する。
【0087】
[実施の形態9]
実施の形態1〜4は、トップゲート型のセルフアライン構造のトランジスタに本発明を適用したが、図9(A)に示すように、ボトムゲート型のセルフアライン構造のトランジスタ40Lに本発明を適用してもよい。
【0088】
また、実施の形態5〜8は、トップゲート型のLDD構造のトランジスタに本発明を適用したが、図9(B)に示すように、ボトムゲート型のLDD構造のトランジスタ40Mに本発明を適用してもよい。
【0089】
これらのいずれのトランジスタ40L、40Mも、実施の形態1〜8と比較して、ゲート絶縁膜450に対するゲート電極460とチャネル形成領域410の上下位置が反対になっている他、その基本的な構造は、実施の形態1〜8と同様である。従って、共通する部分については、同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
【0090】
また、その製造方法では、図3あるいは図7を参照して説明したように、ゲート絶縁膜形成工程において、下層側ゲート絶縁膜451を形成した後、下層側ゲート絶縁膜451の表面のうち、少なくともチャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層を選択的に形成する。次に、下層側ゲート絶縁膜451およびレジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜452を形成した後、レジスト層をこのレジスト層を覆う上層側ゲート絶縁膜452とともに除去すればよい。
【0091】
また、図4あるいは図8を参照して説明したように、ゲート絶縁膜形成工程において、チャネル形成領域410のチャネル長方向における中央部分411と重なる部分にレジスト層を選択的に形成した後、レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜451を形成する。次に、レジスト層をこのレジスト層を覆う下層側ゲート絶縁膜451とともに除去し、しかる後に、表面全体に上層側ゲート絶縁膜452を形成すればよい。
【0092】
[その他の実施の形態]
上記形態1〜9では、基板400上に形成した半導体膜440を用いて、トランジスタとしてTFTを製造したが、半導体層として、半導体基板上にエピタキシャル成長させた半導体層、あるいは半導体基板の表面自身を用いてもよい。この場合の構造、および製造方法は、それらの半導体層が半導体膜440に代わるだけであるため、説明を省略する。
【0093】
また、上記形態5〜8は、LDD構造のTFTをベースに本発明を適用した例であったが、オフセットゲート構造のTFTをベースに本発明を適用してもよい。この場合は図5において低濃度ソース領域421、および低濃度ドレイン領域431がそれぞれ、チャネル形成領域410と不純物濃度が等しいオフセット領域となるだけであり、製造方法において、図7(F)、および図8(F)を参照して説明した低濃度の不純物の導入工程を省略するだけであるため、説明を省略する。
【0094】
[電気光学装置への適用例]
次に、本発明に係る半導体装置を電気光学物質を保持する電気光学装置用基板(TFTアレイ基板)として用いる例を説明する。
【0095】
(全体構成)
図10は、電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図11は、対向基板を含めて示す図1のH−H′断面図である。
【0096】
図10において、本形態の電気光学装置100は、アクティブマトリクス型の液晶装置であり、TFTアレイ基板10の上には、シール材107が対向基板20の縁に沿うように設けられている。シール材107の外側の領域には、データ線駆動回路101および実装端子102(信号入力端子)がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って形成されている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられており、更に、額縁108の下などを利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が形成されている。
【0097】
そして、図11に示すように、図10に示したシール材107とほぼ同じ輪郭をもつ対向基板20がこのシール材107によりTFTアレイ基板10に固着されている。なお、シール材107は、TFTアレイ基板10と対向基板20とをそれらの周辺で貼り合わせるための光硬化樹脂や熱硬化性樹脂などからなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0098】
詳しくは後述するが、TFTアレイ基板10には、画素電極9aがマトリクス状に形成されている。これに対して、対向基板20には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像表示領域10aとされている。さらに、TFTアレイ基板10に形成されている画素電極(後述する)の縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、あるいはブラックストライプなどと称せられる遮光膜23が形成され、その上層側には、ITO膜からなる対向電極21が形成されている。
【0099】
このように形成した電気光学装置100は、投射型表示装置(液晶プロジェクタ)に使用される場合、3枚の電気光学装置100がRGB用のライトバルブとして各々使用され、各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、前記した各形態の電気光学装置100にはカラーフィルタが形成されていない。但し、対向基板20において各画素電極9aに対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成することにより、投射型表示装置以外にも、後述するモバイルコンピュータ、携帯電話機、液晶テレビなどといった電子機器のカラー表示装置として用いることができる。
【0100】
さらに、対向基板20に対して、各画素に対応するようにマイクロレンズを形成することにより、入射光の画素電極9aに対する集光効率を高めることができるので、明るい表示を行うことができる。さらにまた、対向基板20に何層もの屈折率の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付きの対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うことができる。
【0101】
(電気光学装置100の構成および動作)
次に、アクティブマトリクス型の電気光学装置100の構成および動作について、図12ないし図14を参照して説明する。
【0102】
図12は、電気光学装置100の画像表示領域10aを構成するためにマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線などの等価回路図である。図13は、データ線、走査線、画素電極などが形成されたTFTアレイ基板において相隣接する画素の平面図である。図14は、図13のA−A′線に相当する位置での断面、およびTFTアレイ基板と対向基板との間に電気光学物質としての液晶を封入した状態の断面を示す説明図である。なお、これらの図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0103】
図12において、電気光学装置100の画像表示領域10aにおいて、マトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a、および画素電極9aを制御するための画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号を供給するデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2・・・Snは、この順に線順次に供給する。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2・・・Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2・・・Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、・・・Snは、対向基板20に形成された対向電極21(図11参照)との間で一定期間保持される。
【0104】
ここで、保持された画素信号がリークするのを防ぐことを目的に、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70(キャパシタ)を付加することがある。この蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧は、例えば、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い表示を行うことのできる電気光学装置が実現できる。なお、蓄積容量70を形成する方法としては、容量を形成するための配線である容量線3bとの間に形成する場合、あるいは前段の走査線3aとの間に形成する場合もいずれであってもよい。
【0105】
図13において、電気光学装置100のTFTアレイ基板10上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線で囲まれた領域)が各画素毎に形成され、画素電極9aの縦横の境界領域に沿ってデータ線6a(一点鎖線で示す)、走査線3a(実線で示す)、および容量線3b(実線で示す)が形成されている。
【0106】
図14に示すように、TFTアレイ基板10の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明基板10bからなり、対向基板20の基体は、石英基板や耐熱性ガラス板などの透明基板20bからなる。TFTアレイ基板10には画素電極9aが形成されており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施されたポリイミド膜などからなる配向膜16が形成されている。画素電極9aは、たとえばITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明な導電性膜からなる。また、配向膜16は、たとえばポリイミド膜などの有機膜に対してラビング処理を行うことにより形成される。なお、対向基板20において、対向電極21の上層側にも、ポリイミド膜からなる配向膜22が形成され、この配向膜22も、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。
【0107】
TFTアレイ基板10には、透明基板10bの表面に下地保護膜12が形成されているとともに、その表面側において、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用のTFT30が形成されている。
【0108】
図13および図14に示すように、画素スイッチング用のTFT30は、島状のシリコン膜からなる半導体膜1aに対して、チャネル形成領域1a′、高濃度ソース領域1d、並びに高濃度ドレイン領域1eが形成されている。また、半導体膜1aの上層側には、この半導体膜1aと走査線3aとを絶縁するゲート絶縁膜2が形成されている。
【0109】
ここで、高濃度ソース領域1d、および高濃度ドレイン領域1eは、ゲート電極(走査線3a)に対してセルフアライン的に形成されているが、TFT30は、図1(A)を参照して説明した構造を有しており、ドレイン端のゲート絶縁膜2が厚い。従って、TFT30では、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域1a′の中央部分では、ゲート絶縁膜2が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。
【0110】
なお、図14には、TFT30として、図1(A)を参照して説明した構造のTFTを表してあるが、図1(A)に限らず、図1(B)〜(D)、図5(A)〜(D)、および図6(A)、(B)に示した構造を有するTFTを用いてもよい。
【0111】
このように構成したTFT30の表面側には、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜4、7が形成されている。層間絶縁膜4の表面には、データ線6aが形成され、このデータ線6aは、層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール5を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続している。層間絶縁膜7の表面にはITO膜からなる画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜7に形成されたコンタクトホール7aを介してドレイン電極6bに電気的に接続し、このドレイン電極6bは、層間絶縁膜4およびゲート絶縁膜2に形成されたコンタクトホール8を介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続している。この画素電極9aの表面側にはポリイミド膜からなる配向膜16が形成されている。
【0112】
また、高濃度ドレイン領域1eからの延設部分1f(下電極)に対しては、ゲート絶縁膜2aと同時形成された絶縁膜(誘電体膜)を介して、走査線3aと同層の容量線3bが上電極として対向することにより、蓄積容量70が構成されている。
【0113】
このように構成したTFTアレイ基板10と対向基板20とは、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置され、かつ、これらの基板間には、前記のシール材53(図10および図11を参照)により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶50が封入され、挟持されている。液晶50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。液晶50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したものなどからなる。
【0114】
なお、対向基板20およびTFTアレイ基板10の光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
【0115】
(周辺回路の構成)
再び図10において、本形態の電気光学装置100では、TFTアレイ基板10の表面側のうち、画像表示領域10aの周辺領域を利用してデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている。このようなデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104は、基本的には、図15および図16に示すNチャネル型のTFTとPチャネル型のTFTとによって構成されている。
【0116】
図15は、走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101等の周辺回路を構成するTFTの構成を示す平面図である。図16は、この周辺回路を構成するTFTを図11のB−B′線で切断したときの断面図である。
【0117】
図15および図16において、周辺回路を構成するTFTは、Pチャネル型のTFT80とNチャネル型のTFT90とからなる相補型TFTとして構成されている。これらの駆動回路用のTFT80、90を構成する半導体膜60(輪郭を点線で示す)は、基板10b上に形成された下地保護膜12を介して島状に形成されている。
【0118】
TFT80、90には、高電位線71と低電位線72がコンタクトホール63、64を介して、半導体膜60のソース領域に電気的にそれぞれ接続されている。また、入力配線66は、共通のゲート電極65にそれぞれ接続されており、出力配線67は、コンタクトホール68、69を介して、半導体膜60のドレイン領域に電気的にそれぞれ接続されている。
【0119】
このような周辺回路領域も、画像表示領域10aと同様なプロセスを経て形成されるため、周辺回路領域にも、層間絶縁膜4、7およびゲート絶縁膜2が形成されている。
【0120】
また、駆動回路用のTFT80、90も、画素スイッチング用のTFT30と同様、チャネル形成領域81、91の両側には、高濃度ソース領域82、92と、高濃度ドレイン領域84、94とを備えている。ここで、高濃度ソース領域82、92、および高濃度ドレイン領域84、94は、ゲート電極65に対してセルフアライン的に形成されているが、TFT80、90は、図1(A)を参照して説明した構造を有しており、ドレイン端のゲート絶縁膜2が厚い。従って、TFT80、90では、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域81、91の中央部分では、ゲート絶縁膜2が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。
【0121】
なお、図16には、TFT80、90として、図1(A)を参照して説明した構造のTFTを表してあるが、図1(A)に限らず、図1(B)〜(D)、図5(A)〜(D)、および図6(A)、(B)に示した構造を有するTFTを用いてもよい。
【0122】
[その他の適用例]
上記形態では、半導体装置として、アクティブマトリクス型電気光学装置に用いるTFTアレイ基板を例に説明したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置、例えば、図17および図18を参照して以下に説明する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いるTFTアレイ基板、あるいは電気光学装置以外の半導体装置の製造などに本発明を適用してもよい。
【0123】
図17は、電荷注入型の有機薄膜エレクトロルミネセンス素子を用いたアクティブマトリクス型電気光学装置のブロック図である。図18(A)、(B)はそれぞれ、図17に示す電気光学装置に形成した画素領域を拡大して示す平面図、およびその断面図である。
【0124】
図17に示す電気光学装置100pは、有機半導体膜に駆動電流が流れることによって発光するEL(エレクトロルミネッセンス)素子、またはLED(発光ダイオード)素子などの発光素子をTFTで駆動制御するアクティブマトリクス型の表示装置であり、このタイプの電気光学装置に用いられる発光素子はいずれも自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。
【0125】
ここに示す電気光学装置100pでは、TFTアレイ基板10p上に、複数の走査線3pと、走査線3pの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線6pと、これらのデータ線6pに並列する複数の共通給電線23pと、データ線6pと走査線3pとの交差点に対応する画素領域15pとが構成されている。データ線6pに対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路101pが構成されている。走査線3pに対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査側駆動回路104pが構成されている。
【0126】
また、画素領域15pの各々には、走査線3pを介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT31p(半導体素子)と、この第1のTFT31pを介してデータ線6pから供給される画像信号を保持する保持容量33p(薄膜キャパシタ素子)と、この保持容量33pによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT32p(半導体素子)と、第2のTFT32pを介して共通給電線23pに電気的に接続したときに共通給電線23pから駆動電流が流れ込む発光素子40pとが構成されている。
【0127】
本形態では、図18(A)、(B)に示すように、いずれの画素領域15pにおいても、ガラスなどからなる基板10p′の表面に下地保護膜11pが形成されているとともに、この下地保護膜11pの表面に島状に形成された2つの半導体膜を利用して第1のTFT31pおよび第2のTFT32pが形成されている。また、第2のTFT32pのソース・ドレイン領域の一方には、中継電極35pが電気的に接続し、この中継電極35pには画素電極41pが電気的に接続している。この画素電極41pの上層側には、正孔注入層42p、有機エレクトロルミネッセンス材料層としての有機半導体膜43p、リチウム含有アルミニウム、カルシウムなどの金属膜からなる対向電極20pが積層されている。ここで、対向電極20pは、データ線6pなどを跨いで複数の画素領域15pにわたって形成されている。
【0128】
第2のTFT32pのソース・ドレイン領域のもう一方には、コンタクトホールを介して共通給電線23pが電気的に接続している。これに対して、第1のTFT31pでは、そのソース・ドレイン領域の一方に電気的に接続する電位保持電極35pは、第2のゲート電極72pの延設部分720pに電気的に接続している。この延設部分720pに対しては、その下層側において上層側ゲート絶縁膜50pを介して半導体膜400pが対向し、この半導体膜400pは、それに導入された不純物によって導電化されているので、延設部分720pおよび上層側ゲート絶縁膜50pとともに保持容量33pを構成している。ここで、半導体膜400pに対しては層間絶縁膜51pのコンタクトホールを介して共通給電線23pが電気的に接続している。
【0129】
従って、保持容量33pは、第1のTFT31pを介してデータ線6pから供給される画像信号を保持するので、第1のTFT31pがオフになっても、第2のTFT32pのゲート電極31pは画像信号に相当する電位に保持される。それ故、発光素子40pには共通給電線23pから駆動電流が流れ続けるので、発光素子40pは発光し続け、画像を表示する。
【0130】
このようなTFTアレイ基板10pにおいても、第1のTFT31pおよび第2のTFT32pに対して、図1〜図9を参照して説明した構造を適用すれば、電気的特性の向上や信頼性の向上を図ることができる。
【0131】
[電子機器への適用]
次に、本発明を適用した電気光学装置100、100pを備えた電子機器の一例を、図19、図20(A)、(B)を参照して説明する。
【0132】
図19は、上記の電気光学装置と同様に構成された電気光学装置100を備えた電子機器の構成をブロック図である。図20(A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピュータの説明図、および携帯電話機の説明図である。
【0133】
図19において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、電気光学装置100、100p、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)、光ディスクなどのメモリ、テレビ信号の画信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットの画像信号を処理して表示情報処理回路1002に出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成され、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、電気光学装置100、100pを駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給する。なお、電気光学装置100、100pを構成するTFTアレイ基板の上に駆動回路1004を形成してもよく、それに加えて、表示情報処理回路1002もTFTアレイ基板の上に形成してもよい。
【0134】
このような構成の電子機器としては、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【0135】
すなわち、図20(A)に示すように、パーソナルコンピュータ180は、キーボード181を備えた本体部182と、表示ユニット183とを有する。表示ユニット183は、前述した電気光学装置100、100pを含んで構成される。
【0136】
また、図20(B)に示すように、携帯電話機190は、複数の操作ボタン191と、前述した電気光学装置100、100pからなる表示部とを有している。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を適用したトランジスタでは、ドレイン端のゲート絶縁膜が厚いので、ドレイン端での電界強度が緩和されるため、オフリーク電流レベルが低く、かつ、電流レベルの急峻な跳ね上がりも解消される。また、チャネル形成領域の中央部分では、ゲート絶縁膜が薄く、かつ、LDD構造と違って低濃度領域がないので、オン電流レベルも高い。それ故、本発明によれば、オン電流特性、およびオフリーク電流特性の双方を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態1〜4に係るセルフアライン構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態1に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図5】(A)〜(D)はそれぞれ、本発明の実施の形態5〜8に係るLDD構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図6】図5に示すトランジスタのオン電流特性、およびオフリーク電流特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態5に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図8】本発明の実施の形態7に係るトランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形態9に係るLDD構造のトランジスタ単体(半導体装置単体)の構成を示す断面図である。
【図10】本発明を適用した電気光学装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図11】図10のH−H′断面図である。
【図12】電気光学装置の画像表示領域において、マトリクス状に配置された複数の画素に形成された各種素子、配線などの等価回路図である
【図13】電気光学装置において、TFTアレイ基板に形成された各画素の構成を示す平面図である。
【図14】図10および図11に示す電気光学装置の画像表示領域の一部を図4のA−A′線に相当する位置で切断したときの断面図である。
【図15】図10および図11に示す電気光学装置の画像表示領域の周辺領域に形成した回路の平面図である。
【図16】図15に示す駆動回路用のTFTの断面図である。
【図17】電荷注入型の有機薄膜エレクトロルミネセンス素子を用いたアクティブマトリクス型電気光学装置のブロック図である。
【図18】(A)、(B)はそれぞれ、図17に示す電気光学装置に形成した画素領域を拡大して示す平面図、およびその断面図である。
【図19】本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図20】(A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一実施形態としてのモバイル型のパーソナルコンピュータを示す説明図、および携帯電話機の説明図である。
【図21】(A)、(B)はそれぞれ、従来のセルフアライン構造のTFTの断面図、および従来のLDD構造のTFTの断面図である。
【符号の説明】
1a 半導体膜(多結晶のシリコン膜)、2 ゲート絶縁膜、3a 走査線、3b 容量線、4、7 層間絶縁膜、6a データ線、6b ドレイン電極、9a画素電極、10、10p TFTアレイ基板(半導体装置)、30、31p、32p、80、90 TFT(半導体素子)、40A〜40H、40L、40Mトランジスタ、100、100p 電気光学装置、400 基板、410 チャネル形成領域、411 チャネル形成領域の中央部分、412、413 チャネル形成領域の境界領域、420 ソース領域、421 低濃度ソース領域、422 高濃度ソース領域、430 ドレイン領域、431 低濃度ドレイン領域、432 高濃度ドレイン領域、450 ゲート絶縁膜、451 下層側ゲート絶縁膜、452 上層側ゲート絶縁膜、460 ゲート電極
Claims (20)
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置において、
前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1において、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備え、
前記チャネル形成領域のうち、少なくとも前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする半導体装置。 - 請求項3において、前記チャネル形成領域のうち、前記ソース領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚が、前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分の前記ゲート絶縁膜の膜厚に比して厚いことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域は、前記基板表面に形成された半導体膜に形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記基板は、半導体基板であり、当該半導体基板に対して、前記チャネル形成領域、前記ソース領域、および前記ドレイン領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに規定する半導体装置が、電気光学物質を保持する電気光学装置用基板として用いられ、
当該電気光学装置用基板では、画素スイッチング用トランジスタおよび画素電極を備えた画素がマトリクス状に形成されていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項7において、前記電気光学物質は、前記電気光学装置用基板と対向基板との間に保持された液晶であることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項7において、前記電気光学物質は、前記電気光学装置用基板上で発光素子を構成する有機エレクロトルミネッセンス材料であることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項7に規定する電気光学装置を用いたことを特徴とする電子機器。
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、
まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、
次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、
次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、
しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項11において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、
まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、
次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、
次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、
しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項13において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを有し、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、
まず、下層側ゲート絶縁膜を形成し、
次に、当該下層側ゲート絶縁膜の表面のうち、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、
次に、前記下層側ゲート絶縁膜および前記レジスト層の表面側に上層側ゲート絶縁膜を形成し、
しかる後に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記上層側ゲート絶縁膜とともに除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項15において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域の低濃度ソース領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- ソース領域とドレイン領域との間にチャネルを形成可能なチャネル形成領域と、該チャネル形成領域にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極とを有し、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート電極に前記ゲート絶縁膜を介して対峙する部分に低濃度領域あるいはオフセット領域を備えたトランジスタが基板上に形成された半導体装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁膜を形成する工程では、
まず、少なくとも前記チャネル形成領域のチャネル長方向における中央部分と重なる部分にレジスト層を形成するとともに、少なくとも当該チャネル形成領域において前記ドレイン領域の低濃度領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しては前記レジスト層の形成を避け、
次に、前記レジスト層の表面側に下層側ゲート絶縁膜を形成し、
次に、前記レジスト層を当該レジスト層を覆う前記下層側ゲート絶縁膜とともに除去し、
しかる後に、前記下層側ゲート絶縁膜の表面に上層側ゲート絶縁膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項17において、前記レジスト層については、前記チャネル形成領域において前記ソース領域の低濃度ソース領域あるいはオフセット領域に隣接する境界領域と重なる部分に対しても形成を避けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項11ないし18のいずれかにおいて、前記半導体層は、前記基板表面に形成された半導体膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 請求項11ないし18のいずれかにおいて、前記半導体層は、前記基板を構成する半導体基板の表面であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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2003
- 2003-07-11 JP JP2003196116A patent/JP2004165622A/ja not_active Withdrawn
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