JP2006306967A - イオン性色素化合物の精製方法およびインクジェット用記録液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】残留有機溶媒が混入したイオン性色素化合物の水溶液または懸濁液を、多孔質分離材を介して透析する工程を含むイオン性色素化合物の精製方法を採用した。
【選択図】なし
Description
このように従来の精製方法は、生産性、操作性、コスト、品質、反応1回あたりの処理量、環境への配慮等などを考慮すると決して有利な方法とは言えなかった。
従って本発明が解決しようとする課題は、前記の諸問題点を解決し、工業的規模で経済的に、効率よく残留有機化合物が混入するイオン性色素化合物から残留有機溶媒を低減し、該化合物を精製する方法およびインクジェット用記録液を提供することにある。
(1)残留有機溶媒が混入したイオン性色素化合物の水溶液または懸濁液を、多孔質分離材を介して透析する工程を含むイオン性色素化合物の精製方法。
(2)前記残留有機溶媒が、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、スルホン系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒および飽和炭化水素系溶媒の少なくとも1種を含む(1)に記載の精製方法。
(3)前記残留有機溶媒の少なくとも1種が、沸点100℃以上の有機溶媒である、(2)に記載の精製方法。
(4)前記透析前のイオン性色素化合物における前記残留有機溶媒の総混入量が、1000ppm以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の精製方法。
(5)前記多孔質分離材が、逆浸透膜または限外ろ過膜である、(1)〜(4)のいずれかに記載の精製方法。
(6)前記イオン性色素化合物が、2個以上のアニオン性基を有しており、かつその対イオンがアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンである、(1)〜(5)のいずれかに記載の精製方法。
(7)前記イオン性色素化合物が、フタロシアニン化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の精製方法。
(8)前記フタロシアニン化合物が、下記一般式(1)または(1A)で表される化合物である、(7)に記載の精製方法。
(9)前記イオン性色素化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、(1)〜(6)のいずれかに記載の精製方法。
A−N=N−B (2)
(一般式(2)中、AおよびBは各々独立に、少なくとも1個のアニオン性基を有する複素環基を表す。)
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の精製方法で精製されたイオン性色素化合物を含有する、インクジェット用記録液。
イオン性色素化合物のイオン性基の数は、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは4個以上であり、上限は特に限定されるものではないが、12個以下が好ましく、より好ましくは10個以下、さらに好ましくは8個以下である。
なお、本発明においては、イオン性色素化合物は、水溶性色素、水溶性の有色添加物、水に分散しうる顔料であることが好ましく、分子量400〜2000のものがより好ましい。
イオン性基とは、水溶液中でイオン解離する基またはイオン解離しうる基であり、好ましくは、アニオン性基(好ましくは、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基)または、カチオン性基(好ましくは、1〜4級アミノ基)であり、より好ましくはアニオン性基であり、カルボキシル基またはスルホ基がさらに好ましい。
なお、一のイオン性色素化合物内に、イオン性基が複数存在する場合には、これらのイオン性基は互いに同一でも異なっていてもよい。また、ノニオン性親水性基(水酸基、エチレンオキシ基等のエーテル結合を有する基等)が色素化合物の分子内に共存して親水性を高めるイオン性化合物も好ましい。
これらの中でもアゾ色素、ポリアゾ色素、金属錯体アゾ色素、アントラピリドン色素、フタロシアニン色素がより好ましく、アゾ色素、ポリアゾ色素、フタロシアニン色素がより好ましい。
R1、R2は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基がより好ましい。また、R1が水素原子の場合、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基が好ましい。
複素環基を、置換位置を省略して環の名称で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジン環であれは2位、3位、4位で置換することが可能である。他にはピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、ピロリジン環、ピペラジン環、チアゾリン環等が挙げられる。これらの中でも芳香族複素環基が好ましく、その具体例としてはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環等を挙げることができる。これらは置換基を有していてもよく、該置換基の例としては、前述のイオン性基や後述のY1〜Y4における置換基が挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と同一である。
また、これらの各基はさらに置換基を有してもよい。このような場合、該置換基としては上記に例示したものが好ましい。これらの置換基はさらに置換基で置換されていてもよく、例えばアリール基を置換基として有する基の場合、そのアリール基上に、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基などを、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜2個有していてもよい。また本明細書において「ハロゲン原子」という場合にはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素のいずれでもよく、ハロゲン原子を含む置換基(例えばハロアルキル基など)において2個以上のハロゲン原子が存在する場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。
金属原子としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、SbおよびBi等が挙げられる。金属原子の酸化物としてはVOおよびGeO等が挙げられる。金属原子の水酸化物としてはSi(OH)2、Cr(OH)2およびSn(OH)2等が挙げられる。金属原子のハロゲン化物としてはAlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeClおよびZrCl等が挙げられる。
Mは、Li、Mg、Ti、Zr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、VOが好ましく、Mg、Ti、Mo、Co、Ni、Cu、Zn、Al、VOがより好ましく、Ni、Cu、Zn、VOがさらに好ましく、Cuが最も好ましい。
A−N=N−B (2)
一般式(2)中、AおよびBは各々独立に、少なくとも1個のアニオン性基を有する複素環基を表す。
複素環基としては5員環または6員環のものが好ましく、単環構造であっても2つ以上の環が縮合した多環構造であってもよい。該複素環基は環構成原子に窒素原子、酸素原子、硫黄原子のいずれかを少なくとも1つ含むものが好ましい。また複素環基は、AおよびBのうちの少なくとも一方が芳香族複素環基であることが好ましく、両方が芳香族複素環基であることがさらに好ましい。
以下に本発明における好ましいイオン性色素化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に示す化合物には互変異性体が存在する場合があるが、本明細書に記載された化学構造式は便宜上これらの互変異性体の1つを記載したものであることを理解すべきである。従って、いずれの互変異性体も本発明の範囲に包含されることはいうまでもない。
本発明では、残留有機溶媒が混入したイオン性色素化合物の水溶液または懸濁液を、多孔質分離材を介して透析することにより、残留有機溶媒の混入量を低減し、イオン性色素化合物を精製するものである。このとき、混入する他の不純物(例えば、無機塩、無機イオン、反応に使用した触媒や有機若しくは無機の酸や塩基等)も除去できる。なお、本発明においては、水溶性の反応液をそのまま透析する場合には、反応液自体にイオン性色素化合物が溶解または懸濁状態となっているものを使用する限りにおいて、本発明に包含されるものである。
本発明における残留有機溶媒は、イオン性色素化合物を合成する際に、反応溶媒に有機溶媒を使用した場合や反応処理に有機溶媒を使用した場合に、合成されたイオン性色素化合物に混入するものである。これらの有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1−ブタノール)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド)、ハロゲン系溶媒(例えば、脂肪族ハロゲン化溶媒、芳香族ハロゲン化溶媒を含む)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピリドン)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドルフラン、ジオキサン)、飽和炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル)が挙げられ、本発明においてはアルコール系溶媒、芳香族系溶媒、スルホン系溶媒が残留する場合により好ましく適用される。
これらのうち、沸点が100℃以上(好ましくは150℃上で、上限は特に限定されるものではないが、400℃以下が好ましい)の有機溶媒が混入した場合に、特に有効である。ここで、沸点が100℃以上の溶媒としては、エチレングリコール、トルエン、ニトロベンゼン、スルホランを例示することができ、好ましく適用される。中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1−ブタノール、ニトロベンゼン、スルホランの場合に特に好ましく適用される。
圧力は、0.1〜50kg/cm2の範囲が好ましい。圧力を0.1kg/cm2以下とすることにより、被処理液の透過流速が遅くなるのをより効果的に抑止でき、50kg/cm2以上とすることにより、分離材あるいはユニットを形成しているハウジング部、シール部等の耐久性をより効果的に保持できる。
pHは、膜の耐久範囲内(例えば、pH2.0〜11.0の範囲)から選択され、多孔質分離材を介して処理されるイオン性色素化合物がカルボキシル基、スルホ基、リン酸基を有する場合は、結晶析出をより効果的に防ぐため、好ましくは5.0〜10.0、より好ましくは6.0〜9.0のpH範囲で処理が行われる。温度は5.0〜80℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜45℃の間の温度が選ばれる。分離膜の材質や形態、処理液の粘度等によって最適操作温度は異なり、予備実験にて確認される。
本発明の精製方法は種々の用途に供されるイオン性色素化合物に適用可能であるが、好適な対象の1つとしてインクジェット用記録液に用いる色素が挙げられる。本発明の精製方法により精製された色素化合物を、必要に応じ高純度水を加えて所望の色濃度に調整する。色濃度の調整は、溶液の吸光度を測定することで判断することができる。記録液の調整は常法に従って行うことが可能であり、得られた色素水溶液に公知の各種添加剤を配合し、インクジェット記録液が得られる。
特開2004−315729号公報に記載の方法に準じて合成した。反応式を以下に示す。
アセトン(500mL)を内温70℃に保ちながら滴下し、反応混合物を1時間加熱還流した。25℃まで冷却ののち析出した結晶をろ過して集め、アセトンで洗浄、乾燥して目的とする化合物1−1を青紫色粉体として得た。収量は25.8gであった。これを化合物1−1(粗)とする。
反応式を以下に示す。
反応式を以下に示す。
特開2004−35773号公報に記載の方法に従って合成した。反応式を以下に示す。
特開2004−35773号公報に記載の方法に準じて合成した。反応式を以下に示す。
析出した無機塩をろ過して除去し、濾液に無水酢酸カリウム(7.8g)を添加した。さらにメタノール(40mL)、エタノール(160mL)をこの順に滴下し、反応混合物を内温0〜10℃で攪拌した。析出した結晶をろ過して集め、エタノールで洗浄、乾燥して目的とする化合物2−2を暗赤色粉体として得た。収量は18.5gであった。これを化合物2−2(粗)とする。
反応式を以下に示す。なお、中間体Dは特開2002−322151号公報、特開2002−371079号公報に記載されている中間体の誘導体であり、2,4,6−トリメチルアニリンの代わりに2,6−ジエチル−4−メチルアニリンを用いることで合成することが可能である。
析出した結晶をろ過して集め、酢酸エチルで洗浄、乾燥して目的とする化合物2−3を暗赤色粉体として得た。収量は4.1gであった。これを化合物2−3(粗)とする。
反応式を以下に示す。
参考例1、参考例4に記載の方法で得た化合物1−1(粗)20gおよび化合物2−1(粗)20gのそれぞれに230gのイオン交換水を加え、60℃で2時間攪拌し、化合物1−1(粗)および化合物2−1(粗)の染料水溶液を調製した。日東電工(株)製メンブレンマスター平膜セルC40−Bに塩化ナトリウム排除率50%の逆浸透膜であるNTR−7450(材質:ポリエーテルスルホン)を装着して染料水溶液を仕込み、窒素圧(ろ過圧)15kg/cm2、25℃、攪拌子回転数400rpm、pH8で1.5時間に渡って全質量が180gになるまで逆浸透膜処理を行った。処理方式は回分式で行った。
得られた180gの染料水溶液に70gのイオン交換水を加えて希釈し、再度全質量が180gになるまで逆浸透膜処理を行った。この操作を7回繰り返して、化合物1−1および化合物2−1の染料水溶液を各々180g得た。逆浸透膜処理を行う前、処理を行った後の染料水溶液中の無機イオン、残留有機溶剤含量を分析した結果を表1に示した。
参考例2、参考例5に記載の方法で得た化合物1−2(粗)20g、および、化合物2−2(粗)20gそれぞれに230gのイオン交換水を加え、60℃で2時間攪拌し、化合物1−2(粗)および化合物2−2(粗)の染料水溶液を調製した。以下実施例1に記載の方法に従って逆浸透膜処理を行った。逆浸透膜処理を行う前、処理を行った後の染料水溶液中の無機イオン、残留有機溶剤含量を分析した結果を表2に示す。
参考例6に記載の方法で得た化合物2−3(粗)20gに230gのイオン交換水を加え、60℃で2時間攪拌し染料水溶液を調製した。以下実施例1に記載の方法に従って逆浸透膜処理を行った。
逆浸透膜処理を行う前、処理を行った後の染料水溶液中の無機イオン、残留有機溶剤含量を分析した結果を表3に示す。
参考例2、参考例5に記載の方法で得た化合物1−2(粗)20g、および、化合物2−2(粗)それぞれに500gのイオン交換水を加え、60℃で2時間攪拌し、化合物1−2(粗)および化合物2−2(粗)の染料水溶液をそれぞれ調製した。日東電工(株)製メンブレンマスター平膜セルC−10Tに、公称分画分子量20,000の限外ろ過膜であるNTU−2120(材質:ポリオレフィン)を装着して染料水溶液を仕込み、窒素圧(ろ過圧)2.0kg/cm2、25℃、循環流量1.5L/min、pH8で約1.5時間にわたって全質量が250gになるまで限外ろ過膜処理を行った。処理方式はクロスフロー式で行った。
得られた250gの染料水溶液に250gのイオン交換水を加えて希釈し、再度全質量が250gになるまで逆浸透膜処理を行った。この操作を3回繰り返して、化合物1−2および化合物2−2の染料水溶液を各々250g得た。限外ろ過膜処理を行う前、処理を行った後の染料水溶液中の無機イオン、残留有機溶剤含量を分析した結果を表4に示す。
参考例2、参考例5に記載の方法で得た化合物1−2(粗)2.0kg、および化合物2−2(粗)2.0kgそれぞれに18kgのイオン交換水を加え、60℃で1時間攪拌して化合物1−2(粗)および化合物2−2(粗)の染料水溶液をそれぞれ調製した。日東電工(株)製RUW−5型逆浸透膜装置に塩化ナトリウム排除率30%の逆浸透膜NTR−7410(材質:ポリエーテルスルホン)、S2−F(スパイラルモジュール)を装着して上記染料水溶液を仕込み、窒素圧(ろ過圧)15kg/cm2、40℃、pH8で、処理透過液量40kgになるまでダイアフィルトレーション方式で逆浸透膜処理を行って化合物1−2および化合物2−2の染料水溶液を得た。逆浸透膜処理を行う前、処理を行った後の染料水溶液中の無機イオン、残留有機溶剤含量を分析した結果を表5に示す。
実施例5で精製した化合物1−2および化合物2−2の染料水溶液および下記成分を使用した。これらに高純度水を加えて容量1.0Lとした後、30〜40℃の範囲で加熱しながら1時間攪拌した。25℃まで冷却したのち平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧ろ過してインク液を調液した。なお処理前および実施例3で処理を行なったフタロシアニンおよびアゾ色素について作製した。
・ シアンインク
化合物1−2の染料水溶液 35.0g(染料原末換算)
ジエチレングリコール 130g
グリセリン 180g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 140g
サーフィノール465 10.5g
トリエタノールアミン 6.3g
ベンゾトリアゾール 0.08g
Proxel XL2 1.2g
化合物1−2(粗) 35.0g
ジエチレングリコール 130g
グリセリン 180g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 140g
サーフィノール465 10.5g
トリエタノールアミン 6.3g
ベンゾトリアゾール 0.08g
Proxel XL2 1.2g
化合物2−2の染料水溶液 30.0g (染料原末換算)
ジエチレングリコール 110g
尿素 46g
グリセリン 160g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 140g
サーフィノール465 10.0g
トリエタノールアミン 7.0g
ベンゾトリアゾール 0.07g
Proxel XL2 1.5g
化合物2−2(粗) 30.0g
ジエチレングリコール 110g
尿素 46g
グリセリン 160g
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 140g
サーフィノール465 10.0g
トリエタノールアミン 7.0g
ベンゾトリアゾール 0.07g
Proxel XL2 1.5g
印字品質は吐出安定性で評価した。すなわちカートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認したのち機械を止め、15℃/30%相対湿度(RH)の環境、さらに35℃/90%相対湿度(RH)の環境にプリンターをそれぞれ240時間ずつ放置し、その後A4画像100枚を出力して以下の基準で評価した。結果を表6に示す。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れなし
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
またシアンインク(比較例)、マゼンタインク(比較例)は室温、28日間の保管で析出物が認められた。
Claims (10)
- 残留有機溶媒が混入したイオン性色素化合物の水溶液または懸濁液を、多孔質分離材を介して透析する工程を含むイオン性色素化合物の精製方法。
- 前記残留有機溶媒が、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、スルホン系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒および飽和炭化水素系溶媒の少なくとも1種を含む請求項1に記載の精製方法。
- 前記残留有機溶媒の少なくとも1種が、沸点100℃以上の有機溶媒である、請求項2に記載の精製方法。
- 前記透析前のイオン性色素化合物における前記残留有機溶媒の総混入量が、1000ppm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の精製方法。
- 前記多孔質分離材が、逆浸透膜または限外ろ過膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の精製方法。
- 前記イオン性色素化合物が、2個以上のアニオン性基を有しており、かつその対イオンがアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の精製方法。
- 前記イオン性色素化合物が、フタロシアニン化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製方法。
- 前記フタロシアニン化合物が、下記一般式(1)または(1A)で表される化合物である、請求項7に記載の精製方法。
- 前記イオン性色素化合物が下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の精製方法。
A−N=N−B (2)
(一般式(2)中、AおよびBは各々独立に、少なくとも1個のアニオン性基を有する複素環基を表す。) - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の精製方法で精製されたイオン性色素化合物を含有する、インクジェット用記録液。
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