JP2004315729A - フタロシアニン化合物の精製方法及び製造方法 - Google Patents

フタロシアニン化合物の精製方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フタロシアニン化合物の簡便でしかも安価な精製方法を提供すること。また、遊離の遷移金属イオンや原料の分解物などの不純物が混入するのを抑えた、簡便でしかも安価なフタロシアニン化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸および親水性有機溶媒を添加して、該フタロシアニン化合物の不純物を除去する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フタロシアニン化合物の精製方法および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニン化合物は、塗料、印刷インキ、着色剤、電子写真感光体、光ディスク用材料として有用な化合物であり、これまで多くの化合物が合成・製造されている。フタロシアニン化合物の工業的生産については、非特許文献1に詳しい。その生産方法は、次の2通りに大別される。
【0003】
1)ワイラー法:無水フタル酸や無水フタル酸イミドを原料とし、尿素と金属塩を縮合剤存在下160℃〜180℃で反応させて製造する方法である。縮合剤としては古くは砒素系の無機塩を使用していたが、最近ではモリブデン酸塩を用いるのが一般的である。
本方法には、固相法として尿素溶融物を溶媒の代わりとする方法があるが、発泡の危険性や、温度降下時の固化するなどの欠点の他、低収率でかつ製品中の不純物率が高く、量産の方法としては適さない。一方、ニトロベンゼン、ポリハロゲン化ベンゼン等の不活性有機溶媒を用いる液相法は、固相法に比べると収率も高く、品質も安定しやすい傾向があるので、現状のフタロシアニンの工業的製法の主流を占めている。
【0004】
2)フタロニトリル法:出発原料として反応性の高いフタロニトリルを利用する方法である。この方法には、溶融尿素を溶媒としてフタロニトリルと金属塩の混合物を加熱する固相法またはベーキング法と呼ばれる方法と、適当な高沸点溶媒中でフタロニトリルと金属塩の混合物を加熱縮合させる液相法がある。
無水フタル酸と比べるとフタロニトリルの価格はおおよそ10倍なので、本方法による原料原価を考慮するとワイラー法のそれと比べると相当高くなる欠点があるが、近年の高付加価値を有する機能性フタロシアニンの生産には、商品としての末端価格を考慮しても、製法上の種々のメリットを重視すれば本方法は最適の方法である。
【0005】
上記方法で製造されるフタロシアニン化合物には、一般に、不純物として原料やその分解物、金属塩が含まれる。これらの不純物は該フタロシアニン化合物の用途によっては、悪影響を及ぼすものである。例えば、フタロシアニン化合物を電子写真感光体として用いる場合、残存する遊離の金属イオンなどの不純物は、電子写真感光体の耐電圧、感度、残留電位等の電気特性に影響を与える(例えば、特許文献1参照)。また、光記録媒体、液晶表示装置、近赤外吸収色素などの用途では、重要な吸収特性に悪影響を及ぼす(例えば、特許文献2参照)。また、着色剤として用いる場合には、着色力や分散性に影響を与える(例えば、特許文献3参照)。
したがって、フタロシアニン化合物の高純度化が要求され、このため様々な精製方法が提案されている。例えば、昇華精製法は古くから知られており、最も高純度な化合物を与える方法である。しかし、この方法は大量のフタロシアニン化合物を一度に精製することは難しく製造には適していない。
【0006】
水溶性フタロシアニン化合物に関しては、以下の方法が実施されている。
例えば、イオン交換法による精製法は、イオン性の不純物を除く方法として従来使用されてきた有効な方法である(例えば、特許文献4参照)。しかし、高価であるイオン交換樹脂を大量に使用すること、またカラム精製に要する時間が長時間に及ぶ等、工業的な精製法としては適性に欠ける。
また、金属イオンに対してキレート能のある溶剤を使用した金属イオンを除去する精製法もある(例えば、特許文献1参照)。この方法は、不純物としての金属イオンを除く方法としては、簡便で除去効率も高く製造に適した方法であるが、精製後のフタロシアニン化合物にキレート剤が混入する可能性やキレート剤が高価なことなど欠点を有する。
【0007】
また、酸処理を行うことで金属イオンを可溶化し除去する方法も従来から使用されている精製法の一つである。例えば、水または有機溶剤に対して溶解性を示さないフタロシアニン顔料等に対して、硫酸で処理するアシッドペースト法が知られている。この方法は、遷移金属イオン等の不純物を分離するのに有効な方法であるが、完溶しないためフタロシアニン化合物の結晶中に閉じ込められた不純物までは完全に除去することは不可能である。
他の方法として、粗製フタロシアニン化合物を水に溶解して不溶物を濾別し、得られた水溶液に塩酸を加えて酸析する方法がある(例えば、非特許文献2参照)。このように、塩酸を使用した処理方法で不純物を除く操作は製造釜を使用することが可能となるので非常に簡便でかつ、安価な塩酸を使用するので経済的にも有利である。
【0008】
上記の方法は酸の添加による化合物の酸析を利用したものであるので、塩酸に対して高い溶解性を示す水溶性フタロシアニン化合物については、酸析で沈殿させることができず、金属イオンなどの不純物と分離してフタロシアニン化合物を単離することは難しい。
更に、従来の方法は、合成反応後に一度単離した粗製化合物を別の工程で精製するものであり、高純度なフタロシアニン化合物を単離するには反応工程と脱金属イオン(精製)工程の2つの工程が必要となる。したがって、低コストな製造を達成するには反応後にそのまま精製して高純度のフタロシアニン化合物を単離する方法が望まれるが、現在提案されている製造方法においては、反応工程と精製工程とを一貫化した例は知られていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−86302号公報
【特許文献2】
特開2002−114790号公報
【特許文献3】
特開2001−181529号公報
【特許文献4】
特開2001−166124号公報
【非特許文献1】
白井汪芳,小林長夫著、「フタロシアニン−化学と機能−」、株式会社アイピーシー、1997年
【非特許文献2】
日本化学会編、「新実験化学講座第3版、続8巻」、丸善、1997年、p.1497−1500
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来におけるフタロシアニン化合物の精製または製造方法に関する問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明の目的は、フタロシアニン化合物の簡便でしかも安価な精製方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、遊離の遷移金属イオンや原料の分解物などの不純物が混入するのを抑えた、簡便でしかも安価なフタロシアニン化合物の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、安価で簡便なフタロシアニン化合物の精製および製造方法について、鋭意検討したところ、無機酸および親水性有機溶媒を用いた晶析法により、フタロシアニン化合物は沈殿させ沈殿物とし、不純物は溶解させ溶解液として、両者を濾過などの操作で分離することが効果的であることを見出した。更に、無機酸を添加した後に、親水性有機溶媒を添加することで、不純物の混入が極めて低いフタロシアニン化合物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、上記課題は下記構成の精製方法および製造方法により解決される。
<1>フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸および親水性有機溶媒を添加して、該フタロシアニン化合物の不純物を除去することを特徴とするフタロシアニン化合物の精製方法。
<2>添加する前記無機酸の前記溶解液または懸濁液中での濃度を8wt%以上とすることを特徴とする上記<1>に記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
<3>前記無機酸が、塩酸であることを特徴とする上記<1>または<2>に記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
<4>前記親水性有機溶媒が、極性パラメーター(E)値が40以上の親水性有機溶媒であることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
<5>前記親水性有機溶媒が、炭素数1〜5のアルコール性有機溶媒、炭素数1〜5のケトン系有機溶媒、または炭素数1〜4のニトリル系有機溶媒であることを特徴とする上記<1>〜<4>のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
<6>前記フタロシアニン化合物が、イオン性親水性基を有する銅フタロシアニン化合物であることを特徴とする上記<1>〜<5>のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
<7>フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸および親水性有機溶媒を添加して該フタロシアニン化合物の不純物を除去し、該フタロシアニン化合物を単離する工程を含むことを特徴とするフタロシアニン化合物の製造方法。
【0013】
本発明は、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸を添加した後、親水性有機溶媒を添加することを特徴とする。これにより、通常の製造方法においてフタロシアニン化合物に含まれてくる原料の分解物や遊離の遷移金属イオンなどの不純物を除去することができる。
なかでも、水溶性の不純物、特に金属イオンの除去に対して効果的である。通常の製造方法においてフタロシアニン化合物に不純物として含まれてくる原料由来の金属塩は、溶解性に乏しい別の金属塩に変換されているが、無機酸を添加することにより、溶媒に溶解しやすい金属塩に再変換され、さらに晶析溶媒としては金属イオンに対してキレート効果を示す、または金属塩の溶解性が高い、親水性有機溶媒を用いることにより金属イオンを効果的に除去することができ、金属イオンの混入が極めて低いフタロシアニン化合物を単離できる。
この方法は、フタロシアニン化合物の合成反応工程において縮合反応後、引き続き実施してもよいし、合成反応後、一度単離した粗製フタロシアニン化合物をあらためて精製する精製工程中で実施してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本明細書において、遊離の金属イオン濃度は、フタロシアニン化合物の質量に対する金属イオンの質量の百万分率(ppm)で表記する。
【0015】
本発明おいて、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液とは、フタロシアニン化合物の合成において反応混合物が溶剤に溶解または懸濁している溶液、または粗製フタロシアニン化合物を溶剤に溶解または懸濁させた溶液を意味する。好ましくは、溶剤に溶解した溶液である。フタロシアニン化合物を溶剤に懸濁する場合、10〜30℃の水に対する溶解度が1.5重量%以上の化合物に限定される。
溶解または懸濁させる溶剤としては特に限定はないが、無機酸と混合したときに分離せず均一な混合液となる溶剤が好ましい。更に好ましくは、水、アルコール性有機溶剤が挙げられる。
アルコール性有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルプロピルアルコール、フルフリルアルコール、アニスアルコールが挙げられる。
【0016】
また、グリコール及びグリコールモノエーテルも好適である。具体的には、グリコールとしては、アルキレングリコールが好ましく、アルキレン基の炭素数が2〜4のモノアルキレングリコール、オリゴ(特に、ジ−及びトリ−)アルキレングリコールが挙げられる。グリコールモノエーテルとしては、上記のアルキレングリコールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は1〜8が好ましい)やモノアリールエーテルが好ましい。
【0017】
さらに、エチレンを基礎とする化合物も有利である。例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロピレンジオール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルが挙げられる。なかでも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロピレンジオールが好ましい。
【0018】
これらの溶剤は2種以上の混合液であってもよい。
フタロシアニン化合物溶液中でのフタロシアンニン化合物の濃度は、3wt%〜35wt%が好ましく、5wt%〜30wt%がより好ましく、5wt%〜25wt%が特に好ましい。3wt%以上では、晶析溶媒量が過多となることがなく経済的に好ましい。また、35wt%以下では、フタロシアニン化合物溶液の粘度が溶液の攪拌に適したものとなるので好ましい。
【0019】
本発明で用いる無機酸は特に限定はないが、遊離の金属塩が、無機酸の添加によって溶媒に易溶な金属塩に変換されるような無機酸であれば一般に知られる無機酸を使用することができる。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸であり、好ましくは塩酸、硫酸、リン酸で、更に好ましくは塩酸である。また、この無機酸は混酸であってもよい。
無機酸の量は、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に対して、濃度が8wt%以上となる量が好ましい。より好ましくは10wt%以上となる量で、更に好ましくは12wt%以上となる量である。8wt%以上とすることで、遊離の金属塩を十分な量まで除去できる。
【0020】
本発明で用いる親水性有機溶媒とはフタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液との混合時に液体分離現象を起こさず溶剤と均一な溶液を呈し、塩化銅に対する溶解性をもち、フタロシアニン化合物を沈殿させることのできる溶媒であれば公知の溶媒を使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール等のアルコール性有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール等のジオール系有機溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系有機溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は2種類以上の混合液であってもよい。
より好ましくは極性パラメーター(E)の値が40以上の極性溶媒である。更に好ましくは炭素数1〜5のアルコール系有機溶媒、炭素数1〜5のケトン系有機溶媒、または炭素数1〜4までのニトリル系有機溶媒である。なかでも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリルが好ましく、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリルが最も好ましい。
極性パラメーター(E)とは、溶媒の極性や配位能を表わす経験的パラメーターであり、マクロな極性パラメーターとしてはジフェニルベタインの電子スペクトル遷移エネルギーの溶媒依存性から求めた値である。
【0021】
親水性有機溶媒の量はフタロシアニン化合物溶液に含まれる溶剤量の1〜20質量倍が好ましく、1〜15質量倍がより好ましく、最も好ましい量は1〜10質量倍である。
【0022】
無機酸の添加時期としては特に限定はない。無機酸をフタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に添加した後に親水性有機溶媒を添加しても、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に親水性有機溶媒を添加した後に無機酸を添加しても、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に無機酸を混合した親水性有機溶媒を添加してもよい。好ましくは、無機酸をフタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に添加した後に親水性有機溶媒を添加する、またはフタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に無機酸を混合した親水性有機溶媒を添加する方法である。特に、無機酸をフタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に添加した後に親水性有機溶媒を添加する方法が最も好ましい。
【0023】
本発明のフタロシアニン化合物の製造および精製方法では、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に対して、無機酸および親水性有機溶媒を添加して該フタロシアニン化合物を沈殿させる。この無機酸添加時の温度条件としては、10〜120℃が好ましく、15〜110℃がより好ましく、15〜100℃が更に好ましい。上記温度を10℃以上とすると、無機酸との混合液の粘度が混合液を攪拌するのに適したものとなるので好ましい。また上記温度を120℃以下とすると、無機酸添加直後にガスとして無機酸が系外に排出されるのを防ぐことができるので、本発明の効果を得る上で好ましい。
【0024】
本発明のフタロシアニン化合物としては、特に銅フタロシアニン化合物が好ましい。本発明の方法は、いずれのフタロシアニン化合物に対しても効果があるが、特に銅フタロシアンニン化合物に対して効果的である。
また、本発明のフタロシアニン化合物は、イオン性親水性基を有していてもいなくてもよいが、イオン性親水性基を有するのがより好ましい。イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が挙げられる。なかでも、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩が好ましい。イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン化合物1分子中に少なくとも2個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが特に好ましい。
【0025】
本発明の精製方法および製造方法は、特に、塩酸またはアセトニトリルに対して下記に示す溶解性を有するフタロシアニン化合物に対して有効である。
1)塩酸に対して、5質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物。より好ましくは15質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物であり、特に好ましくは25質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物である。
2)アセトニトリルに対して、2質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物。より好ましくは5質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物で、特に好ましくは8質量%以上の溶解度を示すフタロシアニン化合物である。
上記塩酸に対する溶解度の測定は次のようにして行うことができる。100gの塩酸に化合物60gを加え、25℃で30分間攪拌する。不溶物を濾取し、乾燥後計量して溶解した化合物の量を算出する。また、アセトニトリルに対する溶解度は、100gのアセトニトリルに化合物16gを加え、上記塩酸に対する溶解度測定と同様の方法により溶解した化合物の量を算出することができる。
【0026】
本発明により、不純物を除去することにより、遊離の金属イオン量が好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは300ppm以下のフタロシアニン化合物を単離することができる。
【0027】
本発明において、遊離の金属イオンの定量は、金属−サルコシン錯体の逆相分配高速液体クロマトグラフィーによるオンカラム誘導体化法で行うことができる。この方法について以下に説明する。なお、高速液体クロマトグラフィー装置には島津製作所製10Avpシリーズを、カラムについては東ソー製Octadecyl−2PW 6.0×150mmを使用することができる。
サルコシン誘導体は、例えば、同仁製のN−(ジチオカルボキシ)サルコシンナトリウム塩(DTCSNa)を使用する。溶離液はDTCSNaとトリポリリン酸の濃度がそれぞれ1.0mM、5.0mMの水溶液を作成し、1Nのリン酸でpH6.5に調整する。この溶離液の流量は0.75mL/minに設定する。続いて、試料3.00gを超純水27.00gに溶解し、その溶液150μLを0.06%の硝酸で10mLまで希釈し、この溶液を試料溶液とする。分析の際には、この試料溶液を25μL注入し、440nmを検出波長とする。検出される面積値を別途作成した検量線から換算することで、銅イオンの濃度を算出することができる。以上の測定条件を表1にまとめる。
なお、サルコシン誘導体と銅塩の錯体形成に関しては、境幸夫,黒木佳津子著、「分析化学」、28、1979年、p.429−431に詳しい。また、高速液体クロマトグラフィーによる金属錯体の同定に関しては、星座,高橋則充,井上貞信,松原睦哉著、「分析化学」、35、1986年、p.819−822;五十嵐淑朗,小原昭,足立弘明,四つ柳隆夫著、「分析化学」、35、1986年、p.829−831;渡辺英三郎、中島英充、蝦名毅、星野仁、四つ柳隆夫著、「分析化学」、32、1983年、p.469−474に詳しく記述してある。
【0028】
【表1】
Figure 2004315729
【0029】
以上をまとめると、本発明のフタロシアニン化合物の精製および製造方法は、下記(イ)〜(ホ)の組み合わせからなるのが好ましい。
(イ)本発明で用いる無機酸量は、フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液中の重量%濃度が8wt%以上となる量が好ましく、10wt%以上がより好ましく、12wt%以上が特に好ましい。無機酸としては、塩酸が特に好ましい。
(ロ)本発明で用いるフタロシアニン化合物を溶解または懸濁させる溶剤は、水、アルコール性有機溶剤が好ましい。フタロシアニン化合物溶液中のフタロシアニン化合物の重量%濃度は、3wt%〜35wt%が好ましく、5wt%〜30wt%がより好ましく、5wt%〜25wt%が最も好ましい。
(ハ)無機酸を添加する際の温度条件としては、10〜120℃が好ましく、15〜110℃がより好ましく、15〜100℃が特に好ましい。
(ニ)本発明で用いる親水性有機溶媒は、その極性パラメーター(E)の値が40以上の極性溶媒が好ましく、なかでも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリルが好ましく、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリルが最も好ましい。親水性有機溶媒の量はフタロシアニンを溶解または懸濁させている溶剤の1〜20質量倍が好ましく、1〜15質量倍がより好ましく、最も好ましい量は1〜10質量倍である。
(ホ)フタロシアニン化合物が銅フタロシアニン化合物であることが好ましく、特にイオン性親水性基を有する銅フタロシアニン化合物であることが好ましい。
【0030】
本発明では、これらの(イ)〜(ホ)の条件のうち、少なくとも1つの条件を満たすことが好ましく、より多くの条件を満たすことがより好ましく、全ての条件を満たすことが最も好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0032】
[実施例1]
合成例1:化合物1の合成
化合物A 19.74g 、化合物B 7.65g、酢酸 2.35mLをエチレングリコール55gに懸濁させ、内温110℃まで昇温した。懸濁液が均一溶解してから、内温85℃まで冷却後、酢酸リチウム 5.40g、塩化銅 2.89gのエチレングリコール溶液 18gを添加し内温を85℃に保った。3時間攪拌後、内温90℃まで昇温し、濃塩酸182gを添加し1時間攪拌した。続いて内温70℃に冷却し塩化リチウム 4.00gを加え1時間攪拌した。続いてアセトンを550mL滴下し1時間還流を続けた。30℃に冷却後、析出した固体を濾別し、結晶をアセトン550mLで洗浄し乾燥した。銅イオンの定量は前述した金属−サルコシン錯体の逆相分配高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法で行った。銅フタロシアニン化合物中の銅イオンは34ppmだった。結果を表2にまとめた。
【0033】
【化1】
Figure 2004315729
【0034】
合成例2〜4:化合物1の合成
塩酸量および親水性有機溶媒とその使用量を表2に示すように変更した以外は合成例1と同様の処方で合成した。
【0035】
[比較例]
比較例1:化合物1の合成
化合物A 19.74g 、化合物B 7.65g、酢酸 2.35mLをエチレングリコール55gに懸濁させ、内温110℃まで昇温した。懸濁液が均一溶解してから、内温85℃まで冷却後、酢酸リチウム 5.40g、塩化銅 2.89gのエチレングリコール溶液 18gを添加し内温を85℃に保った。3時間攪拌後、内温70℃に冷却し塩化リチウム 4.00gを加え1時間攪拌した。続いてアセトンを550mL滴下し1時間還流を続けた。30℃に冷却後、析出した固体を濾別し、結晶をアセトン550mLで洗浄し乾燥した。銅イオンの定量はHPLC法で行った。銅フタロシアニン化合物中の銅イオンは2110ppmだった。
【0036】
【表2】
Figure 2004315729
【0037】
[実施例2]
以下の実施例2の結果は表3にまとめた。
【0038】
精製例1:化合物1の精製
精製には比較例1で得られた化合物1(遊離の銅イオン濃度:2110ppm)を使用した。
化合物1(遊離の銅イオン濃度:2110ppm)22.8gをエチレングリコール92.2gに懸濁させ、内温90℃まで昇温した。化合物1が完溶した1時間後、濃塩酸21gを添加し1時間攪拌した。続いて内温70℃に冷却し塩化リチウム 4.00gを加え1時間攪拌した。続いてイソプロパノールを550mL滴下し1時間還流を続けた。30℃に冷却後、析出した固体を濾別し、結晶をイソプロパノール550mLで洗浄し乾燥した。銅イオンの定量はHPLC法で行った。銅フタロシアニン化合物中の銅イオンは154ppmだった。
【0039】
精製例2〜4:化合物1の精製
粗製フタロシアニン化合物を溶解または懸濁させた溶液の種類、塩酸量および親水性有機溶媒とその使用量を表3に示すように変更した以外は精製例1と同様な操作で精製を行った。
【0040】
【表3】
Figure 2004315729
【0041】
上記結果から明らかなように、本発明の方法では、遊離の金属イオンの残留を低減したフタロシアニン化合物を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、フタロシアニン化合物に含まれる不純物が従来法と比べて極めて少なくして該フタロシアニン化合物を単離できる。また、粗製フタロシアニン化合物の精製においても遊離の遷移金属イオン等の不純物を除去するのに効果的である。

Claims (7)

  1. フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸および親水性有機溶媒を添加して、該フタロシアニン化合物の不純物を除去することを特徴とするフタロシアニン化合物の精製方法。
  2. 添加する前記無機酸の前記溶解液または懸濁液中での濃度を8wt%以上とすることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
  3. 前記無機酸が、塩酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
  4. 前記親水性有機溶媒が、極性パラメーター(E)値が40以上の親水性有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
  5. 前記親水性有機溶媒が、炭素数1〜5のアルコール性有機溶媒、炭素数1〜5のケトン系有機溶媒、または炭素数1〜4のニトリル系有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
  6. 前記フタロシアニン化合物が、イオン性親水性基を有する銅フタロシアニン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフタロシアニン化合物の精製方法。
  7. フタロシアニン化合物の溶解液または懸濁液に、無機酸および親水性有機溶媒を添加して該フタロシアニン化合物の不純物を除去し、該フタロシアニン化合物を単離する工程を含むことを特徴とするフタロシアニン化合物の製造方法。
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