JP2017095453A - 高純度フルオレセインナトリウム - Google Patents

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Abstract

【課題】フルオレセインナトリウムを精製する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを製造する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウム、及び実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを含む眼科用診断試薬を提供すること。
【解決手段】フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、フルオレセインナトリウムを精製する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレセインナトリウムの精製方法、高純度フルオレセインナトリウム及びその製造方法に関する。
従来より、フルオレセインナトリウムは、眼科学における診断試薬として広く使われている。フルオレセイン点眼剤はドライアイ、角膜の擦過傷、潰瘍、角膜ヘルペスなどの診断に効果的であり、フルオレセイン造影剤は加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、眼内の炎症などの識別に利用されている。
市販されている商用グレードのフルオレセインナトリウムは、医薬品として用いるには純度が低いので、医薬品グレードとするためには精製するなどして純度を高めることが求められる。
特許文献1には、商用グレードのフルオレセインナトリウムをO,O’−ジアセチルフルオレセインに転化させ、次に、当該O,O’−ジアセチルフルオレセインに転化させてフルオレセインに戻し、ナトリウム塩を形成し、最終不純物を除去して、実質的に純粋なフルオレセインを調製する方法が開示されている。
特許第5384363号公報
特許文献1に開示されるフルオレセインの調製方法は、化学構造の変化を伴うフルオレセインの調製方法であり、フルオレセインナトリウムを直接的に得る調製方法ではない。
フルオレセインナトリウムの純度を高めるために、再結晶化する手法が考えられる。しかしながら、従来からのフルオレセインナトリウムの再結晶化方法では、再結晶化したフルオレセインナトリウムに有機溶媒が残留し、有機溶媒を除去することが困難であった。
本発明は、フルオレセインナトリウムを精製する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを製造する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウム、及び実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを含む眼科用診断試薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、精製に供するフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えてフルオレセインナトリウムを結晶化させることにより、実質的に有機溶媒を含有せず、かつ、純度が99.5%を超える、フルオレセインナトリウムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、フルオレセインナトリウムを精製する方法である。
(2)また、本発明は、商用グレードのフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウムを製造する方法である。
(3)また、本発明は、商用グレードのフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムを製造する方法である。
(4)また、本発明は、前記水溶液は、エタノール又はメタノールを含む、(1)〜(3)の何れか1項に記載の方法である。
(5)また、本発明は、フルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、フルオレセインナトリウムを精製する方法である。
(6)また、本発明は、商用グレードのフルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウムを製造する方法である。
(7)また、本発明は、商用グレードのフルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムを製造する方法である。
(8)また、本発明は、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液の温度が5℃〜75℃である、(1)〜(7)の何れか1項に記載の方法である。
(9)また、本発明は、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液から結晶化したフルオレセインナトリウムを分離し、乾燥させる操作/ステップを伴う、(1)〜(8)の何れか1項記載の方法である。
(10)また、本発明は、除塵操作を伴う、(1)〜(5)の何れか1項に記載の方法である。
(11)また、本発明は、純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウムである。
(12)また、本発明は、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムである。
(13)また、本発明は、CuKα放射線を使用する粉末X線回折において、回折角(2θ±0.2°)16.9°のピーク強度を100%とした場合、回折角(2θ±0.2°)26.4°に相対強度が25%以上の回折ピークを有し、回折角(2θ±0.2°)7.0°以下には相対強度が25%以上のピークを有さない、フルオレセインナトリウムである。
(14)また、本発明は、(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムを含む、眼科用診断試薬である。
(15)また、本発明は、眼科用診断ないし眼疾患の診断のための試薬の製造のための(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムの使用又は応用である。
(16)また、本発明は、眼科用診断試薬ないし眼疾患診断試薬を製造するための、(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムの使用又は応用である。
(17)また、本発明は、眼科用診断試薬ないし眼疾患診断試薬としての使用のための(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムである。
(18)また、本発明は、眼科用診断ないし眼疾患の診断のための(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムの使用又は応用である。
(19)また、本発明は、(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムを用いて眼科用診断を行う方法又は眼疾患を診断する方法である。
(20)また、本発明は、眼科用診断ないし眼疾患の診断を必要とする対象に(11)〜(13)の何れか1項に記載のフルオレセインナトリウムを適用することにより、眼科用診断を行う方法又は眼疾患を診断する方法である。
(21)また、本発明は、前記眼科用診断ないし眼疾患の診断が角結膜障害、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、及び眼内の炎症からなる群より選択される少なくとも1つの診断である、(14)〜(20)の何れか1項に記載の発明である。
(22)また、本発明は、前記角結膜障害がドライアイ、角結膜の擦過傷、潰瘍、及び角膜ヘルペスからなる群より選択される少なくとも1つである(21)に記載の発明である。
(23)また、本発明は、前記試薬が点眼剤及び/又は造影剤である、(14)〜(17)の何れか1項に記載の発明である。
(24)また、本発明は、前記フルオレセインナトリウムが点眼剤及び/又は造影剤に含まれる、(14)〜(22)の何れか1項に記載の発明である。
本発明によれば、フルオレセインナトリウムを精製する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを製造する方法、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウム、及び実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを含む眼科用診断試薬を提供できるという優れた効果がある。本明細書において、「実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウム」は、実質的に有機溶媒を含有しない高純度フルオレセインナトリウムを含んでもよい。
本発明の実施例1で得られた医薬品グレードのフルオレセインナトリウムの外観写真である。 本発明の実施例1で用いた試薬A(商用グレードのフルオレセインナトリウム)の外観写真である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<フルオレセインナトリウムを精製する方法>
本発明のフルオレセインナトリウムを精製する方法は、フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む。具体的には、本発明のフルオレセインナトリウムを精製する方法は、精製に供するフルオレセインナトリウムに水を加えて、フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液を得る工程、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加える工程、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させる工程を含む。精製に供するフルオレセインナトリウムにメタノール及びエタノールからなる群より選択される少なくとも1つと水とを加えて、フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液を得る工程を含む。上記水溶液に溶解させるフルオレセインナトリウムは、典型例としては、精製に供するフルオレセインナトリウム(通常、精製に供するフルオレセインナトリウム組成物である。以下、同様。)であり、これは下記のように表される。
精製に供するフルオレセインナトリウムは、フルオレセインナトリウム以外に、フルオレセインの合成時に生じる副生成物、異性体など、また、酸化生成物、及び分解生成物などを含有する市販のフルオレセインナトリウムであってもよいし、純度が99.5%以下、例えば、99.3%以下、99.2%以下、通常、市販品によくある90〜97%程度、具体的には、90.0%以上99.5%以下、93.0%以上99.0%以下、96.0%以上98.5%以下、より具体的には、93.0%以上94.0%以下又は97.0%以上98.0%以下、さらに具体的には93.0%以上93.9%以下又は97.0%以上97.9%以下である通常純度のフルオレセインナトリウムであってもよい。本明細書において、これらの市販のフルオレセインナトリウム、通常純度のフルオレセインナトリウムを「商用グレードのフルオレセインナトリウム」と総称する。本明細書において、化合物としてのフルオレセインナトリウムと、該フルオレセインナトリウム以外の成分とを含むものを「フルオレセインナトリウム組成物」ということがある。該フルオレセインナトリウム以外の成分としては、例えば、上述の副生成物、異性体、酸化生成物、分解生成物などの不純物が挙げられ、また、精製に用いる水、2−プロパノール、2−ブタノールなどの溶媒などが挙げられる。
フルオレセインナトリウムの純度とは、かかるフルオレセインナトリウム組成物中のフルオレセインナトリウムの含有率であり、高速液体クロマドグラフィ(HPLC)を用いて後述する条件により分析した分析結果から得られるものである。本明細書において、純度が99.5%を超えるフルオレセインナトリウム(具体的には、フルオレセインナトリウム組成物である。)を「高純度フルオレセインナトリウム」ということがある。通常、高純度フルオレセインナトリウムは、医薬品グレードのフルオレセインナトリウム(通常、フルオレセインナトリウム組成物である。)を含む。本明細書において、「医薬品グレードのフルオレセインナトリウム」とは、純度が99.5%を超えるフルオレセインナトリウム(通常、フルオレセインナトリウム組成物である。)を意味する。
本発明によれば、商用グレードのフルオレセインナトリウムから、実質的に有機溶媒を含有しない、高純度フルオレセインナトリウムを得ることができる。
ここで、「実質的に有機溶媒を含有しない」とは、フルオレセインナトリウム(通常、フルオレセインナトリウム組成物である。)に含有される有機溶媒が0.5質量%以下であることをいう。残留する有機溶媒の含有量は核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定結果に基づいて定量することができる。核磁気共鳴スペクトルでは、溶媒として重水を用い、例えばエタノールは、フルオレセイン由来の7.8ppm付近のピークの積分値を1としたとき、3.65ppm付近のピークの積分値をAとし、また、2−プロパノールは、フルオレセイン由来の7.8ppm付近のピークの積分値を1としたとき、1.17ppm付近のピークの積分値をBとすると、エタノールと2−プロパノールの質量%はそれぞれ、以下の計算式で算出できる。
次に、フルオレセインナトリウムを精製する方法の好ましい例について具体的に説明する。
実製造における現実的な量でフルオレセインナトリウムを溶解できる有機溶媒としては、メタノール、エタノールなどが好ましい。具体的には、上述の、精製に供するフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液を得る工程は、精製に供するフルオレセインナトリウムにメタノール及びエタノールからなる群より選択される少なくとも1つと水とを加えて、フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液を得る工程であることが好ましい。かかる工程において、精製に供するフルオレセインナトリウムに対し、メタノール及びエタノールからなる群より選択される少なくとも1つと水とは実質的に同時に加えてもよいが、前者を加えた後、後者の水を加えることが好ましく、具体的には、まず初めに、精製に供するフルオレセインナトリウムを少量の良溶媒となるメタノール又はエタノールに溶解させた後、水を加えて水溶液とすることが好ましい。該水溶液を得る工程において、より具体的には、精製に供するフルオレセインナトリウムをメタノール又はエタノールに溶解させた後、ガラスフィルターなどの濾材を用いて濾過し、好ましくはさらに、先に用いたメタノール又はエタノールで洗浄して得られる濾液又は該濾液の濃縮物(湿固体であってもよい)に水を加えてもよいし、該濾液の濃縮物(湿固体であってもよい)若しくは乾固物に対し、先に用いたメタノール又はエタノールを加えてフルオレセインナトリウムの溶液を得た後、該溶液に水を加えてもよい。そして、この水溶液に貧溶媒となる2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて熟成し、再結晶化させることによってフルオレセインナトリウムを精製することができる。
熟成温度は、5℃以上75℃以下が好ましく、65℃以上(かつ75℃以下)に加温した後、15℃以下(かつ5℃以上)まで冷却(自然冷却も含む)することがより好ましい。熟成時間は、回収量にもよるが、1時間以上が好ましく、3時間以上24時間以内がより好ましい。上記条件で熟成することにより、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム、又は高純度フルオレセインナトリウムを得ることが可能となる。
また、精製に供するフルオレセインナトリウムに対し、貧溶媒である2−プロパノール又は2−ブタノールの添加量は、5v/w以上20v/w以下が好ましく、8v/w以上10v/w以下がより好ましい。精製に供するフルオレセインナトリウムに対し、良溶媒であるメタノール又はエタノールの添加量は、0v/w以上3v/w以下が好ましく、0.1v/w以上2.0v/w以下がより好ましい。良溶媒としては、メタノール単独又はエタノール単独に限られず、メタノールとエタノールの混合溶媒であってもよい。貧溶媒としては、2−プロパノール単独又は2−ブタノール単独に限られず、2−プロパノールと2−ブタノールとの混合溶媒であってもよい。水(H0)の添加量は、0.3v/w以上2.0v/w以下が好ましく、1.3v/w以上1.8v/w以下がより好ましい。なお、「溶媒量(v/w)」は、精製に供するフルオレセインナトリウムの質量(g)に対する溶媒の体積(mL)を表す。溶媒を上記範囲の添加量とすることにより、フルオレセインナトリウム(通常、フルオレセインナトリウム組成物であってもよい。)に含まれる有機溶媒を実質的になくすことが可能となり、後述するように、所望の結晶形態を有する、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを得ることができる。
熟成後、再結晶化して析出したフルオレセインナトリウムを固液分離で取り出し、先に使用した2−プロパノール又は2−ブタノールにより洗浄して湿固体を取り出し、乾燥させることにより、所望の実質的に有機溶媒を含有しない、高純度フルオレセインナトリウムを得ることができる。固液分離や乾燥は、効率良く溶媒を除去するために、減圧下で行うことが好ましい。減圧する場合は、0.01MPa以下が好ましく、0.005MPa以下がより好ましい。乾燥温度は、30℃以上100℃以下が好ましく、80℃程度がより好ましい。また、乾燥温度が2−プロパノール又は2−ブタノールの沸点を超える場合には、常圧で乾燥してもよい。
上記固液分離の際には、得られるフルオレセインナトリウムを医薬品として用いる場合、前処理として、除塵操作を行う必要がある。除塵操作は、製造管理及び品質管理基準(Good Manufacturing Practice)を満たす操作であれば特に限定されないが、濾紙を用いた粗濾過若しくはガラスフィルターを用いた精密濾過がより好ましい。除塵操作は、固液分離に先立ち、フルオレセインナトリウムの再結晶化又はそれ以前において行うことが好ましく、熟成後かつ再結晶化以前において行うことがより好ましい。
なお、上述した精製方法は、1回に限らず、さらに純度を上げるために、上述した精製方法を2回以上繰り返してもよい。上述した精製方法を繰り返す場合、繰り返す回数は、上記範囲内であれば特に限定されないが、工業性、効率などの点で、10回以下が好ましく、8回以下がより好ましく、5回以下がさらに好ましい。
フルオレセインナトリウムの純度が上がりにくい場合や、さらに純度を上げたい場合には、固液分離され洗浄された湿固体(以下、試料という)を容器に入れ、加湿・加温下静置した後、減圧乾燥してもよい。試料の厚みは、0.5mm〜4cmが好ましく、温度は15℃〜80℃が好ましく、湿度は30%RH〜100%RHが好ましい。静置時間は、5時間〜48時間が好ましく、10時間〜20時間がより好ましい。減圧は、0.01MPa以下が好ましく、0.005MPa以下がより好ましい。乾燥温度は、30℃以上100℃以下が好ましく、70℃以上90℃以下がより好ましい。
<実質的に有機溶媒を含有しない高純度フルオレセインナトリウムを製造する方法>
本発明の実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを製造する方法は、商用グレードのフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む。当該方法は、上述したフルオレセインナトリウムを精製する方法で説明した条件と同様の条件により、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインを製造する方法である。
本発明によれば、商用グレードのフルオレセインナトリウムから、医薬品グレードの実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムを製造することができる。
<実質的に有機溶媒を含有しない高純度フルオレセインナトリウム>
フルオレセインナトリウムは、下記の式で示される。
本発明においてフルオレセインナトリウムの純度は、高速液体クロマドグラフィ(HPLC)により下記の条件により分析した時のフルオレセインナトリウム成分の面積百分率(以下、HPLC純度ということがある)から定量したものである。
装置:Waters製HPLC (Waters 2998 Photodiode Array Detecter, Waters e2695 Separations Module、SMC Column Heater)
カラム:XBridge C8 4.6×150mm、3.5μm
カラム温度:45℃
検出波長:UV 280nm
移動相A:1%酢酸水溶液(pH2.8)
移動相B:メタノール
流速:1.0mL/min
クランジェント条件:下記の表1の通りである。
また、本発明の高純度フルオレセインナトリウムは、実質的に有機溶媒を含有しないことを特徴とする。残留する有機溶媒の含有量は、上述したように、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)を測定し、測定した核磁気共鳴スペクトルに基づいて含有量を定量することができる。
フルオレセインナトリウム(通常、フルオレセインナトリウム組成物である。)が含有する有機溶媒の量は、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、フルオレセインナトリウムの結晶形態に依存していることがわかった。本発明の実質的に有機溶媒を含有しない、高純度フルオレセインナトリウムの結晶形態(以下、結晶形態Aという)は、有機溶媒を含有しにくい結晶形態を有している。
この結晶形態Aは、CuKα放射線を使用する粉末X線回折において、回折角(2θ±0.2°)16.9°のピーク強度を100%とした場合、回折角(2θ±0.2°)26.4°に相対強度が25%以上の回折ピークを有し、回折角(2θ±0.2°)7.0°以下には相対強度が25%以上の回折ピークを有さないことによって特徴付けられる。さらに、結晶形態Aを特徴付ける相対強度が25%以上の回折ピークとして、回折角(2θ±0.2°)9.7°、14.0°の回折ピークが挙げられ、さらに、回折角(2θ±0.2°)22.6°の回折ピークが挙げられる。なお、粉末X線回折においては、回折角の値は±0.2°の測定誤差を生じる。回折角(2θ±0.2°)26.4°の回折ピークの相対強度は、50%以上であってよく、70%以上であってもよい。
結晶形態Aを有するフルオレセインナトリウムは、粉末X線回析装置(RINT−UltimaIII:リガク社製)を用いて下記の測定条件でX線回析した。結晶形態Aの粉末X線回析データを表2に示す。
(測定条件)
X線源: Cu
電圧: 40kV
電流: 40mA
発散スリット: 1.0mm
発散縦制限スリット: 10mm
散乱スリット: 開放
受光スリット: 開放
第1スリット: なし
第2スリット: なし
入射スリット: なし
受光スリット: なし
走査モード: 連続
サンプリング幅: 0.0200°
走査範囲: 5.0000°−40.0000°
積算回数: 1
スキャンスピード: 4.000°/min.
走査軸: 2θ/θ
θオフセット: 0.0000°
<眼科用診断試薬>
上述した実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム又は高純度フルオレセインナトリウムは、眼科用検査用試薬として用いることができる。眼科用検査用試薬は、通常、眼疾患の診断のための試薬であり、眼科用診断試薬ともいう。具体的には、点眼剤として、角結膜障害の診断、例えばドライアイ、角結膜の擦過傷、潰瘍、角膜ヘルペスなどの診断に有効である。また、造影剤として、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、眼内の炎症などの識別にも有効である。
実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム若しくは高純度フルオレセインナトリウムを用いて眼科用診断を行う方法又は眼疾患を診断する方法もまた、本発明の一つである。かかる診断方法は、通常、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム若しくは高純度フルオレセインナトリウムを含む眼科用診断試薬を点眼剤として眼に滴下し、例えば、黄緑色に染色すれば角結膜障害があると診断することができ、また、造影剤として眼に滴下し、例えば、血管の状態を把握することができ、病変を検出できれば加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、眼内の炎症などであると診断することができる。
以下、実施例を基に本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
市販のフルオレセインナトリウム試薬[試薬A]1gを特級エタノール(濃度99.5体積%)2mLに加えて1時間かけて撹拌溶解させ、水1.4mLを加えて、75℃まで加熱した。特級2−プロパノール(濃度99.7体積%)10mLを加えた後、約18時間かけて撹拌冷却して12℃とした。析出した固体を減圧下で固液分離し、特級2−プロパノール1mLで3回洗浄した。得られた湿固体を減圧下80℃で乾燥し、医薬品グレードのフルオレセインナトリウム(結晶形態A、収率35.7%)を得た。減圧は0.1kPa以上、1kPa以下の範囲内で行った(以下、同様)。
[実施例2]
実施例1の[試薬A]の代わりに市販のフルオレセインナトリウム試薬[試薬B]を用いること以外は、実施例1と同様な操作を行うことにより、医薬品グレードのフルオレセインナトリウム(結晶形態A、収率44.1%)を得た。
[実施例3]
実施例1の[試薬A]の代わりに市販のフルオレセインナトリウム試薬[試薬C]を用いること以外は、実施例1と同様な操作を行うことにより、医薬品グレードのフルオレセインナトリウム(結晶形態A、収率42.1%)を得た。
実施例1〜3で得た各フルオレセインナトリウムの純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量し、残留溶媒の質量を核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)を用いて定量した。結果を表3に示す。表中の%は、質量%を示す。また、図1に実施例1で得られた医薬品グレードのフルオレセインナトリウムの写真を示し、図2に試薬Aの商用グレードのフルオレセインナトリウムの写真を示す。
[結果・考察]
図2に示す試薬Aの商用グレードのフルオレセインナトリウムの茶褐色の粉末は、図1に示す高純度フルオレセインナトリウムの橙色の粉末に精製された。他の実施例でも同様であった。表3から明らかなように、商用グレードのフルオレセインナトリウム(試薬A〜C)から、残留溶媒が0.2%以下である、高純度フルオレセインナトリウムを得られることが確認された。したがって、実施例1〜実施例3により得られるフルオレセインナトリウムは医薬品グレードのフルオレセインナトリウムとして適用できる。
[実施例4]
市販のフルオレセインナトリウム(試薬D:純度99.2%)20gと特級エタノール(濃度99.5体積%)200mLの混合溶液を室温で1時間15分間撹拌した後、濾過補助剤を充填したガラスフィルターでろ過し、特級エタノール20mLで4回洗浄した。濾液を減圧下濃縮・乾固し、特級2‐プロパノール(濃度99.7体積%)40mLを加えて減圧下濃縮する操作を3回繰り返した。核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)にてエタノール、2−プロパノールの残存量を確認後、これらの有機溶媒が含まれるフルオレセインナトリウムを原料として使用し、添加する各有機溶媒の総量が表4中にあるエタノール量、2−プロパノール量となるようにした。そして、表4に示すように原料1gとエタノールの混合液に水を加え、各温度で、特級2−プロパノールを加えて数時間〜24時間撹拌した。析出した各固体を減圧濾過し、特級2−プロパノール1mLで数回洗浄し、得られた湿固体を80℃で減圧乾燥して乾燥固体を得た。
実施例4−1〜実施例4−17における、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により定量された残留溶媒の質量、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により定量した純度、及び収率を表4に示す。表中、2−プロパノールを「IPA」、エタノールを「EtOH」、また検出不能なものを「N.D.」と表記する。
[実施例4−18]
実施例4‐4で得られた結晶形態Aのフルオレセインナトリウム0.59gを5mLのバイアル管に充填し、深さ1.5cm程度であることを確認した。50℃、100%RHにした乾燥機内へ、このバイアルを15時間静置した。H−NMRにて2−プロパノールの質量%を確認したところ、0.028%に低減できた。これを80℃で減圧乾燥し、0.52g回収した(回収率:88.1%)。
[結果・考察]
表4の結果から明らかなように、実施例4−1〜実施例4−17におけるフルオレセインナトリウムは、何れも純度が99.5%を超え、残留溶媒の含有量も極めて少ない。さらに、実施例4−18の操作を加えたフルオレセインナトリウムは、さらに残留溶媒の含有量を低減させることができた。また、実施例4−1〜実施例4−18におけるフルオレセインナトリウムは、粉末X線回折の分析結果から、表2に示す特有のピークを有する、結晶形態Aであることが確認された。
[実施例5]
市販のフルオレセインナトリウム(試薬F:純度93.7%、茶褐色)1gと特級エタノール(濃度99.5体積%)10mLの混合溶液を室温で1時間撹拌した後、濾過補助剤を充填したガラスフィルターでろ過し、特級エタノール1mLで4回洗浄した。濾液を減圧下濃縮し、濃縮残渣2.3gを取得した。この残渣に特級エタノール0.47mL、水1.4mLを加え、外温75℃で、特級2−プロパノール(濃度99.7体積%)9.5mLを加えて溶解した後、外温12.5℃で15時間37分間撹拌した。析出した各固体を減圧濾過し、特級2−プロパノール1mLで3回洗浄し、得られた湿固体を80℃で減圧乾燥し、医薬品グレードのフルオレセインナトリウム(結晶形態A、収率47.3%、純度99.6%、エタノール含有量:検出されず、2−プロパノール含有量:0.21質量%)を得た。
[結果・考察]
実施例5におけるフルオレセインナトリウムは、何れも純度が99.5%を超え、残留溶媒の含有量も極めて少ない。実施例5におけるフルオレセインナトリウムは、粉末X線回折の分析結果から、表2に示す特有のピークを有する、結晶形態Aであることが確認された。
[実施例6]
市販のフルオレセインナトリウム(試薬E:純度99.4%)0.98gと特級エタノール(濃度99.5体積%)10mLの混合溶液を室温で2時間撹拌した後、濾過補助剤を充填したガラスフィルターでろ過し、特級エタノール1mLで4回洗浄した。濾液を減圧下濃縮した。核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)にてエタノールの残存量を確認後、3v/wになるようにエタノールを添加した。この混合液に水1.5mLを加え、内温75度まで加熱し、特級2−ブタノール9.80mLを加えた後、12.5℃へ冷却し、14時間撹拌した。析出した固体を減圧濾過し、特級2−ブタノール2mLで4回洗浄し、得られた湿固体を80℃で減圧乾燥して結晶形態Aとして0.76g(収率:76.3%、純度99.6%、エタノール含有量:0.044質量%、2−ブタノール含有量:0.31質量%)を得た。
[比較例1]
フルオレセインナトリウム試薬[試薬D]5gと特級エタノール(濃度99.5体積%)50mLの混合溶液を室温で1時間撹拌した後、濾過補助剤を充填したガラスフィルターでろ過し、特級エタノール5mLで4回洗浄した。濾液を11.4gになるまで濃縮し、特級2−プロパノール(濃度99.7%)50mLを加え、5分割した後、80℃で24時間撹拌した。析出した各固体を減圧濾過し、特級2−プロパノール1mLで2回洗浄し、湿固体を80℃で減圧乾燥して乾燥固体を得た。結果を表5に示す。
結晶形態Bを有するフルオレセインナトリウムのX線回析データを表6に示す、
[結果・考察]
表5及び表6の結果から明らかなように、再結晶化の際に、フルオレセインナトリウム水溶液を用いない比較例1では、残留溶媒の含有量が多く、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムは得られなかった。
[比較例2]
フルオレセインナトリウム[試薬D]5gと特級エタノール50mLの混合溶液を室温で1時間撹拌した後、濾過補助剤を充填したガラスフィルターでろ過し、特級エタノール5mLで4回洗浄した。濾液を13.0gになるまで濃縮し、特級2−ブタノール50mLを加え、5分割した後、15℃、95℃の各温度で22時間撹拌した。析出した各固体を減圧濾過し、特級2−ブタノール2mLで2回洗浄し、湿固体を80℃で減圧乾燥して乾燥固体を得た。結果を表7に示す。
結晶形態Cを有するフルオレセインナトリウムのX線回析データを表8に示す。
[結果・考察]
表7及び表8の結果から明らかなように、再結晶化の際に、フルオレセインナトリウム水溶液を用いない比較例2では、何れの温度においても、残留溶媒の含有量が多く、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムは得られなかった。

Claims (14)

  1. フルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、フルオレセインナトリウムを精製する方法。
  2. 商用グレードのフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウムを製造する方法。
  3. 商用グレードのフルオレセインナトリウムを溶解させた水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えて、フルオレセインナトリウムを結晶化させることを含む、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムを製造する方法。
  4. 前記水溶液は、エタノール又はメタノールを含む、請求項1〜3の何れか1項記載の方法。
  5. フルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、フルオレセインナトリウムを精製する方法。
  6. 商用グレードのフルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウムを製造する方法。
  7. 商用グレードのフルオレセインナトリウムにメタノール又はエタノールを加えるステップ、前記ステップで得られた溶液に水を加えて水溶液を得るステップ、前記水溶液に2−プロパノール又は2−ブタノールを加えるステップ、及び、前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液中のフルオレセインナトリウムを結晶化させるステップを含む、実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウムを製造する方法。
  8. 前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液の温度が5℃〜75℃である、請求項1〜7の何れか1項記載の方法。
  9. 前記2−プロパノール又は2−ブタノールを加えた後の前記水溶液から結晶化したフルオレセインナトリウムを分離し、乾燥させる操作/ステップを伴う、請求項1〜8の何れか1項記載の方法。
  10. 除塵操作を伴う、請求項1〜9の何れか1項記載の方法。
  11. 純度99.5%を超えるフルオレセインナトリウム。
  12. 実質的に有機溶媒を含有しないフルオレセインナトリウム。
  13. CuKα放射線を使用する粉末X線回折において、回折角(2θ±0.2°)16.9°のピーク強度を100%とした場合、回折角(2θ±0.2°)26.4°に相対強度が25%以上の回折ピークを有し、回折角(2θ±0.2°)7.0°以下には相対強度が25%以上のピークを有さない、フルオレセインナトリウム。
  14. 請求項11〜13の何れか1項記載のフルオレセインナトリウムを含む、眼科用診断試薬。
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