JP2011065170A - 染料含有ネガ型硬化性組成物、カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)有機溶剤可溶性染料、(B)光重合開始剤、(C)ラジカル重合性モノマー、および、(D)有機溶剤、を少なくとも含む染料含有ネガ型硬化性組成物であって、前記(A)有機溶剤可溶性染料とは異なる(X)無機金属塩の全固形分に対する含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする染料含有ネガ型硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
また、顔料系レジストにおいて、レジスト成分中に無機金属塩が含有すると様々な点で問題となることが開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物は、(A)有機溶剤可溶性染料、(B)光重合開始剤、(C)ラジカル重合性モノマー、および、(D)有機溶剤、を少なくとも含む染料含有ネガ型硬化性組成物であって、前記(A)有機溶剤可溶性染料とは異なる(X)無機金属塩の全固形分に対する含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする。本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物は、更にバインダー樹脂、架橋剤等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明によれば、有機溶剤可溶性染料とは異なる無機金属塩の含有量を、組成物の全固形分対して0.1質量%以下とすることで、レジスト液(本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物)の保存安定性を向上させることができ、更に、耐光性をも高めることができる。
以下、本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物について詳細に説明する。
前記有機溶剤可溶性染料としては、有機溶媒に可溶な染料であれば特に制限なく使用することができ、例えば、従来カラーフィルタ用として公知の染料などが挙げられる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の色素が挙げられる。化学構造の観点からは、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、等の染料が使用できる。本発明において、特に好ましくは、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系の染料である。
前記酸性染料について説明する。酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸やフェノール性水酸基等の酸性基を有する色素であれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択されるのが好ましい。
Acid Alizarin Violet N;
Acid Black 1,2,24,48;
Acid Blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,42,45,51,62,70,74,80,83,86,87,90,92,96,103,112,113,120,129,138,147,150,158,171,182,192,210,242,243,256,259,267,278,280,285,290,296,315,324:1,335,340;
Acid Chrome violet K;
Acid Fuchsin;
Acid Green 1,3,5,9,16,25,27,50,58,63,65,80,104,105,106,109;
Acid Orange 6,7,8,10,12,26,50,51,52,56,62,63,64,74,75,94,95,107,108,169,173;
Acid Violet 6B,7,9,17,19;
Acid Yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,38,40,42,54,65,72,73,76,79,98,99,111,112,113,114,116,119,123,128,134,135,138,139,140,144,150,155,157,160,161,163,168,169,172,177,178,179,184,190,193,196,197,199,202,203,204,205,207,212,214,220,221,228,230,232,235,238,240,242,243,251;
Direct Orange 34,39,41,46,50,52,56,57,61,64,65,68,70,96,97,106,107;
Direct Red 79,82,83,84,91,92,96,97,98,99,105,106,107,172,173,176,177,179,181,182,184,204,207,211,213,218,220,221,222,232,233,234,241,243,246,250;
Direct Violet 47,52,54,59,60,65,66,79,80,81,82,84,89,90,93,95,96,103,104;
Direct Green 25,27,31,32,34,37,63,65,66,67,68,69,72,77,79,82;
Mordant Yellow 5,8,10,16,20,26,30,31,33,42,43,45,56,50,61,62,65;
Mordant Orange 3,4,5,8,12,13,14,20,21,23,24,28,29,32,34,35,36,37,42,43,47,48;
Mordant Violet 2,4,5,7,14,22,24,30,31,32,37,40,41,44,45,47,48,53,58;
Mordant Blue 2,3,7,8,9,12,13,15,16,19,20,21,22,23,24,26,30,31,32,39,40,41,43,44,48,49,53,61,74,77,83,84;
Mordant Green 1,3,4,5,10,15,19,26,29,33,34,35,41,43,53;
Food Yellow 3;
およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
Acid Black 24;
Acid Blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;
Acid Orange 8,51,56,74,63,74;
Acid Red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217,249;
Acid Violet 7;
Acid Yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,134,155,169,172,184,220,228,230,232,243;
Acid Green 25;
などの染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
含窒素化合物は、塩またはアミド化合物の有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、染料の吸光度・色価、硬化性組成物中の他の成分との相互作用、着色剤としての耐熱性および耐光性等の全てを勘案して選択される。吸光度・色価の観点のみで選択する場合には、前記含窒素化合物としてはできるだけ分子量の低いものが好ましく、中でも分子量300以下のものが好ましく、分子量280以下のものがより好ましく、分子量250以下のものが特に好ましい。
酸性染料は、アルカリ現像の際に好適に作用する場合もあるが、一方で過現像となってしまうこともあり、非酸性染料を好適に使用する場合もある。非酸性染料としては、前記記載の酸性染料の酸性基を有さない染料などが好適に使用される。
次に、光重合開始剤について説明する。前記光重合開始剤は、染料含有ネガ型硬化性組成物をネガ型に構成する場合に後述する(C)ラジカル重合性モノマーと共に含有される。光重合開始剤としてはラジカル重合性モノマーを重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
前記オキシム化合物としては、例えば、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−メトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(またはミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物;米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル;米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物;米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物;米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリールイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
次に、ラジカル重合性モノマーについて説明する。前記ラジカル重合性モノマーとしては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性二重結合を有し、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物が好ましい。前記エチレン性二重結合は(メタ)アクリレートであることが好ましい。後述の光重合開始剤等と共に含有することにより、染料含有ネガ型硬化性組成物をネガ型に構成することができる。
中でも、本発明のラジカル重合性モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル化合物が好ましい。
次に、本発明の特徴の一つである(A)有機溶剤可溶性染料とは異なる(X)無機金属塩(以下、単に「無機金属塩」という場合もある。)について説明する。本発明において「(A)有機溶剤可溶性染料とは異なる(X)無機金属塩」とは、有機溶剤可溶性染料成分ではない無機金属塩であり、具体的には、有機溶剤可溶性染料の塩を含まない無機金属塩またはフリーの金属イオンを含む概念である。
本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物は、これら無機金属塩の含有量を全固形分に対して0.1質量%以下とすることで、レジスト液(本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物)の保存安定性を向上させることができるとともに、耐光性を高めることができる。前記無機金属塩の含有量が0.1質量%を超えると、前記保存安定性と耐光性とを低下させる要因となる。
具体的には、金属−サルコシン錯体の逆相分配高速液体クロマトグラフィーによるオンカラム誘導体化法で行うことができる。
サルコシン誘導体としては、例えば、(株)同仁化学研究所製のN−(ジチオカルボキシ)サルコシンナトリウム塩(DTCSNa)を使用することができる。また、高速液体クロマトグラフィー装置としては、島津製作所(株)製の10Avpシリーズを用いることができ、カラムについては東ソー(株)製の「Octadecyl−2PW」6.0×150mmを使用することができる。前記オンカラム誘導体化法で銅イオン(Cu2+)の濃度を測定する場合、検出される面積値を別途作製した検量線から換算することで、銅イオンの濃度を算出することができる。
尚、サルコシン誘導体と銅塩の錯体形成に関しては、境幸夫,黒木佳津子著、「分析化学」、28、1979年、p.429−431に詳しい。また、高速液体クロマトグラフィーによる金属錯体の同定に関しては、星座,高橋則充,井上貞信,松原睦哉著、「分析化学」、35、1986年、p.819−822;五十嵐淑朗,小原昭,足立弘明,四つ柳隆夫著、「分析化学」、35、1986年、p.829−831;渡辺英三郎、中島英充、蝦名毅、星野仁、四つ柳隆夫著、「分析化学」、32、1983年、p.469−474に詳しく記述してある。
本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物の保存性安定性や耐光性に対しては、特に合成時に使用するカルシウムおよびナトリウムや、金属含有染料の不純物である金属塩が問題であり、さらには、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン等を適用した際にも、それぞれフリーの銅、亜鉛、コバルトイオンが前記特性に対して問題となる。
次に有機溶剤について説明する。本発明に用いられる有機溶剤は、各成分の溶解性や染料含有ネガ型硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
次に、バインダー樹脂について説明する。本発明におけるバインダー樹脂は、有機溶剤可溶であればいずれのものでもよく、例えば、有機高分子重合体が好適に用いられる。中でも、アルカリ可溶性バインダーが好適に用いられる。前記アルカリ可溶性バインダーは、水可溶性またはアルカリ可溶性であれば特に限定はないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
また、親水性を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級または3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐または直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
−架橋剤−
本発明においては、補足的に架橋剤を用いて更に高度に硬化させた膜を得ることも可能である。以下、架橋剤について説明する。
本発明に使用可能な架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物およびウレア化合物を総じて、(b)における(メチロール基、アルコキシメチル基またはアシロキシメチル基含有)化合物という。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物またはその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物またはその混合物、などが挙げられる。
これら(b)における化合物は、単独で使用してもよく、組合せて使用してもよい。
前記ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
これら(c)における化合物は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。
本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物には、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
次に、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物が用いられる。本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を含むことを特徴とする。 前記カラーフィルタの製造方法において、所望の色相よりなるカラーフィルタを製造するに際しては前記工程が所望の色相数だけ繰り返される。また、必要に応じて、前記パターン像を加熱および/または露光により硬化する工程を有する態様も好適である。
即ち、本発明の染料含有ネガ型硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型の着色パターンを形成する(画像形成工程)。また、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
以下に示す組成で各化合物を混合して溶解し、各実施例および比較例の染料含有ネガ型硬化性組成物を調製した。実施例中の金属イオン(Cu2+)量の測定は、銅フタロシアニンを特開2004−315729号公報に記載の方法に従い、N−(ジチオカルボキシ)サルコシンナトリウム塩によるHPLC法により定量した値をレジスト液中の質量%として換算した。
※表1に用いられている語句については以下の通りである。
・樹脂A:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(=80/20〔モル比〕)
・モノマーA:日本化薬(株)製、DPHA(主成分:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・オキシムA:2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)
オキシムB:1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカル(株)製)
・銅フタロシアニンA(商品名:VB−2620、オリエント化学(株)製)
レジスト溶液(商品名:CT−2000L:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)社製)を、シリコンウェハー基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜(下塗り層)を形成した。
各実施例および比較例の染料含有ネガ型硬化性組成物を調液直後から、室温で一ヵ月間保存した。一ヶ月経過後にそれぞれ同条件で前記2)で作製した下塗り層付シリコンウェハー基板に塗布し塗布膜を形成した。次いで、接触式膜厚計(Veeco社製、DEKTAK6)を用いて10箇所の膜厚を測定し、全ての膜厚が同じである場合を「○」、膜厚が変動しているものを「×」とした。結果を下記表2に示す。
前記2)で作製した下塗り層付きガラス基板上に、各実施例および比較例の染料含有ネガ型硬化性組成物をそれぞれ膜厚1μmで塗布した。得られた塗布膜にキセノン照射ウェザーメーター(商品名:SX75、スガ試験機(株)製)にて20時間キセノン光を照射して、分光変化を測定し、カラー解析プログラムにてΔE*abを算出した。結果を下記表2に示す。
また、実施例1〜3の染料含有ネガ型硬化性組成物はいずれも耐光性に優れているのに対し、比較例1〜3の染料含有ネガ型硬化性組成物は全て耐光性に劣っていた。
Claims (13)
- (A)有機溶剤可溶性染料、(B)光重合開始剤、(C)ラジカル重合性モノマー、および、(D)有機溶剤、を少なくとも含む染料含有ネガ型硬化性組成物であって、前記(A)有機溶剤可溶性染料とは異なる(X)無機金属塩の全固形分に対する含有量が0.1質量%以下であり、
前記(B)光重合開始剤がオキシム系化合物であり、
前記(A)有機溶剤可溶性染料が、フタロシアニン系染料であることを特徴とする染料含有ネガ型硬化性組成物。 - 前記(X)無機金属塩の含有量が、全固形分に対して0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- さらに、(E)バインダー樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(C)ラジカル重合性モノマーが、多官能(メタ)アクリル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(E)バインダー樹脂が、アルカリ可溶性バインダーであることを特徴とする請求項3または4に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(A)有機溶剤可溶性染料が、吸収特性の異なる2種以上の染料の混合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(A)有機溶剤可溶性染料が、酸性染料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(B)光重合開始剤が、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、または、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(X)無機金属塩の含有量が、全固形分に対して0.0001〜0.01質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 前記(X)無機金属塩の含有量が、全固形分に対して0.003〜0.09質量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の染料含有ネガ型硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 請求項11に記載のカラーフィルタの製造方法によって形成されることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項12に記載のカラーフィルタが各画素の受光部とマイクロレンズとの間に配置されることを特徴とする固体撮像素子。
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