JP2006290915A - 架橋可能な重合体組成物およびその用途 - Google Patents

架橋可能な重合体組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性などの特性に優れ、しかも揮発成分、VOCの含有量の少ない架橋成形体を与えることができる、架橋可能な重合体組成物およびその用途を提供すること。
【解決手段】架橋可能な重合体組成物は、アルケニル基を有する有機重合体(A)と、1分子中にケイ素に結合した水素を6個以上有するSiH基含有化合物(B)とを含有してなり、該組成物から調整した未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより得られた架橋シートから採取した試料を200℃で5分間加熱した時の揮発成分量が1000ppm以下であり、かつ前記架橋シートから作製したJIS 3号ダンベルを
用い、JIS K 6251に従って測定した引張破断強度が3MPa以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋(加硫)可能な重合体組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性、低臭気性などの特性に優れ、しかも揮発成分、揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少ない架橋成形体を与えることができる、架橋可能な重合体組成物およびその用途に関する。
近年、架橋ゴム製品の揮発成分が問題となる用途が出てきている。例えば建築材料では、架橋ゴム製品から発生する揮発成分やVOCの制限が設けられ、電気・電子材料でも電気接点不良などの問題から、ハードディスクカバーや半導体シール材などは揮発成分を制限する動きがある。特にイオウ加硫、過酸化物架橋では加硫促進剤の分解物や、過酸化物の分解残渣が揮発する事が知られている。
イオウや過酸化物を用いない架橋方法としては、特殊EPTをヒドロシリル化反応を利用して架橋する方法が提案されている(特許文献1)。この方法によれば、イオウ加硫、過酸化物架橋に比べて、臭いが少ないことが開示されている。しかし揮発成分の量については開示されておらず、しかも本発明者らが検討したところ、揮発成分の量は、上記のような用途の観点からは、必ずしも少ないとはいえないことがわかった。
国際公開00/55251号パンフレット
本発明は上記のような課題を解決しようとするものであって、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性などの特性に優れ、しかも揮発成分、VOCの含有量の少ない架橋成形体を与えることができる、架橋可能な重合体組成物およびその用途を提供することにある。
本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、アルケニル基を有する有機重合体を含んでなる組成物であって、該組成物から調整した厚さ2mmの未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより得られた架橋シートから採取した試料2.0gを200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であり、かつ前記架橋シートから作製したJIS 3号ダンベルを用い、J
IS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で測定した
引張破断強度が3MPa以上であることを特徴としている。
前記有機重合体(A)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体であることが好ましく、この架橋可能な重合体組成物は、可塑剤を含有してもよい。
本発明の他の態様に係る架橋可能な重合体組成物は、アルケニル基を有する有機重合体(A)と、
1分子中にケイ素に結合した水素を6個以上の量で有するSiH基含有化合物(B)とを含有してなることを特徴としている;
前記有機重合体(A)は、非共役ポリエンが下記一般式(I)または(II)で表わされる少なくとも一種のノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体であることが好ましい。
Figure 2006290915
(式中、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。)
Figure 2006290915
(式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。)。
前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、
(i)エチレン単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位とのモル比(エチレン単位/α−オレフィン単位)が40/60〜95/5の範囲にあり、
(ii)ヨウ素価が0.5〜50(g/100g)の範囲にあり、
(iii)135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度[η]が0.3〜10dl/gの範
囲にある
ことが好ましい。
前記SiH基含有化合物(B)の含有量は、有機重合体(A)100重量部に対して、1〜10重量部の範囲内にあることが好ましい。
本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、さらに触媒(C)、反応抑制剤(D)および可塑剤(E)の少なくとも1種を含有してもよい。
前記(C)触媒は、塩素を含まない白金触媒から選ばれるものであることが好ましい。
この架橋可能な重合体組成物は、該組成物から調整した厚さ2mmの未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより得られた架橋シートから採取した試料2.0gを200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であり、かつ前記架橋シートから作製したJIS 3号ダン
ベルを用い、JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の
条件で測定した引張破断強度が3MPa以上であることが好ましい。
本発明に係る成形体は、上記架橋可能な重合体組成物を架橋して得られることを特徴としている。
この成形体は、該成形体から採取した試料2.0を200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であることが好ましい。
本発明に係る成形体には、自動車用シール部品、建築用シール部品、電気・電子用シール部品などがある。
本発明の架橋可能な重合体組成物は、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性、低臭気性などの特性に優れ、しかも揮発成分やVOCの少ない架橋成形体を与えることができる。
また本発明の架橋成形体は、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性、低臭気性などの特性に優れ、しかも揮発成分、VOCが少ない。
以下、本発明に係る架橋(加硫)可能な重合体組成物およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、アルケニル基を有する有機重合体(A)、SiH基を1分子中に少なくとも6個持つSiH基含有化合物(B)、および必要に応じて触媒(C)、反応抑制剤(D)または可塑剤(E)を含有してなる組成物であって、該組成物を架橋した架橋物のGC−MSにより測定した揮発成分量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下であり、かつその引張強度が3MPa以上、好ましくは5〜20MPa、さらに好ましくは8〜20MPaである。
ここで揮発成分量の測定は以下のように行われる。
プレス成形機を用いて40℃で6分間加圧し、厚み2mmの未架橋シートを調製する。次に、この未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより架橋シートを得る。この架橋シートを裁断した試料2.0gを20mlバイアル瓶に入れ封をする。これを200℃で5分間加熱した時の揮発成分について、GC−MS法による測定を行い、揮発成分を定量する。測定条件は下記の通り。
装置:Hewlett-Packard社製、HP7694HS-HP6890GC/HP5973MSシステム
分離カラム:HP−5MS 30m 0.25mmφ 0.25μm
カラム温度:40℃(3min)−10℃/min昇温−250℃
また、引張強度の測定は以下のように行われる。
揮発成分量の測定の際に調製した架橋シートからJIS 3号ダンベルを作製し、この
JIS 3号ダンベルを用い、JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、架橋シートの破断時の強度TBと伸びEBを測定する。
アルケニル基を含有する有機重合体(A)
本発明で用いられるアルケニル基を含有する有機重合体(A)としては、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を含有する有機重合体であれば特に制限はなく、各種主鎖骨格をもつ有機重合体を使用することができる。なお、この明細書において、有機重合体(A)の「重合体」なる語は、単独重合体と共重合体の両方を含むものとする。
このような有機重合体(A)としては、具体的には、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のポリエーテル系重合体;
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等の二塩基酸またはその酸無水物とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとの縮合物;
ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系共重合体;
アルケニル基を含有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
(A2)、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプロピレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンとブタジエン、アクリロニトリルもしくはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、ブタジエンとスチレンもしくはアクリロニトリル等との共重合体、さらにはポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレン、ブタジエンとアクリロニトリル、スチレン等との共重合体を水素添加して得られる共重合体などの炭化水素系重合体(A1);
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルと酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、スチレン等とのアクリル酸エステル系重合体;
前記有機重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;
ポリサルファイド系重合体;
ビスフェノールAと塩化カルボニルとを縮重合して製造されたポリカーボネート系重合体などが挙げられる。
このなかでも、ポリエステル系重合体、ポリエーテル系重合体、アクリル酸エステル系重合体、炭化水素系重合体(A1)が好ましい。なかでも、炭化水素系重合体(A1)がより好ましい。炭化水素系重合体(A1)のなかでも、アルケニル基を含有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム、ポリイソブチレンが特に好ましい。
アルケニル基としては、アルキリデン基、ビニル基が好ましい。
アルケニル基を導入する方法としては、重合中に導入する方法、重合後に導入する方法が考えられる。このような方法は公知である。
これらのアルケニル基を含有する有機重合体のうちでも特に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、下記一般式(I)または(II)で表される非共役ポリエンとの共重合体である、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体が好ましい。
このような炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく用いられる。
これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
非共役ポリエンは、下記の一般式(I)または(II)で表わされるビニル基含有ノルボルネン化合物である。
Figure 2006290915
一般式(I)において、nは0ないし10の整数であり、
1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
1が示す炭素原子数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
2が示す炭素原子数1〜5のアルキル基の具体例としては、上記R1の具体例のうち、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
Figure 2006290915
一般式(II)において、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である

3が示す炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例としては、上記R1が示す炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
上記一般式(I)または(II)で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,
3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2
−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチ
ル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど挙げられる。このなかでも、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5
−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では上記ノルボルネン化合物の他に、本発明の目的とする物性を損なわない範囲で、以下に示す非共役ポリエンを併用することもできる。
このような非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル
−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン
等の鎖状非共役ジエン;
メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;
2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリ
デン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエンなど
が挙げられる。
上記のような諸成分からなるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、以下のような特性を有している。
(i)エチレン単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位とのモル比
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、エチレンから導かれる単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(以下、単に「α−オレフィン」ということがある。)から導かれる単位とのモル比(エチレン単位/α−オレフィン単位)が、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜90/10、好ましくは55/45〜85/15、特に好ましくは60/40〜80/20、最も好ましくは60/40〜70/30の範囲にある。
このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた架橋成形体を提供できる重合体組成物が得られる。
(ii)ヨウ素価
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体のヨウ素価は、0.5〜50(g/100g)、好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましくは1〜30(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/100g)、より好ましくは1.5〜10(g/100g)、最も好ましくは2〜6(g/100g)である。
このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋効率の高い重合体組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性、低揮発性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた架橋成形体を提供できる重合体組成物が得られる。ヨウ素価が50を超えると、コスト的に不利になるので好ましくない。
(iii)極限粘度
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.3〜10dl/g、通常は0.5〜10dl/g、好ましくは0.6〜8dl/g、さらに好ましくは0.7〜6dl/g、特に好ましくは0.8〜5dl/g、最も好ましく1〜3.5dl/gであることが望ましい。
この極限粘度[η]が上記範囲内にあると、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、加工性に優れた架橋成形体を提供できる重合体組成物が得られる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、さらに次の特性を有していることが好ましい。
(iv)分子量分布(Mw/Mn)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は、3〜50、好ましくは3.3〜40、さらに好ましくは3.5〜30、最も好ましくは10〜30である。
この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、加工性に優れるとともに、強度特性に優れた架橋成形体を提供できる重合体組成物が得られる。
(v)動的粘弾性測定器より求めた分岐指数
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体の動的粘弾性測定器より求めた分岐指数は5以上が望ましく、好ましくは7以上、さらに好ましくは9以上、特に好ましくは10以上である。この分岐指数の値が5より小さいと、高ずり速度領域での粘度が高くなり、流動性が悪化するため、ロール加工性および押出加工性が悪くなる。
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、
例えば下記バナジウム化合物(a)および有機アルミニウム化合物(b)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜50℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、特に5〜8kgf/cm2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα-オレフィンと、上記一般式(I)または(II)で表わされるビニル基含有ノ
ルボルネン化合物とをランダム共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行うのが好ましい。
バナジウム化合物(a)としては、例えば
VO(OR)n3-n
(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)
で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子である)で表わ
されるバナジウム化合物が挙げられる。
上記可溶性バナジウム化合物は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、より具体的には、
一般式 VO(OR)abまたはV(OR)cd
(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)
で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
より具体的には、VOCl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC252Cl、VO
(O−iso-C37)Cl2、VO(O−n−C49)Cl2、VO(OC253、VOB
3、VCl4、VOCl3、VO(O−n−C493、VCl3・2OC612OHなどを例示することができる。
有機アルミニウム化合物(b)としては、
R'mAlX'3-m
(R'は炭化水素基であり、X'はハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である)
で表わされる有機アルミニウム化合物が挙げられる。
上記有機アルミニウム化合物(b)としては、具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
1 0.5Al(OR10.5などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
本発明において、上記バナジウム化合物(a)のうち、VOCl3で表わされる可溶性
バナジウム化合物と、上記有機アルミニウム化合物(b)のうち、Al(OC252
l/Al2(OC253Cl3のブレンド物(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分とし
て使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体が得られるので好ましい。
また、上記共重合の際に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒、例えば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても差し支えない。
また、本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、極性モノマー例えば不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
このような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好
ましい。
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、何れの場合も前述したグラフト変性前のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。
上記のようなグラフト量が上記範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を用いると、耐寒性に優れた架橋成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に優れた重合体組成物が得られる。
グラフト変性したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、前述した未変性のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
このグラフト反応は溶液にして行うこともできるし、溶融状態で行ってもよい。溶融状態でグラフト反応を行う場合には、押出機の中で連続的に行うことが最も効率的であり、好ましい。
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α'−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
また、不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
SiH基含有化合物(B)
本発明で用いられるSiH基含有化合物(B)は、有機重合体(A)と反応し、架橋剤として作用する。このSiH基含有化合物(B)は、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要である。本発明では1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも6個以上、より好ましくは6〜12個、さらに好ましくは6〜10個含んでいることが特に好ましい。この範囲であれば特に架橋成形体の揮発成分量が少ない。
このようなSiH基含有化合物(B)としては、通常、下記の一般組成式
4 bcSiO(4-b-c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、R4は、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換
または非置換の1価炭化水素基(但し、脂肪族不飽和結合を有するものを除く)であり、このような1価炭化水素基としては、前記R1として例示した炭素原子数1〜10のアル
キル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基例えばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
また、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
このSiH基含有化合物(B)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、任意
にR4 3SiO1/2単位、R4 2SiO2/2単位、R4(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2また
はR4SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3
(式中のdは2以上の整数である。)
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CH33SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3
(式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。)
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)2-Si(CH3)2OH
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)2OH(式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-Si(CH3)2
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e-Si(CH3)2
(式中のeは1以上の整数である。)
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)h-Si(CH3)2
(式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。)
このような化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3−ジハイドロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
好ましい化合物である1分子中にケイ珪素に結合した水素を6個以上の量で有するSiH含有化合物としては、具体的には、上記例示した化合物であって、SiH結合の数が6個以上のもの、および下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
(CH33SiO-[-SiH(CH 3 )-O-] 6 -[-Si(CH 3 ) 2 -O-] 1 -[-Si(Ph) 2 -O-] 1 -Si(CH3)3 …(IV)
(ただし上記式(IV)で表される化合物中、アンダーラインを引いた部分の、[-SiH(CH3)-O-]、[-Si(CH3)2O-]、[-Si(Ph)2−O−]の各構成単位は、ランダムに結合している。また、Phはフェニル基を表す。)
このような化合物は、市販のもの(例えば信越化学株式会社製のもの)を使用できる。
SiH基含有化合物(B)は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部、さらにより好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは2〜8重量部、最も好ましくは2〜6重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合でSiH基含有化合物(B)を用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れ、しかも揮発成分、VOCの少ない架橋成形体を形成できる重合体組成物が得られる。
また、有機重合体(A)の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂肪族不飽和基)は、0.2〜10、さらには0.5〜2、特に0.7〜1.2であることが好ましい。
触媒(C)
本発明で任意成分として用いられる触媒(C)は、付加反応触媒であり、上記有機重合体(A)のアルケニル基と、SiH基含有化合物(B)のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものである。具体的には、例えば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応触媒(周期表8族金属、8族金属錯体、8族金属化合物等の8族金属系触媒)を挙げることができ、中でも、白金系触媒が好ましい。
白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシ
ロキサンとの錯化合物などが挙げられる。より具体的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金を担持させたものなどが挙げられる。
上記パラジウム系触媒は、パラジウム、パラジウム化合物、塩化パラジウム酸等からなり、また、上記ロジウム系触媒は、ロジウム、ロジウム化合物、塩化ロジウム酸等からなる。
上記以外の触媒(C)としては、ルイス酸、コバルトカルボニルなどが挙げられる。
本発明においては触媒(C)としては、塩素を含まない白金錯体が特に好ましく、中でも白金−オレフィン錯体が好ましく用いられる。
触媒(C)は、金属原子換算で、有機重合体(A)に対して、0.1〜1,000重量
ppm、通常0.1〜500重量ppm、好ましくは1〜200重量ppm、さらに好ましくは1〜100重量ppm、特に好ましくは5〜50重量ppmの割合で用いられる。
上記範囲内の割合で触媒(C)を用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れ、さらに揮発成分量の少ない架橋成形体を形成できる重合体組成物が得られる。
なお、本発明においては、上記触媒(C)を含まない重合体組成物の未架橋成形体に、光、γ線、電子線等を照射して架橋成形体を得ることもできる。
反応抑制剤(D)
本発明で触媒(C)とともに任意成分として用いられる反応抑制剤(D)としては、ベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(例えばエチニルシクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(例えばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N−ジア
リルベンズアミド、N,N,N',N'−テトラアリル−o−フタル酸ジアミド、N,N,N',
N'−テトラアリル−m−フタル酸ジアミド、N,N,N',N'−テトラアリル−p−フタル酸ジアミド等)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
反応抑制剤(D)は、有機重合体(A)100重量部に対して、0〜20重量部、通常
0.0001〜15重量部、好ましくは0.0001〜10重量部、より好ましくは0.0001〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.1〜0.5重量部の割合で用いられる。
20重量部以下の割合で反応抑制剤(D)を用いると、架橋スピードが速く、架橋成形体の生産性に優れた重合体組成物が得られる。20重量部を超える割合で反応抑制剤(D)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
軟化剤(E)
軟化剤(可塑剤)としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
これらの軟化剤の配合量は、架橋物の用途により適宜選択される。
その他の成分
本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、未架橋のままでも用いることができるが、架橋物として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
本発明に係る架橋可能な重合体組成物中に、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、老化防止剤、加工助剤、架橋助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック;シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック;微粉ケイ酸;シリカなどが挙げられる。
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。
また、これらシリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、より好ま
しくは100〜400m2/gである。
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は通常、有機重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は通常、有機重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記老化防止剤としては、例えばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
アミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などが挙げられる。
ジフェニルアミン類としては、具体的には、p-(p-トルエン・スルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4'−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4'−
ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物;ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物;ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物;ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物;オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p'-ジオクチル・ジフェニルアミン、ア
ルキル化ジフェニルアミンなどが挙げられる。
フェニレンジアミン類としては、具体的には、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−2
−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン、N−フェニル−N'−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン類などが挙げられる。
これらの中でも、特に4,4'−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
ヒンダードフェノール系老化防止剤としては、具体的には
(1)1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
(2)4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
(3)2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
(4)7−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、
(5)テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
(6)ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、
(7)トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(8)1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(9)2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
(10)トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレー
ト、
(11)2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(12)N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロシンナアミド、
(13)2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、
(14)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート−ジエチルエス
テル、
(15)テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメ
イト)]メタン、
(16)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸エステル、
(17)3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。中でも、特に(5)、(17)の
フェノール化合物が好ましい。
イオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
具体的には、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤などを挙げることができる。これらの中でも、特に2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)が好ましい。
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
このような加工助剤は、通常、有機重合体(A)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
また、本発明に係る架橋可能な重合体組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムとブレンドして用いることができる。
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
さらに従来公知のエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いることもでき、例えばエ
チレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体以外のエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(例えばEPDMなど)を用いることができる。
重合体組成物およびその架橋成形体の調製
本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、有機重合体(A)、SiH基含有化合物(B)および必要に応じて用いられる触媒(C)等の配合剤を、従来公知の方法で混合することにより調製することができる。また、本発明に係る架橋ゴム形成体は、架橋可能な重合体組成物を意図する形状に成形した後に架橋を行えばよい。
本発明に係る架橋可能な重合体ム組成物は、例えば次のような方法で調製される。
すなわち、本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、有機重合体(A)および必要に応じてゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を、好ましくは80〜170℃の温度で3〜10分間混練し、次に、この混練物にSiH基含有化合物(B)、必要に応じて触媒(C)、反応抑制剤(D)を追加混合し、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
本発明においては、有機重合体(A)とゴム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることができるが、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とは同時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまうことがあるため、SiH基含有化合物(B)と触媒(C)とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練りすることが好ましい。SiH基含有化合物(B)と触媒(C)のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超える高温でも混練りすることができる。なお、混練りによる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっては好ましい。
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、有機重合体(A)、SiH基含有化合物(B)、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとともに、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤などを同時に混練してもよい。
上記のようにして調製された、本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、架橋することができる。120〜270℃の温度で1〜30分間加熱するか、あるいは光、γ線、電子線を照射することにより架橋物が得られる。この架橋の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、架橋の工程は通常連続的に実施される。加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
意図する形状に成形してから架橋を行ういわゆる非動的架橋の場合、酸素の存在下で架橋が可能であること、特に上記熱空気等により架橋できることは、特に有益である。酸素の存在下で架橋を行うことが可能であれば、架橋槽を密閉状態とし、かつ酸素を排除する必要が無く、装置の簡略化、工程の短縮化が可能となるからである。このような利点は、押出成形された架橋成形体を生産する場合に特に顕著となる。
また、分子量の低い有機重合体(A)を用いる場合には、有機重合体(A)が液体状態にあるため、液体の状態でSiH基含有化合物(B)を混合し、必要に応じて触媒(C)、反応抑制剤(D)を混合し、意図する形状の金型に流し室温で架橋させることができる
本発明に係る架橋可能な重合体組成物を架橋してなる架橋成形体は、耐圧縮永久歪み性、強度特性、耐熱性、耐候性、摩耗性などの特性に優れ、しかも揮発成分が少ない。ここで架橋成形体の揮発成分は、成形体からサンプルを取り出して前記組成物の項で説明したと同じ方法を用いて測定することができる。
架橋成形体の用途
本発明に係る架橋成形体は、自動車用ウェザーストリップ、建築用材料、ホース(自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース)、防振ゴム(自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム)、ベルト(伝動ベルト、搬送用ベルト)、シール材(自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材)、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品、OA機器用ロール、工業用ロールおよび家庭用ゴム製品等に好適に用いることができる。
さらに、本発明に係る架橋成形体は、自動車用内装材、低VOC自動車材料、電子部品、ハードディスクカバー、電磁波シールド、放熱材料、透明ホース、腕時計バンド、半導体封止材料、太陽電池封止材料、建築用低VOC材料、建築ガスケット、建築用シ−ト、建築目地材、などに好適に用いることができる。
上記自動車用ウェザーストリップとしては、例えばドアウエザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレータウェザーストリップ、スライディングループパネルウェザーストリップ、フロントウインドウェザーストリップ、リヤウインドウェザーストリップ、クォーターウインドウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウターウェザーストリップ、ドアガラスインナーウェザーストリップ、ダムウインドシールド、クラスランチャネル、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップなどが挙げられる。
上記自動車用ホースとしては、例えばブレーキホース、ラジエターホース、ヒーターホース、エアークリーナーホースなどが挙げられる。
上記自動車用防振ゴムとしては、例えばエンジンマウント、液封エンジンマウント、ダンパープーリ、チェーンダンパー、キャブレターマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウント、ラバーブッシュ、バンパゴム、ヘルパーゴム、スプリングシート、ショックアブソーバー、空気ばね、ボディマウント、バンパガード、マフラーサポート、ゴムカップリング、センターベアリングサポート、クラッチ用ゴム、デフマウント、サスペンションブッシュ、すべりブッシュ、クッションストラットバー、ストッパ、ハンドルダンパー、ラジエターサポーター、マフラーハンガーなどが挙げられる。
上記鉄道用防振ゴムとしては、例えばスラブマット、バラスマット、軌道マットなどが挙げられる。
上記産業機械用防振ゴムとしては、例えばエキスパンションジョイント、フレキシブルジョイント、ブッシュ、マウントなどが挙げられる。
上記伝動ベルトとしては、例えばVベルト、平ベルト、歯付きベルトなどが挙げられる。
上記搬送用ベルトとしては、例えば軽搬送用ベルト、円筒形ベルト、ラフトップベルト、フランジ付き搬送用ベルト、U型ガイド付き搬送用ベルト、Vガイド付き搬送用ベルトなどが挙げられる。
上記自動車用カップ・シール材としては、例えばマスタシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ、等速ジョイントブーツ、ピンブーツ、ダストカバー、ピストンシール、パッキン、Oリング、ダイヤフラムなどが挙げられる。
上記産業機械用シール材としては、例えばコンデンサーパッキン、Oリング、パッキンなどが挙げられる。
上記自動車用ウェザーストリップスポンジとしては、例えばドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、コーナースポンジなどが挙げられる。
上記建築用シールスポンジとしては、例えばガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部のシールスポンジなどが挙げられる。
上記OA機器用ロールとしては、例えば帯電ロール、転写ロール、現像ロール、給紙ロールなどが挙げられる。
上記工業用ロールとしては、例えば製鉄用ロール、製紙用ロール、印刷用電線ロールなどが挙げられる。
上記家庭用ゴム製品としては、例えば雨具、輪ゴム、靴、ゴム手袋、ラテックス製品、ゴルフボールなどが挙げられる。
また、本発明に係る架橋可能な重合体組成物は、常温での架橋が可能であり、また、反応射出成形(RIM)用に好適に用いられる。さらに、熱可塑性エラストマーの製造の際に用いることができるし、エンジニアリングプラスチックの改質にも用いることができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
なお実施例、比較例で用いた共重合体の組成、ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/Mn)、γ2/γ1、有効網目鎖密度(ν)、γ2/γ1と有効網目鎖密度(架橋密度の指標)との関係は、次のような方法で測定ないし求めた。
(1)共重合体の組成
共重合体の組成は13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体のヨウ素価
共重合体のヨウ素価は、滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η]
共重合体の極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
共重合体の分子量分布は、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わした。GPCには、カラムに東ソー(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒にはオルソジクロロベンゼンを用いた。
(5)分岐指数
長鎖分岐を有しないEPR(分子量の異なる4サンプル)について動的粘弾性試験機を用いて複素粘性率η*の周波数分散を測定した。
0.01rad/secと8rad/secのときの複素粘性率η*を求め、複素粘性率η1L *(0.
01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η2L *(8rad/sec)を横軸にプロットし、基準ラインを作成し、そのラインの延長線上にあるη2L *=1×103/Pa・sのときのη1L0 *
測定した。
次に、対象サンプルについても同様に、0.01rad/secと8rad/secのときの複素粘性率η*を求め、複素粘性率η1B *(0.01rad/sec)を縦軸に、複素粘性率η2B *(8rad/sec)を横軸にプロットする。このプロットは基準ラインよりも大きな値となり、長鎖
分岐が多いほど基準ラインよりも大きく離れていく。
次に、このプロットの上を通るように基準ラインを平行移動させ、複素粘性率η2 *=1×103/Pa・sとの交点η1B0 *を測定した。
上記のようにして測定したη1L0 *およびη1B0 *の値を下式に適用し、分岐指数を算出した。
分岐指数=(logη1L0 *−logη1B0 *)×10
上記測定条件は、次の通りである。
・基準サンプル:4種類のEPR
タフマーP−0280、P−0480、P−0680、P−0880(商品名、三井化学(株)製)
・動的粘弾性試験機(RDS):Rheometrics社
・サンプル:2mmシートを直径25mmの円状に打ち抜いて使用。
・温 度 :190℃
・歪み率 :1%・周波数依存:0.001〜500rad/sec
[製造例1]
[エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の製造]
撹拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(撹拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5−ビニル−2−ノルボルネンとの三元共重合を行った。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.8kg、プロピレンを9.2kg、5−ビニル−2−ノルボルネンを120gの速度で、また、水素を30リットル、触媒としてVOCl3を18ミリモル、Al(Et)2Clを90ミリモル、Al(Et)1.5Cl1.5を18ミリモルの速度で連続的に供給した。
以上に述べたような条件で共重合反応を行うと、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行った。
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)は、エチレン含量が74mol%、[η]が1.97dl/g、IVが3.1g/100g、γ2/γ1が53.1、有効網目鎖密度νが19.1×1019個/cm3、Log(γ2/γ1)/ν=0.090、Mw/Mn=10.5、分岐指数が
10.2であった。
以上の結果を下記表1、2に示す。
Figure 2006290915
Figure 2006290915
[実施例1]
エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)100重量部、カーボンブラック[旭カーボン(株)製、商品名 旭#60G]100重量部、軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]35重量部、およびタルク[竹原化学工業(株)製、商品名 ハイトロンA]5重量部を容量1.7リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。
混練方法は、まずエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)を30秒素練りし、次いで、カーボンブラック、軟化剤、タルクを入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行い、さらに、1分間混練を行い、約130℃で排出し、ゴム配合物(I−1)を得た。この混練は充填率70%で行った。
次にこの配合物(I−1)240重量部を8インチロール(前ロールの表面温度40℃、後ロールの表面温度40℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、以下の式(IV)で表されるSiH基含有化合物(1)を4重量部、
(CH33SiO-[-SiH(CH3)-O-]6-[-Si(CH3)2-O-]1-[-Si(Ph)2-O-] 1 -Si(CH3)3 …(IV)
(ただし上記式(IV)で表される化合物中、[-SiH(CH3)-O-]、[-Si(CH3)2
O-]、[-Si(Ph)2−O−]の各構成単位は、ランダムに結合している。また、Ph
はフェニル基を表す。)
1−エチニル−1−シクロヘキサノール[BASF社製]を0.3重量部となるように加えて10分間混練した後、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−2%濃度白金錯体[信越化学工業(株)製](C)を0.3重量部添加して5分間混練したのち、シート状に分出し、50トンプレス成形機を用いて40℃で6分間加圧し、厚み2mmの未架橋シートを調製した、この未架橋シートを170℃雰囲気のHAV(ホットエアー架橋槽)に10分間放置し、無圧で架橋シートを作製した。
得られた架橋シートについて硬度試験、引張試験、耐熱老化性試験、耐傷付き性試験お
よび圧縮永久歪み試験を下記の方法に従って行った。
(1)硬度試験
ヂュロメータ−A法により測定した
(2)圧縮永久歪み試験
JIS K6250に従い、作製した架橋シートを積層し、JIS K6262に準拠して圧縮永久歪み試験を行った。この試験条件は150℃×22hrsである。
(3)引張試験
JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、架橋シートの破断時の強度TBと伸びEBを測定した。
(4)耐傷付き性試験
HAV(ホットエアー架橋槽)より取り出した直後の架橋シート表面をHBの鉛筆でひっかき、その傷つき状態を肉眼で観察し、耐傷付き性の評価を4段階で行った。
<耐傷付き性の4段階評価>
A:表面に傷が全く付かないもの
B:表面にわずかに傷が付くもの
C:傷が付くもの
D:傷が著しく激しいもの
(5)揮発成分量試験
得られた架橋シートを裁断した試料2.0gを20mlバイアル瓶に採取し、封をした。これを200℃で5分間加熱した時の揮発成分について、GC−MS法による測定を行い、揮発成分を定量した。測定条件は下記の通り。
装置:HewLett Packard社製、HP7694HS-HP6890GC/HP5973MSシステム
分離カラム:HP−5MS 30m 0.25mmφ 0.25μm
カラム温度:40℃(3min)−10℃/min昇温−250℃
(6)TVOC(総揮発性有機化合物)
TVOCの測定においては、組成物を170℃で10分間プレス架橋した後、試料を1L容積のフッ素樹脂製容器に入れ密閉し、容器内部の空気を純窒素ガスに置換し、80℃の恒室槽中で1時間加熱した。
容器内部の気相を吸着管に採取し、パージ&トラップガスクロマトグラフ(P&T−GC)で分析を行った。
測定は、試料75gに対するTVOC(総揮発性有機化合物)を測定し、ヘキサン換算により求めた。
測定条件は下記の通り。
■試料:200mm×200mm×2mmシート
■P&T分析条件 測定装置 :日本分析工業社製 熱抽出温度:250℃、5min
吸着剤 :TenaxGR 吸着管温度:−60℃ 熱脱着温度:255℃、30sec
■GC測定条件 測定装置 :HP社製 HP−5890 シリーズII
カラム :J&W製 DB−1 30cm×0.25mmφ 膜厚1μm
カラム温度 :40℃(2min)−15℃/min →280℃(5min)
注入口温度 :250℃ 検出器温度 :280℃ 検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
キャリアガス:ヘリウム(1.0mL/min)
実施例1の組成物を架橋して得られた成形体からは、シロキサンが34ppm、2−メチルヘプタノ−ルが3.6ppm、ヘキサメチレンジシロキサンが18.7ppm検出され、合計で揮発分は56.3ppmであった。また、TVOCは、30μgであった。
[比較例1]
実施例1において、カーボンブラック、ハイトロンA、軟化剤を用いず、またSiH基含有化合物(1)、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−白金錯体(C)および1−エチニル−1−シクロヘキサノール(BASF社製)を用いる代わりに、メチル水素ポリシロキサン2重量部、塩化白金酸0.5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例2]
実施例1において、カーボンブラック、ハイトロンA、軟化剤を用いず、代わりにシリカ(商品名 N20P、ワッカー社製)30重量部を用い、またSiH基含有化合物(1)、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−白金錯体(C)を用いる代わりにメチル水素ポリシロキサン1.5重量部、塩化白金酸0.05重量部を用い、また1−エチニル−1−シクロヘキサノール(BASF社製)の量を0.3重量部から0.06重量部に変更した以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例3]
実施例1において、ハイトロンAを用いず、代わりに亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部、ポリエチレングリコール1重量部を用い、軟化剤の配合量を35重量部から80重量部に変更し、SiH基含有化合物(1)の代わりにSiH基含有化合物(2)(C6
5-Si(OSi(CH3)2H)3で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン)を4
重量部用い、1−エチニル−1−シクロヘキサノール[BASF社製]の量を0.3重量部から0.4重量部に変更し、また1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−白金錯体(C)の代わりに塩化白金酸0.4重量部を用いた以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例4]
実施例1において、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の代わりに、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(商品名 三井EPT3045)を100重量部用い、さらに亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部を用い、SiH基含有化合物(1)、1,3,5,7−テトラビニ
ル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−白金錯体(C)および1−エ
チニル−1−シクロヘキサノール(BASF社製)を用いる代わりに、イオウ0.5重量部、2−メルカトベンゾチアゾール(三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーM)1.0重量部、テトラメチルチウラムジスルファイド(三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーTT)0.5重量部、(DPTT)(三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーTRA)を0.8重量部、(TeDEC)(三新化学工業(株)製、商品名 サンセラーTL)を0.4重量部用いた以外は実施例1と同様にして行った。
[比較例5]
実施例1において、SiH基含有化合物(1)、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−白金錯体(C)および1−エチニル−1
−シクロヘキサノール[BASF社製]を用いる代わりに、ジクミルパーオキサイド2重量部、トリアリルイソシアヌレート0.8重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。
以上の結果を表3にまとめて示す。
Figure 2006290915

Claims (15)

  1. アルケニル基を有する有機重合体を含んでなる組成物であって、該組成物から調整した厚さ2mmの未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより得られた架橋シートから採取した試料2.0gを200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であり、かつ前記架橋シートから作製したJIS 3号ダンベルを用い、JIS K6251に従って、測定温度23
    ℃、引張速度500mm/分の条件で測定した引張破断強度が3MPa以上であることを特徴とする架橋可能な重合体組成物。
  2. 前記有機重合体が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の架橋可能な重合体組成物。
  3. 可塑剤を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の架橋可能な重合体組成物。
  4. アルケニル基を有する有機重合体(A)と、
    1分子中にケイ素に結合した水素を6個以上の量で有するSiH基含有化合物(B)とを含有してなることを特徴とする架橋可能な重合体組成物。
  5. 前記有機重合体(A)が、非共役ポリエンが下記一般式(I)または(II)で表わされる少なくとも一種のノルボルネン化合物から導かれる構成単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体であることを特徴とする請求項4に記載の架橋可能な重合体組成物;
    Figure 2006290915
    (式中、nは0ないし10の整数であり、
    1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
    2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。)
    Figure 2006290915
    (式中、R3は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。)。
  6. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体が、
    (i)エチレン単位と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン単位とのモル比(エチレン単位/α−オレフィン単位)が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (ii)ヨウ素価が0.5〜50(g/100g)の範囲にあり、
    (iii)135℃のデカリン溶液で測定した極限粘度[η]が0.3〜10dl/gの範
    囲にある
    ことを特徴とする請求項5に記載の架橋可能な重合体組成物。
  7. 前記SiH基含有化合物(B)の含有量が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体100重量部に対して1〜10重量部の範囲内にあることを特徴とする請求項5または6に記載の架橋可能な重合体組成物。
  8. 前記重合体組成物が、さらに
    触媒(C)
    を含有してなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の架橋可能な重合体組成物。
  9. 前記(C)触媒が、塩素を含まない白金触媒から選ばれるものであることを特徴とする請求項8に記載の架橋可能な重合体組成物。
  10. 前記重合体組成物が、さらに
    反応抑制剤(D)
    を含有してなることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の架橋可能な重合体組成物。
  11. 前記重合体組成物が、さらに
    可塑剤(E)
    を含有してなることを特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の架橋可能な重合体組成物。
  12. 組成物から調整した厚さ2mmの未架橋シートを、170℃雰囲気に10分間放置することにより得られた架橋シートから採取した試料2.0gを200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であり、かつ前記架橋シートから作製したJIS 3号ダンベルを用い、JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で測定した引張破断強度が3MPa以上であることを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の架橋可能な重合体組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の架橋可能な重合体組成物を架橋して得られることを特徴とする成形体。
  14. 成形体から採取した試料2.0gを200℃で5分間加熱した時の揮発成分についてGC−MS法により測定した揮発成分量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項13に記載の成形体。
  15. 自動車用シール部品、建築用シール部品または電気・電子用シール部品のいずれかであることを特徴とする請求項13または14に記載の成形体。
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