JP2004051670A - 有機重合体組成物、その組成物からなる架橋発泡体およびその製造方法 - Google Patents

有機重合体組成物、その組成物からなる架橋発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明の有機重合体組成物は、ビニル基含有有機重合体(A)と、架橋剤(B)と、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)とを特定割合で含有してなる。本発明の有機重合体組成物の架橋発泡体の製造方法は、有機重合体(A)に、二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程と、架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程と、架橋発泡させる工程とを含む。本発明の架橋発泡体は、上記組成物を架橋発泡させてなる。
【効果】上記組成物は架橋発泡することにより、低コストで、しかも、シール性、吸水率、柔軟性、耐熱性、表面外観、低板金汚染性、環境安全衛生性および低毒性に優れ、発泡倍率が高く、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、表面外観に優れる架橋発泡体を製造できる。また上記方法によれば、上記特性に優れる架橋発泡体を製造できる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、有機重合体組成物、その組成物からなる架橋発泡体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、ビニル基を含有する有機重合体と、架橋剤と、発泡剤として二酸化炭素および/または窒素とからなる有機重合体組成物、その組成物からなる架橋発泡体およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来エラストマーの発泡体を製造する方法として、天然ゴムあるいは合成ゴムに架橋剤と発泡剤を混練した後、この混練物を所定の形状に成形して加熱することにより、架橋と発泡を行なってエラストマーの発泡体を得るという方法が知られている。
【0003】
しかしながら、この方法は架橋速度が遅く、架橋および発泡工程にかなりの時間を要することから、工業的生産上不利である。
この問題を解決するために、本発明者らは、特定のエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムをヒドロシリル化反応で架橋させることにより、架橋速度を速め、架橋および発泡工程の時間を短縮できることを特開2001−31807号公報で開示している。しかしながら、化学発泡剤を用いているためにコストが高いことに加えて、発泡体中に残存する発泡剤の分解残留物のために、発泡体の変色、臭気の発生などの改善すべき点がある。また、化学発泡剤が原因である成形機の汚れおよびそれに伴う成形不良についても問題となることが分かった。
【0004】
また、物理的発泡法であるガス発泡法は、成形機で樹脂を溶融したところに、ブタン、ペンタン、ジクロロジフロロメタンのような低沸点有機化合物を供給し、混練した後、低圧域に放出することにより発泡成形する方法である。この方法に用いられる低沸点有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に優れ、また、泡の保持性にも優れていることから、高倍率発泡体を得ることができるという特徴を有している。しかしながら、これらの発泡剤は、コストが高くなることに加え、可燃性や毒性等の危険性を有している場合があり、また大気汚染の問題を生じる可能性を持っている。また、ジクロロジフロロメタンを始めとするフロン系ガスはオゾン層破壊の環境問題から全廃の方向へ進んでいる。
【0005】
このような従来の発泡法の問題点を解決する為に、クリーンでコストがかからない炭酸ガス、窒素等の不活性ガスを発泡剤として用いる方法が数多く提案されている。
たとえば、特開2000−290417号公報では、発泡剤として二酸化炭素を用いて一定の品質を有するエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエン共重合体の発泡体を得るための製造方法が開示されている。しかしながら、ここで開示されている架橋方法では架橋速度が遅く、架橋および発泡工程にかなりの時間を要することから、工業的生産上不利である。
【0006】
そして、発泡倍率が高く、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、しかも、表面外観に優れる架橋発泡体を効率よく製造することができる有機重合体組成物、その架橋発泡体およびその製造方法の出現が望まれている。
そこで、本発明者らは、ビニル基を含有する有機重合体の架橋発泡体の製造に関して鋭意研究を重ねた結果、様々な発泡倍率の架橋発泡体を効率よく得るには、特定のビニル基を含有する有機重合体と、架橋剤と、発泡剤として二酸化炭素および/または窒素とを用いて架橋発泡する方法が好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような状況に鑑みて、発泡倍率が高く、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、しかも、表面外観に優れる架橋発泡体を製造できる有機重合体組成物、その架橋発泡体およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る有機重合体組成物は、
ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部と、
架橋剤(B)0.1〜50重量部と、
発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)0.1〜30重量部と
からなることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る有機重合体組成物としては、JIS K6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間の条件で架橋発泡させて得られる発泡体の平均発泡セル径が0.01μm以上2000μm以下である有機重合体組成物が特に好ましい。
本発明に係る有機重合体組成物の架橋発泡体の製造方法は、
ビニル基を含有する有機重合体(A)に、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程と、
架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程と、
架橋発泡させる工程と
を含むことを特徴としている。
【0010】
本発明に係る架橋発泡体は、本発明に係る有機重合体組成物を架橋発泡させてなることを特徴としている。
この明細書において、有機重合体(A)の「重合体」なる語は、単独重合体と共重合体の両方を含むものとする。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る有機重合体組成物、その組成物からなる架橋発泡体およびその製造方法について具体的に説明する。
本発明に係る有機重合体組成物は、ビニル基を含有する有機重合体(A)、架橋剤(B)、特定の発泡剤(C)、および任意に触媒(D)、反応抑制剤(E)等を含有している。
【0012】
ビニル基を含有する有機重合体(A)
本発明で用いられるビニル基を含有する有機重合体(A)としては、分子中に少なくとも1個のビニル基を含有する有機重合体であれば特に制限はなく、各種主鎖骨格をもつ有機重合体を使用することができる。
このような有機重合体(A)としては、具体的には、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のポリエーテル系重合体;テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等の二塩基酸またはその酸無水物とエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとの縮合物;
ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系共重合体;
ビニル基を含有するエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)、エチレン・α− オレフィンランダム共重合体ゴム、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプロピレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンとブタジエン、アクリロニトリルもしくはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、ブタジエンとスチレンもしくはアクリロニトリル等との共重合体、さらにはポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレン、ブタジエンとアクリロニトリル、スチレン等との共重合体を水素添加して得られる共重合体などの炭化水素系重合体(A1);
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルと酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、スチレン等とのアクリル酸エステル系重合体;
前記有機重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;
ポリサルファイド系重合体;
ビスフェノールAと塩化カルボニルとを縮重合して製造されたポリカーボネート系重合体などが挙げられる。
【0013】
このなかでも、ポリエステル系重合体、ポリエーテル系重合体、アクリル酸エステル系重合体、炭化水素系重合体(A1)が好ましい。なかでも、炭化水素系重合体(A1)がより好ましい。炭化水素系重合体(A1)のなかでも、ビニル基を含有するエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)、エチレン・α− オレフィンランダム共重合体ゴム、ポリイソブチレンが特に好ましい。
【0014】
[エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)]
本発明で有機重合体(A)として用いられるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα− オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重合体である。
このような炭素原子数3〜20のα− オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1− ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1− デセン、11− メチル−1− ドデセン、12− エチル−1− テトラデセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα− オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく持いられる。
【0015】
これらのα− オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる非共役ポリエンは、特に制限はないが、好ましくは、下記の一般式[I]または[II]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物である。
【0016】
【化1】
Figure 2004051670
【0017】
一般式[I]において、nは0ないし10の整数であり、
は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
【0018】
は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
の炭素原子数1〜5のアルキル基の具体例としては、上記Rの具体例のうち、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
【0019】
【化2】
Figure 2004051670
【0020】
一般式[II]において、Rは水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
のアルキル基の具体例としては、上記Rのアルキル基の具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
上記一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5−メチレン−2− ノルボルネン、5−ビニル−2− ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2− ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2− ノルボルネン、5−(1−メチル−2− プロペニル)−2− ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2− ノルボルネン、5−(1−メチル−3− ブテニル)−2− ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2− ノルボルネン、5−(1−メチル−4− ペンテニル)−2− ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3− ブテニル)−2− ノルボルネン、5−(2−エチル−3− ブテニル)−2− ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2− ノルボルネン、5−(3−メチル−5− ヘキセニル)−2− ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4− ペンテニル)−2− ノルボルネン、5−(3−エチル−4− ペンテニル)−2− ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2− ノルボルネン、5−(2−メチル−6− ヘプテニル)−2− ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5− ヘキセシル)−2− ノルボルネン、5−(5−エチル−5− ヘキセニル)−2− ノルボルネン、5−1,2,3−トリメチル−4− ペンテニル)−2− ノルボルネンなど挙げられる。このなかでも、5−ビニル−2− ノルボルネン、5−メチレン−2− ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2− ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2− ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2− ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2− ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2− ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2− ノルボルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記の一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種の非共役ポリエンから導かれる構成単位を有するエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A3)は、以下のような特性を有していることが好ましい。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα− オレフィンとのモル比(エチレン/α− オレフィン)
共重合体(A3)は、(a)エチレンで導かれる単位と(b)炭素原子数3〜20のα− オレフィン(以下単にα− オレフィンということがある)から導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは55/45〜85/15、特に好ましくは60/40〜80/20のモル比[(a)/(b)]で含有している。
【0022】
このモル比が上記範囲内にあると、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた加硫ゴム成形体を提供できる組成物が得られる。
(ii)ヨウ素価
共重合体(A3)のヨウ素価は、0.5〜50(g/100g)、好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましくは1〜30(g/100g)、特に好ましくは1.5〜25(g/100g)である。
【0023】
このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋効率の高い組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた加硫ゴム成形体を提供できる組成物が得られる。ヨウ素価が50を超えると、コスト的に不利になるので好ましくない。
(iii)極限粘度
共重合体(A3)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.3〜10dl/g、好ましくは0.5〜8dl/g、さらに好ましくは0.7〜6dl/g、特に好ましくは0.8〜5dl/gであることが望ましい。
【0024】
この極限粘度[η]が上記範囲内にあると、強度特性および耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、加工性に優れた加硫ゴム成形体を提供できる組成物が得られる。
(iv)分子量分布(Mw/Mn)
共重合体(A3)のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限はないが、一般には3〜100、好ましくは3.3〜75、さらに好ましくは3.5〜50である。
【0025】
この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、加工性に優れるとともに、強度特性に優れた加硫ゴム成形体を提供できる組成物が得られる。
本発明で用いられる共重合体(A3)は、下記化合物(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、特に30〜59℃、重合圧力4〜12kgf/cm、特に5〜8kgf/cm、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα− オレフィンと、上記一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物とをランダム共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行なうのが好ましい。
(H)VO(OR)3−n(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX (Xはハロゲン原子である)で表わされるバナジウム化
合物。
【0026】
上記可溶性バナジウム化合物(H)は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的には、一般式 VO(OR)またはV(OR)(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
【0027】
より具体的には、VOCl 、VO(OC)Cl 、
VO(OCCl、VO(O−iso−C)Cl
VO(O−n−C)Cl、VO(OC、VOBr、VCl 、
VOCl、VO(O−n−C、VCl・2OC12OHなどを例示することができる。
(I)R’mAlX’3−m(R’は炭化水素基であり、X’はハロゲン原子であり、
mは1〜3である)で表わされる有機アルミニウム化合物。
【0028】
上記有機アルミニウム化合物(I)としては、具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
0.5Al(OR0.5などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0029】
本発明において、上記化合物(H)のうち、VOClで表わされる可溶性バナジウム化合物と、上記化合物(I)のうち、Al(OCCl/Al(OCClのブレンド物(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A3)が得られるので好ましい。
【0030】
また、上記共重合の際に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒たとえば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いても差し支えない。
また、本発明で用いられるビニル基を含有する有機重合体(A)は、極性モノマーたとえば不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
【0031】
このような不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸などが挙げられる。
不飽和カルボンの酸無水物としては、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、無水マレイン酸が好ましい。
【0032】
不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ(2,2,1) ヘプト−2− エン−5,6− ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0033】
上記の不飽和カルボン酸等のグラフト変性剤(グラフトモノマー)は、それぞれ単独または2種以上の組み合わせで使用されるが、いずれの場合も前述したグラフト変性前のビニル基を含有する有機重合体100g当たり、0.1モル以下のグラフト量にするのがよい。
上記のようなグラフト量が上記範囲にあるビニル基を含有する有機重合体(A)を用いると、耐寒性に優れた加硫ゴム成形体を提供し得る、流動性(成形加工性)に優れた組成物が得られる。
【0034】
グラフト変性したビニル基を含有する有機重合体(A)は、前述した未変性のビニル基を含有する有機重合体と不飽和カルボン酸またはその誘導体とを、ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより得ることができる。
このグラフト反応は溶液にして行なうこともできるし、溶融状態で行なってもよい。溶融状態でグラフト反応を行なう場合には、押出機の中で連続的に行なうことが最も効率的であり、好ましい。
【0035】
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤としては、従来公知のものが使用でき、中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0036】
また、不飽和カルボン酸またはその誘導体(たとえば酸無水物、エステル)以外の極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
架橋剤(B)
本発明で用いられる架橋剤(B)は、ビニル基を含有する有機重合体(A)と、反応し、架橋剤(加硫剤)として作用する。
【0037】
本発明で用いられる架橋剤(B)としては、イオウ、イオウ化合物、有機過酸化物、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B1)が挙げられる。これらは、2種以上組み合わせて用いることができる。たとえば有機過酸化物とSi基含有化合物(B1)との組合せ、などが挙げられる。
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
【0038】
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0039】
本発明においては、イオウまたはイオウ化合物は、ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部に対して、通常0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部の割合で用いられる。
また、加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。
【0040】
加硫促進剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンおよびアルデヒド−アンモニア系化合物;
2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
酸化亜鉛(亜鉛華)などを挙げることができる。
【0041】
加硫促進剤は単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。
本発明においては、加硫促進剤は、ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の割合で用いる。
【0042】
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5− ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5− ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5− モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’− ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t− ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキシ−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t− アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0043】
有機過酸化物は、ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部程度の量で用いられる。
また、有機過酸化物を使用する際には、架橋助剤を併用することが好ましい。
架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p− キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0044】
SiH基含有化合物(B1)は、その分子構造に特に制限はなく、従来製造されている例えば線状、環状、分岐状構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などでも使用可能であるが、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に直結した水素原子、すなわちSiH基を含んでいることが必要である。
【0045】
このようなSiH基含有化合物(B1)としては、通常、下記の一般組成式
SiO(4−b−c)/2
で表わされる化合物を使用することができる。
上記一般組成式において、Rは、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基であり、このような1価炭化水素基としては、前記Rに例示したアルキル基の他に、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基たとえばトリフロロプロピル基を例示することができる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0046】
また、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは
1.5≦b≦2であり、cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、特に好ましくは0.01≦c≦1であり、かつ、b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
このSiH基含有化合物(B)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R (H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR SiO1/2単位、R SiO2/2単位、R(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはRSiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
【0047】
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CHSiO−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH
[式中のdは2以上の整数である。]
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
(CHSiO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0048】
HOSi(CHO−(−SiH(CH)−O−)−Si(CHOH
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0049】
HOSi(CHO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)
−Si(CHOH
[式中のeは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0050】
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−Si(CH
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0051】
HSi(CHO−(−SiH(CH)−O−)−Si(CH
[式中のeは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、たとえば下式で示される化合物、さらには下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物などが挙げられる。
【0052】
HSi(CHO−(−Si(CH−O−)−(−SiH(CH)−O−)
−Si(CH
[式中のeおよびhは、それぞれ1以上の整数である。]
このような化合物は、公知の方法により製造することができ、たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、末端基となり得るヘキサメチルジシロキサンあるいは1,3−ジハイドロ−1,1,3,3− テトラメチルジシロキサンなどの、トリオルガノシリル基あるいはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含む化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
【0053】
SiH基含有化合物(B1)は、ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.2〜20重量部、さらにより好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合で用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れた架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。100重量部を超える割合で用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0054】
また、ビニル基を含有する有機重合体(A)の架橋に関与するビニル基に対するSiH基の割合(SiH基/ビニル基)は、0.2〜20、さらには0.5〜10、特に0.7〜5であることが好ましい。
上記架橋剤(B)のなかでも、特にSiH基含有化合物(B1)が好ましい。
発泡剤(C)
本発明で用いられる発泡剤(C)は、二酸化炭素(C1)と窒素(C2)である。
【0055】
二酸化炭素(C1)または窒素(C2)は、ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.2〜20重量部、特に好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられる。
二酸化炭素(C1)の使用量が0.1重量部未満では十分な発泡倍率が得られず、また30重量部を超えると、添加した二酸化炭素の膨張力が大きいため、発泡体表面に水膨れ状の外観不良が生じたり、生産に要する時間が長くなるために生産効率が低下する。窒素(C2)の場合も同様である。
【0056】
二酸化炭素(C1)と窒素(C2)は、溶融した有機重合体(A)中への溶解性、浸透性、拡散性等の観点から、成形機内部で超臨界状態となっていることが好ましい。超臨界状態とは、温度および圧力が、それぞれ臨界温度および臨界圧力よりも大である状態をいう。臨界温度および臨界圧力については、「岩波 理化学辞典 第5版」の第305頁(発行所(株)岩波書店)等に記載されている。
【0057】
溶融した有機重合体(A)中に発泡剤(C)を添加する方法としては、たとえば気体状態の二酸化炭素(C1)を直接あるいは加圧した状態で注入する方法、液体状態の二酸化炭素(C1)をプランジャーポンプ等で添加する方法等が挙げられる。
たとえば図1に示すように、液化二酸化炭素ボンベ(4)から二酸化炭素(C1)を液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を二酸化炭素(C1)の臨界圧力(7.4MPa)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、二酸化炭素(C1)の臨界温度(31℃)以上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融した有機重合体(A)に添加する方法が好適に用いられる。
【0058】
本明細書において定量ポンプとは、ポンプの吐出能力の範囲内で任意に設定した二酸化炭素添加量で、連続して安定に溶融した有機重合体(A)に添加することができるポンプを意味する。
本発明では、熱分解により二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を発生する熱分解型発泡剤の1種または2種以上を、発泡を均一にする発泡核剤として二酸化炭素(C1)と併用することも可能である。
【0059】
このような熱分解型発泡剤としては、具体的には、アゾジカルボンアミド、N,N−ジニトロソペンタテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、クエン酸、重曹などを例示することができる。
また、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、二酸化珪素、酸化チタン、プラスチック微小球、オルトホウ酸、脂肪酸のアルカリ土類金属塩、クエン酸、炭酸水素ナトリウムなども、発泡核剤としての効果を有する。
【0060】
これらの中でも、重曹、クエン酸、炭酸カルシウム、クレーなどが好ましい。
発泡核剤を使用する場合、その使用量は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部であり、二酸化炭素(C1)との総量が0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部であることが好ましい。熱分解型発泡剤を使用すると、得られる発泡体のセル径が均一になりやすい。
【0061】
また、これら発泡核剤を用いた場合、二酸化炭素(C1)は臨界圧力範囲内でなくても、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、しかも、表面外観に優れた架橋発泡体が得られる。
触媒(D)
本発明で任意成分として用いられる触媒(D)は付加反応触媒であり、SiH基含有化合物(B1)によるヒドロシリル化反応を促進するために用いられる。
【0062】
触媒(D)は、上記ビニル基を含有する有機重合体(A)成分のビニル基と、SiH基含有化合物(B1)のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば特に制限はなく、たとえば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる付加反応触媒(周期律表8族金属、8族金属錯体、8族金属化合物等の8族金属系触媒)を挙げることができ、中でも、白金系触媒が好ましい。
【0063】
白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、たとえば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物などが挙げられる。より具体的には、白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金を担持させたものなどが挙げられる。
【0064】
上記パラジウム系触媒は、パラジウム、パラジウム化合物、塩化パラジウム酸等からなり、また、上記ロジウム系触媒は、ロジウム、ロジウム化合物、塩化ロジウム酸等からなる。
触媒(D)は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.1〜100,000重量ppm、好ましくは0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1〜5,000重量ppmの割合で用いられる。
【0065】
上記範囲内の割合で触媒(D)用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れる加硫ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。100,000重量ppmを超える割合で触媒(D)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
なお、本発明においては、上記触媒(D)を含まない組成物の未架橋成形体に、光、γ線、電子線等を照射して架橋成形体を得ることもできる。
【0066】
反応抑制剤(E)
本発明で触媒(D)とともに任意成分として用いられる反応抑制剤(E)しては、ベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(たとえばエチニルシクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(たとえばN,N−ジアリルアセトアミド、N,N−ジアリルベンズアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−o−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−m−フタル酸ジアミド、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−フタル酸ジアミド等)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。この中でも、特にエチニル基含有アルコールが好ましい。
【0067】
反応抑制剤(E)は、有機重合体(A)100重量部に対して、0〜50重量部、通常0.0001〜50重量部、好ましくは0.0001〜30重量部、より好ましくは0.0001〜20重量部、さらに好ましくは0.0001〜10重量部、特に好ましくは0.0001〜5重量部の割合で用いられる。
50重量部以下の割合で反応抑制剤(E)を用いると、架橋スピードが速く、加硫ゴム成形体の生産性に優れた組成物が得られる。50重量部を超える割合で反応抑制剤(E)を用いると、コスト的に不利になるので好ましくない。
【0068】
その他の成分
本発明で用いられる有機重合体(A)に、得られる発泡体が破泡することなく、表面外観を良好とするために、各種添加剤の1種または2種以上を添加することが可能である。これら添加剤としては、通常の発泡成形で使用されている公知のものが使用できるが、たとえば脂肪族カルボン酸およびその誘導体が好適に用いられる。
【0069】
この脂肪族カルボン酸およびその誘導体としては、脂肪族カルボン酸、酸無水物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、炭素原子数3〜30の脂肪族カルボン酸が好適であり、たとえばラウリン酸、ステアリン酸、クロトン酸、オレイン酸、マレイン酸、グルタル酸、モンタン酸等が好適であり、有機重合体(A)中への分散性、溶解性、架橋発泡体の表面外観の改良効果等の観点から、ステアリン酸、ステアリン酸誘導体、モンタン酸およびモンタン酸の誘導体が好ましく、さらにはステアリン酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、なかでもステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。
【0070】
これら添加剤の添加量は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部の範囲にあることが望ましい。添加剤の添加量が0.01〜10重量部の範囲内にあると、架橋発泡体の破泡を防止することが容易であり、しかも、有機重合体(A)の発泡時のガス圧に耐えるだけの粘度を保持でき、破泡を生じさせることなく、表面外観を良好にすることができる。
【0071】
また、本発明に係る有機重合体組成物中に、発泡核剤として作用する無機微粉末を配合することが可能である。
このような無機微粉末としては、たとえば、タルク、炭酸カルシウム、クレー、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ガラスビーズ、ガラスパウダー、酸化チタン、カーボンブラック、無水シリカなどが挙げられ、好ましくはタルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水シリカであり、特に好ましくはタルクであり、その粒径は50μm以下である必要があり、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。粒径が50μm以下の無機微粉末を使用すれば、発泡体の表面外観が良好となる。
【0072】
無機微粉末を添加する場合、その添加量は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.01〜40重量部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲にあることが望ましい。無機微粉末の添加量が0.01〜40重量部の範囲内にあると、発泡体の表面外観が良好であるため好ましい。
【0073】
本発明に係る有機重合体組成物には、上記で例示した無機微粉末、脂肪族カルボン酸およびその誘導体以外に、各種エラストマー、スチレン系樹脂(たとえば、ビニル基含有ポリイソブチレン、シリル基含有ポリイソブチレン、ビニル基含有ポリプロピレングリコール、シリル基含有ポリプロピレングリコール、ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等)、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂(たとえば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカルボン酸との縮合物等)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の1種または2種以上の混合物等の樹脂、さらには、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、発泡助剤、着色剤(顔料、染料)、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で目的、用途に応じ適宜使用することが可能である。
【0074】
上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT,MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック、微粉ケイ酸、シリカなどが挙げられる。
【0075】
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカなどが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100〜400m/gである。
【0076】
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤の配合量は通常、有機重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0077】
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は通常、有機重合体(A)100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0078】
これらの軟化剤の配合量は、架橋物の用途により適宜選択される。
上記老化防止剤としては、たとえばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
本発明で用いられるアミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類などが挙げられる。
【0079】
特に使用するアミン系老化防止剤の種類に制限はないが、4,4’− (α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’− ジ−2− ナフチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0080】
本発明で用いられるヒンダードフェノール系老化防止剤としては、特に種類に制限はないが、たとえば
(1)テトラキス− [メチレン−3−(3’,5’− ジ−t− ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートメタン、
(2)3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4− ヒドロキシ−5− メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1− ジメチルエチル]−2,4−8,10− テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン
などを好ましく挙げることができる。
【0081】
本発明で用いられるイオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
使用するイオウ系老化防止剤に特に制限はないが、特に2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール− テトラキス− (β− ラウリル− チオプロピオネート)が好ましい。
【0082】
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0083】
このような加工助剤は、通常、有機重合体(A)100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
有機重合体組成物
本発明に係る有機重合体組成物は、有機重合体(A)、架橋剤(B)、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)、および任意に上記した各種添加剤を含有している。
【0084】
本発明に係る有機重合体組成物は、自動車用ウェザーストリップ;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト;自動車用カップ・シール材、産業機械用シール材;自動車用ウェザーストリップスポンジ、建築用シールスポンジまたは他の発泡体;被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品;OA機器用ロール、工業用ロール;家庭用ゴム製品などの製造の際に好適に用いられる。
【0085】
上記自動車用ウェザーストリップとしては、たとえばドアウエザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレータウェザーストリップ、スライディングループパネルウェザーストリップ、フロントウインドウェザーストリップ、リヤウインドウェザーストリップ、クォーターウインドウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウナーウェザーストリップ、ドアガラスインナーウェザーストリップ、ダムウインドシールド、クラスランチャネル、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップなどが挙げられる。
【0086】
上記自動車用ホースとしては、たとえばブレーキホース、ラジエターホース、ヒーターホース、エアークリーナーホースなどが挙げられる。
上記自動車用防振ゴムとしては、たとえばエンジンマウント、液封エンジンマウント、ダンパープーリ、チェーンダンパー、キャブレターマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウント、ラバーブッシュ、バンパゴム、ヘルパーゴム、スプリングシート、ショックアブソーバー、空気ばね、ボディマウント、バンパガード、マフラーサポート、ゴムカップリング、センターベアリングサポート、クラッチ用ゴム、デフマウント、サスペンションブッシュ、すべりブッシュ、クッシュンストラットバー、ストッパ、ハンドルダンパー、ラジエターサポーター、マフラーハンガーなどが挙げられる。
【0087】
上記鉄道用防振ゴムとしては、たとえばスラブマット、バラスマット、軌道マットなどが挙げられる。
上記産業機械用防振ゴムとしては、たとえばエキスパンションジョイント、フレキシブルジョイント、ブッシュ、マウントなどが挙げられる。
上記伝動ベルトとしては、たとえばVベルト、平ベルト、歯付きベルトなどが挙げられる。
【0088】
上記搬送用ベルトとしては、たとえば軽搬送用ベルト、円筒形ベルト、ラフトップベルト、フランジ付き搬送用ベルト、U型ガイド付き搬送用ベルト、Vガイド付き搬送用ベルトなどが挙げられる。
上記自動車用カップ・シール材としては、たとえばマスタシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ、等速ジョイントブーツ、ピンブーツ、ダストカバー、ピストンシール、パッキン、Oリング、ダイヤフラムなどが挙げられる。
【0089】
上記産業機械用シール材としては、たとえばコンデンサーパッキン、Oリング、パッキンなどが挙げられる。
上記自動車用ウェザーストリップスポンジとしては、たとえばドアーウェザーストリップスポンジ、ボンネットウェザーストリップスポンジ、トランクルームウェザーストリップスポンジ、サンルーフウェザーストリップスポンジ、ベンチレーターウェザーストリップスポンジ、コーナースポンジなどが挙げられる。
【0090】
上記建築用シールスポンジとしては、たとえばガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部のシールスポンジなどが挙げられる。
上記他の発泡体としては、たとえばホース保護用スポンジ、クッション用スポンジ、断熱スポンジ、インシュレーションパイプ、難燃スポンジなどが挙げられる。
【0091】
上記OA機器用ロールとしては、たとえば帯電ロール、転写ロール、現像ロール、給紙ロールなどが挙げられる。
上記工業用ロールとしては、たとえば製鉄用ロール、製紙用ロール、印刷用電線ロールなどが挙げられる。
上記家庭用ゴム製品としては、たとえば雨具、輪ゴム、靴、ゴム手袋、ラテックス製品、ゴルフボールなどが挙げられる。
【0092】
また、本発明に係る有機重合体組成物は、常温での架橋が可能であり、また、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)用に好適に用いられる。さらに、熱可塑性エラストマーの製造の際に用いることができるし、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性プラスチックの改質にも用いることができる。
架橋発泡体
本発明に係る架橋発泡体は、本発明に係る有機重合体組成物を架橋発泡させることにより得られる。本発明に係る架橋発泡体は、発泡倍率においても特に制限されることはないが、発泡倍率が1〜4倍の低発泡品、4〜50倍の高発泡品が実用上あるいは工業的な生産において好適である。
【0093】
本発明に係る架橋発泡体は、前記のように、有機重合体(A)と架橋剤(B)と発泡剤(C)とからなり、特定の条件下で架橋発泡させた場合の架橋発泡体の平均セル径は、0.01μm以上2000μm以下であることが好ましい。平均セル径の下限は1μm以上が特に好ましく、上限は1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、20μm未満が特に好ましく、19μm以下がさらに好ましい。
【0094】
上記の特定の条件とは、JIS K6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間の条件で架橋発泡させることである。具体的には、JIS K6395(1997)のA2法(混練法)に従って、本発明に係る有機重合体組成物を調製し、次いで、この組成物を厚さ0.2cmになるように押出成形し、得られた成形物を2.5cm(縦)×10cm(横)×0.2cm(厚さ)の形状に切断する。上記押出成形の条件は次の通りである。
(押出成形の条件)
押出機;
・スクリュー径50mmφベント式押出機[型式:50K−16D−HB]
・押出温度:ヘッド/シリンダー2/シリンダー1/スクリュー
=50℃/40℃/30℃/30℃
・押出速度:2m/分
・口金形状:約0.2cm×役2.5cm
(厚さ0.2cm、幅2.5cmの押出物が得られるように調整
する。)
上記のようにして切断したサンプルを室温で30分間放置した後、JIS K6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間保持し、架橋発泡体を得る。そして、切断した発泡体にある発泡セルの全てのセル径を測定し、その平均値を、上記平均セル径とする。
【0095】
有機重合体組成物およびその架橋発泡体の調製
本発明に係る有機重合体組成物は、未架橋のままでも用いることもできるが、架橋ゴム発泡成形体のような架橋発泡体として用いた場合に最もその特性を発揮することができる。
本発明に係る有機重合体組成物たとえばゴム組成物を製造する方法としては、たとえば有機重合体(A)および必要に応じて他の添加剤とからなる組成物(以下これを配合有機重合体ということがある)、あるいは有機重合体(A)と架橋剤(B)と、必要に応じて他の添加剤とからなる組成物(以下これを配合有機重合体ということがある)を調製し、次いで、この配合有機重合体に発泡剤(C)を添加する方法、あるいは有機重合体(A)および必要に応じて他の添加剤からなる組成物を、発泡剤(C)の存在下に調製する方法、あるいは有機重合体(A)と架橋剤(B)と必要に応じて他の添加剤とからなる組成物を、発泡剤(C)の存在下に調製する方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0096】
まず、例えば配合有機重合体を調製する場合、次のような方法で調製される。
すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、有機重合体(A)および必要に応じてゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などの添加剤を好ましくは30〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、架橋剤(B)、および必要に応じて触媒(D)、反応抑制剤(E)、加硫促進剤、架橋助剤、発泡核剤、発泡助剤を追加混合し、好ましくはロール温度80℃以下で1〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0097】
本発明においては、有機重合体(A)たとえばエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体等のゴムと、ゴム補強剤、無機充填剤等とは高温で混練りすることができるが、SiH基含有化合物(B1)と触媒(D)とは同時に高温で混練りすると、架橋(スコーチ)してしまうことがあるため、SiH基含有化合物(B1)と触媒(D)とを同時に添加する場合は、80℃以下で混練りすることが好ましい。SiH基含有化合物(B1)と触媒(D)のうち、一方の成分を添加する場合は80℃を超える高温でも混練りすることができる。なお、混練りによる発熱に対して、冷却水を使用することも場合によっては好ましい。
【0098】
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、有機重合体(A)、架橋剤(B)、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤などとともに、老化防止剤、着色剤、分散剤、難燃剤などを同時に混練してもよい。
上記のようにして調製された、本発明に係る配合有機重合体は、発泡剤(C)の項で述べたような、発泡剤(C)の有機重合体(A)への溶解工程を経て、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機などを用いる種々の成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を架橋槽内に導入し、架橋発泡することができる。50〜270℃の温度で1〜30分間加熱することにより架橋物が得られる。この架橋の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、加硫の工程は通常連続的に実施される。架橋槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0099】
本発明に係る架橋発泡体は、有機重合体(A)に発泡剤(C)を溶解させるガス溶解工程と、架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程と、架橋発泡させる工程とを含む方法により得られる。この場合、有機重合体(A)に、必要に応じて添加したものに、発泡剤(C)を添加する工程と、架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程とを、同時ではなく別の工程として行なうこともできるし、同時に行なうこともできる。さらに架橋発泡させる工程は、架橋剤(B)を添加すると同時に行なってもよいし、架橋剤(B)を添加した後から行なってもよい。
【0100】
また、有機重合体(A)と発泡剤(C)を溶解させる工程においては、有機重合体(A)のほかに、他の添加剤、具体的には触媒(D)、反応抑制剤(E)、その他の成分が存在していてもよい。
また、本発明においては、ガス溶解工程では、発泡剤(C)としては加圧されたものが好ましく用いられ、液体状態であるものを用いることが好ましく、超臨界状態にあるものを用いることがより好ましい。
【0101】
本発明の発泡体を射出成形により製造する、本発明の第1の実施態様による方法について、図1を用いて説明する。
溶融した有機重合体(A)たとえばエチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)等の配合有機重合体に発泡剤(C)を添加するラインを有する樹脂可塑化シリンダー(1)に、開閉バルブ(10)を介して射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)を接続する。
【0102】
この樹脂可塑化シリンダー(1)に上記配合有機重合体を送入し、加熱溶融しながら二酸化炭素(C1)を添加し、相溶状態の溶融有機重合体組成物を形成する。
この後、この溶融有機重合体組成物は、射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)へと送入される。送入された後、開閉バルブ(10)を閉じることで、樹脂可塑化シリンダー(1)と射出装置(2)とは互いに独立した状態となる。樹脂可塑化シリンダー(1)は、射出装置(2)が計量射出工程を行なっている間も停止することなく、連続的に溶融有機重合体組成物を形成する。なお、射出装置(2)に計量しないため、樹脂可塑化シリンダー(1)内の圧力は上昇するが、圧力の上昇によって溶融有機重合体組成物の相溶状態が壊れることはないので、ガス溶解工程、架橋工程を継続することに問題はない。しかしながら、樹脂可塑化シリンダー(1)の耐圧能力に問題が生じると予想される場合には、開閉バルブ(10)の作動で溶融有機重合体組成物を系外に排出できる装置としておくことも、本発明の主旨を逸脱しない。
【0103】
一方、射出装置(2)は計量終了後射出を行なうが、通常の射出成形機においては、計量終了後背圧が一旦切れてしまうが、本発明においては、計量開始から射出終了まで発泡剤(C)と有機重合体(A)とが分離することのないように、常に背圧をかけた状態に維持する。このときの背圧は、発泡剤(C)と有機重合体(A)とが分離しない最低限の圧力であればよいが、発泡剤(C)の臨界圧力以上であることが好ましい。
【0104】
このようにして、樹脂可塑化シリンダー(1)内で形成された溶融有機重合体組成物は、発泡剤(C)と有機重合体(A)とが相分離することなく、金型(3)内へ射出される。
金型(3)内では、溶融有機重合体組成物を射出したのちに、金型(3)内に充填した高圧ガスの脱ガスおよび/または金型(3)コアの一部あるいは全部を後退させることで発泡制御工程を行なう。
【0105】
次に、本発明の第2の実施態様を図2を用いて説明する。
溶融した有機重合体(A)に発泡剤(C)を添加するラインを有する樹脂可塑化シリンダー(1)と、射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)との間に、開閉バルブ(10)を介して射出装置(2)と接続される該樹脂可塑化シリンダー(1)の流出路に接続された、混合部を有するアダプター(12)を設けることは、溶融した有機重合体(A)たとえば共重合体(A2)等の配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との混合をさらに進行させ、有機重合体(A)と二酸化炭素(C1)との相溶状態の形成が容易になること、および該アダプター(12)の温度制御により溶融有機重合体組成物を、この後の射出、発泡に適した粘度になるように冷却することが容易となる。
【0106】
この混合部を有するアダプター(12)については特に制限は無いが、溶融有機重合体組成物の混練および冷却を行なうことからスタティックミキサーを内蔵するアダプターが好適に用いられる。
次に、本発明の第3の実施態様の一つを図3を用いて説明する。
射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)の前に、開閉バルブ(10)を介して射出装置(2)と接続される、樹脂アキュムレータプランジャー(13)を有する樹脂アキュムレータ装置(14)を設けることで、計量終了後、該開閉バルブ(10)が閉に切り替わり、該射出プランジャー(11)によって、金型(3)内への射出を行なう間、樹脂可塑化シリンダー(1)から送られてくる溶融有機重合体組成物は、該開閉バルブ(10)直前に備えられている樹脂アキュムレータ装置(14)へと送られ、該溶融有機重合体組成物の流入によって、樹脂アキュムレータ装置(14)のプランジャーが後退するという該樹脂アキュムレータ装置(14)の制御により、装置系内を所定圧力に維持し易く、溶融有機重合体組成物の相溶状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好になるため好ましい。
【0107】
次に、本発明の第4の実施態様を図4を用いて説明する。
さらに、上記と同様にプランジャーを有する樹脂アキュムレータ装置(14)に代えて、もう一台の射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)を設けることも可能であり、装置系内を所定圧力に維持しやすく、溶融した有機重合体(A)の相溶状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好になるため好ましい。
【0108】
図1〜4に示した、樹脂可塑化シリンダー(1)と射出装置(2)とが独立した射出成形機の場合には、有機重合体(A)と発泡剤(C)とが分離することのないよう、系内圧力を維持することが容易であるため、本発明が目的とする有機重合体(A)たとえば共重合体(A2)等の有機重合体組成物の発泡体の製造が容易であるが、ガス溶解工程、冷却工程および射出工程の計量射出する間、常に背圧をかけ続けることのできる射出成形機であれば、図5に示したようなインラインスクリュー式射出成形機(15)でも、本発明に係る有機重合体組成物たとえば共重合体(A2)等の有機重合体組成物の発泡体の製造が可能である。
【0109】
本発明における有機重合体(A)および二酸化炭素(C1)の相溶状態を形成するガス溶解工程とは、図1に示した有機重合体(A)たとえば共重合体(A2)等の有機重合体組成物の発泡体の製造方法の例においては、たとえば樹脂可塑化シリンダー(1)内で配合有機重合体を加熱溶融したのち、溶融した配合有機重合体中に、二酸化炭素(C1)を添加し、均一な組成物に混合する工程である。
【0110】
冷却工程とは、溶融有機重合体組成物を冷却し、射出、発泡に適した粘度になるように調整する工程である。
該ガス溶解工程および冷却工程は、図2に示した有機重合体組成物の発泡体の製造方法の例においては、樹脂可塑化シリンダー(1)およびアダプター(12)で行なう。また、図3に示した有機重合体組成物の製造方法の例においては、樹脂可塑化シリンダー(1)、アダプター(12)および樹脂アキュムレータ装置(14)で行なう。
【0111】
計量射出工程とは、射出、発泡に適した粘度になるよう、温度制御された溶融有機重合体組成物を射出装置(2)に計量し、該射出プランジャー(11)で射出を行なう工程であり、発泡制御工程とは、金型(3)内に射出された溶融有機重合体組成物を加圧下より圧力低下させて、セル核を発生させ、かつ発泡倍率を制御する工程である。
【0112】
これらのうち少なくとも、ガス溶解工程および冷却工程は、特開平8−11190号公報記載の方法に準じ、以下のように行なう。
有機重合体組成物を、ホッパー(16)より樹脂可塑化シリンダー(1)内に送入し、有機重合体(A)の融点あるいは可塑化温度以上の温度で溶融する。このときの温度としては、30〜120℃で加熱溶融させる。また、二酸化炭素(C1)は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より定量ポンプ(5)に注入され、そこで昇圧され、圧力制御された二酸化炭素(C1)を樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融した有機重合体組成物中に添加する。このとき、樹脂可塑化シリンダー(1)内に存在する二酸化炭素(C1)が、溶融有機重合体(A)に対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で溶融した該有機重合体(A)中に浸透することを可能とするため、系内を該二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上かつ臨界温度以上に維持することが好ましい。
【0113】
また、樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融有機重合体(A)に添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状態となってから添加されることが好ましい。
樹脂可塑化シリンダー(1)内で溶融した有機重合体組成物と二酸化炭素(C1)とがスクリュー(17)により混練され、有機重合体組成物と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成させる。相溶後冷却工程において、樹脂可塑化シリンダー(1)先端の温度制御で、溶融有機重合体組成物を該有機重合体組成物の可塑化温度以上、該有機重合体組成物の可塑化温度より50℃高い温度以下で、かつ前記ガス溶解工程における溶融温度以下の温度に冷却する。このときの温度としては、30〜250℃、好ましくは30〜200℃で、かつ溶融有機重合体組成物の可塑化温度以上に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度になるように調整する。
【0114】
本発明の実施態様を図により説明する。図1〜5において、(1)は樹脂可塑化シリンダー、(2)は射出装置、(3)は金型、(4)は液化二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(10)は開閉バルブ、(11)は射出プランジャー、(12)はアダプター、(13)は樹脂アキュムレータプランジャー、(14)は樹脂アキュムレータ装置、(15)はインラインスクリュー式射出成形機、(16)はホッパー、(17)はスクリュー、(18)はガスボンベ、(19)は圧力制御バルブ、(20)は開閉バルブである。
【0115】
発泡剤(C)が二酸化炭素(C1)の場合、臨界圧力は7.4MPa、臨界温度は31℃であり、樹脂可塑化シリンダー(1)内は、圧力が7.4〜40MPa、好ましくは10〜30MPaの範囲が、温度は30〜300℃、好ましくは30〜280℃の範囲が好ましい。
また、二酸化炭素(C1)は、樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融した有機重合体(A)に添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状態となってから添加されることが好ましい。
【0116】
樹脂可塑化シリンダー(1)内で溶融した配合有機重合体(A)と二酸化炭素(C1)とがスクリュー(17)により混練され、該配合有機重合体組成物と二酸化炭素との相溶状態を形成させる。相溶後冷却工程において、樹脂可塑化シリンダー(1)先端の温度制御で、該有機重合体組成物を30〜250℃、好ましくは30〜200℃で、かつ該有機重合体組成物の可塑化温度以上に冷却し、この後の射出、発泡に適した粘度になるように調整する。
【0117】
射出、発泡に適した粘度になるように温度制御された溶融有機重合体組成物は、計量射出工程において、開閉バルブ(10)を介して接続された射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)へと送られる。該開閉バルブ(10)が開にあるとき、溶融有機重合体組成物の射出装置(2)内への流入で、該射出プランジャー(11)の後退によって計量される。
【0118】
インラインスクリュー式、プランジャー式等いずれの形式の射出成形機も、通常の射出成形機においては、計量終了後に直ちに背圧は停止するが、本発明では、このときに射出装置(2)内で、溶融有機重合体組成物が発泡剤(C)と有機重合体(A)とに分離しないよう、また該有機重合体組成物が発泡しないよう、射出終了後まで背圧をかけ系内圧力を制御し続ける必要がある。
【0119】
このときの背圧は、溶融した該有機重合体組成物が発泡剤(C)と有機重合体(A)とに分離しないため、また溶融した該有機重合体組成物が発泡しないための最低限の圧力を維持すればよいが、二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上であることが好ましい。ガス溶解工程、冷却工程および計量射出工程の一連の工程が終了するまでは、常に圧力を維持し、溶融した該有機重合体組成物が有機重合体(A)とガスに分離してしまうことのないようにする必要がある。
【0120】
計量終了後、該開閉バルブ(10)が閉に切り替わり、該射出プランジャー(11)によって、金型(3)内への射出を行なう。計量後射出を行なう前に該射出プランジャー(11)をサックバックさせることにより、射出装置(2)内の圧力をわずかに低下させてセル核の生成を誘発する方法も好適に用いられる。
射出される直前の金型(3)内には、ガスボンベ(18)あるいは定量ポンプ(5)より圧力制御バルブ(19)を介して注入される高圧ガスを所定の圧力で充填しておく。たとえば、高圧ガスとして窒素を使用する場合、発泡剤(C)として使用する二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上の圧力であることが好ましい。
【0121】
予め金型(3)内に高圧ガスを充填しておくことで、金型(3)内に射出された溶融有機重合体(A)組成物は発泡することなく金型(3)内に充填され成形品の表面外観が良好となる。
発泡制御工程において、該高圧ガスを充填させた金型(3)内に有機重合体(A)と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成した溶融有機重合体組成物を射出する。射出後、金型(3)内に充填した高圧ガスを急速に抜くことにより、金型(3)内に急激な圧力低下を生じさせる。この工程により、有機重合体(A)に含浸しているガスは、過飽和状態となり、多数のセル核が生じる。
【0122】
また金型(3)内で急激な圧力低下を生じさせる方法として、金型(3)内に有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成した溶融有機重合体組成物を射出したのち、コアの一部または全部を後退させ、金型(3)内の容量を急激に増し、金型(3)内に急激な圧力低下を生じさせる方法も好適に用いられる。
発泡倍率は、金型(3)温度、金型(3)内圧力、または金型(3)内のコア後退量により制御することが可能であり、所望の発泡倍率の発泡体を得る。
【0123】
これら発泡を制御する方法はそれぞれ単独であっても十分な発泡制御効果が得られるが、2つの方法を併用することには何ら支障はない。
図2に示すように、溶融した有機重合体(A)組成物に発泡剤(C)を添加するラインを有する樹脂可塑化シリンダー(1)と、射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)との間に、開閉バルブ(10)を介して射出装置(2)と接続される該樹脂可塑化シリンダー(1)の流出路に接続された、混合部を有するアダプター(12)を設けることは、溶融した配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との混合をさらに進行させ、該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態の形成が容易になること、および該アダプター(12)の温度制御により溶融した該有機重合体組成物を、この後の射出、発泡に適した粘度になるように冷却することが容易となり、ガス溶解工程および冷却工程が容易に行なえることから好ましい。この混合部を有するアダプター(12)については特に制限は無いが、溶融した有機重合体組成物の混練および冷却を行なうことからスタティックミキサーを内蔵するアダプターが好適に用いられる。
【0124】
また、図3に示すように、射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)の前に、開閉バルブ(10)を介して射出装置(2)と接続される、プランジャーを有する樹脂アキュムレータ装置(14)を設けることは、計量終了後、該開閉バルブ(10)が閉に切り替わり、該射出プランジャー(11)によって、金型(3)内への射出を行なう間、樹脂可塑化シリンダー(1)から送られてくる溶融した有機重合体(A)組成物は、該開閉バルブ(10)直前に備えられている樹脂アキュムレータ装置(14)へと送られ、該溶融有機重合体組成物の流入によって、樹脂アキュムレータ装置(14)のプランジャーが後退するという該樹脂アキュムレータ装置(14)の制御により、装置系内を所定圧力に維持しやすく、溶融した該有機重合体組成物の相溶状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好になるため好ましい。
【0125】
また、図4に示すように、プランジャーを有する樹脂アキュムレータ装置(14)に(図3)代えて、もう一台の射出プランジャー(11)を有する射出装置(2)を設けることも、装置系内を所定圧力に維持しやすく、溶融した有機重合体(A)組成物の相溶状態の維持が容易であり、発泡体の表面外観が良好になるため好ましい。
【0126】
また、図1〜4に示した樹脂可塑化シリンダー(1)と射出装置(2)とが独立した射出成形機の場合には、配合有機重合体と発泡剤(C)とが分離することのないよう、系内圧力を維持することが容易であるため、本発明が目的とする有機重合体(A)組成物の発泡体の製造が容易であるが、ガス溶解工程、冷却工程および計量射出工程の間、常に背圧をかけ続けることのできる射出成形機であれば、図5に示したインラインスクリュー式射出成形機(15)でも、本発明の有機重合体(A)組成物からなる発泡体を製造することが可能である。
【0127】
本発明の射出成形による有機重合体(A)組成物からなる発泡体の製造方法では、発泡剤(C)である二酸化炭素(C1)の所定量を定量的かつ安定的に溶融した共重合体(A2)等の有機重合体(A)に添加することが可能なため、樹脂可塑化シリンダー(1)内の溶融した配合有機重合体に二酸化炭素(C1)を添加し十分に混練したのち、射出装置(2)に計量し射出成形し、その間常に背圧をかけることから、相溶状態の溶融した該有機重合体組成物の形成および該有機重合体組成物の相溶状態の維持が容易であるため、発泡体の表面外観が良好になり、低発泡製品から高発泡製品まで、一定の品質を有する発泡体を製造することが可能となる。
【0128】
本発明では、有機重合体(A)組成物からなる架橋発泡体と熱可塑性樹脂構造体との積層体の製造も可能である。
本明細書において、熱可塑性樹脂構造体とは、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、回転成形、射出圧縮成形など、公知の樹脂成形方法により成形される全ての成形品を意味し、発泡体、繊維強化発泡体、長繊維積層体、非発泡射出成形品、非発泡押出成形品等が包含される。
【0129】
共重合体(A2)等の有機重合体(A)組成物からなる発泡体を用いた積層体の製造方法の一例を示す。
金型(3)内に溶融した有機重合体組成物を射出する前に、金型の開作動を行ない、熱可塑性樹脂構造体を金型(3)キャビティー内に装着する。装着後、金型の閉作動をしたのち、必要に応じて金型(3)内に高圧ガスを充填し、その後、前述した有機重合体組成物からなる発泡体の製造方法により得られた架橋発泡体を、熱可塑性樹脂構造体に積層して積層体を製造する。
【0130】
また金型(3)の開閉操作を行ない、熱可塑性樹脂構造体を金型(3)キャビティー内に装着する方法以外に、ダブルインジェクション成形機などにより、金型(3)内で熱可塑性樹脂構造体を成形したのちに、前述した本発明に係る架橋発泡体の製造方法により得られた架橋発泡体を、熱可塑性樹脂構造体に積層して積層体を製造する方法も好適に用いられる。
【0131】
次に、本発明の押出成形による実施態様の一例を図6により説明する。
図6において、(4)は液化二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(6)は冷媒循環器、(7)は保圧弁、(8)はヒーター、(9)は流量計、(21)は第1押出機、(22)は第2押出機、(23)は連結部、(24)はダイス、(25)は発泡体、(26)はホッパー、(27)はスクリュー、(28)は架橋装置である。
【0132】
連続可塑化装置の入り口側を構成する、溶融した配合有機重合体(A)に発泡剤(C)を添加するラインを有する第1押出機(21)に該配合有機重合体を装入し、加熱溶融しながら二酸化炭素(C1)を添加し、該配合有機重合体と発泡剤(C)との相溶状態の溶融有機重合体組成物を形成する。
連続可塑化装置内の溶融した該配合有機重合体中に発泡剤(C)を添加する方法としては、たとえば気体状態の二酸化炭素(C1)または窒素(C2)を直接あるいは加圧した状態で注入する方法、液体状態の二酸化炭素(C1)または窒素(C2)をプランジャーポンプ等で添加する方法などが挙げられるが、液化二酸化炭素ボンベ(4)等から、二酸化炭素(C1)を液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を二酸化炭素(C1)の臨界圧力(7.4MPa)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、二酸化炭素(C1)の臨界温度(31℃)以上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融した該配合有機重合体に添加する方法が好適に用いられる。
【0133】
該有機重合体組成物は、この後連続可塑化装置の出口側を構成する第2押出機(22)へと移送され発泡に最適な温度条件まで徐々に温度を下げていく。このとき第2押出機(22)先端部までの圧力および温度条件が、二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上かつ臨界温度以上の超臨界状態であることが好ましい。
好ましくは第1押出機(21)と第2押出機(22)との連結部(23)に、混合部を有するアダプターが設けられる。これによって溶融した該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との混合をさらに進行させ、該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態の形成が容易になること、および該アダプターで温度制御することにより溶融した該有機重合体組成物を、この後の発泡に適した粘度になるように冷却することが容易となる。
【0134】
この混合部を有するアダプターの種類は特に制限は無いが、溶融した有機重合体組成物の混練および冷却を行なうことができるスタティックミキサーを内蔵するアダプターが好適に用いられる。
しかしながら、第1押出機(21)内において、充分に溶融した該有機重合体組成物の相溶状態が形成でき、最適発泡温度まで冷却が可能であれば、連続可塑化装置を、第2押出機(22)を用いるタンデム型発泡押出機とする必要はなく、1台の押出機のみの構成としてもよい。
【0135】
次に、溶融した該有機重合体組成物を最適発泡温度に設定した連続可塑化装置先端部に接続したダイス(24)へと移送し、圧力を低下させて発泡を開始させる。
本発明の押出成形による有機重合体(A)組成物から得られる発泡体の製造方法において、該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成するガス溶解工程とは、連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出機(21)内で該配合有機重合体を加熱溶融したのち、溶融した該配合有機重合体中に二酸化炭素(C1)を添加し、均一に混合する工程である。
【0136】
冷却工程とは、連続可塑化装置の出口側にて、溶融した該有機重合体組成物を冷却し、発泡に適した粘度になるように調整する工程である。
核生成工程とは、溶融した該有機重合体組成物をダイス(24)において、圧力を二酸化炭素(C1)の臨界圧力以下の圧力に圧力低下することで、二酸化炭素(C1)を過飽和状態にし、過飽和状態になった該溶融有機重合体組成物に多数のセル核を発生させる工程である。
【0137】
発泡制御工程とは、発泡体(25)を速やかに、該有機重合体組成物の温度で調製して、発生したセルの成長を制御し、所望の発泡倍率に制御する工程である。
これらのうち少なくともガス溶解工程および冷却工程は、特開平8−11190号公報に記載の特許請求の範囲および各実施例に記載の方法に準じ、以下のようにして行なう。
【0138】
たとえば共重合体(A2)等の配合有機重合体(A)を、ホッパー(26)より連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出機(21)内に添加し、有機重合体(A)の可塑化温度以上の温度で溶融する。このときの温度としては、30〜300℃で加熱溶融させる。また、二酸化炭素(C1)は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より定量ポンプ(5)に注入され、そこで昇圧され、圧力制御された二酸化炭素(C1)を第1押出機(21)内の溶融した該配合有機重合体に添加する。
【0139】
このとき、第1押出機(21)内に存在する二酸化炭素(C1)が、溶融した有機重合体(A)に対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で該有機重合体(A)中に浸透することを可能とするため、系内を該二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上かつ臨界温度以上に維持されていることが好ましい。
また、第1押出機(21)内に添加される二酸化炭素(C1)は、第1押出機(21)内に添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状態となってから添加されてもよい。
【0140】
第1押出機(21)内で溶融した配合有機重合体と二酸化炭素(C1)とがスクリュー(27)により混練され、該配合有機重合体と二酸化炭素との相溶状態を形成させる。
相溶後冷却工程において、連続可塑化装置の出口側を構成する第2押出機(22)先端の温度制御で、溶融した有機重合体組成物を、溶融した該有機重合体組成物の可塑化温度以上で、溶融した該有機重合体組成物の可塑化温度より50℃高い温度以下の温度で、かつ前記ガス溶解工程における溶融温度以下の温度に冷却する。このときの温度としては、30〜250℃、好ましくは30〜230℃で、かつ溶融した該有機重合体組成物の可塑化温度以上に冷却し、この後の発泡に適した粘度になるように調整する。
<押出成形A法>
次に、本発明の押出成形による実施態様の一例を図6により説明する。
【0141】
図6において、(4)は液化二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(6)は冷媒循環器、(7)は保圧弁、(8)はヒーター、(9)は流量計、(21)は第1押出機、(22)は第2押出機、(23)は連結部、(24)はダイス、(25)は発泡体、(26)はホッパー、(27)はスクリュー、(28)は架橋装置である。
【0142】
連続可塑化装置の入り口側を構成する、溶融した配合有機重合体(A)に発泡剤(C)を添加するラインを有する第1押出機(21)に該配合有機重合体を装入し、30〜100℃で加熱溶融しながら二酸化炭素(C1)を添加し、該配合有機重合体と発泡剤(C1)との相溶状態の溶融した有機重合体組成物を形成する。
【0143】
連続可塑化装置内の溶融有機重合体組成物中に発泡剤(C)を添加する方法としては、たとえば気体状態の二酸化炭素(C1)または窒素(C2)を直接あるいは加圧した状態で注入する方法、液体状態の二酸化炭素(C1)または窒素(C2)をプランジャーポンプ等で添加する方法などが挙げられるが、液化二酸化炭素ボンベ(4)等から、二酸化炭素(C1)を液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を二酸化炭素(C1)の臨界圧力(7.4MPa)〜40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、二酸化炭素(C1)の臨界温度(31℃)以上に昇温して超臨界二酸化炭素としてから、溶融した配合有機重合体(A)に添加する方法が好適に用いられる。
【0144】
該有機重合体組成物は、この後、連続可塑化装置の出口側を構成する第2押出機(22)へと移送され、発泡に最適な温度条件になるまで温度調整がなされる。このとき第2押出機(22)先端部までの圧力および温度条件が、二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上かつ臨界温度以上の超臨界状態であることが好ましい。
好ましくは第1押出機(21)と第2押出機(22)との連結部(23)に、混合部を有するアダプターが設けられる。これによって溶融した配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との混合をさらに進行させ、該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態の形成が容易になること、および該アダプターで温度制御することにより溶融した該有機重合体組成物を、この後の発泡に適した粘度になるように調整することが容易となる。
【0145】
この混合部を有するアダプターの種類は、特に制限は無いが、溶融した有機重合体(A)の混練および温度調整を行なうことができるスタティックミキサーを内蔵するアダプターが好適に用いられる。
しかしながら、第1押出機(21)内において、充分に溶融した該有機重合体組成物の相溶状態が形成でき、最適発泡温度まで冷却が可能であれば、連続可塑化装置を、第2押出機(22)を用いるタンデム型発泡押出機とする必要はなく、1台の押出機のみの構成としてもよい。
【0146】
次に、溶融した該有機重合体組成物を最適発泡温度に設定した連続可塑化装置先端部に接続したダイス(24)へと移送する。
その後、ダイスから出てきた該有機重合体組成物を、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの架橋装置で加熱し、架橋・発泡をさせ、架橋発泡体を得る。
【0147】
次に、本発明に係る発泡体の製造方法により、連続的に発泡シートを製造する方法の一例を、図7により説明する。
なお、ここでは、サーキュラーダイスを用いた例を例示するが、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイ等の、T−ダイを用いることも本発明に包含される。
【0148】
図7において、(4)は液化二酸化炭素ボンベ、(5)は定量ポンプ、(6)は冷媒循環器、(7)は保圧弁、(8)はヒーター、(9)は流量計、(21)は第1押出機、(22)は第2押出機、(23)は連結部、(26)はホッパー、(27)はスクリュー、(29)はサーキュラーダイス、(30)は発泡シート、(31)は水冷式マンドレルである。
【0149】
図7において、ガス溶解工程において、共重合体(A2)等の配合有機重合体(A)100重量部を、ホッパー(26)より連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出機(21)内に添加し、加熱溶融させる。また、二酸化炭素(C1)は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より温度制御されて定量ポンプ(5)に注入され、そこで昇圧され、圧力制御された二酸化炭素(C1)0.1〜20重量部が第1押出機(21)内の溶融した配合有機重合体中に添加され、ガス溶解工程を行なう。このとき、第1押出機(21)内に存在する二酸化炭素(C1)が、溶融した該配合有機重合体中に対する溶解拡散を大幅に高め、短時間で該配合有機重合体中に浸透することを可能とするため、系内は該二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上かつ臨界温度以上に維持されていることが好ましい。
【0150】
発泡剤(C)が二酸化炭素(C1)の場合、臨界圧力は7.4MPa、臨界温度は31℃であり、第1押出機(21)内は、圧力が7.4〜40MPa、好ましくは10〜30MPaの範囲、温度は150〜300℃、好ましくは160〜280℃の範囲が好ましい。
また、第1押出機(21)内で溶融した該配合有機重合体に添加される二酸化炭素(C1)は、添加される以前に昇温昇圧され、超臨界状態となってから添加されてもよい。
【0151】
第1押出機(21)内で溶融した該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)とがスクリュー(27)により混練され、該配合有機重合体と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成させる。
相溶後冷却工程において、有機重合体(A)に対する二酸化炭素(C1)の溶解性を高めるため、溶融した有機重合体(A)組成物を連続可塑化装置の出口側を構成する第2押出機(22)へと送入し、発泡に適した温度まで下げていく。
【0152】
このときの温度は、30〜250℃、好ましくは30〜230℃で、かつ溶融した該有機重合体組成物の可塑化温度以上の温度を保って冷却し、この後の発泡に適した粘度になるように温度を調整する。
この第2押出機(22)を用いた冷却工程は、発泡に適した温度条件に無理なく近づけるための工程である。この工程で十分に冷却することにより、連続的かつ安定的な、発泡体の製造が容易となる。ただし、連続可塑化装置として第1押出機(21)だけで溶融した該有機重合体組成物を発泡に適した温度まで十分に冷却可能な装置を使用する場合は、連続可塑化装置の出口側として第2押出機(22)を連結する必要はなく、単一の押出機で発泡体を製造することも可能である。
【0153】
また、溶融した該有機重合体組成物の二酸化炭素(C1)の溶解状態を向上させるために、第1押出機(21)と第2押出機(22)との連結部(23)にスタティックミキサー等の混練部を接続しておくとより好ましい。
次に、溶融した該有機重合体組成物を最適発泡温度に設定した連続可塑化装置の出口側に接続したサーキュラーダイス(29)へと移送し、発泡を開始させる。サーキュラーダイス(29)出口で制御された条件で圧力低下させて二酸化炭素(C1)を過飽和状態にする。
【0154】
過飽和状態になった溶融した該有機重合体組成物は、熱的不安定状態になり多数のセルを発生する。一般的にガスが含まれている樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ガスの含浸量に比例して低下することが知られているが、サーキュラーダイス(29)内の温度は、溶融した該有機重合体組成物のガラス転移温度以上であることが好ましい。
【0155】
発泡を開始した溶融した該有機重合体組成物は、サーキュラーダイス(29)出口より押し出される。
サーキュラーダイス(29)から押し出された溶融した有機重合体組成物は、吐出と同時に発泡を開始するが、サーキュラーダイス(29)の先に設置された架橋槽(31)で、円筒状に賦形された発泡体は、該マンドレル(31)に沿って架橋されながら進行した後、カッター刃によって切断され、架橋発泡シート(30)が得られる。
【0156】
本発明においては、ガス溶解工程、冷却工程が終了するまでは、溶融した該有機重合体組成物が有機重合体(A)と二酸化炭素(C1)とに分離してしまうことのないようにする必要があるが、そのためには二酸化炭素(C1)の臨界圧力以上の圧力を維持することが好ましい。
本発明の押出成形による発泡体の製造方法では、連続可塑化装置の入り口側を構成する第1押出機(21)内の溶融した配合有機重合体に二酸化炭素(C1)を添加し、十分に混練したのち、有機重合体(A)と二酸化炭素(C1)との相溶状態を形成し、連続可塑化装置の出口側において、溶融した該有機重合体組成物の温度を下げ、圧力低下により発泡を開始し、マンドレル(31)で発泡倍率を制御することにより、1〜4倍程度の低倍率発泡体から、4〜50倍程度の高倍率発泡体に至るまで、広範な発泡体が連続的に品質一定で製造可能となる。
【0157】
本発明に係る架橋発泡体の製造方法は、前記したように、有機重合体(A)に発泡剤(C)を溶解させるガス溶解工程と、架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程と、架橋発泡させる工程とを含む方法である。この場合において、得られる架橋発泡体の平均セル径は0.01μm以上2000μm以下であることが好ましい。平均セル径の下限は1μm以上が特に好ましく、上限は1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、20μm未満が特に好ましく、19μm以下がさらに好ましい。
【0158】
本発明に係る有機重合体組成物から得られる架橋発泡体の用途としては、製造されうる製品形状においても特に限定されるものではなく、たとえば、インストゥルメントパネル表皮、ドア表皮、インストゥルメントパネル表皮の裏打ち発泡体、ドア表皮の裏打ち発泡体、ドアトリム、ピラー、コンソールボックス、ステアリングホイール、ギアレバー、エアーボックス、ダッシュボード、取り替え式座席シート、デフガーニッシュ、カールトップガーニッシュ、天井材、ウェザーストリップスポンジ、トランクルームの内張り、エンジンルームの内張り、バンパーの表層、フェンダーの表層、ボンネットの表層、サイドシールド、クッション等の自動車部品;
ハンドル握り、ヘルメットの内側、座席およびレーシングスーツの表層等の二輪部品;
マウス、キーボード、OAハウジング、マウスパッド、デスクマット、ヘッドホーン、電卓、電話の受話器、PHS、その他の携帯電話等の筐体などのOA機器関連の部品・製品;
システム手帳、財布、ノート、ファイル、バッグ、便座、ペンシル、ボールペン、万年筆、カーペット、包丁の柄、植木鋏のグリップ等の雑貨;
草履、下駄、スリッパ、靴底、サンダル等の履き物;
電線被覆、コネクター、キャップ、プラグ等の電機部品;
止水板、シールスポンジ、騒音防止壁等の土木資材;
ゴルフクラブのグリップ、野球バットグリップ、テニスラケットグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のレジャー用品;
ガスケット、防水布、ガーデンホース、ベルト、工業用パッキン等の工業用雑品などが挙げられ、これらは容易に製造することができる。
【0159】
本発明に係る架橋発泡体は、特に、例えば自動車、車両、船舶等の内外装材、あるいは家屋などの建築物の内外装材として好適に用いられる。
本発明の好適な態様としては、以下のような態様が挙げられる。
(1)ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部と、架橋剤(B)0.1〜50重量部と、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)0.1〜30重量部とからなることを特徴とする有機重合体組成物。
(2)前記有機重合体(A)が、ビニル基を含有する炭化水素系重合体(A1)であることを特徴とする前記(1)に記載の有機重合体組成物。
(3)前記炭化水素系重合体(A1)が、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)であることを特徴とする前記(2)に記載の有機重合体組成物。
(4)前記架橋剤(B)がイオウを含む化合物であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(5)前記架橋剤(B)が有機過酸化物であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(6)前記架橋剤(B)が、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B1)であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(7)JIS K6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間の条件で架橋発泡させて得られる発泡体の平均発泡セル径が0.01μm以上2000μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(8)前記架橋剤(B)が、SiH基含有化合物(B1)であり、かつ、JISK6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間の条件で架橋発泡させて得られる発泡体のを用いて得られた架橋発泡体の平均発泡セル径が0.01μm以上2000μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(9)前記有機重合体(A)に、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程を経て得られることを特徴とする、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の有機重合体組成物。
(10)ビニル基を含有する有機重合体(A)に、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程と、架橋剤(B)を有機重合体に添加する工程と、架橋発泡させる工程とを含むことを特徴とする有機重合体組成物の架橋発泡体の製造方法。
(11)前記有機重合体(A)100重量部に対して、架橋剤(B)0.1〜50重量部と、二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)0.1〜30重量部とを添加することを特徴とする前記(10)に記載の架橋発泡体の製造方法。
(12)前記有機重合体(A)がビニル基を含有する炭化水素系重合体(A1)であることを特徴とする前記(9)または(10)に記載の架橋発泡体の製造方法。
(13)前記炭化水素系重合体(A1)が、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)であることを特徴とする前記(12)に記載の架橋発泡体の製造方法。
(14)前記架橋剤(B)がイオウを含む化合物であることを特徴とする前記(10)〜(13)のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
(15)前記架橋剤(B)が有機過酸化物であることを特徴とする前記(10)〜(13)のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
(16)前記架橋剤(B)がSiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B1)であることを特徴とする前記(10)〜(13)のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
(17)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の有機重合体組成物を架橋発泡させてなることを特徴とする架橋発泡体。
【0160】
【発明の効果】
本発明に係る有機重合体組成物は、架橋発泡することにより、低コストで、しかも、シール性、吸水率、柔軟性、耐熱性、表面外観、低板金汚染性、環境安全衛生性および低毒性に優れ、発泡倍率が高く、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、表面外観に優れる架橋発泡体を製造することができる。
【0161】
また、本発明に係る架橋発泡体の製造方法によれば、低コストで、しかも、シール性、吸水率、柔軟性、耐熱性、表面外観、低板金汚染性、環境安全衛生性および低毒性に優れ、発泡倍率が高く、発泡セル径が小さく、吸水率が低く、表面外観に優れる架橋発泡体を製造することができる。
本発明に係る架橋発泡体は、本発明に係る有機重合体組成物からなるので、上記のような特性に優れている。
【0162】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で用いた共重合体の組成、ヨウ素価、極限粘度[η]、分子量分布(Mw/Mn)は、次のような方法で測定ないし求めた。
(1)共重合体の組成
共重合体の組成は13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体のヨウ素価
共重合体のヨウ素価は、滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η]
共重合体の極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
共重合体の分子量分布は、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わした。GPCには、カラムに東ソー(株)製のGMH−HT、GMH−HTLを用い、溶媒にはオルソジクロロベンゼンを用いた。
【0163】
【製造例1】
[エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の製造]
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5−ビニル−2− ノルボルネンとの三元共重合を行なった。重合器側部より液相へ毎時ヘキサンを60リットル、エチレンを3.7kg、プロピレンを8.0kg、5−ビニル−2− ノルボルネンを480gの速度で、また、水素を50リットル、触媒としてVOClを48ミリモル、Al(Et)Clを240ミリモル、Al(Et)1.5Cl1.5を48ミリモルの速度で連続的に供給した。
【0164】
以上に述べたような条件で共重合反応を行なうと、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
【0165】
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の物性を表1に示す。
【0166】
【製造例2〜3】
製造例1において、重合条件を表1の通りに変えることにより、異なる性状のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−2)、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−2)、(A−3)の物性を表1に示す。
【0167】
【表1】
Figure 2004051670
【0168】
【実施例1】
まず、表1に示すエチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A―1)100重量部、カーボンブラック[旭カーボン(株)製、商品名 旭#60G]100重量部、軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]35重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で混練した。
【0169】
混練方法は、まずエチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)を30秒素練りし、次いで、カーボンブラック、軟化剤を入れ、2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約130℃で排出し、ゴム配合物(I−1)を得た。この混練は充填率75%で行なった。
【0170】
次に、この配合物(I−1)235重量部を、8インチロール(前ロールの表面温度30℃、後ロールの表面温度30℃、前ロールの回転数18rpm、後ロールの回転数15rpm)に巻き付けて、発泡核剤[ベイルンガーインゲルハイムケミカルズ株式会社製、商品名 CF(重曹/クエン酸)]0.1重量部、脱水剤[CaO、井上石灰工業(株)製、商品名 ベスタPP]5重量部、SiH基含有化合物(B1)として(CHSiO−[−SiH(CH)−O−]−[−Si(CH−O−]−[−Si(C−O−]−Si(CH3 で示されるSiH基含有化合物(架橋剤)[信越化学工業(株)製、商品名 X−93−1346]4重量部、反応制御剤(E)としてエチニルシクロヘキサノール0.1重量部を加え10分間混練したのちに、触媒(D)として3%白金濃度の白金カルボニルビニルメチル錯体のビニルメチル環状シロキサン溶液0.1重量部[GELEST.Inc 商品名 SIP6829.0]を加えて5分間混練した後、混練物をリボン状に分出した。
【0171】
次に、この未架橋配合物を、前記した押出成形A法により発泡体を作製した。連続可塑化装置として、スクリュー径50mmの第1押出機(21)を使用し、第2押出機は使用しなかった。第1押出機(21)の先端には、チューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を取り付けた。
二酸化炭素添加部は、第1押出機(21)の中央付近に設けた。
【0172】
この未架橋配合物を第1押出機[(株)三葉製作所製:L/D=16]を用いてダイス温度40℃、シリンダー温度30℃で押出した。
二酸化炭素(C1)は、サイホン式の液化二酸化炭素ボンベ(4)を使用し、液相部分から直接取り出せるようにした。液化二酸化炭素ボンベ(4)からプランジャーポンプ(5)までの流路を冷媒循環器(6)を用いて、−12℃に調節したエチレングリコール水溶液で冷却し、二酸化炭素(C1)を液体状態でプランジャーポンプ(3)まで注入できるようにした。
【0173】
次に、注入した液状二酸化炭素(C1)を1kg/時間となるようプランジャーポンプ(5)を制御し、プランジャーポンプ(5)の吐出圧力を1MPaとなるよう保圧弁(7)にて調整した。このとき、プランジャーポンプ(3)の容積効率は、65%で一定となった。次に保圧弁(7)から第1押出機(21)の二酸化炭素添加部までのラインを30℃となるようヒーター(8)で加熱し、二酸化炭素(C1)を第1押出機(21)内の溶融したエチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A―1)組成物に添加した。このときの添加部の溶融樹脂圧力は20MPaであった。この場合、この組成物に溶解する直前の二酸化炭素(C1)は、超臨界状態になっていることが好ましいが、今回は超臨界状態になっていない。
【0174】
このようにして、二酸化炭素を流量計(9)で測定しながら、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A―1)100重量部に対して、二酸化炭素(C1)を3重量部の割合で第1押出機(21)内に添加し、スクリュー(27)で均一に混合させた後に押出成形を行なった。この押出物をマイクロ波加硫槽(UHF)を用いて、架橋および発泡を行ない、架橋発泡成形体(III)を得た。この際、UHFの温度は200℃とし、1分間滞留した後の押出材料の表面温度がUHF出口で190℃となるように出力を調整した。UHF槽内温度は250℃に設定した。加硫槽での滞留時間は1分であった。
【0175】
また、上記熱硬化前の架橋剤入り混練物について架橋速度の目安として「t(90)」を、JSRキュラストメーター3型[日本合成ゴム(株)製]を用いて、160℃の条件で測定した。
上記のようにして得られた架橋スポンジゴムについて比重測定、吸水率測定、耐傷付き性試験および圧縮永久歪み試験、板金汚染試験および平均発泡セル径の測定を下記の方法に従って行なった。
(1)比重測定
熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計[(株)東洋精機製作所製:M−1型]を用いて、空気中と純水中の質量差から比重測定を行ない、スポンジゴムの比重を算出した。
(2)吸水率
熱空気架橋したチューブ状のスポンジゴムから20mm×20mmの試験片を打ち抜き、水面下50mmの位置で125mmHgまで減圧し、3分間保持した。続いて、その試験片を大気中に戻して3分経過後、吸水した試験片の重量を測定し、以下の計算式から吸水率を算出した。
【0176】
吸水率(%)=[(W ―W )/W ]×100
:浸漬前の試験片重量(g)
:浸漬後の試験片重量(g)
(3)耐傷付き性試験
UHF(マイクロ波加硫槽)より取り出した直後の架橋発泡シート表面をHBの鉛筆でひっかき、その傷付き状態を肉眼で観察し、耐傷付き性の評価を4段階で行なった。
<耐傷付き性の4段階評価>
A:表面に傷が全く付かないもの
B:表面にわずかに傷が付くもの
C:傷が付くもの
D:傷が著しく激しいもの
(4)圧縮永久歪み試験
JIS K6250に従い、作製した架橋発泡シートを積層し、JIS K6262に準拠して圧縮永久歪み試験を行なった。この試験条件は150℃×22時間である。
(5)板金汚染試験
JIS K6267(1996)に従い、接触および移行汚染試験を行なった。条件は、キセノンアーク灯を用いてブラックパネル温度55℃、48時間照射し、接触材は、アルミにJIS K5531に規定する白いラッカーエナメルで覆ったものを用いた。判定は目視で行ない、板金汚染性の評価を下記の2段階で行なった。
<板金汚染性の2段階評価>
A:ほとんど汚染なし
B:変色するほどの汚染あり
(6)平均発泡セル径
マイクロスコープ[KEYENCE社製、商品名 VH−6200]を用いて平均発泡セル径を測定した。平均発泡セル径は、任意に選んだ発泡セル50個の平均値とした。
【0177】
これらの結果を表2に示す。
【0178】
【実施例2】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の代わりに、ビニル基含有ポリイソブチレン(A−4)[鐘淵化学(株)製、商品名 エピオン600A]を用い、また軟化剤を用いなかった以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0179】
【実施例3】
実施例1において、架橋装置を、マイクロ波加硫槽(UHF)の代わりに、長さ1mmの遠赤外線架橋装置[ミクロ電子(株)製]を用いて、滞留時間30秒で出口の架橋発泡体の温度が210℃になるように電流を調製し、架橋発泡させた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0180】
【実施例4】
実施例1において、二酸化炭素(C1)の代わりに窒素(C2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0181】
【比較例1】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の代わりに、表1に示すエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネン共重合体(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサーから排出した際の混練物の温度は131℃であった。結果を表2に示す。
【0182】
【比較例2】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の代わりに、表1に示すエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエンランダム共重合体(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。なお、バンバリーミキサーから排出した際の混練物の温度は134℃であった。結果を表2に示す。
【0183】
【比較例3】
実施例1において、二酸化炭素(C1)の代わりにオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド(OBSH)[永和化成(株)製、商品名 ネオセルボン1000SW]を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0184】
【比較例4】
実施例1において、二酸化炭素(C1)の代わりに1,1−アゾビス(1−アセトキシ−1− フェニルエタン)[大塚化学(株)製、商品名 OT AZO−15]を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
【0185】
【比較例5】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2− ノルボルネンランダム共重合体(A−1)の代わりにエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2− ノルボルネン共重合体(A−2)を用い、SiH基含有化合物(B1)、二酸化炭素(C1)、触媒(D)および反応抑制剤(E)の代わりにジクミルパーオキサイド2.7重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表2に示す。
【0186】
【表2】
Figure 2004051670

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図2】図2は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図3】図3は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図4】図4は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図5】図5は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図6】図6は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法の一例を示す概略構成図である。
【図7】図7は、本発明に係る架橋発泡体の製造方法により、連続的に発泡シートを製造する方法の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1)樹脂可塑化シリンダー
(2)射出装置
(3)金型
(4)液化二酸化炭素ボンベ
(5)定量ポンプ
(6)冷媒循環器
(7)保圧弁
(8)ヒーター
(9)流量計
(10)開閉バルブ
(11)射出プランジャー
(12)アダプター
(13)樹脂アキュムレータプランジャー
(14)樹脂アキュムレータ装置
(15)インラインスクリュー式射出成形機
(16)ホッパー
(17)スクリュー
(18)ガスボンベ
(19)圧力制御バルブ
(20)開閉バルブ
(21)第1押出機
(22)第2押出機
(23)連結部
(24)ダイス
(25)発泡体
(26)ホッパー
(27)スクリュー
(28)冷却装置
(29)サーキュラーダイス
(30)発泡シート
(31)水冷式マンドレル

Claims (17)

  1. ビニル基を含有する有機重合体(A)100重量部と、
    架橋剤(B)0.1〜50重量部と、
    発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)0.1〜30重量部と
    からなることを特徴とする有機重合体組成物。
  2. 前記有機重合体(A)が、ビニル基を含有する炭化水素系重合体(A1)であることを特徴とする請求項1に記載の有機重合体組成物。
  3. 前記炭化水素系重合体(A1)が、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)であることを特徴とする請求項2に記載の有機重合体組成物。
  4. 前記架橋剤(B)がイオウを含む化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機重合体組成物。
  5. 前記架橋剤(B)が有機過酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機重合体組成物。
  6. 前記架橋剤(B)が、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B1)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機重合体組成物。
  7. JIS K6257(1993)に記載の方法に従い、ギヤオーブン内で、230℃で3分間の条件で架橋発泡させて得られる発泡体の平均発泡セル径が0.01μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機重合体組成物。
  8. 前記有機重合体(A)に、二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程を経て得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機重合体組成物。
  9. ビニル基を含有する有機重合体(A)に、発泡剤(C)として二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)を溶解させるガス溶解工程と、
    架橋剤(B)を有機重合体(A)に添加する工程と、
    架橋発泡させる工程と
    を含むことを特徴とする有機重合体組成物の架橋発泡体の製造方法。
  10. 前記有機重合体(A)100重量部に対して、架橋剤(B)0.1〜50重量部と、二酸化炭素(C1)および/または窒素(C2)0.1〜30重量部とを添加することを特徴とする請求項9に記載の架橋発泡体の製造方法。
  11. 前記有機重合体(A)が、ビニル基を含有する炭化水素系重合体(A1)であることを特徴とする請求項9または10に記載の架橋発泡体の製造方法。
  12. 前記炭化水素系重合体(A1)が、エチレン・α− オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(A2)であることを特徴とする請求項11に記載の架橋発泡体の製造方法。
  13. 前記架橋剤(B)がイオウを含む化合物であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
  14. 前記架橋剤(B)が有機過酸化物であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
  15. 前記架橋剤(B)が、SiH基を1分子中に少なくとも2個持つSiH基含有化合物(B1)であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
  16. 架橋発泡体の平均発泡セル径が0.01μm以上2000μm以下であることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の架橋発泡体の製造方法。
  17. 請求項1〜8のいずれかに記載の有機重合体組成物を架橋発泡させてなることを特徴とする架橋発泡体。
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