JP2006285381A - 構造体の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤをはじめとする構造体の設計において、トレードオフ関係にある複数の性能であっても、設計者が設計自由度を持って最適設計することのできる構造体の設計方法を提供する。
【解決手段】構造体の形状、内部構造又は材料特性を規定するパラメータのうち、少なくとも1つを設計変数として定めるとともに、構造体に作用する物理量のうち、少なくとも2つ以上を目的関数として定める。次に、構造体のマルチスケールシミュレーション演算を用いて、目的関数に対するパレート最適解を求める。次に、パレート最適解のそれぞれの目的関数の値をベクトル成分の値として定めることにより、パレート最適解の情報を付与した自己組織化マップを生成する。最後に、設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成する。
【選択図】図3

Description

本発明サンプルは、タイヤ等の構造体の設計方法であって、特に、構造体の数値シミュレーションを用いて、複数の性能に対する最適設計を行う構造体の設計方法に関する。
タイヤ等のスチールコードやゴム部材が積層された構造体を設計する場合、複数の性能をシミュレーション計算して設計変数の値を決定して最適設計を行う。
性能にトレードオフの関係を持つタイヤの場合においても、複数のタイヤの性能のバランスを考慮して最適設計を行う。例えば、タイヤに求められる性能は、例えば操縦安定性、乗心地性、転動抵抗特性、制動特性等が挙げられるが、これらの性能は、設計変数の値を一方向に変化させると操縦安定性は向上するが、乗心地性は低下する等のトレードオフの関係を持つ。このように性能にトレードオフの関係を持つ場合、性能に対する最適解は1つではなく、複数の組み合わせとして存在する。
ところで、下記特許文献1、2には、1つの性能を目的関数としてタイヤの最適設計を行う方法が提案されているが、上述したようにトレードオフの関係にある各種性能を最適化するには、複数の性能を1つの目的関数にまとめて単一のものにすることで、最適解を見出すことができる。
しかし、この方法では、トレードオフの関係にある性能において、最適解の集合の全体像を把握することはできず、最適解がピンポイントで決定されるため自由度がなく、このため提供される最適設計案は自由度のないピンポイントのものとなってしまう。
特開平7−164815号公報 特開平9−323367号公報
そこで、本発明は、タイヤをはじめとする構造体の設計において、トレードオフ関係にある複数の性能であっても、設計者が設計自由度を持って最適設計することのできる構造体の設計方法を提供することを目的とする。
本発明は、構造体の設計方法であって、構造体の形状、内部構造又は材料特性を規定するパラメータのうち、少なくとも1つを設計変数として定めるとともに、前記構造体に作用する物理量のうち、少なくとも2つ以上を目的関数として定めるステップと、前記設計変数の値を入力として規定する第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式を用いてシミュレーション演算するとともに、この演算結果を入力として第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式を用いてシミュレーション演算することにより、前記目的関数に対するパレート最適解を求めるステップと、前記パレート最適解のそれぞれの目的関数の値をベクトル成分の値として定めることにより、パレート最適解の情報を付与した自己組織化マップを生成するステップと、前記設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成するステップと、を有することを特徴とする構造体の設計方法を提供する。
その際、前記第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式が表す前記構造体の空間スケールは、前記第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式が表す前記構造体の空間スケールに比べて大きいことが好ましい。
前記第1のシミュレーション近似式又は前記第2のシミュレーション近似式は、実験結果を用いて作成される近似式であってもよい。例えば、実験計画法に基づいて得られる実験結果から設計変数と目的関数との間で成り立つ近似式が挙げられる。
なお、前記構造体は、例えば少なくともタイヤを含むものであり、タイヤ装着車両が例示される。
又、前記構造体は少なくともタイヤを含み、前記パレート最適解を、数値シミュレーションを用いて求めるステップは、前記設計変数の値を入力として規定する第1のモデルを用いて演算するとともに、この演算結果を入力として第2のモデルを用いて演算するステップを有し、前記第1のモデルはタイヤトレッド部材のフィラー補強相の分散をモデル化したコンパウンドモデルであり、前記第2のモデルはタイヤの少なくとも一部分を再現するタイヤモデルであることが好ましい。
さらに、前記パレート最適解を求めるステップでは、多目的遺伝的アルゴリズムを用いて前記パレート最適解を求めることが好ましい。
本発明では、タイヤ等の構造体の数値シミュレーションを用いて、目的関数に対するパレート最適解の情報を付与した自己組織化マップを生成するとともに、設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成する。このため設計者は、これらのマップの面上のパレート最適解の全体像を見ながら、トレードオフの関係にある性能バランスを考慮しつつ、自己組織化マップ上の位置を定めることにより最適設計案を決定することができる。すなわち性能バランスの自由度を持ちつつ最適設計案を決定することができる。
特に、数値シミュレーションの際、第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式と、第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式とを用い、第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式が表す構造体の空間スケールと、第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式が表す構造体の空間スケールとが異なるマルチスケールシミュレーションを用いるので、構造体のミクロ構造における特性から構造体の性能にスケールを変えて一貫した解析を行うことができ、精度の高い最適設計案を決定することができる。
以下、本発明の構造体の設計方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の構造体の設計方法の一例であるタイヤの最適設計方法を実施する処理装置10のブロック図である。
処理装置10は、入力操作系12、コンピュータ14及び出力装置16を有する。入力操作系12は、マウスやキーボードであり、各種情報をオペレータの指示により入力するデバイスである。
コンピュータ14は、CPU18及びメモリ20を有し、この他に図示されないROM等を有する。コンピュータ14は、ROM等に記憶されたコンピュータソフトウェアを実行することにより、条件設定部22、最適設計処理制御部24、ミクロスケールモデル作成部26、メゾスケールモデル作成部28、マクロスケールモデル作成部30、シミュレーション演算部32及び物性値調整部34の各部分を機能的に形成し、タイヤの最適設計案をマップ化した自己組織化マップを出力装置16に出力させる装置である。自己組織化マップについては後述する。
出力装置16は、入力操作系12を用いてオペレータが指示できるように入力画面を表示し、又後述する各種有限要素モデル及びシミュレーション演算結果を表示するディスプレイ、プリンタである。
条件設定部22は、入力操作系12を用いて指示入力された、最適設計を行うための少なくとも2つ以上の目的関数、設計変数、さらには制約条件を設定する部分である。目的関数は、タイヤ性能として評価しようとする物理量であり、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角1度における横力であるCP(コーナリングパワー)、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数、転動抵抗の指標となる転がり抵抗、又耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギ等が挙げられる。
目的関数は、性能として好ましい方向があり、値が大きくなる、小さくなる、又は所定の値に近づく等がある。このような目的関数の好ましい方向の情報は、目的関数の設定とともに設定される。なお、目的関数が所定の値に近づくことが好ましい場合、目的関数の値と所定の値との差の絶対値が小さくなるように設定するとよい。
設計変数は、タイヤの形状、内部構造及び材料特性を規定するパラメータであり、例えば、トレッド部材における材料特性を規定するフィラー分散形状やフィラー体積率、タイヤのトレッド部におけるクラウン形状を規定する曲率半径、又タイヤ内部構造を規定するタイヤのベルト幅寸法等が挙げられる。
制約条件は、目的関数の値を所定の範囲に制約したり、設計変数の値を所定の範囲に制約するための条件である。
この他、タイヤの負荷荷重やタイヤの転動速度をはじめとする走行条件、タイヤが走行する路面条件(凹凸形状、摩擦係数)、車両の走行シミュレーションに用いるための車両諸元の情報等が設定される。
最適設計処理制御部24は、設計変数の値を種々変化させたサンプル集合を設定し、サンプルごとの設計変数の値を入力して、後述するシミュレーション演算を行い、少なくとも2つ以上の目的関数における値を求めることにより、多目的GA(遺伝的アルゴリズム)によるパレート最適解を探索し、この探索結果を用いて、パレート最適解についての自己組織化マップ及び設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成し、出力装置16に供給する部分である。
パレート最適解は、トレードオフの関係にある複数の目的関数において、他の任意の解よりも優位にあるとはいえないが、より優れた解が他に存在しない解をいう。一般にパレート最適解は集合として複数個存在する。
最適設計処理制御部24は、一度の探索で複数のパレート最適解の集合を求める多目的GAの手法を用いる。通常のGAは、初期解のサンプル集合に対して、評価、選択、交叉、変異の処理を行い、次の世代の解集合として生成し、この処理を逐次続けて、数10〜数100世代後の解集合を求めて最適解を求める手法である。
多目的GAは、複数の目的関数に対して複数の最適解が存在するため、GAの方法を用いて、この最適解の境界をパレート最適解として求める方法である。多目的GAは、現在種々の方法が提案されているが、本発明では特に制限されない。例えば、解集合を目的関数に沿って複数の領域に分割し、この分割した解集合毎に多目的GAを行うDRMOGA(Divided Range Multi-Objective GA)、NCGA(Neighborhood Cultivation GA),DCMOGA(Distributed Cooperation model of MOGA and SOGA)、NSGA(Non-dominated Sorting GA)、NSGA2(Non-dominated Sorting GA-II)、SPEAII(Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II)法等の公知の方法を用いることができる。その際、解集合が解空間に幅広く分布し、精度の高いパレート最適解の集合を求める必要がある。このため、最適設計処理制御部24では、例えば、ベクトル評価遺伝的アルゴリズム(Vector Evaluated Generic Algorithms:VEGA)や、パレートランキング法やトーナメント法を用いた選択が行われる。
最適設計処理制御部24は、このような多目的GAによる最適設計処理ルーチンを制御して、設定された各設計変数を種々変化させたサンプル集合を設定し、これにシミュレーション演算を施して目的関数の値を求めることにより、パレート最適解の初期解のサンプル集合を設定し、この集合を用いて多目的GAを行う。
多目的GAにおける解集合に対する評価、選択,交又の各操作は、後述するシミュレーション演算結果である目的関数の値によって行われ、さらに変異の操作が行われて次世代の解集合が生成される。
自己組織化マップ(Self-Organizing Map)は、図2に示されるように多次元の入力データを予備的な知識なし(教師なし)に、クラスタリングして、複数の領域に区切られて表されたマップである。この多次元のデータとしてパレート最適解における目的関数の値が用いられる。
自己組織化マップには、二次元平面上に規則的に配置されたノード(図2では六角形のセル)が存在し、このノードのそれぞれは目的関数の設定数と同じ数の次元のベクトルであって、ベクトル成分が乱数で初期化された参照ベクトルを持つ。一方、パレート最適解は目的関数毎の値を持ち、この値をベクトル成分とするベクトルで表したとき、このベクトルに最も距離の近い参照ベクトルに対応するノードがベストマッチノード(勝者)として選択される。そして、このベストマッチノードと、このベストマッチノードから所定範囲に存在するノードのベクトルがパレート最適解のベクトルとの間の距離に応じてパレート最適解のベクトルに近づくように、パレート最適解のベクトル毎に更新される。このような参照ベクトルを持つノードによって構成されるマップが自己組織化マップである。なお、自己組織化マップについては、“Visualization and Data Mining of Pareto Solutions Using Self-Organizing Map”(Shigeru Obayashi and Daisuke Sasaki, 2nd International Conference on Evolutionary Multi-Criterion Optimization, 8-11thApril 2003, Portugal)に詳細が述べられている。
図2は、目的関数f1,f2,f3における自己組織化マップの例を表している。この自己組織化マップでは、4つの領域A〜Dにクラスタリングされて分割され、領域Aは、目的関数f1を指標とする性能が優れている領域である。領域Bは、目的関数f2を指標とする性能が優れている領域である。領域Cは、目的関数f3を指標とする性能が優れている領域である。領域Dは、いずれの性能も劣っている領域である。なお、図2では明示されないが、各領域は異なる色彩で表示され、目的関数の値が高いほど色濃度を濃く表示される。
さらに、最適設計処理制御部24は、複数の目的関数における値の情報が色彩及び濃度によって付与された自己組織化マップを生成するとともに、各パレート最適解を構成する設計変数の値の情報を付与した自己組織化マップを生成する。
このような自己組織化マップは、出力装置16に供給される。
一方、ミクロスケールモデル作成部26、メゾスケールモデル作成部28及びマクロスケールモデル作成部30は、目的関数の値を算出するために、シミュレーション演算を行うシミュレーションモデルを作成する部分である。これらのシミュレーションモデルは多目的GAにより設定される設計変数の値に応じてモデル化され、マルチスケールによるシミュレーション演算に用いられる。
ミクロスケールモデル作成部26は、フィラーが分散配置されたゴム部材のミクロ構造を再現したミクロスケールモデルを作成する部分である。ミクロスケールモデルは、具体的には、タイヤトレッドゴム部材等の不均質材料の代表領域が、図示されないデータ供給デバイスから入力されると、代表領域に一定の間隔で3方向に要素分割され、各有限要素に材料定数が割り当てられたモデルである。
ミクロスケールモデルとしては、この他に、ゴム部材中にスチール線材が埋設された部材を再現したミクロスケールモデルであってもよい。
代表領域は、互いに直交する3方向に連続的に隣接配置することによって不均質材料の塊を構成するように設定された領域であり、例えば直方体形状である。作成される有限要素モデルは、直方体形状の有限要素モデルによって構成される。有限要素モデルを作成することにより有限要素モデルを表す演算可能な全体行列が自動的に生成される。
メゾスケールモデル作成部28は、上記ミクロスケールモデルが表す代表領域よりも大きい領域を有限要素で再現したメゾスケールモデルを作成する部分である。例えば、トレッドゴム部材が微小凹凸路面と接触したとき微小凹凸に応じて変形する状態を再現するようなタイヤのトレッド部材モデルの一部分を再現したモデルである。
マクロスケールモデル作成部30は、シミュレーション演算を行うために、各タイヤ構成部材を有限要素で構成したタイヤ全体モデルであり、各タイヤ構成部材の構造を均質なものとしてタイヤを再現し、付与する材料定数をタイヤ構成部材の等価な材料定数とするモデルを作成する部分である。
上記ミクロスケールモデル、メゾスケールモデル及びマクロスケールモデルについては後述する。
シミュレーション演算部32は、作成された各シミュレーションモデルを用いて所定の条件下でシミュレーション演算を行う部分である。例えば、ミクロスケールモデルでは、所定の外力や強制変位を与えて各節点の変位を求め、又所定の応力を与えて歪を求め、さらに外力や応力を与えて歪エネルギを求める。これより、ミクロスケールモデルが再現するゴム部材等の物性値(ヤング率、せん断剛性、ポアソン比、あるいは超弾性ポテンシャルのパラメータ)を求める。あるいは、ミクロスケールモデルに外力、変位、応力又は歪を付与してミクロスケールモデルによる応力、歪解析のシミュレーションを行って、ミクロスケールモデルに作用する歪分布又は応力分布を求める。
シミュレーション演算は、例えばABQUS等の公知の有限要素プログラムを用いて行われる。
メゾスケールモデルを用いたシミュレーションの場合、例えば所定の条件下での、タイヤトレッド部材のモデルと凹凸形状を成した路面モデルとの接触シミュレーションを行い、タイヤトレッド部材の路面に対する摩擦係数を求める。硬度の高いタイヤトレッド部材は路面の細かな凹凸形状に対して接触面積が小さくなり、限界摩擦係数が低下するが、このような摩擦特性を再現するように接触シミュレーションが行われる。また、メゾスケールモデルに外力、変位、応力又は歪を境界条件として与えてシミュレーションを行い、メゾスケールモデルにおける路面と接触する接触面積、接地形状、接地圧分布、歪エネルギー、応力分布、歪分布等を求める。
マクロスケールモデルを用いたシミュレーションの場合、例えば所定の荷重条件下で、平坦な路面モデルに対してマクロスケールモデルであるタイヤ全体モデルを接触させ、さらに、上記シミュレーション(メゾスケールシミュレーション)によって求められた摩擦係数とゴムミクロ構造モデルによるシミュレーション(ミクロスケールシミュレーション)により求められた物性値とに基づいて、タイヤの転動のシミュレーションを行う。このシミュレーションによって、例えばタイヤ全体モデルのタイヤ回転軸に作用する力及びモーメントを求める。
物性値調整部34は、シミュレーション演算部32で各モデルに用いられる物性値を、シミュレーション演算で求められた応力分布、歪分布、歪エネルギー分布等の情報から物性値の変化を予測し、予測結果に応じて各モデルで用いられる物性値を調整する部分である。物性値の変化の予測は、予め実験により磨耗の程度や物性値と、応力分布、歪分布、歪エネルギー分布との対応関係を調べて、データベースとして記憶しておき、シミュレーション演算部32で求められた応力分布、歪分布、歪エネルギー分布の情報から物性値の変化を予測する。このようにして調整された物性値は、さらにモデルを用いて行われるシミュレーション演算に材料定数として用いられる。
このような処理装置10で実施されるタイヤの最適設計方法を具体的に説明する。
図3はタイヤの最適設計方法の一例の流れを示すフローチャートである。
まず、入力操作系12からの指示入力に基づいて、最適設計を行うための少なくとも2つ以上の目的関数、設計変数、さらには制約条件が設定される(ステップS10)。設計変数は、タイヤの形状、内部構造及び材料特性を規定するパラメータから選ばれる。
次に、設定された設計変数の値を種々に変更した設計変数の組み合わせサンプル集合を定め、このサンプル集合を用いて、シミュレーション演算を行い、目的関数の値を求めることにより初期解のサンプル集合を求める。この初期解のサンプル集合をスタートとして、パレート最適解の探索が行われる(ステップS20)。
パレート最適解の探索は、上述した公知の方法による多目的GAを用いて、下記に示すマルチスケールのシミュレーション演算によって行われる。
マルチスケールのシミュレーション演算は、以下のように行われる。
図4に示すように、タイヤ構成部材であるタイヤトレッドゴム部材のように、カーボンブラック、シリカ等の粒状フィラー材と各種エラストマーとが不均質にブレンドされたゴム部材の代表領域を再現したミクロスケールモデルと、この代表領域に比べて領域の大きいタイヤの部分領域をモデル化したメゾスケールモデルと、タイヤ全体をモデル化したマクロスケールモデルとをそれぞれ作成し、各スケールモデルによるシミュレーション演算結果を入力として異なるスケールのモデルによるシミュレーション演算を行う。これらのモデルは、いずれも複数の有限要素によってモデル化された有限要素モデルである。
図5は、パレート最適解を探索するために行われるマルチスケールのシミュレーション演算の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように車両40に装着されるタイヤ42のタイヤ断面43、このタイヤ断面43のタイヤトレッドゴムの領域を拡大したタイヤトレッドゴム45及びタイヤトレッドゴムの一部分の領域を拡大して、フィラー補強相及びポリマー相が分散配置されたゴム材料のミクロ構造を再現したゴムミクロ構造47のそれぞれをシミュレーションモデルの対象とする。すなわち、上記各スケールに応じた対象物のモデルが作成されてシミュレーションが行われて、シミュレーション結果を入力として異なるスケールのモデルに付与してスケールの異なるシミュレーションが行われる。最適設計を実現するための設計変数として、フィラー補強相の分散形状、フィラー補強相の体積率及び、タイヤトレッド部の曲率半径を設定した場合、スケールの異なるシミュレーションモデルに、これらの設計変数の種々変更した値が反映されてモデルが作成されて各シミュレーション演算が行われる。
まず、解析対象とするタイヤ構成部材のゴムミクロ構造モデル46、タイヤトレッドゴムモデル48、タイヤ全体モデル50を設計変数の値に応じて作成する(ステップS110,112,114)。
解析対象とするタイヤ構成部材の代表領域中には複数の材料相が分散配置されており、これらの材料相の有する物性値に基づいて、対応するゴムミクロ構造モデル50の各有限要素に材料定数が付与される。最適設計を行うための設計変数として、フィラー補強相の分散形状及びフィラー補強相の体積率が設定される場合、設計変数として設定された分散形状及び体積率がモデルに用いられる。
図6(a)は、ゴムミクロ構造モデル50の一例の断面を示す図である。
図6(a)は、不均質材料の代表領域をモデル化したゴムミクロ構造モデル50の断面図の一例である。このモデルは、第1のポリマー相と、第2のポリマー相、粒系フィラー相(フィラー補強相)と、粒系フィラー相の周りを取り巻くフィラー・ポリマー境界相とが、材料相として不均質に分散配置された代表領域をモデル化したものである。すなわち、材料特性の異なる複数のエラストマーが材料相として分散配置され、さらに、粒状の補強材(フィラー補強相)が材料相として分散配置されている。この不均質材料は、複数の材料相における弾性率のうち、最大の弾性率は最小の弾性率の100倍以上である。不均質材料を構成する材料相は、エラストマーやフィラー等の固体相であるばかりでなく、気体や液体が満たされた空隙相であってもよい。
ゴムミクロ構造モデル50は、複数の離散点によって形状が特徴付けられた同一の直方体(6面体)形状のボクセル(単位セル)を、直交する三方向に沿って隣接しかつ連続的に複数個配置することによって代表領域を再現している。代表領域は、例えば直方体形状とし互いに直交する3方向にメッシュ分割することにより、直方体形状の有限要素を連続的に配置し、例えば256個×256個×256個の有限要素により構成した有限要素モデルを作成する。このような有限要素モデルについては、例えば特開平9−180002号公報に記載されている。
図6(b)は、タイヤトレッドゴムモデル48の一例の断面を示す図である。
図6(b)のタイヤトレッドゴムモデル48はタイヤ溝を模擬して凹状を成しており、凹凸形状の路面モデル49(接触対象モデル)に接触する前の状態のモデルが作成される。タイヤトレッドゴムモデル48は、直方体形状(図6(b)中では矩形形状)の有限要素モデルにより構成されている。路面モデル49は凹凸形状の剛体モデルであって、変形しない。路面モデル49は、この他に、設定した路面条件に応じて、路面に水膜、氷雪層が形成された状態をモデル化したものであってもよい。
図6(c)は、タイヤ全体モデル46の一例の断面を示す図である。タイヤ全体モデル46は3次元タイヤモデルであり、タイヤ回転軸に対して垂直な面でタイヤ全体モデルを切断した時の断面を示している。タイヤ全体モデル46は、タイヤ構成部材の形状に沿ってメッシュ分割されて6面体要素、4面体要素、シェル要素、膜要素等によってモデル化される。
これら各スケールのモデルは3次元モデルであるが、2次元モデルであってもよい。
また、ミクロスケールモデルは、タイヤトレッドゴム部材のゴム材料をモデル化したものの他、スチール線材にゴム材料が被覆して形成されたスチールベルト材を再現した、図6(d)に示すモデル52であってもよく、モデル52中に、図6(e)のようなスチールベルト材の撚り構造を再現したモデル54を埋設したものである。少なくともタイヤ構成部材の代表領域が複数の材料相によって構成されたタイヤ構成部材をモデル化したものであればよい。
次に、作成されたゴムミクロ構造モデル50に対してミクロスケールシミュレーション1が実行される(ステップS116)。
ミクロスケールシミュレーション1では、有限要素のそれぞれの配置方向の一方の端部に位置する有限要素の節点(離散点)の挙動が、他方の端部に位置する節点(離散点)の挙動に滑らかに繋がるように周期境界条件が定められ、この周期境界条件の下に所定の外力が付与されて、各有限要素の応力分布、歪分布又は節点変位等が求められ、この代表領域における物性値、例えば不均質材料におけるバルク特性におけるヤング率又はせん断剛性等が求められる。
次に、求められた物性値がメゾスケールモデルであるタイヤトレッドゴムモデル48の対応する有限要素に付与されて、メゾスケールシミュレーション2が行われる(ステップS118)。
メゾスケールシミュレーション2では、タイヤトレッドゴムモデル48が設定した路面条件に応じた路面モデル49に接触させることによって、タイヤトレッドゴム部材が路面に接触したときの摩擦特性が求められる。この場合、路面モデル49の上方から垂直にタイヤトレッドゴムモデル48を押し当てる場合や路面モデル49に対して傾斜させた方向からタイヤトレッドゴムモデル48を押し当てて接触させ、このときの、接触面積、接触圧力、あるいは接触による歪エネルギー、すべり速度、摩擦係数等が求められる。摩擦係数は、路面と接触するゴム材料自身の物性によるが、路面の凹凸、接触圧力、接触面積の大小に応じて変化する特性である。したがって、メゾスケールシミュレーション2では、この特性を路面の凹凸に応じて正確に再現することができる。こうして求められた摩擦係数は、特性値としてタイヤ全体モデル46に付与される。
次に、タイヤ全体モデル46を用いて、マクロスケールシミュレーション3が行われる(ステップS120)。
マクロスケールシミュレーション3では、ミクロスケールシミュレーション1で求められたヤング率やせん断剛性等の物性値が材料定数としてタイヤトレッドゴムモデル48に与えられ、さらに上記摩擦係数が付与されて、所定の条件下でタイヤの転動状態におけるタイヤの挙動がシミュレートされる。所定の条件とは、例えば、タイヤに内圧を付与する際の内圧、路面に対する負荷荷重、タイヤ転動速度、タイヤのスリップ角度、タイヤのキャンバー角度等の条件である。すなわち、マクロスケールシミュレーション3では、タイヤ全体モデル46に別途作成されたリムを再現したリムモデルを装着し、タイヤ全体モデル46とリムモデルとにより囲まれた空洞領域に面するタイヤ全体モデル46の内周面に対して内圧充填処理を施し、この後、別途作成された路面モデル47(図6(c)参照)に接触させて荷重を与え、さらに、所定の転動速度を与えてタイヤ全体モデル46を転動させる。その際、タイヤ全体モデル46にスリップ角度、タイヤのキャンバー角度あるいは、回転トルク等を与える。
次に、このシミュレーションにより得られる演算結果から、タイヤ回転軸に作用する3方向の軸力(上下、前後、左右方向の軸力)及び3方向のモーメントが、タイヤ特性として算出される(ステップS122)。
軸力及びモーメントは、タイヤに所定の条件を与えることで過渡的に変化する物理量として時系列データで求めてもよいし、定常状態となったときの軸力及びモーメントを求めてもよい。また、タイヤは種々の条件、例えば付与する荷重によって軸力及びモーメントの大きさが種々変化するので、設定された種々の条件を中心として様々な条件における軸力及びモーメントを算出してもよい。
次に、算出されたタイヤ特性を用いて車両走行シミュレーションが行われる(ステップS124)。例えば、タイヤにスリップ角度が付与されて横力が発生し車両がコーナリング旋回をする状態を再現する場合、車両モデルとして4輪モデルが作成される。例えば、機構解析プログラムADAMS(Mechanical Dynamics. Inc社製)を用いて車両モデルが作成されてシミュレーションが行われる。あるいは、解析式で表現可能な車両の2輪モデルを用いてもよい。
このようにして、タイヤトレッドゴム部材のミクロ構造を再現したゴムミクロ構造モデル50から、タイヤトレッドゴムモデル48、タイヤ全体モデル46を介してスケールの順にシミュレーションを行い、最終的に車両走行シミュレーションを行うことができる。
なお、マクロシミュレーション3を行った後、メゾスケールシミュレーション4を行うこともできる(ステップS126)。
すなわち、タイヤ全体モデル46に与えられる条件(再現条件)から、荷重条件、及び摩擦係数、スリップ角度又は転動速度等の路面接触の条件を定め、これらの条件を用いてマクロシミュレーション3を行った後、メゾスケールシミュレーション4を行う。
メゾスケールシミュレーション4では、マクロスケールシミュレーション3にて算出された、タイヤトレッドゴムモデル48の対応する領域における応力、歪を既知として、すでに作成されてメゾスケールシミュレーション2で用いられたタイヤトレッドゴムモデル48に応力或いは歪が境界条件として与えられ、タイヤトレッドゴムモデル48における応力、歪の解析が行われる。
さらに、メゾスケールシミュレーション4で行われて算出された応力、歪を既知として、ミクロスケールシミュレーション5が行われる(ステップS128)。
ミクロスケールシミュレーション5では、ミクロスケールシミュレーション1で用いられたゴムミクロ構造モデルの対応する領域の応力、歪を既知として、この応力或いは歪がゴムミクロ構造モデル50に境界条件として与えられてゴムミクロ構造モデル50を用いた応力、歪の解析が行われる。
次に、算出されたゴムミクロ構造モデル50における応力、歪の分布から、ゴムミクロ構造モデル50の各材料相における材料定数が調整される(ステップS130)。
材料定数の調整は、ゴム部材のミクロ構造として分散配置される各材料相の物性値がタイヤの使用状況に応じて変化することを表すためのもので、ゴムミクロ構造モデル50で算出された応力、歪の分布から、材料定数(ヤング率、歪断剛性、ポアソン比等)が修正される。例えば、予めゴムサンプルに所定の歪、応力を所定回数繰り返し与えてゴムサンプルを疲労させ、そのときの疲労に伴う物性値の変化から修正すべき材料定数の修正量を定めた対応表を作成しておく。この対応表を用いて、算出された応力、歪の分布から修正量を求めて、材料定数の調整が行われる。
調整された材料定数は、さらにミクロスケールシミュレーション1にて用いられたゴムミクロ構造モデル50に再度付与されて、ミクロスケールシミュレーション1が再度行われる。こうして、ミクロスケールシミュレーション1で算出された物性値に基づいてタイヤトレッドゴム部材としての材料定数が定められ、この材料定数がメゾスケールモデルに付与されてメゾスケールシミュレーション2が行われる。さらに、メゾスケールシミュレーション2で算出された特性値と、ミクロスケールシミュレーション1で算出された物性値とに基づいて、マクロスクールシミュレーション3が再度行われる。このようにして、タイヤの使用状況によって変化するタイヤ構成部材の物性値に基づいて、タイヤのマクロスケールシミュレーション3を行うことで、車両走行シミュレーションに用いられるタイヤ特性を算出することができ、タイヤの使用状況によって変化する車両の走行シミュレーションを再現することができる。
なお、図5に示す方法では、目的関数の値の算出を、シミュレーションモデルを用いた演算により行うが、本発明ではシミュレーション近似式を用いて目的関数の値を算出してもよい。例えば、実験計画法に基づいて得られる実験結果から設計変数と目的関数との間の近似式(シミュレーション近似式)を使ってパレート最適解を得ることができる。このシミュレーション近似式として、多項式やニューラルネットワーク等により得られる公知の非線形関数が挙げられる。上記マルチスケールのシミュレーション演算では、シミュレーションモデルとシミュレーション近似式とを併用して目的関数の値を算出してもよい。
こうして走行シミュレーションを再現したシミュレーション演算の結果が、種々値を変更した設計変数の組み合わせ毎に行われ、目的関数として設定されたシミュレーションモデルの物理量の値が算出され、初期解の集合が生成される。
この初期解の集合を第1世代とし、上記シミュレーション演算を用いて目的関数の値を取得しながら、設定された世代数まで、或いは、目的関数の値が所定の範囲内に収束するまで多目的GAを行うことにより、パレート最適解を得る。
以上が、図3におけるパレート最適解の探索である(ステップS20)。
次に、得られたパレート最適解を用いて、目的関数の値を用いた自己組織化マップが生成される(ステップS30)。自己組織化マップでは、目的関数の値をベクトル成分とした場合、このベクトルがお互いに近いパレート最適解ほど、マップ上のパレート最適解の位置は近くなるように配置され、パレート最適解がクラスタリングされる。
このような自己組織化マップでは、目的関数の値に応じてクラスタリングされて領域が分割され、この領域によって目的関数の値として好ましい、すなわちタイヤ性能を領域別にマップ化される。すなわち、この領域別に色表示が行われ、しかも目的関数の値が好ましい方向に向かうほど色濃度を濃くするように色濃度を変えることで、タイヤ性能に関する色情報を用いた自己組織化マップが生成される。こうして、自己組織化マップにパレート最適解の解集合がマッピングされる。
次に、パレート最適解を達成する設計変数の値の情報が付与された自己組織化マップが生成される(ステップS40)。自己組織化マップには、パレート最適解の解空間がマピングされているので、このマッピング位置におけるパレート最適解を達成する各設計変数の値は、マッピングの位置に1対1に対応している。このため、色表示又は色濃度によって設計変数の値の情報を自己組織化マップ上に付与することができる。
これらの自己組織化マップは、ディスプレイ、プリンタの出力装置16に出力される。
図7は、自己組織化マップを判り易く説明するための例であって、目的関数としてタイヤ性能を定めたときの、タイヤ性能の単一スケールのシミュレーション演算結果に基づく自己組織化マップの一例を示す。図7に示す例では、乗用車タイヤ(タイヤサイズ:235/45R17)のタイヤトレッドパターンのピッチ数、主溝幅及びラグ溝幅を設計変数とし、目的関数をCP(N)、最大発生横力CFmax(N)、DRY制動距離(m)、ハイドロプレーニング発生速度HP(km/時)、パターンノイズPN(dB)とした。なお、設定された設計変数はマクロスケールモデルにおける設計変数である。一方、目的関数であるCP(N)、CFmax(N)、DRY制動距離(m)、HP(km/時)は、シミュレーションモデルを用いて値を算出し、パターンノイズPN(dB)は、パターンノイズを再現するシミュレーション近似式を用いて値を算出して、指数化したものである。
図8(a)〜(e)は、タイヤ性能のマルチスケールのシミュレーション演算結果を用いて得られたパレット最適解に関する自己組織化マップであり、各目的関数の値の指数の情報を色表示した自己組織化マップである。各マップの下側には、各目的関数における値と色表示(色彩、色濃度)との対応関係を示すバーを示している。例えば、図8(a)では、CPの変量を色表示している。
図9(a)〜(c)は、設計変数の情報を付与した自己組織化マップを示している。
又、各マップの下側には、マップ上の各位置に対応したパレート最適解の各設計変数の値と色表示(色彩、色濃度)との対応関係を示している。図9(a)では、ピッチ数の値を指数化して、図9(b)では、主溝幅を指数化して、図9(c)では、ラグ溝幅を指数化して色表示している。
このように目的関数の値を色表示した自己組織化マップと、設計変数の値を色表示した自己組織化マップとをディスプレイ、プリンタに出力することにより、設計者は性能と設計変数との関係を視覚的に認識することができ、性能バランスを考慮して、このマップに基づいて最適設計案を決定することができる。なお、パレート最適解は、いずれもトレードオフの関係を持つ性能を最大限に引き出す最適解である。
このため、これらの自己組織化マップを用いて設計者は、設計自由度を持って最適設計することができる。
図10(a)〜(c)は、自己組織化マップの他の例を示している。図10(a)〜(c)に示す例では、乗用車タイヤ(タイヤサイズ:225/45R17)のタイヤトレッド部材のフィラー補強相の分散形状と、タイヤトレッド部材のクラウン形状を設計変数とし、目的関数を、操縦安定性の指標であるCP、乗心地性の指標である縦ばね定数、耐磨耗性の指標である摩擦エネルギとした自己組織化マップの例である。
この場合、設計変数は、ミクロスケールモデルを対象とするフィラー補強相の分散形状と、マクロスケールモデルを対象とするクラウン形状が設計変数となっている。
図10(a)は、CPを指標とする操縦安定性の向上する領域を色濃度で表示している。図10(a)中、左下の領域が操縦安定性の優れた領域である。
図10(b)は、縦ばね定数を指標とする乗心地性の向上する領域を色濃度で表示している。図10(b)中、左上の領域が乗心地性の優れた領域である。
図10(c)は、摩擦エネルギを指標とする耐摩耗性の向上する領域を色濃度で表示している。図10(c)中、右上の領域が耐摩耗性の優れた領域である。
従来の単一の目的関数を用いた最適設計手法では、図11に示すように、乗心地性及び耐摩耗性のバランスされた設計案が点Eの位置にピンポイントで決定され、又、操縦安定性に特化した設計案が点Fの位置にピンポイントで決定され、又、操縦安定性、乗心地性及び耐磨耗性の3つの性能がバランスした設計案が点Gの位置に位置にピンポイントで決定されるが、本発明の設計方法のように自己組織化マップを用いた場合、最適解の情報は自己組織化マップの面上に与えられるので、タイヤの設計の際、このマップを用いて設計者は設計自由度を持って最適設計案を決定することができる。
以上、本発明の構造体の設計方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の構造体の設計方法の一例であるタイヤの設計方法を実施する処理装置の構成を機能的に示したブロック図である。 本発明の構造体の設計方法で生成される自己組織化マップの一例を示す図である。 本発明の構造体の設計方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の構造体の設計方法の一例であるタイヤの設計方法に用いるシミュレーション演算の流れを説明する説明図である。 図4に示すシミュレーション演算の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(e)は、図4に示すシミュレーション演算に用いられる各種モデルを示す図である。 本発明の構造体の設計方法の一例であるタイヤの設計方法で設定される設計変数を説明する図である。 (a)〜(e)は、本発明の構造体の設計方法で生成される自己組織化マップの一例を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の構造体の設計方法で生成される自己組織化マップの他の例を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明の構造体の設計方法で生成される自己組織化マップの他の例を示す図である。 本発明の構造体の設計方法で生成される自己組織化マップの他の例を示す図である。
符号の説明
10 処理装置
12 入力操作系
14 コンピュータ
16 出力装置
18 CPU
20 メモリ
22 条件設定部
24 最適設計処理制御部
26 ミクロスケールモデル作成部
28 メゾスケールモデル作成部
30 マクロスケールモデル作成部
32 シミュレーション演算部
34 物性値調整部
40 車両
42 タイヤ
46 タイヤ全体モデル
48 タイヤトレッドゴムモデル
50 ゴムミクロ構造モデル
52,54 モデル

Claims (5)

  1. 構造体の設計方法であって、
    構造体の形状、内部構造又は材料特性を規定するパラメータのうち、少なくとも1つを設計変数として定めるとともに、前記構造体に作用する物理量のうち、少なくとも2つ以上を目的関数として定めるステップと、
    前記設計変数の値を入力として規定する第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式を用いてシミュレーション演算するとともに、この演算結果を入力として第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式を用いてシミュレーション演算することにより、前記目的関数に対するパレート最適解を求めるステップと、
    前記パレート最適解のそれぞれの目的関数の値をベクトル成分の値として定めることにより、パレート最適解の情報を付与した自己組織化マップを生成するステップと、
    前記設計変数の情報を付与した自己組織化マップを生成するステップと、を有することを特徴とする構造体の設計方法。
  2. 前記第1のモデル又は第1のシミュレーション近似式が表す前記構造体の空間スケールは、前記第2のモデル又は第2のシミュレーション近似式が表す前記構造体の空間スケールに比べて大きい請求項1に記載の構造体の設計方法。
  3. 前記構造体は少なくともタイヤを含む請求項1又は2に記載の構造体の設計方法。
  4. 前記構造体は少なくともタイヤを含み、
    前記パレート最適解を、数値シミュレーションを用いて求めるステップは、前記設計変数の値を入力として規定する第1のモデルを用いて演算するとともに、この演算結果を入力として第2のモデルを用いて演算するステップを有し、
    前記第1のモデルはタイヤトレッド部材のフィラー補強相の分散をモデル化したコンパウンドモデルであり、前記第2のモデルはタイヤの少なくとも一部分を再現するタイヤモデルである請求項1に記載の構造体の設計方法。
  5. 前記パレート最適解を求めるステップでは、多目的遺伝的アルゴリズムを用いて前記パレート最適解を求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の構造体の設計方法。
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