JP2006281643A - 識別マーク検出方法、判別処理方法、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

識別マーク検出方法、判別処理方法、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 識別マークの検出性能を高めた検出方法、該検出方法を用いる品種識別及び/又は使用量算出の判別処理方法。
【解決手段】 基体に設けた識別マークを検出する識別マーク検出方法であって、上記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセットであり、上記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、上記識別マーク検出方法は、(1)上記電磁波L1と上記電磁波L3とを上記識別マークに照射する工程、(2)上記工程(1)の結果放出される上記電磁波L2と、反射される上記電磁波L3とを検知する工程、及び、(3)上記工程(2)により得られる検知信号から上記識別マークを検出する工程を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、識別マーク検出方法、判別処理方法、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写フィルムと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に該染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。
熱転写フィルムとしては、長尺の基材シートの面にイエロー、マゼンタ、シアン及び必要に応じてブラックの各染料層、及び転写性保護層を面順次に形成したもの等があり、該各色の染料を熱転写受像シートにおける受容層に転写させてフルカラー画像を形成することとなる。
熱転写フィルムを用いてプリンタによりカラー画像を形成するためには、イエロー、マゼンタ、シアン及び転写性保護層のような所定の順序にて熱転写受像シート上に熱転写を行うことが必要である。そのため、熱転写フィルム上に検知マークを設け、該検知マークをプリンタに検出させることにより、画像印刷のための熱転写フィルム上の開始位置の決定をプリンタに行わしめ、それに基づいて、熱転写工程上のある時点において印字部に存在する層が何であるかをプリンタに識別させることが行われている。
検知マークに関し、染料供与体材料において像印刷のためのスタート位置を位置決めする所定の装置及び方法として、染料供与体材料に照射光を透過する区域と透過しない区域とを設けて透過有無のみを光検出器により検知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この装置等は、3〜4個の光源それぞれに対応する検知区域を染料供与体材料上に必要とし、従って、該検知区域を複数設けなければならず、工程の複雑化、設計上の制約が問題である。
同様の機能を果たさせることを目的として、熱転写装置内の投光器からの検知光を反射又は遮断する白色層を熱転写フィルムに設けることにより、該層を検知する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
この白色層は、検知マークを別途形成することを不要とするべく、剥離可能な染料受容層として熱転写フィルム上に形成し、画像形成に際して、受像シートに転写し、該転写した受容層に染料を転写して画像を形成するためのものあり、現行の検知マークとは異なる。
また、紫外線照射による検査方法として、シート又はフィルムに透明又は白色の塗工液を塗工する際に、該塗工液中に蛍光増白材を包含させたものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法は、塗工中又は塗工後、塗工面に紫外線を照射して塗工面を肉眼で観察することにより、塗工もれ等の塗工不良部分を発見するためのものであり、検知マークとは全く異なり、また、肉眼観察では高い精度は望めない問題がある。なお、塗工液の白色については、何ら説明はない。
画像形成シートに設けた識別マークを検出する方法としては、ある波長λ1の電磁波を吸収し、異なる波長λ2の電磁波を発する物質を含む識別マークをセンサで検出する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この方法は、上記物質のみにより識別マークを検出し、センサは波長λ2の電磁波のみを検出するものであるので、複雑な品種識別は困難である。
上記物質はほぼ無色又は白色であるとされるが、同様の物質を用いたマークを検出する方法として、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻き付けて担持するスプール又はそのスプールを保持するカセットの表面に設けた該マークをセンサで検出する方法がある(例えば、特許文献5参照。)。この方法も上記物質のみにより識別マークを検出し、センサは波長λ2の電磁波のみを検出するものであるので、品種識別、使用量算出には限度がある問題がある。
熱転写を利用した画像形成において、熱転写フィルムの品種識別は重要である。技術進歩により、熱転写シートの種類が多岐にわたるようになっており、例えば熱拡散熱転写フィルムにおいては、上述のとおり、カラープリンター用のイエロー、マゼンタ、シアンの3原色の染料層を面順次に設けた基本タイプの他、これに更に黒色の染料層を加えたタイプ、転写性保護層を加えたタイプ、黒色熱溶融性転写層を加えて設けたタイプ、染料層を単色でのみ有するタイプ、等がある。これら熱転写シートの品種識別をプリンタに行わしめ品種に応じた熱転写受像シートを用いなければ、印画性能や耐久性に劣る問題、プリンタの誤動作や故障を惹起する問題が起こり得る。
熱転写を利用した画像形成に関し、熱転写記録材料の使用量算出の要請もある。ロール形状の熱転写フィルムや熱転写受像シートの場合、所望の寸法に予め裁断された種類のものとは異なり、その使用量を検出することが困難であるため実用上不便を来す問題があった。
特開平7−1784号公報 特開平4−197794号公報 特開平5−157706号公報 特開2004−106352号公報(請求項1、〔0011〕) 特開2004−50812号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、識別マークの検出性能を高めた検出方法、該検出方法を用いる品種識別及び/又は使用量算出の判別処理方法、画像形成方法並びに画像形成装置の提供にある。
本発明は、基体に設けた識別マークを検出する識別マーク検出方法であって、
上記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセットであり、上記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、上記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、上記識別マーク検出方法は、(1)上記電磁波L1と上記電磁波L3とを上記識別マークに照射する工程、(2)上記工程(1)の結果放出される上記電磁波L2と、反射される上記電磁波L3とを検知する工程、及び、(3)上記工程(2)により得られる検知信号から上記識別マークを検出する工程を有することを特徴とする識別マーク検出方法である。
本発明は、基体に設けた識別マークの検出を行うことにより上記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行う判別処理方法であって、上記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセットであり、上記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、上記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、上記識別マークの検出は、上述の本発明の識別マーク検出方法により行うことを特徴とする判別処理方法である。
本発明は、熱転写受像シートと、基材シートの上に染料層及び識別マークを設けてなる熱転写フィルムとを画像形成装置内で重ね、上記熱転写フィルムに対し染料層と反対側の面から熱を印加して上記熱転写受像シートに染料を転写させることよりなる画像形成方法において、上記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、上記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、上記画像形成方法は、(1)上述の本発明の識別マーク検出方法により上記識別マークの検出を行う工程、(2)上記工程(1)の結果に基づいて上記熱転写フィルム及び/若しくは熱転写受像シートについて品種識別並びに/又は使用量算出を行う工程、(3)上記工程(2)の結果に基づいて画像形成の動作を決定する工程、及び、(4)上記工程(3)により決定した画像形成の動作を行う工程
を有することを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、基体が装着されたときに上記基体に設けられた識別マークの検出に用いるセンサと、上記センサにより得られる検知信号から上記識別マークの検出を行い上記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行う判別部と、上記判別部による判別結果に基づいて画像形成の動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置であって、上記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセットであり、上記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、上記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、上記識別マークの検出は、上述の本発明の識別マーク検出方法により行うことを特徴とする画像形成装置である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の識別マーク検出方法は、基体に設けた識別マークを検出するものである。
本発明における基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセット等が挙げられる。
本発明における識別マーク検出は、例えば、図1に示すように、識別マーク3を備えた熱転写フィルムを巻き付けた状態で供給するスプール1A、該スプール1Aに巻き付けた熱転写フィルムを巻き上げるスプール1Bとを共に使用することにより行うことができる。
上記スプール1A及び上記スプール1Bは、図1に示すように、カセット2に収納されており、一般に、スプール1Aに巻き付けられた熱転写フィルム4の巻き終わり部位に上記スプール1Bにおける熱転写フィルムが接着している。
本発明における熱転写フィルム及び熱転写受像シートについては、後述する。
本発明における識別マークは、上記基体に設けるものであり、例えば図1に示すように、スプール1A又は1Bの表面の一部に設けることができる。
上記識別マークは、発光性材料(A)と反射材(B)とを含有してなるものである。
上記発光性材料(A)は、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する材料である。発光性材料(A)は、通常、後述の電磁波L3透過性である。
上記発光性材料(A)は、例えば、(a1)電磁波L1を反射する材料であってもよいし、(a2)電磁波L1を吸収して発光する材料であってもよい。
本明細書において、発光性材料(A)及び電磁波について、便宜上「発光」なる用語を用いることがあるが、電磁波を光と通称されるものに限定する趣旨ではなく、広く電磁波を対象とする。なお、本発明における発光性材料(A)は、上に定義するとおり、電磁波L1の照射に対し電磁波L2を放出する材料である。
上記発光性材料(A)は、上記(a1)電磁波L1を反射する材料である場合、通常、照射する電磁波L1の波長λ1と同じ波長λ2の電磁波L2を放出する材料といえる。
本発明における発光性材料(A)としては、上記(a2)電磁波L1を吸収して発光する材料が好ましい。上記発光性材料(A)は、上記(a2)電磁波L1を吸収して発光する材料である場合、照射する電磁波L1の波長λ1と同じ又は異なる波長λ2の電磁波L2を放出する材料であってよいが、好ましくは、ある波長λ1の電磁波L1を吸収し異なる波長λ2の電磁波L2を発する材料である。
本発明における発光性材料(A)としては、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(該λ2は、λ1と異なる波長である。)である電磁波L2を放出する材料が好ましい。
該材料は、通常、上記(a2)電磁波L1を吸収して発光する材料のうち、ある波長λ1の電磁波L1を吸収し異なる波長λ2の電磁波L2を放出する材料であり、この材料が放出する電磁波L2は、例えば蛍光であってよい。
本明細書において、電磁波L2は、その波長について特に記載しないときは、波長λ2(λ2は、λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を意味する。
本発明において、上記波長λ1及び波長λ2は、赤外線領域であることが好ましい。
上記発光性材料(A)としては、可視光領域に強い吸収を有さず、ほぼ無色又は白色であり、赤外線を反射する赤外−赤外蛍光色素が好ましい。
本発明において、上記赤外−赤外蛍光色素を用いると、(1)ほぼ無色又は白色であり、人間の眼が感受性を有しない波長領域の電磁波を照射して識別マークを検出することができるので、識別マークの存在を第三者に知られにくくすることも可能であり、また、(2)赤外線は、紫外線等に比べて長波長で散乱しにくく透過性に優れているので、検出する上で支障が生じにくい。
上記赤外−赤外蛍光色素としては、なかでも、熱、光等の外的要因に対する耐久性が高く、安定して性能を発揮することができる点で、無機赤外−赤外蛍光色材が好ましい。
上記発光性材料(A)としては、例えば、特公昭56−4598号公報記載の無機赤外−赤外蛍光色材(Nd1−yYbNaMg(VO等)、LiNd0.9Yb0.112、LiBi0.2Nd0.7Yb0.112、NaNd0.9Yb0.112、Nd0.8Yb0.2Na(WO、Nd0.8Yb0.2Na(Mo0.50.5、Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.15Na(Mo0.7Wo0.3、Nd0.9Yb0.113(BO、Nd0.9Yb0.112.7Cr0.3(BO、Nd0.5Yb0.414、Nd0.8Yb0.2(PO等を使用することができる。また、発光性材料(A)は、特開平5−157706等に記載の蛍光増白材であってもよい。
本発明における識別マークは、上記発光性材料(A)を1種のみ含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
本発明における識別マークは、上記発光性材料(A)の種類、組成等を適宜調整することにより、発光性材料(A)の吸収スペクトル、蛍光スペクトルを変化させて、所望の光学特性に設定することができる。
上記発光性材料(A)は、通常、バインダー樹脂に担持してなるものである。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみ用いるものであってもよいし、2種以上用いるものであってもよい。
上記発光性材料(A)において、上記バインダー樹脂は架橋構造を形成するものであってもよい。
上記発光性材料(A)とバインダー樹脂の配合比率(固形分質量比)は、(発光性材料(A)):(バインダー樹脂)=30:100〜300:100程度である。
上記発光性材料(A)の配合比率が小さすぎると、発光強度が弱すぎて識別機能を充分に発揮しないことがあり、また、発光性材料(A)の配合比率が大きすぎると、分散安定性に問題が生じ、塗工適性等に不具合を生じることがある。
上記発光性材料(A)を含有する層は、例えば、上記発光性材料(A)、バインダー樹脂及び溶剤、並びに、必要に応じて配合する添加剤を混合して、発光性材料(A)含有塗工液を調製し、本発光性材料(A)含有塗工液を基材上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じ加熱することにより形成することができる。
上記発光性材料(A)と、後述の反射材(B)とが同一層中に含有してなるものである場合、上記塗工液は、反射材(B)をも含有するものであってよい。
上記塗工液における溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤等が挙げられる。上記発光性材料(A)含有塗工液において、上記溶剤は1種のみ使用するものであってもよいし、2種以上を混合して使用するものであってもよい。
上記添加剤としては、分散剤、増粘剤、消泡剤、塗工面質改善剤等が挙げられる。各種の添加剤の配合比は、特に限定されず、配合する種類に応じて適宜設定することができる。
上記発光性材料(A)含有塗工液の塗布及び乾燥は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の各種印刷手法にて適宜行うことができる。
上記発光性材料(A)含有塗工液は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/mとなる範囲で塗布することが好ましい。
本発明における反射材(B)は、電磁波L3を反射するものである。
本明細書において、上記「電磁波L3を反射する」等の「電磁波を反射する」性質を「電磁波反射性」ということがある。
本発明において、上記電磁波L3の波長λ3は、可視光領域であることが好ましい。
本発明における反射材(B)は、反射材(B1)及び/又は反射材(B2)であることが好ましい。
上記反射材(B1)は、上記電磁波L3を反射し、並びに、上記電磁波L1透過性及び上記電磁波L2透過性である材料である。
本明細書において、上記「電磁波L1透過性」、「電磁波L2透過性」等の「電磁波透過性」とは、該材料を該電磁波が透過することを意味する。
本発明において、「ある材料を電磁波が透過する」ことは、実際には、電磁波発光源と該電磁波を検知するためのセンサとの間に該電磁波の通り道に存在するようにある材料を存在させた場合に該センサにより該電磁波が検知可能である(検出限界以上である)ことにより判断することができる。
上記反射材(B1)は、有機顔料であることが好ましく、また、白色であることが好ましい。上記反射材(B1)としては、有機白色顔料であることがより好ましい。
上記有機白色顔料としては、例えば、商品名:Shigenox OWP(ハッコールケミカル社製)である市販品等を用いることができる。
上記反射材(B1)は、上記白色であるものである場合、反射材(B1)に照射し該反射材(B1)により反射される電磁波L3に基づいて、その白色度をセンサにより好適に検知することができる。
上記反射材(B2)は、上記電磁波L3を反射し、並びに、上記電磁波L1不透過性及び/又は上記電磁波L2不透過性である材料である。
本明細書において、「電磁波L1不透過性」、「電磁波L2不透過性」等の「電磁波不透過性」とは、該材料を該電磁波が透過しないことを意味する。本発明において、「ある材料を電磁波が透過しない」ことは、実際には、電磁波発光源と該電磁波を検知するためのセンサとの間に該電磁波の通り道に存在するようにある材料を存在させた場合に該センサにより該電磁波が検知不可能である(検出限界未満である場合を含む。)ことにより判断することができる。
上記反射材(B2)は、電磁波L1不透過性及び/又は電磁波L2不透過性であるが、この不透過性は、通常、電磁波L1及び/又は電磁波L2を吸収することによるものと考えられる。
上記反射材(B2)は、無機顔料であることが好ましく、また、白色であることが好ましい。
上記反射材(B2)としては、無機白色顔料であることがより好ましい。上記無機白色顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛等の従来公知の無機白色顔料を用いることができる。
上記反射材(B2)は、上記白色であるものである場合、反射材(B2)に照射し該反射材(B2)により反射される電磁波L3に基づいて、その白色度をセンサにより好適に検知することができる。
本発明において、上記反射材(B)は、通常、上述の発光性材料(A)に関して例示したバインダー樹脂に担持してなるものである。
本発明の識別マークは、上記反射材(B)として、上述の有機白色顔料又は無機白色顔料のうち1種のみ含有するものであってもよいし、上述の有機白色顔料及び/又は無機白色顔料を2種以上含有するものであってよい。
上記反射材(B)とバインダー樹脂の配合比率(固形分質量比)は、(各反射材の合計量):(バインダー樹脂)=5:100〜300:100程度である。
上記反射材(B)の配合比率は、小さすぎると、反射強度が弱すぎて識別機能を充分に発揮しないことがあり、また、大きすぎると、分散安定性に問題が生じ、塗工適性等に不具合を生じることがある。
上記反射材(B)を含有する層は、例えば、上記反射材(B1)及び/又は反射材(B2)、バインダー樹脂及び溶剤、並びに、必要に応じ上述の添加剤を混合して反射材含有塗工液を調製し、該塗工液を基材上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じ加熱することにより形成することができる。
上記溶剤としては、特に限定されず、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤等が挙げられる。上記塗工液において、上記溶剤は1種のみ使用するものであってもよいし、2種以上を混合して使用するものであってもよい。
上記反射材含有塗工液の塗布及び乾燥は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の各種印刷手法にて適宜行うことができる。
上記反射材含有塗工液は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/mとなる範囲で塗布することが好ましい。
本発明における識別マークは、上述の発光性材料(A)と、反射材(B)とを含有するものである。
上記識別マークは、上記反射材(B)として反射材(B2)を含有してなるとき、上記反射材(B2)が上記発光性材料(A)に照射される上記電磁波L1と、上記発光性材料(A)から放出される上記電磁波L2とを遮断しないように上記反射材(B2)を含有してなるものである。
上記識別マークは、例えば、
(1)反射材(B1)を含有する上層と、発光性材料(A)を含有する下層とを積層してなる積層構造、
(2)発光性材料(A)を含有する上層と、反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)を含有する下層とを積層してなる積層構造(但し、該(2)の積層体における上記発光性材料(A)は、電磁波L3透過性である。)、又は、
(3)発光性材料(A)と、反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)とを含有する単層構造からなるものが好ましい。
上記識別マークに電磁波L1及び電磁波L3を照射する場合、上記(1)の積層構造における上層及び上記(2)の積層構造における上層は、電磁波L1及び電磁波L3の照射口側であることが好ましい。
なお、本明細書において、異なる記載をしない限り、「上層」は、上記(1)の積層構造、上記(2)の積層構造に限らず、電磁波L1及び電磁波L3を照射する場合における電磁波L1及び電磁波L3の照射口(発光源)側である。
上記識別マークが上記(1)の積層構造である場合、反射材(B1)が上層に存在するが、該反射材(B1)は上述のとおり電磁波L1透過性であるので、下層における発光性材料(A)に向けて発せられる電磁波L1は上層を透過する。下層における発光性材料(A)に到達する電磁波L1を受けて発光性材料(A)が放出する電磁波L2は、上層における反射材(B1)が上述のとおり電磁波L2透過性であるので、上層を透過し、センサにより検知することができる。また、上層における反射材(B1)に向けて発せられる電磁波L3は、反射材(B1)が上述のとおり電磁波L3反射性であるので、反射材(B1)により反射され、センサにより検知することができる。
上記識別マークが上記(2)の積層構造である場合、発光性材料(A)が上層に存在するが、発光性材料(A)が電磁波L3透過性であるので、下層における反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)に向けて発せられる電磁波L3は上層を透過し、該反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)に到達する。該反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)により反射された電磁波L3は、上層を透過し、センサにより検知することができる。また、上層における発光性材料(A)に向けて発せられる電磁波L1は、遮断されることなく発光性材料(A)に到達し、該電磁波L1の照射に対し発光性材料(A)により放出される電磁波L2は、センサにより検知することができる。
上記識別マークが上記(3)の単層構造であり反射材(B1)を含有するものである場合、反射材(B1)が電磁波L1透過性であるので、該識別マークにおける発光性材料(A)に向けて発せられる電磁波L1は発光性材料(A)に到達し、該電磁波L1の照射に対し発光性材料(A)により放出される電磁波L2は、センサにより検知することができる。
上記識別マークは、上記(3)の単層構造である場合、該識別マークが反射材(B2)を含有するものであっても、上述のとおり、反射材(B2)が発光性材料(A)に照射される電磁波L1と、発光性材料(A)から放出される電磁波L2とを遮断しないように反射材(B2)を含有するものである。
従って、上記識別マークが上記(3)の単層構造であり反射材(B2)を含有するものであっても、反射材(B2)は上述のとおり電磁波L1不透過性及び/又は電磁波L2不透過性ではあるが、電磁波L1と電磁波L2とを遮断しないように識別マークに含有されているので、該識別マークにおける発光性材料(A)に向けて発せられる電磁波L1は発光性材料(A)に到達し、該電磁波L1の照射に対し発光性材料(A)により放出される電磁波L2は、センサにより検知することができる。
なお、上記単層構造において、電磁波L1と電磁波L2とを遮断しないように反射材(B2)を含有することは、例えば、発光性材料(A)の含有量に対する反射材(B2)の含有量を減少する方向に調整すること等により行い得ると考えられる。
上記識別マークが上記(3)の単層構造であり反射材(B1)及び反射材(B2)を含有するものである場合、上記説明から明らかであるが、該識別マークにおける発光性材料(A)に向けて発せられる電磁波L1は発光性材料(A)に到達し、該電磁波L1の照射に対し発光性材料(A)により放出される電磁波L2は、センサにより検知することができる。
上記識別マークが上記(3)の単層構造である場合、該識別マークにおける反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)に向けて発せられる電磁波L3は、反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)に到達する。該識別マークにおける発光性材料(A)は、通常、電磁波L3透過性であり、発光性材料(A)による電磁波L3の遮断は実際には問題にならないと考えられる。反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)により反射された電磁波L3は、センサにより検知することができる。
上記識別マークは、上記(3)の単層構造である場合、電磁波L2に対する検知感度の点で、発光性材料(A)と反射材(B1)とを含有する単層構造が好ましく、該単層構造において反射材(B2)を含有しないことがより好ましい。
本発明における識別マークとしては、上記(1)の積層構造、即ち、(1)反射材(B1)を含有する上層と、発光性材料(A)を含有する下層とを積層してなる積層構造が好ましい。
該積層構造に電磁波L1及び電磁波L3を照射する場合、上述のとおり、上記(1)の積層構造における上記上層は、上記下層よりも、電磁波L1及び電磁波L3の照射口(発光源)側である。
本発明の識別マーク検出方法は、上述の構成からなる識別マークを検出する方法であって、
(1)上記電磁波L1と上記電磁波L3とを上記識別マークに照射する工程、
(2)上記工程(1)の結果放出される上記電磁波L2と、反射される上記電磁波L3とを検知する工程、及び、
(3)上記工程(2)により得られる検知信号から上記識別マークを検出する工程を有するものである。
上記工程(1)は、上記識別マークを設けた基体に、従来公知の投光器を用いて上記電磁波L1と上記電磁波L3とを照射することにより実施することができる。上記工程(1)が実施され、上記識別マークに上記電磁波L1と上記電磁波L3とが照射されると、該識別マークから電磁波L2の放出及び電磁波L3の反射が起こる。上記工程(2)は、上記各照射により生じた電磁波L2と電磁波L3とをセンサにより検知する工程であり、上記工程(3)は、該センサより検知された各電磁波を検知信号として識別する工程である。
本発明の識別マーク検出方法は、例えば、本発明における識別マークを備えた品種(本明細書において、「品種A」ということがある。)と、本発明における識別マークを備えていない品種(本明細書において、「品種B」ということがある。)とを識別することよりなる品種識別に用いることが出来る。
上記品種Bの識別マークとしては、例えば、上記反射材(B2)を含有する上層と、上記発光性材料(A)を含有する下層とを積層してなる積層構造を有するもの、上記反射材(B1)及び/又は上記反射材(B2)を含有し上記発光性材料(A)を含有しないもの、上記反射材(B1)も上記反射材(B2)も含有せず上記発光性材料(A)を含有するもの等、電磁波L2及び/又は電磁波L3の検知不可能なもの等が挙げられる。
本発明の判別処理方法は、基体に設けた識別マークの検出を行うことにより上記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行うものである。
上記判別処理方法における基体としては、上述の本発明の識別マーク検出方法に関して述べた熱転写フィルム、熱転写受像シート、スプール、上記スプールを保持するカセット等が挙げられる。
上記判別処理方法における識別マーク、並びに、本識別マークにおける発光性材料(A)及び反射材(B)は、上述の本発明の識別マーク検出方法に関するものと同様である。
本発明の判別処理方法は、例えば、下記I〜IVの順に実施することができる。以下、本発明の判別処理方法について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
I.識別マークの検出(ステップS01〜ステップS02)
(i)熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、該スプールを保持するカセット等の基体を画像形成装置に装着して、熱転写フィルム又は熱転写受像シートを画像形成装置に供給できるようにする(ステップS01)。
(ii) 上記基体の表面において一部又は全体に設けられた識別マークを検出するように、投光器から波長λ1の電磁波L1及び波長λ3の電磁波L3を照射し、反射される該電磁波L3と、該電磁波L1の照射に対して放出される電磁波L2とを検知する受光部(センサ)において、電磁波L2及び電磁波L3の検知の有無を確認する(ステップS02)。
II.品種識別工程(ステップS03〜ステップS04)
(i)上記ステップS02での検知判定の結果、電磁波L2及び該電磁波L3を検知した場合(S02:YES)、識別マークの検知信号を画像形成装置内に有する判別部において、所定のデータと比較して、熱転写フィルム又は熱転写受像シート等の基体について、判別対象物が品種A又は品種Bの何れであるかについて、品種識別を行う(ステップS03)。
(ii)上記ステップS02での検知判定の結果、電磁波L2及び該電磁波L3を検知しなかった場合(S02:NO)、即ち、判別対象物が品種Bであると判別された場合、その判別結果を画像形成装置内に有する判別部から、制御部に伝えて、画像形成装置の表示部にエラーの表示(ステップS04)、画像形成装置の動作の停止等を行う。
III.識別結果に基づく基体処理(ステップS05〜ステップS06)
(i)上記ステップS03において、判別部の所定のデータと比較して適合(良好と)したものである場合、次の画像形成装置における印画動作が開始される(ステップS06)。
(ii)上記ステップS03で、識別マークの検知信号から熱転写フィルム又は熱転写受像シート等の基体の品種を特定できない場合、画像形成装置の表示部にエラーの表示(ステップS05)、画像形成装置動作の停止等を行う。
IV.使用量算出(ステップS07〜ステップS11)
(i)ステップS06における印画の際に、スプールが画像形成装置内で、回転し、その回転時にスプールに設けた識別マークをセンサで検知する。
(ii)上記ステップS07での検出判定の結果、検出が認められた場合(S07:YES)、識別マークの検出回数を画像形成装置内に有する判別部において、所定のデータと比較して、熱転写フィルムもしくは熱転写受像シートの使用量を算出する(ステップS08)。
(iii)上記ステップS07での検出判定の結果、検出が認められない場合(S07:NO)、その検出結果を画像形成装置内に有する判別部から、制御部に伝え、画像形成装置の表示部にエラーの表示をする(ステップS09)。
(iv)上記ステップS08の使用量算出が行なわれた後に、その使用量が所定の数量に到達したかの可否を調べる(ステップS10)。
上記所定カウント到達が認められた場合(S10:YES)、画像形成装置内に有する制御部に伝え、画像形成装置の表示部に残量警告の警告ランプの点灯や、画像形成装置から警告ブザーで音声警告を発生させる等して警告するか(ステップS11)、画像形成装置の動作を停止させる。
図2のフローチャートにて示した例では、識別マークの検知を行うことにより品種識別及び使用量検知を並行して行っている。
本発明の判別処理方法は、品種識別及び使用量算出の判別処理を全て行う場合、使用量算出のための識別マークは、品種識別のための識別マークとは別個のものを用いることが好ましい。本発明において、品種識別は、3種類以上の識別マークを用いてパターン形成させて行うことが好ましいのに対し、使用量算出はスプールの表面に1個所、1種類で設けることが好ましいからである。
本発明の画像形成方法は、熱転写受像シートと熱転写フィルムとを画像形成装置内で重ね、上記熱転写フィルムに対し染料層と反対側の面から熱を印加して上記熱転写受像シートに染料を転写させることよりなるものである。
本発明における熱転写受像シートとしては、特に限定されず、例えば、従来公知の基材上に染料受容性を有する受容層を設けたもの等を挙げることができる。
上記熱転写受像シートにおける基材としては、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等を挙げることができ、特に限定されない。
上記熱転写受像シートにおける受容層は、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂等の耐熱性樹脂等を含有する塗工液を用いて、コーティング法、サーマルヘッドや熱ロール等による形成法等にて形成することができる。なお、上記熱転写受像シートは、基材自体が染料受容性を有していれば、受容層を設ける必要がない。
本発明における熱転写フィルムは、基材シートの上に染料層、転写性保護層及び識別マークを設けてなるものである。上記染料層、転写性保護層及び上記識別マークは、それぞれ基材シートの同一面上に面順次に形成している。
本発明の熱転写フィルムは、一般に、基材シートの一方の面に染料層が形成され、他方の面に耐熱滑性層が形成されてなるものである。上記耐熱滑性層は、従来公知のプライマー層を介して形成してなるものであってよい。
上記熱転写フィルムにおける基材シートとしては、画像形成時の加熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有する各種の紙類、樹脂等からなるものであれば、特に限定されず用いることができる。上記基材シートは、基材の染料層を形成する面に適宜接着処理を施すことが好ましい。
上記基材シートの厚みは、一般に0.5〜50μmであればよいが、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜6μmである。
上記熱転写フィルムにおける染料層は、印画形成する色材を担持する層であって、上記基材シートの一方の面に形成するものである。上記染料層は、本発明における熱転写フィルムが昇華型熱転写フィルムである場合、昇華性染料を含有する層であり、熱溶融型熱転写フィルムである場合、顔料とワックスとからなるインキ層である。
上記染料層は、基材シートの一方の面に、上述の染料及びバインダー樹脂を有機溶媒等に適宜分散又は溶解して調製した染料層用塗工液を、塗布し、乾燥することにより形成することができる。上記染料層用塗工液は、上述の染料及びバインダー樹脂に加え、必要に応じ、公知の添加剤を加えたものであってもよい。
上記染料層用塗工液は、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の手段にて塗布することができる。
上記染料層は、所望の画像がモノカラーである場合は、1色の染料を選択し、該染料を含有する層を1層形成することより作製することができ、所望の画像がフルカラーである場合は、例えば、適当なイエロー、マゼンタ及びシアン(更に必要に応じてブラック)の各色素を選択して、各色素のうち何れか1つを含有する層をそれぞれ形成させることにより作製することができる。
上記染料層の厚みは、全体で約0.1〜5μmであることが好ましく、約0.2〜2μmであるであることがより好ましい。
上記熱転写フィルムにおける耐熱滑性層は、耐熱性、印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させる目的で、基材シートの染料層と反対側の面に熱可塑性樹脂等を用いて形成されるものである。
上記耐熱滑性層用塗工液は、上記熱可塑性樹脂のみからなるものであってもよいし、上記熱可塑性樹脂に加え、所望により配合する添加剤を添加してなるものであってもよい。
上記耐熱滑性層は、耐熱滑性層用塗工液を調製し、この塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
本発明の画像形成方法は、
(1)上述の本発明の識別マーク検出方法により上記識別マークの検出を行う工程、
(2)上記工程(1)の結果に基づいて上記熱転写フィルム及び/若しくは上記熱転写受像シートについて品種識別並びに/又は使用量算出を行う工程、
(3)上記工程(2)の結果に基づいて画像形成の動作を決定する工程、及び、
(4)上記工程(3)により決定した画像形成の動作を行う工程
を有するものである。
上記工程(1)は、上述の本発明の識別マーク検出方法により上記識別マークの検出を行うものであり、上述の本発明における発光性材料(A)と反射材(B)とを含有する識別マークを用いるものである。
上記工程(2)、上記工程(3)及び上記工程(4)としては、それぞれ、上述の本発明の判別処理方法に関して説明したII及びIIIの手順と同様にして行うことができる。
上記工程(4)において行う画像形成の動作が印画動作である場合、該印画は、例えば、上記熱転写受像シートの表面に熱転写フィルムを画像形成装置内に重ね、所望の画像に対応した熱エネルギーを付与することにより、染色層の染料を熱転写受像シートに移行させることにより行うことができる。
上記工程(4)は、上記工程(1)〜(3)を経て選択された熱転写シートについて行うものなので、判別された品種等に応じた適切な画像形成を行うことができる。
上記工程(4)における画像形成装置としては、例えば、後述の本発明の画像形成装置が挙げられる。
本発明の画像形成装置は、基体が装着されたときに上記基体に設けられた識別マークの検出に用いるセンサと、上記センサにより得られる検知信号から上記識別マークの検出を行い上記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行う判別部と、上記判別部による判別結果に基づいて画像形成の動作を決定する制御部とを備えたものである。
上記基体は、上述の本発明における基体、即ち、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、上記スプールを保持するカセットである。
本発明の画像形成装置は、例えば、図3に示すように、センサ12、上記判別部及び上記制御部に加え、基体としての熱転写受像シート11を供給する給紙部、及び、熱転写受像シート11と熱転写フィルム13とを接触させて、サーマルヘッド14とプラテンロール15で加圧し、画像情報に応じて、加熱する記録部をも備えるものであってよい。
上記給紙部において、熱転写受像シート11に設けた識別マークを検知し、その検知された信号から、該熱転写受像シート11の有無及び/又は品種識別の判別処理を行うために上記判別部と上記センサ12とが連結されている。また、上記判別部とプリント動作を決定する制御部とが連結されている。
上記記録部において、上記給紙部から供給された熱転写受像シート11と熱転写フィルム13とが、サーマルヘッド14とプラテンロール15に挟まれた状態で、画像情報に応じて、イエロー、マゼンタ、シアン等の各色の染料層毎にサーマルヘッド14で加熱して、画像形成シート11上に熱転写フィルム13の色材を熱転写することができる。
本発明の画像形成装置において、上記判別部とプリント動作を決定する制御部とは、連結され、更に、上記判別部と上記制御部には、画像形成装置における警告や、シートの品種やシートの残量等の表示部が連結されている。
上記記録部にて、画像形成された熱転写受像シート11は、移動して、排紙部に排出することができる。
本発明の画像形成装置において、熱転写受像シート等の基体が有する識別マークは、上述の本発明における識別マークであって、上述の発光性材料(A)と反射材(B)とを含有してなるものである。
本発明の画像形成装置は、本発明における識別マークを有するので、上記判別部における識別マークの検出を上述の本発明の識別マーク検出方法により行うことができるものである。
本発明の識別マーク検出方法は、上記構成よりなるものであるので、センサによる品種識別及び使用量算出を可能とし得るので、各種画像を適切に形成することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1
基材シートとして基材紙(ポリエチレンテレフタレートフィルム、6μm)を用い、これに下層として下記組成の発光性材料(A)層塗工液を用いてグラビア印刷により発光性材料(A)層を設け、100℃の熱風オーブン中で30秒間乾燥した。塗工量は1.5g/mであった。
<発光性材料(A)層塗工液>
発光性材料(A)(IRS−F、根本特殊化学製) 100部
ポリエステル樹脂 100部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
次に、上層として、下記組成を有する反射材(B1)層塗工液を、得られた発光性材料(A)層上にグラビアコーティングによって、乾燥後塗布量2.0g/mになるように塗工し、100℃の熱風オーブン中で30秒間乾燥して、反射材(B1)層を形成することにより、上記基材シート上に識別マークを設けてなる積層体を得た。
<反射材(B1)塗工液>
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 100部
有機白色顔料(Shigenox OWP、ハッコールケミカル社製) 100部
メチルエチルケトン 100部
酢酸エチル 100部
比較例1
上記反射材(B1)塗工液を、下記組成を有する反射材(B2)層塗工液に代える以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
<反射材(B2)層塗工液>
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 100部
無機白色顔料(二酸化チタン) 100部
メチルエチルケトン 100部
酢酸エチル 100部
比較例2
発光性材料(A)層を設けず、比較例1に使用した反射材(B2)層塗工液を、基材紙(ポリエチレンテレフタレートフィルム、6μm)上に、グラビアコーティングによって、乾燥後塗布量1.8g/mになるように塗工して、積層体を得た。
評価方法
1.外観評価
実施例1及び比較例1〜2の各積層体を、可視光線下で、目視にて外観を観察し、識別マークの存在を確認した。
2.検知光L4透過性
基材シートの積層体を設けた側(実施例1及び比較例1においては上層側)から、投光器4により検知光L4を各積層体に照射し、基材シートの識別マークを設けた箇所及び設けていない箇所それぞれにおける検知光L4の透過性を、基材シートを挟んで上記投光器に対向するように配置したセンサ4により検知し、各識別マークの有無を判別した。なお、検知光L4は、反射材(B1)及び反射材(B2)を透過しない一方、基材シートを透過するものである。
3.電磁波L2放出性及び電磁波L3反射性
基材シートの識別マークを設けた側(実施例1及び比較例1においては上層側)から投光器1により電磁波L1として波長805nmの電磁波と、投光器3により電磁波L3として波長457nmの電磁波とを各積層体に照射し、電磁波L2として波長984nmの電磁波のセンサ2による検知結果と、反射される電磁波L3として上記電磁波L3と同波長の電磁波のセンサ3による検知結果とから、識別マークの有無を判別した。センサ2及びセンサ3は、投光器1及び投光器3と積層体に対して同じ側に設置した。なお、本評価方法において、投光器2及びセンサ1はない(欠番)。
各試験の結果を表1に示す。
Figure 2006281643
各結果より、実施例1の識別マークは、電磁波L2及び電磁波L3を検知したので、本発明における識別マークであると判別でき、「品種A」としたが、比較例1〜2の識別マークは、電磁波L3を検知したが電磁波L2を検知しなかったので、本発明における識別マークではないと判別でき、「品種B」とした。
本発明の識別マーク検出方法は、上記構成よりなるものであるので、センサによる品種識別及び使用量算出を可能とし得るので、各種画像を適切に形成することができる。
本発明のスプールの一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の判別処理方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の画像形成装置である一実施形態を示すブロック構成図である。
符号の説明
1A.スプール
1B.スプール
2.カセット
3.識別マーク
4.熱転写フィルム
5.センサ
11.熱転写受像シート
12.センサ
13.熱転写フィルム
14.サーマルヘッド
15.プラテンロール

Claims (10)

  1. 基体に設けた識別マークを検出する識別マーク検出方法であって、
    前記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、前記スプールを保持するカセットであり、
    前記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、前記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、
    前記識別マーク検出方法は、
    (1)前記電磁波L1と前記電磁波L3とを前記識別マークに照射する工程、
    (2)前記工程(1)の結果放出される前記電磁波L2と、反射される前記電磁波L3とを検知する工程、及び、
    (3)前記工程(2)により得られる検知信号から前記識別マークを検出する工程
    を有することを特徴とする識別マーク検出方法。
  2. 発光性材料(A)は、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、λ1と異なる波長である。)である電磁波L2を放出する材料である請求項1記載の識別マーク検出方法。
  3. 前記反射材(B)は、反射材(B1)及び/又は反射材(B2)であり、
    前記反射材(B1)は、前記電磁波L3を反射し、並びに、前記電磁波L1透過性及び前記電磁波L2透過性である材料であり、
    前記反射材(B2)は、前記電磁波L3を反射し、並びに、前記電磁波L1不透過性及び/又は前記電磁波L2不透過性である材料であり、
    前記識別マークは、前記反射材(B2)を含有してなるとき、前記反射材(B2)が前記発光性材料(A)に照射される前記電磁波L1と、前記発光性材料(A)から放出される前記電磁波L2とを遮断しないように前記反射材(B2)を含有してなる請求項1又は2記載の識別マーク検出方法。
  4. 反射材(B1)は、有機顔料であり、反射材(B2)は、無機顔料である請求項3記載の識別マーク検出方法。
  5. 反射材(B1)は、白色であり、反射材(B2)は、白色である請求項3又は4記載の識別マーク検出方法。
  6. 識別マークは、
    (1)反射材(B1)を含有する上層と、発光性材料(A)を含有する下層とを積層してなる積層構造、
    (2)発光性材料(A)を含有する上層と、反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)を含有する下層とを積層してなる積層構造(但し、該(2)の積層体における前記発光性材料(A)は、電磁波L3透過性である。)、又は、
    (3)発光性材料(A)と、反射材(B1)及び/若しくは反射材(B2)とを含有する単層構造からなり、
    前記(1)の積層構造における前記上層及び前記(2)の積層構造における前記上層は、電磁波L1及び電磁波L3の照射口側である請求項3〜5の何れかに記載の識別マーク検出方法。
  7. 識別マークは、
    (1)反射材(B1)を含有する上層と、発光性材料(A)を含有する下層とを積層してなる積層構造であり、
    前記(1)の積層構造における前記上層は、電磁波L1及び電磁波L3の照射口側である請求項3〜5の何れかに記載の識別マーク検出方法。
  8. 基体に設けた識別マークの検出を行うことにより前記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行う判別処理方法であって、
    前記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、前記スプールを保持するカセットであり、
    前記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、前記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、
    前記識別マークの検出は、請求項1〜7の何れかに記載の識別マーク検出方法により行うことを特徴とする判別処理方法。
  9. 熱転写受像シートと、基材シートの上に染料層及び識別マークを設けてなる熱転写フィルムとを画像形成装置内で重ね、前記熱転写フィルムに対し染料層と反対側の面から熱を印加して前記熱転写受像シートに染料を転写させることよりなる画像形成方法において、
    前記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、前記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、
    前記画像形成方法は、
    (1)請求項1〜7の何れかに記載の識別マーク検出方法により前記識別マークの検出を行う工程、
    (2)前記工程(1)の結果に基づいて前記熱転写フィルム及び/若しくは前記熱転写受像シートについて品種識別並びに/又は使用量算出を行う工程、
    (3)前記工程(2)の結果に基づいて画像形成の動作を決定する工程、及び、
    (4)前記工程(3)により決定した画像形成の動作を行う工程
    を有することを特徴とする画像形成方法。
  10. 基体が装着されたときに前記基体に設けられた識別マークの検出に用いるセンサと、前記センサにより得られる検知信号から前記識別マークの検出を行い前記基体について品種識別及び/又は使用量算出を行う判別部と、前記判別部による判別結果に基づいて画像形成の動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置であって、
    前記基体は、熱転写フィルム、熱転写受像シート、熱転写フィルム若しくは熱転写受像シートを巻きつけて担持するスプール、又は、前記スプールを保持するカセットであり、
    前記識別マークは、電磁波L3を反射する反射材(B)と、波長λ1である電磁波L1の照射に対し波長λ2(λ2は、前記λ1と同じ又は異なる波長である。)である電磁波L2を放出する発光性材料(A)とを含有してなり、
    前記識別マークの検出は、請求項1〜7の何れかに記載の識別マーク検出方法により行うことを特徴とする画像形成装置。
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