JP2000094844A - 熱転写シート及び熱転写記録方法 - Google Patents

熱転写シート及び熱転写記録方法

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JP2000094844A
JP2000094844A JP10269457A JP26945798A JP2000094844A JP 2000094844 A JP2000094844 A JP 2000094844A JP 10269457 A JP10269457 A JP 10269457A JP 26945798 A JP26945798 A JP 26945798A JP 2000094844 A JP2000094844 A JP 2000094844A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリンターに対し適性な印字が行えるよう
に、プリンターメーカ─から品質保証の認定を受けた
(純正品)熱転写シートに限定してプリンターで使用す
るように規制でき、かつ熱転写シートに貼付された純正
品として同定するマークが、貼り替えられたり、切り貼
りされて、再使用され、悪用されることを防止できる熱
転写シートとその熱転写記録方法を提供する。 【構成】 基材フィルム上に熱転写層を設けた熱転写シ
ート1の先端部に、該熱転写シート1が純正品として同
定するマーク2を設けてあり、該熱転写シート1に対応
する熱転写プリンターで、該マーク2を検知し、該マー
ク2が正しいものと判定した場合、該熱転写プリンター
が熱転写シートをセットした状態で、作動するように
し、そのマーク検知後に、該マークに熱転写プリンター
からエネルギーを加えることにより、マークが破壊さ
れ、再度検知することができないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写シートに関
し、特にプリンターに対し適性な印字が行えるように、
プリンターメーカーから品質保証の認定を受けた、純正
品の熱転写シートに限定して使用するように規制でき、
また熱転写シートには純正品として同定するマークを設
けてあり、該マークが検知後、再使用できないように、
マークが破壊される熱転写シートとその熱転写記録方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルプリンター、ファクシミ
リ等に用いられる熱転写記録媒体として、基材フィルム
の一方の面に熱溶融性インキ層または昇華性染料インキ
層の熱転写層を設けた熱転写シートが使用されている。
従来の熱転写シートは、基材フィルムとして厚さ10〜
20μm程度のコンデンサ紙やパラフィン紙のような
紙、あるいは厚さ3〜20μm程度のポリエステルやセ
ロファンのようなプラスチックフィルムを用い、この基
材フィルム上にワックスに顔料や染料等の着色剤を混合
した熱溶融性のインキまたは、樹脂バインダーに昇華性
染料を分散ないし溶解させたインキを塗布して、熱溶融
性インキ層または昇華性染料インキ層を設けたものであ
る。そして、基材フィルムの裏側から、サーマルヘッド
により所定箇所を加熱・加圧し、熱溶融性インキ層また
は昇華性染料インキ層のうち、印字部に相当する箇所の
インキ層を溶融、または昇華させ、印字用紙に転写して
印字を行うものである。
【0003】また、熱転写シートは一般的に長尺物で供
給用ボビン等に巻き上げられ、その熱転写シートの巻き
終わりの端と巻き取り用ボビンを接着させた一対の巻き
取り状のものが使用されている。そして、その熱転写シ
ートは、熱転写シートカセットに収納されることが多
く、熱転写シートを使用終了した時に熱転写シートカセ
ット毎交換することが行われていたが、最近は資源の再
利用の点等から、ユーザーが簡単に熱転写シートを交換
し、カセットは再利用することが行われている。また、
一般的に、熱転写記録媒体は、熱転写シートを巻き取り
状態として、その熱転写シートの巻き終わりの端部にリ
ードフィルムを接続し、そのリードフィルムの端部は巻
き取り用ボビンに固着されており、プリンターに装着し
て使用されている。なお、リードフィルムは、最初に使
用する熱転写シートを誘導し、引き出すこと、巻かれた
未使用の熱転写シートを巻き外側から保護すること、熱
転写シートをカセットないし直接、プリンターに装着す
る際の作業性の向上や装着の正確性、使用後の熱転写シ
ートを巻き上げる際のシワ取りなどの各機能を果たして
いる。(特開平6−336065号公報、特開平9−2
72247号公報等参照)
【0004】また、リードフィルムを熱転写シートに接
続することなく、熱転写シートの前端部に、その熱転写
シートの記録可能画面数に関する情報を記録した枚数表
示ラベルが貼り付けられた熱転写シート用カセットが開
示されている。(実開昭63−68452号公報)さら
に、熱転写シートカセットに関し、プリンターで誤使用
されることがなく、偽造や変造の防止のため、印字のた
めの情報を光回折像として記録した光回折構造を設け、
該光回折構造の表面がカセットケース表面と同一面また
はケース表面より窪んだ位置に形成したり、該光回折構
造が脆質性を有するものを使用する点が開示されてい
る。(特開平8−318657号公報、特開平8−31
8658号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
リードフィルムつきの熱転写シートでは、プリンターに
装着する際、誤装着を防止し、操作しやすくできるが、
そのプリンターに対し適性な印字が行えるように、プリ
ンターメーカーから品質保証の認定を受けた熱転写シー
ト、すなわち純正品の熱転写シートに限定してプリンタ
ーで使用するように規制できるものではない。熱転写プ
リンターは、多種類のものが存在し、印字画像の鮮明
性、高濃度、高感度等の印字品質の優れたものが要求さ
れている。それに対し、プリンターで使用される熱転写
シートがその使用量が増大してきており、上記の純正品
でないプリンターメーカーから品質保証の認定を受けて
いない製品、いわゆる海賊品の熱転写シートが市場に多
く出回ってきている。この海賊品をプリンターで使用す
ると、そのプリンターとのマッチング性に劣り、印字品
質の劣化やプリンターのサーマルヘッドの劣化が多発
し、問題が発生している。
【0006】また、上記の記録可能画面数に関する情報
を記録した枚数表示ラベルを、熱転写シートの前端部に
貼り付ける場合、記録可能画面数に関する情報をプリン
ターに提供はできるが、そのプリンターに対して、いわ
ゆる純正品の熱転写シートに限定して使用するように規
制できるものではない。また、上記のカセットケース
に、印字のための情報を光回折像として記録した光回折
構造を設けたりすることは、熱転写シートを使用終了
し、新しい熱転写シートに交換する時に、カセットケー
ス毎交換する場合の前提条件があり、カセットケースを
再使用し、熱転写シートをカセットケースに交換して収
納する場合には、適用できない内容である。
【0007】さらに、ラベルや、光回折構造を熱転写シ
ートに貼付することにより、純正品であることを規定す
ることが考えられるが、熱転写シートを使用した後に、
簡単に、そのラベルや、光回折構造等の純正品として同
定するマークを貼り替えたり、切り貼りして、再使用し
て、悪用されるという問題がある。したがって、本発明
は、上記の問題を解決し、プリンターに対し適性な印字
が行えるように、プリンターメーカーから品質保証の認
定を受けた熱転写シート、すなわち純正品の熱転写シー
トに限定してプリンターで使用するように規制でき、か
つ熱転写シートに貼付された純正品として同定するマー
クが、貼り替えられたり、切り貼りされて、再使用さ
れ、悪用されることを防止できる熱転写シートとその熱
転写記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材フィルム上に熱転写層を設けた熱転
写シートにおいて、該熱転写シートの先端部に、該熱転
写シートが純正品であることを同定するマークを設けて
あり、該熱転写シートに対応する熱転写プリンターから
該マークにエネルギーが加えられることにより、マーク
が破壊されることを特徴とする。また、前記のエネルギ
ーが、熱転写シートに対応する熱転写プリンターの記録
部からの熱であることが好ましい。さらに、前記のマー
クが、紫外線、赤外線、マイクロ波のいずれかの光線に
対し、吸収または発光して、検知可能であることが好ま
しい。
【0009】前記のマークが、高周波に対して共振する
回路であり、送信された高周波に共振して、エコー波を
発信し、該エコー波を受信して、検知可能であることが
好ましい。また、前記のマークが、導電性材料を含有す
ることが好ましい。また、前記のいずれかの熱転写シー
トを使用した熱転写記録方法において、該熱転写シート
の先端部に、該熱転写シートが純正品であることを同定
するマークを設けてあり、該熱転写シートに対応する熱
転写プリンターで、該マークを検知することにより、該
マークが正しいものと判定した場合、該熱転写プリンタ
ーが熱転写シートをセットした状態で、作動するように
し、さらに該マークに熱転写プリンターからエネルギー
を加えることにより、マークが破壊され、再度検知する
ことができないことを特徴とする。
【0010】本発明の熱転写シート及びその記録方法の
作用は以下の通りである。基材フィルム上に熱転写層を
設けた熱転写シートの先端部に、該熱転写シートが純正
品であることを同定するマークを設けてあり、該熱転写
シートに対応する熱転写プリンターで、該マークを検知
することにより、該マークが正しいものと判定した場
合、該熱転写プリンターが熱転写シートをセットした状
態で、作動するようにし、そのマーク検知後に、該マー
クに熱転写プリンターからエネルギーを加えることによ
り、マークが破壊され、再度検知することができないよ
うにした。したがって、プリンターに対し適性な印字が
行えるように、プリンターメーカーから品質保証の認定
を受けた熱転写シートに限定して、プリンターで使用す
るように規制でき、かつ熱転写シートに貼付された純正
品として同定するマークが、貼り替えられたり、切り貼
りされて、再使用され、悪用されることを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の熱転写シートは、一つの実施の
形態を示すものとして、図1の通り、供給用ボビン6に
巻き上げてある熱転写シート1の巻き終わりの端部を巻
き取り用ボビン7に固着して、熱転写シート1の先端側
にマーク2が、熱転写シートの上に形成されている。ま
た本発明の熱転写シートは、図2に示すように、基材フ
ィルム4の一方の面に熱転写層3を設け、また、その基
材フィルム4の他方の面に、印字時のサーマルヘッドと
の接触において、耐熱性や滑性を向上させるために、背
面層5が設けられていてもよく、熱転写シート1が純正
品であることを同定するマーク2を背面層5の上に設け
ることができる。
【0012】(基材フィルム)本発明の熱転写シートで
用いられる基材フィルム4としては、従来の熱転写シー
トに使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま
用いることが出来ると共に、その他のものも使用するこ
とが出来、特に制限されない。好ましい基材フィルムの
具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、セロハン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチック、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不
織布等があり、又、これらを複合した基材フィルムであ
ってもよい。この基材フィルムの厚さは、その強度及び
熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更する
ことが出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、2
〜25μmである。
【0013】(背面層)また、基材フィルムの他方の面
に、サーマルヘッドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良
くするために、背面層5を設けることも可能である。こ
の背面層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無
機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを、好適に使
用し、形成される。背面層に使用されるバインダー樹脂
は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロ
ース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿など
のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリ
ルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などの
ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂などが、
あげられる。
【0014】これらのなかで、数個の反応性基、例え
ば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、
ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用す
ることが好ましい。背面層を形成する手段は、上記のご
とき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒
子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中
に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液
をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーな
どの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものであ
る。
【0015】(熱転写層)本発明の熱転写シートは、基
材フィルムの一方の面に熱転写層3を設けたもので、そ
の熱転写層は熱溶融性インキ層または昇華性染料インキ
層の2種類に大別される。まず、熱溶融性インキ層は、
従来公知の着色剤とバインダーよりなり、必要に応じ
て、鉱物油、植物油、ステアリン酸等の高級脂肪酸、可
塑剤、熱可塑性樹脂、充填剤等の種々の添加剤を加えた
ものが使用される。バインダーとして用いられるワック
ス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワック
ス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。
更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量
ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロ
ウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワック
ス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワ
ックスが用いられる。このなかで、特に融点が50〜8
5℃であるものが好ましい。50℃以下であると、保存
性に問題が生じ、又85℃以上であると感度不足にな
る。
【0016】バインダーとして用いられる樹脂成分とし
ては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹
脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリ
ビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチル
セルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリ
イソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等
が挙げられるが、特に従来より感熱接着剤として使用さ
れている比較的低軟化点、例えば、50〜80℃の軟化
点を有するものが好ましい。
【0017】着色剤としては、公知の有機または無機の
顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、
例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、
退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する
物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触す
ることにより発色するような物質であってもよい。さら
に、着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着
色剤を使用することができる。さらに、熱溶融性インキ
層に、良好な熱伝導性および熱溶融転写性を与えるた
め、バインダーの充填剤として熱伝導性物質を配合して
もよい。このような充填剤としては、例えばカーボンブ
ラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化錫、二
硫化モリブデン等の金属および金属化合物等がある。
【0018】熱溶融性インキ層の形成は、上記のような
着色剤成分とバインダー成分と、さらに、これに必要に
応じて水、有機溶剤等の溶媒成分を配合調整した熱溶融
性インキ層形成用塗工液を、従来公知のホットメルトコ
ート、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビ
アリバースコート、ロールコート等の方法で行う。ま
た、水系又は非水系のエマルジョン塗液を用いて形成す
る方法もある。熱溶融性インキ層の厚みは、必要な印字
濃度と熱感度との調和がとれるように、決定すべきであ
って、乾燥状態で0.1μm〜30μmの範囲、好まし
くは、1μm〜20μm程度が、好ましい。
【0019】次に、昇華性染料インキ層は、昇華性染料
をバインダー樹脂で担持させた層である。使用する染料
は、従来公知の熱転写シートに使用される染料はいずれ
も本発明に有効に使用可能であり、特に限定されない。
例えば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料とし
て、MS Red G、Macrolex RedVi
oret R、Ceres Red 7B、Samar
on Red HBSL、Resolin Red F
3BS等が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロン
ブリリアントイエロー6GL、PTY−52、マクロレ
ックスイエロー6G等が挙げられ、又、青色染料として
は、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−
FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー1
00等が挙げられる。
【0020】上記の如き昇華性染料を担持するためのバ
インダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用
でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース
系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポ
リエステル等が挙げられる。
【0021】また、昇華性染料インキ層は、上記の染
料、バインダー樹脂の他に必要に応じて従来公知の種々
の添加剤を含めることができる。そして、適当な溶剤中
に、上記の染料、バインダー樹脂、添加剤を加えて各成
分を溶解または分散させてインキを調整し、これを上記
の基材フィルム上に、熱溶融性インキ層で挙げた従来公
知の塗工形成方法と同様の方法により、昇華性染料イン
キ層を形成する。昇華性染料インキ層の厚みは、乾燥状
態で0.1〜5.0μm、好ましくは0.4〜2.0μ
m程度である。
【0022】(マーク)本発明の熱転写シートは、該熱
転写シートの先端部に、該熱転写シートが純正品である
ことを同定するマーク2を設けてあり、該熱転写シート
に対応する熱転写プリンターから該マーク2にエネルギ
ーが加えられることにより、マーク2が破壊されるもの
である。マーク2は、紫外線領域、赤外線領域に特定の
光学特性を有するものや、高周波に対して共振する回路
であり、送信された高周波に共振して、エコー波を発信
するもの、導電性を有するもの、またマイクロ波に対し
電磁特性を有するもの等を使用することができる。マー
ク2は、そのマーク破壊のためのエネルギー付与手段の
設置スペースや、マーク形成の製造条件等の制約から、
熱転写シートの熱転写層と反対側の基材フィルム背面側
に設けることが好ましく行われる。
【0023】純正品であることを同定するマークが紫外
線、赤外線領域で特定の光学特性を有するものは、それ
らの波長域の光を吸収、又は蛍光を発するものであり、
可視光領域で判読できないもの、不可視情報であること
が、純正品でない熱転写シート、いわゆる海賊品の熱転
写シートを製造することを困難にさせる効果があり、好
ましい。但し、ここでの吸収とは、熱転写シートのマー
クを設けていない部分の波長域における吸収特性と同一
ではないことが必要であることは言うまでもない。同一
ならば、熱転写シート上に形成されたマークは、これら
の波長域の光に対する特性差がなく、認識不可能となる
からである。なお、特定の光学特性を有する波長域は、
紫外線のみ、赤外線のみ、或いは紫外線及び赤外線の両
方の波長域でもよい。
【0024】また、透明な熱転写シートまたは熱転写シ
ートの先端部に接続したリードフィルム上にマークを不
可視情報として形成する場合には、マークを特定波長の
反射光量ではなく、透過光量で認識することも有りう
る。このような場合、吸収特性に応じて遮断されて透過
光量は減少し、減少した透過光量によってマークを認識
できる。本発明の熱転写シートのマークを形成する材料
としては、紫外線領域、赤外線領域に特定の光学特性を
有するものであれば特に限定されないが、具体的には、
例えば、有機化合物或いは無機化合物の紫外線吸収剤を
透明な識別物質として使用できる。このような紫外線吸
収剤を用いる場合は、マークに隣接した部分と同一色調
で無い限り、380nm以下の紫外線領域の光を吸収す
るものがよい。380nmを越える波長域に吸収特性を
持つと、可視光領域で着色気味となり、目視判断が可能
となるためである。また、蛍光発光する蛍光物質であっ
てもよい。
【0025】識別物質として用いる紫外線吸収剤として
は有機化合物を用いるのであれば、具体的物質として
は、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、サリ
シレート系等が挙げられる。また、無機化合物を用いる
のであれば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸
化チタン、酸化スズ、酸化セリウム等の金属、遷移金
属、アルカリ土類金属等の金属酸化物の微粉末が挙げら
れる。これらは、粒径0.2μm以下、好ましくは0.
1μm以下、特に好ましくは0.05μm以下の微粒子
を用いることにより、可視光線領域における透明性が得
られる。粒径が0.2μmを越える可視光領域に近づく
と、微粉末それぞれに特有の色調を呈する場合もある
が、そのような識別物質でもパターン状マークに隣接し
た部分の色調と近い場合は好ましく使用できる。このよ
うな場合では、粒径は5μm以下であればよい。
【0026】但し、上記の紫外線吸収剤の中でも、熱転
写プリンターからマークにエネルギーが加えられて、マ
ークが破壊されやすいような材質が好ましい。例えば、
熱転写プリンターから熱エネルギーが加えられて、紫外
線吸収剤が溶融、変質、分解する等して、再度紫外線セ
ンサーでそのマークが検出されないようにセンサーレベ
ルを予め調整しておくことが好ましい。このような熱に
より溶融、変質や分解する紫外線吸収剤として、具体的
には、金属酸化物の微粉末では、酸化亜鉛、酸化スズ等
の溶融温度が低いものが好ましく、また特に有機化合物
の紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
【0027】また、赤外線を吸収する識別物質として
は、有機色素が挙げられ、赤外領域に吸収を持つ色素と
して、例えばシアニン色素、フタロシアニン系色素、ナ
フトキノン系色素、アントラキノン系色素、ジルオール
系色素、トリフェニルメタン系色素等が使用できる。但
し、これらの色素は600nm以上の波長領域に吸収帯
を持つためにシアン色を呈するか、あるいは可視領域
(380〜700nm)に30〜40%程度の吸収があ
るために、若干赤みがかったクリーム色を呈する。この
ため、完全に無色透明の印字情報にならないが、マーク
に隣接した部分と同系色であれば目立たず使用可能であ
る。
【0028】また、識別物質として用いる蛍光物質とし
ては、例えば、硫化亜鉛、酸化亜鉛等からなる無機蛍光
体が挙げられる。しかし、これらは白色あるいは有色で
あるため、マークに隣接した部分と同一色調の場合には
使用可能の場合もあるが、そうでない場合は使用するに
しても極めて低濃度でない限り、形成される画像が白色
あるいは有色となって不可視の画像形成が困難となる。
他の好ましい蛍光物質としては、例えば、スチルベン
系、ジアミノジフェニル系、オキサゾール系、イミダゾ
ール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタルイミド
系、チオフェン系等の公知の有機化合物の蛍光増白剤が
挙げられる。この場合も、紫外線吸収剤と同様に可視光
領域に吸収を持たず、あるいは吸収が少なく、また可視
光によって励起して蛍光発光しない、あるいは蛍光発光
が少ない特性を有することが好ましく、蛍光励起させる
波長域は380nm以下がよい。
【0029】但し、上記の赤外線吸収剤、蛍光物質の中
でも、熱転写プリンターからマークにエネルギーが加え
られて、マークが破壊されやすいような材質が好まし
い。例えば、熱転写プリンターから熱エネルギーが加え
られて、赤外線吸収剤または蛍光物質が変質、分解する
等して、再度赤外線センサーまたは紫外線センサーでそ
のマークが検出されないようにセンサーレベルを予め調
整しておくことが好ましい。このような熱により変質、
分解する赤外線吸収剤または蛍光物質として、具体的に
は、有機化合物の赤外線吸収剤や、有機化合物の蛍光物
質が好ましく用いられる。
【0030】以上説明した識別物質とバインダーからマ
ークを構成することができ、バインダーとなる樹脂とし
ては、可視光線に対して実質的に透明である樹脂が好ま
しく用いられる。そのような樹脂としては、例えば、ポ
リエチレン系〔ポリエチレン(PE)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体〕、ポリプロピレン(PP)、ビニル系〔ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PV
B)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニ
リデン(PVdC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポ
リビニルホルマール(PVF)〕、ポリスチレン系〔ポ
リスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル共重
合体(AS)、ABS〕、アクリル系〔ポリメチルメタ
クリレート(PMMA)、MMA−スチレン共重合
体〕、ポリカーボネート(PC)、セルロース系〔エチ
ルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロ
ピルセルロース(CP)、酢酸・酪酸セルロース(CA
B)、硝酸セルロース(CN)、フッ素系〔ポリクロロ
フルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体(FEP)、ポリビニリデ
ンフルオライド(PVdF)〕、ウレタン系(PU)、
ナイロン系〔タイプ6、タイプ66、タイプ610、タ
イプ11〕、ポリエステル系〔ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等
の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0031】さらに、これらの樹脂は、水性塗料用のエ
マルジョンにすることができる。水性塗料用のエマルジ
ョンとしては、例えば酢酸ビニル(ホモ)エマルジョ
ン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマル
ジョン、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂エマルジョン
(EVAエマルジョン)、酢酸ビニル−ビニルバーサテ
ートン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−ポリビニ
ルアルコール共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−塩
化ビニル共重合樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョ
ン、アクリルシリコンエマルジョン、スチレン−アクリ
ル共重合樹脂エマルジョン、ポリスチレンエマルジョ
ン、ウレタンエマルジョン、塩化ポリオレフィンエマル
ジョン、エポキシ−アクリルディスパージョン、SBR
ラテックス等を挙げることができる。
【0032】また、バインダー樹脂自体が、紫外線吸収
性、赤外線吸収性を有していてもよい。紫外線吸収官能
基を有する樹脂としては、例えば、チヌビンのような紫
外線吸収剤を樹脂に化学的に結合した樹脂であることが
できる。そのような樹脂の例としては、例えばエマルジ
ョンチヌビン(チバガイギー社製)等を挙げることがで
きる。上記の識別物質とバインダー及び必要に応じて添
加剤、溶媒を加えて、従来公知の印刷方法、例えば、グ
ラビア印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印
刷、シルクスクリーン印刷等により、熱転写シート上や
リードフィルム上にマークを形成することができる。
【0033】本発明の熱転写シートの先端部に設けてい
る純正品であることを同定するマークは、上記のような
可視光領域で判読できない、不可視情報だけではなく、
可視光により検知可能であるものでも用いることができ
る。例えば、可視光領域に吸収帯のあるブラック系統、
またはシアン・グリーン系統の赤色/赤外波長域に吸収
特性をもち、熱等により使用している着色剤が昇華、変
質、分解する等して、再度センサーでそのマークが検出
されないようにセンサーレベルを予め調整しておくこと
が好ましい。このような熱により昇華、変質、分解する
着色剤として、例えば、水溶性染料、有機溶剤可溶性染
料、油溶性染料等の各種染料が好ましく用いられる。
【0034】また、純正品であることを同定するマーク
が、高周波に対して共振する回路にして、送信された高
周波に共振して、エコー波を発信するものを用いること
ができる。高周波に対して共振する回路は、コイルとコ
ンデンサーを有する、高周波(電磁波等)に対して共振
する回路(LC回路)である。このようなLC回路を有
するマークを熱転写シートまたはリードフィルム上に設
けて、熱転写シートを構成する際、LC回路は例えば誘
電体フィルムの両面に金属箔を積層し、該金属箔にエッ
チング処理や各種印刷処理等で、コイル状のパターンを
形成して、全体の厚みを薄くして柔軟性をもたせ、その
LC回路のマークを巻き取り用ボビンに巻き上げたり、
プリンターで搬送する際等に支障がないようにすること
ができる。
【0035】上記のようなLC回路を有するマークのセ
ンサーは、特定の周波数の電磁波を送信し、LC回路か
らその周波数と一致した電磁波に共振して、エコー波を
受信する機能をもつ。そして、そのセンサーでLC回路
を有するマークが検知され、その検知された受信信号を
熱転写プリンターの作動開始する信号に変換する。特定
の周波数と共振するコイルを使用することにより、その
コイルを有したLC回路のマークがプリンターメーカー
から認定された正規なものであると認証するものであ
る。
【0036】LC回路を有するマークは、上記の純正品
の認証だけではなく、熱転写プリンターから該マークに
エネルギーが加えられると、マークが破壊されるもので
ある。例えば、LC回路を構成するコイルの全体または
部分的な位置に、亜鉛、スズや合金等の低融点金属材料
を用いて、熱転写プリンターからの熱エネルギーが加え
られると、低融点の金属が溶融して、コイルが特定周波
数の電磁波に対して共振しなくなる。また、LC回路を
有するマークは、いくつかの異なる周波数で共振するコ
イルを複数使用し、その共振する周波数を組み合わせ
て、多チャンネル化して、例えば熱転写シートの使用可
能画面数の設定を制御することもできる。
【0037】また純正品であることを同定するマーク
が、導電性材料を含有し、導電性を有するものが挙げら
れる。この場合は、電気的に検知可能なものであり、例
えば、亜鉛、スズや合金等の低融点金属材料を樹脂中に
含有する導電性インキや低融点金属材料を用いた金属箔
等を使用して、導電層としてマークを形成することがで
きる。上記のような導電性材料を使用したマークは、例
えば表面電気抵抗値が106 〜109 Ω/□程度にし
て、そのマークと隣接する部分との電気抵抗値の変化に
より、そのマークを検知することができる。但し、上記
の導電性材料の中でも、熱転写プリンターからマークに
エネルギーが加えられて、マークが破壊されやすいよう
な材質が好ましい。例えば、熱転写プリンターから熱エ
ネルギーが加えられて、導電性材料が溶融する等して、
電気センサーでそのマークが検出されないようにセンサ
ーレベルを予め調整しておくことが好ましい。このよう
な熱により溶融する導電性材料として、具体的には、亜
鉛、スズや合金等の低融点金属材料が好ましく用いられ
る。導電性を有するマークは、熱転写シート自体の先端
部に設けても、また熱転写シートの先端部に接着してあ
るリードフィルムに設けてもよい。
【0038】またマークが、マイクロ波に対し電磁特性
を有するものが挙げられる。熱転写シートまたはリード
フィルムのマークが形成されていない部分、つまりマー
クに隣接した部分では、マイクロ波に対して電磁特性を
有していない、つまり非導電性の材料になっている。そ
れに対し、マーク部では、マイクロ波に対して、非導電
性材料とは異なる電磁特性を有する材料を用いるもので
ある。但し、上記のマイクロ波に対し電磁特性を有する
材料の中でも、熱転写プリンターからマークにエネルギ
ーが加えられて、マークが破壊されやすいような材質が
好ましい。例えば、熱転写プリンターから熱エネルギー
が加えられて、マイクロ波に対し電磁特性を有する材料
が溶融する等して、専用センサーでそのマークが検出さ
れないようにセンサーレベルを予め調整しておくことが
好ましい。このような熱により溶融するマイクロ波に対
し電磁特性を有する材料として、具体的には、亜鉛、ス
ズや合金等の低融点の導電性金属材料が好ましく用いら
れる。上記のマイクロ波に対し電磁特性を有するマーク
は、真空蒸着、スパッタリング、低温プラズマ法等、金
属を気相にして薄く付着させたり、導電性材料を含有し
た塗工液を従来公知の塗工方法で形成したりすることが
できる。
【0039】上記のマイクロ波に対し電磁特性を有する
マークを有する熱転写シートに対し、マイクロ波を走査
すると、非導電性材料と導電性材料とで、比誘電率ε、
透磁率μ、抵抗率ρなどが異なるので、応答マイクロ波
束、すなわち反射束あるいは透過束に変化が生じるの
で、この変化を検知して、熱転写シートが純正品である
ことを読み取れる。以上のような純正品であることを同
定するマークは、紫外線領域、赤外線領域に特定の光学
特性を有するものや、高周波に対して共振する回路であ
り、送信された高周波に共振して、エコー波を発信する
もの、導電性を有するもの、またマイクロ波に対し電磁
特性を有するもの等が存在するが、いずれにおいても、
そのマーク形状として、線、バーコードや文字、円、楕
円、三角形、四角形、多角形、商標等であってもよく、
それらの2種以上の形状の組み合わせであってもよく、
そのマーク形状を読み取るセンサーに応じて、マーク形
状を任意に選択することが可能である。
【0040】本発明の熱転写シートに使用するボビン
は、供給用でも、巻き取り用でも、そのボビンの内径、
外径、長さ等の寸法は、熱転写シートを装着するカセッ
トや熱転写プリンター等に応じて適宜設定することがで
きる。また、ボビンの構成材料は、紙、プラスチック、
樹脂含浸紙等、従来のボビンに使用されていた材料を使
用することができる。上記のようなボビンへの熱転写シ
ートの固着、及びボビンへのリードフィルムの固着は、
両面テープ、粘着テープ、接着剤等、任意の材料を用い
て行うことができる。本発明の熱転写シートは、上述の
実施の形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱し
ない範囲で、種々の熱転写シートから構成することがで
きる。
【0041】(熱転写記録方法)本発明の熱転写記録方
法は、上記の熱転写シートを使用して、該熱転写シート
の先端部に、該熱転写シートが純正品であることを同定
するマークを設けてあり、該熱転写シートに対応する熱
転写プリンターで、該マークを検知することにより、該
マークが正しいものと判定した場合、該熱転写プリンタ
ーが熱転写シートをセットした状態で、作動するように
し、そのマーク検知後に、該マークに熱転写プリンター
からエネルギーを加えることにより、マークが破壊さ
れ、再度検知することができないようにしたものであ
る。
【0042】例えば、本発明の熱転写記録方法は、図
3、4に示すように、熱転写プリンターに、そのプリン
ター用として品質保証の認定を受けた熱転写シート1、
すなわち純正品の熱転写シート1をセットすると、該熱
転写シート1の先端部に有する純正品であることを同定
するマーク2を、マーク検出ユニット(センサー)8で
検出する。(図3(i)) 尚、その熱転写プリンター用の純正品の熱転写シートで
あることを証明するマークの、紫外線領域、赤外線領域
の光学特性や、または特定周波数の高周波に対する共振
特性、または電気特性、またはマイクロ波に対する電磁
特性等で、そのマークそのもの、またはそのマークと隣
接する部分との差で、マークの検出値のバラツキや誤作
動を考慮して、マーク検出レベルを予め調整し設定して
おき、システムコントローラーに記憶させておく。
【0043】次に、上記のマーク検出ユニット8で検出
したマーク2の検出レベルと、システムコントローラー
に記憶してあるマーク検出レベルとを比較し、マーク検
出ユニット8で検出したレベルが、システムコントロー
ラーに記憶してあるマーク検出レベル以上であると、そ
のマーク2を有する熱転写シート1が純正品であると判
定する。また、マーク2がバーコード等の固有情報を有
するものであれば、固有情報として、その熱転写シート
1の記録可能な画面数(使用枚数)等の情報を記録して
おき、マーク検出ユニット8でその画面数の情報を読み
取り、熱転写プリンター本体のシステムコントローラー
にその画面数の情報を記憶させることができる。そし
て、熱転写シート1が純正品であると判定された後に、
搬送制御回路から熱転写シート1を供給側11から熱転
写記録ユニット9及び排出側12に搬送するように指令
が出る。
【0044】次に、純正品であることを同定するマーク
2が、熱転写記録ユニット9に到達する前に、システム
コントローラーから熱転写記録ユニット9にベタ打ち等
の印字する指令が出て、マーク2部を含めて熱転写シー
ト1が加熱され、(熱転写シート1と記録紙10が重ね
合わされて、熱転写記録ユニット9とプラテンローラー
13に挟まれて)熱転写シート1の熱転写層3が記録紙
10に転写される。(図3(ii)) これによって、マーク2が破壊され、再度検知すること
ができなくなる。尚、熱転写プリンターの熱転写記録ユ
ニット(記録部)9は、サーマルヘッドやレーザー加熱
方式を用いることができる。さらに、熱転写プリンター
の記録部からの熱だけではなく、マークのセンサー8と
記録部9との間に、マーク2にエネルギーを加えられる
光照射ユニット、ヒーター等の加熱ユニットを設けるこ
とも可能である。
【0045】上記のマークに熱転写プリンターからエネ
ルギーを加える場合、例えば熱エネルギーでは、サーマ
ルヘッドによりマーク部に200℃前後の熱を加えるこ
とにより(サーマルヘッドの印字条件の範囲内の加熱条
件で)、マークの材質を溶融させることで、マークを破
壊して、センサーで再度検知できないようにする。この
場合は、マーク材質の融点を越えた熱を加えて、マーク
材質を溶融し、マークを破壊させる。このように、熱転
写プリンターの記録ユニットからの熱を、マークを破壊
するためのエネルギーとして利用することが好ましく行
われる。マーク破壊のためのエネルギー付与手段とし
て、光照射ユニット、ヒーター等の加熱ユニットを使用
することもできるが、熱転写プリンターの記録ユニット
をマーク破壊のためのエネルギー付与手段に使用するこ
とで、プリンターの構造を単純化でき、操作性に優れ、
プリンターコストを低く抑えることができるからであ
る。
【0046】そして、マーク2部を含めた熱転写シート
1が加熱された後、搬送制御回路から熱転写シート1、
記録紙10を供給側11から排出側12に搬送するよう
に(図の矢印の方向に)指令が出て、本格的に印字が開
始される。(図3(iii)) そして、熱転写記録が継続される。場合によっては、シ
ステムコントローラーに記憶された画面数まで、熱転写
記録が継続される。但し、システムコントローラーに記
憶された画面数を越えて記録を行うと、「熱転写シート
を交換して下さい」のように、モニターに表示された
り、または熱転写プリンターが停止したりする。
【0047】また、一方で、熱転写プリンターに、その
プリンター用として品質保証の認定を受けていない熱転
写シート、すなわち海賊版の熱転写シートをセットする
と、該熱転写シートの先端部でマーク検出ユニットの検
出する操作が行われるが、専用のマークが存在しないた
め、システムコントローラーに記憶してあるマーク検出
レベル以上のマーク検出が行われない。よって、熱転写
シートが純正品でないと判定され、搬送制御回路から熱
転写シートを供給側から搬送するような指令は出ずに、
熱転写プリンターは停止した状態である。また「熱転写
シートを純正品に交換して下さい」のように、モニター
に表示される場合もある。以上、本発明の熱転写記録方
法は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本
発明を逸脱しない範囲で、種々の熱転写プリンターで、
マーク検知、マーク破壊用のエネルギー付与手段を用い
ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱転写シート
は、基材フィルム上に熱転写層を設けた熱転写シートの
先端部に、該熱転写シートが純正品であることを同定す
るマークを設けてあり、該熱転写シートに対応する熱転
写プリンターで、該マークを検知することにより、該マ
ークが正しいものと判定した場合、該熱転写プリンター
が熱転写シートをセットした状態で、作動するように
し、そのマーク検知後に、該マークに熱転写プリンター
からエネルギーを加えることにより、マークが破壊さ
れ、再度検知することができないようにした。したがっ
て、プリンターに対し適性な印字が行えるように、プリ
ンターメーカーから品質保証の認定を受けた熱転写シー
トに限定して、プリンターで使用するように規制でき、
かつ熱転写シートに貼付された純正品として同定するマ
ークが、貼り替えられたり、切り貼りされて、再使用さ
れ、悪用されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの一つの実施の形態を示
す斜視図である。
【図2】本発明の熱転写シートの一つの実施の形態を示
す断面図である。
【図3】本発明の熱転写記録方法のプロセスを説明する
概略図である。
【図4】本発明の熱転写記録方法を用いた熱転写プリン
ターの電気構成の一つの実施形態を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 マーク 3 熱転写層 4 基材フィルム 5 背面層 6 供給用ボビン 7 巻き取り用ボビン 8 マーク検出ユニット(センサー) 9 熱転写記録ユニット(記録部) 10 記録紙 11 供給側 12 排出側 13 プラテンローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片井 健友 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C068 AA02 AA06 AA08 AA15 BB04 BB08 BB22 BC03 BC13 BC16 BC17 BD01 BD49 NN11 NN17 NN19 NN20 NN28 2H111 AA01 BB12 BB16 BB17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム上に熱転写層を設けた熱転
    写シートにおいて、該熱転写シートの先端部に、該熱転
    写シートが純正品であることを同定するマークを設けて
    あり、該熱転写シートに対応する熱転写プリンターから
    該マークにエネルギーが加えられることにより、マーク
    が破壊されることを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記のエネルギーが、熱転写シートに対
    応する熱転写プリンターの記録部からの熱であることを
    特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記のマークが、紫外線、赤外線、マイ
    クロ波のいずれかの光線に対し、吸収または発光して、
    検知可能であることを特徴とする上記の請求項1に記載
    する熱転写シート。
  4. 【請求項4】 前記のマークが、高周波に対して共振す
    る回路であり、送信された高周波に共振して、エコー波
    を発信し、該エコー波を受信して、検知可能であること
    を特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写シート。
  5. 【請求項5】 前記のマークが、導電性材料を含有する
    ことを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転写シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記の請求項1〜5のいずれかの熱転写
    シートを使用した熱転写記録方法において、該熱転写シ
    ートの先端部に、該熱転写シートが純正品であることを
    同定するマークを設けてあり、該熱転写シートに対応す
    る熱転写プリンターで、該マークを検知することによ
    り、該マークが正しいものと判定した場合、該熱転写プ
    リンターが熱転写シートをセットした状態で、作動する
    ようにし、さらに該マークに熱転写プリンターからエネ
    ルギーを加えることにより、マークが破壊され、再度検
    知することができないことを特徴とする熱転写記録方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016193596A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 日本製紙株式会社 情報記録用シート
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