JP2006278764A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006278764A
JP2006278764A JP2005096152A JP2005096152A JP2006278764A JP 2006278764 A JP2006278764 A JP 2006278764A JP 2005096152 A JP2005096152 A JP 2005096152A JP 2005096152 A JP2005096152 A JP 2005096152A JP 2006278764 A JP2006278764 A JP 2006278764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminated body
drying
preliminary
electronic component
multilayer ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005096152A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4720245B2 (ja
Inventor
Tomohisa Fukuoka
智久 福岡
Shinko Karatsu
真弘 唐津
Shigeki Sato
佐藤  茂樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005096152A priority Critical patent/JP4720245B2/ja
Publication of JP2006278764A publication Critical patent/JP2006278764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4720245B2 publication Critical patent/JP4720245B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 積層ズレを抑制し、スタック性に優れ、しかもデラミネーションが少ない積層セラミック電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 所定枚数のグリーンシート10aを積み重ねて予備積層体Unを得る。次に、予備積層体Unを乾燥させ、乾燥後の予備積層体Unを積み重ねて最終積層体Ufを得る。そして、最終積層体Ufを切断してグリーンチップを形成し、グリーンチップを焼成する。乾燥させる前の予備積層体Unの重量に対する乾燥後の予備積層体Unの重量の減少率が0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.2〜0.6%である。
【選択図】 図9

Description

本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に係り、さらに詳しくは、積層ズレを抑制し、スタック性に優れ、しかもデラミネーションが少ない積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
たとえば積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサの製造は、以下の手順で行われる。
まず、分散剤、高分子樹脂、可塑剤などの不揮発有機成分を含む溶剤中にセラミック誘電体顔料粉末を分散した誘電体スラリーを作製する。次に、この誘電体スラリーを、プラスチック支持体フィルム上にドクターブレード法やノズル法などの手段により塗布・乾燥して誘電体グリーンシートとする。
次いで、この誘電体グリーンシート上に、内部電極パターン層を形成する。内部電極パターン層は、導電体ペーストをスクリーン印刷することにより形成するのが一般的である。
次に、内部電極パターン層を含む誘電体グリーンシートを支持体ベースフィルムから剥離して、所定の大きさに切断後、内部電極パターン層のパターン位置合わせを行いつつ、複数回、積層した後、加圧および圧着してセラミックグリーン積層体とする。次に、この積層体を、所定のサイズに切断してチップとした後、所定の雰囲気、温度で焼成し、得られた焼成体チップの端部に外部電極を塗布および焼き付けることによって積層セラミックコンデンサが完成する。
このような積層セラミックコンデンサの製造過程において、誘電体グリーンシート上に、内部電極パターン層を所定パターンで形成する際に、内部電極パターン層には、電極パターン層が存在しない段差隙間部分(余白パターン)が存在する。この段差状隙間部分のために、内部電極パターン層の表面には、段差が形成される。段差が形成された状態で、内部電極パターン層は、グリーンシートを介して多数積層される。その後、積層体は、加圧して圧着されるため、段差隙間部分は押し潰される。そのため、積層体の積層数が多くなるほど、また、グリーンシートの厚みが薄くなるほど、累積される段差の影響が増大する。
その結果、段差状隙間部分が存在しない内部電極パターン層に挟まれているグリーンシートは、より強く圧着されて密度が上がるが、段差状隙間部分が存在する部分に挟まれるグリーンシートの密度は、その他の部分に比較して密度が低下し、積層体中に密度差を生じる。また、段差状隙間部分が存在する部分に挟まれるグリーンシートでは、上下のグリーンシートの密着性が低下していくという問題を生じる。
積層体は、その後に切断されてチップ化され、その後に焼成されるが、上述した問題点を内在した積層体を焼成すると、層間で割れやすいと言う課題がある。また、積層体の焼成後に、チップ変形、短絡不良、クラック、デラミネーションなどの構造欠陥が多発するという問題もある。
このような問題を解決するため、例えば、下記の特許文献1から特許文献5等に示すように、誘電体ペーストを印刷することによって、所定パターンの内部電極のパターン間に生ずる段差隙間部分を余白パターン層により埋める方法が提案されている。これらの方法によれば、内部電極層を含む面を平坦化することができ、上述した段差に起因するセラミックコンデンサの諸問題を改善することが可能である。
ところが、近年では、静電容量の高容量化および高集積化に伴い、グリーンシートの積層数が多くなってきており、余白パターン層を形成したとしても、グリーンシート間のデラミネーションが問題になってきている。また、グリーンシート間の積層ズレも問題になってきている。
特開昭56−94719号公報 特開平3−74820号公報 特開平9−106925号公報 特開2001−126951号公報 特開昭2001−358036号公報。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、本発明の目的は、積層ズレを抑制し、スタック性に優れ、しかもデラミネーションが少ない積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、
所定枚数のグリーンシートを積み重ねて予備積層体を得る工程と、
前記予備積層体を乾燥させる工程と、
乾燥後の予備積層体を積み重ねて最終積層体を得る工程と、
前記最終積層体を切断してグリーンチップを形成する工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程とを有する。
本発明者等は、デラミネーションの原因について鋭意検討した結果、グリーンチップが固形化・乾燥工程および脱バインダ工程を経ることにより、グリーンチップの内部に残留している残留溶剤および残留可塑剤などが揮発することによってデラミネーションを生じさせると考えた。すなわち、グリーンシートの積層数が多くなるにつれて、グリーンチップの内部における残留溶剤、残留可塑剤が揮発しにくくなり、これらの溶剤または可塑剤が固形化・乾燥工程および脱バインダ工程において、一度に揮発するために、デラミネーションが生じやすくなると考えた。
そこで、本発明者等は、所定枚数のグリーンシートを積み重ねて予備積層体を形成し、その後に、予備積層体を乾燥させ、乾燥後の予備積層体を積み重ねて最終積層体を得ることを考えた。そうすることで、残留溶剤または可塑剤などが、最終積層体の固形化・乾燥工程および脱バインダ工程において、一度に揮発することが少なくなり、デラミネーションを抑制できることが実験により確認された。
好ましくは、乾燥させる前の前記予備積層体の重量に対する乾燥後の予備積層体の重量の減少率が0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.2〜0.6%である。減少率が少ない場合には、乾燥が十分ではなく、残留溶剤または可塑剤などがグリーンシート中に残り、デラミネーションを効果的に抑制することが困難である。また、減少率が多すぎると、乾燥しすぎることになり、スタック性が低下し、プレスにより最終積層体を得る際に、予備積層体の相互間で積層ズレが生じやすくなる傾向にある。
予備積層体の乾燥時の乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは80〜150°Cである。乾燥温度が低すぎると、乾燥のために時間を要し効率的でなく、乾燥温度が高すぎると、予備積層体を保持している支持シートが変形してしまう傾向にある。
好ましくは、乾燥後の予備積層体を積み重ねる際に、既に積み重ねてある予備積層体に対して、0.1MPa以上の圧力、さらに好ましくは0.15MP、特に好ましくは0.5MPa以上で押しつける。この圧力が低すぎると、積層ずれが生じやすくなる傾向にある。
好ましくは、乾燥後の予備積層体を積み重ねる際に、既に積み重ねてある予備積層体に対して、50〜85°Cの温度条件下で押しつける。この温度が低すぎると、積層ズレが生じやすくなる傾向にある。
好ましくは、10〜100枚数のグリーンシートを積み重ねて前記予備積層体を形成する。グリーンシートの積層枚数が少なすぎると、必要な積層数の最終積層体を得るために、予備積層体の積層回数が多くなり、製造工数が多くなる傾向にある。また、グリーンシートの積層枚数が多すぎると、残留溶剤や残留可塑剤が多くなる傾向にあり、本発明の効果が少なくなる傾向にある。
好ましくは、10〜100個の予備積層体を積み重ねて最終積層体を形成する。予備積層体の積み重ね数が小さすぎると、最終積層体におけるグリーンシートの積層数が少なくなり、積み重ね数が多すぎると、工数が増大する。
前記グリーンシートの表面には所定パターンの電極層が形成してある。本発明の方法により製造される積層セラミック電子部品としては、たとえば積層セラミックコンデンサが例示され、その場合には、多数の電極層が積層される。
好ましくは、乾燥後の予備積層体を、搬送板により搬送し、この搬送板を用いて、当該予備積層体を、既に積み重ねてある予備積層体に対して、0.1MPa以上の圧力で押しつける。
好ましくは、前記最終積層体を、仮プレス装置により5MPa以上の圧力で仮プレスする。あるいは、搬送板のプレス圧能力が高い場合には、仮プレス装置を用いることなく、搬送板を用いて、当該予備積層体を、既に積み重ねてある予備積層体に対して、5MPa以上の圧力で押しつけても良い。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2(A)〜図2(C)はグリーンシートと電極層との積層工程の一例を示す要部断面図、
図3(A)〜図3(C)は図2(C)の続きの工程を示す要部断面図、
図4(A)〜図4(C)は図3(C)の続きの工程を示す要部断面図、
図5(A)〜図5(C)は図4(C)の続きの工程を示す要部断面図、
図6(A)〜図6(C)は図5(C)の続きの工程を示す要部断面図、
図7は図6(C)の続きの工程を示す要部断面図、
図8(A)および図8(A)および図8(B)は図7の続きの工程を示す概略図、
図9は積層ズレを示す概略図である。
積層セラミックコンデンサの全体構成
まず、本発明に係る電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1端子電極6と第2端子電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の一方の端部の外側に形成してある第1端子電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の他方の端部の外側に形成してある第2端子電極8の内側に対して電気的に接続してある。
本実施形態では、内部電極層12は、後で詳細に説明するように、転写法により形成される。
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、特に好ましくは1.5μm以下に薄層化されている。
端子電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。端子電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、焼成後に図1に示す誘電体層10を構成することになるセラミックグリーンシートを製造するために、誘電体ペースト(グリーンシート用ペースト)を準備する。
誘電体ペーストは、誘電体原料(セラミック粉体)と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系ペーストで構成される。
誘電体原料としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、混合して用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜3.0μm程度の粉体として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
有機ビヒクルとは、バインダ樹脂を有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いられるバインダ樹脂としては、本実施形態では、ポリビニルブチラール樹脂が用いられる。そのポリビニルブチラール樹脂の重合度は、1000以上1700以下であり、好ましくは1400〜1700である。また、樹脂のブチラール化度が64%より大きく78%より小さく、好ましくは64%より大きく70%以下であり、その残留アセチル基量が6%未満、好ましくは3%以下である。
ポリビニルブチラール樹脂の重合度は、たとえば原料であるポリビニルアセタール樹脂の重合度で測定されることができる。また、ブチラール化度は、たとえばJISK6728に準拠して測定されることができる。さらに、残留アセチル基量は、JISK6728に準拠して測定されることができる。
有機ビヒクルに用いられる有機溶剤は、特に限定されず、たとえばテルピネオール、アルコール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエンなどの有機溶剤が用いられる。本実施形態では、有機溶剤としては、好ましくは、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤が、10質量部以上20質量部以下含まれる。芳香族系溶剤の含有量が少なすぎると、シート表面粗さが増大する傾向にあり、多すぎると、ペースト濾過特性が悪化し、シート表面粗さも増大して悪化する。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが例示される。芳香族系溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ベンジルなどが例示される。
バインダ樹脂は、予め、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの内の少なくとも一種類以上のアルコール系溶剤に溶解濾過させて溶液にしておき、その溶液に、誘電体粉体およびその他の成分を添加することが好ましい。高重合度のバインダ樹脂は溶剤に溶け難く、通常の方法では、ペーストの分散性が悪化する傾向にある。本実施形態の方法では、高重合度のバインダ樹脂を上述の良溶媒に溶解してから、その溶液にセラミック粉体およびその他の成分を添加するために、ペースト分散性を改善することができ、未溶解樹脂の発生を抑制することができる。なお、上述の溶剤以外の溶剤では、固形分濃度を上げられないと共に、ラッカー粘度の経時変化が増大する傾向にある。
誘電体ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、帯電除剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。
この誘電体ペーストを用いて、ドクターブレード法などにより、たとえば図3(A)に示すように、第2支持シートとしてのキャリアシート30上に、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm程度の厚みで、グリーンシート10aを形成する。グリーンシート10aは、キャリアシート30に形成された後に乾燥される。グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜20分である。乾燥後のグリーンシート10aの厚みは、乾燥前に比較して、5〜25%の厚みに収縮する。乾燥後のグリーンシートの厚みは、3μm以下が好ましい。
(2)上記のキャリアシート30とは別に、図2(A)に示すように、第1支持シートとしてのキャリアシート20を準備し、その上に、剥離層22を形成し、その上に、所定パターンの電極層12aを形成し、その前後に、その電極層12aが形成されていない剥離層22の表面に、電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。
キャリアシート20および30としては、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコンなどがコーティングしてあるものが好ましい。これらのキャリアシート20および30の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmである。これらのキャリアシート20および30の厚みは、同じでも異なっていても良い。
剥離層22は、好ましくは図3(A)に示すグリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含む。また、この剥離層22は、誘電体粒子以外に、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。誘電体粒子の粒径は、グリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでも良いが、より小さいことが好ましい。
剥離層22の塗布方法としては、特に限定されないが、きわめて薄く形成する必要があるために、たとえばワイヤーバーコーターまたはダイコーターを用いる塗布方法が好ましい。
剥離層22のためのバインダとしては、たとえば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体からなる有機質、またはエマルジョンで構成される。剥離層22に含まれるバインダは、グリーンシート10aに含まれるバインダと同じでも異なっていても良いが同じであることが好ましい。
剥離層22のための可塑剤としては、特に限定されないが、たとえばフタル酸エステル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。剥離層22に含まれる可塑剤は、グリーンシート10aに含まれる可塑剤と同じでも異なっていても良い。
剥離層22のための剥離剤としては、特に限定されないが、たとえばパラフィン、ワックス、シリコーン油などが例示される。剥離層22に含まれる剥離剤は、グリーンシート10aに含まれる剥離剤と同じでも異なっていても良い。
バインダは、剥離層22中に、誘電体粒子100質量部に対して、好ましくは2.5〜200質量部、さらに好ましくは5〜30質量部、特に好ましくは8〜30質量部程度で含まれる。
可塑剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
剥離剤は、剥離層22中に、バインダ100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは2〜50質量部、さらに好ましくは5〜20質量部で含まれることが好ましい。
剥離層22をキャリアシート30の表面に形成した後、図2(A)に示すように、剥離層22の表面に、焼成後に内部電極層12を構成することになる電極層12aを所定パターンで形成する。電極層12aの厚さは、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜1.0μm程度である。電極層12aは、単一の層で構成してあってもよく、あるいは2以上の組成の異なる複数の層で構成してあってもよい。
電極層12aは、電極ペーストを用いる厚膜形成方法により、剥離層22の表面に形成する。厚膜法の1種であるスクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法により、剥離層22の表面に電極層12aを形成するには、以下のようにして行う。
まず、電極ペーストを準備する。電極ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、あるいは焼成後に上記した導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、またはレジネート等と、有機ビヒクルとを混練して調製する。
電極ペーストを製造する際に用いる導体材料としては、NiやNi合金さらにはこれらの混合物を用いる。このような導体材料は、球状、リン片状等、その形状に特に制限はなく、また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。また、導体材料の平均粒子径は、通常、0.1〜2μm、好ましくは0.2〜1μm程度のものを用いればよい。
有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含有するものである。バインダとしては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示されるが、特にポリビニルブチラールなどのブチラール系が好ましい。
バインダは、電極ペースト中に、導体材料(金属粉体)100質量部に対して、好ましくは8〜20質量部含まれる。溶剤としては、例えばテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能である。溶剤含有量は、ペースト全体に対して、好ましくは20〜55質量%程度とする。
接着性の改善のために、電極ペーストには、可塑剤が含まれることが好ましい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。可塑剤は、電極ペースト中に、バインダ100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部、さらに好ましくは10〜200質量部である。なお、可塑剤または粘着剤の添加量が多すぎると、電極層12aの強度が著しく低下する傾向にある。また、電極層12aの転写性を向上させるために、電極ペースト中に、可塑剤および/または粘着剤を添加して、電極ペーストの接着性および/または粘着性を向上させることが好ましい。
剥離層22の表面に、所定パターンの電極ペースト層を印刷法で形成した後、またはその前に、電極層12aが形成されていない剥離層22の表面に、電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。
図2(A)に示す余白パターン層24は、電極段差吸収用印刷ペーストを用いる印刷法などの厚膜形成方法により、剥離層22の表面に形成する事ができる。厚膜法の1種であるスクリーン印刷法により、剥離層22の表面に余白パターン層(図2(A))を形成する場合には、以下のようにして行う。
まず、電極段差吸収用印刷ペーストを準備する。電極段差吸収用印刷ペーストは、誘電体原料(セラミック粉末)と有機ビヒクルとを混練して得られる有機溶剤系ペーストで構成される。
電極段差吸収用印刷ペーストを製造する際に用いる誘電体材料としては、グリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子、かつ同じ平均粒径を有す誘電体を用いて作製される。電極段差吸収用印刷ペーストには、誘電体粒子(セラミック粉末)が、ペースト全体に対して30〜50質量部、さらに好ましくは、40〜50質量部の割合で含まれる。セラミック粉末の含有割合が少なすぎるとペースト粘度が小さくなり印刷が困難にある。また、セラミック粉末の含有割合が多すぎると、印刷厚みを薄くすることが困難になる傾向にある。
有機ビヒクルは、バインダおよび溶剤を含有するものである。バインダとしては、例えばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体などが例示されるが、特にポリビニルブチラールなどのブチラール系が好ましい。
この電極段差吸収用印刷ペーストに含まれるブチラール系バインダの重合度は、グリーンシート10aを形成するためのペーストに含まれるバインダの重合度と同等以上、好ましくは高く設定してある。例えば、グリーンシート用ペーストに含まれるバインダとしてのポリビニルブチラールの重合度が1000〜1700である場合に、電極段差吸収用印刷ペーストに含まれるバインダは、1400以上、さらに好ましくは1700以上、特に好ましくは2400以上の重合度を持つポリビニルブチラールまたはポリビニルアセタールである。なかでも、重合度2000以上の重合度をもつポリビニルアセタールが好ましい。
電極段差吸収用印刷ペーストのバインダが、ポリビニルブチラールである場合、そのブチラール化度が64〜74モル%の範囲にあるものが好ましい。また、ポリビニルアセタールである場合には、そのアセタール化度が66〜74モル%であることが好ましい。
バインダは、電極段差吸収用印刷ペースト中に、誘電体材料100質量部に対して、好ましくは3〜10質量部含まれる。さらに好ましくは、4〜8質量部含まれる事が好ましい。
溶剤には、例えばテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等の公知のものは。いずれも使用可能である。その溶剤含有量は、ペースト全体に対して50〜70質量部程度が好ましい。
また、電極段差吸収用印刷ペーストには、分散剤、可塑剤および、または粘着剤、帯電除剤、といった各種添加剤が含有されても良い。
分散剤としては、特に限定はないが、たとえば、エステル系重合体、カルボン酸といった高分子材料が用いられ、その含有量は、セラミック粉末100質量部に対して、好ましくは0.25〜1.5質量部、さらに好ましくは0.5〜1.0質量部含有される事が好ましい。
可塑剤としては、特に限定はないが、例えば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが用いられる。その含有量は、バインダ100質量部に対して、10〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含有される事が好ましい。
帯電除剤としては、特に限定はないが、例えば、イミダゾリン系帯電除剤などが用いられ、その含有量は、セラミック粉末100質量部に対して0.1〜0.75質量部、さらに好ましくは0.25〜0.5質量部で含有されることが好ましい。
この電極段差吸収用印刷ペーストは、図2(A)に示すように、電極層12a間の余白パターン部に印刷される。その後、電極層12aおよび余白パターン層12aは、必要に応じて乾燥される。乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは70〜120°Cであり、乾燥時間は、好ましくは5〜15分である。
(3)上記のキャリアシート20および30とは別に、図2(A)に示すように、第3支持シートとしてのキャリアシート26の表面に接着層28が形成してある接着層転写用シートを準備する。キャリアシート26は、キャリアシート20および30と同様なシートで構成される。
接着層28の組成は、離型剤を含まない以外は、剥離層22と同様である。すなわち、接着層28は、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。接着層28には、グリーンシート10aを構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含ませても良いが、誘電体粒子の粒径よりも厚みが薄い接着層を形成する場合には、誘電体粒子を含ませない方がよい。また、接着層28に誘電体粒子を含ませる場合には、その誘電体粒子の粒径は、グリーンシートに含まれる誘電体粒子の粒径より小さいことが好ましい。
可塑剤は、接着層28中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
接着層28は、さらに帯電除剤を含み、当該帯電除剤は、イミダゾリン系界面活性剤の中の1つを含み、帯電除剤の重量基準添加量は、バインダ(有機高分子材料)の重量基準添加量以下であることが好ましい。すなわち、帯電除剤は、接着層28中に、バインダ100質量部に対して、0〜200質量部、好ましくは20〜200質量部、さらに好ましくは50〜100質量部で含まれることが好ましい。
接着層28の厚みは、0.02〜0.3μm程度が好ましく、しかもグリーンシートに含まれる誘電体粒子の平均粒径よりも薄いことが好ましい。また、接着層28の厚みが、グリーンシート10aの厚みの1/10以下であることが好ましい。
接着層28の厚みが薄すぎると、接着力が低下し、厚すぎると、その接着層の厚みに依存して焼結後の素子本体の内部に隙間ができやすく、その体積分の静電容量が著しく低下する傾向にある。
接着層28は、第3支持シートとしてのキャリアシート26の表面に、たとえばバーコーター法、ダイコータ法、リバースコーター法、ディップコーター法、キスコーター法などの方法により形成され、必要に応じて乾燥される。乾燥温度は、特に限定されないが、好ましくは室温〜80°Cであり、乾燥時間は、好ましくは1〜5分である。
(4)図2(A)に示す電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、接着層を形成するために、本実施形態では、転写法を採用している。すなわち、図2(B)に示すように、キャリアシート26の接着層28を、図2(B)に示すように、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に押し付け、加熱加圧して、その後キャリアシート26を剥がすことにより、図2(C)に示すように、接着層28を、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に転写する。なお、接着層28の転写は、図3(A)に示すグリーンシート10aの表面に対して行っても良い。
転写時の加熱温度は、40〜100°Cが好ましく、また、加圧力は、0.2〜15MPaが好ましい。加圧は、プレスによる加圧でも、カレンダロールによる加圧でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。
その後に、電極層12aを、図3(A)に示すキャリアシート30の表面に形成してあるグリーンシート10aの表面に接着する。そのために、図3(B)に示すように、キャリアシート20の電極層12aおよび余白パターン層24を、接着層28を介して、グリーンシート10aの表面にキャリアシート20と共に押し付け、加熱加圧して、図3(C)に示すように、電極層12aおよび余白パターン層24を、グリーンシート10aの表面に転写する。ただし、グリーンシート側のキャリアシート30が引き剥がされることから、グリーンシート10a側から見れば、グリーンシート10aが電極層12aおよび余白パターン層24に接着層28を介して転写される。
この転写時の加熱および加圧は、プレスによる加圧・加熱でも、カレンダロールによる加圧・加熱でも良いが、一対のロールにより行うことが好ましい。その加熱温度および加圧力は、接着層28を転写するときと同様である。
図2(A)〜図3(C)に示す工程により、単一のグリーンシート10a上に、単一層の所定パターンの電極層12aが形成される。電極層12aが形成されたグリーンシート10aを積層させるには、たとえば図4(A)〜図6(C)に示す工程を繰り返せばよい。なお、図4(A)〜図6(C)において、図3(A)〜図4(C)に示す部材と共通する部材には、同一の符号を付し、その説明を一部省略する。
まず、図4(A)〜図4(C)に示すように、グリーンシート10aにおける反電極層側表面(裏面)に、接着層28を転写する。その後に、図5(A)〜図5(C)に示すように、接着層28を介して、グリーンシート10aの裏面に電極層12aおよび余白パターン層24を転写する。
次に、図6(A)〜図6(C)に示すように、接着層28を介して、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、グリーンシート10aを転写する。その後は、これらの転写を繰り返せば、図7に示すように、電極層12aおよびグリーンシート10aが交互に積層された予備積層体Unが得られる。
なお、図5(C)〜図6(C)に示す工程を採用することなく、図5(B)に示す工程から、下側のキャリアシート20を剥がすのではなく、上側のキャリアシートを剥がし、その上に、図4(C)に示す積層体ユニットU1を積層しても良い。その後に、再度、上側のキャリアシート20を剥がし、その上に、図4(C)に示す積層体ユニットU1を積層して、再度、上側のキャリアシート20を剥がす動作を繰り返しても、図7に示すように、電極層12aおよびグリーンシート10aが交互に積層された予備積層体Unが得られる。図4(C)に示す積層体ユニットU1を積層(積み重ね)して予備積層体Unを得る方法の方が、積層作業効率に優れている。
本実施形態では、図7に示す予備積層体Unにおけるグリーンシート10aの積層数は、特に限定されないが、好ましくは、10〜100である。
本実施形態では、次に、図7に示す予備積層体Unにおける上側のキャリアシート20または下側のキャリアシート30のいずれかを引き剥がし、その状態で、予備積層体Unの乾燥処理を行う。乾燥処理時の乾燥温度は、好ましくは80〜120°Cである。乾燥時間は、たとえば15分〜3時間である。
乾燥に際しては、乾燥させる前の前記予備積層体Unの重量に対する乾燥後の予備積層体Unの重量の減少率が0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.2〜0.6%となるように乾燥処理を行う。
乾燥処理された予備積層体Unは、図8(A)および図8(B)に示すように、キャリアシート20または30と共に、搬送板50により仮プレス装置の下金型の上に搬送され、そこで、プレス機構52により、既に仮置きされた予備積層体Unの上に押しつけられる。搬送板50による予備積層体Unの仮置き時の圧力は、0.1MPa以上、好ましくは0.5MPa以上の圧力である。
搬送板50による予備積層体Unの仮置き時には、搬送板50を加熱しておき、予備積層体Unを所定温度に加熱する。加熱温度は、好ましくは50〜85°Cである。仮置き時の加圧時間は、特に限定されないが、通常、1〜60秒、好ましくは1〜30秒程度である。
積み重ねられる予備積層体Unは、仮置きされる前に、必ず乾燥処理される。予備積層体Unの積み重ね総数は、特に限定されないが、好ましくは10〜100程度である。予備積層体Unの積み重ね総数が多くなるほど、最終積層体Ufの積層総数が多くなる。
最終積層体Ufとなるまで、予備積層体Unが積層されると、図8(B)に示す搬送板が最終積層体Ufの上から水平方向に移動し、その代わりに、図示省略してある上金型が下金型40に向けて引き下ろされ、仮プレスが行われる。
仮プレス時の圧力は、5MPa以上の圧力であり、好ましくは5〜10MPaである。仮プレスの圧力が低すぎると、その後の工程(たとえば切断工程)において、積層体としての形状を保持することが困難になる傾向にある。また、仮プレスの圧力が大きすぎると、積層体の変形が大きくなる傾向にあり好ましくない。
また、仮プレス時には、下金型40および上金型を所定温度に加熱しておくことが好ましい。仮プレス時の加熱温度は、特に限定されないが、好ましくは50〜90°Cである。仮プレス時の加圧時間は、好ましくは1〜60秒である。
なお、搬送板50のプレス圧能力が高い場合には、仮プレス装置を用いることなく、搬送板50を用いて、最終積層体Ufを、仮プレスしても良い。
(5)その後、積層体を所定サイズに切断し、グリーンチップを形成する。このグリーンチップは、固形化・乾燥処理、脱バインダ処理、焼成処理が行われ、そして、誘電体層を再酸化させるため、熱処理が行われる。
固形化・乾燥処理は、
内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:10〜50℃/時間、
保持温度:150〜200℃、
保持時間:2〜6時間、
雰囲気 :Air。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃/時間、
保持温度:200〜600℃、
保持時間:0.5〜20時間、
雰囲気 :加湿したNとHとの混合ガス。
焼成条件は、下記の条件が好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、
保持時間:0.5〜8時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧は、10−2Pa以下、特に10−2〜10−8 Paにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
このような焼成を行った後の熱処理は、保持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1000〜1100℃として行うことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1Pa、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記範囲未満では、誘電体層10の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極層12が酸化する傾向にある。
このようにして得られた焼結体(素子本体4)には、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて端面研磨を施し、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極6,8が形成される。端子電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、端子電極6,8上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、端子電極用ペーストは、上記した電極ペーストと同様にして調製すればよい。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法では、所定枚数のグリーンシート10aを積み重ねて予備積層体Unを形成し、その後に、予備積層体Unを乾燥させ、乾燥後の予備積層体Unを積み重ねて最終積層体Ufを得る。そうすることで、残留溶剤または可塑剤などが、最終積層体Unの固形化・乾燥工程および脱バインダ工程において、一度に揮発することが少なくなり、デラミネーションを抑制できる。
また、本実施形態では、乾燥させる前の予備積層体Unの重量に対する乾燥後の予備積層体Unの重量の減少率を所定の範囲にしているために、乾燥しすぎることはなく、スタック性が十分であり、プレスにより最終積層体を得る際に、予備積層体の相互間での積層ズレも抑制することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、その他の積層型電子部品の製造方法としても適用することが可能である。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
グリーンシート用ペーストの作製
セラミック粉体の出発原料としてBaTiO粉体(BT−02/堺化学工業(株))を用いた。このBaTiO粉体100質量部に対して、(Ba0.6Ca0.4)SiO:1.48質量部、Y:1.01質量部、MgCO:0.72質量%、Cr:0.13質量%、およびV:0.045質量%になるようにセラミック粉体副成分添加物を用意した。
初めに、副成分添加物のみをボールミルで混合し、スラリー化した。すなわち、副成分添加物(合計量8.8g)と、エタノール/n−プロパノールが1:1の溶剤(16g)とを、ボールミルにより、20時間予備粉砕を行った。次に、BaTiO:191.2gに対して、副成分添加物の予備粉砕スラリーと、エタノール:38gと、n−プロパノール:38gと、キシレン:28gと、ミネラルスピリット:14gと、可塑剤成分としてのDOP(フタル酸ジオクチル):6gと、分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6):1.4gとを添加し、ボールミルによって、4時間混合した。なお、分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤(HLB=5〜6)としては、ポリエチレングリコールと脂肪酸エステルのブロックポリマーを用いた。
次に、この分散ペーストに、バインダ樹脂として、積水化学社製BH6(ポリビニルブチラール樹脂/PVB)の15%ラッカー(積水化学社製BH6を、エタノール/n−プロパノール=1:1で溶解)を固形分として6質量%添加した(ラッカー添加量として、80g)。その後16時間、ボールミルすることによって、セラミックペースト(グリーンシート用ペースト)とした。
バインダ樹脂としてのポリビニルブチラール樹脂の重合度は、1400であり、そのブチラール化度は、69%±3%であり、残留アセチル基量は、3±2%であった。このバインダ樹脂は、セラミックス粉体(セラミック粉体副成分添加物を含む)100質量部に対して6質量部でセラミックペースト中に含まれていた。また、セラミックペーストにおけるセラミックス粉体とバインダ樹脂と可塑剤との合計の体積を100体積%とした場合に、セラミックス粉体が占める体積割合は、67.31体積%であった。また、そのペースト全体におけるセラミック粉体の質量割合は、49質量%であった。
また、可塑剤としてのDOPは、バインダ樹脂100質量部に対して、50質量部でセラミックペースト中に含まれていた。水は、セラミック粉体100質量部に対して、2質量部含まれていた。分散剤としてのポリエチレングリコール系のノニオン性分散剤は、セラミック粉体100質量部に対して、0.7質量部含まれていた。
また、ペースト中には、セラミックス粉体100質量部に対して、炭化水素系溶剤、工業用ガソリン、ケロシン、ソルベントナフサの内の少なくとも何れか1つであるミネラルスピリットが、5質量部添加されていた。さらに、ペースト中には、溶剤として、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤とを含み、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤との合計質量を100質量部として、芳香族系溶剤としてのトルエンが15質量部含まれていた。
グリーンシートの作製
上記のようにして得られたペーストをワイヤーバーコーターによって、図3(A)に示す支持フィルムとしてのPETフィルム上に1.2μmの厚みで塗布し、乾燥することでグリーンシート10aを作製した。塗布速度は50m/min、乾燥条件は、乾燥炉内の温度が60℃〜70℃、乾燥時間が2分であった。
剥離層用ペースト
前記のグリーンシート用ペーストにおけるBaTiOをBT−01にした以外は、グリーンシート用ペーストと同様にしてペーストを作製し、そのペーストを、エタノール:プロパノール:キシレン(42.5:42.5:15)の混合溶剤によって5倍に希釈したものを、剥離用ペーストとした。
接着層用ペースト
接着層用ペーストとしては、有機ビヒクルを用いた。具体的には、ポリビニルブチラール樹脂を100質量部に対して、可塑剤としてフタル酸ビス(2ヘチルヘキシル)DOP:50質量部、MEK:900重量部の混合溶液を、MEKで更に10倍に希釈し、接着層用ペーストとした。
内部電極用ペースト(転写される電極層用ペースト)
平均粒径が0.2μmのNi粒子100質量部に対して、
BaTiO粉末(BT−01/堺化学工業(株)):20重量部、
有機ビヒクル:58質量部(ポリビニルブチラール樹脂8質量部をターピネオール92質量部に溶解したもの)、
可塑剤としてフタル酸ビス(2ヘチルヘキシル)DOP:50質量部、
ターピネオール:5質量部、
分散剤 :1重量部、
アセトン :45重量部、
を添加して、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。
電極段差吸収用印刷ペーストの作製
セラミック粉末および副成分添加物として、グリーンシート用ペースト用に用いたものと同じものを、同じ配合比となるように用意した。
セラミック粉末および副成分添加物(150g)に、エステル系重合体の分散剤(1.5g)と、テルピネオール(5g)と、アセトン(60g)と、可塑剤としてフタル酸ジオクチル(5g)とを加えて、4時間混合した。次に、この混合液に、積水化学社製のBH6(重合度:1450、ブチラール化度:69モル%±3%のポリビニルブチラール樹脂)の8%ラッカー(ラッカー全量に対して、ポリビニルブチラールが8質量%、テルピネオールが92質量%)を、120gの量で加えて16時間混合した。その後、余剰溶剤のアセトンを除去し、粘度調整としてテルピネオールを40〜100g加えることでペーストを作製した。
グリーンシートの形成、接着層および電極層の転写
まず、上記の誘電体グリーンシート用ペーストを用いて、PETフィルム(第2支持シート)上に、ワイヤーバーコーターを用いて、厚み1.2μmのグリーンシートを形成した。次に、それとは別のPETフィルム(第1支持シート)上に、剥離層を形成するために、上記の剥離層用ペーストを、ワイヤーバーコーターにより塗布乾燥させて0.2μmの剥離層を形成した。
剥離層の表面に、電極層12aおよび余白パターン層24を形成した。電極層12aは、上記の内部電極用ペーストを用いた印刷法により、1μmの厚みで形成した。余白パターン層24は、上記の電極段差吸収用印刷ペーストを用いた印刷法により、1μmの厚みで形成した。電極段差吸収用印刷ペーストを用いた印刷に際しては、そのペーストが印刷製版のメッシュから流れ出すなどの不都合は観察されなかった。
また、別のPETフィルム(第3支持シート)の上に、接着層28を形成した。接着層28は、上記の接着層用ペーストを用いワイヤーバーコーターにより、0.1μmの厚みで形成した。
まず、電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、図2に示す方法で接着層28を転写した。転写時には、一対のロールを用い、その加圧力は、1MPa、温度は、80°Cであり、転写は、良好に行えることが確認できた。
次に、図3に示す方法で、接着層28を介してグリーンシート10aの表面に内部電極層12aおよび余白パターン層24を接着(転写)した。転写時には、一対のロールを用い、その加圧力は、1MPa、温度は、80°Cであり、転写は、良好に行えることが確認できた。
次に、図4〜図7に示す方法で、次々に、内部電極層12aおよびグリーンシート10aを積層し、複数の予備積層体Unを形成した。各予備積層体Unにおけるグリーンシート10aの積層数は、30層であった。次に、各予備積層体を乾燥処理した。
乾燥処理条件は、100°Cおよび120分であった。乾燥前の予備積層体の重量と、乾燥後の予備積層体の重量とをそれぞれ計測し、乾燥前の予備積層体の重量に対する乾燥後の予備積層体の重量の減少率を求めた。減少率は、0.3%であった。
乾燥後の予備成形体Unを、図8に示す搬送板50を用いて、下金型40の上に仮置きした。仮置き時の圧力は、0.15Mpaであり、加熱温度は60°Cであり、加圧時間は30秒であった。この予備積層体Unを30の数で積層し、仮プレスを行い、最終積層体Ufを得た。仮プレス時の加圧力は、5.9MPaであり、加熱温度は50°Cであり、加圧時間は30秒であった。
この仮プレス後の最終積層体Ufについて、積層ズレとスタック性とを評価した。結果を表1に示す。
なお、積層ズレΔDは、図9に示すように、最終積層体Ufにおいて、積層された予備積層体Un相互間の電極層における最大の水平方向のズレを測定することにより求めた。また、スタック性に関しては、二つの予備成形体を、上記の条件で仮プレスし、得られた積層体の層間の接着強度を、引張試験器により測定することにより求めた。
Figure 2006278764
次に、最終積層体Ufを、所定サイズに切断し、固形化・乾燥処理、脱バインダ処理、焼成およびアニール(熱処理)を行って、チップ形状の焼結体を作製した。なお、各チップの焼成後のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであった。
固形化・乾燥処理は、
昇温速度:50℃/時間、
保持温度:160℃、
保持時間:4時間、
雰囲気ガス:Air、
で行った。
脱バインダは、
昇温速度:15℃/時間、
保持温度:600℃、
保持時間:2時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHの混合ガス、
で行った。
焼成は、
昇温速度:200℃/時間、
保持温度:1200℃、
保持時間:2時間、
冷却速度:200℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHの混合ガス、
酸素分圧:10−7Pa、
で行った。
アニール(再酸化)は、
昇温速度:200℃/時間、
保持温度:1050℃、
保持時間:2時間、
冷却速度:200℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNガス、
酸素分圧:10−1Pa、
で行った。なお、雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用い、水温0〜75℃にて行った。
次いで、最終積層体を切断して得られたグリーンチップを焼成して得られたチップ形状の焼結体試料、50個を、合成樹脂に埋め込み、端面を研磨し、50倍の顕微鏡により、デラミネーションを検出した。50個の試料全てについて、デラミネーションが観察されず、デラミネーションの発生比率は、表1に示すように、0%であった。積層ズレが10μm以下で、且つ、スタック性が30N/cm以上で、デラミネーションが0%の場合の総合評価を◎とし、積層ズレが20μm以下で、且つ、スタック性が30N/cm以上で、デラミネーションが0%の場合の総合評価を○とし、積層ズレが50μm以下で、且つ、スタック性が25N/cm以上で、デラミネーションが0%の場合の総合評価を△とし、積層ズレが80μm以上、またはデラミネーションが30%以上の場合の総合評価を×とした場合に、この実施例1の総合評価は、◎であった。
比較例1
乾燥前の予備積層体の重量に対する乾燥後の予備積層体の重量の減少率を0%として、すなわち、予備積層体Unを乾燥させることなく積層して最終積層体を形成した以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例2、3および比較例2、3
乾燥前の予備積層体の重量に対する乾燥後の予備積層体の重量の減少率を、それぞれ0.6%、0.9%、1.2%、1.5%とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例4
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.05MPaとし、搬送板50による加熱温度を40°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例5
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.05MPaとし、搬送板50による加熱温度を60°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例6
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.05MPaとし、搬送板50による加熱温度を40°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例7
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.15MPaとし、搬送板50による加熱温度を40°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例8
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.15MPaとし、搬送板50による加熱温度を60°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例9
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.15MPaとし、搬送板50による加熱温度を80°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例10
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.5MPaとし、搬送板50による加熱温度を40°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例11
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.5MPaとし、搬送板50による加熱温度を60°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例12
予備積層体Unの仮置き時の圧力を0.5MPaとし、搬送板50による加熱温度を80°Cとし、加圧時間を1秒、5秒および30秒と変化させ、仮プレス時の加圧時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして、最終積層体Ufを形成し、積層ズレ、スタック性、デラミネーションおよび総合評価について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
評価
表1に示すように、乾燥後の予備積層体の重量の減少率が0.2〜1.0%、さらに好ましくは0.2〜0.6%である場合に、積層ズレが少なくなり、スタック性が向上し、デラミネーションが少なくなることが確認された。
また、表1に示すように、乾燥後の予備積層体を積み重ねる際(仮置き時)には、既に積み重ねてある予備積層体に対して、好ましくは0.1MPa以上の圧力、さらに好ましくは0.15MP、特に好ましくは0.5MPa以上で押しつけると、積層ズレが少なくなることが好ましいことが確認された。
さらに、乾燥後の予備積層体を積み重ねる際に、既に積み重ねてある予備積層体に対して、好ましくは50〜85°C、さらに好ましくは60〜80°Cの温度条件下で押しつけることで、積層ズレが少なくなることが確認された。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2(A)〜図2(C)はグリーンシートと電極層との積層工程の一例を示す要部断面図である。 図3(A)〜図3(C)は図2(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図4(A)〜図4(C)は図3(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図5(A)〜図5(C)は図4(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図6(A)〜図6(C)は図5(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図7は図6(C)の続きの工程を示す要部断面図である。 図8(A)および図8(A)および図8(B)は図7の続きの工程を示す概略図である。 図9は積層ズレを示す概略図である。
符号の説明
2… 積層セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
6,8… 端子電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12… 内部電極層
12a… 電極層
20… キャリアシート(第1支持シート)
22… 剥離層
24… 余白パターン層
26… キャリアシート(第3支持シート)
28… 接着層
30… キャリアシート(第2支持シート)
40… 下金型
50… 搬送板
Un… 予備積層体
Uf… 最終積層体

Claims (10)

  1. 所定枚数のグリーンシートを積み重ねて予備積層体を得る工程と、
    前記予備積層体を乾燥させる工程と、
    乾燥後の予備積層体を積み重ねて最終積層体を得る工程と、
    前記最終積層体を切断してグリーンチップを形成する工程と、
    前記グリーンチップを焼成する工程とを有する
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 乾燥させる前の前記予備積層体の重量に対する乾燥後の予備積層体の重量の減少率が0.2〜1.0%である請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 乾燥後の予備積層体を積み重ねる際に、既に積み重ねてある予備積層体に対して、0.1MPa以上の圧力で押しつけることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 乾燥後の予備積層体を積み重ねる際に、既に積み重ねてある予備積層体に対して、50〜85°Cの温度条件下で押しつけることを特徴とする請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 10〜100枚数のグリーンシートを積み重ねて前記予備積層体を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 10〜100個の予備積層体を積み重ねて最終積層体を形成する請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 前記グリーンシートの表面には所定パターンの電極層が形成してある請求項1〜6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 乾燥後の予備積層体を、搬送板により搬送し、この搬送板を用いて、当該予備積層体を、既に積み重ねてある予備積層体に対して、0.1MPa以上の圧力で押しつけることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 前記最終積層体を、仮プレス装置により5MPa以上の圧力で仮プレスする請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記搬送板を用いて、当該予備積層体を、既に積み重ねてある予備積層体に対して、5MPa以上の圧力で押しつけることを特徴とする請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
JP2005096152A 2005-03-29 2005-03-29 積層セラミック電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP4720245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096152A JP4720245B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 積層セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005096152A JP4720245B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 積層セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006278764A true JP2006278764A (ja) 2006-10-12
JP4720245B2 JP4720245B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=37213201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005096152A Expired - Fee Related JP4720245B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 積層セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4720245B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008226941A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミックコンデンサの製造方法
JP2008251699A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
JP2012256647A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Tdk Corp 積層電子部品

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61253811A (ja) * 1985-05-04 1986-11-11 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサの製造方法
JPS6465821A (en) * 1987-09-07 1989-03-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd Manufacture of laminated ceramic condenser
JPH0721577A (ja) * 1993-07-01 1995-01-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd レンズクリーニング装置
JPH07122457A (ja) * 1993-10-26 1995-05-12 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH07240338A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Marcon Electron Co Ltd 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JPH0864461A (ja) * 1994-08-23 1996-03-08 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001143957A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP2001151570A (ja) * 1999-11-22 2001-06-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 耐還元性誘電体組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2003037021A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
JP2003347154A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Tdk Corp 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2004088675A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Tdk Corporation 内部電極用ペーストおよび電子部品の製造方法
WO2004087608A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Tdk Corporation 電極段差吸収用印刷ペーストおよび電子部品の製造方法
JP2004304000A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Tdk Corp 積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層セラミック電子部品用の積層体ユニット
WO2005017928A1 (ja) * 2003-07-09 2005-02-24 Tdk Corporation 積層セラミック部品およびその製造方法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61253811A (ja) * 1985-05-04 1986-11-11 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサの製造方法
JPS6465821A (en) * 1987-09-07 1989-03-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd Manufacture of laminated ceramic condenser
JPH0721577A (ja) * 1993-07-01 1995-01-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd レンズクリーニング装置
JPH07122457A (ja) * 1993-10-26 1995-05-12 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH07240338A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Marcon Electron Co Ltd 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JPH0864461A (ja) * 1994-08-23 1996-03-08 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001143957A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP2001151570A (ja) * 1999-11-22 2001-06-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 耐還元性誘電体組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2003037021A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
JP2003347154A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Tdk Corp 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2004088675A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Tdk Corporation 内部電極用ペーストおよび電子部品の製造方法
WO2004087608A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Tdk Corporation 電極段差吸収用印刷ペーストおよび電子部品の製造方法
JP2004304000A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Tdk Corp 積層セラミック電子部品用の積層体ユニットの製造方法および積層セラミック電子部品用の積層体ユニット
WO2005017928A1 (ja) * 2003-07-09 2005-02-24 Tdk Corporation 積層セラミック部品およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008226941A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミックコンデンサの製造方法
JP2008251699A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Tdk Corp 積層型電子部品の製造方法
JP2012256647A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Tdk Corp 積層電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4720245B2 (ja) 2011-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4299833B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび電子部品の製造方法
JP4894260B2 (ja) 内部電極用ペーストおよび電子部品の製造方法
JP4483508B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4354993B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP3831748B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP4275074B2 (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP2007273677A (ja) 内部電極用ペースト、積層型セラミック型電子部品、およびその製造方法。
JP5221059B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層セラミック電子部品の製造方法
JP4357531B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP5018154B2 (ja) 内部電極形成ペースト、積層型セラミック型電子部品、およびその製造方法
US7491283B2 (en) Production method of multilayer electronic device
JP5169316B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JPWO2005017928A1 (ja) 積層セラミック部品およびその製造方法
JP4720245B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4424306B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP2006083060A (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシート用塗料の製造方法、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP2007294886A (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP4268967B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP4784264B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP3808853B2 (ja) グリーンシート用塗料、グリーンシート、グリーンシートの製造方法および電子部品の製造方法
JP4506755B2 (ja) グリーンシート、グリーンシートの製造方法、および電子部品の製造方法
JP4858233B2 (ja) グリーンシート積層ユニット、電子部品の製造方法、および電子部品
WO2006126271A1 (ja) 内部電極を持つ電子部品の製造方法
JP4626455B2 (ja) 積層型電子部品の製造方法
JP2007258643A (ja) 積層型電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110321

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees