JP2006274020A - インクジェット記録用インクおよびインクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明のインクジェット記録用インクは保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供した。
【解決手段】 水、および少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料を含んでなるインクジェット記録用インクであって、上記顔料が、イエロー顔料としてPY74、マゼンタ顔料としてPV19、PR122、PR177およびPR254から選ばれる少なくとも一つ以上、またはシアン顔料としてPB15:1である、インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクに関する。
従来のインクジェット記録用インクとしては、色材として染料を用いたものが多く、顔料を用いたものも普及しはじめている。その顔料を用いたインクでは顔料を水に分散させる手段として界面活性剤を用いる方法(特許文献1参照)、疎水部と親水部を有する分散ポリマーを用いて分散させる方法(特許文献2参照)または、顔料の表面を高分子で被覆する方法も検討され、その例としては転相乳化反応や酸析法による方法が検討されている(特許文献3参照)。
特開平1−301760号公報 特公平5−064724号公報 特開平10−140065号公報
しかしながら、いずれも顔料を分散させる方法としてはスチレンを主な構成成分とするポリマーを用いるため定着性があまりなく、印刷物の長期の保存で黄変しやすかった。また、通常の場合、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、ポリマーの吸脱着が起こりやすくなり、インクの保存安定性が劣るという課題がある。従来の水性インクは紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要である。これらの物質を用いないインクでは紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
さらに、従来の顔料分散体に、たとえば、印字品質を向上させるための添加剤(アセチレングリコール、アセチレンアルコール、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルまたは1,2−アルキレングリコールまたはこれらの混合物)を用いると長期の保存安定性が得られず、顔料インクの場合、再溶解性が悪いためインクが乾燥してインクジェットヘッドのノズルで詰まりやすくなるという課題や、ヘッドを構成する物質に用いられる接着剤等の材料をアタックして接着強度を低下させて吐出安定性を悪くするなどの課題を有していた。
また、このような一般的な分散剤により分散された顔料は分散剤の残存物がインク系中に残り、分散剤が十分に分散に寄与せず顔料から脱離して粘度が高いものになってしまうという課題があった。粘度が高くなると顔料等の色材の添加量が制限され特に普通紙において十分な印字品質が得られないという課題もあった。
本発明のインクジェット記録用インクは、水、および少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料を含んでなるインクジェット記録用インクであって、上記顔料が、イエロー顔料としてPY74、マゼンタ顔料としてPV19、PR122、PR177およびPR254から選ばれる少なくとも一つ以上、またはシアン顔料としてPB15:1であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供するという効果を有する。
本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙および光沢紙上で高発色であり、光沢紙上では十分な光沢性に加えて定着性を有し、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れることなどの特性等が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果によるものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水、および少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料を含んでなるインクジェット記録用インクであって、上記顔料が、イエロー顔料としてPY74、マゼンタ顔料としてPV19、PR122、PR177およびPR254から選ばれる少なくとも一つ以上、またはシアン顔料としてPB15:1であることを特徴とする。
本発明において、ポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合されたものが好ましいが、ベンジルアクリレートは50重量%未満では定着性が低下してくるので好ましい範囲が50重量%以上であるが、50重量%未満の場合を否定するものではない。従って、50重量%以上が好ましいが、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。また、15重量%以下の(メタ)アクリル酸との重合が好ましいが、15重量%を超えるとインクジェットインクの普通紙での発色性が低下する傾向になる、しかし、15重量%を超える重合を否定するものではなく、より好ましい範囲は10重量%以下である。また、メタクリル酸とアクリル酸を比較した場合はアクリル酸を用いることが、定着性の観点からより好ましい。
さらに、本発明においては顔料を分散させるポリマーは重量平均分子量が、20000以上200000以下であることが好ましい。重量平均分子量が20000未満であると、インクジェットインクとしての長期保存安定性、熱安定性および定着性が悪くなり、200000を超えると、インクジェットインクとしての粘度が高くなり、分散安定性が悪くなる傾向があり、さらに吐出安定性が低下する傾向がある。
本発明のポリマーの重合の方法としては、溶媒として、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、グリコールエーテル系を用いることができる。しかし、水系の顔料分散であるため、後で前述の溶媒を除去可能なものであることが必要である。従って、そのような溶媒としては以下のようなものを用いることができる。前述のアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。前述のケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、前述のエーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。さらに、前述のグリコールエーテル系としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ等が挙げられる。
また、ポリマーを重合させるためのラジカル重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシオクトエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等、過硫酸カリ、過硫酸ソーダなどを用いることができるがそれらに限定されず、ラジカル重合可能なものであれば上述以外の開始剤を用いることもできる。ラジカル重合開始剤の使用量は、重合の際に使用されるモノマーに対し、0.01モル%以上5モル%以下が好ましい。前述の重合の温度は、特に、制約されるものではないが、通常、30〜100℃の範囲であり、好ましくは、40〜90℃の範囲である。重合の温度が余りに低いときは、モノマーの重合に長時間要する必要が生じ、場合によっては重合率が低下して多量のモノマーが残存するおそれがある。
本発明のインクが含むカラー顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153、180、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、202、209、219、254、C.I.ピグメントバイオレット19、23、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できるが、特にイエロー顔料に関してはPY74を用いることで耐光性、耐ガス性、高発色性に優れることから好ましい。またマゼンタ顔料についてはPV19、PR122、PR177若しくはPR254またはこれらの混合物を用いることで、高発色であるとともに光源依存性(メタメリズム)を抑えることが出来ることから好ましく、さらにシアン顔料についてはPB15:1を用いることで記録表面上のブロンズ現象を改善できることから好ましい。従ってこれらの顔料色材をインクセットとして用いることにより総合的な印刷品質の向上を図ることが出来る。なお普通紙上でのテキスト用モノクロ印刷にはカラー顔料の併用による記録も可能であるが、ブラック顔料を用いることも出来る。例えば黒色インク用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。
本発明において顔料としての添加量は、0.5〜30%が好ましいが、1.0〜12%がさらに好ましい。これ以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、またこれ以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
また、本発明のインクジェット記録用インクが、顔料として、例えばC.I.ブラック7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23等イエロー以外の顔料を含む場合は、平均粒径が20nm以上100nm以下、且つ50mgKOH/g以上80mgKOH/g以下の酸価を有するポリマーを用いて分散されることが、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する観点から好ましい。平均粒径が100nmを超えると光沢紙上での光沢が低下してくる。そのため粒径は100nm以下であることが好ましい。一方、顔料粒子を20nmより小さい平均粒径とすると耐光性が低下し記録物の発色劣化が顕著になるとともに、普通紙上での発色性が低下するため、平均粒径は20nm以上であることが好ましい。また、50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になる。80mgKOH/gを超える酸価では普通紙での発色性が低下してくる。より好ましい酸価は50mgKOH/g〜70mgKOH/gである。
また、本発明のインクジェット記録用インクが、顔料として、例えば、C.I.ピグメントイエロー55、74、79、93、109、110、120、128、138、139、150、151、155、156、175、180等のイエロー顔料を含む場合は、顔料の分散粒径は90nm以上110nm以下であることが好ましい。
平均粒径が90nm以上110nm以下であり、且つ50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有するポリマーを用いて分散されることにより、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供することができる観点から好ましい。平均粒径が90nm未満では耐光性が劣化し、110nmを超えると普通紙上での発色性が低下してくるが、耐光性・普通紙発色性の何れにも優れた品質を提供する平均粒径は90nm以上110nm以下に限定される。また50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になり、120mgKOH/gを超える酸価では普通紙上での発色性が低下してくる。
さらに、上記顔料の一次粒径が、イエロー顔料は30nm以上80nm以下、マゼンタ顔料は20nm以上70nm以下、シアン顔料は20nm以上70nm以下であることが好ましい。各カラー顔料の一次粒径が前記範囲内にあることで、前記分散粒径がその好適な範囲内になるからである。
また、本発明のインクは、イエロー顔料の分散粒径が、90nm以上110nm以下であり、且つ一次粒径が30nm以上80nm以下であることが好ましい。
また、本発明のインクは、マゼンタ顔料の分散粒径が、20nm以上100nm以下、且つ一次粒径が20nm以上70nm以下であるであることが好ましい。
また、本発明のインクは、シアン顔料の分散粒径が、20nm以上100nm以下であり、且つ一次粒径が20nm以上70nm以下であるであることが好ましい。
本発明で顔料の分散に用いるポリマーは、影響がない程度に市販のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等から選ばれた1種以上を組み合わせて使用することも可能である。しかし、少なくとも80%以上がアクリレートおよびアクリル酸の共重合によるポリマーであることが好ましい。そのアクリレートとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、N-ビニルピロリドン、イソボロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシエチル−3−フェノキシプロピルアクリレートなど市販のアクリレートを用いることができる。また、アクリル酸の代わりにω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマーなどを用いることができる。
また、本発明で用いるポリマーを用いた分散方法は顔料をポリマーが覆うように水中への転相乳化であることが好ましい。転相乳化法を用いることによって、インクが安定になり、普通紙の発色性が向上する。
また、本発明のインクは、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物および3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。その添加量は、0.05〜1重量%が好ましい。0.05重量%未満では普通紙でのにじみが多くなり、また1重量%を超えるとインクジェットインクとしての保存安定性が悪くなり、長期の保存が難しくなるからである。より好ましくは0.1重量%以上0.7重量%以下である。
上記2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物は市販され、日信化学株式会社製のサーフィノール104、サーフィノール82、サーフィノール2502、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールEOO、アセチレノールE40、アセチレノールE100などとして手に入れることができる。
また、本発明のインクは、1、2−アルキレングリコールを含んでなることが好ましい。1,2−アルキレングリコールの中でも1,2−ヘキサンジオールおよび/または4−メチル−1,2−ペンタンジオールが特に好ましく、これらを用いることでインクジェットインクの吐出安定性が向上し、普通紙に印刷したときのにじみが低減する。
また、本発明のインクは、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジ(トリ)エチレングリコールモノペンチルエーテルおよびジ(トリ)エチレングリコールモノヘキシルエーテルから選ばれた1種以上を含んでなることが好ましい。これらグリコールエーテル類を用いることで、インクジェット方式で普通紙に印刷したときのにじみがさらに低減し、印字品質が向上する。
また、本発明のインクは、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを含んでなることが好ましい。2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールをさらに用いることで光沢紙上での光沢性が向上し、普通紙上での発色性が向上する。
また、本発明におけるポリマーはカルボキシル基を有しているが、その対イオンとしてはトリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを含んでなることが好ましい。トリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを用いることで、乾燥状態であってもインクジェットインクの目詰まりが起こりにくくなる。
また、同様にインクジェットの目詰まりが起こりにくくするために、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、四糖、五糖および六糖から選ばれた1種以上を含んでなることが好ましい。中でも、トリメチロールプロパンが好ましく、その添加量は、1〜20重量%であることが好ましい。
また、本発明のインクは、さらに必要に応じて分散剤、表面張力調整剤又は浸透剤(界面活性剤)、湿潤乾燥防止剤、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、防錆剤、保湿剤、その他の添加剤を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明のインクの製造方法としては、例えば、本発明のインクジェットインク用ポリマー組成物、水性媒体、水酸化ナトリウム等のアルカリ等を高速攪拌により乳化し、さらに、顔料等を投入し、ディスパー等で強力に分散する方法等が挙げられる。さらに、必要に応じて、三本ロールミル等で分散し、得られた顔料スラリーを高圧分散機等で顔料を所定粒子径まで分散し、次いで得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去する方法等を行ってもよい。
前述の高圧分散機としては、特に限定されず、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、湿式ジェットミル(ジーナス社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)等が挙げられる。
前述の高圧分散機で分散する際の圧力は、所望とする顔料粒子径に到達できれば幾らでもよいが、100MPa〜300MPaが好ましい。100MPa未満では分散粒径が大きくなりやすく、分散に時間がかかったり、パス数を極端に多くしなければ安定した分散体になりにくく経済的でない。また、300MPaを超えると過分散になりやすく、分散体の安定性が得られにくい。なお、所望の顔料粒子径に到達できない場合は、前述の圧力の範囲で分散回数を増やしたり、圧力を上げたりして分散してもよい。
また、本発明のインクの製造方法には、重合が完了した前述のインクジェットインク用ポリマー組成物にアルカリ溶液が加えられて加熱され、その後、溶媒が除去され、イオン交換水等で置換されたインクジェットインク用ポリマー組成物溶液を使用してもよい。
さらに、重合が完了した前述のインクジェットインク用ポリマーを減圧蒸留によって溶媒を除去し、得られたインクジェットインク用ポリマーの固形物を粉砕し、イオン交換水、アルカリ溶液等を加えて加熱溶解して、得られたインクジェットインク用ポリマー溶液を使用してもよい。この場合、その後、得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去することは不要となる。
前述のアルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の第3級アルキルアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基等が挙げられる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
攪拌装置、還流管、温度計、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部をセパラブルフラスコに入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部、ベンジルアクリレート483.0重量部、アクリル酸50.4重量部及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8重量部を入れ、80℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下して反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.8重量部を加え、さらに80℃で1時間反応を行なった。その後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。そして、メチルエチルケトン600.0重量部を加え、樹脂固形分50%のポリマー組成物溶液を得た。このようにして得られたポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形物の酸価は65mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。
次に、このようにして作成されたポリマー組成物溶液120.0重量部に対して30%水酸化ナトリウム水溶液3.0重量部を加えて、高速ディスパーで5分間攪拌し、さらにシアン顔料C.I.PB15:1を480.0重量部加え、高速ディスパーで1時間攪拌し、顔料分散スラリーを得た。そして、その顔料分散スラリーを超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、みずほ工業株式会社製)により200MPaの圧力で10回連続して分散を繰り返し、顔料分散液を得た。
さらに、そのようにして得られた顔料分散液からエバポレーターを用いた減圧蒸留によりメチルエチルケトンおよび水の一部を留去し、遠心分離機(05P−21、日立製作所製)により30分5000rpmで遠心分離させた後、顔料濃度15重量%になるようにイオン交換水を添加して顔料分散体を調整した。そして、2.5μmのメンブレンフィルター(アドバンテック社製)を用いて加圧ろ過した。
その後、表2に示すインク組成1のインクジェット用インクを作成した。
アクリル酸50.4重量部に代えて、メタクリル酸を13.2部、アクリル酸を36.5重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例2のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は32000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸42.6重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例3のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は55mgKOH/gであり、重量平均分子量は48000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸77.5重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例4のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は100mgKOH/gであり、重量平均分子量は29000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸93.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例5のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は120mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。
顔料濃度25重量%のシアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例13のインクジェット用インクを作成した。
顔料濃度25重量%のシアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、実施例2と同様に行い、表2に示す組成例14のインクジェット用インクを作成した。
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例19のインクジェット用インクを作成した。
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、実施例2と同様に行い、表2に示す組成例20のインクジェット用インクを作成した。
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は実施例1と同様に行い、表2に示す組成例25のインクジェット用インクを作成した。
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は実施例2と同様に行い、表2に示す組成例26のインクジェット用インクを作成した。
(比較例1)
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸100.8重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例6のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は130mgKOH/gであり、重量平均分子量は29000であった。
(比較例2)
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸116.3重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例7のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は150mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。
(比較例3)
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸155.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例8のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は200mgKOH/gであり、重量平均分子量は29000であった。
(比較例4)
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8重量部に代えて、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)20.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例9のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は65mgKOH/gであり、重量平均分子量は10000であった。
(比較例5)
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8重量部に代えて、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)15.0重量部にした以外は、実施例2と同様に行い、表2に示す組成例10のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は18000であった。
(比較例6)
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8重量部に代えて、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)3.1重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例11のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は65mgKOH/gであり、重量平均分子量は140000であった。
(比較例7)
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸23.3重量部にした以外は、実施例1と同様に行い、表2に示す組成例12のインクジェット用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は30mgKOH/gであり、重量平均分子量は33000であった。
(比較例8)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、比較例1と同様に行い、表2に示す組成例15のインクジェット用インクを作成した。
(比較例9)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、比較例5と同様に行い、表2に示す組成例16のインクジェット用インクを作成した。
(比較例10)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、比較例6と同様に行い、表2に示す組成例17のインクジェット用インクを作成した。
(比較例11)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、ブラック顔料C.I.PBk7の480.0重量部に変えた以外は、比較例7と同様に行い、表2に示す組成例18のインクジェット用インクを作成した。
(比較例12)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、比較例1と同様に行い、表2に示す組成例21のインクジェット用インクを作成した。
(比較例13)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、比較例5と同様に行い、表2に示す組成例22のインクジェット用インクを作成した。
(比較例14)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、比較例6と同様に行い、表2に示す組成例23のインクジェット用インクを作成した。
(比較例15)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、マゼンタ顔料C.I.PR122の480.0重量部に変えた以外は、比較例7と同様に行い、表2に示す組成例24のインクジェット用インクを作成した。
(比較例16)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は比較例1と同様に行い、表2に示す組成例27のインクジェット用インクを作成した。
(比較例17)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は比較例5と同様に行い、表2に示す組成例28のインクジェット用インクを作成した。
(比較例18)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は比較例6と同様に行い、表2に示す組成例29のインクジェット用インクを作成した。
(比較例19)
シアン顔料C.I.PB15:1の480.0重量部を、イエロー顔料C.I.PY74の480.0重量部に変えた以外は比較例7と同様に行い、表2に示す組成例30のインクジェット用インクを作成した。
(評価試験1:普通紙上でのにじみの評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜19に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)を用い、XeroxP紙に(富士ゼロックス社製)にマイクロソフト社のワードによりフォントがMS明朝、スタイルが標準、サイズが8において「書」の文字を印刷し、試験体を得た。印字モードは用紙:普通紙、印字品質:スーパーファイン、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。そして拡大写真をとり、文字がつながる部分がまったくないものをA、1箇所つながるものをB、2箇所つながるものをC、3箇所以上つながるものをDとして評価した。その結果を表1に示す。
(評価試験2:普通紙発色性の評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜19に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)を用い、XeroxP紙に(富士ゼロックス社製)にベタ印字し、試験体を得る。印字モードは用紙:普通紙、印字品質:スーパーファイン、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。そして、GRETAGMACBETH SPECTROSCANSP50(Gretag社(米国)製)を用いて各色のOD値を測定することによる。結果はOD値の値として表1に示す。
(評価試験3:光沢度の評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜19に係るインクジェットインクを、インクジェットプリンター(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)で写真用紙<光沢>(セイコーエプソン株式会社製)にベタ印字し、試験体を得た。印字モードは用紙:フォトプリント紙、印字品質:フォト、色補正:なし、印字方向:双方向で行なった。この試験体の20度光沢を、光沢計(HG−268、スガ試験機株式会社製)で測定した。その結果を表1に示す。
(評価試験4:分散性の評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜19に係るインクジェットインク中の粒子の平均粒径をレーザー粒径解析装置(ゼータサイザー3000、マルバーン社(英国)製)で、また顔料粒子の一次粒径を透過型電子顕微鏡(JEM−1230、日本電子社製)で測定した。その結果を表1に示す。
(評価試験5:保存安定性の評価方法)
実施例1〜11及び比較例1〜19に用いたインクジェットインク用顔料分散体の初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、ローリングボール式粘度計(AMVn、アントンパール(ドイツ国)社製)で測定した。その結果を、保存安定性:70℃で1週間静置した後の粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)の値として表1に示す。
尚、表1には、インクジェットインクを製造した際に用いたモノマー組成、重合開始剤及び顔料並びに、インクジェットインク組成も示す。
Figure 2006274020
Figure 2006274020
尚、表1〜表2において示す略号は以下の通りである。
BZA:ベンジルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BPEH:t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)
PBk7:C.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)
PB15:1:C.I.ピグメントブルー15:1(トリクロロフタロシアニン)
PV19:C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン)
PY74:C.I.ピグメントイエロー74(縮合アゾ顔料)
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
PGmBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
1、2−HD:1、2−ヘキサンジオール
表1及び表2の結果からわかるように、実施例1〜11に係るインクジェットインクを用いた場合は評価試験1〜5何れも良好な結果であるが比較例1〜19に係るインクジェットインクを用いた場合は、評価試験1〜5何れかまたは複数の項目で良好な結果にならない。

Claims (9)

  1. 水、および少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料を含んでなるインクジェット記録用インクであって、上記顔料が、イエロー顔料としてPY74、マゼンタ顔料としてPV19、PR122、PR177およびPR254から選ばれる少なくとも一つ以上、またはシアン顔料としてPB15:1である、インク。
  2. 前記イエロー顔料の分散粒径が、90nm以上110nm以下であり、且つ一次粒径が30nm以上80nm以下である、請求項1に記載のインク。
  3. 前記マゼンタ顔料の分散粒径が、20nm以上100nm以下、且つ一次粒径が20nm以上70nm以下である、請求項1または2に記載のインク。
  4. 前記シアン顔料の分散粒径が、20nm以上100nm以下であり、且つ一次粒径が20nm以上70nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のインク。
  5. 2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールおよび2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上を0.05重量%以上1重量%以下含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 1、2−アルキレングリコールを含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルおよび(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれた1種以上を含んでなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを含んでなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  9. 少なくともイエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクを有するインクセットであって、上記インク各々が、水、および少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料を含んでなり、且つ上記イエローインクが含む顔料がPY74であり、マゼンタインクが含む顔料がPV19、PR122、PR177およびPR254から選ばれる少なくとも一つ以上であり、シアンインクが含む顔料がPB15:1である、インクセット。
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