JP2007099914A - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性および吐出安定性・信頼性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と、光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】水と、少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50mgKOH/g以上120mgKOH/g以下の酸価を有する、重量平均分子量20000以上120000以下のポリマーを用いて分散された顔料とを含むインクから少なくともなり、1)0.5〜15重量%の、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、2)5〜30重量%の、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類と、を少なくとも含んでなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性および吐出安定性・信頼性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と、光沢紙での高い光沢性を併せ持つ、インクジェット記録用インクに関する。
従来のインクジェット記録用インクとしては、色材として染料を用いたものが多いが、近年、顔料を用いたものも普及しはじめている。特に近年は、インクジェット記録装置を用いていわゆる写真画質の記録物を作成し、これを室内外等に掲示することも徐々に普及しつつあり、この点に於いて、顔料を色材とするインクを用いた場合は、染料を色材としたものに比べて、耐光性や耐ガス性、また耐水性等の様々な耐候性に優れた印刷画像を得る事ができる、という利点を有する。
顔料を用いたインクでは、顔料を水に分散させる手段として、界面活性剤を用いる方法(特許文献1参照)、疎水部と親水部を有する分散ポリマーを用いる方法(特許文献2参照)が知られている。また、顔料の表面を高分子で被覆する方法も検討され、その例としては転相乳化反応や酸析法による方法が挙げられる(特許文献3参照)。
しかしながら、いずれも顔料を分散させる方法としてはスチレンを主な構成成分とするポリマーを用いるため定着性があまり良くなく、印刷物の長期の保存で黄変しやすいという課題があった。また、通常の場合、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が存在すると、吸脱着が起こりやすくなり保存安定性が劣るが、従来の水性インクは紙に対するにじみを低減させるため、界面活性剤やグリコールエーテル等の親水部と疎水部を有する物質が必要であり、これらの物質を用いないインクでは紙に対する浸透性が不十分となり、均一な印字を行なうためには紙種が制限され、印字画像の低下を引き起こしやすくなるという課題があった。
さらに、従来の分散体に例えば印字品質を向上させるための添加剤(アセチレングリコール、アセチレンアルコール、シリコン系界面活性剤、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルまたは1,2−アルキレングリコールまたはこれらの混合物)を用いると長期の保存安定性が得られず、顔料インクの場合、再溶解性が悪いためインクが乾燥してインクジェットヘッドのノズルで詰まりやすくなるという課題や、ヘッドを構成する物質に用いられる接着剤等の材料をアタックして接着強度を低下させ吐出信頼性の低下を招き、最悪の場合、吐出不能に至るといった課題を有していた。
特に顔料インクでは、色材は分散しているだけで溶解しないことから、吐出安定性・信頼性の確保は染料インク以上に重要な項目であり、中でも印刷品質と吐出安定性の両立という点で、従来より様々な方法が提供されてきた。具体的には、分散樹脂の酸基の60モル%以上をアルカリ性の中和剤で中和された樹脂を用いる方法(特許文献4、5参照)、アセチレングリコール型界面活性剤とアルコール化合物を用いる方法(特許文献6、7参照)、顔料表面に化学的に結合している官能基と、イオン性モノマーと疎水性モノマーの共重合体との反応物を含み、更にアルキレンオキシ鎖を持つ(メタ)アルキル酸エステルからなるポリマーを含む方法(特許文献8)などが挙げられる。しかしながら、これらの方法は、溶剤の選択によっては分散剤の分散性を阻害し、インク組成物の保存安定性を低下させる場合があり、また、光沢紙上での光沢性に関しては何れの文献でも記載が無く、実際、光沢性と吐出安定性の両立を図るという点では十分でなかった。
また、前述のような一般的な分散剤により分散された顔料は分散剤の残存物がインク系中に残り、分散剤が十分に分散に寄与せず顔料から脱離して粘度が高いものになってしまうという課題があった。粘度が高くなると顔料等の色材の添加量が制限され特に普通紙において十分な印字品質が得られないという課題もあった。
また、インクの溶剤のみについては、1,2−アルキレングリコールとグリコールエーテル類を含むインクに関し、更にノニオン性界面活性剤と組み合わせる事で普通紙への滲みが少なく両面可能を可能とする方法が提供されている(特許文献9)が、当該文献に於いては添加量および吐出安定性の課題に関する記載がなく、実際、添加量によっては吐出安定性の低下につながる場合があった。
特開平01−301760号公報 特開平06−306317号公報 特開平10−140065号公報 特開平08−183920号公報 特開平09−040895号公報 特開平04−239068号公報 特開平06−322307号公報 特開2004−300370号公報 特開2005−154548号公報
本発明は、上述した課題を解決するものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水と、少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50〜120mgKOH/gの酸価を有する重量平均分子量20000〜120000のポリマーを用いて分散された顔料とを含むインクから少なくともなり、 1)0.5〜15重量%の、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、2)5〜30重量%の、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類と、を少なくとも含んでなることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持ち、且つ、高い吐出安定性と吐出信頼性を有し、良好な印刷物を安定的に得る事を可能とするインクジェット記録用インクを提供するという効果を有する。
本発明のインクジェット記録用インクは、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙および光沢紙上で高発色であり、光沢紙上では十分な光沢性に加えて定着性を有し、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性に優れることなどの特性等が要求されていることに鑑み、鋭意検討した結果によるものである。
本発明のインクジェット記録用インクは、水と、少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50〜120mgKOH/gの酸価を有する、重量平均分子量20000〜120000のポリマーを用いて分散された顔料とを含んでなることを特徴とする。
本発明において、ポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと、15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合されたものが好ましい。ベンジルアクリレートは50重量%未満では定着性が低下してくるので、好ましい範囲が50重量%以上であるが、50重量%未満の場合を否定するものではない。ベンジルアクリレートは50重量%以上が好ましいが、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。また、15重量%以下の(メタ)アクリル酸との重合が好ましい。15重量%を超えるとインクジェットインクの普通紙での発色性が低下する傾向になるが、15重量%を超える重合を否定するものではなく、より好ましい範囲は10重量%以下である。また、メタクリル酸とアクリル酸を比較した場合はアクリル酸を用いることが、定着性の観点からより好ましい。
本発明において用いる顔料は、例えば黒色インク用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられるがインクジェット用としては比重が比較的低く水中で沈降しにくいカーボンブラックが好ましい。更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、153、180、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、202、209、219、254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。
本発明において顔料としての添加量は、0.5〜30重量%が好ましいが、1.0〜12重量%がさらに好ましい。0.5重量%以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、また30重量%以上の添加量では、インクの粘度増加や粘度特性に構造粘性が生じ、インクジェットヘッドからのインクの吐出安定性が悪くなる傾向になる。
本発明のインクジェット記録用インクの顔料が、例えばC.I.ブラック7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23ようなイエロー以外の顔料の場合は、平均粒径が90nm以下、且つ50mg〜80mgKOH/gの酸価を有するポリマーを用いて分散されることが、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する観点から好ましい。平均粒径が90nmを超えると光沢紙上での光沢が低下してくる。また、50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になる。さらに、80mgKOH/gを超える酸価では普通紙での発色性が低下してくる。より好ましい酸価は50〜70mgKOH/gである。
また、本発明のインクジェット記録用インクの顔料が、例えばC.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー79、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー175およびC.I.ピグメントイエロー180のようなイエローの顔料の場合は、平均粒径が20〜110nmであり、且つ50〜120mgKOH/gの酸価を有するポリマーを用いて分散されることが、保存安定性および吐出安定性に優れ、普通紙や光沢紙での高い発色性と光沢紙での高い光沢性を併せ持つインクジェット記録用インクを提供する観点から好ましい。平均粒径が20nm未満では耐光性が劣化し、110nmを超えると普通紙上での発色性が低下してくる。また50mgKOH/g未満の酸価では分散が不安定になり、120mgKOH/gを超える酸価では普通紙上での発色性が低下してくる。
本発明で顔料の分散に用いるポリマーは、影響がない程度に市販のスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等から選ばれた1種以上を組み合わせて使用することも可能である。しかし、少なくとも80%以上がアクリレートおよびアクリル酸の共重合によるポリマーであることが好ましい。そのアクリレートとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、N-ビニルピロリドン、イソボロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、2−ヒドロキシエチル−3−フェノキシプロピルアクリレートなど市販のアクリレートを用いることができる。また、アクリル酸の代わりにω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマーなどを用いることができる。
また、本発明で用いるポリマーを用いた分散方法は顔料をポリマーが覆うように水中への転相乳化であることが好ましい。転相乳化法を用いることによって、インクが安定になり、普通紙の発色性が向上する。
また、本発明において顔料を分散させるポリマーは、重量平均分子量が20000〜200000であることが好ましい。重量平均分子量が20000未満であると、インクジェットインクとしての長期保存安定性、熱安定性および定着性が悪くなり、200000を超えると、インクジェットインクとしての粘度が高くなり、分散安定性が悪くなる傾向があり、さらに吐出安定性が低下する傾向がある。
本発明のポリマーの重合方法としては、溶媒として、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、グリコールエーテル系を用いることができる。しかし、水系の顔料分散であるため、後で前述の溶媒を除去可能なものであることが必要である。従って、そのような溶媒としては以下のようなものを用いることができる。前述のアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。前述のケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、前述のエーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。さらに、前述のグリコールエーテル系としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルセロソルブ等が挙げられる。
また、ポリマーを重合させるためのラジカル重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシオクトエート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等、過硫酸カリ、過硫酸ソーダなどを用いることができるがそれらに限定されず、ラジカル重合可能なものであれば上述以外の開始剤を用いることもできる。ラジカル重合開始剤の使用量は、重合の際に使用されるモノマーに対し、0.01〜5モル%が好ましい。前述の重合の温度は、特に、制約されるものではないが、通常、30〜100℃の範囲であり、好ましくは、40〜90℃の範囲である。重合の温度が余りに低いときは、モノマーの重合に長時間要する必要が生じ、場合によっては重合率が低下して多量のモノマーが残存するおそれがある。
また、本発明におけるポリマーはカルボキシル基を有しているが、その対イオンとしてはトリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを含んでなることが好ましい。トリエタノールアミンおよび/またはトリプロパノールアミンを用いることで、乾燥状態であってもインクの目詰まりが起こりにくくなる。
さらに、本発明のインクジェット記録用インクは、0.5〜15重量%で、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、5〜30重量%で、前述に該当するところの1,2−アルキレングリコールを除く、C10以下の多価アルコール類と、を併用することを特徴とする。
本発明に於いて、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールはインク滴の高速連続吐出時の吐出性に作用し、含有量を0.5〜15重量%とする事により安定的な吐出が確保される。0.5重量%より少ないと、高速連続吐出においてインク滴の重量が過多になり易く、ヘッド部におけるインクの供給不良に伴う吐出不安定を招いたり、またベタ印刷において滲みを招く場合がある。15重量%より多い場合は、インク滴の重量が小さくなり過ぎることによる吐出不安定を招くと共に、ベタ印刷が埋まらない(白スジ)、十分な発色性が得られない等、印刷品質の低下をも引き起こす原因となる。
本発明で用いるところのC4〜C10の1,2−アルキレングリコールとしては,具体的には、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等が挙げられ、1,2−ヘキサンジオールおよび4−メチル−1,2−ペンタンジオールであることがより好ましい。本発明の顔料を用い、さらにこれらを用いた場合にインクの吐出安定性向上と共に、普通紙印刷時の滲み低減の効果を得る事ができる。
更に本発明に於いて、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類は、比較的中低速な通常吐出や、間欠的なインク滴の吐出性に作用し、5〜30重量%とする事で安定的な吐出を実現する。含有量が少なすぎる場合にはインクが乾燥しやすく、ごく短時間印加しないだけでインクがノズル部で固化し吐出不良を起こす原因となる。また多すぎる場合には、インクの固化は起こらないが、僅かな水分の蒸発で容易に粘度が上昇して飛行曲がりを起こし、吐出不良を招く。本発明者らは、この現象が、前述の1,2−アルキレングリコールと組み合わせて使用する場合に顕著に起こる事、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類の含有量が5〜30重量%の範囲において、良好な吐出安定性を確保できる事、を見出した。
本発明で用いるところの前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類としては、具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1−ブトキシエトキシプロパノール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を挙げられ、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンがより好ましい。
更に本発明に於いては、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類の含有量の和が6〜40重量%の範囲にあることが好ましい。インクジェットプリンタをしばらく使用しなかった場合に、6重量%より少ないとインクの水分蒸発が進行し、乾燥によるノズル部での目詰りが起こり易く、40重量%より多いとインクの粘度上昇による吐出不安定が起こり易くなるため、上記範囲にあることが望ましい。
また、前記1,2−アルキレングリコールと多価アルコール類の含有比率は、1:50〜1:1.5の範囲にあることが好ましい。1:50よりも多価アルコール類の比率が高いと1,2−アルキレングリコール添加の効果である、高速連続吐出時の吐出安定性を十分得る事ができず、また1:1.5よりも低くなるとインクの乾燥が進みやすくなり、間欠吐出や目詰り回復性に影響するため、上記範囲にあることが望ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、別の態様として、更にR1O−(Cm2mO)n−R2(mおよびnは1以上の整数で、m×n≦10、R1およびR2はC8以下のアルキル基で、R1とR2は同じでも異なっていても良い)で表されるグリコールエーテル類を0.5〜15重量%含んでなる事が好ましい。上述したとおり、1,2−アルキレングリコールとグリコールエーテル類を含むインクに関しては、特許文献9において、更にノニオン性界面活性剤と組み合わせる事で普通紙への滲みが少なく両面可能を可能とする方法が提供されているが、当該文献に於いては添加量および吐出安定性の課題に関する記載がなく、実際、添加量によっては吐出安定性の低下につながる場合があった。すなわち、本発明のインクジェット記録用インクに於いては、前記1,2−アルキレングリコールの添加量を前述の通りとし、且つ、前記グリコールエーテル類の添加量を0.5〜15重量%とする事で安定したインク吐出が確保されるものである。前記グリコールエーテル類は、比較的中低速な通常吐出におけるインク吐出安定性に作用し、少なすぎる場合には通常吐出におけるインク重量が不安定でばらつき易くなる傾向があり、また多すぎる場合には、滲みやブリードなどの印刷品質への影響がある事から、上記範囲内で使用することが望ましい。なお、本発明のインクジェット記録用インクに用いられるグリコールエーテル類は、好ましいものとして、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジ(トリ)エチレングリコールモノペンチルエーテルおよびジ(トリ)エチレングリコールモノヘキシルエーテルから選ばれた1種以上が挙げられる。本発明の顔料と、これらを組み合わせる事で、吐出安定性の向上の他、普通紙印刷時の滲み低減の効果を得る事ができ、印字品質が向上する。更に、特に好ましいものとして、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルおよび(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。
また、本発明のインクジェット記録用インクに於いては、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、前記グリコールエーテル類の含有比率が、10:1〜1:10の範囲にあることが好ましい。前記1,2−アルキレングリコールの含有比率が多過ぎる場合には、グリコールエーテル類を添加する事で得られる上述の効果が十分得られず、逆にグリコールエーテル類が多すぎると1,2−アルキレングリコールを含有する事によって得られる効果が十分得られなくなってしまうために、含有比率は上述の範囲とすることが望ましい。
更に、本発明のインクジェット記録用インクに於いては、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類と、R1O−(Cm2mO)n−R2(mおよびnは1以上の整数で、m×n≦10、R1およびR2はC8以下のアルキル基で、R1とR2は同じでも異なっていても良い)で表されるグリコールエーテル類の含有量の和が7〜40重量%の範囲にあることが好ましい。インクジェットプリンタをしばらく使用しなかった場合に、7重量%より少ないとインクの水分蒸発が進行し、乾燥によるノズル部での目詰りが起こり易く、40重量%より多いとインクの粘度上昇による吐出不安定が起こり易くなることから、上述の範囲にある事が望ましい。
また、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを含んでなることも好ましい。本発明の顔料を用い、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールをさらに用いることで光沢紙上での光沢性が向上し、普通紙上での発色性が向上する。
その他、本発明のインクジェット記録用インクにおいて、印刷品質及び保存安定性の向上を目的として、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物および3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上を含んでなることも好ましい。含有量は、少なすぎると普通紙での滲みが多くなり、逆に多すぎるとインクの保存安定性が低下し、インクの長保存に影響するため、0.05〜1重量%が好ましい。より好ましくは、0.1〜0.7重量%である。
2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールのアルキレンオキシド付加物は市販され、日信化学株式会社製のサーフィノール104、サーフィノール82、サーフィノール2502、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、川研ファインケミカル株式会社製のアセチレノールEOO、アセチレノールE40、アセチレノールE100などとして手に入れることができる。
また、本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェットヘッドの目詰まりを起こりにくくするために、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類の他、四糖、五糖および六糖から選ばれた1種以上を含んでも良い。
本発明では、さらに必要に応じて分散剤、表面張力調整剤又は浸透剤(界面活性剤)、湿潤乾燥防止剤、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤、防錆剤、保湿剤、その他の添加剤を用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明のインクジェット記録用インクの製造方法としては、例えば、本発明のインクジェット記録用インク用ポリマー組成物、水性媒体、水酸化ナトリウム等のアルカリ等を高速攪拌により乳化し、さらに、顔料等を投入し、ディスパー等で強力に分散する方法等が挙げられる。さらに、必要に応じて、三本ロールミル等で分散し、得られた顔料スラリーを高圧分散機等で顔料を所定粒子径まで分散し、次いで得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去する方法等を行ってもよい。
前述の高圧分散機としては、特に限定されず、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、湿式ジェットミル(ジーナス社)、ナノマイザー(ナノマイザー社)等が挙げられる。
前述の高圧分散機で分散する際の圧力は、所望とする顔料粒子径に到達できれば幾らでもよいが、100〜300MPaが好ましい。100MPa未満では分散粒径が大きくなりやすく、分散に時間がかかったり、パス数を極端に多くしなければ安定した分散体になりにくく経済的でない。また、300MPaを超えると過分散になりやすく、分散体の安定性が得られにくい。なお、所望の顔料粒子径に到達できない場合は、前述の圧力の範囲で分散回数を増やしたり、圧力を上げたりして分散してもよい。
また、本発明のインクジェット記録用インクの製造方法には、重合が完了した前述のインクジェット記録用インク用ポリマー組成物にアルカリ溶液が加えられて加熱され、その後、溶媒が除去され、イオン交換水等で置換されたインクジェット記録用インク用ポリマー組成物溶液を使用してもよい。
さらに、重合が完了した前述のインクジェット記録用インク用ポリマーを減圧蒸留によって溶媒を除去し、得られたインクジェットインク用ポリマーの固形物を粉砕し、イオン交換水、アルカリ溶液等を加えて加熱溶解して、得られたインクジェットインク用ポリマー溶液を使用してもよい。この場合、その後、得られた顔料分散液から有機溶剤等を除去することは不要となる。
前述のアルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の第3級アルキルアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基等が挙げられる。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変更は可能である。
攪拌装置、還流管、温度計、滴下ロートを備えた2000mlのセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、ジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部をセパラブルフラスコに入れて攪拌しながら80℃に昇温した。次いで、滴下ロートにジエチレングリコールモノメチルエーテル200.0重量部、ベンジルアクリレート483.0重量部、アクリル酸50.4重量部及びt−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)4.8重量部を入れ、80℃で4時間かけてセパラブルフラスコ中に滴下して反応させた。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)0.8重量部を加え、さらに80℃で1時間反応を行なった。その後、減圧蒸留によりジエチレングリコールモノメチルエーテルを除去した。そして、メチルエチルケトン600.0重量部を加え、樹脂固形分50%のポリマー組成物溶液を得た。このようにして得られたポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたポリマー組成物の固形物の酸価は65mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。
次に、このようにして作成されたポリマー組成物溶液120.0重量部に対して30%水酸化ナトリウム水溶液3.0重量部を加えて、高速ディスパーで5分間攪拌し、さらにCyanine Blue G−500pure−A(C.I.PB15:1;山陽色素株式会社製)480.0重量部を加えて、高速ディスパーで1時間攪拌し、顔料分散スラリーを得た。そして、その顔料分散スラリーを超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、みずほ工業株式会社製)により200MPaの圧力で10回連続して分散を繰り返し、顔料分散液を得た。
さらに、そのようにして得られた顔料分散液からエバポレーターを用いた減圧蒸留によりメチルエチルケトンおよび水の一部を留去し、遠心分離機(05P−21、日立製作所製)により30分5000rpmで遠心分離させた後、顔料濃度15重量%になるようにイオン交換水を添加して顔料分散体を調整した。そして、2.5μmのメンブレンフィルター(アドバンテック社製)を用いて加圧ろ過した。
その後、表3に示すインク組成例1のインクジェット記録用インクを作成した。
アクリル酸50.4重量部に代えて、メタクリル酸を13.2部、アクリル酸を36.5重量部にした以外は、実施例1と同様に行ない、表3に示す組成例2のインクジェット記録用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は60mgKOH/gであり、重量平均分子量は32000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸42.6重量部にした以外は、実施例1と同様に行ない、表3に示す組成例3のインクジェット記録用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は55mgKOH/gであり、重量平均分子量は48000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸77.5重量部にした以外は、実施例1と同様に行ない、表3に示す組成例4のインクジェット記録用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は100mgKOH/gであり、重量平均分子量は29000であった。
アクリル酸50.4重量部に代えて、アクリル酸93.0重量部にした以外は、実施例1と同様に行ない、表3に示す組成例4のインクジェット記録用インクを作成した。また、ポリマー組成物溶液の一部を取り、105℃の強熱乾燥機で1時間乾燥した後、得られたインクジェットインク用ポリマー組成物の固形物の酸価は120mgKOH/gであり、重量平均分子量は34000であった。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Pigment Violet GC227−A (C.I.PV19;山陽色素株式会社製) 480.0重量部を使用した以外は、実施例1と同様に行ない、表3に示す組成例8のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Pigment Violet GC227−A 480.0重量部を使用した以外は、実施例2と同様に行ない、表3に示す組成例9のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Pigment Violet GC227−A 480.0重量部を使用した以外は、実施例3と同様に行ない、表3に示す組成例10のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Pigment Violet GC227−A 480.0重量部を使用した以外は、実施例4と同様に行ない、表3に示す組成例11のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Fast Yellow 7413−A(C.I.PY74;山陽色素株式会社製)480.0重量部を使用した以外は実施例1と同様に行ない、表4に示す組成例14のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Fast Yellow 7413−A 480.0重量部を使用した以外は実施例2と同様に行ない、表4に示す組成例15のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Fast Yellow 7413−A 480.0重量部を使用した以外は実施例3と同様に行ない、表4に示す組成例16のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Fast Yellow 7413−A 480.0重量部を使用した以外は実施例4と同様に行ない、表4に示す組成例17のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、Fast Yellow 7413−A 480.0重量部を使用した以外は実施例5と同様に行ない、表4に示す組成例18のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、モナーク800(C.I.PBk7:Cabot製) 480.0重量部を使用した以外は、実施例1と同様に行ない、表4に示す組成例21のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、モナーク800 480.0重量部を使用した以外は実施例2と同様に行ない、表4に示す組成例22のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、モナーク800 480.0重量部を使用した以外は実施例3と同様に行ない、表4に示す組成例23のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、モナーク800 480.0重量部を使用した以外は実施例4と同様に行ない、表4に示す組成例24のインクジェット記録用インクを作成した。
Cyanine Blue G−500pure−A 480.0重量部に代えて、モナーク800 480.0重量部を使用した以外は実施例5と同様に行ない、表4に示す組成例25のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例1)
実施例2と同様の方法で、表3に示す組成例6のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例2)
実施例5と同様の方法で、表3に示す組成例7のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例3)
実施例6と同様の方法で、表3に示す組成例12のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例4)
実施例8と同様の方法で、表3に示す組成例13のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例5)
実施例10と同様の方法で、表4に示す組成例19のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例6)
実施例14と同様の方法で、表4に示す組成例20のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例7)
実施例15と同様の方法で、表4に示す組成例26のインクジェット記録用インクを作成した。
(比較例8)
実施例17と同様の方法で、表4に示す組成例27のインクジェット記録用インクを作成した。
(評価試験1:普通紙発色性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C、セイコーエプソン株式会社製)を用い、XeroxP紙に(富士ゼロックス社製)にベタ印字し、試験体を得た(印字モードは用紙:普通紙、印字品質:スーパーファイン、色補正:なし、印字方向:双方向)。そして、GRETAGMACBETH SPECTROSCAN SP50(Gretag社製)を用いて各色のOD(Optical Density)を測定した(測定条件は、光源:D50、視野角:2度)。結果をOD値として表1および表2に示す。
(評価試験2:光沢度の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C)でEPSON写真用紙(セイコーエプソン株式会社製)にベタ印字し、試験体を得た(印字モードは用紙:フォトプリント紙、印字品質:フォト、色補正:なし、印字方向:双方向)。この試験体の20度光沢を光沢計(HG−268、スガ試験機株V式会社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
(評価試験3:分散性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインク中粒子の平均粒子径を、レーザー粒径解析装置(ゼータサイザー3000、マルバーン社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
(評価試験4:保存安定性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインク用顔料分散体の初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、ローリングボール式粘度計(AMVn、アントンパール(ドイツ国)社製)で測定した。その結果を、保存安定性:70℃で1週間静置した後の粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)の値として表1および表2に示す。
尚、表1および表2には、インクを製造した際に用いたモノマー組成、重合開始剤及び使用顔料も示す。
(評価試験5:連続吐出安定性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C)を用い、A4判普通紙に1000枚の連続ベタ印字を行い、クリーニング動作を行なわずに連続で印刷できる枚数の平均値を求め、下記判定基準により評価した。結果を表3および表4に示す。
試験方法:
(1)印刷中、印刷不備(ドットの乱れ、抜け、曲り)が発生した段階で印刷を中断し、クリーニング動作を行い回復させる。回復に複数回のクリーニングを要した場合は、複数回のクリーニング動作を合わせて不備1回とみなす。
(2)インクカートリッジのインクエンドによる印刷の一時停止の場合、または明らかにインクエンドが原因と判断できる印刷不備の場合はノーカウントとし、速やかにインクカートリッジを交換して、印刷を再開させる。
判定: A‥‥平均連続印刷枚数が、80枚以上
B‥‥ 〃 40枚以上
C‥‥ 〃 20枚以上
D‥‥ 〃 20枚以下
(評価試験6:印字安定性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C)を用い、A4判普通紙に下記印刷パターンを用いて3000枚の連続印刷を行い、クリーニング動作を行なわずに連続で印刷できる枚数の平均値を求め、下記判定基準により評価した。結果を表3および表4に示す。
印刷パターン:
印加ドット数を、印刷範囲の最大印加可能ドット数の約12.5%になるように、半角英数および記号文字をランダムに配置したもの。なお、印加ドットは360DPI(DPI=Dot per Inch)用のものを用いた。
試験方法:
(1)印刷中、印刷不備(ドットの乱れ、抜け、曲り)が発生した段階で印刷を中断し、クリーニング動作を行い回復させる。回復に複数回のクリーニングを要した場合は、複数回のクリーニング動作を合わせて不備1回とみなす。
(2)インクカートリッジのインクエンドによる印刷の一時停止の場合、または明らかにインクエンドが原因と判断できる印刷不備の場合はノーカウントとし、速やかにインクカートリッジを交換して、印刷を再開させる。
判定: A‥‥平均連続印刷枚数が、600枚以上
B‥‥ 〃 300枚以上
C‥‥ 〃 150枚以上
D‥‥ 〃 150枚以下
(評価試験7:印刷品質(滲み)の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C)でEPSON写真用紙に、Green(Cyan+Yellow)、Red(Magenta+Yellow)、Blue(Cyan+Magenta)および、Blackのベタがそれぞれ隣接するような画像を印刷し、各々の隣接(境界)部を、下記判定基準により評価した。結果を表3および表4に示す。
判定: A‥‥境界部分がシャープで、非常に良好
B‥‥ 〃 はっきりしており、良好
C‥‥ 〃 はっきりとはしないが、実用上問題無い程度
D‥‥ 〃 くずれており、実用に耐えない
(評価試験8:目詰り回復性の評価)
実施例1〜19及び比較例1〜8に係るインクを、インクジェットプリンタ(EM−930C)に充填し、初期的に正常に吐出する事を確認の後、本体電源を切り、インクカートリッジを装填した状態のまま、40℃20%RH環境下に放置した。
2ヶ月後、プリンタを取出し、温度が常温にまで下がるのを待って電源を入れ、インクが正常に吐出するかを見た。また正常に吐出しない場合は、クリーニング回復動作を行い、正常に吐出するようになるまでの必要回数を求め、下記判定基準により評価した。結果を表3および表4に示す。
判定: A‥‥電源ON、またはクリーニング動作1回以内で正常に吐出。
B‥‥クリーニング動作2〜3回で正常に吐出。
C‥‥クリーニング動作4〜6回で正常に吐出。
D‥‥クリーニング動作6回行っても正常に吐出しない。
Figure 2007099914
Figure 2007099914
Figure 2007099914
Figure 2007099914
尚、表1〜表4において示す略号は以下の通りである。
BZA:ベンジルアクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BPEH:t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)
PB15:1:C.I.ピグメントブルー15:1(トリクロロフタロシアニン)
PV19:C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン)
PY74:C.I.ピグメントイエロー74(縮合アゾ顔料)
PBk7:C.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)
1、2−HD:1、2−ヘキサンジオール
4−m−1,2−PD:4−メチル−1,2−ペンタンジオール
TEG:トリエチレングリコール
DPG:ジプロピレングリコール
1,3−PD:1,3−プロパンジオール
TMP:トリメチロールプロパン
DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
PGmBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
DPGmBE:ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
BEPD:2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジーオール
表1〜表4に記載の結果からわかるように、実施例1〜19に係るインクジェット記録用インクを用いた場合は全ての試験の何れでも良好な結果であるが比較例1〜8に係るインクジェット記録用インクでは、評価試験の何れかまたは複数の項目で良好な結果を得る事ができない。

Claims (8)

  1. 水と、少なくともポリマーの構成成分として50重量%以上のベンジルアクリレートと15重量%以下の(メタ)アクリル酸とが重合され、50〜120mgKOH/gの酸価を有する重量平均分子量20000〜120000のポリマーを用いて分散された顔料と、を含むインクジェット記録用インクであって、
    1)0.5〜15重量%の、C4〜C10の1,2−アルキレングリコールと
    2)5〜30重量%の、前記1,2−アルキレングリコールを除くC10以下の多価アルコール類と
    を少なくとも含んでなる、インクジェット記録用インク。
  2. 前記1,2−アルキレングリコールと前記多価アルコール類の含有量の和が6〜40重量%である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記1,2−アルキレングリコールと前記多価アルコール類の含有比率が、1:50〜1:1.5の範囲である、請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 1O−(Cm2mO)n−R2(mおよびnは1以上の整数で、m×n≦10、R1およびR2はC8以下のアルキル基で、R1とR2は同じでも異なっていても良い)で表されるグリコールエーテル類を0.5〜15重量%含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記1,2−アルキレングリコールと前記グリコールエーテル類の含有比率が、10:1〜1:10の範囲である、請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記1,2−アルキレングリコールと前記多価アルコール類と前記グリコールエーテル類の含有量の和が7〜40重量%である、請求項4または5に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記グリコールエーテル類が、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルおよび(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテルから選ばれる1種以上である、請求項4〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを含んでなる、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
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