JP2004217916A - インクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク - Google Patents

インクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク Download PDF

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【課題】 被記録媒体上の高い着色画像濃度を兼備するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクを得る。
【解決手段】 顔料(A)と、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合単位を含み、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計が40〜80モル%であり、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が40〜90%であり、かつ、酸価85〜135のスチレン−アクリル系共重合体(B)と、塩基性物質(C)とを含有するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体、及び水性顔料分散体を含有するインクジェット記録用水性インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクに関する。
顔料を水性媒体に分散させるためのスチレン系共重合体やアクリル系共重合体については、例えば、共重合体を構成する単量体組成、グラフト構造やブロック構造の様な立体構造、マイクロカプセルの様な多層化構造等について盛んに研究されている。インクジェット記録用水性インクの様な水性顔料記録液を調製する際に用いられる水性顔料分散体は、特に盛んに研究されている。
従来から、この分野では、インクジェットノズルのオリフィス面に対するインク濡れ性(ヘッドからのインクの吐出持続性)等を向上させる手段として、顔料の分散剤に、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、或いはフェニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸フェニル系単量体、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸フェニルアルキル系単量体等の様な、分子の末端にベンゼン環を有するモノエチレン性不飽和単量体を必須成分として重合せしめた重合体を用いることが積極的に提案されている。
この様なインクジェット記録用水性インクの調製に用いる重合体としては、具体的には、例えば、ベンジル(メタ)アクリレートやフェニルエチル(メタ)アクリレートの様な(メタ)アクリル酸フェニルアルキル系単量体と(メタ)アクリル酸とを共重合せしめたアクリル系共重合体が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1には、具体的に、スチレン系単量体を含ませず、(メタ)アクリル酸フェニルアルキル系単量体が、40モル%弱となる様にして重合したアクリル系共重合体が記載されている。
しかしながら特許文献1に記載されている様なアクリル系共重合体を用いてインクジェット記録用水性インクを調製したのでは、被記録媒体上における優れた着色画像濃度は得られない。
また前記特許文献1とは別に、インクジェット記録用水性インクの調製に用いる重合体として、例えば、炭素原子数14〜20のアルキル基を有するモノアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルと(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体とを必須成分として、必要に応じてスチレン系単量体及び/又は(メタ)アクリル酸フェニル系単量体とを共重合せしめて得たアクリル系共重合体が知られている(特許文献2)。この特許文献2は、優れた着色画像濃度を示すインクジェット記録用水性インクの提供を目的とするものであり、スチレン系単量体を必要に応じて用いる単量体としており、そこには、全単量体に対するスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の合計の含有割合は、15重量%以上、好ましくは30〜70重量%のアクリル系共重合体が好適であることが記載されている。
この特許文献2には、より具体的に、例えば、スチレン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ステアリルメタクリレート=22/43/27/9(モル%)となる様に共重合せしめた四元共重合体等の様なスチレン−アクリル共重合体を含むインクジェット記録用水性インクが記載されている。この特許文献2には、スチレン系単量体が33モル%前後で、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体が67モル%前後となる様にして重合したアクリル系共重合体が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載されている様なスチレン−アクリル系共重合体を用いてインクジェット記録用水性インクを調製したのでは、やはり、被記録媒体上における優れた着色画像濃度は得られない。
即ち従来の技術は、いずれも、スチレン系単量体や(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合体からもたらされる技術的効果を同一視したものばかりであり、依然、スチレン−アクリル系共重合体のモノマー構成と性質との関係は充分に知られていない。スチレン−アクリル系共重合体が、これら各単量体の両方をどの様な含有割合で含有させ重合体とした場合に、どの様な特異的性質が発現するかについては、未だ詳しく検討されていないのが実状である。
つまり、特許文献1及び2の様な共重合体を用いた場合には、依然として、被記録媒体上の高い着色画像濃度を有するインクジェット記録用水性インクを調製することが出来ないという欠点があった。
特開平7−53841号公報(第8頁段落番号0054) 特開平2002−88285号公報(第4頁段落番号0025、同0031、第5頁段落番号0042、第6頁段落番号0047及び同0050)
本発明は、被記録媒体上の高い着色画像濃度を有するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インクを得ることを課題とする。
本発明者等は、共重合体の分子量や酸価を固定して、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体とを種種の含有割合となる様に振って各種のスチレン−アクリル系共重合体を製造し、これらから各々水性顔料分散体並びにインクジェット記録用水性インクを調製し、被記録媒体上の着色画像濃度について測定を行った。
その結果、インクジェット記録用水性インクの調製に用いるスチレン−アクリル系共重合体としては、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合単位を含み、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計の含有割合が一定の範囲にあるというだけでなく、それら合計に占めるスチレン系単量体の含有割合も限られた一定範囲であるスチレン−アクリル系共重合体が、被記録媒体上の高い着色画像濃度を有するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、顔料(A)と、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体と(メタ)アクリル酸とを重合せしめたスチレン−アクリル系共重合体(B)と、塩基性物質(C)とを含有するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体において、前記スチレン−アクリル系共重合体(B)として、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合単位を含み、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計が40〜80モル%であり、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が40〜90%であり、かつ、酸価85〜135のスチレン−アクリル系共重合体を用いることを特徴とする水性顔料分散体を提供する。
また、本発明は前記記載の水性顔料分散体を含有するインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明の水性顔料分散体は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が従来より多く40〜90%であるスチレン−アクリル系共重合体を含有しているので、インクジェット記録用水性インクを調製した際、被記録媒体上における高い着色画像濃度を得ることが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との両方を包含する技術用語である。同様に本発明におけるスチレン−アクリル系共重合体とは、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体と(メタ)アクリル酸とを必須成分として重合した共重合体を意味する技術用語である。水性媒体とは、水のみ又は水と水溶性有機溶剤との混合物で質量換算で60%以上の水を含有するものを言う。
本発明の水性顔料分散体とは、水性媒体中に、顔料(A)と、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体と(メタ)アクリル酸とを重合せしめた、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計が40〜80モル%であり、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が40〜90%であり、かつ、酸価85〜135のスチレン−アクリル系共重合体〔以下、共重合体(B)と略記する。〕と、塩基性物質(C)とを含有するものである。
本発明の水性顔料分散体において、その水性媒体に分散している粒子(以下、分散粒子と言う。)は、顔料(A)粒子と共重合体(B)粒子であっても良いが、顔料(A)が共重合体(B)により被覆された複合粒子の形態であっても良い。そして水性顔料分散体には、前記分散粒子が、平均分散粒径(メディアン径)が50〜200nmとなる様に分散している。
本発明の水性顔料分散体の調製に用いる顔料(A)は、有機顔料或いは無機顔料であり、公知慣用のものがいずれも使用出来る。
本発明における共重合体(B)は、スチレン系単量体と、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体と、(メタ)アクリル酸と、必要に応じてその他の共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体を共重合することにより容易に得ることが出来る。こうすることで、前記各単量体を重合単位として含有する共重合体(B)が得られる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−クロロスチレン等が挙げられるが、中でもスチレン又はα−メチルスチレンが本発明の技術的効果への寄与がより優れる点、容易に入手でき安価である点で好ましい。
(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体としては、例えば、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルが挙げられるが、中でもメタクリル酸ベンジルは本発明の技術的効果への寄与がより優れる点、容易に入手でき安価である点で好ましい。
(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸又はメタクリル酸が挙げられる。(メタ)アクリル酸は、電気的中性状態とアニオン状態の共存範囲を広く制御出来、入手のしやすさ、価格等の点で好ましい。
本発明における共重合体(B)は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計が40〜80モル%、好適には70〜80モル%のスチレン−アクリル系共重合体である。
また本発明における共重合体(B)は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が40〜90%、好適には50〜90%のスチレン−アクリル系共重合体である。
本発明における共重合体(B)としては、スチレン系単量体がスチレン、かつ(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体がメタクリル酸ベンジルであるスチレン−アクリル系共重合体であることが好ましく、なかでも、スチレンとメタクリル酸ベンジルとの合計モル数に対するスチレンのモル数が50〜90%のスチレン−アクリル系共重合体であることが最も好ましい。
スチレン系単量体の重合単位を含まず(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合単位を多く含有する共重合体は、着色画像の被記録媒体上への接着性を高めることを出来、単純接触による着色画像の表面擦過痕の発生防止には有効であるが、被記録媒体上の着色画像濃度を思った程は大きく改善することが出来ない。
一方、スチレン系単量体の重合単位を多く含有する共重合体は、着色画像のひび割れや、加重接触による着色画像自体の被記録媒体からの剥離が起こりやすいことから、通常、後記するその他の(メタ)アクリル酸エステル等と併用して用いられる。また、スチレン系単量体の重合単位を多く含有する共重合体は、プリンター等のインク吐出ノズル界面との相互作用により、吐出応答性が不充分となって、着色画像にかすれが生じたり、ノズル目詰まりを引き起こしたりすることがある。
共重合体(B)は、前記した含有割合の数値の範囲内で、単純接触及び加重接触どちらの場合においても問題がなく、被記録媒体上の着色画像濃度をより高めることが出来る。より具体的には、この範囲で被記録媒体として普通紙を対象とした場合に、高い着色画像濃度と良好な印字状態が兼備される。
共重合体(B)のスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計の含有割合と、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計に占めるスチレン系単量体の含有割合とを、各々前記した範囲することで、被記録媒体上における着色画像濃度を高めることが出来る。より具体的には、被記録媒体として普通紙を対象とした場合における着色画像濃度をより高められる点で好ましい。当業界においては、着色画像濃度が高いことを発色性に優れると言う場合もある。尚、被記録媒体上の着色画像は、着色樹脂皮膜からなるものである。
また本発明における共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸の重合単位を必須として含有するスチレン−アクリル系共重合体である。前記した通り、この重合単位は共重合体を水性媒体中へ分散させるために不可欠な重合単位であり、この重合単位により共重合体の水への親和性を高めることが出来、水性媒体への共重合体の分散性や水性顔料分散体とした際の分散粒子の分散安定性をより良好とすることが出来る。
共重合体(B)におけるスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数、この合計モル数に対するスチレン系単量体のモル%、併用したその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の種類や量及び共重合体の分子量等が一定の条件のもとでの対比では、共重合体(B)の酸価が小さすぎると分散粒子の分散安定性が低下する傾向にあり、逆に、共重合体(B)の酸価が大きすぎると着色画像の耐水性や着色画像濃度も低下する傾向があり、いずれも好ましくない。
この様な観点から共重合体(B)は、酸価が85〜135mgKOH/g、なかでも酸価85〜110mgKOH/gの範囲で、被記録媒体として普通紙を対象とした場合に、特に高い着色画像濃度が得られる点で、特に好ましい。ここで酸価とは、共重合体1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を意味する。共重合体(B)をこの様な酸価とするには、全重合単位中の(メタ)アクリル酸の重合単位の含有割合を、通常8〜25%、好適には10〜18%となる様にする。尚、ここでの%は質量基準である。(メタ)アクリル酸は、モル基準では15〜30モル%とすれば良い。
本発明における共重合体(B)が前記酸価にあることが、後記塩基性物質(C)にて中和した共重合体の水性媒体への分散性が良好で、水性顔料分散体とした際の分散粒子の分散安定性への寄与が顕著である。より具体的には、この水性顔料分散体は、インクジェット記録用水性インクの調製に適用した場合に、分散粒子の分散安定性が良好となるので好ましい。
共重合体(B)は、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体、(メタ)アクイル酸とを共重合せしめた共重合体であれば良いが、更に、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を併用して共重合せしめた共重合体であっても良い。
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラメチレンエーテルグルコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドのランダムポリマーグリコール又は同ブロックポリマーグリコールのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド−ポリテトラメチレンエーテルのランダムポリマーグリコール又は同ブロックポリマーグリコールのモノ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられるが、中でもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは共重合体のガラス転移温度の調整や共重合体の低粘度化が容易であり、容易に入手でき安価である点で好ましい。以下、ガラス転移温度はTgと言う。
共重合体(B)の全重合単位中の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合単位の含有割合は特に制限されないが、通常3〜20%、好適には5〜15%である。尚、ここでの%は質量基準である。水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、モル基準では3〜15モル%とすれば良い。
本発明における共重合体(B)は、Tgが、5〜90℃の範囲にあることが、前記分散性や分散安定性が良好で、またインクジェット記録用水性インクの調製に使用した場合の印字安定性が良く、着色画像の耐水性も良好な上、耐摩擦性、耐棒積み性等の画像保存性も良好となるので好ましい。ここで、共重合体(B)のTgは、各単量体のホモポリマーのTgから算術的に求められる計算値である。
本発明における共重合体(B)は、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体及び(メタ)アクリル酸を必須成分として、前二者の重合単位が前記した含有割合となる様にしかつ最後者が特定酸価となる含有割合となる様に、共重合せしめたスチレン−アクリル共重合体であるが、必要に応じて、例えば、前記したTgや酸価等の調整のために、前記水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体やこれらと共重合し得るその他のエチレン性不飽和単量体を更に併用することで、前記した単量体の重合単位とは異なる重合単位を含有する共重合体(B)とすることが出来る。この様な共重合体(B)も本発明の水性顔料分散体の調製に使用することが出来る。
前記した単量体と共重合し得るその他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の不飽和脂肪酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和脂肪酸アミド類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エーテル類;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセン、等の不飽和炭化水素類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、3−クロロプロピレン、等の不飽和ハロゲン化炭化水素類;4−ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、等のビニル置換複素環化合物類;前記例示単量体中のカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の活性水素を含有する置換基を含有する単量体とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等、エポキシド類との反応生成物;前記例示単量体中の水酸基、アミノ基等を含有する置換基を含有する単量体と酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸等のカルボン酸類との反応生成物等を挙げることが出来る。
本発明における共重合体(B)としては、前記した4種の各単量体の各重合単位の他に、炭素原子数14未満のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を共重合せしめた共重合体が好ましい。
前記炭素原子数14未満のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を共重合せしめた共重合体(B)は、炭素原子数14以上のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を共重合せしめた同様の共重合体(B)に比べて、Tgを高く設計することができ、着色画像皮膜の剛性をより高めることが出来、単純接触による着色画像の表面擦過痕の発生防止には有効である点で好ましい。
本発明における共重合体(B)の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、水性顔料分散体の粘度が低く、分散安定性も良好で、インクジェット記録用水性インクの調製に使用した場合に長期間安定した印字を行わせることが容易な点で、5,000〜100,000の範囲とすることが好ましく、10,000〜70,000の範囲とすることが特に好ましい。
本発明における共重合体(B)は、前記各単量体を前記各重合単位の含有割合となる様に、反応容器に仕込んで反応させることにより製造することが出来る。本発明においては、前記した各単量体の反応率等は略同一と考えて、各単量体の仕込割合を、各単量体の重合単位の質量換算の含有割合と見なすものとする。モル換算の場合も同様である。本発明における共重合体(B)は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来より公知の種々の反応方法によって合成することが出来る。この際には、公知慣用の重合開始剤や連鎖移動剤を併用することも出来る。
本発明における共重合体(B)は、(メタ)アクリル酸を共重合せしめた共重合体であるが、本発明の水性顔料分散体の調製に当たっては、そのカルボキシル基の少なくとも一部を後記塩基性物質(C)によってイオン化された形態とすることで、共重合体の水性媒体中への分散性や分散粒子の分散安定性を発現させる。イオン化されたカルボキシル基の最適割合は、通常30〜100%、特に70〜100%の範囲に設定されることが好ましい。このイオン化されたカルボキシル基の含有割合は、カルボキシル基と塩基性物質(C)のモル比を意味しているのではなく、解離平衡を考慮に入れたものである。カルボキシル基は、化学量論的に当量の強塩基性物質を用いても解離平衡によりイオン化された基(カルボキシラート基)の含有割合は100%未満であって、カルボキシラート基とカルボキシル基の混在状態である。
共重合体(B)におけるスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数、この合計モル数に対するスチレン系単量体のモル%、併用したその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の種類や量、共重合体の分子量及び酸価等が一定の条件のもとでの対比では、共重合体(B)中のカルボキシル基をイオン化させるための塩基性物質(C)の使用量が少ない程、着色画像の耐水性や着色画像濃度は向上する傾向にあるが、一方で、分散粒子の分散安定性が低下する傾向にある。従って、塩基性物質(C)の使用量は、用いる共重合体(B)の酸価と合わせて、これら特性がバランスする様に使用量を選択することが好ましい。
この様に、共重合体(B)のカルボキシル基の少なくとも一部をイオン化するために用いられる塩基性物質(C)としては、公知慣用のものがいずれも使用出来る。この様な塩基性化合物(C)としては、例えば、アンモニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン等の有機アミン、アルカリ金属水酸化物からなる群から選ばれる化合物が挙げられる。尚、本発明において、塩基性含窒素複素環化合物は、第三級アミンとする。
塩基性物質(C)で共重合体(B)のカルボキシル基の少なくとも一部をイオン化することにより、カルボキシラート基の対イオンは、アンモニウムイオン又はアルカリ金属イオンからなる群から選ばれるカチオンとなる。尚、本発明において塩基性化合物(C)として塩基性含窒素複素環化合物を用いた場合には、前記複素環化合物は、塩基性含窒素複素環化合物のプロトン化カチオンとなる。
塩基性物質(C)として、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの様なアルカリ金属水酸化物を用いた場合には、アンモニアや前記有機アミンを用いた場合に比べて、水性顔料分散体中の分散粒子の分散安定性が良好となるので好ましい。
アンモニアや前記有機アミンを用いた場合は、低温においてそれらが揮発性に優れるため、水性顔料分散体及び水性顔料記録液の被記録媒体上の着色画像の乾燥性や、インクジェット記録用水性インクの調製直後の吐出安定性に優れる。
しかしながら、一方でアンモニアや前記有機アミンは、長時間放置及び/又は高温雰囲気下で揮散するため、水性顔料分散体及びインクジェット記録用水性インク中の分散粒子の分散安定性が徐々に損なわれていき、分散粒子の沈降が観察される場合がある。この様な水性顔料分散体からそのままインクジェット記録用水性インクを調製した場合には、インク中の沈降した粒子がプリンターのノズルからのインク液滴の吐出不良を引き起こす原因となるので好ましくない。
本発明において最適な共重合体(B)は、塩基性物質(C)によりカルボキシル基の一部が中和された、カルボキシル基及びカルボキシラート基の両方を含有するスチレン−アクリル共重合体である。
本発明における共重合体(B)は、モノエチレン性不飽和単量体のみを重合して得られた線状の(リニアー)スチレン−アクリル系共重合体であることが、水性媒体への良好な分散性及び低粘度の水性顔料分散体を得る上では好ましい。しかしながら、前記特性を損なわない範囲において、共重合体(B)は必要ならば架橋部分を含有していても良い。共重合体(B)に架橋部分を含有させるには、前記その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸2,3−エポキシプロピルの様なエポキシ基を含有するモノエチレン性不飽和単量体や、ジビニルベンゼンの様な2以上のエチレン性不飽和二重結合を含有する単量体を、前記4種の必須のモノエチレン性不飽和単量体に極少量併用する様にして重合する。
エポキシ基を含有するモノエチレン性不飽和単量体の重合単位を含有する共重合体(B)の場合は、このエポキシ基を開環反応させて架橋を行う。エポキシ基の架橋に必要ならば硬化触媒を併用しても良い。
本発明の水性顔料分散体は、例えば、後記する様な1)〜4)の方法で製造することが出来る。
1)共重合体(B)と塩基性物質(C)とを含有する水性エマルジョンに顔料(A)を機械的に強制分散する水性顔料分散体の製造方法。
2)顔料(A)の存在下の水中で分散剤と塩基性物質(C)とを用いて前記した各単量体を重合させ共重合体(B)とし必要に応じて会合させる水性顔料分散体の製造方法。
3)顔料(A)と共重合体(B)と有機溶剤の混合物を、水と塩基性物質(C)を用いて徐徐に油相から水相に転相させてから脱溶剤する水性顔料分散体の製造方法。
4)顔料(A)と共重合体(B)と塩基性物質(C)と有機溶剤と水との均一混合物から脱溶剤を行い、酸性物質を加えて酸析し析出物を洗浄後、この析出物を塩基性物質(C)と共に水性媒体に分散させる水性顔料分散体の製造方法。
前記した通り、本発明の水性顔料分散体において、分散粒子は、顔料(A)と共重合体(B)との相互作用が強く働いているものの方が分散安定性性等の点で好ましく、前記方法3)及び4)により製造される水性顔料分散体は、前記方法1)及び2)により製造される水性顔料分散体に比べ、分散粒子の分散安定性が高いだけでなく、水性顔料分散体の粘度もより低くなるので好ましい。インクジェット記録方式では、ノズルからインク液滴を飛ばすためにはそれが低粘度であることが望まれることから、それを調製するための水性顔料分散体自体の粘度も低いことが好まれる。
本発明では、前記いずれの製造方法をとるにせよ、顔料(A)、共重合体(B)、塩基性物質(C)及び水性媒体からなる混合物を分散する工程を必須として含ませることが好ましい。この混合物には水溶性有機溶剤を含有させるのが好ましい。より具体的には、少なくとも顔料(A)、共重合体(B)、塩基性物質(C)、水溶性有機溶剤及び水からなる混合物を分散する工程(分散工程)を含ませることが好ましい。水に水溶性有機溶剤を併用することにより分散工程における液粘度を低下させることが出来る場合がある。
水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。これらの水溶性有機溶剤は、前記共重合体(B)溶液として用いられても良く、別途独立に分散工程中において前記混合物中に含有させても良い。
本発明の水性顔料分散体は、質量換算で、顔料(A)/共重合体(B)(不揮発分換算)=100/10〜100/100とするのが好ましい。最適には、質量換算で顔料(A)100部当たり、共重合体(B)の不揮発分20〜65部かつ水性媒体835〜880部となる様に、前記した原料を用いて製造することが出来る。
分散工程において用いることの出来る分散装置としては、既に公知の種々の方式による装置がいずれも使用出来、特に限定されるものではない。この様な分散装置としては、例えば、スチール、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌による剪断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する力を利用する方式、等の分散方式の分散装置を挙げることが出来る。
こうした分散工程を実施することで、共重合体(B)を含有する液媒体中に顔料(A)が分散した状態が形成される。またこうした分散工程において塩基性物質(C)をより多くの量用いることで、液媒体中に含有する共重合体(B)を分散状態から溶解状態とすることも出来る。
分散工程に引き続き、分散工程において有機溶剤を使用した場合に、これを除去する工程、所望の固形分濃度にするため余剰の水を除去する工程(蒸留工程)を実施することが出来る。本発明の水性顔料分散体としては有機溶剤を含まないものが臭気がなく、作業環境を良好と出来る点で好ましい。
本発明の水性顔料分散体は、分散到達レベル、分散所要時間及び分散安定性の全ての面で、より優れた特性を発揮させるに当たって、顔料(A)と共重合体(B)とは、より相互作用が強く働き分散していることが好ましい。
分散粒子の相互作用を高めるため、溶解状態にある共重合体(B)に顔料(A)表面を密着させる工程を、前記分散工程の後工程として組み込むことが好ましい。
溶解状態にある共重合体(B)を顔料(A)表面に密着させる工程としては、顔料(A)と塩基性物質(C)により溶解している共重合体(B)とを含有する液媒体を酸性化することにより、共重合体(B)中のアニオン性基を中和される前の官能基に戻して、共重合体(B)を析出させる工程(酸析工程)が好ましい。
酸析工程は、前記分散工程と必要に応じて実施される蒸留工程を経て得られた水性顔料分散体に塩酸、硫酸、酢酸等の酸性物質を加えて酸性化し、塩基性物質(C)と塩を形成することによって溶解状態にある共重合体(B)を顔料(A)粒子表面に析出させる工程である。この工程により、顔料(A)と共重合体(B)との相互作用を高めることが出来る。こうして相互作用を高めて得られた析出物を濾別後、より好ましくはその析出物を洗浄してから、再度塩基性物質(C)と共に水性媒体に分散させることで、より分散安定性に優れた水性顔料分散体とすることが出来る。
濾過工程は、顔料(A)と共重合体(B)との相互作用を高めて得られた析出物を濾別する工程である。この析出物は顔料(A)と共重合体(B)とからなる固形分である。この工程は前記した酸析工程後の固形分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、加圧濾過装置等により濾過する工程である。
洗浄工程は、前記濾過工程で濾別された析出物を洗浄濾過する工程であり、この工程を実施することにより、最終的に得られる水性顔料分散体に含有する無機塩類の低減又は除去が可能になる。市販の有機顔料は、無機塩類を多量に含有している場合があり、この様な有機顔料を用いて調製した水性顔料分散体から得られるインクジェット記録用水性インクは、それによるプリンターノズルの目詰まり等による吐出不良が起こり易い。しかしながら、前記洗浄工程を経た水性顔料分散体から水性顔料記録液を調製することで、この問題は解消される。
前記方法4)に従って水性顔料分散体を製造する場合には、市販の有機顔料に含有する無機塩類とその他の要因で混入してきた無機塩類とをこの洗浄工程で一括して低減又は除去出来ることから、その他の製造方法において前記同様の問題が発生した際に必要となる、有機顔料自体の事前洗浄を独立して行う必要がなく、単位操作がより簡便で済むという長所がある。
再分散工程は、前記酸析工程、濾過工程によって得られた固形分に塩基性物質(C)及び必要により水や添加物を加えて、再び水性顔料分散体とする工程である。この工程では、共重合体(B)中のイオン化したカルボキシル基の対イオンを分散工程で用いた塩基性物質(C)とは別の塩基性物質(C)に変更することが出来る。
酸析工程と再分散工程を必須の工程として、好ましくは濾過工程と洗浄工程をも含む製造方法で水性顔料分散体を製造すると、分散粒子として前記した様に顔料(A)と共重合体(B)との相互作用がより高まった状態を容易に形成させることができ、水性顔料分散体として、分散到達レベルや分散安定性等の物性面や耐溶剤性等の使用適性の面で、より優れた特性を発揮させることが出来る。
こうして得られた本発明の水性顔料分散体に、例えば、水性ポリウレタン、水性ポリエステル、水性アクリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂を添加することも出来る。ここで水性樹脂とは、界面活性剤等を含ませなくてもそれ自体で水性媒体中に分散しうる樹脂が好ましい。この様な水性ポリウレタンは、ジメチロールプロピオン酸とジオールと有機ジイソシアネートと必要に応じてジアミンを組み合わせて重付加反応させカルボキシル基含有ポリウレタンとしこれを前記した様な塩基性物質(C)で中和することで製造出来るし、水性ポリエステルは、トリメリット酸、ピロメリット酸、スルホコハク酸及びこれらの誘導体とジオールとジカルボン酸とを組み合わせてエステル化或いはエステル交換反応させカルボキシル基又はスルホ基含有ポリエステルとしこれを前記した様な塩基性物質(C)で中和することで製造出来るし、水性アクリルは、(メタ)アクリル酸をその他の共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体と共重合反応させカルボキシル基含有アクリル樹脂としこれを前記した様な塩基性物質(C)で中和することで製造出来る。
この水性樹脂の分散粒子は、平均分散粒径(メディアン径)10〜100nmの範囲でベースとなる前記水性顔料分散体中の分散粒子のそれよりも相対的に小さいものであることが好ましい。本発明の水性顔料分散体へのこれら水性樹脂の添加は、写真用紙の様なインクジェット専用紙における指触時の耐擦過性を向上させる効果がある。これら水性樹脂の中では、水性ポリウレタンが指触時の耐擦過性を向上させる効果がより大きいので好ましい。指触時の耐擦過性とは、被記録媒体上の着色画像を印字直後から一定時間毎に指で擦った時の色の滲み方を意味する。水性ポリウレタンの添加は、印字直後から印字10分後の耐擦過性の改良に効果的である。
こうした水性ポリウレタンとしては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエーテルエステル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン等が挙げられる。これらは前記した製造方法において、ジオールとして、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等対応する高分子ジオールを用いることにより容易に得られる。
前記した水性樹脂は、顔料(A)100部当たり不揮発分の質量換算で5〜30部となる様に本発明の水性顔料分散体に添加することが出来る。この水性樹脂は本発明の水性顔料分散体に添加してからインクジェット記録用水性インクを調製する様にしても良いが、本発明の水性顔料分散体からインクジェット記録用水性インクを調製してから、そこにこの水性樹脂を前記した量となる様に添加することも出来る。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、本発明の水性顔料分散体を含むものである。この様なインクジェット記録用水性インクは、質量換算による分散粒子含有率1〜10%となる様に水性顔料分散体を調製することが出来る。この際には、前記した分散粒子含有率を越える、濃厚な水性顔料分散体に対して必要に応じて水や水溶性有機溶剤を加えて、前記範囲で必要な分散粒子含有率となる様に希釈したり、湿潤剤、防かび剤、pH調節剤等の水性インクの調製に必要な各種添加剤を併用することが出来る。また得られたインクジェット記録用水性インクは、必要に応じてミクロフィルターにより濾過をすることにより、ノズル目詰まり等の極めて少なくすることが出来る。
また、吐出方式に応じて組成を適宜選択し調製することにより、本発明の水性顔料分散体から、ピエゾ方式でもサーマル方式でもいずれの方式にも対応出来るインクジェット記録用水性インクを得ることが出来る。本発明のインクジェット記録用水性インクは、公知慣用の被記録媒体への記録に使用することが出来る。この様な被記録媒体としては、例えば普通紙、樹脂コート紙、混抄紙、合成樹脂フィルム等が挙げられる。中でも、本発明のインクジェット記録用水性インクは、写真用紙の様なインクジェット専用紙においてより光沢の高い着色画像が得られるか、又は普通紙においてより鮮明な発色濃度が高い着色画像が得られる。特に被記録媒体の普通紙としては、針葉樹パルプを原料とした太い繊維を抄紙した普通紙が、この発色性の改良効果が最も大きい。
以下の合成例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、いずれも質量換算である。
[合成例1]
攪拌装置、滴下装置、温度センサー、及び上部に窒素導入装置を有する環流装置を取り付けた反応容器を有する自動重合反応装置〔重合試験機DSL−2AS型、轟産業(株)製〕の反応容器にメチルエチルケトン1,100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら80℃に昇温させた後、滴下装置よりメタクリル酸ブチル65部、アクリル酸ブチル222部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸138部、スチレン200部、メタクリル酸ベンジル300部及び「パーブチル(登録商標)O」〔有効成分ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル、日本油脂(株)製〕80部の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに同温度で15時間反応を継続させて、酸価90、Tg34℃、樹脂分47.6%のスチレン−アクリル系共重合体(B−1)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=45モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=53%〕。
[合成例2]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸ブチル87部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸138部、スチレン300部、メタクリル酸ベンジル400部及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価90、Tg74℃、樹脂分47.2%のスチレン−アクリル系共重合体(B−2)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=65モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=56%〕。
[合成例3]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸138部、スチレン400部、メタクリル酸ベンジル387部及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価90、Tg82℃、樹脂分47.1%のスチレン−アクリル系共重合体(B−3)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=73モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=64%〕。
[合成例4]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸138部、スチレン500部、メタクリル酸ベンジル287部及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価90、Tg87℃、樹脂分46.1%のスチレン−アクリル系共重合体(B−4)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=75モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=75%〕。
[合成例5]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつブチルアクリレート287部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸138部、スチレン400部、メタクリル酸ベンジル100部及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価90、Tg34℃、樹脂分46.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−5)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=50モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=87%〕。
[合成例6](特許文献2の製造例1)
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸ステアリル200部、メタクリル酸153部、スチレン150部、メタクリル酸ベンジル497部及び「パーブチル (登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価100、Tg67℃、樹脂分47.1%のスチレン−アクリル系共重合体(B−6)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=64モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=34%〕。
[合成例7]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸ブチル19部、アクリル酸ブチル207部、メタクリル酸199部、スチレン500部、及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、酸価130、Tg53℃、樹脂分48.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−7)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=51モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=100%〕。
[合成例8]
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸2−ヒドロキシエチル75部、メタクリル酸ブチル503部、アクリル酸ブチル23部、メタクリル酸199部、スチレン200部、及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、不揮発分を調製して酸価130、Tg53℃、樹脂分48.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−8)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=23モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=100%〕。
[合成例9](特許文献2の製造例4に相当する合成例)
メチルエチルケトン1,100部を用い、かつメタクリル酸ステアリル200部、メタクリル酸383部、スチレン150部、メタクリル酸ベンジル267部、及び「パーブチル(登録商標)O」80部の混合液を用いる以外は合成例1と同様の操作を行い、不揮発分を調製して酸価約250、Tg約83℃、樹脂分48.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−9)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=37モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=49%〕。
[合成例10](特許文献2の製造例7に相当する合成例)
メタクリル酸ステアリルに代えて同量のメタクリル酸ブチルを用いる以外は合成例6と同様の操作を行い、不揮発分を調製して酸価約100、Tg約63℃、樹脂分48.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−10)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=57モル%,スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和)=34%〕。
[合成例11]
スチレン40部とメタクリル酸ベンジル38.7部に代えて78.7部のメタクリル酸ベンジルを用いる以外は合成例3と同様の操作を行い、不揮発分を調製して酸価約90、Tg約64℃、樹脂分48.9%のスチレン−アクリル系共重合体(B−11)の溶液を得た〔スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%=67モル%〕。
これら各合成例1〜11で合成された共重合体(B−1)〜共重合体(B−11)の単量体組成を表1に、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%、スチレン系単量体のモル数/(スチレン系単量体のモル数と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体のモル数の和を表2に示した。
表1 各共重合体の単量体組成
Figure 2004217916
注)表1中のStはスチレン、BzMAはメタクリル酸ベンジル、BMAはメタクリル酸ブチル、BAはアクリル酸ブチル、HEMAはメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、MAAはメタクリル酸、StearylMAはメタクリル酸ステアリルを意味する。数字は、質量換算で全単量体を100部とした時の各単量体の部数を表している。
表2 各共重合体における特性パラメータ
Figure 2004217916
尚、表2中、St+BzMAは、共重合体に占めるスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル%を意味し、St/St+BzMAは、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数(%)を意味する。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を具体的に説明するものであり、実施の態様がこれにより限定されるものではない。
冷却用ジャケットを備えた混合槽に、合成例1で得た共重合体(B−1)、20%水酸化ナトリウム水溶液、水及びFastogen(登録商標) Super Magenta RY〔大日本インキ化学工業(株)製C.I.Pigment Red 122〕850部、顔料誘導体であるフタルイミドメチル化−3,10−ジクロロキナクリドン〔平均フタルイミドメチル基数1.4、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、顔料誘導体である3,10−ジクロロキナクリドンスルホン酸ナトリウム〔大日本インキ化学工業(株)製〕のスラリー1250部(固形分換算で100部)、メチルエチルケトン300部、水を仕込み、攪拌、混合した。ここでそれぞれの仕込量は、キナクリドン顔料(顔料誘導体込みの量)が1,000部、共重合体はキナクリドン顔料(顔料誘導体込みの量)に対して不揮発分で20%の比率となる量、20%水酸化ナトリウム水溶液はスチレン−アクリル系共重合体の酸価が100%中和される量、水は混合液の不揮発分を30%とするのに必要な量である。
混合液を直径0.3mmのジルコニアビーズを充填した分散装置〔SCミル SC100/32型、三井鉱山(株)製〕に通し、循環方式により4時間分散した。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下に保たれる様にした。
分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採り、次いで水10,000部で混合槽及び分散装置流路を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。希釈分散液をガラス製蒸留装置に入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を常圧蒸留で除いた。
メチルエチルケトンの除かれた分散液を冷却し、その後、攪拌しながら10%塩酸を滴下してpH4.5に調整したのち、固形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを容器に採り、スチレン−アクリル系共重合体の酸価が85%中和される量の20%水酸化カリウム水溶液と水を加え、分散攪拌機〔TKホモディスパ20型、特殊機化工業(株)製〕にて再度分散した。
この分散液に、純水を加えて不揮発分23%に調整した。この分散液を、遠心分離機〔50A−IV型、(株)佐久間製作所〕にて6000G、30分間かけて粗大粒子を除去したのち、純水を加えて不揮発分を調整し、不揮発分20%のマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体の分散粒子は、顔料が共重合体により被覆された複合粒子であった。
得られたマゼンタ色水性顔料分散体のpHは9.42、不揮発分20.0%、平均分散粒径(メディアン径)は136.9nmであった。粘度は6.40 mPa/sであった。この分散体は、ガラス容器中60℃10日間保存しても沈降物が全くなく、分散粒子の分散安定性には優れていた。
(ピエゾ方式インクジェットプリンタ用水性顔料記録液の適性評価)
特開平7−228808号公報記載の実施例1を参考にしてピエゾ方式インクジェットプリンタ用インクを調製した。インク組成を以下に示す。本インクを用いてインクジェットプリンターで幾つかの被記録媒体にベタ印字し、印字試験として、着色画像濃度(発色性)を測定した。
水性顔料分散体 36 部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10 部
ジエチレングリコール 15 部
サーフィノール465(エアプロダクツ社製) 0.8部
水 38.2部
被記録媒体としては普通紙を選択し、Canon(株)製Canon PBペーパー、Xerox社製Xerox4024、Hammermill社製CopyPlusの3種類を使用した。
着色画像濃度は、グレタグマクベス社製GRETAG(登録商標) D196を使用し、単一サンプルについて着色画像濃度を5点につき測定しそれらを平均した値である。この平均値を測定した結果として後記する表3に普通紙発色としてまとめた。この数字は、大きいほど発色性に優れていることを意味する。尚、Canon(株)製Canon PBペーパーについて同一ロット製品の5枚について印字を行い、5サンプルについて単一サンプル当たり前記と同様に各々着色画像濃度を5点につき測定して平均値を求めてみたが、前記単一サンプルについて5点測定した場合とほぼ同様な結果となったため、いずれの普通紙においても単一サンプルについて着色画像濃度を5点につき測定しそれらを平均する様にした。このインクは、ガラス容器中60℃10日間保存しても沈降物が全くなく、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ(50倍)にて普通紙のベタ印字部分を目視観察しても、印字表面にひび割れは観察されなかった。
共重合体を(B−1)から(B−2)に変更した以外は実施例1と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
共重合体を(B−1)から(B−3)に変更した以外は実施例1と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
共重合体を(B−1)から(B−4)に変更した以外は実施例1と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
顔料をFastogen(登録商標)Super Magenta RY〔大日本インキ化学工業(株)製C.I.Pigment Red 122〕からFastogen(登録商標) Magenta RTS〔日本インキ化学工業(株)製C.I.Pigment Red 122〕に、共重合体を(B−1)から(B−5)に変更した以外は実施例1と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。
得られたマゼンタ色水性顔料分散体のpHは9.24、不揮発分20.2%、平均分散粒径(メディアン径)は155.7nmであった。粘度は5.80mPa/sであった。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。
得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表2にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
[比較例1](特許文献2の実施例1に対応した比較例)
共重合体を(B−5)から(B−6)に変更した以外は実施例5と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。
得られたマゼンタ色水性顔料分散体のpHは9.24、不揮発分20.2%、平均分散粒径(メディアン径)は175.5nmであった。粘度は6.38mPa/sであった。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。
得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
[比較例2]
共重合体を(B−1)から(B−7)に変更した以外は実施例1と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。
得られたマゼンタ色水性顔料分散体のpHは9.43、不揮発分19.7%、平均分散粒径(メディアン径)は139.0nmであった。粘度は5.68mPa/sであった。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。
得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。また、ルーペ観察では、印字表面にひび割れが観察された。
[比較例3]
共重合体を(B−7)から(B−8)に変更した以外は実施例5と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。
得られたマゼンタ色水性顔料分散体のpHは9.20、不揮発分19.4%、平均分散粒径(メディアン径)は125.0nmであった。粘度は6.70mPa/sであった。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。
得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
[比較例4](特許文献2の比較例1に対応した比較例)
共重合体を(B−7)から(B−9)に変更した以外は実施例5と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
[比較例5](特許文献2の比較例4に対応した比較例)
共重合体を(B−7)から(B−10)に変更した以外は実施例5と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
[比較例6]
共重合体を(B−7)から(B−11)に変更した以外は実施例5と同様の操作でマゼンタ色水性顔料分散体を得た。この分散体は、実施例1の分散体と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。得られた分散体を実施例1と同様の方法でインクを調製し、印字試験した。結果は表3にまとめた。このインクは、実施例1と同様に、分散粒子の分散安定性には優れていた。ルーペ観察でも、印字表面にひび割れは観察されなかった。
表3 マゼンタ印字評価結果
Figure 2004217916
注)表中の印字状態とは、印字表面のルーペ観察の結果を意味する。
比較例のインクジェット記録用水性インクは、用いたスチレン−アクリル系共重合体が、本発明で規定する3つの指標のうち少なくとも一つが規定する数値範囲から逸脱するために、被記録媒体上の着色画像濃度が低いということがわかる。
前記実施例4で得られた水性顔料分散体100部(顔料分16.7%)に、ハイドラン(登録商標)AP−40F(大日本インキ化学工業(株)製水性のポリエステル系ポリウレタンの水分散体、平均分散粒径(メディアン径)8nm、不揮発分23%)4.4部を添加して、均一となる様に攪拌した。尚、このハイドラン(登録商標)AP−40Fの添加量は、水性顔料分散体中の顔料100部当たり、樹脂分にして6部に相当している。
ポリウレタンを含有しない水性顔料分散体に代えて、こうして得られたポリウレタンを含有する水性顔料分散体の同量を用いる以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録用水性インクを調製した。
こうして得られたインクジェット記録用水性インクで、実施例1と同様にして、Canon(株)製フォト光沢フィルムHG201にベタ印字を行い、印字から一定時間毎に指で擦って色の滲み方を観察し、耐擦過性を評価した。対比のために、実施例4のポリウレタンを含有しない水性顔料分散体から調製したインクジェット記録用水性インクでも同様に耐擦過性を評価し、これらの結果を合わせて表4に示した。
表4 耐擦過性の評価
Figure 2004217916
注)表中の耐擦過性の評価区分は次の通りである。
A:滲み無し、B:滲み無し、指に色が付く、C:うっすらと滲む、D:滲む、
E:激しく滲む
実施例6のポリウレタンを含むインクジェット記録用水性インクは、実施例4のポリウレタンを含まないインクジェット記録用水性インクに比べて、印字直後の耐擦過性に優れている。また、実施例4のポリウレタンを含まないインクジェット記録用水性インクは、印字から長時間経過しないと耐擦過性が向上しないが、実施例6のポリウレタンを含むインクジェット記録用水性インクは、印字から短時間経過するだけで耐擦過性が向上することがわかる。


Claims (6)

  1. 顔料(A)と、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体と(メタ)アクリル酸とを重合せしめたスチレン−アクリル系共重合体(B)と、塩基性物質(C)とを含有するインクジェット記録用水性インクのための水性顔料分散体において、前記スチレン−アクリル系共重合体(B)として、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体の重合単位を含み、
    スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計が40〜80モル%であり、
    スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が40〜90%であり、かつ、酸価85〜135のスチレン−アクリル系共重合体を用いることを特徴とする水性顔料分散体。
  2. スチレン−アクリル系共重合体が、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体との合計モル数に対するスチレン系単量体のモル数が50〜90%のスチレン−アクリル系共重合体である請求項1記載の水性顔料分散体。
  3. スチレン−アクリル系共重合体のスチレン系単量体がスチレンであり、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体がメタクリル酸ベンジルである請求項1または2記載の水性顔料分散体。
  4. スチレン−アクリル系共重合体として、酸価が85〜110のスチレン−アクリル系共重合体を用いる請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の水性顔料分散体。
  5. 更に水性ポリウレタンを含有する請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の水性顔料分散体。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の水性顔料分散体を含有するインクジェット記録用水性インク。

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