JP2006273293A - マスタシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】 周溝の切粉を良好に排出することができるマスタシリンダの提供。
【解決手段】 ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路58とを有する有底筒状のシリンダ本体15と、シリンダ本体15内に摺動可能に挿入され、シリンダ本体15との間で吐出路に液圧を供給する圧力室84を形成するピストン18と、シリンダ本体15に形成された周溝47内に設けられ内周がピストン18に摺接して補給路58と圧力室84との間を密封可能なシール部材56とを有しており、周溝47には、軸線方向の中間位置であってシール部材56の密封性に影響のない位置に切粉分断溝101が形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両のブレーキ装置にブレーキ液を供給するマスタシリンダに関する。
車両のブレーキ装置にブレーキ液を供給するマスタシリンダとして、シリンダのスリーブを廃止して有底筒状のシリンダ本体に直接ピストンを嵌挿させる構造のものがある(例えば特許文献1参照)。このようなマスタシリンダにおいては、シリンダ本体にブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを形成するとともに、ピストンをシリンダ本体内に挿入することでこれらピストンおよびシリンダ本体で吐出路に液圧を供給する圧力室を形成し、さらに、シリンダ本体に形成された周溝内にピストンに摺接するシール部材を設けて、シール部材で補給路と圧力室または外気との間を密封するようになっている。
特開2004−299568号公報
上記のマスタシリンダにおいては、シリンダのスリーブを廃止してシリンダ本体に直接ピストンを嵌挿させる構造とした結果、シリンダ本体の内周部にシール部材を配置するための周溝を切削加工で形成することが必要となっている。しかしながら、このような周溝の切削加工は切粉の排出が容易ではなく、加工後に切粉が周溝に残ってしまうことがあることから、切粉の除去作業に多くの工数が必要となり、この点で改善の余地を生じていた。
したがって、本発明は、周溝の切粉を良好に排出することができるマスタシリンダの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に摺動可能に挿入され、該シリンダ本体との間で前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、前記シリンダ本体内に形成された周溝内に設けられ内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室または外気との間を密封可能なシール部材とを有するマスタシリンダであって、前記周溝には、軸線方向の中間位置であって前記シール部材の密封性に影響のない位置に切粉分断溝が形成されていることを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記シール部材は、内周と外周とにリップを有するカップシールであって、前記切粉分断溝は、前記カップシールの外周リップの接触範囲外に形成されていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、周溝の軸線方向の中間位置に切粉分断溝が形成されているため、周溝の加工時にこの切粉分断溝によって切粉が分断され良好に周溝から排出されることになる。したがって、加工後に発生していた切粉除去のための工数を低減できる。また、切粉が分断されることで工具への負荷が軽くなり、高速加工が可能となることから、この点でも工数を低減できる。しかも、この切粉分断溝は、シール部材の密封性に影響のない位置に形成されているため、切粉分断溝を形成しても良好な密封性を確保できる。
請求項2に係る発明によれば、切粉分断溝が、内周と外周とにリップを有するカップシールの外周リップの接触範囲外に形成されているため、切粉分断溝を形成しても良好な密封性を確保できる。
本発明の一実施形態のマスタシリンダを図面を参照して説明する。
図1中符号11は、図示せぬブレーキブースタを介して導入されるブレーキペダルの操作量に応じた力でブレーキ液圧を発生させる本実施形態のマスタシリンダを示しており、このマスタシリンダ11には、その上側にブレーキ液を給排するリザーバ12が取り付けられている。
マスタシリンダ11は、底部13と筒部14とを有する有底筒状に一つの素材から加工されて形成されるとともに横方向に沿う姿勢で車両に配置されるシリンダ本体15と、このシリンダ本体15の開口部16側(図1における右側)に、シリンダ本体15の筒部14の軸線(以下、シリンダ軸と称す)に沿って摺動可能となるように挿入されるプライマリピストン(ピストン)18と、シリンダ本体15のプライマリピストン18よりも底部13側(図1における左側)に、シリンダ軸方向に沿って摺動可能となるように挿入されるセカンダリピストン(ピストン)19とを有するタンデムタイプのものである。
シリンダ本体15には、底部13の内側に、シリンダ軸方向に突出する係止突出部21が形成されている。また、シリンダ本体15には、筒部14の径方向(以下、シリンダ径方向と称す)外側に突出しかつシリンダ軸方向に並設される二カ所の取付台部22,23が筒部14の円周方向(以下、シリンダ円周方向と称す)における所定位置に一体に形成されており、取付台部22,23にリザーバ12を取り付けるための取付穴24,25が、互いにシリンダ円周方向における位置を一致させて形成されている。
シリンダ本体15の筒部14の取付台部22,23側には、ブレーキ液を図示せぬブレーキ装置に供給するための図示せぬブレーキ配管が取り付けられるセカンダリ吐出路(吐出路)26およびプライマリ吐出路(吐出路)27が形成されている。なお、これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、互いにシリンダ円周方向における位置を一致させた状態でシリンダ軸方向における位置をずらして形成されている。
シリンダ本体15の筒部14の底部13側には、セカンダリピストン19を摺動可能に嵌合させる摺動内径部30,31が底部13側から順に形成されており、シリンダ本体15の筒部14の開口部16側にも、プライマリピストン18を摺動可能に嵌合させる摺動内径部35,36が底部13側から順に形成されている。これら摺動内径部30,31,35,36は同軸同径とされている。
また、シリンダ本体15の筒部14には、摺動内径部30と底部13との間に、摺動内径部30,31と同軸でこれら摺動内径部30,31よりも大径の大径穴部40が形成されており、摺動内径部31と摺動内径部35との間にも、摺動内径部35,36と同軸でこれら摺動内径部35,36よりも大径の大径穴部41が形成されている。これら大径穴部40,41は同径とされている。
シリンダ本体15の筒部14の底部13側において、摺動内径部30のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝(周溝)43が形成されている。また、摺動内径部30,31の間には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状の開口溝44が形成されている。さらに、摺動内径部31のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝(周溝)45が形成されている。
シリンダ本体15の筒部14の開口部16側においても、摺動内径部35のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝(周溝)47が形成されている。また、摺動内径部35,36の間には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状の開口溝48が形成されている。さらに、摺動内径部36のシリンダ軸方向の中間位置には、シリンダ円周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状のシール周溝(周溝)49が形成されている。
シリンダ本体15の摺動内径部30のシール周溝43は、底部13側の取付穴24に近接して形成されており、このシール周溝43にピストンシール(シール部材,カップシール)51が嵌合されている。ピストンシール51は、その内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部13側に開口側を配置した状態でシール周溝43に取り付けられる。
シリンダ本体15の摺動内径部30,31間の開口溝44には、底部13側の取付穴24から穿設される連通穴52が開口している。ここで、この開口溝44と連通穴52とが、シリンダ本体15とリザーバ12とを連通可能に結ぶとともにリザーバ12に常時連通するセカンダリ補給路(補給路)53を主に構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部31のシール周溝45には、区画シール(シール部材)54が嵌合されている。この区画シール54もその内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、開口部16側に開口側を配置した状態でシール周溝45に取り付けられる。
シリンダ本体15の摺動内径部35のシール周溝47は、開口部16側の取付穴25に近接して形成されており、このシール周溝47にピストンシール(シール部材)56が嵌合されている。ピストンシール56は、その内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部13側に開口側を配置した状態でシール周溝47に取り付けられる。
シリンダ本体15の摺動内径部35,36間の開口溝48には、開口部16側の取付穴25から穿設される連通穴57が開口している。ここで、この開口溝48と連通穴57とが、シリンダ本体15とリザーバ12とを連通可能に結ぶとともにリザーバ12に常時連通するプライマリ補給路(補給路)58を主に構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部36のシール周溝49には、区画シール(シール部材)59が嵌合されている。この区画シール59もその内周と外周とにリップ部を有してC字状断面を有するカップシールであり、底部13側に開口側を配置した状態でシール周溝49に取り付けられる。
シリンダ本体15の底部13側に嵌合されるセカンダリピストン19は、円筒部61と、円筒部61の軸線方向における一側に形成された底部62とを有する有底円筒状をなしており、その円筒部61をシリンダ本体15の底部13側に配置した状態でシリンダ本体15の摺動内径部30,31に摺動可能に嵌合されている。また、円筒部61の底部62に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも径が若干小さい環状の段部64が形成されている。さらに、円筒部61の段部64には、その底部62側にシリンダ径方向に貫通するポート65が複数放射状に形成されている。
そして、セカンダリピストン19の底部62には、その径方向の中央位置にシリンダ軸線方向に沿ってプライマリピストン18側に突出する係止突出部66が形成されている。
ここで、シリンダ本体15の底部13および筒部14の主として大径穴部40とセカンダリピストン19とで囲まれた部分が、セカンダリ吐出路26に液圧を供給するセカンダリ圧力室(圧力室)68となっている。このセカンダリ圧力室68は、セカンダリピストン19がポート65を開口溝44に開口させる位置にあるとき、セカンダリ補給路53に連通する。シリンダ本体15の底部13側のシール周溝43に設けられたピストンシール51は、内周がセカンダリピストン19の外周側に摺接することになり、セカンダリピストン19がポート65をピストンシール51よりも底部13側に位置させた状態では、セカンダリ補給路53とセカンダリ圧力室68との間を密封可能、つまり、セカンダリ圧力室68と、セカンダリ補給路53およびリザーバ12との連通を遮断可能となっている。
ピストンシール51は、セカンダリ圧力室68の液圧がセカンダリ補給路53の液圧(つまり大気圧)より大きくなると、セカンダリ圧力室68とセカンダリ補給路53およびリザーバ12との連通を遮断する一方、セカンダリ圧力室68の液圧がセカンダリ補給路53の液圧より小さくなると、セカンダリ圧力室68とセカンダリ補給路53およびリザーバ12とを連通させてセカンダリ圧力室68への液補給を行う。
セカンダリピストン19とシリンダ本体15の底部13との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない初期状態でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング70を含む間隔調整部71が設けられている。
この間隔調整部71は、シリンダ本体15の底部13に当接するバネリテーナ72と、セカンダリピストン19の底部62に当接するバネリテーナ73と、バネリテーナ72に一端部が固定されるとともにバネリテーナ73を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材74とを有しており、セカンダリピストンスプリング70は、両側のバネリテーナ72,73間に介装されている。
この間隔調整部71は、一端側がバネリテーナ72の内側にシリンダ底部13の係止突出部21を配置することでシリンダ径方向に位置決めされており、他端側がセカンダリピストン19の円筒部61に嵌合されることでシリンダ径方向に位置決めされている。
シリンダ本体15の開口部16側に嵌合されるプライマリピストン18は、第1円筒部77と、第1円筒部77の軸線方向における一側に形成された底部78と、底部78の第1円筒部77に対し反対側に形成された第2円筒部79とを有する形状をなしており、その第1円筒部77をシリンダ本体15内のセカンダリピストン19側に配置した状態でシリンダ本体15の摺動内径部35,36に摺動可能に嵌合されている。ここで、第2円筒部79の内側には図示せぬブレーキブースタの出力軸が挿入され、この出力軸が底部78を押圧する。
第1円筒部77の底部78に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも径が若干小さい環状の凹部81が形成されている。さらに、第1円筒部77の凹部81には、その底部78側に径方向に貫通するポート82が複数放射状に形成されている。
ここで、シリンダ本体15の筒部14の主として大径穴部41とプライマリピストン18とセカンダリピストン19とで囲まれた部分が、プライマリ吐出路27に液圧を供給するプライマリ圧力室84(圧力室)となっている。このプライマリ圧力室84は、プライマリピストン18がポート82を開口溝48に開口させる位置にあるとき、プライマリ補給路58に連通する。シリンダ本体15のシール周溝47に設けられたピストンシール56は、内周がプライマリピストン18の外周側に摺接することになり、プライマリピストン18がポート82をピストンシール56よりも底部13側に位置させた状態では、プライマリ補給路58とプライマリ圧力室84との間を密封可能、つまり、プライマリ圧力室84と、プライマリ補給路58およびリザーバ12との連通を遮断可能となっている。
ピストンシール56は、プライマリ圧力室84の液圧がプライマリ補給路58の液圧(つまり大気圧)より高くなると、プライマリ圧力室84とプライマリ補給路58およびリザーバ12との連通を遮断する一方、プライマリ圧力室84の液圧がプライマリ補給路58の液圧より小さくなると、プライマリ圧力室84とプライマリ補給路58およびリザーバ12とを連通させてプライマリ圧力室84への液補給を行う。
シール周溝45に設けられた区画シール54は、セカンダリピストン19に摺接してセカンダリ圧力室68およびセカンダリ補給路53とプライマリ圧力室84との間を密閉させることになり、シール周溝49に設けられた区画シール59は、プライマリピストン18に摺接してプライマリ補給路58およびプライマリ圧力室84を外気に対し密閉させる。
セカンダリピストン19とプライマリピストン18との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない初期状態でこれらの間隔を決めるプライマリピストンスプリング87を含む間隔調整部88が設けられている。
この間隔調整部88は、セカンダリピストン19の底部62に当接するバネリテーナ89と、プライマリピストン18の底部78に当接するバネリテーナ90と、バネリテーナ89に一端部が固定されるとともにバネリテーナ90を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材91とを有しており、プライマリピストンスプリング87は、両側のバネリテーナ89,90間に介装されている。
この間隔調整部88は、一端側がバネリテーナ89の内側にセカンダリピストン19の係止突出部66を配置することでシリンダ径方向に位置決めされており、他端側がプライマリピストン18の第1円筒部77に嵌合されることでシリンダ径方向に位置決めされている。
シリンダ本体15の摺動内径部30におけるシール周溝43よりも大径穴部40側の部分には、シリンダ軸方向の一端側がシール周溝43内に開口するとともに他端側が大径穴部40内に開口する連通溝94が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝94は、大径穴部40に形成されたセカンダリ吐出路26とシール周溝43とをセカンダリ圧力室68を介して連通させるものである。この連通溝94は、摺動内径部30より小径であって摺動内径部30および大径穴部40の軸つまりシリンダ軸と平行な軸を中心とした円弧状をなしている。
同様に、シリンダ本体15の摺動内径部35におけるシール周溝47よりも大径穴部41側の部分には、シリンダ軸方向の一端側がシール周溝47内に開口するとともに他端側が大径穴部41内に開口する連通溝96が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝96は、大径穴部41に形成されたプライマリ吐出路27とシール周溝47とをプライマリ圧力室84を介して連通させるものである。この連通溝96も、摺動内径部35より小径であって摺動内径部35および大径穴部41の軸つまりシリンダ軸と平行な軸を中心とした円弧状をなしている。
そして、本実施形態においては、図2にも示すように、シール周溝43の軸線方向における開口溝44側(つまりセカンダリ補給路53側)の中間所定位置に切粉分断溝100が形成されており、シール周溝47の軸線方向における開口溝48側(つまりプライマリ補給路58側)の中間所定位置に切粉分断溝101が形成されている。同様に、シール周溝45の軸線方向における開口溝44側(つまりセカンダリ補給路53側)の中間所定位置に切粉分断溝102が形成されており、シール周溝49の軸線方向における開口溝48とは反対側の中間所定位置に切粉分断溝104が形成されている。
同様の構成のシール周溝43,47について、シール周溝47側を例にとり、図3〜図5を参照してさらに説明すると、シール周溝47は、シリンダ軸方向に直交する端面47aと、この端面47aの外径側と対向するように形成されたシリンダ軸方向に直交する端面47bと、この端面47bの内径側から径が小さくなるほど端面47aから離間するようにテーパ状に傾斜する面取面47cと、端面47aの外径側と端面47bの外径側とを結ぶようにシリンダ軸方向に沿って延在する円筒面状の溝底面47dとを有しており、溝底面47dの軸線方向の端面47a側の中間所定位置に円弧状に凹む切粉分断溝101がシリンダ周方向の全周にわたって形成されている。
シール周溝47に配置されるピストンシール56は、図4に示すように、円環状の基部56aと、基部56aの内周側から基部56aの軸線方向にほぼ沿って一側に延出する円環状の内周リップ部56bと、基部56aの外周側から内周リップ部56bと同側に延出する円環状の外周リップ部56cとを有しており、C字状断面をなしている。ピストンシール56は、内周リップ部56bにおいてプライマリピストン18の外周面に摺接することになり、外周リップ部56cにおいてシリンダ本体15のシール周溝47の溝底面47dに当接する。シール周溝47におけるピストンシール56の開口側つまり基部56aとは反対側に図3に示す面取面47cが形成されている。
そして、ピストンシール56は、内周リップ部56bの内側にプライマリピストン18が嵌合されると、内周リップ部56bがほぼ全長にわたって基部56aの軸線方向に沿う状態となってプライマリピストン18に対し摺動可能な状態で密着する。また、この状態で、基部56aはプライマリピストン18側に寄っており、外周リップ部56cはその基部56a側がシール周溝47の溝底面47dに対し離間し、基部56aに対し反対側がテーパ状に広がって溝底面47dに当接する。ピストンシール56にプライマリ圧力室84から液圧が加わって、基部56aがシール周溝47の端面47aに当接し、かつテーパ状に広がる外周リップ部56cが溝底面47dに最大限接触した状態となっても、ピストンシール56の外周リップ部56cよりも基部56a側となる位置(接触範囲外)に上記した切粉分断溝101が形成されている。つまり、ピストンシール56の密封性に影響のない位置に切粉分断溝101が形成されている。
このようなシール周溝47を形成する場合には、上記した溝底面47dの深さよりも深い位置まで図5に示すように端面47a,47b間の間隔よりも狭い切粉分断溝101をシリンダ周方向の全周にわたって形成し、その後、この切粉分断溝101よりも厚い切削長さを有する切削工具で、図3に示すように、端面47a,47b、面取面47cおよび溝底面47dをシリンダ周方向の全周にわたって形成することになる。
図6に示すシール周溝49も、上記と同様、シリンダ軸方向に直交する端面49aと、この端面49aの外径側と対向するように形成されたシリンダ軸方向に直交する端面49bと、この端面49bの内径側から径が小さくなるほど端面49aから離間するようにテーパ状に傾斜する面取面49cと、端面49aの外径側と端面49bの外径側とを結ぶようにシリンダ軸方向に沿って延在する円筒面状の溝底面49dとを有しており、溝底面49dの軸線方向の中間所定位置であって区画シール59の密封性に影響のない位置に円弧状に凹む切粉分断溝104がシリンダ周方向の全周にわたって形成されている。
図7に示すシール周溝45も、上記と同様、シリンダ軸方向に直交する端面45aと、この端面45aの外径側と対向するように形成されたシリンダ軸方向に直交する端面45bと、この端面45bの内径側から径が小さくなるほど端面45aから離間するようにテーパ状に傾斜する面取面45cと、端面45aの外径側と端面45bの外径側とを結ぶようにシリンダ軸方向に沿って延在する円筒面状の溝底面45dとを有しており、溝底面45dの軸線方向の中間所定位置であって区画シール54の密封性に影響のない位置に円弧状に凹む環状の切粉分断溝102が形成されている。
以上に述べた本実施形態のマスタシリンダ11によれば、シール周溝43,45,47,49の軸線方向の中間位置に切粉分断溝100〜104が形成されているため、シール周溝43,45,47,49の切削加工時に切粉分断溝100〜104のうちの対応するものによって切粉が分断され良好にシール周溝43,45,47,49から排出されることになる。したがって、加工後に発生していた切粉除去のための工数を低減できる。また、切粉が分断されることで工具への負荷が軽くなり、高速加工が可能となることから、この点でも工数を低減できる。しかも、切粉分断溝100〜104は、ピストンシール51,54,56,59の設けられるものに対し密封性に影響のない位置に形成されているため、切粉分断溝100〜104を形成しても良好な密封性を確保できる。
本発明の一実施形態のマスタシリンダを示すシリンダ軸方向に沿う縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシリンダ本体を示すシリンダ軸方向に沿う縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシリンダ本体のシール周溝47の近傍の部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシール周溝47の近傍の部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシリンダ本体の切粉分断溝の加工途中の状態を示す部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシリンダ本体のシール周溝49の近傍の部分拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態のマスタシリンダにおけるシリンダ本体のシール周溝45の近傍の部分拡大縦断面図である。
符号の説明
11 マスタシリンダ
12 リザーバ
15 シリンダ本体
18 プライマリピストン(ピストン)
19 セカンダリピストン(ピストン)
26 セカンダリ吐出路(吐出路)
27 プライマリ吐出路(吐出路)
43,45,47,49 シール周溝(周溝)
51,56 ピストンシール(シール部材)
54,59 区画シール(シール部材)
53 セカンダリ補給路(補給路)
58 プライマリ補給路(補給路)
68 セカンダリ圧力室(圧力室)
84 プライマリ圧力室(圧力室)

Claims (2)

  1. ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に摺動可能に挿入され、該シリンダ本体との間で前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、前記シリンダ本体内に形成された周溝内に設けられ内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室または外気との間を密封可能なシール部材とを有するマスタシリンダであって、
    前記周溝には、軸線方向の中間位置であって前記シール部材の密封性に影響のない位置に切粉分断溝が形成されていることを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 前記シール部材は、内周と外周とにリップを有するカップシールであって、前記切粉分断溝は、前記カップシールの外周リップの接触範囲外に形成されていることを特徴とする請求項1記載のマスタシリンダ。
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