JP2015193352A - マスタシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ液の補給性能を向上させることができるマスタシリンダの提供。
【解決手段】周溝32内に設けられるピストンシール45が、円環状の基部101と、基部101の内周側から突出する内周リップ部102と、基部101の外周側から突出する外周リップ部103と、基部101の内周リップ部102と外周リップ部103との間から突出する中間突出部104とを備え、周溝32の補給路48側の壁面89Aに、底面88A側の面部89aよりも凹む段差部93が周溝32の開口側に形成されており、段差部93は、ピストンシール45の中間突出部104の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のホイールシリンダへ液圧を供給するマスタシリンダに関する。
マスタシリンダには、ピストンが戻る際に生じる負圧によりピストンシールを変形させることで、ピストンシールとシリンダ本体との間に流路を形成してブレーキ液を圧力室に補給するものがある。このようなマスタシリンダにおいて、シリンダ本体のピストンシールが配置される周溝に段差を形成し、ピストンシールとシリンダ本体との間に流路を形成し易くしてブレーキ液の補給性能を向上させる技術がある(例えば特許文献1参照)。また、マスタシリンダには、基部と内周リップ部と外周リップ部と中間突出部とを有する断面E字状のピストンシールをシリンダ本体の周溝内に配設するものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2010−126091号公報 特開2006−123879号公報
断面E字状のピストンシールを用いる場合についても、ブレーキ液の補給性能を向上させることが望まれている。
本発明は、ブレーキ液の補給性能を向上させることができるマスタシリンダの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマスタシリンダは、シリンダ本体のピストンシールが設けられる周溝の補給路側の壁面に、前記周溝の底面側の面部よりも凹む段差部が前記周溝の開口側に形成されており、前記段差部が、ピストンシールの中間突出部の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成される構成とした。
本発明のマスタシリンダによれば、ブレーキ液の補給性能を向上させることができる。
本発明に係る一実施形態のマスタシリンダを示す断面図である。 同実施形態のマスタシリンダの要部を示す部分拡大断面図であってピストンが基本位置にある状態を示すものである。 同実施形態のマスタシリンダの要部を示す部分拡大断面図であってピストンが基本位置から前進した状態を示すものである。
本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す本実施形態のマスタシリンダ11は、図示略のブレーキペダルの操作量に応じた力が図示略のブレーキブースタから導入されるもので、ブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ液圧を発生させるものである。このマスタシリンダ11には、鉛直方向上側にブレーキ液を給排するリザーバ12(図1において一部のみ図示)が取り付けられている。なお、本実施形態においては、マスタシリンダ11に直接リザーバ12を取り付けているが、マスタシリンダ11から離間した位置にリザーバを配置し、リザーバとマスタシリンダ11とを配管で接続するようにしても良い。
マスタシリンダ11は、底部13と筒部14とを有する有底筒状に一つの素材から加工されて形成されるアルミニウム合金等の金属製のシリンダ本体15を有している。シリンダ本体15は、軸線方向が車両前後方向に沿う姿勢で車両に配置される。このシリンダ本体15の開口部16側には、金属製のプライマリピストン(ピストン)18が移動可能に配設されている。また、シリンダ本体15のプライマリピストン18よりも底部13側には、同じく金属製のセカンダリピストン(ピストン)19が移動可能に配設されている。プライマリピストン18には底面を有する内周孔21が形成されている。セカンダリピストン19には底面を有する内周孔22が形成されている。マスタシリンダ11は、いわゆるプランジャ型のものとなっている。また、マスタシリンダ11は、上記したように2つのプライマリピストン18およびセカンダリピストン19を有するタンデムタイプのマスタシリンダとなっている。なお、本発明は、上記タンデムタイプのマスタシリンダへの適用に限られるものではなく、プランジャ型のマスタシリンダであれば、シリンダ本体に1つのピストンを配したシングルタイプのマスタシリンダや、3つ以上のピストンを有するマスタシリンダ等のいかなるプランジャ型のマスタシリンダにも適用できるものである。
シリンダ本体15には、筒部14の径方向(以下、シリンダ径方向と称す)の外側に突出する取付台部23が筒部14の円周方向(以下、シリンダ周方向と称す)における所定位置に一体に形成されている。この取付台部23には、リザーバ12を取り付けるための取付穴24および取付穴25が形成されている。なお、本実施形態においては、取付穴24および取付穴25は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態で、シリンダ本体15の筒部14の中心軸線(以下、シリンダ軸と称す)の方向における位置をずらして鉛直方向上部に形成されている。
シリンダ本体15の筒部14の取付台部23側には、底部13の近傍にセカンダリ吐出路(吐出路)26が形成されている。また、セカンダリ吐出路26よりもシリンダ本体15の開口部16側にプライマリ吐出路(吐出路)27が形成されている。これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、図示は略すが、ブレーキ配管を介してディスクブレーキやドラムブレーキ等のホイールシリンダに連通しており、ホイールシリンダに向けてブレーキ液を吐出、すなわち、液圧を供給する。なお、本実施形態においては、これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態でシリンダ軸方向における位置をずらして形成されている。
セカンダリピストン19は、シリンダ本体15の筒部14の底部13側の内周部に形成された摺動内径部28に摺動可能に嵌合され、摺動内径部28で案内されてシリンダ軸方向に移動する。プライマリピストン18は、シリンダ本体15の筒部14の開口部16側の内周部に形成された摺動内径部29に摺動可能に嵌合され、摺動内径部29で案内されてシリンダ軸方向に移動する。
摺動内径部28には、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝30、周溝31が底部13側からこの順に形成されている。また、摺動内径部29にも、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝32、周溝33が底部13側からこの順に形成されている。これら周溝30〜33は、シリンダ周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状をなしており、いずれも切削加工により形成されている。
周溝30〜33のうち最も底部13側にある周溝30は、取付穴24および取付穴25のうちの底部13側の取付穴24の近傍に形成されている。この周溝30内には、周溝30に保持されるように、円環状のピストンシール35が配置されている。
シリンダ本体15の摺動内径部28における周溝30よりも開口部16側には、底部13側の取付穴24から穿設される連通穴36を筒部14内に開口させるように、シリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝37が形成されている。ここで、この開口溝37と連通穴36とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ12に常時連通するセカンダリ補給路(補給路)38を構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部28の周溝30よりも底部13側には、周溝30に開口するとともに周溝30からシリンダ軸方向に直線状に底部13側に向け延出する図示略の連通溝が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝は、底部13と周溝30との間であって底部13の近傍となる位置に形成されたセカンダリ吐出路26と周溝30とを後述のセカンダリ圧力室68を介して連通させるものである。
シリンダ本体15の摺動内径部28には、シリンダ軸線方向における上記開口溝37の周溝30に対し反対側つまりシリンダ本体15の開口部16側に、上記周溝31が形成されている。この周溝31内には、周溝31に保持されるように、円環状の区画シール42が配置されている。
シリンダ本体15の摺動内径部29には、開口部16側の取付穴25の近傍に、上記した周溝32が形成されている。この周溝32内には、周溝32に保持されるように、円環状のピストンシール45が配置されている。
シリンダ本体15の摺動内径部29における周溝32よりも開口部16側には、開口部16側の取付穴25から穿設される連通穴46を筒部14内に開口させるように、シリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝47が形成されている。ここで、この開口溝47と連通穴46とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ12に常時連通するプライマリ補給路(補給路)48を主に構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部29の周溝32よりも底部13側には、周溝32に開口するとともに周溝32からシリンダ軸方向に直線状に底部13側に向け延出する図示略の連通溝が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝は、摺動内径部28と摺動内径部29との間に配置されたプライマリ吐出路27と、周溝32とを後述するプライマリ圧力室85を介して連通させるものである。
シリンダ本体15の摺動内径部29における上記開口溝47の周溝32に対し反対側つまりシリンダ本体15の開口部16側に周溝33が形成されている。この周溝33内には、周溝33に保持されるように、円環状の区画シール52が配置されている。
シリンダ本体15の底部13側に配置されるセカンダリピストン19は、第1円筒状部55と、第1円筒状部55の軸線方向における一側に形成された底部56と、底部56の第1円筒状部55とは反対側に形成された第2円筒状部57とを有している。上記内周孔22は、これらのうちの第1円筒状部55と底部56とにより形成されている。セカンダリピストン19は、第1円筒状部55をシリンダ本体15の底部13側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部28に設けられたピストンシール35および区画シール42のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合される。
第1円筒状部55の底部56に対し反対側の端側外周部には、セカンダリピストン19において最も大径の最大外径面58よりも径方向内方に凹む形状をなす環状の凹部59が形成されている。この凹部59には、その底部56側にシリンダ径方向に貫通するポート60が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とシリンダ本体15の底部13との間には、図示略のブレーキブースタから入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング62を含む間隔調整部63が設けられている。この間隔調整部63は、シリンダ本体15の底部13に当接する係止部材64と、この係止部材64に所定範囲内でのみ摺動するように連結されてセカンダリピストン19の底部56に当接する係止部材65とを有している。上記セカンダリピストンスプリング62は、係止部材64と係止部材65との間に介装されている。
ここで、シリンダ本体15の底部13および筒部14の底部13側とセカンダリピストン19とで囲まれて形成される部分が、ブレーキ液圧を発生してセカンダリ吐出路26にブレーキ液圧を供給するセカンダリ圧力室(圧力室)68となっている。このセカンダリ圧力室68は、セカンダリピストン19がポート60を開口溝37に開口させる位置にあるとき、セカンダリ補給路38つまりリザーバ12に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝31に保持される区画シール42は、合成ゴムからなる一体成形品であり、その中心線を含む面での断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール42は、内周が、シリンダ軸方向に移動するセカンダリピストン19の外周に摺接するとともに、外周がシリンダ本体15の周溝31に当接する。これにより、区画シール42は、セカンダリピストン19およびシリンダ本体15の区画シール42の位置の隙間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝30に保持されるピストンシール35は、EPDM等の合成ゴムからなる一体成形品であり、その中心線を含む面での断面の片側形状がE字状をなしている。ピストンシール35の内周は、シリンダ軸方向に移動するセカンダリピストン19の外周に摺接する。また、ピストンシール35の外周は、シリンダ本体15の周溝30に当接する。このピストンシール35は、セカンダリピストン19がポート60をピストンシール35よりも底部13側に位置させた状態では、セカンダリ補給路38とセカンダリ圧力室68との間を密封できるようになっている。つまり、ピストンシール35は、セカンダリ圧力室68と、セカンダリ補給路38およびリザーバ12との連通を遮断することが可能となっている。この密封状態で、セカンダリピストン19が、シリンダ本体15の摺動内径部28およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール35および区画シール42の内周で摺動して底部13側に移動することによって、セカンダリ圧力室68内のブレーキ液が加圧される。セカンダリ圧力室68内で加圧されたブレーキ液は、セカンダリ吐出路26から車輪側のホイールシリンダに供給されることになる。
図示略のブレーキブースタから入力がなく上述のセカンダリピストン19が図1に示すようにポート60を開口溝37に開口させる基本位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール35は、上記セカンダリピストン19の凹部59内でポート60にその一部が重なるようになっている。そして、セカンダリピストン19がシリンダ本体15の底部13側へ移動してピストンシール35の内周部がポート60に全て重なると、セカンダリ圧力室68とリザーバ12との連通が遮断されるようになっている。
シリンダ本体15の開口部16側に配置されるプライマリピストン18は、第1円筒状部71と、第1円筒状部71の軸線方向における一側に形成された底部72と、底部72の第1円筒状部71とは反対側に形成された第2円筒状部73とを有する形状をなしている。上記内周孔21は、これらのうちの第1円筒状部71と底部72とにより形成されている。プライマリピストン18は、第1円筒状部71をシリンダ本体15内のセカンダリピストン19側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部29に設けられたピストンシール45および区画シール52のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合される。ここで、第2円筒状部73の内側には、図示略のブレーキブースタの出力軸が挿入され、この出力軸によって底部72がシリンダ本体15の底部13側に押圧されることになる。
第1円筒状部71の底部72に対し反対の端側外周部には、プライマリピストン18において最も大径の最大外径面74よりも径方向内方に凹む形状をなす環状の凹部75が形成されている。この凹部75には、その底部72側に径方向に貫通するポート76が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とプライマリピストン18との間には、図示略のブレーキブースタから入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるプライマリピストンスプリング78を含む間隔調整部79が設けられている。この間隔調整部79は、セカンダリピストン19の底部56に当接する係止部材81と、プライマリピストン18の底部72に当接する係止部材82と、係止部材82に一端部が固定されるとともに係止部材81を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材83とを有している。上記プライマリピストンスプリング78は、係止部材81と係止部材82との間に介装されている。
ここで、シリンダ本体15の筒部14とプライマリピストン18とセカンダリピストン19とで囲まれて形成される部分が、ブレーキ液圧を発生してプライマリ吐出路27にブレーキ液を供給するプライマリ圧力室(圧力室)85となっている。このプライマリ圧力室85は、プライマリピストン18がポート76を開口溝47に開口させる位置にあるとき、プライマリ補給路48つまりリザーバ12に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝33に保持される区画シール52は、区画シール42と同じ部品であり、合成ゴムからなる一体成形品であって、その中心線を含む面での断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール52は、内周が、シリンダ軸方向に移動するプライマリピストン18の外周に摺接するとともに、外周がシリンダ本体15の周溝33に当接する。これにより、区画シール52は、プライマリピストン18およびシリンダ本体15の区画シール52の位置の隙間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝32に保持されるピストンシール45は、ピストンシール35と同じ部品であり、EPDM等の合成ゴムからなる一体成形品であって、その中心線を含む面での断面の片側形状がE字状をなしている。ピストンシール45の内周は、シリンダ軸方向に移動するプライマリピストン18の外周に摺接する。ピストンシール45の外周は、シリンダ本体15の周溝32に当接する。このピストンシール45は、プライマリピストン18がポート76をピストンシール45よりも底部13側に位置させた状態では、プライマリ補給路48とプライマリ圧力室85との間を密封できるようになっている。つまり、ピストンシール45は、プライマリ圧力室85と、プライマリ補給路48およびリザーバ12との連通を遮断することが可能となっている。この密封状態で、プライマリピストン18が、シリンダ本体15の摺動内径部29およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール45および区画シール52の内周で摺動して底部13側に移動することによって、プライマリ圧力室85内のブレーキ液が加圧される。プライマリ圧力室85内で加圧されたブレーキ液は、プライマリ吐出路27から車輪側のホイールシリンダに供給されることになる。
図示略のブレーキブースタから入力がなく、プライマリピストン18が図1に示すようにポート76を開口溝47に開口させる基本位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール45は、上記プライマリピストン18の凹部75内でポート76にその一部が重なるようになっている。そして、プライマリピストン18がシリンダ本体15の底部13側へ移動してピストンシール45の内周部がポート76に全て重なると、プライマリ圧力室85とリザーバ12との連通が遮断されるようになっている。
ここで、シリンダ本体15の周溝30およびその近傍部分と、ピストンシール35と、セカンダリピストン19のピストンシール35の摺接部分とからなる構造部をセカンダリ側のシール構造部SSと称する。また、シリンダ本体15の周溝32およびその近傍部分と、ピストンシール45と、プライマリピストン18のピストンシール45の摺接部分とからなる構造部をプライマリ側のシール構造部SPと称する。ピストンシール35とピストンシール45とは共通部品となっており、セカンダリ側のシール構造部SSとプライマリ側のシール構造部SPとは同様の構造となっている。以下においては、これらの詳細についてプライマリ側のシール構造部SPを例にとり、主に図2,図3を参照して説明する。
図2に示すように、周溝32は、プライマリ補給路48に近接して配置されており、プライマリ補給路48に連通可能となっている。周溝32は、シリンダ径方向の外側にある溝底部88を有している。また、周溝32は、溝底部88におけるシリンダ本体15の図1に示す開口部16側(以下、シリンダ開口側と称す)の端縁部からシリンダ径方向内方に延出する周壁89を有している。さらに、周溝32は、溝底部88におけるシリンダ本体15の図1に示す底部13側(以下、シリンダ底側と称す)の端縁部からシリンダ径方向内方に延出する周壁90を有している。言い換えれば、周溝32は、その底部である溝底部88と、そのプライマリ補給路48側の周壁89と、そのプライマリ補給路48に対し反対側の周壁90とを有している。これら溝底部88、周壁89および周壁90は、シリンダ本体15に一体的に形成されており、シリンダ本体15に対する切削加工により形成されている。
溝底部88は周溝32の底面となる溝底面88Aを有している。溝底面88Aは、シリンダ軸方向に延びる円筒面部88aと、円筒面部88aのシリンダ開口側に隣り合う湾曲面部88bと、円筒面部88aのシリンダ底側に隣り合う湾曲面部88cとを有している。円筒面部88aは、シリンダ軸を中心とする円筒面となっている。湾曲面部88bは、円筒面部88aのシリンダ開口側の端縁部からシリンダ開口側ほどシリンダ径方向の内側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面部88bは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が周溝32内の空間側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面部88cは、円筒面部88aのシリンダ底側の端縁部からシリンダ底側ほどシリンダ径方向の内側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面部88cは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が周溝32内の空間側に中心を有する円弧状をなしている。
周壁89は、壁面89Aを有しており、壁面89Aは、シリンダ径方向の溝底面88A側から順に、外側面部(面部)89aと、中間傾斜面部89bと、内側面部89cと、湾曲面部89dとを有している。
外側面部89aは、溝底部88の湾曲面部88bのシリンダ開口側の端縁部からシリンダ径方向の内方に延びている。外側面部89aはシリンダ軸の直交面に平行な平坦面からなっている。外側面部89aは、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
中間傾斜面部89bは、外側面部89aのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ径方向の内方に、シリンダ径方向の内側ほどシリンダ開口側に位置するようにシリンダ軸に対し傾いて延出している。言い換えれば、中間傾斜面部89bは、外側面部89aのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ開口側に、シリンダ開口側ほど縮径するようにテーパ状をなして延出している。中間傾斜面部89bは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向の長さが一定となっている。中間傾斜面部89bは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
内側面部89cは、中間傾斜面部89bのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ径方向の内方に延びている。内側面部89cは、シリンダ軸の直交面に平行な平坦面からなっている。内側面部89cは、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
湾曲面部89dは、内側面部89cの小径側の端縁部と摺動内径部29とを接続する面であり、径方向内側ほどシリンダ開口側に位置するように傾斜している。湾曲面部89dは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状がシリンダ本体15の内部に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面部89dは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面部89dは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
壁面89Aにおいては、中間傾斜面部89bのシリンダ径方向の幅よりも、内側面部89cのシリンダ径方向の幅の方が広く、内側面部89cのシリンダ径方向の幅よりも、外側面部89aのシリンダ径方向の幅の方が広くなっている。
周溝32のシリンダ軸方向におけるプライマリ補給路48側の壁面89Aには、中間傾斜面部89bと内側面部89cと湾曲面部89dとによって、周溝32の底面となる溝底面88A側の外側面部89aよりも周溝32の開口側に、外側面部89aよりもシリンダ開口側に凹む段差部93が形成されている。言い換えれば、壁面89Aには、シリンダ径方向の内側にシリンダ径方向外側の外側面部89aよりもシリンダ軸方向のプライマリ補給路48側に凹む段差部93が、中間傾斜面部89bと内側面部89cと湾曲面部89dとを有して形成されている。段差部93は、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定深さとなっている。段差部93は、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。テーパ状の中間傾斜面部89bが外側面部89aと内側面部89cとの間に設けられることで、内側面部89cは全体として外側面部89aよりもシリンダ開口側にオフセットして設けられている。なお、本実施形態においては、段差部93をシリンダ軸方向に一定深さとしているが、これに限らず、シリンダ径方向の内側ほどシリンダ開口側に位置するようにシリンダ軸に対し傾いて形成するようにしてもよい。
周壁89に対向する周壁90は、壁面90Aを有しており、壁面90Aは、シリンダ径方向の溝底面88A側から順に、外側面部90aと、中間傾斜面部90bと、内側面部90cと、内側傾斜面部90dと、湾曲面部90eとを有している。
外側面部90aは、溝底部88の湾曲面部88cのシリンダ底側の端縁部からシリンダ径方向の内方に延びている。外側面部90aは、シリンダ軸の直交面に平行な平坦面からなっており、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっている。
中間傾斜面部90bは、外側面部90aのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ径方向の内方に、シリンダ径方向の内側ほどシリンダ底側に位置するようにシリンダ軸に対し傾いて延出している。言い換えれば、中間傾斜面部90bは、外側面部90aのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ底側に、シリンダ底側ほど縮径するようにテーパ状をなして延出している。中間傾斜面部90bは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向の長さが一定となっている。
内側面部90cは、中間傾斜面部90bのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ径方向の内方に延びている。内側面部90cは、シリンダ軸の直交面に平行な平坦面からなっている。内側面部90cは、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっている。
内側傾斜面部90dは、内側面部90cのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ径方向の内方に、シリンダ径方向の内側ほどシリンダ底側に位置するようにシリンダ軸に対し傾いて延出している。言い換えれば、内側傾斜面部90dは、内側面部90cのシリンダ径方向の内端縁部からシリンダ底側に、シリンダ底側ほど縮径するようにテーパ状をなして延出している。内側傾斜面部90dは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向の長さが一定となっている。
湾曲面部90eは、内側傾斜面部90dの小径側の端縁部と摺動内径部29とを接続する面であり、径方向内側ほどシリンダ底側に位置するように傾斜している。湾曲面部90eは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状がシリンダ本体15の内部に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面部90eは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向の長さが一定となっている。
壁面90Aには、溝底面88A側の外側面部90aよりも周溝32の開口側に、中間傾斜面部90bと内側面部90cと内側傾斜面部90dと湾曲面部90eとによって、外側面部90aよりもシリンダ底側に凹む段差部98が形成されている。言い換えれば、壁面90Aには、シリンダ径方向の内側にシリンダ径方向外側の外側面部90aよりもシリンダ軸方向のプライマリ補給路48に対し反対側に凹む段差部98が、中間傾斜面部90bと内側面部90cと内側傾斜面部90dと湾曲面部90eとを有して形成されている。段差部98は、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向の深さが一定となっている。テーパ状の中間傾斜面部90bが外側面部90aと内側面部90cとの間に設けられることで、内側面部90cは全体として外側面部90aよりもシリンダ底側にオフセットして設けられている。
ここで、壁面90Aの外側面部90aと中間傾斜面部90bとの境界、言い換えれば外側面部90aの中間傾斜面部90b側の端部、さらに言い換えれば中間傾斜面部90bの外側面部90aの端部は、壁面89Aの外側面部89aのシリンダ径方向の中間位置と、シリンダ径方向の位置を合わせている。その結果、壁面90Aの外側面部90aは、その全体が、壁面89Aの外側面部89aとシリンダ径方向の位置を重ね合わせている。
また、壁面89Aの外側面部89aと中間傾斜面部89bとの境界部、言い換えれば中間傾斜面部89bの外側面部89a側の端部、さらに言い換えれば外側面部89aの中間傾斜面部89b側の端部は、壁面90Aの中間傾斜面部90bと内側面部90cとの境界、言い換えれば中間傾斜面部90bの内側面部90c側の端部、さらに言い換えれば内側面部90cの中間傾斜面部90b側の端部と、シリンダ径方向の位置を合わせている。その結果、壁面90Aの中間傾斜面部90bは、その全体が、壁面89Aの外側面部89aとシリンダ径方向の位置を重ね合わせている。壁面89Aの外側面部89aと中間傾斜面部89bとの境界部は、段差部93の外側面部89a側の端部となっている。
また、壁面89Aの中間傾斜面部89bと内側面部89cとの境界部、言い換えれば中間傾斜面部89bの内側面部89c側の端部、さらに言い換えれば内側面部89cの中間傾斜面部89b側の端部は、壁面90Aの内側面部90cのシリンダ径方向の中間位置と、シリンダ径方向の位置を合わせている。その結果、壁面89Aの中間傾斜面部89bは、その全体が、壁面90Aの内側面部90cとシリンダ径方向の位置を重ね合わせている。
また、壁面90Aの内側面部90cと内側傾斜面部90dとの境界、言い換えれば内側傾斜面部90dの内側面部90c側の端部、さらに言い換えれば内側面部90cの内側傾斜面部90d側の端部は、壁面89Aの内側面部89cのシリンダ径方向の中間位置とシリンダ径方向の位置を合わせている。壁面90Aにおいて、外側面部90aよりも内側傾斜面部90dの方がシリンダ径方向の幅が広く、内側傾斜面部90dよりも内側面部90cの方がシリンダ径方向の幅が広く、内側面部90cよりも中間傾斜面部90bの方がシリンダ径方向の幅が広い。
プライマリピストン18に形成された凹部75は、円筒面75aとテーパ面75bとテーパ面75cとを有している。円筒面75aは、プライマリピストン18において最も大径である円筒面状の最大外径面74よりも小径となっている。テーパ面75bは、円筒面75aのシリンダ開口側の端縁部からシリンダ開口側ほど大径となるように延出して最大外径面74の凹部75よりもシリンダ開口側の部分に繋がっている。テーパ面75cは、円筒面75aのシリンダ底側の端縁部からシリンダ底側ほど大径となるように延出して最大外径面74の凹部75よりもシリンダ底側の部分に繋がっている。
これら円筒面75a、テーパ面75bおよびテーパ面75cは、最大外径面74と同様にプライマリピストン18の中心軸を中心に形成されている。プライマリ圧力室85に常時連通するポート76は、円筒面75aおよびテーパ面75bの両方に架かる位置に形成されている。
周溝32に配置されるピストンシール45は、基部101と内周リップ部102と外周リップ部103と中間突出部104とを有している。図2は、ピストンシール45がマスタシリンダ11内に組み込まれてプライマリピストン18の凹部75の円筒面75aに適正に接触し且つ周壁90から離れた基本状態(ブレーキペダルが操作される前の非制動状態)を示している。この基本状態にあるときのピストンシール45についてさらに説明する。
基部101は、ピストンシール45におけるシリンダ開口側に配置されており、シリンダ軸の直交面に平行な円環板状をなしている。基部101は、シリンダ径方向の外側部分よりも内側部分の方がシリンダ軸方向に厚くなっている。内周リップ部102は、基部101の厚肉の内周側の端縁部からシリンダ軸方向に沿ってシリンダ底側に向け突出する円環筒状をなしている。外周リップ部103は、基部101の薄肉の外周側の端縁部からシリンダ軸方向に沿ってシリンダ底側に向けて突出する円環筒状をなしている。中間突出部104は、基部101の内周リップ部102と外周リップ部103との間からシリンダ軸方向に沿ってシリンダ底側に向けて突出する円環筒状をなしている。中間突出部104は、基部101の中間突出部104に対し反対側の背面101aから背面101aとは反対側の端部までの長さが、内周リップ部102および外周リップ部103のそれぞれの同長さよりも長くなっている。よって、中間突出部104は、基部101からシリンダ軸方向に外周リップ部103および内周リップ部102よりも先まで突出している。
ピストンシール45は、内周リップ部102が、シリンダ軸方向に移動するプライマリピストン18の、上記した円筒面75a、テーパ面75b、テーパ面75cおよび最大外径面74を含む外周面18aに摺接することになり、外周リップ部103が、シリンダ本体15の周溝32の溝底面88Aに当接する。
基部101、内周リップ部102、外周リップ部103および中間突出部104は、中心軸を一致させており、この中心軸がピストンシール45の中心軸となっている。ピストンシール45はその中心軸が基本的にシリンダ軸と一致する。
ピストンシール45には、中間突出部104の延出先端側に、中間突出部104を径方向に貫通する中間溝106が周方向に等間隔で複数(図2では断面とした関係上一カ所のみ図示)形成されている。また、ピストンシール45には、内周リップ部102の延出先端側に、内周リップ部102を径方向に貫通する内側リップ溝107が周方向に等間隔で複数(図2では断面とした関係上一カ所のみ図示)形成されている。
基部101は、背面101aと湾曲面101bと湾曲面101cとを有している。背面101aは、ピストンシール45においてシリンダ軸方向の最もシリンダ開口側の端部に位置しており、シリンダ軸の直交面に平行な平坦面からなっている。背面101aは、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径で径方向に一定幅となっており、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
湾曲面101bは、シリンダ径方向の外側ほどシリンダ底側に位置するように傾斜している。湾曲面101bは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が基部101の内部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面101bは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面101bは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
湾曲面101cは、シリンダ径方向の内側ほどシリンダ底側に位置するように傾斜している。湾曲面101cは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が基部101の内部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面101cは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面101cは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
内周リップ部102は、基部101からシリンダ軸方向に離れるほど全体として若干小径となるテーパ筒状をなしている。基部101および内周リップ部102の内周側には、軸方向のシリンダ開口側から順に、縮径内周面102aと拡径内周面102bと円筒内周面102cとが形成されている。図2では、内周リップ部102がプライマリピストン18の外周面18aに圧接する状態を示しているため、縮径内周面102aおよび拡径内周面102bの境界側の部分がプライマリピストン18の外周面18aの形状に倣うように変形している。
縮径内周面102aは、基部101と内周リップ部102とに跨って形成されており、図示略の自然状態にあるとき、湾曲面101cの径方向の内側の端縁部から、湾曲面101cから離れるほど小径となる(つまり縮径する)ようにテーパ状をなして延出している。縮径内周面102aは、図示略の自然状態にあるとき、周方向の位置によらず軸方向に一定長さとなっている。
拡径内周面102bは、自然状態にあるとき、縮径内周面102aの湾曲面101cに対し反対側の端縁部から、縮径内周面102aから離れるほど大径となる(つまり拡径する)ようにテーパ状をなして延出している。拡径内周面102bは、図示略の自然状態にあるとき、周方向の位置によらず軸方向に一定長さとなっている。
円筒内周面102cは、拡径内周面102bのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側に延出している。内周リップ部102に複数の内側リップ溝107が形成されていることにより、円筒内周面102cは、シリンダ軸を中心とする同一円筒面上にこの円筒面の一部を断続的に構成するように形成されている。円筒内周面102cはシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。
内周リップ部102の外周側には、基部101からシリンダ底側に向けて立ち上がる湾曲面102dと、湾曲面102dの基部101に対し反対側の端縁部からシリンダ底側に延出する縮径外周面102eとが形成されている。
湾曲面102dは、基部101からシリンダ底側ほどシリンダ径方向の内側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面102dは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が内周リップ部102の外部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面102dは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面102dは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
縮径外周面102eは、湾曲面102dのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側ほど小径となる(つまり縮径する)ようにシリンダ軸を中心とするテーパ筒状をなしてシリンダ底側に延出している。縮径外周面102eは、内側リップ溝107が形成されている部分がシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっており、内側リップ溝107が形成されていない部分がシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。
内周リップ部102の最もシリンダ底側の先端面102fは、シリンダ軸の直交面に平行をなしている。先端面102fは、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっている。先端面102fは、複数の内側リップ溝107が形成されていることにより、シリンダ軸の直交面に平行な同一平面上にこの平面の一部を断続的に構成するように形成されている。先端面102fは、シリンダ軸を中心とする同一円上の位置に配置されている。円筒内周面102cのシリンダ底側の端縁部と先端面102fのシリンダ径方向内側の端縁部とは内周リップ部102の内部側に中心を有する湾曲面102gで接続されている。縮径外周面102eのシリンダ底側の端縁部と先端面102fのシリンダ径方向外側の端縁部とは内周リップ部102の内部側に中心を有する湾曲面102hで接続されている。
外周リップ部103は、シリンダ底側ほど全体として大径となるようにシリンダ軸を中心とするテーパ筒状をなして延出している。外周リップ部103の内周側には、基部101からシリンダ底側に向けて立ち上がる湾曲面103aと、湾曲面103aの基部101に対し反対側の端縁部からシリンダ底側に延出する拡径内周面103bと、拡径内周面103bの湾曲面103aに対し反対側からシリンダ底側に延出する円筒内周面103cとが形成されている。
湾曲面103aは、基部101からシリンダ底側ほどシリンダ径方向の外側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面103aは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が外周リップ部103の外部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面103aは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面103aは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
拡径内周面103bは、湾曲面103aのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側ほど大径となる(つまり拡径する)ようにシリンダ軸を中心とするテーパ状をなしてシリンダ底側に延出している。拡径内周面103bはシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。円筒内周面103cは、拡径内周面103bのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ軸を中心とする円筒面状をなして延出している。円筒内周面103cは、シリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。
外周リップ部103の外周側には、シリンダ軸方向のシリンダ開口側から順に、拡径外周面103dと円筒外周面103eとが形成されている。拡径外周面103dは、湾曲面101bのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側ほど大径となる(つまり拡径する)ようにシリンダ軸を中心とするテーパ状をなして延出している。拡径外周面103dはシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。円筒外周面103eは、拡径外周面103dのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ軸を中心とする円筒面状をなして延出している。円筒外周面103eはシリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。外周リップ部103のシリンダ底側の先端面103fは、シリンダ軸の直交面に平行な平坦面となっている。
中間突出部104の内周側には、基部101からシリンダ底側に向けて立ち上がる湾曲面104aと、湾曲面104aの基部101に対し反対側の端縁部からシリンダ底側に延出する拡径内周面104bとが形成されている。
湾曲面104aは、基部101からシリンダ底側ほどシリンダ径方向の外側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面104aは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が中間突出部104の外部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面104aは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面104aは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
拡径内周面104bは、湾曲面104aのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側ほど若干大径となるようにシリンダ軸を中心とするテーパ状をなしてシリンダ底側に延出している。拡径内周面104bは、中間溝106が形成されていない部分が、シリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっており、中間溝106が形成された部分が、シリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。
中間突出部104の外周側には、基部101からシリンダ底側に向けて立ち上がる湾曲面104cと、湾曲面104cの基部101に対し反対側の端縁部からシリンダ底側に延出する縮径外周面104dとが形成されている。
湾曲面104cは、基部101からシリンダ底側ほどシリンダ径方向の内側に位置するように傾斜して延出している。湾曲面104cは、シリンダ軸を含む面での断面の片側形状が中間突出部104の外部側に中心を有する円弧状をなしている。湾曲面104cは、シリンダ周方向の位置によらず、一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっており、シリンダ軸方向に一定長さとなっている。湾曲面104cは、シリンダ軸を中心とする円環状をなしている。
縮径外周面104dは、湾曲面104cのシリンダ底側の端縁部から、シリンダ底側ほど若干小径となるようにシリンダ軸を中心とするテーパ状をなしてシリンダ底側に延出している。縮径外周面104dは、中間溝106が形成されていない部分が、シリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっており、中間溝106が形成された部分が、シリンダ周方向の位置によらずシリンダ軸方向に一定長さとなっている。
中間突出部104のシリンダ底側の先端面104eは、シリンダ軸の直交面に平行をなしており、シリンダ周方向の位置によらず一定内径かつ一定外径でシリンダ径方向に一定幅となっている。中間突出部104に複数の中間溝106が形成されていることにより、先端面104eは、シリンダ軸の直交面に平行な同一平面上にこの平面の一部を断続的に構成するように形成されている。先端面104eは、シリンダ軸を中心とする同一円上の位置に配置されている。
拡径内周面104bのシリンダ底側の端縁部と先端面104eのシリンダ径方向内側の端縁部とは中間突出部104の内部側に中心を有する湾曲面104fで接続されている。縮径外周面104dのシリンダ底側の端縁部と先端面104eのシリンダ径方向外側の端縁部とは中間突出部104の内部側に中心を有する湾曲面104gで接続されている。
ピストンシール45は、中間溝106および内側リップ溝107を含めて全体が一体成形により形成されている。
図2に示すように、周溝32の段差部93は、ピストンシール45の中間突出部104の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されている。つまり、シリンダ径方向において、段差部93の最も溝底面88A側の端部となる中間傾斜面部89bの外側面部89a側の端部が、中間突出部104の基部101側の端部である湾曲面104aの湾曲面102d側の端部と湾曲面104cの湾曲面103a側の端部との間に配置されている。より具体的には、シリンダ径方向において、中間傾斜面部89bの外側面部89a側の端部が、中間突出部104の拡径内周面104bの湾曲面104a側の端部と縮径外周面104dの湾曲面104c側の端部との間に配置され、しかも、これら端部間の中央よりも縮径外周面104d側の端部側に寄って配置されている。
加えて、シリンダ径方向において、段差部93の中間傾斜面部89bの内側面部89c側の端部も、中間突出部104の湾曲面104aの湾曲面102d側の端部と湾曲面104cの湾曲面103a側の端部との間に配置されている。より具体的には、シリンダ径方向において、中間傾斜面部89bの内側面部89c側の端部が、中間突出部104の拡径内周面104bの湾曲面104a側の端部と縮径外周面104dの湾曲面104c側の端部との間に配置されている。
図2に示す基本状態にあるとき、ピストンシール45は、基部101が、シリンダ軸の直交面に平行な姿勢で周溝32内で最もシリンダ開口側に位置している。よって、基部101は、周溝32の周壁89に対向配置され、この周壁89の壁面89Aに当接している。より詳しくは、基部101の背面101aが壁面89Aの外側面部89aに当接している。このとき、基部101の背面101aは、壁面89Aの中間傾斜面部89bおよび内側面部89cからは離間している。
基本状態にあるとき、ピストンシール45は、最も内周側にある内周リップ部102が、その内周部においてプライマリピストン18の外周面18aの円筒面75aに接触している。この内周リップ部102は、プライマリピストン18のシリンダ軸方向の移動で、その内周部がプライマリピストン18の外周面18aに摺接する。
基本状態にあるとき、ピストンシール45は、最も外周側にある外周リップ部103が、その外周部において周溝32の溝底部88の溝底面88Aに当接している。より詳しくは、円筒外周面103eが溝底部88の溝底面88Aに当接している。
基本状態にあるとき、ピストンシール45は、中間突出部104が、内周リップ部102および外周リップ部103よりもシリンダ底側に延出して、その先端面104eが、中間傾斜面部90bおよび内側面部90cに対してシリンダ径方向の位置を重ね合わせてシリンダ軸方向に対向している。
その結果、ピストンシール45は、上記基本状態から、シリンダ底側に移動すると、中間突出部104の先端面104eが、周壁90のうちの内側面部90cに当接することになる。つまり、ピストンシール45は、シリンダ底側に移動すると、周壁90のうち外側面部90aよりも先に内側面部90cに当接することになる。
図示略のブレーキブースタから入力がなく、図2に示すように、プライマリピストン18がポート76を開口溝47に開口させる位置が、プライマリピストン18の基本位置(非制動位置)となっている。プライマリピストン18がこの基本位置にあるときに、ピストンシール45は、内周リップ部102および基部101の内周部が、プライマリピストン18の凹部75の円筒面75aの位置にあって、基部101の内周部がポート76の一部にシリンダ軸方向の位置を重ね合わせるようになっている。このとき、中間突出部104は周壁90から離間し、その先端面104eが周壁90の内側面部90cとシリンダ径方向の位置を重ね合わせている。
そして、図示略のブレーキブースタから入力があって、プライマリピストン18がシリンダ底側へ移動すると、ピストンシール45は、プライマリピストン18とともに周溝32内で周壁90側に移動する。その結果、ピストンシール45は、基部101が周壁89から離れる。これとともに、ピストンシール45は、中間突出部104の先端面104eが、周壁90の内側面部90cに当接することになる。この状態で、ピストンシール45はシリンダ底側への移動が規制されることになる。
プライマリピストン18が、さらにシリンダ底側へ移動すると、シリンダ底側への移動が上記のように規制されているピストンシール45は、その基部101が凹部75のテーパ面75bに乗り上げる。続いて、ピストンシール45は、ポート76を越えポート76を閉塞して、プライマリ圧力室85とプライマリ補給路48との連通を遮断する。この位置からプライマリピストン18がシリンダ底側に位置する範囲では、ピストンシール45がプライマリ圧力室85とプライマリ補給路48との間を遮断してプライマリ圧力室85を密封する。この状態では、基本的に、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧よりもプライマリ圧力室85の液圧の方が高くなる。その結果、プライマリ圧力室85内の液圧が図1に示すプライマリ吐出路27から車輪側のホイールシリンダに供給されることになる。
上記ポート76の閉塞後、プライマリピストン18が、さらにシリンダ底側へ移動すると、ピストンシール45は、基部101がテーパ面75bを乗り越えて最大外径面74に乗り上げる。加えて、内周リップ部102がテーパ面75bに乗り上げ、その後、内周リップ部102が最大外径面74に乗り上げることになる。
ピストンシール45は、上記したプライマリ圧力室85の液圧上昇によって、液圧で押されて図3に示すように周溝32内で周壁89側に移動する。これにより、中間突出部104が周壁90から離れるとともに基部101が周壁89に当接する。その際に、ピストンシール45は、弾性変形しながら基部101のシリンダ径方向の内側部分が周壁89の段差部93内に入り込む。その結果、基部101の背面101aのシリンダ径方向の外側部分が周壁89の外側面部89aに当接し、基部101の背面101aのシリンダ径方向の内側部分が段差部93の内側面部89cに当接する。このような弾性変形により、ピストンシール45には、内部に弾性歪みエネルギが蓄積される。
ここで、上記したように、段差部93が、シリンダ径方向において、ピストンシール45の中間突出部104の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されていることから、ピストンシール45は、段差部93の外側面部89a側の端部を支点として、中間突出部104が形成されることで厚肉で高弾性となっている部分において変形することになり、よって、内部に高い弾性歪みエネルギが蓄積される。しかも、中間突出部104のうち、より高弾性となる拡径内周面104bの湾曲面104a側の端部と縮径外周面104dの湾曲面104c側の端部との間の範囲内に、段差部93の外側面部89a側の端部を配置しているため、ピストンシール45には、より高い弾性歪みエネルギが蓄積される。
上記のようにしてプライマリピストン18がシリンダ底側へ移動した状態から、制動を解除するために図示略のブレーキペダルを戻し始めると、図1に示す間隔調整部79の付勢力によってプライマリピストン18が図2に示す待機位置に戻ろうとする。このプライマリピストン18の移動によってプライマリ圧力室85の容積が拡大していくことになるが、その際に、ブレーキ配管を介してのブレーキ液の戻りがプライマリ圧力室85の容積拡大に追いつかなくなってしまうと、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧とプライマリ圧力室85の液圧とが等しくなった後、プライマリ圧力室85内の液圧は負圧となり、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧よりもプライマリ圧力室85の液圧の方が低くなる。
このようにプライマリ圧力室85の液圧が下がることによって、液圧で押圧されていたピストンシール45は弾性変形状態から戻ることになる。その際に、ピストンシール45は、周壁89の外側面部89aに当接する基部101のシリンダ径方向の外側部分はそのままの状態で、基部101のシリンダ径方向の内側部分がシリンダ底側に移動する。このとき、弾性変形時に蓄積された弾性歪みエネルギによって基部101のシリンダ径方向の内側部分がシリンダ底側に移動することになり、その結果、基部101のシリンダ径方向の内側部分をシリンダ底側に引っ張って周壁89の内側面部89cから離間させて、基部101と段差部93との間に隙間を生じさせる。このため、基部101には、段差部93の径方向寸法分の大気圧の受圧面積が確保されることになり、基部101には、プライマリ圧力室85内の負圧とプライマリ補給路48側の大気圧との差圧力が作用することになる。この差圧力によってピストンシール45がプライマリ圧力室85側に引っ張られて、基部101のシリンダ径方向の外側部分も周壁89の外側面部89aから離間、ひいてはピストンシール45を周壁89から離間させるようになっている。
上記に加えて、プライマリ圧力室85内の負圧が、ピストンシール45をプライマリ圧力室85側に引っ張って外周リップ部103を溝底部88から離間させる。その結果、プライマリ補給路48のブレーキ液が、周壁89と基部101との隙間、溝底部88と外周リップ部103との隙間、および周壁90と中間突出部104の中間溝106の流路を介して、プライマリ圧力室85に補給されることになる。これにより、プライマリ圧力室85の液圧を負圧状態から大気圧に戻す速度を速めるようになっている。
上記した特許文献1に記載のマスタシリンダのようにシリンダ本体の周溝の補給室側に段差部を形成して、特許文献2に記載された基部と内周リップ部と外周リップ部と中間突出部とを有する断面E字状のピストンシールをシリンダ本体の周溝内に配設した場合、段差部とピストンシールとの位置関係によってはピストンシールが低弾性の部分で弾性変形してしまう。その結果、内部に高い弾性歪みエネルギを蓄積できない可能性があり、弾性変形の戻りでは、基部のシリンダ径方向の内側部分を周壁から離間させることができない状況が生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態のマスタシリンダ11によれば、円環状の基部101と、基部101の内周側から突出する内周リップ部102と、基部101の外周側から突出する外周リップ部103と、基部101の内周リップ部102と外周リップ部103との間から突出する中間突出部104とを有する断面E字状のピストンシール45に対して、周溝32のプライマリ補給路48側の壁面89Aに、周溝32の溝底面88A側の外側面部89aよりも凹む段差部93を周溝32の開口側に形成している。そして、この段差部93が、ピストンシール45の中間突出部104の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されている。このため、ピストンシール45は、段差部93の外側面部89a側の端部を支点として、中間突出部104が形成されることにより高弾性となっている部分において変形して基部101のシリンダ径方向の内側部分を段差部93に進入させることになり、よって、内部に高い弾性歪みエネルギが蓄積される。
その結果、プライマリピストン18の戻り時に、プライマリ圧力室85の液圧が下がることで、ピストンシール45が弾性変形状態から戻ると、弾性変形時に蓄積された高い弾性歪みエネルギによって基部101のシリンダ径方向の内側部分がシリンダ底側に移動することになる。
よって、基部101が段差部93から離間できない場合と比べて、ピストンシール45はプライマリ補給路48側の大気圧を受ける受圧面積が拡大することになって、負圧となっているプライマリ圧力室85側つまりシリンダ底側に向かう推進力を増大させることになる。その結果、基部101のシリンダ径方向の外側部分を周壁89の外側面部89aから離間させることができる。よって、ブレーキ液の補給性能を向上させることができる。
上記のように、プライマリピストン18の戻し時にピストンシール45と周溝32との間の流路を介したブレーキ液の補給性能を向上させることにより、プライマリピストン18のポート76が開いたときの急激な圧力変動を抑制することができる。その結果、異音の発生を抑制することができる。
なお、以上の実施形態においては、ピストンシール45を含むプライマリ側のシール構造部SPを例にとり詳細に説明したが、ピストンシール45と共通部品であるピストンシール35を含むセカンダリ側のシール構造部SSも同様の構造となっている。よって、シール構造部SSもシール構造部SPと同様の効果を奏することができる。
以上の実施形態は、ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に移動可能に配設され、該シリンダ本体との間に前記吐出路へ液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、前記シリンダ本体に形成された周溝内に設けられ内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室との間を密封するピストンシールとを有し、該ピストンシールが、円環状の基部と、該基部の内周側から突出して前記ピストンの外周面に摺接する内周リップ部と、前記基部の外周側から突出して前記シリンダ本体の前記周溝に当接する外周リップ部と、前記基部の前記内周リップ部と前記外周リップ部との間から該外周リップ部よりも先まで突出する中間突出部と、を備えているマスタシリンダにおいて、前記周溝の前記補給路側の壁面には、前記周溝の底面側の面部よりも凹む段差部が前記周溝の開口側に形成されており、前記段差部は、前記中間突出部の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されている。これにより、ピストンシールは、段差部の周溝底面側の端部を支点として、中間突出部が形成されることにより高弾性となっている部分において変形して基部の周溝開口側の部分を段差部に進入させることになり、よって、内部に高い弾性歪みエネルギを蓄積できる。したがって、ピストンの戻り時にピストンシールが弾性変形状態から戻ると、弾性変形時に蓄積された高い弾性歪みエネルギによって基部の周溝開口側の部分が移動することになり、その結果生じる隙間によって基部に差圧力を効果的に付加することができ、基部の周溝底面側の部分を周壁から離間させることができる。よって、ブレーキ液の補給性能を向上させることができる。
11 マスタシリンダ
12 リザーバ
15 シリンダ本体
18 プライマリピストン(ピストン)
18a 外周面
19 セカンダリピストン(ピストン)
26 セカンダリ吐出路(吐出路)
27 プライマリ吐出路(吐出路)
30,32 周溝
35,45 ピストンシール
38 セカンダリ補給路(補給路)
48 プライマリ補給路(補給路)
68 セカンダリ圧力室(圧力室)
85 プライマリ圧力室(圧力室)
88A 溝底面(底面)
89A 壁面
89a 外側面部(面部)
93 段差部
101 基部
102 内周リップ部
103 外周リップ部
104 中間突出部

Claims (1)

  1. ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、
    該シリンダ本体内に移動可能に配設され、該シリンダ本体との間に前記吐出路へ液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、
    前記シリンダ本体に形成された周溝内に設けられ内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室との間を密封するピストンシールとを有し、
    該ピストンシールが、
    円環状の基部と、
    該基部の内周側から突出して前記ピストンの外周面に摺接する内周リップ部と、
    前記基部の外周側から突出して前記シリンダ本体の前記周溝に当接する外周リップ部と、
    前記基部の前記内周リップ部と前記外周リップ部との間から該外周リップ部よりも先まで突出する中間突出部と、
    を備えているマスタシリンダにおいて、
    前記周溝の前記補給路側の壁面には、前記周溝の底面側の面部よりも凹む段差部が前記周溝の開口側に形成されており、
    前記段差部は、前記中間突出部の径方向厚さの範囲内まで延びて環状に形成されていることを特徴とするマスタシリンダ。
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