JP5806955B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動用シリンダへ液圧を供給するマスタシリンダに関する。
マスタシリンダには、シリンダ本体の圧力室となりピストンの先端が移動する内周面に大径溝を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−264689号公報
上記のように大径溝があると、シリンダ本体にピストンを組み付ける際に、ピストンがシリンダ本体に対して傾いて入ってしまい、ピストンの先端が大径溝の端部に引っ掛かってしまうようなことが生じやすく、マスタシリンダの製造効率が低下してしまう可能性がある。
したがって、本発明は、マスタシリンダの製造効率の低下を抑制することができるマスタシリンダの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ピストンが摺動する摺動部を、大径溝を軸方向に分断するように形成した。
本発明によれば、マスタシリンダの製造効率の低下を抑制することができる。
実施形態のマスタシリンダを示す断面図である。 実施形態のマスタシリンダのシリンダ本体のボアを示すもので、(a)は図1のa−a断面図であり、(b)は図1のb−b断面図である。 実施形態のマスタシリンダのシリンダ本体へのセカンダリピストンの組み付け途中の状態を示す部分拡大断面図である。 実施形態のマスタシリンダの変形例の要部を示す部分拡大断面図である。
本発明に係る一実施形態のマスタシリンダを図面を参照して説明する。図1は、図示せぬブレーキブースタを介して導入されるブレーキペダルの操作量に応じた力でブレーキ液圧を発生させる本実施形態のマスタシリンダ10を示している。このマスタシリンダ10には、鉛直方向上側にブレーキ液を給排するリザーバ11が取り付けられている。なお、本実施形態においては、マスタシリンダ10に直接リザーバ11を取り付けているが、マスタシリンダ10から離間した位置にリザーバを配して配管で接続するようにしても良い。
マスタシリンダ10は、底部12と筒部13とを有し内側にボア14を形成するように有底筒状に一つの素材から加工されて形成される金属製のシリンダ本体15を有している。シリンダ本体15は、例えばその長手方向が車両前後方向に沿う姿勢で車両に配置される。このシリンダ本体15のボア14の開口部16側には、金属製のプライマリピストン(ピストン)18が摺動可能に挿入されている。また、シリンダ本体15のプライマリピストン18よりも底部12側には、同じく金属製のセカンダリピストン(ピストン)19が摺動可能に挿入されている。本実施形態のマスタシリンダ10は、いわゆるプランジャ型のマスタシリンダとなっており、2つのピストン18,19を有するタンデムタイプのマスタシリンダとなっている。なお、本発明は、上記タンデムタイプのマスタシリンダへの適用に限られるものではなく、複数のピストンを有するプランジャ型のマスタシリンダであれば、3つ以上のピストンを有するマスタシリンダ等のいかなるプランジャ型のマスタシリンダにも適用できるものである。
シリンダ本体15には、筒部13の径方向(以下、シリンダ径方向と称す)の外側に突出する取付台部23が筒部13の円周方向(以下、シリンダ周方向と称す)における所定位置に一体に形成されている。この取付台部23には、リザーバ11を取り付けるための取付穴24,25が形成されている。なお、本実施形態において、取付穴24,25は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態で筒部13の軸方向(以下、シリンダ軸方向と称す)における位置をずらして形成されている。
シリンダ本体15の筒部13の取付台部23側には、底部12の近傍にセカンダリ吐出路(吐出路)26が、これよりも開口部16側にプライマリ吐出路(吐出路)27が、それぞれ形成されている。つまり、シリンダ本体15はブレーキ液の吐出路を複数有している。これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、図示は略すが、ブレーキ配管を介してディスクブレーキやドラムブレーキ等の制動用シリンダに連通しており、制動用シリンダに向けてブレーキ液を吐出する。なお、本実施形態においては、これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態でシリンダ軸方向における位置をずらして形成されている。
シリンダ本体15の筒部13の内周側には、底部12側に、セカンダリピストン19を摺動可能に嵌合させる摺動内径部28が、開口部16側に、プライマリピストン18を摺動可能に嵌合させる摺動内径部29が、それぞれ形成されている。摺動内径部28は、同一円筒面に配置される内周面28Aを有しており、摺動内径部29も同一円筒面に配置される内周面29Aを有している。シリンダ本体15の摺動内径部28のセカンダリピストン19が摺動可能に挿入される内周面28Aと、摺動内径部29のプライマリピストン18が摺動可能に挿入される内周面29Aとは、同心同径となっている。これら内周面28A,29Aの中心軸がボア14の中心軸となっている。
シリンダ本体15の摺動内径部28には、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝30および周溝31が底部12側から順に形成されており、摺動内径部29にも、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝32および周溝33が底部12側から順に形成されている。これら周溝30〜33は、シリンダ周方向に環状をなしており、周溝30,31は摺動内径部28の内周面28Aから、周溝32,33は、摺動内径部29の内周面29Aから、いずれもシリンダ径方向外側に凹む形状をなしている。これら周溝30〜33は、いずれも全体が切削加工により形成されている。
最も底部12側にある周溝30は、底部12側の取付穴24のシリンダ軸方向の近傍に形成されており、この周溝30内には、周溝30に保持されるように、円環状のピストンシール35が配置されている。
摺動内径部28における周溝30よりも開口部16側には、底部12側の取付穴24から穿設される連通穴36を筒部13内に開口させるように、筒部13の摺動内径部28の内周面28Aからシリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝37が形成されている。ここで、取付穴24と連通穴36と開口溝37とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ11に常時連通するセカンダリ補給路(補給路)38を構成している。
シリンダ本体15には、摺動内径部28の底部12側に、摺動内径部28の内径よりも若干大径の内径を有する中間内径部39が形成されており、この中間内径部39の底部12側に隣接して、中間内径部39よりも大径の大径内径部40が形成されている。中間内径部39は、セカンダリピストン19との間に隙間を形成し、この隙間が、大径内径部40の位置に形成されたセカンダリ吐出路26と周溝30とを後述のセカンダリ圧力室68を介して連通させることになる。
摺動内径部28には、シリンダ軸方向における上記開口溝37の周溝30とは反対側つまり開口部16側に、上記周溝31が形成されており、この周溝31内には、周溝31に保持されるように、円環状の区画シール42が配置されている。
セカンダリピストン19は、摺動内径部28と、ピストンシール35および区画シール42とによって摺動可能に支持されている。
シリンダ本体15の周溝31よりも開口部16側であって開口部16側の取付穴25のシリンダ軸方向の近傍に、上記した摺動内径部29が形成されており、この摺動内径部29の底部12側に上記した周溝32が形成されている。この周溝32内には、周溝32に保持されるように、円環状のピストンシール45が配置されている。
摺動内径部29におけるこの周溝32の開口部16側には、開口部16側の取付穴25から穿設される連通穴46を筒部13内に開口させるように、筒部13の摺動内径部29の内周面29Aからシリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝47が形成されている。ここで、取付穴25と連通穴46と開口溝47とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ11に常時連通するプライマリ補給路(補給路)48を構成している。よって、シリンダ本体15は、リザーバ11に連通する補給路を複数有している。
シリンダ本体15には、摺動内径部28と摺動内径部29との間に、これらに隣接してこれらの内径よりも大径の内径を有する環状の大径溝49が形成されている。言い換えれば、大径溝49は、複数の補給路であるセカンダリ補給路38とプライマリ補給路48との間に、シリンダ本体15の内周面である摺動内径部28,29の内周面28A,29Aから外径側に凹んで形成されている。大径溝49は、底部12側でシリンダ軸方向に直交する壁面49Aと、壁面49Aの外縁部からシリンダ軸方向に沿って開口部16側に延出する円筒面状の溝底面49Bと、溝底面49Bの開口部16側の端縁部から開口部16側に、開口部側ほど小径となるように延出するテーパ面49Cとを有している。壁面49Aは、摺動内径部28の底部12とは反対側の壁面となっており、テーパ面49Cは摺動内径部29の底部12側の壁面となっている。溝底面49Bは、摺動内径部28,29の内周面28A,29Aと同心となっている。
摺動内径部29の周溝32の底部12側には、周溝32に開口するとともに周溝32からシリンダ軸方向に直線状に底部12側に向け延出して大径溝49に抜ける図2(a)に示すリセス51がシリンダ径方向外側に凹むように形成されている。このリセス51は、大径溝49における摺動内径部28の近傍となる位置に形成されたプライマリ吐出路27と周溝32とを後述するプライマリ圧力室85を介して連通させることになる。
シリンダ本体15に形成された上記の大径溝49は、プライマリピストン18およびセカンダリピストン19の案内のため加工性状(表面粗さ)の管理が厳しい摺動内径部28,29のシリンダ軸方向の長さを短くして、これら摺動内径部28,29の加工工数の低減を図るものである。また、大径溝49は、摺動内径部29のリセス51のシリンダ軸方向の長さを短くして、その加工工数の低減をも図るものである。
摺動内径部29における上記開口溝47の周溝32とは反対側つまり開口部16側に周溝33が形成されており、この周溝33内には、周溝33に保持されるように、円環状の区画シール52が配置されている。周溝33の開口部16側は、摺動内径部29の内周面29Aよりも若干大径の内径を有する開口内径部53となっている。
プライマリピストン18は、摺動内径部29と、ピストンシール45および区画シール52とによって摺動可能に支持されている。
シリンダ本体15の底部12側の摺動内径部28に嵌合されるセカンダリピストン19は、第1円筒部54と、第1円筒部54の軸線方向における一側に形成された底部55と、底部55の第1円筒部54とは反対側に形成された第2円筒部56とを有する形状をなしている。第1円筒部54の内周面と底部55の第1円筒部54側の底面とが、セカンダリピストン19に内周孔57を形成しており、第2円筒部56の内周面と底部55の第2円筒部56側の底面とが、セカンダリピストン19に内周孔58を形成している。
セカンダリピストン19は、第1円筒部54をシリンダ本体15内の底部12側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部28、ピストンシール35および区画シール42のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合されている。第1円筒部54の底部55に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも外径寸法が若干小さい環状の凹部59が形成されている。この凹部59には、その底部55側にシリンダ径方向に貫通するポート60が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とシリンダ本体15の底部12との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング62が設けられている。つまり、セカンダリピストンスプリング62は、セカンダリピストン19の内周孔57内に挿入されて一端がセカンダリピストン19の底部55に直接当接し、他端がシリンダ本体15の底部12に直接当接する。
ここで、シリンダ本体15の底部12および筒部13の底部12側とセカンダリピストン19とで囲まれる部分が、ブレーキ液圧を発生してセカンダリ吐出路26にブレーキ液圧を供給するセカンダリ圧力室(圧力室)68となっている。言い換えれば、セカンダリピストン19は、シリンダ本体15とで、セカンダリ吐出路26に液圧を供給するセカンダリ圧力室68を形成している。このセカンダリ圧力室68は、セカンダリピストン19がポート60を開口溝37に開口させる位置にあるとき、セカンダリ補給路38に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝31に保持される区画シール42は、合成ゴムからなる一体成形品であり、その中心線を含む径方向断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール42は、内周がセカンダリピストン19の外周に摺接するとともに外周がシリンダ本体15の周溝31に当接してセカンダリピストン19およびシリンダ本体15の区画シール42の位置の隙間を常時密封する。つまり、セカンダリピストン19に対応してシリンダ本体15の摺動内径部28の内周面28Aに形成された周溝31内の区画シール42は、内周がセカンダリピストン19に摺接してセカンダリ補給路38と後述するプライマリ圧力室85との間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝30に保持されるピストンシール35は、合成ゴムからなる一体成形品であり、その中心線を含む径方向断面の片側形状がE字状をなしている。つまり、ピストンシール35は、周溝30の開口部16側に配置される円環板状の基部90と、基部90の内周側から基部90の軸線方向にほぼ沿って底部12側に延出する円環状の内周リップ部91と、基部90の外周側から内周リップ部91と同じく底部12側に延出する円環状の外周リップ部92と、基部90の内周リップ部91と外周リップ部92との間から、これら内周リップ部91および外周リップ部92よりも先(基部90とは反対側)まで突出する円環状の中間突出部93とを有している。
ピストンシール35は、内周リップ部91の内周がセカンダリピストン19の外周に摺接するとともに外周リップ部92の外周がシリンダ本体15の周溝30に当接するようになっている。このピストンシール35は、セカンダリピストン19がポート60をピストンシール35よりも底部12側に位置させた状態では、セカンダリ補給路38とセカンダリ圧力室68との間を密封可能、つまり、セカンダリ圧力室68と、セカンダリ補給路38およびリザーバ11との連通を遮断可能となっている。言い換えれば、セカンダリピストン19に対応してシリンダ本体15の摺動内径部28の内周面28Aに形成された周溝30内のピストンシール35は、内周がセカンダリピストン19に摺接してセカンダリ補給路38とセカンダリ圧力室68との間を密封可能となっている。
この状態で、セカンダリピストン19が、シリンダ本体15の摺動内径部28およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール35および区画シール42の内周で摺動することによって、セカンダリ圧力室68内のブレーキ液を加圧してセカンダリ吐出路26から車輪側の制動用シリンダに供給することになる。つまり、複数のピストンのうちの一つであるセカンダリピストン19は、シリンダ本体15との間でセカンダリ吐出路26に液圧を供給するセカンダリ圧力室68を形成する。
なお、図示せぬブレーキペダル側から入力がなく、上述のセカンダリピストン19がセカンダリピストンスプリング62の付勢力でポート60を開口溝37に開口させる位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール35は上記セカンダリピストン19の凹部59内でポート60に一部重なるようになっている。そして、セカンダリピストン19がシリンダ本体15の底部12側へ移動してピストンシール35の内周部がポート60に全部重なると、セカンダリ圧力室68とリザーバ11との連通が遮断されるようになっている。
シリンダ本体15の開口部16側に嵌合されるプライマリピストン18は、第1円筒部71と、第1円筒部71の軸線方向における一側に形成された底部72と、底部72の第1円筒部71とは反対側に形成された第2円筒部73とを有する形状をなしている。第1円筒部71の内周面と底部72の第1円筒部71側の底面とが、プライマリピストン18に内周孔74を形成しており、第2円筒部73の内周面と底部72の第2円筒部73側の底面とが、プライマリピストン18に内周孔75を形成している。
プライマリピストン18は、第1円筒部71をシリンダ本体15内のセカンダリピストン19側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部29、ピストンシール45および区画シール52のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合されている。ここで、第2円筒部73の内側つまり内周孔75には図示せぬブレーキブースタの出力軸が挿入され、この出力軸によって底部72が押圧されることになる。
第1円筒部71の底部72に対し反対側の端部の外周側には、他の部分よりも外径寸法が若干小さい環状の凹部76が形成されている。この凹部76には、その底部72側に径方向に貫通するポート77が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とプライマリピストン18との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるプライマリピストンスプリング78を含む間隔調整部79が設けられている。この間隔調整部79は、セカンダリピストン19の内周孔58に挿入されて底部55に当接する係止部材81と、プライマリピストン18の内周孔74に挿入されて底部72に当接する係止部材82と、係止部材82に一端部が固定されるとともに係止部材81を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材83とを有している。上記プライマリピストンスプリング78は、両側の係止部材81,82間に介装されている。
ここで、シリンダ本体15の筒部13とプライマリピストン18とセカンダリピストン19とで囲まれて形成される部分が、ブレーキ液圧を発生してプライマリ吐出路27にブレーキ液を供給するプライマリ圧力室(圧力室)85となっている。言い換えれば、プライマリピストン18は、セカンダリピストン19とシリンダ本体15とで、プライマリ吐出路27に液圧を供給するプライマリ圧力室85を形成している。このプライマリ圧力室85は、プライマリピストン18がポート77を開口溝47に開口させる位置にあるとき、プライマリ補給路48に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝33に保持される区画シール52は、区画シール42と同じ部品であり、合成ゴムからなる一体成形品であって、その中心線を含む径方向断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール52は、内周がプライマリピストン18の外周に摺接するとともに外周がシリンダ本体15の周溝33に当接してプライマリピストン18およびシリンダ本体15の区画シール52の位置の隙間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝32に保持されるピストンシール45は、ピストンシール35と同じ部品であり、合成ゴムからなる一体成形品であって、その中心線を含む径方向断面の片側形状がE字状をなしている。つまり、ピストンシール45は、周溝32の開口部16側に配置される円環板状の基部90と、基部90の内周側から基部90の軸線方向にほぼ沿って底部12側に延出する円環状の内周リップ部91と、基部90の外周側から内周リップ部91と同じく底部12側に延出する円環状の外周リップ部92と、基部90の内周リップ部91と外周リップ部92との間からこれら内周リップ部91および外周リップ部92よりも先(基部90とは反対側)まで突出する円環状の中間突出部93とを有している。
ピストンシール45は、内周リップ部91の内周がプライマリピストン18の外周に摺接するとともに外周リップ部92の外周がシリンダ本体15の周溝32に当接するようになっている。このピストンシール45は、プライマリピストン18がポート77をピストンシール45よりも底部12側に位置させた状態では、プライマリ補給路48とプライマリ圧力室85との間を密封可能、つまり、プライマリ圧力室85と、プライマリ補給路48およびリザーバ11との連通を遮断可能となっている。言い換えれば、プライマリピストン18に対応してシリンダ本体15の摺動内径部29の内周面29Aに形成された周溝32内のピストンシール45は、内周がプライマリピストン18に摺接してプライマリ補給路48とプライマリ圧力室85との間を密封可能となっている。
この状態で、プライマリピストン18が、シリンダ本体15の摺動内径部29およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール45および区画シール52の内周で摺動することによって、プライマリ圧力室85内のブレーキ液を加圧してプライマリ吐出路27から車輪側の制動用シリンダに供給することになる。つまり、複数のピストンのうちの他の一つであるプライマリピストン18は、シリンダ本体15との間でプライマリ吐出路27に液圧を供給するプライマリ圧力室85を形成する。
なお、図示せぬブレーキペダル側から入力がなく、上述のプライマリピストン18がポート77を開口溝47に開口させる位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール45は上記プライマリピストン18の凹部76内でポート77に一部重なるようになっている。そして、プライマリピストン18がシリンダ本体15の底部12側へ移動してピストンシール45の内周部がポート77に全部重なると、プライマリ圧力室85とリザーバ11との連通が遮断されるようになっている。
そして、本実施形態においては、この大径溝49のシリンダ軸方向の中間位置に、径方向内方に突出して、セカンダリピストン19が摺動する摺動部100が形成されている。つまり、摺動部100は、セカンダリピストン19の摺動を案内するものであり、大径溝49を軸方向に分断するように形成されている。言い換えれば、大径溝49には、そのシリンダ本体15の軸方向の部位に、摺動部100が形成されている。さらに、言い換えれば、摺動部100はシリンダ軸方向に隣り合うピストン18,19を案内する、シリンダ軸方向に離間する摺動内径部28,29の間に形成されている。
摺動部100は、環状をなしており、円筒面状の内周面100Aと、内周面100Aの底部12側の端縁部から底部12側に底部12側ほど大径となるように延出して溝底面49Bに繋がるテーパ面100Bと、内周面100Aの開口部16側の端縁部から開口部16側に開口部16側ほど大径となるように延出して溝底面49Bに繋がるテーパ面100Cとを有している。この摺動部100の内周面100Aは、摺動内径部28,29の内周面28A,29Aと同心同径となっている。
開口部16側の摺動内径部29の内周面29Aと摺動部100の内周面100Aとの間の距離は、内周面29Aと内周面100Aとで同時にセカンダリピストン19を支持可能となるようにセカンダリピストン19の軸方向長さよりも短くなっている。底部12側の摺動内径部28の内周面28Aと摺動部100の内周面100Aとの間の距離も、内周面28Aと内周面100Aとで同時にセカンダリピストン19を支持可能となるようにセカンダリピストン19の軸方向長さよりも短くなっている。また、摺動部100は、ブレーキペダルが踏み込まれていない図1に示す非制動状態でセカンダリピストン19の第2円筒部56の開口部16側を摺動可能に支持する位置に形成されている。なお、摺動部100の内周面100A側には、溝底面49Bよりも浅い範囲でシリンダ径方向外側に凹む図2(b)に示すリセス110が摺動部100を軸方向に貫通するように形成されている。
以上に述べた本実施形態によれば、シリンダ本体15には、大径溝49に、セカンダリピストン19が摺動する摺動部100が、径方向内方に突出して大径溝49を軸方向に分断するように形成されているため、セカンダリピストン19のシリンダ本体15への組み付け時に、シリンダ本体15に対してセカンダリピストン19が傾いて入ってしまう、いわゆる、セカンダリピストン19の倒れを規制することができる。よって、セカンダリピストン19の挿入の先端部である第1円筒部54の底部55とは反対側の端部が大径溝49の摺動内径部28側の壁面49Aに引っかかってしまう状態が生じることを抑制できるため、セカンダリピストン19のシリンダ本体15への組み付け性を向上させることができる。
つまり、摺動部100がない場合には、図3に二点鎖線で示すように、大径溝49にガイドがなく、セカンダリピストン19が摺動内径部29の内周面29Aで支持される部分を中心にボア14の中心軸に対し倒れて、例えばその挿入の先端部である第1円筒部54の底部55とは反対側の端部が大径溝49の摺動内径部28側の壁面49Aに引っかかってしまう状態を生じて組み付けが困難になってしまう可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、図3に実線で示すように、摺動内径部29から突出するセカンダリピストン19を摺動部100で案内できるため、上記のような状況が生じるのを抑制することができる。特に、ピストンの外径寸法が比較的小径で、シリンダ本体に対するピストンの移動量が長い、いわゆる、小径ロングストロークタイプのマスタシリンダの場合、ピストンの外径寸法が比較的大径で、シリンダ本体に対するピストンの移動量が短い、いわゆる、大径ショートストロークのマスタシリンダと比べて大径溝の軸方向長が長くなることから、上記の問題を生じやすくなるため、上記摺動部100をシリンダ本体15に設ける構造は、小径ロングストロークタイプのマスタシリンダに好適な構造となる。
また、マスタシリンダ10を車両に搭載して使用する際には、摺動内径部28の内周面28Aと摺動部100の内周面100Aとでセカンダリピストン19を同時に支持するため、ガイド長を長くでき、セカンダリピストン19の傾き量を抑制できて摺動性を向上させることができる。その結果、セカンダリピストン19の傾きに起因するピストンシール35および区画シール42の偏摩耗や、セカンダリピストン19の傷付きが抑制され、セカンダリ圧力室68からセカンダリ補給路38への液漏れやプライマリ圧力室85からセカンダリ補給路38への液漏れを抑制でき、信頼性を向上させることができる。
また、摺動部100の位置が、ブレーキペダルが踏み込まれていない非制動状態でセカンダリピストン19の開口部16側を摺動可能に支持する位置に形成されているため、ブレーキペダルが踏み込まれてセカンダリピストン19が底部12側に移動する動き出し時のガイド長がより長くなり、動き出しを円滑にすることができる。
また、摺動部100に、シリンダ径方向外側に凹むリセス110が軸方向に貫通するように形成されているため、図示略の横滑り防止装置等のポンプによってプライマリ圧力室85のブレーキ液がプライマリ吐出路27に強制的に吸引される場合にも、リザーバ11からのブレーキ液をプライマリ補給路48からピストンシール45と周溝32との隙間を介してプライマリ圧力室85に補給して上記リセス110を介してプライマリ吐出路27に円滑に流すことができる。つまり、ポンプによる吸引時は、セカンダリピストン19は基本的に移動せず、摺動部100の内周面100Aから離れないため、リセス110がなければ、セカンダリピストン19と摺動部100との隙間がなく、ブレーキ液がプライマリ吐出路27に円滑に流れないことになってしまうが、上記リセス110があるためプライマリ吐出路27にブレーキ液を円滑に流すことができる。
なお、摺動部100にリセス110を形成せず、図4に示すように、摺動部100の内周面100Aの径d1を、摺動内径部29の内周面29Aの径d2より若干大径としても良い。これにより、プライマリ圧力室85内の摺動部100とセカンダリピストン19との隙間を介してプライマリ吐出路27にブレーキ液を良好に流すことができる。言い換えれば、上記のブレーキ液補給の流量を確保可能な範囲で摺動部100の内周面100Aの内径を大きくする。このように構成すれば、リセス110の加工が不要となる。その上、摺動部100は、セカンダリピストン19を組み付け時には摺動させるものの、組み付け時以外つまり使用時は実質的に案内しなくなることから、その内周面100Aの加工性状(表面粗さ)の管理を摺動内径部28,29よりも緩めることができ、よって、加工コストを低減することができる。
以上、本実施形態は、ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とをそれぞれ複数有する有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体の内周面に摺動可能に挿入され、該シリンダ本体との間で前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成する複数のピストンと、該複数のピストンに対応して前記シリンダ本体の内周面に形成された周溝内に設けられ、内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室との間を密封可能なピストンシールとを有するマスタシリンダにおいて、前記シリンダ本体には、前記複数の補給路の間に、該シリンダ本体の内周面から外径側に凹む環状の大径溝が形成され、該大径溝には、前記ピストンが摺動する摺動部が、前記大径溝を軸方向に分断するように形成されている構成とした。これにより、ピストンが大径溝に引っかかってしまう状態が生じることを抑制できるため、ピストンのシリンダ本体への組み付け性を向上させることができる。したがって、マスタシリンダの製造効率の低下を抑制することができる。
10 マスタシリンダ
11 リザーバ
15 シリンダ本体
18 プライマリピストン(ピストン)
19 セカンダリピストン(ピストン)
26 セカンダリ吐出路(吐出路)
27 プライマリ吐出路(吐出路)
28 摺動内径部
28A 内周面
29 摺動内径部
29A 内周面
30,32 周溝
35,45 ピストンシール
38 セカンダリ補給路(補給路)
48 プライマリ補給路(補給路)
49 大径溝
68 セカンダリ圧力室(圧力室)
85 プライマリ圧力室(圧力室)
100 摺動部

Claims (1)

  1. ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とをそれぞれ複数有する有底筒状のシリンダ本体と、
    該シリンダ本体の内周面に摺動可能に挿入され、該シリンダ本体との間で前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成する複数のピストンと、
    該複数のピストンに対応して前記シリンダ本体の内周面に形成された周溝内に設けられ、内周が前記ピストンに摺接して前記補給路と前記圧力室との間を密封可能なピストンシールとを有するマスタシリンダにおいて、
    前記シリンダ本体には、前記複数の補給路の間に、該シリンダ本体の内周面から外径側に凹む環状の大径溝が形成され、
    該大径溝には、前記ピストンが摺動する摺動部が、前記大径溝を軸方向に分断するように形成されていることを特徴とするマスタシリンダ。
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