JP2014097721A - マスタシリンダ - Google Patents

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哲成 中野
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Abstract

【課題】マスタシリンダのシリンダボディに形成される連通溝(空気抜き性能を改善するための溝)の加工コストを低減すること。
【解決手段】マスタシリンダMCは、有底筒状のシリンダ内孔11を有するシリンダボディ10と、シリンダ内孔11に組付けた入力ピストン21と、シリンダ内孔11の第1環状収容溝11aに組付けられ補給路(Ra1)と圧力室(Rp1)との間を遮断可能なピストンシール31と、シリンダ内孔11の第2環状収容溝11bに組付けられ補給路(Ra1)と大気との間を遮断可能なシール部材41を備えている。シリンダ内孔11には、入力ピストン21が初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間に、入力ピストン21と軸方向にて重なる環状連通溝11eと、環状連通溝11eと第1環状収容溝11aを連通させる第1直線状連通溝11fと、環状連通溝11eと圧力室(Rp1)を連通させる第2直線状連通溝11gが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両においてブレーキ装置にブレーキ液を供給するためのマスタシリンダに関する。
この種のマスタシリンダの一つとして、ブレーキ液の供給路とリザーバに連通する補給路とを有するとともに有底筒状のシリンダ内孔を有するシリンダボディと、このシリンダボディの前記シリンダ内孔にシリンダ軸方向に移動可能かつ液密的に組付けられて前記シリンダボディ内に前記供給路に連通する圧力室を形成し端部が前記シリンダボディ外に突出する入力ピストンと、前記シリンダボディの前記シリンダ内孔に形成された第1環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と前記圧力室との間を遮断可能なピストンシールと、前記シリンダ内孔の前記第1環状収容溝より開口部側部位に形成された第2環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と大気との間を遮断可能なシール部材を備えているものがあり、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
下記の特許文献1に記載されているマスタシリンダでは、前記シリンダボディの前記シリンダ内孔に、軸方向に延びて前記供給路と前記第1環状収容溝とを接続する連通溝が形成されていて、当該マスタシリンダ内へのブレーキ液の補給時における空気抜き性能の改善が図られている。なお、上記した空気抜き性能は、前記供給路と前記第1環状収容溝間の流路抵抗(圧力損失)を低減することにより改善することが可能である。また、上記した空気抜きの作業は、一般的な作業であり、入力ピストンを軸方向に往復動させてブレーキ液を補給路から供給路に向けて流動させることにより行われる。このとき、マスタシリンダ内の空気は、ブレーキ液中に気泡となって混入し、ブレーキ液とともに供給路を通してマスタシリンダ外に排出される。
特開2004−299568号公報
ところで、上記特許文献1に記載されているマスタシリンダでは、供給路と第1環状収容溝とを接続する連通溝がシリンダ軸方向に沿って直線状に形成されている。このため、連通溝にて生じる流路抵抗を小さくするためには、連通溝の通路面積(断面積)を大きく設定するとともに連通溝の個数を複数個とする必要があり、加工コストが嵩むおそれがある。
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたもの(マスタシリンダのシリンダボディに形成される連通溝(空気抜き性能を改善するための溝)の加工コストを低減することを課題とするもの)であり、
ブレーキ液の供給路とリザーバに連通する補給路とを有するとともに有底筒状のシリンダ内孔を有するシリンダボディと、このシリンダボディの前記シリンダ内孔にシリンダ軸方向に移動可能かつ液密的に組付けられて前記シリンダボディ内に前記供給路に連通する圧力室を形成し端部が前記シリンダボディ外に突出する入力ピストンと、前記シリンダボディの前記シリンダ内孔に形成された第1環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と前記圧力室との間を遮断可能なピストンシールと、前記シリンダ内孔の前記第1環状収容溝より開口部側部位に形成された第2環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と大気との間を遮断可能なシール部材を備えていて、
前記シリンダボディの前記シリンダ内孔には、前記入力ピストンが初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間に、前記入力ピストンと軸方向にて重なる環状連通溝が形成されているとともに、この環状連通溝と前記第1環状収容溝を連通させる第1直線状連通溝と、前記環状連通溝と前記圧力室を連通させる第2直線状連通溝が形成されているマスタシリンダに特徴がある。なお、第1直線状連通溝と第2直線状連通溝の個数は、単数であっても複数であってもよい。
上記した本発明のマスタシリンダでは、前記供給路と前記第1環状収容溝とを接続する連通溝が、入力ピストンが初期位置から所定量軸方向に移動する間に入力ピストンと軸方向にて重なる環状連通溝と、この環状連通溝と第1環状収容溝を連通させる第1直線状連通溝と、この環状連通溝と圧力室を連通させる第2直線状連通溝とを備える構成とされている。
ところで、環状連通溝は、シリンダ内孔と同様に加工することにより直線状の連通溝に比して容易かつ安価に形成することが可能であり、しかも、通路面積(断面積)を直線状の連通溝に比して必要十分に大きくすることが可能である。このため、第1直線状連通溝と第2直線状連通溝とが、従来の連通溝と同様に単位長さあたりの加工コストが嵩むものであっても、環状連通溝の軸方向長さを十分に確保することにより、第1直線状連通溝と第2直線状連通溝の軸方向長さを従来の連通溝の軸方向長さに比して十分に短縮することが可能である。したがって、第1直線状連通溝、第2直線状連通溝および環状連通溝等の形成に要する加工コストを従来の連通溝の形成に要する加工コストに比して十分に低減することが可能である。
上記した本発明の実施に際して、前記両環状収容溝が形成されている部位間の前記シリンダ内孔と、前記両直線状連通溝が形成されている部位の前記シリンダ内孔には、前記入力ピストンを軸方向に摺動可能にガイドするガイド部が形成されていることも可能である。この場合には、入力ピストンが初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間の動きを円滑とすることが可能である。
また、この場合において、前記入力ピストンの外端側軸心には、ピストン内孔が前記シリンダ内孔に対して同軸的に形成されていて、同ピストン内孔の底部には操作力を入力可能な球状凹部が形成されており、前記入力ピストンが初期位置にあるときには、前記両環状収容溝が形成されている部位間に形成されているガイド部の軸方向外端から前記球状凹部までの軸方向長さが、前記第2直線状連通溝が形成されている部位に形成されているガイド部の軸方向外端から前記入力ピストンの内端部外周までの軸方向長さに比して、小さくなるように設定されていることも可能である。
この場合には、入力ピストンが初期位置にあるとき、仮に、入力ピストンが、シリンダボディのシリンダ内孔に対して傾斜していても、操作力の入力による入力ピストンの嵌入移動に伴って、入力ピストンが傾斜を減ずる方向に傾動する。したがって、入力ピストンの内端部外周が、第2直線状連通溝が形成されている部位に形成されているガイド部の軸方向外端(環状連通溝側端部)に到達する際には、入力ピストンの傾斜が無くなって、シリンダ内孔の軸心と入力ピストンの軸心が略平行となる。このため、入力ピストンの内端部外周と、第2直線状連通溝が形成されている部位に形成されているガイド部の軸方向外端との、引っ掛かりが防止されて、入力ピストンが円滑に軸方向移動する。これにより、良好なガイド性が確保される。
また、上記した本発明の実施に際して、前記第1直線状連通溝と前記第2直線状連通溝は、一直線状に形成されていて、前記環状連通溝によって分断されていることも可能である。この場合には、一直線状に形成される第1直線状連通溝と第2直線状連通溝の加工を一連の作業にて行うことが可能であり、同加工を容易かつ安価とすることが可能である。なお、第1直線状連通溝と第2直線状連通溝の加工は、環状連通溝の加工後であっても、環状連通溝の加工前であってもよい。
本発明によるマスタシリンダの一実施形態を示す要部断面図である。 図1に示した初期位置のプライマリーピストンが僅かに嵌入移動した状態の作動説明図である。 図1に示した初期位置のプライマリーピストンが所定量軸方向に嵌入移動した状態の作動説明図である。 図1に示したプライマリーピストンとセカンダリーピストンが共にフルストロークで嵌入移動した状態の作動説明図である。 図1に示したプライマリーピストンのみがフルストロークで嵌入移動した状態の作動説明図である。 図1に示したプライマリーピストンが初期位置にあるときシリンダボディのシリンダ内孔に対して傾斜している場合の作動を誇張して概略的に示した作動説明図である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明によるマスタシリンダMCを示していて、このマスタシリンダMCは、ブレーキブースタ(図示省略)に組付けられるシリンダボディ10と、このシリンダボディ10内に組付けられたピストン21,22、シールリング31,32と41,42、および、復帰機構50,60を備えている。
シリンダボディ10は、閉塞前端部(図1の左端部)から開口後端部(図1の右端部)まで軸方向に延びる有底筒状のシリンダ内孔11を有するとともに、ブレーキ液を収容するリザーバRに接続される前後一対の接続ポート12,13を有している。また、シリンダボディ10は、シリンダ内孔11と各接続ポート12,13をそれぞれ連通させる連通孔14,15を有するとともに、液圧制御装置(図示省略)を介して4個のホイールシリンダ(図示省略)に接続される前後一対のアウトレットポート16,17を有している。なお、連通孔15は本発明の補給路の一部であり、アウトレットポート17は本発明の供給路である。
後方のピストン(プライマリーピストン)21は、運転者によるブレーキ操作によって前方に押動されるものであり、シリンダ内孔11の後方部位にシールリング31,41を介して液密的かつシリンダ軸方向に移動可能に組付けられていて、前方(閉塞端部側)にプライマリー液圧室Rp1を区画形成し、シールリング31,41間に大気圧液室Ra1を形成しており、後方端部がシリンダボディ10外に突出している。このピストン21の前端部には、同ピストン21の外周壁面に開口しプライマリー液圧室Rp1に内端にて連通する複数個のピストンポート21aが形成されている。ピストンポート21aは、周方向にて等間隔に複数個形成されている。なお、後方のピストン21は本発明の入力ピストンであり、プライマリー液圧室Rp1は後方のアウトレットポート17に連通していて本発明の圧力室である。
プライマリー液圧室Rp1は、後方のアウトレットポート17に常時連通していて、図1の状態(ピストン21が初期位置にある非作動状態)にて後方のピストン21に設けたピストンポート21aを通して大気圧液室Ra1に連通する液圧室であり、後方のピストン21が図1の非作動位置から前方に所要量移動して、図2、図3等に例示したように、ピストンポート21aと大気圧液室Ra1との連通がシールリング31によって遮断されることにより、大気圧液室Ra1との連通が遮断されて密閉されるように構成されている。大気圧液室Ra1は、後方の連通孔15を通して後方の接続ポート13に常時連通する液圧室であり、リザーバRに常時連通している。このため、大気圧液室Ra1、後方の連通孔15、後方の接続ポート13等が本発明の補給路を構成している。
シールリング31は、ピストン21の外周にてシリンダボディ10のシリンダ内孔11に形成された第1環状収容溝11aに組付けられていて、内周にてピストン21の外周に摺接しており、プライマリー液圧室Rp1と大気圧液室Ra1との間を遮断可能である。また、シールリング31は、周知のように、大気圧液室Ra1からプライマリー液圧室Rp1への液補給を許容するリップを有している。なお、シールリング31は本発明のピストンシールである。
シールリング41は、ピストン21の外周にてシリンダボディ10のシリンダ内孔11(の第1環状収容溝11aより開口部側部位)に形成された第2環状収容溝11bに組付けられていて、内周にてピストン21の外周に摺接しており、大気圧液室Ra1と大気との間を遮断可能である。また、シールリング41は、周知のように、大気圧液室Ra1から大気への液漏れを防止するリップを有している。なお、シールリング41は本発明のシール部材である。
前方のピストン(セカンダリーピストン)22は、後方のピストン21の前方への移動に伴って前方に押動されるものであり、シリンダ内孔11の前方部位にシールリング32,42を介して液密的かつシリンダ軸方向に移動可能に組付けられていて、前方(閉塞端部側)にセカンダリー液圧室Rp2を区画形成し、シールリング32,42間に大気圧液室Ra2を形成している。このピストン22の前端部には、同ピストン22の外周壁面に開口しセカンダリー液圧室Rp2に内端にて連通する複数個のピストンポート22aが形成されている。ピストンポート22aは、周方向にて等間隔に複数個形成されている。
セカンダリー液圧室Rp2は、前方のアウトレットポート16に常時連通していて、図1〜図3の状態(ピストン22が初期位置にある非作動状態)にて前方のピストン22に設けたピストンポート22aを通して大気圧液室Ra2に連通する液圧室であり、前方のピストン22が図1〜図3の非作動位置から前方に所要量移動して、図4に例示したように、ピストンポート22aと大気圧液室Ra2との連通がシールリング32によって遮断されることにより、大気圧液室Ra2との連通が遮断されて密閉されるように構成されている。大気圧液室Ra2は、前方の連通孔14を通して前方の接続ポート12に常時連通する液圧室であり、リザーバRに常時連通している。このため、大気圧液室Ra2、前方の連通孔14、前方の接続ポート12等が前方の補給路を構成している。
シールリング32は、ピストン22の外周にてシリンダボディ10のシリンダ内孔11に形成された環状収容溝11cに組付けられていて、内周にてピストン22の外周に摺接しており、セカンダリー液圧室Rp2と大気圧液室Ra2との間を遮断可能である。また、シールリング31は、周知のように、大気圧液室Ra2からセカンダリー液圧室Rp2への液補給を許容するリップを有している。
シールリング42は、ピストン22の外周にてシリンダボディ10のシリンダ内孔11に形成された環状収容溝11dに組付けられていて、内周にてピストン22の外周に摺接しており、大気圧液室Ra2とプライマリー液圧室Rp1との間を遮断可能である。また、シールリング42は、周知のように、プライマリー液圧室Rp1から大気圧液室Ra2への液漏れを防止するリップを有している。
後方の復帰機構50は、後方のピストン21を図1に示した非作動位置(初期位置)に復帰させるためのものであり、プライマリー液圧室Rp1に設けられていて、リテーナ51とストッパ52とロッド53とスプリング54とを備えている。リテーナ51は、後方のピストン21に組付けられている。ストッパ52は、前方のピストン31と係合している。ロッド53は、リテーナ51に対して固定されストッパ52に対して図示位置から前方に所定量移動可能に組付けられている。スプリング54は、リテーナ51とストッパ52との間に介装されており、図1の状態でのセット荷重がf1に設定されていて、後方のピストン21を後方に向けて付勢している。
前方の復帰機構60は、前方のピストン22を図1に示した非作動位置に復帰させるためのものであり、セカンダリー液圧室Rp2に設けられていて、リテーナ61とストッパ62とロッド63とスプリング64とを備えている。リテーナ61は、前方のピストン22に組付けられている。ストッパ62は、シリンダボディ10の底部と係合している。ロッド63は、リテーナ61に対して固定されストッパ62に対して図示位置から前方に所定量移動可能に組付けられている。スプリング64は、リテーナ61とストッパ62との間に介装されており、図1の状態でのセット荷重がf2(f2<f1)に設定されていて、前方のピストン22を後方に向けて付勢している。
ところで、この実施形態においては、シリンダボディ10のシリンダ内孔11に、環状連通溝11eと第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gが形成されているとともに、第3直線状連通溝11hが形成されている。環状連通溝11eと第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gは、後方のアウトレットポート(供給路)17に常時連通しているプライマリー液圧室Rp1と第1環状収容溝11aとを常に接続する連通溝を構成している。第3直線状連通溝11hは、前方のアウトレットポート(供給路)16に常時連通しているセカンダリー液圧室Rp2と環状収容溝11cとを常に接続する連通溝を構成している。
このため、この実施形態においては、プライマリー側(ピストン21側)において、プライマリー液圧室Rp1と第1環状収容溝11aとを常に接続する連通溝全体を直線状の連通溝にて構成する場合に比して、プライマリー液圧室Rp1と第1環状収容溝11a間の流路抵抗(圧力損失)を低減することが可能であり、当該マスタシリンダMC内へのブレーキ液の補給時における空気抜き性能を改善することが可能である。
なお、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの個数は、単数であっても複数であってもよい。第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの個数が、単数である場合には、シリンダ内孔11の上部に形成されるのが望ましい。また、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの個数が、複数である場合には、シリンダ内孔11の周方向にて等間隔に形成されるのが望ましい。
環状連通溝11eは、ピストン21が初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間に、ピストン21と軸方向にて重なる部位に形成されている(図3参照)。第1直線状連通溝11fは、環状連通溝11eと第1環状収容溝11aとの間に形成されていて、環状連通溝11eと第1環状収容溝11aを常に連通させている。第2直線状連通溝11gは、環状連通溝11eとプライマリー液圧室Rp1との間に形成されていて、環状連通溝11eとプライマリー液圧室Rp1を常に連通させている。
ところで、環状連通溝11eは、シリンダ内孔11と同様に加工することにより直線状の連通溝(例えば、直線状連通溝11f、11g)に比して容易かつ安価に形成することが可能であり、しかも、通路面積(断面積)を直線状の連通溝(11f、11g)に比して必要十分に大きくすることが可能である。このため、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gとが、従来の連通溝(シリンダ軸方向に沿って形成されている直線状の連通溝)と同様に単位長さあたりの加工コストが嵩むものであっても、環状連通溝11eの軸方向長さを十分に確保することにより、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの軸方向長さを従来の連通溝の軸方向長さに比して十分に短縮することが可能である。したがって、第1直線状連通溝11f、第2直線状連通溝11gおよび環状連通溝11e等の形成に要する加工コストを従来の連通溝の形成に要する加工コストに比して十分に低減することが可能である。
また、この実施形態においては、両環状収容溝11a、11bが形成されている部位間のシリンダ内孔11に、ピストン21を軸方向に摺動可能にガイドするガイド部G1が形成され、各直線状連通溝11f、11gが形成されている部位のシリンダ内孔11に、ピストン21を軸方向に摺動可能にガイドするガイド部G2,G3がそれぞれ形成されている。このため、ピストン21が初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間の動きを円滑とすることが可能である。
また、この実施形態においては、ピストン21の外端側軸心に、ピストン内孔21aがシリンダ内孔11に対して同軸的に形成されていて、同ピストン内孔21aの底部には操作力を入力可能な球状凹部21a1が形成されており、ピストン21が初期位置にあるときには、両環状収容溝11a、11bが形成されている部位間に形成されているガイド部G1の軸方向外端から球状凹部21a1までの軸方向長さA(図1参照)が、第2直線状連通溝11gが形成されている部位に形成されているガイド部G3の軸方向外端からピストン21の内端部外周までの軸方向長さB(図1参照)に比して、小さくなる(B>A)ように設定されている。
このため、ピストン21が初期位置にあるとき、仮に、ピストン21が、シリンダボディ10のシリンダ内孔11に対して傾斜していても、操作力の入力によるピストン21の嵌入移動に伴って、ピストン21が傾斜を減ずる方向に傾動する(図6の(a)と(b)参照)。したがって、ピストン21の内端部外周が、第2直線状連通溝11gが形成されている部位に形成されているガイド部G3の軸方向外端に到達する際には、ピストン21の傾斜が無くなって、シリンダ内孔11の軸心とピストン21の軸心が略平行となる(図6の(b)参照)。このため、ピストン21の内端部外周と、第2直線状連通溝11gが形成されている部位に形成されているガイド部G3の軸方向外端との、引っ掛かりが防止されて、ピストン21が円滑に軸方向移動する(図6の(b)と(c)参照)。これにより、良好なガイド性が確保される。
また、この実施形態においては、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gが一直線状に形成されていて、環状連通溝11eによって分断されている。このため、一直線状に形成される第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの加工を一連の作業にて行うことが可能であり、同加工を容易かつ安価とすることが可能である。なお、第1直線状連通溝11fと第2直線状連通溝11gの加工は、環状連通溝11eの加工後であっても、環状連通溝11eの加工前であってもよい。
上記した実施形態においては、図1に示したように、ガイド部G1の軸方向外端から球状凹部21a1までの軸方向長さAが、ガイド部G3の軸方向外端からピストン21の内端部外周までの軸方向長さBに比して、小さくなる(B>A)ように設定して実施したが、かかる長さ設定は適宜変更が可能である。なお、長さAと長さBの設定を適宜変更した場合には、上記した作用効果(ピストン21が図6の(a)状態から(b)状態となる作動)が得られない場合もある。このため、ピストン21の内端部外周とガイド部G3の軸方向外端との引っ掛かりを防止するために、ピストン21の内端部外周に図1〜図5に示したように先細となるテーパ部を設けるとともに、環状連通溝11eの前端部に先細となるテーパ部を設けて実施するのが望ましい。
MC…マスタシリンダ、10…シリンダボディ、11…シリンダ内孔、11a…第1環状収容溝、11b…第2環状収容溝、11e…環状連通溝、11f…第1直線状連通溝、11g…第2直線状連通溝、17…アウトレットポート(供給路)、Ra1、15、13…大気圧液室、後方の連通孔、後方の接続ポート(補給路)、21…ピストン(入力ピストン)、21a…ピストン内孔、21a1…球状凹部、31…シールリング(ピストンシール)、41…シールリング(シール部材)、G1、G2、G3…ガイド部、Rp1…プライマリー液圧室(圧力室)、R…リザーバ

Claims (4)

  1. ブレーキ液の供給路とリザーバに連通する補給路とを有するとともに有底筒状のシリンダ内孔を有するシリンダボディと、このシリンダボディの前記シリンダ内孔にシリンダ軸方向に移動可能かつ液密的に組付けられて前記シリンダボディ内に前記供給路に連通する圧力室を形成し端部が前記シリンダボディ外に突出する入力ピストンと、前記シリンダボディの前記シリンダ内孔に形成された第1環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と前記圧力室との間を遮断可能なピストンシールと、前記シリンダ内孔の前記第1環状収容溝より開口部側部位に形成された第2環状収容溝に組付けられて内周にて前記入力ピストンの外周に摺接し前記補給路と大気との間を遮断可能なシール部材を備えていて、
    前記シリンダボディの前記シリンダ内孔には、前記入力ピストンが初期位置から所定量軸方向に嵌入移動する間に、前記入力ピストンと軸方向にて重なる環状連通溝が形成されているとともに、この環状連通溝と前記第1環状収容溝を連通させる第1直線状連通溝と、前記環状連通溝と前記圧力室を連通させる第2直線状連通溝が形成されているマスタシリンダ。
  2. 請求項1に記載のマスタシリンダにおいて、前記両環状収容溝が形成されている部位間の前記シリンダ内孔と、前記両直線状連通溝が形成されている部位の前記シリンダ内孔には、前記入力ピストンを軸方向に摺動可能にガイドするガイド部が形成されていることを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 請求項2に記載のマスタシリンダにおいて、前記入力ピストンの外端側軸心には、ピストン内孔が前記シリンダ内孔に対して同軸的に形成されていて、同ピストン内孔の底部には操作力を入力可能な球状凹部が形成されており、前記入力ピストンが初期位置にあるときには、前記両環状収容溝が形成されている部位間に形成されているガイド部の軸方向外端から前記球状凹部までの軸方向長さが、前記第2直線状連通溝が形成されている部位に形成されているガイド部の軸方向外端から前記入力ピストンの内端部外周までの軸方向長さに比して、小さくなるように設定されていることを特徴とするマスタシリンダ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のマスタシリンダにおいて、前記第1直線状連通溝と前記第2直線状連通溝は、一直線状に形成されていて、前記環状連通溝によって分断されていることを特徴とするマスタシリンダ。
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