JP4380108B2 - プランジャ型マスタシリンダ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の液圧式ブレーキシステム等に用いるプランジャ型マスタシリンダに関し、特には、運転手による人的なブレーキ制御とは別に行うブレーキ制御(たとえば、車両の姿勢制御のための自動ブレーキ制御、あるいは車両加速時に駆動輪のブレーキ力を制御するトラクション制御など)に好適なマスタシリンダの技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
この種のプランジャ型マスタシリンダは、コンベンショナル型のマスタシリンダとは逆に、移動するピストンの側にリリーフポート、そのリリーフポートを開閉するシールリングがシリンダハウジングの側にそれぞれある。ピストンはシリンダハウジングのシリンダ孔の奥に液圧室を区画し、また、そのピストンがもつリリーフポートは、シリンダハウジングがもつ作動液補給通路(つまり、リザーバに連絡する連絡通路)に連絡している。通常の人的なブレーキ制御がないブレーキ非作動時、リリーフポートは開き連絡通路を通してリザーバに連絡しており、したがって、液圧室は無圧状態である。一方、ブレーキ作動時には、ブレーキ操作によりピストンは液圧室側に移動し、ピストンのリリーフポートはシリンダハウジング側のシールリングによって遮断され、マスタシリンダは液圧室にブレーキ液圧を発生する。このようなプランジャ型マスタシリンダは、コンベンショナル型のものに比べて、シールリングのシール喰われ(シールリングのリップ部がリリーフポートの開口に食い込む現象)が少なく、シールリングの耐久性が高い、といわれる。
【0003】
しかし、このプランジャ型マスタシリンダを、運転手の人的なブレーキ制御とは別に行う自動ブレーキ制御やトラクション制御などに適用する場合、リザ−バ側から液圧室に作動液を補給する(以下、これを液補給あるいは液補給性という)上で難点がある。人的なブレーキ操作に伴う無効ストロークを小さくするため、ピストン側のリリーフポートの孔は、たとえば2mm程度と非常に小さく、しかも、ブレーキ非作動時において、シリンダハウジング側のカップ型シールリングのベース部の端面がピストン側のリリーフポートの開口に臨み、リリーフポートの開口の一部をふさぐような配置である。したがって、もともとの孔径の小さいリリーフポートの開口部分の液通路面積は実質的に非常に小さく、リリーフポートを通しての液補給性が劣る。この液補給性は、自動ブレーキ制御やトラクション制御を迅速かつスムーズに行う上で重要である。なぜなら、自動ブレーキ制御やトラクション制御などにおいては、そのようなリリーフポートを通しての液補給を利用し、リリーフポート、液圧室を通してマスタシリンダ外部のブレーキ作動機器にブレーキ液圧を供給するからである。
【0004】
【発明の解決すべき課題】
そこで、リリ−フポ−トの開口部分の通路面積を拡げることにより、リザーバ側の作動液をより多く液圧室に補給できるようにすることが求められる。その点、今までは、ピストンとその外周にはまり合う部材との間のクリアランスを大きくすることによって、液補給性を高めるという対策が専らなされていた(たとえば、特開2000−71969号公報の図2参照)。しかし、ピストンの外周部分のクリアランスが大きくなると、そのクリアランス部分にカップ型シールリングのベース部の内周側が喰われるおそれがある。
【0005】
一方、この種のマスタシリンダでは、リリ−フポ−トを通しての液補給のほか、カップ型のシ−ルリングの外周リップ部を倒して(つまり、開弁させて)ピストンの外周からリリ−フポ−トを通さずに液圧室に作動液を補給することができる。そこで、そのような外周リップ部の部分からの液補給の効率を高めるという考え方を採ることもできる。しかし、その後者の考え方には、外周リップ部が開弁しないかぎり液補給ができない、という難点がある。たとえば、電気的な自動ブレーキ制御用のポンプが作動したとしても、その作動圧(液圧室側への吸引力)が外周リップ部の開弁圧に達しないかぎりは、外周リップ部はシ−ル機能を発揮し、外周リップ部の部分からの液補給を行うことができない。
【0006】
したがって、この発明は、シールリングの耐久性を図りつつ、有効に液補給性を高めることができるプランジャ型マスタシリンダを提供することを目的とする。
また、この発明は、外周リップ部の部分からの液補給とうまく共存することができる新たな液補給機能をもつプランジャ型マスタシリンダを提供することを他の目的とする。
さらに、この発明は、部品点数をいたずらに増やすことなく、液圧室に対する液補給性を高めることができるプランジャ型マスタシリンダを提供することをも目的とする。
この発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0007】
【発明の解決手段】
この発明では、カップ型のシ−ルリングのベ−ス部の端面と、その端面に隣り合うシリンダハウジング側の部材との間に常時開放のすき間通路を設ける。シ−ルリングのベ−ス部の端面が、ピストン側のリリ−フポ−トに臨んでいるため、そのすき間通路はリリーフポートに臨んでいる。すき間通路は、常時開放であること、およびリリ−フポ−トに臨んでいることから、液補給が必要なとき、いつでも円滑に作動液を供給することができる。ここで、「シ−ルリングのベ−ス部の端面が、ピストン側のリリ−フポ−トに臨む」とは、シリンダ孔(あるいはピストン)の軸線方向上、ベ−ス部の端面がリリ−フポ−トを臨み込むような状態を意味する。好ましくは、ベース部がリリ−フポ−トの開口を部分的に閉じ、開口の残りの部分を開いた状態である。そのようなベース部の端面の配置から、その端面が区画するすき間通路は、リリ−フポ−トに直接開口するので、その部分での流れ抵抗は小さい。
【0008】
このようにベ−ス部の端面にリリ−フポ−トに臨む常時開放の通路を設けるという考え方はまったく新しい液補給の考え方である。この新しい考え方は、シ−ルリングの外周リップ部を倒して作動液を供給する補給の考え方と良くマッチングする。なぜなら、リザ−バ側から外周リップ部に至る経路が、すき間通路に至る経路と共通するからである。また、この発明の新しい補給のための通路は、ピストンをガイドするガイド部材の貫通孔からリリ−フポ−トに至る別の通路とも共存し、全体として液補給を有効に行うことができる。さらに、この発明では、ピストンとピストンにはまり合う部材との間のクリアランスを大きくする必要がないので、いわゆるシ−ル喰われのおそれも小さく、シ−ルリングの耐久性の面からも好ましい。
【0009】
部品点数を増やさずに、しかもまた、できるだけ余分な加工をせずに、シ−ルリングのベ−ス部の端面にすき間通路を作ることが好ましい。そのような観点から、すき間通路の形態は、次のとおりである。
第1に、シールリングのベース部の端面、あるいはそれに隣り合うシリンダハウジング側の部材の少なくとも一方に突部を一体に設けることによるすき間通路(つまり、突部によるすき間通路)。
第2に、シールリングのベース部の端面、あるいはそれに隣り合うシリンダハウジング側の部材の少なくとも一方に凹部を設けることによるすき間通路(つまり、凹部あるいは溝によるすき間通路)。
第3に、シールリングのベース部の端面、または/およびそれに隣り合うシリンダハウジング側の部材に、突部および凹部を組合わせて設けることによるすき間通路(突部と凹部との組合わせによるすき間通路)。
【0010】
突部については、円周方向に飛び飛びに複数個、たとえば10個、また、凹部については、円周方向に飛び飛びであり、それぞれが径方向に放射状に延びる複数個、たとえば6個設ける。それら突部および凹部の高さあるいは深さは、リリ−フポ−トの孔よりも少なくとも小さく、好ましくはリリ−フポ−トの開口した部分の大きさの半分程度あるいはそれよりも小さくするのが良い。また、突部に加えて凹部を設ければ、ベ−ス部の端面とそれに隣り合うシリンダハウジング側の部材との間の距離をより小さくしつつ、必要とする流路面積を確保することができる。その場合、ベース部の端面、またはそれに隣り合うシリンダハウジング側の部材のいずれかに突部あるいは凹部の一方、残りの側に突部あるいは凹部の他方を設けることもできる。突部と凹部との位置合わせ、さらに、加工を考えると、成形によって一体に加工ができるシ−ルリングのベ−ス部に突部および凹部の両方(たとえば、突部の間に凹部を配置しつつ)を設けるようにするのが良い。加工面からすると、突部あるいは凹部のいずれか一方を設ける場合も同様であり、シ−ルリングの成形加工を利用するのが好ましい。
【0011】
また、カップ型のシ−ルリングを安定した状態に保持するため、好ましくは、内周リップ部の自由な端部をシリンダハウジングの側に当て、それによって、ピストンが移動する際でもシ−ルリングが軸線方向に移動しないようにすると良い。その形態は、無効ストロ−クのばらつきあるいは増大を防ぐ上でも有効である。
【0012】
【実施例】
図1は、この発明を適用したタンデム形式のプランジャ型マスタシリンダの一実施例である。タンデム形式のマスタシリンダ10は、互いに独立なプライマリ部分101と、セカンダリ部分102とを備える。図に示す実施例では、それらの両部分101,102にこの発明による考え方を適用するが、両部分101,102への適用は同様であるので、ここでは、セカンダリ部分102を中心にして説明をする。また、勿論、両部分101,102の一つをプランジャ型とし、残りの一つを他のタイプ、たとえばセンターバルブ型とすることにより、両部分101,102の一方のみにこの発明を適用することもできる。
【0013】
まず、図1を参照しながら、タンデム形式のマスタシリンダ10の全体的な構成を明らかにする。なお、全体的な構成自体は、その一部を除いて、公知のものと同様である。そこで、同様な部分については、その説明を簡略化するか、あるいは、省略する。
【0014】
マスタシリンダ10の外郭は、アルミニウム合金からなるシリンダハウジング本体22である。シリンダハウジング本体22は、上部にリザーバ30を支持するボス部22s、内部には、閉じた一端から順次大径となる内部孔220をもつ。内部孔220の奥の小径な孔部分2201には、樹脂製のスリーブ40、また、小径な孔部分2201から中径な孔部分2202、さらに内部孔220の大径な開口近くにまでわたって金属製の筒型ピストンガイド50が延びている。ピストンガイド50については、シ−リングを組み付けたり、あるいはそれ自体を内部孔220へ組み付けることを考慮し、全体を3つに分割し、ピストンガイド本体500と、そのピストンガイド本体500の両端に位置するセカンダリ側のガイド部材520およびプライマリ側のガイド部材510によって構成している。なお、セカンダリ側のガイド部材520は、位置決めピン530によってピストンガイド本体500に一体化しているのに対し、プライマリ側のガイド部材510は、ピストンガイド本体500とは分離している。
【0015】
そして、内部孔220の大径な開口部分に、金属製の筒型キャップ部材60がねじ結合している。シリンダハウジング本体22、スリーブ40、ピストンガイド50およびキャップ部材60は、相協力してシリンダハウジング20を構成し、その内部に一端が閉じ他端が開口し軸線方向に延びるシリンダ孔200を区画する。さらに、シリンダハウジング20は、ボス部22sの内周を通してリザーバ30の内部と、シリンダ孔200の内部の液圧室とを連絡するための連絡通路230をもっている。連絡通路230は、プライマリ部分101およびセカンダリ部分102ともに、シリンダハウジング20の構成部材の中にある。たとえば、セカンダリ部分102について見ると、シリンダハウジング本体22のボス部22sの底からシリンダハウジング本体22の壁を貫通する外側の通路部分2301、およびガイド部材520を貫通する孔であり、外側の通路部分2301に連通する内側の通路部分2302が、連絡通路230を構成している。
【0016】
また、シリンダ孔200を区画するシリンダハウジング20は、プライマリ部分101およびセカンダリ部分102ともに、カップ型シールからなるシールリングを支持している。すなわち、スリーブ40とセカンダリ側のガイド部材520とは、互いに向かい合う端部の間にセカンダリ部分102のシールリング70を支持し、また、互いに分離したピストンガイド本体500とプライマリ側のガイド部材510とは、互いに向かい合う部分の間にプライマリ部分101のシールリング70を支持している。この実施例では、このようなシールリング70を今までのものと一部変えることにより、液補給のための新たなすき間通路を構成する。その点、後で詳しく述べる。
【0017】
一方、シリンダ孔200の内部には、奥から開口に向かって、セカンダリリターンスプリング82、セカンダリピストン92、ケージドスプリング81、およびプライマリピストン91が順次挿入されている。それによって、セカンダリピストン92は、セカンダリ部分102のシールリング70と相俟って、シリンダ孔200の奥に第2の液圧室1020、また、プライマリピストン91は、プライマリ部分101のシールリング70と相俟って、プライマリピストン91とセカンダリピストン92との間に第1の液圧室1010をそれぞれ区画する。
【0018】
さらに、セカンダリピストン92およびプライマリピストン91は、内部空間をもつ円筒部920,910を含んでいる。各円筒部920,910には、その円筒の壁を貫通するリリーフポート900が複数ある。各リリーフポート900の断面形状は円であり、その直径はたとえば2mmである。リリーフポート900の数は、各ピストン92,91に対し、たとえば4つである。4つのリリーフポート900は、各ピストン92,91の軸線に直交する円周上に沿って、互いに等距離隔てた位置にある。各リリーフポート900は、図1に示す通常ブレーキの非作動状態において、第2および第1の各液圧室1020,1010と、リザーバ30側に連絡する各連絡通路230との間を連通している。そのような状態から、運転手がブレーキペダルによるブレーキ操作を行うと、各ピストン91,92がシリンダ孔200の奥に向かって移動し、シリンダハウジング20側の各シールリング70が各液圧室1010,1020にブレーキ液圧を発生する。そのような人的な通常のブレーキ作動は、基本的に今までの場合と同様である。その上、この発明によるマスタシリンダ10は、各シ−ルリング70のベース部の端面に特定のすき間通路(あとで述べる)をもつことから、ポンピングブレ−キ時における液補給を有効に行うことができる。
【0019】
次に、図2および図3を参照しながら、セカンダリピストン92(あるいはプライマリピストン91)の外周面を摺動するシールリング70に注目しよう。シールリング70は、カップ型であり、たとえば1mmほどの厚さをもつベース部700と、セカンダリピストン92(あるいはプライマリピストン91)に当たる内周リップ部730と、シリンダ孔200の内周に当たる外周リップ部750とを備える。カップ型シールリング70は、エチレン−プロピレンゴムの成形品であり、外周リップ部750および内周リップ部730は、ベース部700と一体である。シ−ルリング70は、内外周のリップ部730,750を液圧室1020(あるいは液圧室1010)の側に向けつつ、ベ−ス部700がリリ−フポ−ト900の開口を一部ふさぐように配置される。開放したリリ−フポ−ト900の開口部分は、マスタシリンダ10の無効ストロ−クに相当するが、リリ−フポ−ト900を通しての液補給を確保する意味から、ベ−ス部700がふさぐ大きさよりも開放したリリ−フポ−ト900の大きさの方をより大きくするのが好ましい。
【0020】
図4が、カップ型のシ−ルリング70の形および構造を明らかにしている。リング形状のシ−ルリング70は、ベ−ス部700の端面に、円周方向に沿って飛び飛びに10個の突部770を一体に備えている。それら突部770は、隣り合うものが互いに等しい間隔で離れ、高さが0.4mmほどで大きさが4〜5mmの球の一部のような形をしている。シ−ルリング70は、それら突部770の頂部を隣り合う部材(各ガイド部材520,510)に当て、それにより、ベ−ス部700の端面とガイド部材520(510)の端面との間にすき間通路Pを形作っている。すき間通路Pは、シ−ルリング70の径方向の内外に連絡する、常時開放の通路である。すき間通路Pの径方向内側はリリ−フポ−ト900の開口上に位置し、また、径方向外側は、ガイド部材520(510)の外周に設けた通路Cに連絡している。通路Cは、ガイド部材520(510)の外周のクリアランスからなる。したがって、通路Cは、すき間通路Pおよびリリ−フポ−ト900を経由する補給系の中継点となるばかりでなく、外周リップ部750を倒して補給する別の補給系の中継点ともなっている。なお、ガイド部材520(510)の内周側のクリアランスは通路Cのクリアランスに比べて小さく、それにより、ガイド部材520(510)本来のピストンガイド機能を円滑に果たすようになっている。
【0021】
マスタシリンダ10は、通常ブレ−キ非作動状態において、リザーバ30側から液圧室1020(1010)に対し作動液を補給する系として、外周リップ部750を倒して作動液を補給する系、あるいはガイド部材520(510)を貫通する貫通孔2302を通して作動液を補給する系のほかに、すき間通路Pを通して作動液を補給する系を新たに備える。すき間通路Pを通る新たな補給系は、常時開放である点から、外周リップ部750を倒して液補給する系に比べていつでも液補給が可能であり、しかもまた、流れ抵抗が比較的に小さい点からも液補給を有効に行うことができる。したがって、通常の人的なブレーキ操作とは別のブレーキ制御(たとえば、車両の姿勢制御のための自動ブレーキ制御、あるいは車両加速時に駆動輪のブレーキ力を制御するトラクション制御など)を行うとき、リリーフポート900を通してマスタシリンダ外部のブレーキ作動機器に有効に液補給を行うことができる。なお、シ−ルリング70の内周リップ部730の先端を隣り合う部材(たとえば、スリ−ブ40)に当てることにより、シ−ルリング70がピストンの往復移動に伴って軸線方向に位置ずれしないようにすることができる。
【0022】
また、図1〜4に示す実施例では、すき間通路Pを得るため、シ−ルリング70のベ−ス部700の端面に突部770を設けているが、突部に代えて凹部を設けることもできる。凹部としては、たとえば、図5に示すような等間隔をもって配置した6つの溝780を適用することができる。凹部としての溝780を、図6に示すように、ベ−ス部700の端面に隣り合うガイド部材520に加工することもできる。凹部によってすき間通路を得る場合、ベ−ス部700の端面を隣り合うガイド部材520の端面に当てることができるので、突部によるときに比べて、無効ストロ−クをより小さくすることができる。
【0023】
さらに、プライマリ側のガイド部材510については、キャップ部材60の内周に一体に構成することもできる。図7および図8が、その具体例であり、キャップ部材60’は、ガイド部材に相当する部分510’と、連絡通路を構成する部分230’とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例であるタンデム形式のプランジャ型マスタシリンダの軸線に沿う断面図である。
【図2】 図1の円2で囲む部分の拡大断面図である。
【図3】 図1の円3で囲む部分の拡大断面図である。
【図4】 この発明で用いるシ−ルリングの一例を示し、(4a)が正面図、(4b)は4aのア−ア線に沿う断面図である。
【図5】 この発明で用いるシ−ルリングの他の例を示し、(5a)が正面図、(5b)は5aのイ−イ線に沿う断面図である。
【図6】 凹部(溝)を含むガイド部材の正面図である。
【図7】 プライマリ側の変形例を示す部分的な断面図である。
【図8】 図7の円8で囲む部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 タンデム形式のプランジャ型マスタシリンダ
101 プライマリ部分
102 セカンダリ部分
1010 第1の液圧室
1020 第2の液圧室
20 シリンダハウジング
22 シリンダハウジング本体
200 シリンダ孔
230 連絡通路
50 ピストンガイド
500 ピストンガイド本体
510,520 ガイド部材
70 シールリング
700 ベ−ス部
730 内周リップ部
750 外周リップ部
770 突部
780 溝(凹部)
91 プライマリピストン
92 セカンダリピストン
900 リリーフポート

Claims (7)

  1. 一端が閉じ他端が開口し軸線方向に延びるシリンダ孔、およびリザーバに連絡する連絡通路をもつシリンダハウジングと、そのシリンダハウジングのシリンダ孔の中にはまり合い、前記閉じた一端の側に液圧室を区画し前記軸線方向に移動するピストンと、前記シリンダハウジングの側にあり、前記ピストンの外周をシールするためのものであり、ベース部ならびに、そのベース部と一体の内周リップ部および外周リップ部をもち、それら内外周のリップ部が前記液圧室の側に向くカップ型のシールリングと、前記ピストンの側にあり、前記連絡通路と前記液圧室とを連通するリリーフポートとを備えるプランジャ型マスタシリンダにおいて、前記マスタシリンダの非作動状態のとき、前記リリーフポートおよび前記液圧室を通してマスタシリンダ外部のブレーキ作動機器への液補給性を高めるため、次の各点を特徴とする、プランジャ型マスタシリンダ。
    A 前記マスタシリンダが非作動状態のとき、前記カップ型のシールリングのベース部の端面が、前記軸線方向上、前記リリーフポートの開口に臨んでいる。
    B 前記リザーバから前記連絡通路を通り前記液圧室へ作動液を供給するための通路として、前記カップ型のシールリングの外周リップ部を倒して作動液を供給する第1の通路のほか、
    前記カップ型のシールリングのベース部の端面と、その端面に隣り合う前記シリンダハウジング側の部材であり、前記ピストンをガイドするための部材との間に、前記リリ−フポ−トに対し直接連絡し、かつ常時開放したすき間通路があり、そのすき間通路を通り、そのすき間通路が臨む前記リリーフポートを通して作動液を供給する第2の通路を備える。
    C 前記すき間通路は、前記ベース部の端面あるいはそれに対向する前記シリンダハウジング側の部材の対向面の少なくとも一方に突部あるいは凹部またはそれら突部および凹部の両方があることにより、前記ベース部および前記シリンダハウジング側の部材以外の別の部材を用いることなく構成されている。
    D 前記すき間通路は、前記シールリングのベース部の端面上、前記内周リップ部のある内周側から前記外周リップ部のある外周側まで連絡し、それにより、前記第1の通路と合流している。
  2. 前記カップ型のシールリングのベース部の端面、あるいはそれに隣り合う前記シリンダハウジング側の部材の少なくとも一方に突部を一体に設けることにより、前記すき間通路を構成する、請求項1のマスタシリンダ。
  3. 前記カップ型のシールリングのベース部の端面、あるいはそれに隣り合う前記シリンダハウジング側の部材の少なくとも一方に凹部を設けることにより、前記すき間通路を構成する、請求項1のマスタシリンダ。
  4. 前記カップ型のシールリングのベース部の端面、または/およびそれに隣り合う前記シリンダハウジング側の部材に、突部および凹部を組合わせて設けることにより、前記すき間通路を構成する、請求項1のマスタシリンダ。
  5. 前記隣り合うシリンダハウジング側の部材は、前記ピストンをガイドするガイド部材であり、そのガイド部材は径方向内外に貫通する貫通孔をもち、その貫通孔を通してガイド部材の内周側から前記リリーフポートを通して前記液圧室の側に作動液を供給する第3の通路がさらにある、請求項1のマスタシリンダ。
  6. 前記カップ型のシールリングは、前記内周リップ部の自由な端部が前記シリンダハウジングの側に当たり、それによって、前記ピストンが移動する際でも前記軸線方向に移動しないようになっている、請求項1〜5のいずれか一つのマスタシリンダ。
  7. 前記マスタシリンダが非作動状態のとき、前記カップ型のシールリングのベース部の端面は、前記軸線方向上、前記リリーフポートの開口を部分的に閉じ、開口の残りの部分を開きつつリリーフポートに臨んでいる、請求項1のマスタシリンダ。
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