JP5112784B2 - カップシールおよびこれを用いたマスタシリンダ - Google Patents

カップシールおよびこれを用いたマスタシリンダ Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両におけるブレーキやクラッチのマスタシリンダ等のシリンダとこのシリンダ内にその軸方向に相対移動可能に配設される摺動部材とからなるシリンダ装置に用いられるカップシールおよびこのカップシールを備えたプランジャ型のマスタシリンダの技術分野に関するものである。
従来、自動車の液圧ブレーキシステムや液圧クラッチシステムにおいては、ブレーキやクラッチを作動するために、ブレーキペダルあるいはクラッチペダルの踏力に応じた液圧を発生するマスタシリンダが用いられている。このマスタシリンダとして、シリンダ孔を有するシリンダ本体と、シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、シリンダ本体に設けられリザーバに連通する連通路と、ピストンに形成されてこの連通路と液圧室とを連通するリリーフポートと、シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともにピストンが摺動可能に貫通して、シリンダ孔内周面とピストン外周面との間をシールするシール部材とを備えた、プランジャ型マスタシリンダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このプランジャ型マスタシリンダは、非作動時、ピストンのリリーフポートと連通路とがシール部材で遮断されず、液圧室がリリーフポートおよび連通路を介してリザーバに連通している。したがって、非作動時、液圧室内は大気圧となっていて、液圧は発生していない。ブレーキペダルあるいはクラッチペダルの踏込みでピストンが液圧室側へ前進すると、リリーフポートと連通路とがシール部材で遮断されて、液圧室がリザーバから遮断される。これにより、ピストンの前進にともなって、液圧室には液圧が発生するようになっている。
このプランジャ型マスタシリンダに用いられているシール部材には、ピストン前進による液圧発生時に液圧が漏出するのを防止のためのシール機能と、ピストン後退時の応答性向上のためにリザーバのブレーキ液を液圧室へ補給する液補給機能であるポンピング機能とが求められる。そこで、シール部材にこれらの両機能を発揮させるために、シール部材としてカップシールが採用されている。
このカップシールとして径方向断面がE字状に形成されたカップシールを用いたマスタシリンダが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のE型カップシールは、円環状の基部と、この基部の内周側から突出する内周リップ部と、基部の外周側から突出する外周リップ部と、内周リップ部と外周リップ部との間の基部から突出する中間リップ部とを有している。
これらの内周リップ部、外周リップ部、および中間リップ部は、いずれも連続した円環状に形成されている。また、中間リップ部の先端側に複数の切り欠き溝が周方向に間隔を置いて形成されている。そして、マスタシリンダの空気抜き時に作動液をマスタシリンダに充填する際に、これらの複数の切り欠き溝を通して作動液を流動させることで、作動液を充分に補給させることができる。
特開2006−123879号公報。
しかしながら、特許文献1に記載のカップシールでは、中間リップ部が全周にわたって連続的に設けられている。このため、中間リップ部がリブ効果を発揮し、カップシールの基部の腰が比較的強くなっている。その場合、中間リップ部の先端部には複数の切り欠き溝が形成されているが、これらの切り欠き溝が形成されても、カップシールの基部の腰はほとんど変わらず強いものとなっている。このように基部の腰が強いと、基部は弾性変形し難くなる。したがって、マスタシリンダへの作動液の補給時に、基部はほとんど弾性変形しなく、基部はマスタシリンダのカップシールを収容する収容凹部の側壁から大きく離間しない。このため、のカップシールの基部と収容凹部との間に大きな隙間が形成されず、十分大きな流路面積の液通路を形成することは難しいものとなっている。したがって、中間リップ部の先端部に切り欠き溝を形成したとしても、作動液の補給に限度があり、十分な量の作動液の補給にはある程度の時間を要するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ベース部を効果的に弾性変形可能にしてベース部と収容される凹部との間により一層大きな流路面積の流通路を形成することのできるカップシールを提供することである。
本発明の他の目的は、液圧発生が確実であり、しかもピストン後退時の応答性をより一層向上できるマスタシリンダを提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1に係る発明のカップシールは、凹部に収容され、径方向に延設される環状のベース部と、このベース部にその内周側端部から軸方向に延設される環状のインナーリップ部と、前記ベース部にその外周側端部から軸方向に延設されかつ前記凹部の底壁に離間可能に当接する環状のアウターリップ部と、前記ベース部に前記インナーリップ部と前記アウターリップ部との間に位置して軸方向に延設された中間リップ部とを少なくとも備えるカップシールにおいて、前記ベース部は、弾性変形容易部分と弾性変形困難部分とを有し、前記弾性変形容易部分は、前記弾性変形困難部分に比して軸方向に容易に弾性変形する部分であり、更に、前記弾性変形困難部分は、前記弾性変形容易部分よりは軸方向に弾性変形し難い弾性変形困難部分であって、前記中間リップ部は、複数のリップ部がそれぞれ周方向に所定間隔を設定するリップ部のない部分を介して、円環状にかつ断続的に配設されており、前記複数のリップ部のうち、前記ベース部の前記弾性変形容易部分に配設される中間リップ部は、軸方向の長さおよび厚さの少なくとも1つが前記ベース部の前記弾性変形困難部分に配設される中間リップ部よりも小さく設定されていることを特徴としている。
また、請求項に係る発明のカップシールは、前記ベース部の前記弾性変形容易部分に配設される中間リップ部と前記ベース部の前記弾性変形困難部分に配設される中間リップ部とが前記リップ部のない部分を介して、互いに交互に配設されていることを特徴としている。
更に、請求項に係る発明のマスタシリンダは、シリンダ孔を有するシリンダ本体と、前記シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、前記シリンダ本体に設けられ、作動液を蓄えるリザーバに連通する連通路と、前記ピストンに形成されて前記液圧室と常時連通するとともに前記連通路と前記液圧室とを連通するリリーフポートと、前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともに前記ピストンが摺動可能に貫通して、前記シリンダ孔内周面と前記ピストンの外周面との間をシールするシール部材とを備え、非作動時に前記連通路と前記リリーフポートとが連通し、作動時に前記ピストンが移動して前記シール部材により前記連通路と前記リリーフポートとが遮断されるようになっているマスタシリンダにおいて、前記シール部材が請求項1また2に記載のカップシールで構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明に係るカップシールによれば、前記ベース部は、弾性変形容易部分と弾性変形困難部分とを有し、前記弾性変形容易部分は、前記弾性変形困難部分に比して軸方向に容易に弾性変形する部分であり、更に、前記弾性変形困難部分は、前記弾性変形容易部分よりは軸方向に弾性変形し難い弾性変形困難部分であって、前記中間リップ部は、複数のリップ部がそれぞれ周方向に所定間隔を設定するリップ部のない部分を介して、円環状にかつ断続的に配設されており、前記複数のリップ部のうち、前記ベース部の前記弾性変形容易部分に配設される中間リップ部は、軸方向の長さおよび厚さの少なくとも1つが前記ベース部の前記弾性変形困難部分に配設される中間リップ部よりも小さく設定されているので、凹部に収容されたカップシールのベース部の背面側からカップシールのアウターリップ部の外周を通ってカップシールの前面側に作動液を流動させる際、カップシールの前後の圧力差でベース部を軸方向に容易に弾性変形させることができる。
したがって、このようにカップシールの後面側から前面側に作動液を流動させる際に、ベース部の弾性変形容易部分が弾性変形して凹部の側壁から容易に離間して、ベース部の側壁への張り付きを防止できるとともに、カップシールの有する逆止弁機能における開弁を確実にすることができる。そして、ベース部の側壁への張り付きを防止できることから、ベース部と収容される凹部との間により一層大きな流路面積の流通路を形成することができる。
また、本発明のマスタシリンダによれば、その液圧室への作動液補給時に、カップシールのベース部の弾性変形容易部分が容易に弾性変形することで、大きな流路面積の作動液流通路を形成することができる。これにより、作動液補給時に、多量の作動液を液圧室に補給することができ、液補給性を向上することができる。
更に、カップシールにより液圧室への多量の作動液が補給できることから、作動解除におけるピストンの後退をスムーズにかつ迅速に行うことができる。したがって、ピストンの後退時の応答性を向上することができる。
このように、本発明に係るマスタシリンダによれば、作動時の液圧室内の圧力を高度に確保しつつ作動解除時の応答性を向上することができ、しかも良好な液補給性を得ることができる。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1(a)は本発明に係るカップシールを備えるマスタシリンダの実施の形態の一例を示す縦断面図、図1(b)は図1(a)における第1カップシール部の部分拡大図、図2(a)および(b)はこのマスタシリンダに用いられているカップシールを示す図である。なお、以下の説明におけるマスタシリンダの前、後は、それぞれ図面において左、右をいう。
図1(a)に示すように、プランジャ型マスタシリンダ1はブレーキシステムのマスタシリンダとして用いられており、シリンダ本体2を備えている。このシリンダ本体2内には、シリンダ孔3が形成されている。
シリンダ孔3内には、プライマリピストン4と、セカンダリピストン5とが摺動可能に挿入されている。プライマリピストン4は、図示しないブレーキペダルあるいはこのブレーキペダルの踏力を倍力して出力するブレーキ倍力装置によって左方へ移動するようになっている。これらのプライマリピストン4およびセカンダリピストン5により、シリンダ孔3内には、第1液圧室6がプライマリピストン4とセカンダリピストン5との間に区画形成され、また第2液圧室7がセカンダリピストン5とシリンダ孔3の底部3aとの間に区画形成されている。
第1液圧室6には第1軸部材8が設されており、この第1軸部材8には左右一対の第1および第2リテーナ9,10が設けられている。第1リテーナ9は第1軸部材8に固定されているが、第2リテーナ10は第1軸部材8に摺動可能とされている。その場合、第2リテーナ10が第1軸部材8の右端に形成されたフランジ8aに当接することで、第1および第2リテーナ9,10は互いに図1(a)に示す最大に離間した状態に設定される。これらの第1および第2リテーナ9,10の間には、第1リターンスプリング11が縮設されている。第1リテーナ9はセカンダリピストン5に常時当接されるととも第2リテーナ10はプライマリピストン4に常時当接されており、図1(a)に示すマスタシリンダ1の非作動時には、プライマリピストン4とセカンダリピストン5は最大に離間した状態に設定される。
また、第2液圧室7には第2軸部材12が配設されており、この第2軸部材12に第3リテーナ13が摺動可能に嵌合されている。その場合、第3リテーナ13は第2軸部材12の右端に形成されたフランジに当接することで、第3リテーナ13は互いに図1(a)に示す最大に離間した状態に設定される。第2軸部材12の左端に形成されたフランジと第3リテーナ13との間には、第2リターンスプリング14が縮設されている。第3リテーナ13はセカンダリピストン5に常時当接されるとともに、第2軸部材12はシリンダ孔3の底部3aに常時当接されており、図1(a)に示すマスタシリンダ1の非作動時には、セカンダリピストン5は底部3aから最大に離間した状態に設定される。
シリンダ本体2には、作動液であるブレーキ液を蓄えるリザーバ15が設けられている。このリザーバ15は、第1連通路16およびプライマリピストン4に形成され第1液圧室6に常時連通する第1リリーフポート17を介して第1液圧室6に連通可能にされている。第1リリーフポート17は、プライマリピストン4の左端側筒状部4aに穿設されてプライマリピストン4の内周側の第1液圧室6と外周側の第1連通路16とを連通する径方向の連通孔から構成されている。また、リザーバ15は、第2連通路18およびセカンダリピストン5に形成された第2リリーフポート19を介して第2液圧室7に連通可能にされている。第1リリーフポート17と同様に、第2リリーフポート19も、セカンダリピストン5の筒状部5aに穿設されてセカンダリピストン5の内周側の第2液圧室7と外周側の第2連通路18とを連通する径方向の連通孔から構成されている。
プライマリピストン4が配設されるシリンダ孔3の内周面には凹部20が形成されている。図1(b)に示すようにこの凹部20には、円環状の第1カップシール21が収容されているとともに、プライマリピストン4がこの第1カップシール21を液密にかつ摺動可能に貫通している。
図2(a)ないし(d)に示すように、この環状の第1カップシール21は、径方向に延設されかつプライマリピストン4が摺動可能に貫通する円環状のベース部21a、このベース部21aの内周側端部から軸方向に延設されかつプライマリピストン4が摺動可能に貫通する環状のインナーリップ部21bと、ベース部21aの外周側端部から軸方向に延設されかつ凹部20の底壁20aに離間可能に当接する環状のアウターリップ部21cと、インナーリップ部21bとアウターリップ部21cとの径方向中間に位置してベース部21aの左面側から軸方向左方に延設された中間リップ部21dとを有している。
その場合、アウターリップ部21cの先端が凹部20の前方側の第1側壁20cに対向している。また、アウターリップ部21cは弾性的に撓み易くされていて、リザーバ15からのブレーキ液を吸込み易くされている。更に、アウターリップ部21cの軸方向長さはインナーリップ部21bの長さとほぼ等しく形成されている。このアウターリップ部21cの先端部外周面は凹部20の底壁20aに当接することでこの底壁20aとの間をシールするシール部21c1が形成されている。
そして、図1(a)および(b)に示すように第1カップシール21が凹部20内に収容された状態でマスタシリンダ1の非作動時には、シール部21c1が凹部20の底面20aに当接する。
中間リップ部21dは、第1中間リップ部21d1と第2中間リップ部21d2とからなる所定数(図示例では12個)の中間リップ部が周方向に所定の間隔を置いて円環状に配設されている。その場合、第1および第2中間リップ部21d1,21d2は周方向に交互にかつ断続的に配置されている。互いに隣接する第1および第2中間リップ部21d1,21d2の間の周方向間隔(リップなし部)により、中間リップ部21dの内外周側を連通する連通路21d3が形成されている。したがって、第1中間リップ部21d1、連通路21d3、第2中間リップ部21d2、連通路21d3がこれらの順で周方向にサイクル的に配置されている。
したがって、図2(b)に示すように第1カップシール21は、連通路21d3における径方向断面が略逆U字状(略コ字状)に形成されている。また、図2(c)および(d)に示すように第1カップシール21は、第1および第2中間リップ部21d1,21d2における径方向断面がそれぞれ略逆E字状に形成されている。その場合、

第2中間リップ部21d2の長さ(高さ)L2は、第1カップシール21の自由状態で第1中間リップ部21d1の軸方向の長さ(高さ)L1より所定量短く設定されている(L2 < L1)。なお、第1および第2中間リップ部21d1,21d2の各厚さは互いに等しいかあるいはほぼ等しく設定されている。
図3(b)に示すように、第1カップシール21が凹部20内へ組み込まれた状態では、各第1中間リップ部21d1は、それらの先端が凹部20の第1側壁20cから若干離れて配設されている。そして、この状態で、第1カップシール21のベース部21aの右面側(背面側)に所定以上の圧力が加えられたとき、第1カップシール21が軸方向前方に移動して、各第1中間リップ部21d1の先端が凹部20の第1側壁20cに当接されるようになっている。各先端が第1側壁20cに当接することで、第1カップシール21のそれ以上の軸方向前方の移動が阻止されるようになっている。
また、第1カップシール21が凹部20内へ組み込まれかつそのベース部21aの右面(背面)に圧力が加えられない状態では、各第2中間リップ部21d2は、それらの先端が凹部20の第1側壁20cから各第1中間リップ部21d1の先端より大きく離れて配設されている。
シリンダ本体2には、第1カップシール21の後方近傍に位置して、第1リリーフポート17と第1連通路16とを連通する軸方向通路22が設けられている。この軸方向通路22は第1カップシール21のベース部21aの右面に常時連通している。
セカンダリピストン5が配設されるシリンダ孔3の内周面にも、前述の凹部20と同じ凹部(符号省略)が形成されている。この凹部には、環状の第2カップシール23が収容されているとともに、セカンダリピストン5がこの第2カップシール23を液密にかつ摺動可能に貫通している。この第2カップシール23は第1カップシール21とまったく同じに形成されている。したがって、その詳細な説明は省略する。
更に、図1(a)には明りょうに示されないが、この第2カップシール23の後方近傍にも、第2連通路18と第2リリーフポート19とを連通する、軸方向通路22とまったく同じ軸方向通路が形成されている。そして、この軸方向通路も第2カップシール23のベース部の右面(第1カップシール21のベース部21aの右面と同じ)に常時連通している。
第1液圧室6は第1出力ポート24に連通されているとともに、この第1出力ポート24を介して図示しない2ブレーキ系統のうち、一方のブレーキ系統の車輪のホイールシリンダに接続されている。また、第2液圧室7は第2出力ポート25に連通されているとともに、この第2出力ポート25を介して図示しない二ブレーキ系統のうち、他方のブレーキ系統の車輪のホイールシリンダに接続されている。
シリンダ本体2のシリンダ孔3の後端部内周にはカップシール26が設けられており、このカップシール26をプライマリピストン4が摺動可能に貫通している。カップシール26は前述の第1および第2カップシール21,23と異なる従来公知のカップシールからなり、シリンダ本体2のシリンダ孔3の内周面とプライマリピストン4の外周面との間の液密を確保している。これにより、第1連通路16のブレーキ液がシリンダ本体2から外部に漏出するのが防止されている。
同様に、シリンダ本体2のシリンダ孔3の、第2連通路18より後方近傍部にはカップシール27が設けられており、このカップシール27をセカンダリピストン5が摺動可能に貫通している。カップシール27も前述の第1および第2カップシール21,23と異なる従来公知のカップシールからなり、シリンダ本体2のシリンダ孔3の内周面とセカンダリピストン4の外周面との間の液密を確保している。これにより、第1液圧室6の液圧が保持される。
次に、このように構成されたこの例のマスタシリンダ1の動作について説明する。
図1(a)に示すブレーキ非作動状態では、プライマリピストン4およびセカンダリピストン5がともに図1(a)に示す非作動位置に設定される。この非作動位置は両ピストン4,5の後退限位置となっている。プライマリピストン4の後退限位置では、その第1リリーフポート17の後端側の一部が第1カップシール21のベース部21aの後端より後方に位置して所定の間隙α(図1(b)に図示)が形成される。そして、この間隙αにより、第1リリーフポート17と第1連通路16とが軸方向通路22を介して連通する。したがって、第1液圧室6がリザーバ15に連通し、第1液圧室6内は液圧が発生していなく、大気圧となっている。同様に、セカンダリピストン5の後退限位置では、第2液圧室7がリザーバ15に連通し、第2液圧室7内は液圧が発生していなく、大気圧となっている。
ブレーキペダルが踏み込まれてプライマリピストン4が前進すると、第1リリーフポート17の全体が第1カップシール21のベース部21aおよびインナーリップ部21bによって閉塞される。このため、第1リリーフポート17と第1連通路16とが遮断されて第1液圧室6がリザーバ15から遮断され、第1液圧室6にペダル踏力に応じた液圧が発生する。また、プライマリピストン4の前進による第1リターンスプリング11を介して伝達されるペダル踏力によってセカンダリピストン5が前進し、同様にして、第2液圧室7がリザーバ15から遮断され、第2液圧室7内に液圧が発生する。
そして、図3(a)および(b)に示すように第1液圧室6内の液圧により、第1カップシール21が凹部20内で後方に押圧され、ベース部21aの後端面が凹部20の第2側壁20bに密着される。そして、ベース部21aは凹部20の第2側壁20bとの間をシールする。また、第1カップシール21のインナーリップ部21bがプライマリピストン4の外周面に密着されるとともに、第1カップシール21のアウターリップ部21cのシール部21c1が凹部20の底壁20aに密着される。そして、シール部21c1は凹部20の底壁20aとの間をシールする。すなわち、ベース部21aおよびシール部21c1は、アウターリップ部21cの外周面と凹部20の底壁20aとの間およびベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間を通して第1液圧室6からリザーバ15に向かうブレーキ液の流れに対して直列に配設されて2重のシール部を構成する。
これにより、第1液圧室6はリザーバ15から密封され、第1液圧室6のブレーキ液がリザーバ15へ漏出しなく、第1液圧室6の液圧が確保される。このとき、仮にシール部21c1のシール面圧が部分的に小さく、第1液圧室6のブレーキ液がシール部21c1と凹部20の底壁20aとの間のシール部分のうち、このシール面圧の小さい部分から漏出したとする。しかし、シール部21c1を漏出したブレーキ液は、ベース部21aと凹部20の第2側壁20bとの間のシール部分で遮断され、軸方向通路22の方へ漏出しない。
このように、ブレーキ液の流れ方向に直列に配設されたシール部21c1とベース部21aとによる2重シールにより、第1液圧室6のブレーキ液の漏出が確実に防止されて、第1液圧室6の液圧が高度に確保される。
プライマリピストン4が更に前進すると、第1液圧室6の液圧が上昇する。この第1液圧室6の液圧は、第1出力ポート24から一方のブレーキ系統のホイールシリンダに送給され、一方のブレーキ系統のブレーキが作動する。
セカンダリピストン5が前進すると、第2液圧室7に液圧が発生する。同様にして、第2カップシール23のベース部およびシール部による2重シールにより、第2液圧室7のブレーキ液の漏出が確実に防止されて、第2液圧室7の液圧が高度に確保される。
セカンダリピストン5が更に前進すると、第2液圧室7の液圧が上昇する。この第2液圧室7の液圧は、第2出力ポート25から他方のブレーキ系統のホイールシリンダに送給され、他方のブレーキ系統のブレーキが作動する。
ブレーキが作動した状態から、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、プライマリピストン4が第1リターンスプリング11のばね力で後退して非作動位置に戻ろうとするので、第1液圧室6の液圧が低下して瞬間的に負圧ぎみになる。また、アウターリップ部21cの後端側がリザーバ15に連通していて大気圧となっている。したがって、ベース部21aの前面側と後面側で圧力差が生じ、この圧力差でベース部21aが前方に押圧される。このため、図3(c)および(d)に示しようにベース部21aが前方に弾性的に撓んで、ベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間に間隙が生じるとともに、第2中間リップ部21d2の先端が第1側壁20cに当接する。また、アウターリップ部21cの先端側が内側に弾性的に撓むとともに、第1および第2中間リップ部21d1,21d2が内側に弾性的に撓むのでベース部21a全体が若干前方に移動し、ベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間隙が大きくなる。
これにより、リザーバ15のブレーキ液が第1連通路16、軸方向通路22、ベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間の間隙、および底壁20aとアウターリップ部21cとの間の間隙を通って第1カップシール21の前側に流入する。
その場合、この例の第1カップシール21では、第2中間リップ部21d2の長さL2が第1中間リップ部21d1の長さL1より短く設定されかつ第2中間リップ部21d2の両端側にリップ部のない連通路21d3が形成されているので、第2中間リップ部21d2によるリブ効果が効果的に小さくなっている。すなわち、第2中間リップ部21d2およびその両端側のリップ部のない連通路21d3が配置されているベース部21aの部分の腰が第1中間リップ部21d1が配置されているベース部21aの部分の腰より弱くなっている。特に、第2中間リップ部21d2の両端側にリップ部のない連通路21d3が形成されることで、第2中間リップ部21d2および連通路21d3が配置されているベース部21aの部分の腰が前述の特許文献1に記載のカップシールに比べて効果的に弱くなっている。このため、第2中間リップ部21d2および連通路21d3のあるベース部21aの部分は、容易にかつ効果的に弾性変形可能となっている。すなわち、第2中間リップ部21d2および連通路21d3のあるベース部21aの部分は弾性変形容易部分となっているとともに、第1中間リップ部21d1のあるベース部21aの部分は弾性変形困難部分となっている。
したがって、図3(c)および(d)に示すように第2中間リップ部21d2のあるベース部21aの部分は前方に大きく撓んで、ベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間隙が最も大きくなる。したがって、ベース部21aの後端面と凹部20の第2側壁20bとの間には、大きな流路面積のブレーキ液流通路が形成される。これにより、多量のブレーキ液が流動可能となる。
更に、このブレーキ液は第1中間リップ部21d1を内側に撓ませて第1液圧室6内に流入するとともに、第2中間リップ部21d2の先端と凹部20の第1側壁20cとの間の隙間および連通路21d3を通って第1液圧室6内に流入する。
このように、ベース部およびシール部21c1は、リザーバ15から第1液圧室6への作動液の流れに対して、それぞれ凹部20の底壁20aおよび第2側壁20bから離間してこれらの底壁20aおよび第2側壁20bとの間に間隙を形成するシール部を構成している。これにより、リザーバ15からブレーキ液が第1液圧室6に確実に補給され、第1液圧室6の液圧が低下し、プライマリピストン4は第1リターンスプリング11の付勢力でスムーズにかつ迅速に後退する。
プライマリピストン4の後退および第1液圧室6の液圧の低下により、セカンダリピストン5が第2リターンスプリング14の付勢力で後退しようとする。このとき、前述の第1液圧室6と同様に、第2液圧室7にリザーバ15の多量のブレーキ液が補給される。したがって、セカンダリピストン5もスムーズにかつ迅速に後退し、第2液圧室7の液圧が低下する。
プライマリピストン4が後退して、図1(a)および(b)に示すように第1リリーフポート17の後端側の一部が第1カップシール21のベース部21aの後端より後方に位置すると、第1リリーフポート17と第1連通路16とが軸方向通路22を介して連通する。これにより、第1液圧室6のブレーキ液が第1リリーフポート17および第1連通路16を通ってリザーバ15に排出され、第1液圧室6の液圧が更に低下する。
同様にして、セカンダリピストン5が後退することで、第2リリーフポート19と第2連通路18とが連通し、第2液圧室7のブレーキ液が第2リリーフポート19および第2連通路18を通ってリザーバ15に排出され、第2液圧室7の液圧が更に低下する。
両ピストン4,5が図1(a)に示す後退限位置になると、両ピストン4,5が停止し、第1および第2液圧室6,7が大気圧となり、マスタシリンダ1が非作動状態になり、ブレーキが解除される。
このように、この例の第1および第2カップシール21,23によれば、円環状に配置される中間リップ部21dを、長さの高い第1中間リップ部21d1、リップなし部である連通路21d3、長さの短い第2中間リップ部21d2、およびリップなし部である連通路21d3のサイクル的配置で構成しているので、第1および第2カップシール21,23のベース部21aの、長さの短い第2中間リップ部21d2が配置される部分およびこの部分の両端側に位置するリップなし部の連通路21d3が配置される部分を、容易に弾性変形可能にすることができる。
したがって、第2中間リップ部21d2が配置される部分およびリップなし部の連通路21d3により、ベース部21aに、容易に弾性変形可能である弾性変形容易部分とこの弾性変形容易部分よりは弾性変形が容易でない弾性変形困難部分とを形成することができる。これにより、ブレーキ液がベース部21aの後面と凹部20の第2側壁20bの前面との間およびアウタシール部21cの外周面と凹部20の底壁20aとの間を通って第1および第2カップシール21,23の後面から前面に流動する際に、ベース部21aの弾性変形容易部分が弾性変形して凹部20の第2側壁20bから容易に離間して、ベース部21aの第2側壁20bへの張り付きを防止できるとともに、第1および第2カップシール21,23の有する逆止弁機能における開弁を確実にすることができる。そして、ベース部21aの第2側壁20bへの張り付きを防止できることから、より大きな流路面積の流通路を形成することができる。
また、この例のマスタシリンダ1によれば、マスタシリンダ1の第1および第2液圧室6,7へのブレーキ液補給時に、第1および第2カップシール21,23のベース部21aの、第2中間リップ部21d2が配置される部分が容易に弾性変形することで、大きな流路面積のブレーキ液流通路を形成することができる。これにより、ブレーキ液補給時に、多量のブレーキ液を第1および第2液圧室6,7に補給することができ、液補給性を向上することができる。
更に、第1および第2カップシール21,23により第1および第2液圧室6,7への多量のブレーキ液が補給できることから、作動解除におけるプライマリピストン4およびセカンダリピストン5の後退をスムーズにかつ迅速に行うことができる。したがって、両ピストン4,5の後退時の応答性を向上することができる。
このように、この例のマスタシリンダ1によれば、作動時の第1および第2液圧室6,7内の圧力を高度に確保しつつ作動解除時の応答性を向上することができ、しかも良好な液補給性を得ることができる。
図4(a)ないし(d)は、前述の例のマスタシリンダに用いられるカップシールの他の例を示す、それぞれ、図2(a)ないし(d)と同様の図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
前述の図2(a)ないし(d)に示す例の第1カップシール21は、中間リップ部21dを構成する第2中間リップ部21d2の長さL2が第1中間リップ部21d1の長さL1より小さくして、ベース部21aの、第2中間リップ部21d2が形成される部分を容易に弾性変形可能にしている。これに対して、図4(a)ないし(d)に示すように、この例の第1カップシール21は、中間リップ部21dを構成する第4中間リップ部21d5の厚さt2が第3中間リップ部21d4の厚さt1より小さく(t2 <t1)設定されていて、ベース部21aの、第4中間リップ部21d5が形成される部分を容易に弾性変形可能にしている。その場合、第3および第4中間リップ部21d4,21d5の各軸方向の長さは互いに等しいかあるいはほぼ等しく設定されている。
この例の第1カップシール21でも、第3中間リップ部21d4,連通路21d3,第4中間リップ部21d5,連通路21d3がこれらの順で周方向にサイクル的に配置されている。この例の第2カップシール23も、この例の第1カップシール21とまったく同じに構成されている。その場合、ベース部21aの、第4中間リップ部21d5が配置される部分は、容易に弾性変形可能である弾性変形容易部分であるとともに、ベース部21aの、第3中間リップ部21d4が配置される部分は、弾性変形容易部分よりは弾性変形が容易でない弾性変形困難部分である。
この例の第1および第2カップシール21,23においても、前述の例の第1および第2カップシール21,23と同様に、図5(a)および(b)に示すように、マスタシリンダ1の作動時には、第1および第2カップシール21,23が後方に移動して、ベース部21aの後面が凹部20の第2側壁20bに当接するとともに、アウターリップ21cのシール部21c1が凹部20の底壁20aに当接する。また、図5(c)および(d)に示すように、マスタシリンダ1の液補給時には、第1および第2カップシール21,23が前方に移動して、ベース部21aの後面が凹部20の第2側壁20bから離間するとともに、ベース部21aの、第4中間リップ部21d5が配置される部分が大きく弾性変形して、大きな流路面積のブレーキ液流通路が形成される。
この例の第1および第2カップシール21,23およびマシタシリンダ1のそれぞれの他の構成とそれぞれの他の作用効果は、いずれも、前述の例の第1および第2カップシール21,23およびマシタシリンダ1と同じである。
なお、前述の例では、第1および第2中間リップ部21d1,21d2、あるいは第3および第4中間リップ部21d4,21d5を、1つずつ規則的に交互にかつ連通路21d3を介して配置しているが、第1および第2中間リップ部21d1,21d2、あるいは第3および第4中間リップ部21d4,21d5は、不規則的に交互にかつ連通路21d3を介して配置することもできる。すなわち、第1および第2中間リップ部21d1,21d2、あるいは第3および第4中間リップ部21d4,21d5の数および配置順は、例えば互いに異なる数および不規則な配置順等、任意に設定することができる。
また、図4に示す例で、第4中間リップ部21d5の軸方向長さを第3中間リップ部21d4の軸方向長さより短くすることもできる。つまり、第3および第4中間リップ部21d4,21d5の軸方向長さおよび厚さをともに互いに異ならせることもできる。
更に、図2に示す例の第1中間リップ部21d1および第2中間リップ部21d2、図4に示す例の第3中間リップ部21d4および第4中間リップ部21d5を、円環状に混在させて配設することもできる。
更に、前述の各例では、第1中間リップ部21d1と第2中間リップ部21d2の各周方向の長さ、あるいは第3中間リップ部21d4と第4中間リップ部21d5の各周方向の長さをいずれも等しく設定しているが、第2中間リップ部21d2の周方向長さを第1中間リップ部21d1の周方向長さより短く、あるいは第4中間リップ部21d5の周方向長さを第3中間リップ部21d4の周方向長さより短くすることができる。
更に、前述の例では、第1および第2カップシール21,23が、いずれも、アウターリップのシール部とベース部とによる2重シールとしているが、シールはベース部では行わず、アウターリップのシール部のみにすることもできる。この場合には、例えば、ベース部の後面に、インナーリップ側からアウターリップ側に連通する所定数の径方向の溝を周方向の所定の間隔を置いて形成することで、これらの溝によりブレーキ液の補給性を向上することができる。
更に、前述の例では第1カップシール21が収容される凹部20の第1側壁20cがシリンダ3の軸方向に直交する平面とされているが、図1(b)に二点鎖線で示すように凹部20の第1側壁20cの開口端部を開口端に向かって前方へ傾斜するテーパ面20c′とすることもできる。
更に、本発明のカップシールは、前述の例のようにブレーキ装置のマスタシリンダに限定されることはなく、シリンダとこのシリンダ内にその軸方向に相対移動可能に配設される摺動部材とからなるシリンダ装置で、カップシールの軸方向一側から軸方向他側への作動液の流れを阻止しかつカップシールの軸方向他側から軸方向一側への作動液の流れを許容するようになっているシリンダ装置であれば、どのようなシリンダ装置にも用いることができる。
更に、本発明のマスタシリンダは、前述の例のようにブレーキ装置のマスタシリンダに限定されることはなく、クラッチ装置のマスタシリンダを始め、ピストンの前進で液圧室に液圧を発生するものであれば、どのような液圧装置にも適用することができる。また、前述の例では、2つのピストンが直列に配置されたタンデムマスタシリンダについて説明しているが、プランジャ型マスタシリンダであれば、シングルマスタシリンダを始めどのようなマスタシリンダにも、本発明のマスタシリンダを適用することができる。
本発明に係るマスタシリンダは、カップシールを備え、ピストンの前進時に液圧室に液圧を発生し、かつピストンの後退時に液圧室に作動ブレーキ液を補給するプランジャ型のマスタシリンダに好適に利用可能である。特に、自動車等の車両におけるブレーキやクラッチのマスタシリンダに好適に利用可能である。
(a)は本発明に係るカップシールを備えるマスタシリンダの実施の形態の一例を示す縦断面図、(b)は(a)における第1カップシール部の部分拡大図dearu. (a)および(b)は図1に示す例のマスタシリンダに用いられているカップシールの実施の形態の一例を示す図である。 (a)はマスタシリンダの作動時における図2に示す例のカップシールの挙動を示す図、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図、(c)はマスタシリンダの液補給時における図2に示す例のカップシールの挙動を示す図、(d)は(c)におけるIIID−IIID線に沿う断面図である。 (a)および(b)は図1に示す例のマスタシリンダに用いられているカップシールの実施の形態の他の例を示す図である。 (a)はマスタシリンダの作動時における図4に示す例のカップシールの挙動を示す図、(b)は(a)におけるVB−VB線に沿う断面図、(c)はマスタシリンダの液補給時における図4に示す例のカップシールの挙動を示す図、(d)は(c)におけるVD−VD線に沿う断面図である。
符号の説明
1…マスタシリンダ、2…シリンダ本体、3…シリンダ孔、4…プライマリピストン、5…セカンダリピストン、6…第1液圧室、7…第2液圧室、15…リザーバ、16…第1連通路、17…第1リリーフポート、18…第2連通路、19…第2リリーフポート、20…凹部、20a…底壁、20b…第2側壁、20c…第1側壁、21…第1カップシール、21a…ベース部、21b…インナーリップ部、21c…アウターリップ部、21c1…シール部、21d…中間リップ部、21d1…第1中間リップ部、21d2…第2中間リップ部、21d3…連通路、21d4…第3中間リップ部、21d5…第4中間リップ部、23…第2カップシール、24…第1出力ポート、25…第2出力ポート

Claims (3)

  1. 凹部に収容され、径方向に延設される環状のベース部と、このベース部にその内周側端部から軸方向に延設される環状のインナーリップ部と、前記ベース部にその外周側端部から軸方向に延設されかつ前記凹部の底壁に離間可能に当接する環状のアウターリップ部と、前記ベース部に前記インナーリップ部と前記アウターリップ部との間に位置して軸方向に延設された中間リップ部とを少なくとも備えるカップシールにおいて、前記ベース部は、弾性変形容易部分と弾性変形困難部分とを有し、前記弾性変形容易部分は、前記弾性変形困難部分に比して軸方向に容易に弾性変形する部分であり、更に、前記弾性変形困難部分は、前記弾性変形容易部分よりは軸方向に弾性変形し難い弾性変形困難部分であって、前記中間リップ部は、複数のリップ部がそれぞれ周方向に所定間隔を設定するリップ部のない部分を介して、円環状にかつ断続的に配設されており、前記複数のリップ部のうち、前記ベース部の前記弾性変形容易部分に配設される中間リップ部は、軸方向の長さおよび厚さの少なくとも1つが前記ベース部の前記弾性変形困難部分に配設される中間リップ部よりも小さく設定されていることを特徴とするカップシール。
  2. 前記ベース部の前記弾性変形容易部分に配設される中間リップ部と前記ベース部の前記弾性変形困難部分に配設される中間リップ部とが前記リップ部のない部分を介して、互いに交互に配設されていることを特徴とする請求項1記載のカップシール。
  3. シリンダ孔を有するシリンダ本体と、前記シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、前記シリンダ本体に設けられ、作動液を蓄えるリザーバに連通する連通路と、前記ピストンに形成されて前記液圧室と常時連通するとともに前記連通路と前記液圧室とを連通するリリーフポートと、前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともに前記ピストンが摺動可能に貫通して、前記シリンダ孔内周面と前記ピストンの外周面との間をシールするシール部材とを備え、非作動時に前記連通路と前記リリーフポートとが連通し、作動時に前記ピストンが移動して前記シール部材により前記連通路と前記リリーフポートとが遮断されるようになっているマスタシリンダにおいて、前記シール部材は請求項1または2に記載のカップシールで構成されていることを特徴とするマスタシリンダ。
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