JP5963543B2 - 電動倍力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のブレーキ機構に用いられる電動倍力装置に関するものである。
例えば、特許文献1には、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力ピストンと、該入力ピストンに相対移動可能に配置されたブースタピストンと、該ブースタピストンを進退移動させる回転−直動変換機構と、該回転−直動変換機構に回転力を付与する電動モータとを備え、ブレーキペダルから入力ピストンに付与される入力推力と電動モータからブースタピストンに付与されるブースタ推力とにより、マスタシリンダの圧力室内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置が記載されている。この電動倍力装置において、ブースタピストンと入力ピストンとの間には、ブースタピストンの環状壁の圧力室側にシール部材が配置されており、このシール部材により圧力室がシールされている。
特開2008−162482号公報
上述した特許文献1の上記シール部材を断面C字状等のカップシールとした場合、カップシールの開口方向を誤って組みつけてしまうと、圧力室からマスタシリンダ外へのブレーキ液の漏出が懸念されるので、電動倍力装置としての信頼性を確保するため、このシール部材の組み付け状態を判定する必要がある。
そして、本発明は、信頼性を確保し得る電動倍力装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、マスタシリンダの圧力室を加圧する筒状のブースタピストンと、該ブースタピストン内に摺動可能に、かつ液密的にシール部材を挟んで挿入され、ブレーキペダルの操作によって前記マスタシリンダの圧力室を加圧する入力ピストンと、電動モータからの回転運動を直線運動に変換して、前記ブースタピストンに推力を付与する回転−直動変換機構と、を備え、前記入力ピストンへの入力に応じて前記電動モータの作動を制御して前記ブースタピストンの推力を調整する電動倍力装置において、前記ブースタピストン内に、円筒部と、該円筒部の一端に接続される環状壁部とを有する筒状部材を設け、前記環状壁部は、前記シール部材に当接して配置されて前記シール部材の軸方向への移動を規制し、該環状壁部の前記シール部材との対向面に、前記筒状部材の径方向内側と径方向外側とを連通する溝部を備えることを特徴とするものである。
本発明の電動倍力装置によれば、その信頼性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る電動倍力装置を示す断面図である。 図1のA部拡大図である。 本電動倍力装置に採用されたスペーサを示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図であり、(c)は溝部の断面図である。 スペーサの他の実施形態を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。 図3に示すスペーサの溝部とは、他の実施形態を示す溝部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置1は、アクチュエータ3を内装するハウジング4の前部にタンデム型のマスタシリンダ2を連結して、マスタシリンダ2の上部にリザーバ5(一部のみ図示する)を配設している。ハウジング4は、略有底円筒状のフロントハウジング4Aの開口部側にリアカバー4Bを嵌合するとともに、複数のボルト4Cによって結合し、その内部にアクチュエータ3を収容している。ハウジング4のリアカバー4Bには、平坦な取付座面7が形成されるとともに、この取付座面7の中央部からマスタシリンダ2と同心で、かつマスタシリンダ2から離れる方向に突出する円筒部8が設けられている。そして、本電動倍力装置1は、円筒部8をエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネル(図示せず)に貫通させて車室内に延ばした状態で、車両のエンジンルーム内に配置され、取付座面7をダッシュパネルに当接させて、取付座面7に固定された複数のスタッドボルト9によってダッシュパネルに固定される。
マスタシリンダ2は、略有底円筒状のシリンダ本体2Aを含み、シリンダ本体2Aの開口部側をハウジング4のフロントハウジング4Aの底部の開口部に挿通した状態でフロントハウジング4Aのスタッドボルト6A及びナット6Bによってフロントハウジング4Aに結合されている。
マスタシリンダ2のシリンダ本体2Aには、有底のシリンダボア12が形成されている。このシリンダボア12の開口側には、前端部がカップ状に形成されたブースタピストンである円筒状のプライマリピストン10を挿入されている。また、シリンダボア12の底部側にも、カップ状のセカンダリピストン11が挿入されている。プライマリピストン10の後端部は、マスタシリンダ2の開口部からハウジング4内に突出して、リアカバー4Bの円筒部8まで延びるように形成されている。シリンダ本体2A内には、シリンダボア12、プライマリピストン10、及びセカンダリピストン11によってプライマリ室16及びセカンダリ室17の2つの圧力室が形成されている。これらプライマリ室16及びセカンダリ室17は、それぞれ、シリンダ本体2Aに形成された液圧ポート18、19を介して、各車輪のブレーキキャリパに液圧を供給するための2系統の液圧回路(図示せず)に接続されている。
また、シリンダ本体2Aには、プライマリ室16及びセカンダリ室17をリザーバ5に接続するためのリザーバポート20、21が形成されている。シリンダ本体2Aのシリンダボア12の内周面には、所定の軸方向間隔をもって環状のシール溝22a、22b及び23a、23bが形成されている。これら環状のシール溝22a、22b及び23a、23bには、それぞれシール部材22A、22B及び23A、23Bが配置されており、これらシール部材22A、22B及び23A、23Bは、シリンダボア12と、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11との間を、それぞれ、シールしている。2つのシール部材22A、22Bは、軸方向に沿ってリザーバポート20を挟んで配置されている。プライマリピストン10が図1に示す非制動位置にあるとき、プライマリ室16は、プライマリピストン10の側壁に設けられたポート24を介してリザーバポート20に連通している。また、プライマリピストン10が非制動位置から前進したとき、プライマリ室16は、シール部材22Aによってリザーバポート20から遮断されるようになっている。また、2つのシール部材23A、23Bは、軸方向に沿ってリザーバポート21を挟んで配置されている。セカンダリピストン11が図1に示す非制動位置にあるとき、セカンダリ室17は、セカンダリピストン11の側壁に設けられたポート25を介してリザーバポート21に連通している。また、セカンダリピストン11が非制動位置から前進したとき、セカンダリ室17は、シール部材23Aによってリザーバポート21から遮断されるようになっている。
プライマリ室16内のプライマリピストン10とセカンダリピストン11との間には、バネアセンブリ26が介装され、セカンダリ室17内のマスタシリンダ2の底部とセカンダリピストン11との間には、圧縮コイルバネである戻しバネ27が介装されている。バネアセンブリ26は、圧縮コイルバネ28が伸縮可能なリテーナ29によって所定の圧縮状態で保持され、そのバネ力に抗して圧縮可能になっている。プライマリピストン10内で、リテーナ29とプライマリピストン10の中間壁30との間には、筒状部材である円筒状のスペーサ51が介装されている。
スペーサ51は、図1〜図3に示すように、円筒部51Aと、該円筒部51Aの後端に接続される環状壁部51Bとから形成されている。環状壁部51Bの内側には、内孔52が形成されている。該内孔52には、入力ピストン32の小径の前端部が挿通されるようになっている。スペーサ51の環状壁部51Bの、カップシール55との対向面には、径方向に直線的に延びる溝部53、53が内孔52の両側にとなる位置に2箇所形成されている。各溝部53は、これらを内側に延長して結んだ線上に内孔52の中心が位置するようになっている。各溝部53は、断面U字状に形成され、スペーサ51の内孔52とスペーサ51の円筒部51Aの外周面とを連通している。すなわち、各溝部53は、スペーサ51の円筒部51Aの径方向内側と径方向外側とを連通している。なお、図3に示す実施形態では、溝部53を環状壁部51Bに2箇所設けたが、図4に示すように、溝部53を環状壁部51Bに1箇所だけ設けるようにしてもよい。さらに、図3に示す実施形態では、各溝部53の断面形状をU字状に形成したが、図5に示すように、各溝部53の断面形状をV字状に形成するようにしてもよい。
また、図1に示すように、プライマリピストン10は、全体が筒状に形成され軸方向中央内部に中間壁30を備えている。図2に詳述されるように、中間壁30には、案内ボア31が設けられ、案内ボア31は、中間壁30を軸方向に貫通して形成されている。該案内ボア31には、段部32Aを有する段付形状の入力ピストン32の小径の前端部が摺動可能かつ液密的に挿通されている。案内ボア31の内周面には、後述するカラー57を用いることにより形成される大径シール溝61と小径シール溝62とが軸方向に並んで設けられる。大径シール溝61は、小径シール溝62よりも案内ボア31における前側に位置して形成されている。また、大径シール溝61の軸方向の長さは、小径シール溝62の軸方向の長さより長く形成されている。大径シール溝61の前側には、シール部材として環状のカップシール55を配置すると共に、小径シール溝62には、シール部材としてのOリング56を配置し、案内ボア31と入力ピストン32との間がシールされている。また、大径シール溝61の後側でカップシール55とOリング56との間には、環状のカラー57が配設される。このように、本実施形態においては、大径シール溝61の後側にカラー57を配置することによって、カップシール55とOリング56とを配置するスペースを確保するようにしている。これは、カップシール55用の溝部とOリング56用の溝部とを独立して形成する場合、製造上コストアップの要因となるためである。
カップシール55は、断面C字状に形成され、その開放側がスペーサ51の環状壁部51Bに対向するように組み付けられ、スペーサ51によりカップシール55の軸方向への移動が規制されるようになっている。そして、カップシール55は、プライマリ室16の液圧発生時に、カップシール55の内外のリップが互いに径方向に離れるように拡がることでプライマリ室16からマスタシリンダ2外へのブレーキ液の漏出を防止している。また、プライマリピストン10の中間壁30には、径方向に貫通する通路33が形成されている。通路33は、その内周側開口が大径シール溝61のカラー57の外周面に対向し、外周側開口がリザーバポート20を介してリザーバ5に連通している。そして、プライマリピストン10の戻り時、ブレーキ配管が細いためにブレーキキャリパからプライマリ室16へのブレーキ液の戻りが遅くなる。このため、プライマリ室16の容積拡大にブレーキ液量の戻りが追いつかなくなったときに、プライマリ室16が負圧になる。このとき、プライマリ室16とリザーバ5との差圧によりカップシール55の内外のリップが径方向に互いに近接するように倒れることで、リザーバ5のブレーキ液がプライマリ室16内に補給されてプライマリ室16の負圧が解消されるようになる。
図1に示すように、フロントハウジング4A内に延びるプライマリピストン10の中間部を、フロントハウジング4Aの底部の開口部に嵌合する円筒状のバネ受部材70に挿入することで、プライマリピストン10の中間部は円筒状のバネ受部材70により軸方向に沿って摺動可能に案内される。バネ受部材70は、一端部に形成した外側フランジ部71をフロントハウジング4Aの底部の開口部に嵌合することで固定されて、マスタシリンダ2のシリンダボア12に連接している。バネ受部材70はその後端内周部に取り付けたシール部材72によってプライマリピストン10との間をシールし、プライマリピストン10の中間壁30に設けた通路33がシール部材72の前側に開口している。マスタシリンダ2のシール溝22b及びシール部材22Bを設けたシリンダボア12の開口部12Aを径方向内側に突出させ、また、バネ受部材70を設けて、プライマリピストン10の支持部の長さを長くすることにより、プライマリピストン10のシリンダボア12に対する傾きを抑制している。
入力ピストン32の後端部に、リアカバー4Bの円筒部8及びプライマリピストン10の後部に挿入された入力ロッド34の前端部を連結して、入力ロッド34の後端側を円筒部8から外部に延出している。円筒部8から外部に延出された入力ロッド34の後端部に、ブレーキペダル(図示せず)を連結している。プライマリピストン10の後端部に環状のバネ受35を取り付けて、プライマリピストン10は、バネ受部材70の後端部とバネ受35との間に介装された圧縮コイルバネである戻しバネ36によって後退方向に付勢されている。また、入力ピストン32は、プライマリピストン10の中間壁30との間及びバネ受35との間にそれぞれ介装された圧縮コイルバネであるバネ37、38によって、図1に示す中立位置に弾性的に保持されている。入力ロッド34の後退位置は、入力ロッド34の中間部に設けられた大径の当接部34Aが、リアカバー4Aの円筒部8の後端部に設けられた径方向内側に突出するストッパ39に当接することによって規定されている。
ハウジング4内に、電動モータ40及び電動モータ40の回転を直線運動に変換してプライマリピストン10に推力を付与する回転−直動変換機構であるボールねじ機構41を含むアクチュエータ3を設けている。電動モータ40は、永久磁石埋め込み型同期モータであって、フロントハウジング4Aの底部の後側の段部に固定した複数のコイルを有するステータ42と、該ステータ42の内周面に対向して配置した円筒状のロータ45と、該ロータ45の内部に挿入され、円周方向に沿って配置した複数の永久磁石とを含んでいる。ロータ45を、ボールねじ機構41の回転部材であるナット部材46の外周部に固定している。ナット部材46を、フロントハウジング4Aの底部付近からリアカバー4B付近にわたって軸方向に沿って延ばして、その両端部をベアリング43、44によってフロントハウジング4A及びリアカバー4Bに回転可能に支持している。なお、電動モータ40は、ロータ45の表面又は内部に永久磁石を配置した同期モータ、あるいは、誘導モータ等の他の形式のモータとしてもよい。
ボールねじ機構41は、ナット部材46と、ナット部材46及びハウジング4の円筒部8内に挿入されて軸方向に沿って移動可能で、かつ、軸回りに回転しないように支持された直動部材である中空のネジ軸47とを有している。これらの対向面となるナット部材46の内周面とネジ軸47の外周面とに、それぞれ螺旋溝46A,47Aを形成している。これら螺旋溝46A,47Aの間に、複数のボール48をグリスと共に装填している。このような構成により、ボールねじ機構41は、ナット部材46の回転に伴って螺旋溝46A、47Aに沿ってボール48が転動することで、ネジ軸47が軸方向に移動するようになっている。ボールねじ機構41は、ナット部材46とネジ軸47との間で、回転及び直線運動を相互に変換可能、すなわち、上記したようにナット部材46の回転をネジ軸47の直動運動に、また、ネジ軸47の直動運動をナット部材46の回転に変換可能となっている。
なお、上述の例では、電動モータ40のロータ45の回転運動をボールねじ機構41のナット部材46に直接伝達するようにしているが、電動モータ40とボールねじ機構41との間に、遊星歯車機構、差動減速機構等の公知の減速機構を介装して、電動モータ40の回転を減速してボールねじ機構41に伝達するようにしてもよい。
ボールねじ機構41のネジ軸47は、バネ受部材70のフランジ部71との間に介装した圧縮テーパコイルバネである戻しバネ49によって後退方向に付勢され、後端部がリアカバー4Bの円筒部8に設けたストッパ39に当接することよって後退位置が規制されている。ネジ軸47内に、プライマリピストン10の後端部を挿入して、ネジ軸47の内周部に形成した環状の段部50に、バネ受35の外周に形成した環状の当接部80がシム81を介して当接することによってプライマリピストン10の後退位置を規制している。これにより、プライマリピストン10は、ネジ軸47の前進により、段部50に押されて前進し、また、段部50から離間して単独で前進することができる。そして、図1に示すように、ストッパ39に当接したネジ軸47の段部50によってプライマリピストン10の非制動位置を規定して、非制動位置にあるプライマリピストン10及びバネアセンブリ26の最大長によって、セカンダリピストン11の後退位置、すなわち、非制動位置を規定している。
ハウジング4内に、電動モータ40のロータ45の回転位置を検出する回転位置センサであるレゾルバ60を設けている。該レゾルバ60は、ナット部材46の後部側の外周部に固定したレゾルバロータ60Aと、該レゾルバロータ60Aに対向してリアカバー4Bに取り付けたレゾルバステータ60Bとから構成している。
リアハウジング4Bの円筒部8の後端部に、ネジ軸47の外周を覆う円筒状のカバー部材76を取り付けている。ネジ軸47は、円筒部8から突出する後端部に軸方向に沿って形成した案内溝47Bに、リアハウジング4Bの円筒部8のストッパ39を係合させることにより、軸方向に移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持している。
本電動倍力装置1は、ブレーキペダル、すなわち、入力ピストン32及び入力ロッド34の変位を検出するストロークセンサ(図示せず)、電動モータ40に供給する電流を検出する電流センサ(図示せず)、プライマリ室16及びセカンダリ室17の液圧を検出する液圧センサ82等の各種センサを設けている。また、電動倍力装置1に、マイクロプロセッサベースの電子制御装置であるコントローラを接続している。電動倍力装置1は、このコントローラにより、前述の各種センサからの検出信号に基づき、電動モータ40の回転を制御することによって作動する。
次に、本電動倍力装置1の作動について説明する。
ブレーキペダルを操作して入力ロッド34を介して入力ピストン32を前進させると、入力ピストン32の変位をストロークセンサによって検出し、コントローラによって入力ピストン32の変位に基づいて電動モータ40の作動を制御し、ボールねじ機構41のネジ軸47の段部50により、シム81及びバネ受35を介してプライマリピストン10を押圧し、プライマリピストン10を前進させて入力ピストン32の変位に追従させる。これにより、プライマリ室16に液圧が発生し、また、この液圧がセカンダリピストン11を介してセカンダリ室17に伝達される。このようにして、マスタシリンダ2で発生したブレーキ液圧は、液圧ポート18、19を介して各車輪のブレーキキャリパに供給され、制動力を発生させる。この時、プライマリ室16に液圧が発生すると、カップシール55の内外のリップがそれぞれ径方向に離れるように拡がることでシール性を高めて、プライマリ室16からマスタシリンダ2外へのブレーキ液の漏出を防止する。
一方、ブレーキペダルの操作を解除すると、入力ピストン32、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11が後退してマスタシリンダ2のブレーキ液圧が減圧されて制動力が解除される。ここで、プライマリピストン10の戻り時にプライマリ室16が負圧になったときには、上述したようにカップシール55の内外のリップが径方向に互いに近接するように倒れ、さらに、スペーサ51の環状壁部51Bの、カップシール55との対向面に設けた各溝部53、53を介して、リザーバ5のブレーキ液がプライマリ室16内に補給されて負圧が解消されるようになる。
また、本電動倍力装置1を組み立てる際、カップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に正規に組み付けられているか否かを検査する検査工程が行われる。この検査工程では、リザーバポート20を介して圧縮空気を送り込むことで、カップシール55の背面側(開放側とは反対側)から加圧して、プライマリ室16にてその加圧が検知されるか否かにより、カップシール55の組み付け状態の良否を判定している。すなわち、カップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に正規に組み付けられている場合(図2の状態)には、カップシール55の背面側から加圧すると、カップシール55の内外のリップが径方向に互いに近接するように倒れてプライマリ室16とリザーバポート20とが連通する。このため、プライマリ室16にてその加圧を検知することができ、カップシール55の組み付け状態が正常であると判定している。一方、カップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に正規に組み付けられていない場合、すなわち、カップシール55の開放側がカラー57に対向するように組み付けられている場合には、カップシール55の背面側から加圧すると、カップシール55の内外のリップが径方向に互いに径方向に離れるように拡がってプライマリ室16へ加圧空気を到達させないように遮断してしまう。このため、プライマリ室16にてその加圧を検知することができず、カップシール55の組み付け状態が異常であると判定している。
しかしながら、従来では、カップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に正規に組み付けられている状態にも関わらず、カップシール55の背面側から加圧すると、カップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に張り付く状態が発生して、プライマリ室16にてその加圧を検知することができず誤組み付けであると判定することがあった。
これに対して、本電動倍力装置1では、スペーサ51の環状壁部51Bの、カップシール55との対向面に、スペーサ51の内孔52と外周面とを連通する各溝部53を設けているために、正規に組み付けられたカップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bに張り付いた状態であっても、カップシール55の背面側からの加圧は各溝部53を経由してプライマリ室16に流通するためにその加圧を検知することができる。これにより、誤判定を抑制することが可能になっている。
以上説明したように、本実施形態に係る電動倍力装置1では、スペーサ51の環状壁部51Bのカップシール55との対向面に、スペーサ51の内孔52と外周面とを連通する各溝部53を形成しているので、カップシール55の組付検査において、正規に組み付けられたカップシール55がスペーサ51の環状壁部51Bの対向面に張り付いた状態であっても、カップシール55の背面側からの加圧は各溝部53を経由してプライマリ室16に流通してその加圧を検知することができ、誤判定を抑制することが可能になる。
1 電動倍力装置,2 マスタシリンダ,10 プライマリピストン(ブースタピストン),16 プライマリ室(圧力室), 17 セカンダリ室(圧力室),32 入力ピストン,40 電動モータ,41 ボールねじ機構(回転−直動変換機構),51 スペーサ(筒状部材),51B 環状壁部,52 内孔,53 溝部,55 カップシール(シール部材)

Claims (1)

  1. マスタシリンダの圧力室を加圧する筒状のブースタピストンと、
    該ブースタピストン内に摺動可能に、かつ液密的にシール部材を挟んで挿入され、ブレーキペダルの操作によって前記マスタシリンダの圧力室を加圧する入力ピストンと、
    電動モータからの回転運動を直線運動に変換して、前記ブースタピストンに推力を付与する回転−直動変換機構と、を備え、
    前記入力ピストンへの入力に応じて前記電動モータの作動を制御して前記ブースタピストンの推力を調整する電動倍力装置において、
    前記ブースタピストン内に、円筒部と、該円筒部の一端に接続される環状壁部とを有する筒状部材を設け、
    前記環状壁部は、前記シール部材に当接して配置されて前記シール部材の軸方向への移動を規制し、該環状壁部の前記シール部材との対向面に、前記筒状部材の径方向内側と径方向外側とを連通する溝部を備えることを特徴とする電動倍力装置。
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