JP5360410B2 - 電動倍力装置、該電動倍力装置の組立治具及び該電動倍力装置の組立方法 - Google Patents

電動倍力装置、該電動倍力装置の組立治具及び該電動倍力装置の組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両のブレーキ機構に採用される電動倍力装置、該電動倍力装置の組立治具及び該電動倍力装置の組立方法に関するものである。
従来の電動倍力装置では、マスタシリンダの圧力室にブースタピストンの中央貫通孔から先端が臨む入力ピストンが設けられ、ブースタピストンの中央貫通孔に入力ピストンとの間で圧力室をシールするシール部材が設けられるものがある(特許文献1参照)。
特開2007−191133号公報
しかしながら、特許文献1の電動倍力装置では、組立作業において、入力ピストンをブースタピストンの中央貫通孔に挿入する際、シール部材が入力ピストンの先端に引っ掛かって損傷または脱落しないように慎重に行なう必要があったため、組立作業が煩雑になっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、組立作業を容易とする電動倍力装置、該電動倍力装置の組立治具及び該電動倍力装置の組立方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明に係る電動倍力装置の発明は、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータとを備え、前記軸部材と前記筒状部材とをマスタシリンダのピストンとして、それぞれの前端部をマスタシリンダの圧力室に臨ませ、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与される入力推力と、前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与されるブースタ推力とにより、マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置において、該電動倍力装置は、前記筒状部材と前記軸部材との間に環状のシール部材を有し、前記軸部材の先端には、該軸部材を前記シール部材に嵌合させるように前記筒状部材内を軸方向に移動させる組立治具との間の位置決め部が形成されることを特徴とするものである。
また、本発明に係る電動倍力装置の組立治具の発明は、請求項1または2に記載の電動倍力装置の組立治具であって、該組立治具は、前記電動倍力装置の、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材に相対移動可能に外装される筒状部材を保持する有底筒状の保持体と、該保持体の底壁部を気密的に貫通し該保持体内を軸方向に進退移動可能であり、前記軸部材の先端に設けた位置決め部に対応する位置決め部を有する誘導棒とを備え、該誘導棒はその位置決め部を前記軸部材の位置決め部に係合した状態で、前記軸部材を前記保持体内の前記筒状部材の内周面に配置された環状のシール部材に嵌合させつつ軸方向に誘導して、該シール部材を前記軸部材と前記筒状部材との間に配置することを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る電動倍力装置の組立方法の発明は、請求項1または2に記載の電動倍力装置の組立方法であって、該電動倍力装置の、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材に相対移動可能に外装される筒状部材を保持する有底筒状の保持体と、該保持体の底壁部を気密的に貫通し該保持体内を軸方向に進退移動可能で、前記軸部材の先端に設けた位置決め部に対応する位置決め部を有する誘導棒とを備えた組立治具を使用して、前記保持体内を軸方向に延びる前記誘導棒に環状のシール部材を取り付ける取付ステップと、前記誘導棒に前記電動倍力装置の前記筒状部材を挿入して、前記シール部材を前記誘導棒と前記筒状部材との間に配置すると共に、該筒状部材を前記保持体により保持させる保持ステップと、前記誘導棒の位置決め部に、前記軸部材の先端に設けた位置決め部を係合する係合ステップと、前記誘導棒を軸方向に移動させると共に前記軸部材を軸方向に誘導し、前記軸部材を前記シール部材に嵌合させて該シール部材を前記軸部材と前記筒状部材との間に配置する嵌合ステップと、を備えることを特徴とするものである。
本発明の電動倍力装置、該電動倍力装置の組立治具及び該電動倍力装置の組立方法によれば、組立作業を容易にすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動倍力装置の断面図である。 図2は、本電動倍力装置に採用されるピストン組立体の組立治具を示す側面図である。 図3(a)及び(b)は、ピストン組立体の組立方法を段階的に示す図である。 図4(c)及び(d)は、図3の(b)から続く組立方法を段階的に示す図である。 図5(e)及び(f)は、図4の(d)から続く組立方法を段階的に示す図である。 図6(g)は、図5の(f)から続く組立方法を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る電動倍力装置の構造を示したものである。本電動倍力装置1は、エンジンルームR1と車室R2とを仕切る隔壁Wに一端が固定され、他端に後述のタンデムマスタシリンダ2を結合したモータケーシング3(以下、適宜ケーシングと略称する)を備えている。なお、説明の便宜上、以下、エンジンルームR1側を前側、車室R2側を後側とそれぞれ呼ぶこととする。
ケーシング3は、筒状のケーシング本体4と、ケーシング本体4の後端にボルト止めされ、ケーシング本体4の後端の開口部をシール部材5と共に密閉するリヤカバー6とからなっている。ケーシング本体4の前端には段付の前壁7が一体に設けられており、該前壁7にタンデムマスタシリンダ2がスタッドボルト10を用いて固結されている。リヤカバー6は、隔壁Wにスタッドボルト11を用いて固結され、この固結状態で、該リヤカバー6に一体に設けた筒状のボス部12が隔壁Wを挿通して車室R2内へ延出される。
ケーシング本体4の前壁7は、ケーシング本体4に対して略直交するように形成された前壁本体15を有し、該前壁本体15は、その内径寸法が前側から後側に順に小、中、大とされる環状の第1、第2、第3段部15a、15b、15cを設けており、上述したように段付となっている。なお、前壁本体15の第1、第2、第3段部15a、15b、15cは、各内径寸法が、後述する軸受20及びステータ21のステータコイル21a、ステータ本体21bの夫々を嵌合し得る大きさに設定されている。なお、本実施形態では、第2、第3段部15b、15cが、ステータ21が取り付けられる段部を構成している。
ケーシング3には、タンデムマスタシリンダ2のプライマリピストンとして共用されるピストン組立体23と、該ピストン組立体23を構成する筒状部材としてのブースタピストン24を駆動する電動アクチュエータ25とが内装され、一方、ケーシング3(ケーシング本体4及びリヤカバー6)の上部には、電動アクチュエータ25の駆動を制御するための後述のECU26が一体的に設けられている。
タンデムマスタシリンダ(以下、単にマスタシリンダという)2は、有底のシリンダ本体30とリザーバ31とを備えており、そのシリンダ本体30内の前側には、プライマリピストンとしてのピストン組立体23と対をなすセカンダリピストン32が摺動可能に配設されている。シリンダ本体30内には、ピストン組立体23とセカンダリピストン32とにより2つの圧力室33A、33Bが画成されており、両ピストン23、32の前進に応じて各圧力室33A、33B内に封じ込められているブレーキ液が、シリンダ本体30に設けた吐出ポート34A、34Bから対応する系統のホイールシリンダWCへ圧送される。
また、シリンダ本体30には、各圧力室33A、33B内とリザーバ31とを連通するリリーフポート35A、35Bが形成され、さらに、シリンダ本体30の内面には、リリーフポート35A、35Bの前側にそれぞれシール部材36A、36Bが配設されている。また、各圧力室33A、33B内には、プライマリピストンとしてのピストン組立体23とセカンダリピストン32とを常時後退方向へ付勢する戻しばね37A、37Bが配設されている。また、ブースタピストン24内でその内周に形成した環状壁部24aと、戻しばね37Aのばね受けとの間にスリーブ96が配設される。各圧力室33A、33Bは、両ピストン23、32の後退端においてリリーフポート35A、35Bを経てリザーバ31と連通し、これにより各圧力室33A、33Bにはリザーバ31から必要なブレーキ液が補給される。
ピストン組立体23は、前記した筒状部材としてのブースタピストン24と、軸部材としての入力ピストン22とからなっており、中実の入力ピストン22が、筒状をなすブースタピストン24内にこれと相対移動可能に配設されている。ブースタピストン24は、ケーシング本体4の前壁7に嵌着された筒状ガイド40に摺動可能に嵌挿されており、その前端部がマスタシリンダ2の圧力室33A内に延出されている。
一方、入力ピストン22は、ブースタピストン24の内周に形成した環状壁部24a内側の貫通孔に摺動可能に嵌挿されており、その前端部が同じくマスタシリンダ2の圧力室33A内に延出されている。
なお、ブースタピストン24と、マスタシリンダ2のシリンダ本体30との間はシール部材36Aによりシールされ、また、ブースタピストン24の環状壁部24aと、入力ピストン22との間はシール部材、すなわち、環状カップ(プランジャ)38A、環状プレート38B及びOリング38Cによりシールされており、これにより圧力室33Aからマスタシリンダ2外へのブレーキ液の漏出が防止されている。
一方、入力ピストン22の後端部には、その球面状凹部にブレーキペダル(図示略)と連動する入力ロッド41の先端部が揺動自在に連結されており、入力ピストン22は、ブレーキペダルの操作(ペダル操作)によりブースタピストン24内を進退移動するようになっている。また、入力ピストン22の前端面には、位置決め部として、後述する組立治具70の誘導棒73に設けた凸部72に対応する三角錘状の凹部48が形成される。入力ロッド41の途中には、拡径部41aが一体に形成されており、入力ロッド41は、その拡径部41aをリヤカバー6の筒状ガイド部12の後端に一体に形成した内方突起42に当接させることにより後方(車室R2側)への移動が規制されている。すなわち、入力ピストン22は、入力ロッド41の拡径部24aをリヤカバー6の内方突起25に当接させる位置が後退端となる。
上記電動アクチュエータ25は、電動モータ45と、この電動モータ45の回転を直線運動に変換してブースタピストン24に伝達するボールねじ機構36とからなっている。電動モータ45は、複数のコイル21a及び複数のコイル21aが巻かれたステータ本体21bを有し全体として環状に形成されたステータ21と、該ステータ21への通電により回転する中空のロータ50とからなっている。ステータ本体21bに巻かれた複数のコイル21a(便宜上、適宜、ステータコイル21aと総称する。)は、全体として環状に構成されている。
電動モータ45は、そのステータ21が、第2、第3段部15b、15cに嵌合した状態で、ケーシング本体4にボルト51により固定されると共に、そのロータ50が軸受20、52を介してケーシング本体4及びリヤカバー6に回動自在に支持されている。なお、軸受20は、第1段部15aひいてはケーシング本体4に嵌合した状態で配置されている。軸受52は、リヤカバー6の段部に嵌合して設けられている。
ボールねじ機構36は、上記電動モータ45のロータ50にキー53を用いて回転不能に嵌合固定されたナット部材54と、このナット部材54にボール55を介して噛合わされた中空のねじ軸56とからなっている。ねじ軸56の後端部には軸方向に延びるスリット57が形成されており、このスリット57にリヤカバー6の内方突起42が挿入されている。すなわち、ねじ軸56は、ケーシング3内に回動不能に配設されており、これによりロータ50と一体にナット部材54が回転すると、ねじ軸56が直動するようになる。
一方、ねじ軸56の内面には環状突起60が設けられており、この環状突起60にはブースタピストン24の後端部に螺着されたフランジ部材61が当接するようになっている。また、フランジ部材61とケーシング本体4に嵌合した筒状ガイド40との間には戻しばね62が介装されており、ブースタピストン24は、戻しばね62により常時そのフランジ部材61をねじ軸56側の環状突起60に当接させる状態を維持するようになっている。したがって、ナット部材54の回転に応じてねじ軸56が前進すると、該ねじ軸56に押されてブースタピストン24も前進する。本実施形態において、ねじ軸56は、ブレーキ非作動時にはそのスリット57の始端をリヤカバー6側の内方突起42に当接させる後退端に位置決めされており、これに応じてブースタピストン24も、ブレーキ非作動時には、後退端にあるねじ軸56の環状突起60に当接させる後退端に位置決めされている。なお、ねじ軸56と筒状ガイド40との間にはねじ軸56を後方へ付勢し、該ねじ軸56が不用意に前進するのを規制する押えばね63が介装されている。
また、ピストン組立体23を構成するブースタピストン24と入力ピストン22との相互間には、一対のバランスばね65、65が配設されている。この一対のバランスばね65は、ブレーキ非作動時にブースタピストン24と入力ピストン22とを相対移動の中立位置に保持する役割をなすものである。
本実施形態において、車室R2内の固定部には、入力ロッド41(またはブレーキペダル)の動きを介して車体に対する入力ピストン22の絶対変位を検出するポテンショメータ(図示略)配設される。また、ケーシング3内には、電動モータ45の回転変位から車体に対するブースタピストン24の絶対変位を検出するレゾルバ(回転検出手段)66が配設される。このレゾルバ66は、リヤカバー6にボルト止めされたレゾルバステータ66aと、電動モータ45のロータ50の外周面に配置されたレゾルバロータ66bとからなる。
次に、上記のように構成された本電動倍力装置1の作用を説明する。
ブレーキペダルの踏込みに応じて入力ロッド41、すなわち入力ピストン22が前進すると、その動きがポテンショメータにより検出される。すると、該ポテンショメータからの信号を受けてECU26から電動モータ45に起動指令が出力され、これにより電動モータ45のロータ50が回転して、その回転がボールねじ機構36により直動に変換されてブースタピストン24に伝達される。すなわち、入力ピストン22とブースタピストン24とが一体的に前進(推進)し、ブレーキペダルから入力ピストン22に付与される入力推力と、電動モータ45からブースタピストン24に付与されるブースタ推力とに応じたブレーキ液圧がマスタシリンダ2内の圧力室33A、33Bに発生する。
次に、以上説明した本実施の形態に係る電動倍力装置1の組み立ての際に採用される本実施の形態に係る組立治具70を図2〜図4に基いて説明する。
本実施の形態に係る組立治具70は、図1に示す上述した電動倍力装置1のうち、ブースタピストン24にこれと相対移動可能に入力ピストン22を内装してなるピストン組立体23を組み立てる際に使用される。
本組立治具70は、図2及び図3に示すように、ピストン組立体23のブースタピストン24を保持する有底筒状の下側保持体71と、該下側保持体71の底壁部74を気密的に貫通し該下側保持体71内を軸方向に延び、先端に入力ピストン22の先端に設けた凹部48に対応する三角錘状の凸部72を有する誘導棒73と、該誘導棒73の基端部にシリンダロッド75先端が接触して該誘導棒73を軸方向に移動可能とするエアシリンダ76と、下側保持体71との間で、ピストン組立体23を保持する上側保持体77(図4参照)とを備えている。
なお、図2に示すように、下側保持体71には、回転軸78の一端から上下方向に延びるアーム79が固定され、この回転軸78の他端にハンドル80が設けられる。該回転軸78は回転自在に支柱81の上端に支持され、支柱81は架台82から上方に延びている。この架台82の下方にエアシリンダ76が備えられている。そして、作業者がハンドル80を紙面と直交する方向に回転させると、下側保持体71が回転軸78を中心に同方向に回転される。
図3に示すように、下側保持体71は、筒状部85と、該筒状部85の下端開口を気密的に閉塞する底壁部74とから構成される。なお、筒状部85と底壁部74との固定には複数の固定ボルトが使用される。
筒状部85の上部内周面には、上下方向に間隔をあけて2箇所形成された環状凹部にOリング86がそれぞれ組み込まれる。これらOリング86の間に加圧及び計測用の径方向貫通孔87Aが形成される。なお、図3(b)に示すように、この径方向貫通孔87Aは、ブースタピストン24が下側保持体71にセットされた際、その環状壁部24aに設けた径方向貫通孔89に対向する位置に形成される。この径方向貫通孔87Aから下方に間隔をあけて加圧及び計測用の径方向貫通孔87Bが形成される。また、筒状部85の上面で段差部88から外方に形成された環状凹部にOリング86が組み込まれる。
底壁部74は、円板部90と、該円板部90の略中央から上方に一体的に延びる棒状ガイド部91とから構成される。円板部90の上面で棒状ガイド部91の周りに環状凹部が形成され、該環状凹部にOリング86が組み込まれる。棒状ガイド部91は、誘導棒73が挿通される貫通孔92が上下方向に延びている。棒状ガイド部91は、その先端が下側保持体71の筒状部85に設けた下側の径方向貫通孔87Bと略同じ位置となる高さに形成される。この棒状ガイド部91の外径は、電動倍力装置1の構成部品であるスリーブ96の外径と略一致する。また、棒状ガイド部91の貫通孔92の下部内周面には、上下方向に間隔をあけて環状凹部が2箇所形成され、各環状凹部にOリング86がそれぞれ組み込まれる。
誘導棒73は、底壁部74の棒状ガイド部91に挿入されるとその上端が下側保持体71の上端よりも突出する長さに形成される。誘導棒73の外径はピストン組立体23の入力ピストン22の外径と略一致している。誘導棒73の下端には、誘導棒73の外径より大径の大径部93が一体的に形成される。また、誘導棒73の先端面には、入力ピストン22の先端に設けた三角錘状の凹部48に対応する、位置決め部としての三角錘状の凸部72が形成される。
エアシリンダ76はそのシリンダロッド75の軸線と、誘導棒73の軸線が一致するように架台82の下方に固定されている。
図4に示すように、上側保持体77は、下側保持体71の筒状部85の外径と略一致する柱状に形成され、該上側保持体77には、入力ピストン22及びブースタピストン24を収容する収容孔95が上下方向に延びている。この収容孔95は、ブースタピストン24の各部位及び入力ピストン22の各部位の外径に応じてその内径がそれぞれ決定され、上方にいくに従って段階的に小径に形成される。また、上側保持体77の周壁には、収容孔95に開口する、加圧及び計測用の径方向貫通孔87Cが形成される。上側保持体77の収容孔95の下端内径は下側保持体71の上面に設けた段差部88の外径に略一致する。なお、この上側保持体77は、図示しない駆動手段により下側保持体71に向かって進退するように構成される。
次に、上述した組立治具70を使用して電動倍力装置1のピストン組立体23の組立方法を図3〜図6に基いて説明する。
初期状態では、図3(a)に示すように、エアシリンダ76のシリンダロッド75が最大限延びて、シリンダロッド75の先端に接触した誘導棒73が、下側保持体71の底壁部74の棒状ガイド部91内を気密的に挿通されて下側保持体71の上端から突出した状態となる。
まず、誘導棒73にスリーブ96を挿通して、該スリーブ96を棒状ガイド部91の上方に位置させる。
次に、誘導棒73の上部に、シール部材としての環状カップ38A、環状プレート38B及びOリング38Cがこの順で挿通される。なお、本工程が、取付ステップに相当する。
次に、図3(b)に示すように、ブースタピストン24を下側保持体71内に挿入すると共に、ブースタピストン24に設けた環状壁部24aの内側の貫通孔に誘導棒73が挿通され、環状壁部24aの内周面の各段部にOリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aがこの順で配置される。この結果、Oリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aが誘導棒73とブースタピストン24との間に配置される。また、これと同時に、ブースタピストン24の環状壁部24aの最も下方の段部にスリーブ96の肩部が当接すると共にブースタピストン24の環状壁部24aから下方の内周面がスリーブ96及び棒状ガイド部91の外周面に当接される。続いて、ブースタピストン24内で環状壁部24aから上方の位置にバランスばね65を配置する。なお、本工程が、保持ステップに相当する。
次に、図3(b)に示すように、入力ピストン22の球面状凹部に、フランジ部材61を備えた入力ロッド41が揺動自在に支持されると共に、入力ピストン22とフランジ部材61との間にバランスばね65が配置された部分組立体100を用意し、図4(c)に示すように、該部分組立体100の入力ピストン22先端の凹部48を誘導棒73の先端に設けた凸部72に係合する。なお、本工程が、係合ステップに相当する。
次に、図4(c)に示すように、エアシリンダ76のシリンダロッド75をシリンダ内に没入させると共に、前記部分組立体100を押し込み、フランジ部材61をブースタピストン24の上部内周面に螺合する。すると、入力ピストン22の前部が、誘導棒3に誘導されるように、ブースタピストン24の環状壁部24aの内側の貫通孔に挿通され、ブースタピストン24内のバランスばね65の上端が入力ピストン22のばね受け部に当接する。このように、入力ピストン22が誘導棒73により左右への位置ズレがなくブースタピストン24内を位置決めされながら軸方向に誘導され、最終的に、Oリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aが入力ピストン22とブースタピストン24との間に配置される。このとき、エアシリンダ76のシリンダロッド75と誘導棒73とは離れた状態であるが、誘導棒73はOリング86との摩擦抵抗により落下することなくその位置が維持される。なお、本工程が、嵌合ステップとなる。
次に、図4(d)に示すように、上側保持体77を下方に移動させてその下端環状面102を下側保持体71の段差部88から外方の上面に当接させる。これにより、上側保持体77の収容孔95から下側保持体71の内部に亘って密閉空間となる。なお、この密閉空間105は、入力ピストン22とブースタピストン24との間に配置されたシール部材としてのOリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aを境に上下の密封空間106、107に区画される。
次に、図4(d)の状態で、Oリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aが正規の状態で組み込まれているか否かを検査する気密試験が実施される。なお、本工程が、試験ステップに相当する。
具体的には、上側保持体77に設けた径方向貫通孔87Cから加圧し、その圧力、具体的には上側の密封空間106の圧力を計測することでOリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aの有無を検査する。その結果、上側の密封空間106における圧力の保持が確認された際にはOリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aが正規の通り組み込まれていると判定される。一方、上側の密封空間106の圧力が下降した場合には、Oリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aのいずれかが欠品していると判定される。
また、環状カップ38Aが正規の姿勢で組み込まれているか否かを検査する。この検査には、以下の2通りの検査方法がある。まず第1の検査方法として、下側保持体71に設けた下側の径方向貫通孔87Bから加圧し、その圧力、具体的には下側の密閉空間107の圧力が保持されているが否かが計測される。この場合には、下側の密封空間107の圧力が保持されていれば環状カップ38Bが正規の姿勢で組み込まれていると判定される一方、圧力が保持されなければ環状カップ38Bが逆向きで組み込まれていると判定される。また第2の検査方法として、下側保持体71に設けた上側の径方向貫通孔87Aから加圧し、その圧力が保持されず下降すれば環状カップ38Bが正規の姿勢で組み込まれていると判定される一方、その圧力が保持されれば環状カップ38Bが逆向きで組み込まれていると判定される。
次に、図5(e)に示すように、上側保持体77を上方に移動させて、ピストン組立体23の一部を外部に露出させる。続いて、図5(f)に示すように、ハンドル80(図2参照)を回すことにより、下側保持体71に保持されたピストン組立体23を紙面に直交する方向に180°回転させて、露出されたピストン組立体23が下方を向くようにする。これにより、ブースタピストン24内に配置されたスリーブ96の落下を防止することができる。
最後に、図6(g)に示すように、作業者が下側保持体71の上端から突出している状態の誘導棒73を下側保持体71内に押し込むことで、ピストン組立体23を下側保持体71から取り出す。
本実施の形態に係る組立治具70を採用して上述したような本実施の形態に係る組立方法を採用すれば、ピストン組立体23を組み立てる際に、入力ピストン22をブースタピストン24内に位置決めしながら軸方向に移動させることができるので、入力ピストン22をOリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aにスムーズに嵌合させ、Oリング38C、環状プレート38B及び環状カップ38Aを入力ピストン22とブースタピストン24の環状壁部24aとの間に配置することができ、従来発生していた入力ピストン22の挿入の際のOリング38C等の損傷及び脱落を防ぐことができ、組立作業を容易にすることができる。
また、本電動倍力装置1の入力ピストン22の先端には、組立治具70の誘導棒73の先端に設けた三角錘状の凸部72に対応した三角錘状の凹部48が形成されているので、誘導棒73に入力ピストン22を容易に位置決めすることが可能になる。
なお、本実施の形態では、本電動倍力装置1の入力ピストン22の先端には、組立治具70の誘導棒73の先端に設けた凸部72に対応した凹部48が形成されているが、入力ピストン22の先端に凸部を形成し、これに対応するように、組立治具70の誘導棒73の先端に凹部を形成してもよい。
1 電動倍力装置,2 タンデムマスタシリンダ(マスタシリンダ),22 入力ピストン(軸部材),23 ピストン組立体,24 ブースタピストン(筒状部材),25 電動アクチュエータ,36 ボールねじ機構,33A、33B 圧力室,38A 環状カップ,38B 環状プレート,38C Oリング,41 入力ロッド,45 電動モータ,48 凹部(位置決め部),70 組立治具,71 下側保持体(保持体),72 凸部(位置決め部),73 誘導棒,74 底壁部,77 上側保持体,105 密封空間,106 上側の密封空間,107 下側の密封空間

Claims (5)

  1. ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、
    該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、
    該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータとを備え、
    前記軸部材と前記筒状部材とをマスタシリンダのピストンとして、それぞれの前端部をマスタシリンダの圧力室に臨ませ、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与される入力推力と、前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与されるブースタ推力とにより、マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置において、
    該電動倍力装置は、前記筒状部材と前記軸部材との間に環状のシール部材を有し、
    前記軸部材の先端には、該軸部材を前記シール部材に嵌合させるように前記筒状部材内を軸方向に移動させる組立治具との間の位置決め部が形成されることを特徴とする電動倍力装置。
  2. 前記位置決め部は、凹状または凸状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の電動倍力装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動倍力装置の組立治具であって、
    該組立治具は、前記電動倍力装置の、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材に相対移動可能に外装される筒状部材を保持する有底筒状の保持体と、
    該保持体の底壁部を気密的に貫通し該保持体内を軸方向に進退移動可能であり、前記軸部材の先端に設けた位置決め部に対応する位置決め部を有する誘導棒とを備え、
    該誘導棒はその位置決め部を前記軸部材の位置決め部に係合した状態で、前記軸部材を前記保持体内の前記筒状部材の内周面に配置された環状のシール部材に嵌合させつつ軸方向に誘導して、該シール部材を前記軸部材と前記筒状部材との間に配置することを特徴とする電動倍力装置の組立治具。
  4. 請求項1または2に記載の電動倍力装置の組立方法であって、
    該電動倍力装置の、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材に相対移動可能に外装される筒状部材を保持する有底筒状の保持体と、該保持体の底壁部を気密的に貫通し該保持体内を軸方向に進退移動可能で、前記軸部材の先端に設けた位置決め部に対応する位置決め部を有する誘導棒とを備えた組立治具を使用して、
    前記保持体内を軸方向に延びる前記誘導棒に環状のシール部材を取り付ける取付ステップと、
    前記誘導棒に前記電動倍力装置の前記筒状部材を挿入して、前記シール部材を前記誘導棒と前記筒状部材との間に配置すると共に、該筒状部材を前記保持体により保持させる保持ステップと、
    前記誘導棒の位置決め部に、前記軸部材の先端に設けた位置決め部を係合する係合ステップと、
    前記誘導棒を軸方向に移動させると共に前記軸部材を軸方向に誘導し、前記軸部材を前記シール部材に嵌合させて該シール部材を前記軸部材と前記筒状部材との間に配置する嵌合ステップと、
    を備えることを特徴とする電動倍力装置の組立方法。
  5. 前記嵌合ステップの後、前記保持体を前記軸部材、筒状部材及びシール部材を収容した状態で気密的に閉塞し、該保持体内に設けられた密封空間において気密試験する試験ステップを備えることを特徴とする請求項4に記載の電動倍力装置の組立方法。
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