JP2020082933A - マスタシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】作動液の吸い込み性を改善することができるマスタシリンダを提供すること。【解決手段】マスタシリンダ2は、シリンダ本体21と、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23と、前方側シール部材213及び後方側シール部材214と、軸線に対して直交するようにシリンダ本体21に設けられて第一液圧室R1とリザーバタンク6とを連通するリザーバ流路21aと、第一液圧室R1内のブレーキフルードを吐出する第一吐出流路21bと、リザーバ流路21aに設けられていて、第一吐出流路21bからブレーキフルードを吐出する際に、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて低い場合にはリザーバ流路21aを介して第一液圧室R1とリザーバタンク6との連通を許容し、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて高い場合には連通を禁止する逆止弁215と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、マスタシリンダに関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示されたマスタシリンダが知られている。この従来のマスタシリンダは、シリンダ本体に、リザーバタンクから液圧室に作動液を供給する流路が設けられると共に、流路をバイパスしてリザーバタンクと液圧室とを連通するバイパス通路が設けられるようになっている。そして、バイパス通路には逆止弁が設けられており、バイパス通路が逆止弁を収容する弁室、リザーバ通路及び液圧室通路によって構成されるようになっている。
特開2008−62934号公報
近年、車両においては、運転者によるブレーキ操作に拘わらず、自動的に車両を制動する自動ブレーキ機能が搭載される場合がある。この自動ブレーキ機能においては、マスタシリンダよりも下流側に設けられたポンプによってマスタシリンダの液圧室の作動液が吸引されて、吸引された作動液が加圧されて各車輪のホイールシリンダに供給される。このような自動ブレーキ機能においては、ポンプがマスタシリンダから作動液を速やかに且つ必要十分な量を吸引して、制動力を発生させる際の応答性を高める必要がある。
ところで、上記従来のマスタシリンダにおいては、シリンダ本体にリザーバタンクから液圧室に作動液を供給する流路に加えて流路をバイパスするバイパス通路が設け、下流側にて作動液が吸引された場合にリザーバタンクに貯留された作動液をバイパス通路を介して下流側に供給するようになっている。この場合、リザーバタンクからバイパス通路を構成するリザーバ通路及び液圧室通路に向けて作動液が流れる際の管路抵抗が大きくなる可能性があり、作動液の吸い込み性が悪化する可能性がある。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本開示の目的は、作動液の吸い込み性を改善することができるマスタシリンダを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本開示のマスタシリンダは、一端が閉塞し且つ他端が開口したシリンダ本体と、シリンダ本体の内部にシリンダ本体の軸線に沿って摺動可能に収容されたマスタピストンと、シリンダ本体の内周面とマスタピストンの外周面との間をシールするシール部材と、シリンダ本体の内周面とマスタピストンとシール部材とを含んで形成される液圧室と、作動液を貯留するリザーバタンクと、を連通し、軸線に対して直交するようにシリンダ本体に設けられるリザーバ流路と、シリンダ本体に設けられて、液圧室内の作動液を吐出する吐出流路と、リザーバ流路に設けられていて、吐出流路から液圧室内の作動液を吐出する際に、液圧室の液圧がリザーバタンクの液圧に比べて低い場合にはリザーバ流路を介して液圧室とリザーバタンクとの連通を許容し、液圧室の液圧がリザーバタンクの液圧に比べて高い場合には液圧室とリザーバタンクとのリザーバ流路を介した連通を禁止する弁機構と、を備える。
これによれば、マスタシリンダは、シリンダ本体に設けられたリザーバ流路を介してリザーバタンクから液圧室に作動液を直接的に供給することが可能となり、作動液が流れる際の管路抵抗を小さくして作動液の吸い込み性を改善することができる。その結果、マスタシリンダを車両のブレーキ装置に適用した場合において、自動ブレーキ機能によって車両のブレーキ装置のポンプがマスタシリンダの液圧室に存在する作動液を吸引する際、即ち、液圧室の液圧が低下した際には、速やかに且つ必要十分な量の作動液を吸引することができる。従って、車両のブレーキ装置においては、自動ブレーキ機能作動時におけるポンプ圧をホイールシリンダに供給して制動力を発生させる際の応答性を高めることが可能となる。
本開示の実施形態に係るマスタシリンダが設けられるブレーキ装置の構成を示す図である。 図1のマスタシリンダの構成を示す断面図である。 図2の弁機構の構成を示す断面図である。 図3の弁機構の弁部及び軸体の構成を示す斜視図である。 弁機構の非作動状態を示す断面図である。 弁機構の作動状態を示す断面図である。 液圧室が高圧の場合の弁機構の状態を説明するための断面図である。 その他の変形例に係るリザーバ流路を説明するための断面図である。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び各変形例の相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
本実施形態における車両のブレーキ装置1は、図1に示すように、マスタシリンダ2、ブレーキブースタ3、ホイールシリンダ4、ブレーキアクチュエータ5及びリザーバタンク6を備えている。マスタシリンダ2は、後に詳述するように、シリンダ本体21、及び、マスタピストンとしての第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23と、を含んで構成されている。ブレーキブースタ3は、例えば、負圧式の倍力装置であり、運転者による踏力を倍力して第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23に伝達する。リザーバタンク6は、シリンダ本体21に対して、シール部材(例えば、Oリング等)により、液密に組み付けられている(図3を参照)。
ホイールシリンダ4は、各輪に設けられたホイールシリンダ41、ホイールシリンダ42、ホイールシリンダ43及びホイールシリンダ44から構成される。各ホイールシリンダ41〜44は、ブレーキアクチュエータ5(以下、単に「アクチュエータ5」とも称呼する。)を介して、マスタシリンダ2に接続されている。ホイールシリンダ41は、車両の左後輪RLに配置されている。ホイールシリンダ42は、車両の右後輪RRに配置されている。ホイールシリンダ43は、車両の左前輪FLに配置されている。ホイールシリンダ44は、車両の右前輪FRに配置されている。これにより、ホイールシリンダ4は、作動液としてのブレーキフルードがマスタシリンダ2又は後述するポンプによって加圧されてアクチュエータ5を介して供給されると、左後輪RL、右後輪RR、左前輪FL及び右前輪FRに制動力を発生させる。尚、ホイールシリンダ43及びホイールシリンダ44(即ち、左前輪FL及び右前輪FR)は、車両安定制御の面から、図示省略の前後配管を介して後述する第一液圧室R1に接続されることが好ましい。
アクチュエータ5は、詳細な図示を省略するが、各ホイールシリンダ41〜44に対応して設けられた管路、電磁弁及び逆止弁等を有している。これにより、アクチュエータ5は、図示を省略する制御装置(マイクロコンピュータ)によって電磁弁が連通状態又は遮断状態に切替制御されると、マスタシリンダ2によって加圧されたブレーキフルードを各ホイールシリンダ41〜44に供給したり、内蔵するポンプによって加圧されたブレーキフルードを調圧して各ホイールシリンダ41〜44に供給したりする。尚、アクチュエータ5の作動については、本開示に直接関係しないので、その詳細な説明を省略する。
車両のブレーキ装置1においては、運転者がブレーキペダル7を踏み込むと、マスタシリンダ2に気密的に連結された負圧式のブレーキブースタ3により踏力が倍力され、シリンダ本体21内の第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23が押圧される。押圧された第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23は、例えば、車両前後方向(軸線方向)にて前方に向けて前進し、それぞれ、マスタシリンダ2(より詳しくはシリンダ本体21)の内部にリザーバタンク6から供給されたブレーキフルードを加圧する。これにより、マスタシリンダ2においては、マスタシリンダ圧が発生し、マスタシリンダ圧がアクチュエータ5を介して各ホイールシリンダ41〜44に供給(伝達)される。
又、車両のブレーキ装置1においては、例えば、自動ブレーキ機能の制動時や、走行中又は制動時の車両の挙動を修正するために、アクチュエータ5に内蔵したポンプを作動させる。これにより、ポンプは、例えば、自動ブレーキ機能の作動時においては、マスタシリンダ2を介してリザーバタンク6に貯留されているブレーキフルードを吸引し、吸引したブレーキフルードを加圧してポンプ圧を発生させる。そして、ポンプ圧は、アクチュエータ5によって調圧されて、各ホイールシリンダ41〜44に供給(伝達)される。
(1.マスタシリンダ2の構成の詳細)
マスタシリンダ2は、図2に示すように、マスタピストンである第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23を摺動可能に収容するシリンダ本体21を備えている。シリンダ本体21は、一端が底部211を有して閉塞し且つ他端が開口した有底筒状のシリンダである。シリンダ本体21の開口側には、ブレーキブースタ3が気密的に連結される(図1を参照)。
ここで、以下の説明では、シリンダ本体21の車両前後方向即ち軸線方向において、シリンダ本体21の底部211側を「前方」とし、シリンダ本体21の開口側を「後方」とする。又、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23は、ブレーキペダル7が操作されていない場合にはマスタシリンダ2(シリンダ本体21)に対して原位置から前進していない「第一位置」にある。更に、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23は、ブレーキペダル7が操作された場合には第一位置から前進した「第二位置」にある。
図2に示すように、シリンダ本体21の内周面212には、周方向に沿って形成された収容溝212aが、シリンダ本体21の軸線に沿って第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23のそれぞれに対応して二つずつ、計四つ設けられている。尚、以下の説明において、特に区別する場合、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23のそれぞれに対して前方側の収容溝212aを「前方側収容溝212a」と称呼し、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23のそれぞれに対して後方側の収容溝212aを「後方側収容溝212a」と称呼する。
前方側収容溝212aには、シール部材である前方側シール部材213が収容される。又、後方側収容溝212aには、後方側シール部材214が収容される。前方側シール部材213及び後方側シール部材214は、弾性材料(例えば、ゴム材料)から形成されており、例えば、一端が開放されたU字状の断面形状を有するカップシールである。前方側シール部材213及び後方側シール部材214の外周縁は、収容溝212aの底面(内周面)と当接する。又、前方側シール部材213及び後方側シール部材214の内周縁は、第一マスタピストン22の外周面221b1及び第二マスタピストン23の外周面と当接する。
ここで、第二マスタピストン23に対応して設けられた前方側シール部材213の内周縁は、第二マスタピストン23が第一位置にある場合において、第二マスタピストン23の外周面に対して後述する連通路233よりも前方側にて当接する。これにより、第二マスタピストン23に対応して設けられた前方側シール部材213は、後述するように、連通路233を介したブレーキフルードの流動を許容する。
又、第二マスタピストン23に対応して設けられた前方側シール部材213の内周縁は、第二マスタピストン23が第二位置にある場合において、第二マスタピストン23の外周面に対して連通路233よりも後方側にて当接する。これにより、第二マスタピストン23に対応して設けられた前方側シール部材213は、連通路233を介したブレーキフルードの流動を禁止する。
尚、第二マスタピストン23に対応して設けられた後方側シール部材214の内周縁は、第二マスタピストン23の第一位置及び第二位置に拘わらず、第二マスタピストン23の外周面に対して連通路233よりも後方側にて当接する。従って、後方側シール部材214は、常に、ブレーキフルードの流動を禁止する。
第一マスタピストン22は、ブレーキブースタ3に気密的に連結されており、シリンダ本体21の内部にて同軸的且つ車両前後方向(即ち、軸線方向)に沿って前進及び後進可能に配置されている。第一マスタピストン22は、図2に示すように、本体部221と、突出部222と、連通路223と、から構成されている。
本体部221は、前方にて開口する有底筒状(中空状)に形成されており、後方に設けられた底壁部221aと、底壁部221aに連結された周壁部221bと、から構成されている。突出部222は、本体部221の底壁部221aの端面から後方に突出した円筒状の部分である、突出部222は、ブレーキブースタ3の内部に気密的に収容されている。突出部222の後方端部は、ブレーキブースタ3の図示を省略する入力部材と当接して押圧されるようになっている。
連通路223は、図2に示すように、本体部221の先端部分にて周方向に沿って複数設けられた貫通孔であり、本体部221の外周側と内周側とを連通する。連通路223は、第一マスタピストン22が第一位置にある場合において、リザーバタンク6と後述する第一液圧室R1とを連通する。又、連通路223は、第一マスタピストン22が第二位置に前進した場合において、前方側シール部材213によってリザーバタンク6と第一液圧室R1との連通が遮断される。
本体部221の周壁部221bの内部には、ストッパ部材224及びスプリング225が収容されている。ストッパ部材224は、中空円筒状に形成されており、基端側に設けられて底壁部221a及びスプリング225の一端によって挟持されるフランジ部分と、先端側に設けられて第二マスタピストン23(より詳しくは、後述する底壁部231a)に固定されたピン部材と係合する係合孔と、を有している。
スプリング225は、一端がストッパ部材224のフランジ部分に当接し、且つ、他端が第二マスタピストン23(より詳しくは、底壁部231a)に当接するように収容されている。スプリング225は、後述する第一液圧室R1の液圧を増大させるように車両前後方向(即ち、軸線方向)に沿って前進した第一マスタピストン22を車両前後方向(即ち、軸線方向)に沿って後退させるように付勢する。
第二マスタピストン23は、シリンダ本体21の内部において、第一マスタピストン22の前方にて同軸的且つ車両前後方向(即ち、軸線方向)に沿って前進及び後進可能に配置されている。第二マスタピストン23は、図2に示すように、本体部231と、突出部232と、連通路233と、から構成されている。
本体部231は、シリンダ本体21の底部211に対向する先端が開口する有底筒状(中空状)に形成されており、後方に設けられた底壁部231aと、底壁部231aに連結された周壁部231bと、から構成されている。突出部232は、本体部231の底壁部231aの端面から後方に突出した円筒状の部分である。
連通路233は、図2に示すように、本体部231の先端部分にて周方向に沿って複数設けられた貫通孔であり、本体部231の外周側と内周側とを連通する。連通路233は、第二マスタピストン23が第一位置にある場合において、リザーバタンク6と後述する第二液圧室R2とを連通する。又、連通路233は、第二マスタピストン23が第二位置に前進した場合において、前方側シール部材213によってリザーバタンク6と第二液圧室R2との連通が遮断される。
本体部231の周壁部231bの内部には、ストッパ部材234及びスプリング235が収容されている。ストッパ部材234は、中空円筒状に形成されており、基端側に設けられて底壁部231a及びスプリング235の一端によって挟持されるフランジ部分と、先端側に設けられてシリンダ本体21の底部211に固定されたピン部材と係合する係合孔と、を有している。
スプリング235は、一端がストッパ部材234のフランジ部分に当接し、且つ、他端がピン部材のフランジ部分に当接するように収容されている。スプリング235は、第二液圧室R2の液圧を増大させるように車両前後方向(即ち、軸線方向)に沿って前進した第二マスタピストン23を車両前後方向(即ち、軸線方向)にそって後退させるように付勢する。
ここで、第一マスタピストン22の本体部221を形成する底壁部221aの内面と、周壁部221bの内周面と、シリンダ本体21の外面である内周面212と、第一マスタピストン22に対応する前方側シール部材213と、第二マスタピストン23を形成する底壁部231a及び突出部232の内面と、第二マスタピストン23に対応する後方側シール部材214と、によって「第一液圧室R1」が区画される。又、第二マスタピストン23の本体部231を形成する底壁部231aの内面と、周壁部231bの内面と、シリンダ本体21の内周面212及び底部211と、第二マスタピストン23に対応する前方側シール部材213と、によって「第二液圧室R2」が区画される。
マスタシリンダ2のシリンダ本体21には、内部と外部とを連通するリザーバ流路21a、第一吐出流路21b、連通流路21c、第二吐出流路21d及び分岐流路21eが形成されている。以下、各流路21a〜21eを具体的に説明する。
リザーバ流路21aは、図2に示すように、シリンダ本体21に対して、第一液圧室R1にて開口し、且つ、シリンダ本体21(第一マスタピストン22)の軸線に対して直交するように、シリンダ本体21の管壁を貫通して設けられてリザーバタンク6と第一液圧室R1とを連通する。そして、リザーバ流路21aは、シリンダ本体21の内周面212と第一マスタピストン22(本体部221)の外周面221b1との間の隙間を経由することなく、リザーバタンク6と第一液圧室R1との間でブレーキフルードを流すようになっている。又、リザーバ流路21aの第一液圧室R1側の開口には、後述する逆止弁215が装着される。本実施形態の「吐出流路」としての第一吐出流路21bは、第一液圧室R1とアクチュエータ5(図1を参照)とを連通し、第一液圧室R1内のブレーキフルードをアクチュエータ5に吐出する。
連通流路21cは、図2に示すように、第二マスタピストン23に対応する前方側シール部材213及び後方側シール部材214の間にて開口するように形成されており、リザーバタンク6とシリンダ本体21の内部とを連通している。そして、連通流路21cは、第二マスタピストン23に形成された連通路233を介して第二液圧室R2に連通可能となっている。第二吐出流路21dは、第二液圧室R2とアクチュエータ5(図1を参照)とを連通し、第二液圧室R2内のブレーキフルードをアクチュエータ5に吐出する。
分岐流路21eは、図2に示すように、リザーバ流路21aの上流側、即ち、弁機構としての逆止弁215よりもリザーバタンク6側にて、リザーバ流路21aから分岐している。分岐流路21eは、第一マスタピストン22に対応する前方側シール部材213及び後方側シール部材214の間にて開口するように形成されている。そして、分岐流路21eは、連通路223を介して第一液圧室R1に連通可能となっている。
弁機構としての逆止弁215は、図2及び図3に示すように、リザーバ流路21aにおける第一液圧室R1側の端部(開口)に設けられている。逆止弁215は、図3に詳細に示すように、弁体215aと、軸体215bと、付勢部材としてのスプリング215cと、から構成されている。弁体215a及び軸体215bは、弾性材料(ゴム材料等)から一体となるように形成されている。
弁体215aは、リザーバ流路21aの第一液圧室R1側の開口径よりも大径となる傘状(凸状)に形成されており、弾性変形可能(縮径可能)に軸体215bの一端に固定されている。弁体215aは、図4に示すように、大径の内面がシリンダ本体21の内周面212に着座可能な弁部215a1となっている。これにより、弁体215aは、弁部215a1がシリンダ本体21の内周面212から離間(離座)した状態でリザーバタンク6から第一液圧室R1に向けたブレーキフルードの流動を許容し(図6を参照)、弁部215a1がシリンダ本体21の内周面212と当接(着座)した状態で第一液圧室R1からリザーバタンク6に向けたブレーキフルードの流動を禁止する(図5及び図7を参照)。
軸体215bは、図3に示すように、リザーバ流路21aに対して同軸となるように組み付けられている。軸体215bは、一端に弁体215aを支持すると共に、他端にリザーバ流路21aの第一液圧室R1側の開口径よりも大径となる大径部215b1を有している。大径部215b1の弁体215aに対向する面には、図4に示すように、弁体215aに向けて突出する突出部215b2が周方向に沿って複数設けられている。
スプリング215cは、図3に示すように、リザーバ流路21aに設けられて第一液圧室R1側の開口径よりも大径となる段部21a1と軸体215bの大径部215b1(或いは、突出部215b2)との間に配置されている。スプリング215cは、軸体215bと共に弁体215aをシリンダ本体21の内周面212に向けて付勢するように、換言すれば、弁部215a1を内周面212に当接させて第一液圧室R1からリザーバタンク6に向けたブレーキフルードの流動を禁止するように、付勢している(図5を参照)。
ここで、逆止弁215をシリンダ本体21のリザーバ流路21aに組み付ける(装着する)組み付け作業について説明しておく。逆止弁215は、例えば、リザーバ流路21aにリザーバタンク6が組み付けられる前に、シリンダ本体21に組み付けられる(装着される)。この場合、作業者は、弁体215a側からリザーバ流路21aの内部に逆止弁215を挿入する。このとき、傘状の弁体215aは、リザーバ流路21aの流路径、より詳しくは、第一液圧室R1側の開口径よりも大径となっているため、一旦、弾性変形によって縮径する。そして、弁体215aは、リザーバ流路21aを挿通すると、即ち、第一液圧室R1に到達すると、縮径した状態から拡径して傘状に復元する。これにより、逆止弁215はシリンダ本体21に組み付けられて、リザーバ流路21aの第一液圧室R1側の開口は、弁体215aによって覆われる。
弁体215aが第一液圧室R1に到達すると、逆止弁215のスプリング215cはリザーバ流路21aの段部21a1と軸体215b大径部215b1との間で圧縮変形された状態になる。従って、スプリング215cによって付勢された弁体215aの弁部215a1がシリンダ本体21の内周面212に当接した状態となり、図5に示すように、逆止弁215のシリンダ本体21への組み付け(装着)が完了する。尚、シリンダ本体21に組み付けられた(装着された)逆止弁215の作動については、後に詳述する。
(2.マスタシリンダ2の作動について)
次に、マスタシリンダ2の作動について具体的に説明する。車両のブレーキ装置1が自動ブレーキ機能により作動する場合、アクチュエータ5に内蔵されたポンプは、第一液圧室R1及び第二液圧室R2に存在しているブレーキフルードを吸引する。そして、ポンプはブレーキフルードをポンプ圧まで加圧し、アクチュエータ5が調圧して各ホイールシリンダ41〜44に供給(伝達)する。これにより、各ホイールシリンダ41〜44は、それぞれ、対応する車輪RL〜車輪FRに制動力を発生させる。
このように、マスタシリンダ2の下流側に配置されたポンプがブレーキフルードを吸引すると、第一液圧室R1及び第二液圧室R2の液圧は、リザーバタンク6の液圧である大気圧に比べて低くなり、例えば、負圧になるまで低下する。ところで、自動ブレーキ機能によってポンプが作動する場合、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23は、第一位置(原位置)にある。
第一マスタピストン22が第一位置にあり、且つ、第一液圧室R1の液圧が負圧になった場合、逆止弁215は、図5に示す非作動状態から、図6に示すように、弁体215a及び軸体215bがスプリング215cの圧縮方向への弾性変形に伴って発生する付勢力に抗して一体的に第一液圧室R1の方向に移動して作動状態(開状態)になる。尚、逆止弁215は、図5に示す非作動状態において段部21a1の上面から大径部215b1の上面までの距離が距離L0であり、図6に示す作動状態(開状態)において段部21a1の上面から大径部215b1の上面までの距離が距離L1になる。
これにより、弁体215aの弁部215a1はシリンダ本体21の内周面212から離間し、逆止弁215は、図6にて矢印により示すように、第一液圧室R1とリザーバタンク6との連通を許容する。即ち、自動ブレーキ機能によりポンプがマスタシリンダ2の第一液圧室R1からブレーキフルードを吸引することによって逆止弁215が開状態となり、リザーバ流路21aを介して第一液圧室R1とリザーバタンク6とが連通してブレーキフルードがリザーバタンク6から第一液圧室R1に流入する。
更に、第一マスタピストン22が第一位置にある状態で第一液圧室R1が負圧になると、図2に示すように、連通路223は、前方側シール部材213よりも後方に位置している。即ち、第一マスタピストン22が第一位置にある場合には、連通路223は分岐流路21eを介してリザーバタンク6と連通している。これにより、第一液圧室R1の液圧が負圧になると、ブレーキフルードは、分岐流路21eと連通路223とを介して、リザーバタンク6から第一液圧室R1に流入する。
一方、第二マスタピストン23が第一位置にある場合、図2に示すように、連通路233は、前方側シール部材213よりも後方に位置する。即ち、第二マスタピストン23が第一位置にある場合には、連通路233は連通流路21cを介してリザーバタンク6と連通している。これにより、第二液圧室R2の液圧が負圧になると、ブレーキフルードは、連通流路21cと連通路233とを介して、リザーバタンク6から第二液圧室R2に流入する。
これらにより、自動ブレーキ機能によりポンプがブレーキフルードを吸引する場合において、マスタシリンダ2の第一液圧室R1(及び第二液圧室R2)には、リザーバタンク6からブレーキフルードが必要十分な量だけスムーズに流入する。従って、ポンプは必要十分な量のブレーキフルードを速やかに吸引してポンプ圧を増圧することができる。その結果、各ホイールシリンダ41〜44は、供給(伝達)されたポンプ圧に応じた制動力を各車輪RL〜車輪FRに応答性良く発生させることができる。
一方、制動力が発生してポンプによる加圧が完了すると、第一液圧室R1の液圧は増大して、例えば、負圧から大気圧以上(ポンプ圧)に変化する。このため、逆止弁215は、図5に示すように、スプリング215cの圧縮方向への弾性変形が復帰すると共に、図7に示すように、リザーバタンク6の液圧である大気圧に比べて高くなるまで増大した第一液圧室R1の液圧が作用することによって弁体215aがシリンダ本体21の内周面212に押し付けられて、閉状態になる。その結果、リザーバ流路21aの開口は、弁体215aの弁部215a1によって覆われて密閉される。これにより、逆止弁215は、第一液圧室R1とリザーバ流路21a(リザーバタンク6)との連通は、閉状態の逆止弁215によって禁止される。尚、逆止弁215は、図5に示す非作動状態において段部21a1の上面から大径部215b1の上面までの距離が距離L0であり、図7に示す閉状態において段部21a1の上面から大径部215b1の上面までの距離が距離L2になる。
ここで、ブレーキペダル7が踏み込み操作される通常ブレーキ時においては、運転者によるブレーキペダル7に対する踏力及びブレーキブースタ3による倍力によって、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23が前進する。この場合、第一マスタピストン22の前進によって第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧よりも高くなり、第一液圧室R1とリザーバ流路21a(リザーバタンク6)との連通は、図7に示すように、閉状態の逆止弁215によって禁止される。又、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23の前進により、連通路223及び連通路233が前方側シール部材213よりも前方に位置する。これにより、連通路223を介した第一液圧室R1と分岐流路21e(リザーバタンク6)との連通は禁止され、連通路233を介した第二液圧室R2と連通流路21c(リザーバタンク6)との連通は禁止される。
その結果、第一液圧室R1及び第二液圧室R2の液圧は、例えば、リザーバタンク6の液圧である大気圧よりも増大した状態即ちマスタシリンダ圧で適切に維持される。従って、通常ブレーキ時においては、第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23の前進に伴ってマスタシリンダ2が適切にマスタシリンダ圧を発生することができる。その結果、各ホイールシリンダ41〜44は、供給(伝達)されたマスタシリンダ圧に応じた制動力を車輪RL〜車輪FRに発生させることができる。
ここで、図7に示すように、第一液圧室R1内の液圧がリザーバタンク6の液圧である大気圧に比べて高くなった状態では、逆止弁215の弁体215aの第一液圧室R1への突出量はシリンダ本体21の内周面212と第一マスタピストン22(本体部221)の外周面221b1(図7にて二点破線により示す。)との隙間よりも小さくなる。これにより、第二位置に向けて前進する第一マスタピストン22が逆止弁215の弁体215aに接触することを抑制することができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態のマスタシリンダ2は、一端が閉塞し且つ他端が開口したシリンダ本体21と、シリンダ本体21の内部にシリンダ本体21の軸線に沿って摺動可能に収容されたマスタピストンとしての第一マスタピストン22及び第二マスタピストン23と、シリンダ本体21の内周面212と第一マスタピストン22の外周面221b1及び第二マスタピストン23の外周面との間をシールするシール部材としての前方側シール部材213及び後方側シール部材214と、シリンダ本体21の内周面と第一マスタピストン22と前方側シール部材213とを含んで形成される液圧室としての第一液圧室R1と、作動液であるブレーキフルードを貯留するリザーバタンク6と、を連通し、軸線に対して直交するようにシリンダ本体21に設けられるリザーバ流路21aと、シリンダ本体21に設けられて、第一液圧室R1内のブレーキフルードを吐出する吐出流路としての第一吐出流路21bと、リザーバ流路21aに設けられていて、第一吐出流路21bから第一液圧室R1内のブレーキフルードを吐出する際に、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて低い場合にはリザーバ流路21aを介して第一液圧室R1とリザーバタンク6との連通を許容し、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて高い場合には第一液圧室R1とリザーバタンク6とのリザーバ流路21aを介した連通を禁止する弁機構としての逆止弁215と、を備える。
この場合、逆止弁215よりもリザーバタンク6側にてリザーバ流路21aから分岐し、且つ、前方側シール部材213よりもシリンダ本体21の他端側にて開口する分岐流路21eが、シリンダ本体21に設けられる。
これらによれば、マスタシリンダ2は、シリンダ本体21に設けられたリザーバ流路21aを介してリザーバタンク6から第一液圧室R1にブレーキフルードを直接的に供給することが可能となり、ブレーキフルードが流れる際の管路抵抗を小さくしてブレーキフルードの吸い込み性を改善することができる。その結果、マスタシリンダ2を車両のブレーキ装置1に適用した場合において、自動ブレーキ機能によって車両のブレーキ装置1のポンプがマスタシリンダ2の第一液圧室R1に存在するブレーキフルードを吸引する際、即ち、第一液圧室R1の液圧が低下した際には、速やかに且つ必要十分な量のブレーキフルードを吸引することができる。従って、車両のブレーキ装置1においては、自動ブレーキ機能作動時におけるポンプ圧をホイールシリンダ4に供給して制動力を発生させる際の応答性を高めることが可能となる。
又、マスタシリンダ2は、軸線に対して直交するようにシリンダ本体21に設けられて、リザーバタンク6と第一液圧室R1とを連通するリザーバ流路21aを有することができる。これにより、シリンダ本体21の管壁を、例えば、ドリル加工等によって直線状に貫通させるのみで容易にリザーバ流路21aを形成することができる。又、リザーバ流路21aに逆止弁215を設けることができるため、別途流路を設ける必要がない。その結果、簡単な構成とすることができ、マスタシリンダ2を構成する部品点数を少なくしてマスタシリンダ2の製造コストを低減することができる。
更に、分岐流路21eが設けられることにより、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて低くなった場合には、リザーバ流路21aに加えて分岐流路21e及び連通路223を介して、ブレーキフルードを第一液圧室R1に流入させることができる。これにより、第一液圧室R1の液圧が低下した際には、速やかに且つ必要十分な量のブレーキフルードを吸引することができる。従って、車両のブレーキ装置1においては、自動ブレーキ機能作動時におけるポンプ圧をホイールシリンダ4に供給して制動力を発生させる際の応答性を高めることが可能となる。
この場合、逆止弁215は、第一液圧室R1内に配置されてシリンダ本体21の内周面212に着座可能な弁体215aと、リザーバ流路21a内に配置されて弁体215aを支持する軸体215bと、リザーバ流路21a内に配置されて弁体215aを内周面212に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング215cと、を有する。
これによれば、簡単な構成により、リザーバ流路21aを介して第一液圧室R1とリザーバタンク6との連通を許容し、第一液圧室R1とリザーバタンク6とのリザーバ流路21aを介した連通を禁止することができる。従って、マスタシリンダ2の製造コストを低減することができる。
この場合、弁体215aは、弾性材料から形成されていて、リザーバ流路21aの流路径よりも縮径可能とされている。そして、逆止弁215は、弁体215aをリザーバ流路21aの流路径よりも縮径させた状態でリザーバ流路21aを挿通させた後、弁体215aが第一液圧室R1内にて拡径した状態でシリンダ本体21に組み付けられる。
これによれば、作業者は、極めて簡単な組み付け作業により、リザーバ流路21a即ちシリンダ本体21に対して逆止弁215を組み付けることができる。従って、マスタシリンダ2の製造コストを低減することができる。
又、これらの場合、弁体215aは、第一液圧室R1の液圧がリザーバタンク6の液圧に比べて高い場合に、第一液圧室R1内への突出量がシリンダ本体21の内周面212と第一マスタピストン22の外周面221b1との隙間よりも小さくなる。
これによれば、ブレーキペダル7の踏み込み操作に応じて第一マスタピストン22が第一位置から第二位置に向けて前進する場合であっても、弁体215aが第一マスタピストン22に接触することを抑制することができる。従って、運転者は、ブレーキペダル7を踏み込み操作する際に、違和感を覚えることがない。
(第一変形例)
上記実施形態においては、リザーバ流路21aの内径が一定であるとした。これに代えて、内径が、例えば、第一液圧室R1に向けて小さくなるようにリザーバ流路21aを設けることも可能である。この場合においても、逆止弁215をリザーバ流路21aの内部に組み付ける際に、軸体215bがリザーバ流路21aに対して同軸的となるように組み付けることができて、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(第二変形例)
上記実施形態及び上記第一変形例においては、逆止弁215の軸体215bをリザーバ流路21aに対して同軸的になるように、逆止弁215を組み付けるようにした。これに代えて、例えば、リザーバ流路21aがシリンダ本体21の軸線方向に対して直交していない場合には、リザーバ流路21aの内部であれば、リザーバ流路21aの軸線に対して軸体215bが径方向にずれるように配置して、逆止弁215を組み付けることも可能である。尚、この場合、逆止弁215の軸体215bを、リザーバ流路21aの軸線に沿うように設けることも可能である。このように、逆止弁215をリザーバ流路21aに組み付けた場合であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
実施にあたっては、上記実施形態及び上記各変形例に限定されるものではなく、目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記各変形例においては、逆止弁215を、弁体215aがシリンダ本体21の内周面212から第一液圧室R1側に突出して設けるようにした。これに代えて、図8に示すように、弁体215aが第一液圧室R1側に突出しないように、内周面212のリザーバ流路21aにおける第一液圧室R1側の開口に凹部212cを設けることも可能である。
又、上記実施形態及び上記各変形例においては、シリンダ本体21に分岐流路21eを設けるようにした。しかしながら、第一液圧室R1にはリザーバタンク6がリザーバ流路21aを介して連通しているため、必要に応じて、分岐流路21eを省略することも可能である。この場合には、自動ブレーキ機能作動時における応答性が若干低下する可能性があるものの、シリンダ本体21に分岐流路21eを形成する必要がないため、マスタシリンダ2の製造コストをより低減することができる。
又、上記実施形態及び上記各変形例においては、第一液圧室R1に連通するリザーバ流路21aのみをシリンダ本体21に設けるようにした。これに代えて、又は、加えて、第二液圧室R2に連通するリザーバ流路をシリンダ本体21に設けることも可能である。この場合には、第二液圧室R2に連通するリザーバ流路に弁機構としての逆止弁215が設けられる。従って、この場合においても、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が得られる。
又、上記実施形態及び上記各変形例においては、弁機構として逆止弁215を用いるようにした。これに代えて、第一液圧室R1の液圧が低下した際にリザーバタンク6から第一液圧室R1に向けたブレーキフルードの流れを許容し、第一液圧室R1の液圧が増大した際に第一液圧室R1からリザーバタンク6に向けたブレーキフルードの流れを禁止するものであれば、如何なる構造の弁機構を採用しても良い。
更に、上記実施形態及び上記各変形例においては、弁機構としての逆止弁215をリザーバ流路21aにおける第一液圧室R1の開口に設けるようにした。しかしながら、弁機構(逆止弁215)の配置については、リザーバ流路21aの開口に限定されるものではなく、リザーバ流路21a内であれば如何なる位置であっても良い。
1…ブレーキ装置、2…マスタシリンダ、3…ブレーキブースタ、4…ホイールシリンダ、5…ブレーキアクチュエータ、6…リザーバタンク、7…ブレーキペダル、21…シリンダ本体、21a…リザーバ流路、21a1…段部、21b…第一吐出流路(吐出流路)、21c…連通流路、21d…第二吐出流路、21e…分岐流路、22…第一マスタピストン(マスタピストン)、221b1…外周面、23…第二マスタピストン(マスタピストン)、41…ホイールシリンダ、42…ホイールシリンダ、43…ホイールシリンダ、44…ホイールシリンダ、211…底部、212…内周面、212a…収容溝、212c…凹部、213…前方側シール部材(シール部材)、214…後方側シール部材(シール部材)、215…逆止弁(弁機構)、215a…弁体、215a1…弁部、215b…軸体、215b1…大径部、215b2…突出部、215c…スプリング(付勢部材)、221…本体部、221a…底壁部、221b…周壁部、222…突出部、224…ストッパ部材、225…スプリング、231…本体部、231a…底壁部、231b…周壁部、232…突出部、233…連通路、234…ストッパ部材、235…スプリング、L0…距離、L1…距離、L2…距離、R1…第一液圧室(液圧室)、R2…第二液圧室(液圧室)、RL…左後輪、RR…右後輪、FL…左前輪、FR…右前輪

Claims (5)

  1. 一端が閉塞し且つ他端が開口したシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体の内部に前記シリンダ本体の軸線に沿って摺動可能に収容されたマスタピストンと、
    前記シリンダ本体の内周面と前記マスタピストンの外周面との間をシールするシール部材と、
    前記シリンダ本体の前記内周面と前記マスタピストンと前記シール部材とを含んで形成される液圧室と、作動液を貯留するリザーバタンクと、を連通し、前記軸線に対して直交するように前記シリンダ本体に設けられるリザーバ流路と、
    前記シリンダ本体に設けられて、前記液圧室内の前記作動液を吐出する吐出流路と、
    前記リザーバ流路に設けられていて、前記吐出流路から前記液圧室内の前記作動液を吐出する際に、前記液圧室の液圧が前記リザーバタンクの液圧に比べて低い場合には前記リザーバ流路を介して前記液圧室と前記リザーバタンクとの連通を許容し、前記液圧室の液圧が前記リザーバタンクの液圧に比べて高い場合には前記液圧室と前記リザーバタンクとの前記リザーバ流路を介した連通を禁止する弁機構と、を備えたマスタシリンダ。
  2. 前記弁機構は、
    前記液圧室内に配置されて前記シリンダ本体の前記内周面に着座可能な弁体と、
    前記リザーバ流路内に配置されて前記弁体を支持する軸体と、
    前記リザーバ流路内に配置されて前記弁体を前記内周面に向けて付勢する付勢部材と、を有する、請求項1に記載のマスタシリンダ。
  3. 前記弁体は、弾性材料から形成されていて、前記リザーバ流路の流路径よりも縮径可能とされている、請求項2に記載のマスタシリンダ。
  4. 前記弁体は、
    前記液圧室の液圧が前記リザーバタンクの液圧に比べて高い場合に、前記液圧室内への突出量が前記シリンダ本体の前記内周面と前記マスタピストンの外周面との隙間よりも小さくなる、請求項2又は請求項3に記載のマスタシリンダ。
  5. 前記弁機構よりも前記リザーバタンク側にて前記リザーバ流路から分岐し、且つ、前記シール部材よりも前記シリンダ本体の前記他端側にて開口する分岐流路が、前記シリンダ本体に設けられた、請求項1乃至請求項4のうちの何れか一項に記載のマスタシリンダ。
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