JP4563931B2 - タンデム型マスタシリンダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の各車輪側に設けたホイールシリンダにブレーキ液圧を供給するのに好適に用いられるタンデム型マスタシリンダ装置に関する。
一般に、4輪自動車等の車両には種々のブレーキシステムが搭載されている。そして、ブレーキペダルの踏込み操作によりマスタシリンダ内に発生する液圧を操作量に応じたブレーキ液圧として取出し、この液圧を車輪側のホイールシリンダに向けて供給する構成としたタンデム型マスタシリンダ装置は知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来技術によるタンデム型マスタシリンダ装置は、マスタシリンダ内に第1,第2のピストンを摺動可能に設けることにより、マスタシリンダ内に第1,第2の液圧室を画成し、ブレーキ操作に対応して第1,第2の液圧室内に発生するブレーキ液圧を互いに独立した2系統のブレーキ配管を介して前輪または後輪側のホイールシリンダに供給するものである。
また、他の従来技術として、例えばブレーキペダルの操作量(ストローク、踏力等)を電気信号として検出し、その検出信号に対応したブレーキ液圧を、例えば液圧ポンプ等の液圧源から車輪側のホイールシリンダに向けて供給する構成としたブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステム(以下、BBWシステムという)も知られている(例えば、特許文献2参照)。
そして、他の従来技術によるBBWシステムでは、システムの失陥時等に備えて、例えばフェイルセーフ用にマスタシリンダを設け、該マスタシリンダとホイールシリンダとの間にはフェイルセーフ弁が設けられるものである。この場合、システムの正常動作時には、このフェイルセーフ弁によってマスタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断する。また、液圧源の失陥、電気系統の失陥(BBWシステムの失陥)時には、フェイルセーフ弁を開弁させることによりマスタシリンダからホイールシリンダへの液圧供給を可能にする構成としている。
実開平2−121471号公報 特開2005−104332号公報
ところで、上述した従来技術では、互いに独立した複数のブレーキ系統を確保するために、マスタシリンダ(以下、シリンダという)内に第1,第2のピストンを摺動可能に設けている。そして、ブレーキ操作を開始するまでは第1,第2のピストンをシリンダ内の戻り位置(初期位置)に待機させる構成としている。
この場合、シリンダの開口端寄りに位置する第1のピストンを初期位置に待機させるためには、例えばシリンダの開口端側に規制部材等を設け、この規制部材により第1のピストンが戻り方向に変位するときのストロークエンドを規制することができる。
しかし、シリンダの奥所側に位置する第2のピストンを初期位置に待機させるためには、第2のピストンのストロークエンドを規制する規制部材をシリンダの奥所側に設ける必要がある。そして、シリンダの奥所側に規制部材を組付けるためには、その組付け構造が複雑化する上に、組立て時の作業性が悪くなるという問題がある。
例えば、特許文献1に記載の従来技術では、シリンダ内にスリーブ状の筒体を嵌合して設け、第2のピストンの外周に設けたリング状のストッパを、前記筒体の内周面に形成した段部に当接させることにより、第2のピストンのストロークエンドを規制している。このため、前記筒体、ストッパ等からなる規制部材によって装置の構造が複雑化し、部品点数が増加すると共に、組立て時の作業性が悪くなる。
また、特許文献2に記載の従来技術では、第2のピストンを径方向に貫通して設けた戻り止めピン等により規制部材を構成し、第2のピストンのストロークエンドを規制している。しかし、この場合でも前記戻り止めピンをシリンダの奥所側に組付けるため、これによって装置の構造が複雑化し、部品点数が増加すると共に、組立て時の作業性が悪くなるという問題がある。
一方、従来技術のタンデム型マスタシリンダ装置では、シリンダ内に第1,第2のピストンを初期位置に向けて付勢する第1,第2の戻しばねが設けられ、該第1,第2の戻しばねによって第1,第2のピストンをシリンダ内で初期位置に戻すことはできる。しかし、戻しばねの付勢力だけでは、第2のピストンが初期位置を越えてオーバリターンする虞れがあり、第2のピストンがオーバリターンした場合には、シリンダ側に設けたシール部材が摩耗、損傷され、シール寿命が低下する等の問題が生じる。
この場合、第1のピストンと第2のピストンとの間に配設される第1の戻しばねは、両者を互いに離間する方向に付勢することにより、通常時には第1,第2のピストンが初期位置に戻るのを補償することができる。しかし、マスタシリンダ装置を車両に組付ける段階で、シリンダ内等にブレーキ液を充填する場合に第1,第2の液圧室間に圧力差が発生すると、両者の圧力差により第1の戻しばねが大きく圧縮変形され、第2のピストンが初期位置を越えてシリンダの開口端側へ移動する所謂オーバリターンを生じることがある。
即ち、ブレーキ配管が接続される配管ポート側からブレーキ液をシリンダ内に真空充填する場合に、第2の液圧室は第1の液圧室よりも容量が小さいためにブレーキ液が先に充填され、第1の液圧室が負圧傾向になっていると、両者の圧力差によって第1の戻しばねが大きく圧縮変形され、第2のピストンが初期位置を越えてオーバリターンしてしまう。
また、リザーバ側からブレーキ液をシリンダ内に向けて圧送する場合には、第1の液圧室側でエア抜き用のブリーダを先に開けると、第2の液圧室は第1の液圧室よりも圧力が高くなってしまい、これにより第2のピストンが初期位置を越えてオーバリターンすることがある。そして、第2のピストンがオーバリターンすると、シリンダ側に設けたシール部材が第2のピストンの先端側に設けられた通路孔により摩耗、損傷され、シール寿命が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、第2のピストンを簡単な構造で初期位置に戻すことができ、オーバリターンが発生した場合でもシール部材の摩耗、損傷を防いで、シール寿命を延ばすことができると共に、装置のメンテナンス性、信頼性等を向上することができるようにしたタンデム型マスタシリンダ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、一側が開口端となり他側が底部となって閉塞された有底筒状のシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌されブレーキ操作に応じて該シリンダ内を軸方向に変位する第1,第2のピストンと、該第1,第2のピストンの間で前記シリンダ内に画成された第1の液圧室と、前記シリンダの底部と第2のピストンとの間で前記シリンダ内に画成された第2の液圧室と、前記第1の液圧室内に位置して前記第1,第2のピストンの間に配設され前記第1のピストンを前記シリンダの開口端側に向けて付勢する第1の戻しばねと、前記第2の液圧室内に位置して前記シリンダの底部と第2のピストンとの間に配設され前記第2のピストンを第1のピストン側に向けて付勢する第2の戻しばねと、前記第1,第2のピストンとシリンダとの間をシールするため前記シリンダにそれぞれ設けられた複数のシール部材とを備え、前記第1,第2のピストンには、ブレーキ操作を行う前の初期位置にあるときにブレーキ液を貯留するリザーバに前記第1,第2の液圧室を連通させ、ブレーキ操作を開始すると前記第1,第2の液圧室をリザーバに対して遮断する第1,第2の通路孔を形成してなるタンデム型マスタシリンダ装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記シリンダの開口端側には、前記第1のピストンが初期位置に戻るときのストロークエンドを規制する規制部材を設け、前記第2のピストンは、前記初期位置に戻った第1のピストンにより最大の戻り位置を規制される構成とし、前記複数のシール部材のうち前記第2のピストンに摺接し前記第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが最大の戻り位置に達しても前記第2の通路孔が移動してこない位置に配置される構成としたことにある。
また、請求項2の発明によると、前記複数のシール部材のうち前記第2のピストンに摺接し前記第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが初期位置にあるときに前記第2の通路孔から所定の寸法(Lb)だけ離間した位置に配置され、前記第2のピストンが初期位置から前記第1のピストンにより規制される最大の戻り位置までの間の距離(La)を前記所定の寸法(Lb)よりも小さい寸法に設定する構成としている。
また、請求項の発明によると、前記第1,第2の戻しばねのうち少なくとも一方の戻しばねには、当該戻しばねが最大伸長するときのばね長さを予め決められた所定長に制限するばね長制限部材を設ける構成としている。
また、請求項の発明によると、前記第1の戻しばねは、前記第2の戻しばねよりも付勢力が小さいばねにより構成している。
さらに、請求項の発明によると、前記シリンダは、内部に画成した前記第1,第2の液圧室を車輪側のホイールシリンダに第1,第2のブレーキ配管を介して接続すると共に、該第1,第2のブレーキ配管の途中には第1,第2のフェイルセーフ弁を設ける構成とし、前記シリンダには、該第1,第2のフェイルセーフ弁により前記第1,第2の液圧室とホイールシリンダとの間を遮断しているときに前記第1の液圧室内の液圧を蓄圧しブレーキ反力を生じさせるストロークシミュレータを設ける構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、シリンダの開口端側に設けた規制部材によって第1のピストンが初期位置に戻るときのストロークエンドを規制し、当該第1のピストンにより第2のピストンの最大の戻り位置を規制すると共に、シリンダに設けた複数のシール部材のうち前記第2のピストンに摺接し第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが最大の戻り位置に達しても前記第2の通路孔が移動してくることのない位置に配置されている。このため、例えばブレーキ液をシリンダ内に充填する作業時等に、第2のピストンが第1の戻しばねに抗して第1のピストン側に過度に摺動変位(最大の戻り位置までオーバリターン)した場合でも、第2のピストンは、第2の通路孔が前記シール部材に接触する位置まで摺動変位することはなくなり、前記シール部材が第2の通路孔で摩耗、損傷されるのを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記第2のピストンに摺接し第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが初期位置にあるときに第2の通路孔から所定の寸法(Lb)だけ離間した位置に配置され、前記第2のピストンが初期位置から前記第1のピストンにより規制される最大の戻り位置までの間の距離(La)を前記所定の寸法(Lb)よりも小さい寸法関係(La<Lb)に設定する構成としている。このため、例えばブレーキ液をシリンダ内に充填する作業時等に、第2のピストンが第1の戻しばねに抗して第1のピストン側に過度に摺動変位(最大の戻り位置までオーバリターン)した場合でも、第2のピストンは前記寸法関係(La<Lb)により、第2の通路孔が前記シール部材に接触する位置まで摺動変位することはなくなり、前記シール部材が第2の通路孔で摩耗、損傷されるのを防止することができる。
そして、シリンダの開口端側に設けた規制部材により第1のピストンのストロークエンドを規制するだけで、当該第1のピストンによって第2のピストンの最大の戻り位置(ストロークエンド)を規制することができるため、従来技術のようにピストンを貫通して設ける戻り止めピン等を用いる必要がなくなり、ピストンの最大戻り位置を簡単な構造で規制することができる。しかも、シール部材の摩耗、損傷を防いで、シール寿命を確実に延ばすことができ、装置のメンテナンス性、信頼性等を向上することができる。
また、請求項に記載の発明では、第1,第2の戻しばねのうち少なくとも一方の戻しばねを、ばね長制限部材により当該戻しばねが最大伸長するときのばね長さを所定長に制限する構成としている。このため、第1,第2の戻しばねの間に配置する第2のピストンを、戻しばねがばね長制限部材により所定長に制限(規制)された段階でブレーキ操作前の待機位置(初期位置)に戻すことができ、車両の走行時にブレーキ操作が行われるまでは、シリンダの開口端側に設けた規制部材と共に第1,第2のピストンを待機位置(初期位置)に保持しておくことができる。
また、請求項に記載の発明では、第1の戻しばねを第2の戻しばねよりも付勢力が小さいばねにより構成しているので、車両のブレーキ操作時にブレーキペダルを踏込んで、第1のピストンを第1の戻しばねに抗して摺動変位させるときに、小さなペダル踏力で第1の戻しばねを撓み変形でき、ペダル踏力を軽くすることができる。
さらに、請求項に記載の発明では、例えばBBWシステムの正常動作時に、フェイルセーフ弁によって第1,第2の液圧室と各ホイールシリンダとの間を遮断し、液圧ポンプ等の液圧源から車輪側のホイールシリンダに向けてブレーキ操作に対応した液圧を供給することができる。そして、このときには第1の液圧室内に発生する液圧をストロークシミュレータに蓄圧し、ブレーキペダルに対してブレーキ反力を伝えることができ、システムの正常動作におけるペダル反力を車両の運転者に与えることができる。また、液圧源の失陥、電気系統の失陥(BBWシステムの失陥)時には、フェイルセーフ弁を開弁させることにより第1,第2の液圧室から各車輪側のホイールシリンダに独立したブレーキ液圧を供給することができる。
以下、本発明の実施の形態によるタンデム型マスタシリンダ装置を、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態ではタンデム型マスタシリンダ装置を、車両のBBWシステム(ブレーキバイワイヤ方式のブレーキシステム)に適用した場合を例に挙げている。
図中、1は本実施の形態によるタンデム型のマスタシリンダ装置で、該マスタシリンダ装置1は、図1、図2に示す如く後述のシリンダ2、第1,第2のピストン4,5、第1,第2の液圧室10A,10B、ストロークシミュレータ20およびソレノイドバルブ43等により構成されている。
2はマスタシリンダ装置1の主要部を構成するシリンダで、該シリンダ2は、図2、図3に示すように軸方向の一側が開口端2Aとなり、他側が底部2Bとなって閉塞され、内部が有底円筒状のシリンダ孔2Cとなっている。また、シリンダ2には、シリンダ孔2Cの軸方向に離間して第1,第2のボス部2D,2Eが設けられ、これらのボス部2D,2Eは、第1,第2のサプライポート2F,2Gを介してシリンダ孔2C内と連通するものである。
3は内部にブレーキ液が収容される作動液タンクとしてのリザーバで、該リザーバ3は、図1、図2に示すように管路3A,3Bを介してシリンダ2のボス部2D,2Eに接続され、後述の液圧室10A,10B内に対してブレーキ液を給排するものである。また、リザーバ3には、後述の液圧ポンプ56A,56Bに向けてブレーキ液を供給する他の管路3Cが設けられている。
4はシリンダ2のシリンダ孔2C内に摺動可能に設けられたプライマリピストン(以下、第1のピストン4という)、5は第1のピストン4よりもシリンダ2の奥所側に位置してシリンダ孔2C内に摺動可能に設けられたセカンダリピストン(以下、第2のピストン5という)を示している。そして、第1,第2のピストン4,5は、シリンダ孔2Cの軸方向に互いに離間して配置され、両者の間には後述の戻しばね12が配設されている。
ここで、第1のピストン4は、図2、図3に示す如く軸方向の一側がロッド取付部4Aとなり、軸方向の他側は有底のばね収容穴4Bとなっている。そして、該ばね収容穴4Bは、ロッド取付部4Aとは反対側(他側)の端面4Cに開口している。また、第1のピストン4は、ロッド取付部4A側がシリンダ2の開口端2Aから外部に突出し、ロッド取付部4Aの内側には、後述のプッシュロッド8が抜止め状態で取付けられている。
そして、第1のピストン4は、ロッド取付部4Aの突出端側が後述する蓋体24のストッパ部25Bに当接し、これにより、第1のピストン4のストロークエンドが初期位置(待機位置)として規制されるものである。また、この初期位置に停止した第1のピストン4は、後述の戻しばね12を介して第2のピストン5を初期位置に待機させるものである。
また、第1のピストン4のばね収容穴4B内には、後述する第1の戻しばね12の一側が配置され、戻しばね12の端部は、ばね収容穴4Bの奥所側に抜止め状態で取付けられている。また、ばね収容穴4Bは、後述する第1の液圧室10Aの一部を形成し、後述の各通路孔6は、ばね収容穴4Bに対して径方向に開口するものである。
一方、第2のピストン5は、有蓋筒状に形成され、第1のピストン4と軸方向で対向する一側が蓋部5Aとなって閉塞されている。また、第2のピストン5には、他側に開口するばね収容穴5Bが形成され、該ばね収容穴5B内には、後述する第2の戻しばね15の一側が配置されている。また、ばね収容穴5Bは、後述する第2の液圧室10Bの一部を形成し、後述の各通路孔7は、ばね収容穴5Bに対して径方向に開口するものである。
そして、第1,第2のピストン4,5が図2、図3に示す如く初期位置に戻されたときには、ピストン4の端面4Cとピストン5の蓋部5Aとの間の離間寸法が第1の戻しばね12により図3に示す距離Laに設定される。また、第2のピストン5は、図8に示す最大の戻り位置までオーバリターンすることがあり、このときには蓋部5Aがピストン4の端面4Cに当接することにより第2のピストン5のストロークエンドが規制されるものである。
6は第1のピストン4に設けられた第1の通路孔で、該第1の通路孔6は、第1のピストン4に径方向の孔加工を施すことにより形成され、ピストン4の周方向に離間して複数個(例えば、2〜8個程度)設けられている。そして、これらの通路孔6は、第1のピストン4が図2、図3に示すようにストロークエンドの位置(初期位置)にあるときに、シリンダ2のサプライポート2Fを後述する第1の液圧室10Aに連通させる。これにより、第1の液圧室10Aとリザーバ3との間では、各通路孔6を通じてブレーキ液の給排が行われるものである。
7は第2のピストン5に設けられた第2の通路孔で、該第2の通路孔7は、第2のピストン5に径方向の孔加工を施すことにより形成され、ピストン5の周方向に離間して複数個(例えば、2〜8個程度)設けられている。そして、これらの通路孔7は、第2のピストン5が図2、図3に示す初期位置(待機位置)にあるときに、シリンダ2のサプライポート2Gを後述する第2の液圧室10Bに連通させる。これにより、第2の液圧室10Bとリザーバ3との間では、各通路孔7を通じてブレーキ液の給排が行われるものである。
8は第1のピストン4を軸方向に押動するプッシュロッドで、該プッシュロッド8は、その一側(基端側)が図1に示すように後述のブレーキペダル9に連結され、他側(先端側)は図2、図3に示す如くピストン4のロッド取付部4Aに抜止め状態で取付けられている。
9は車両のブレーキ操作時に運転者等が踏込み操作するブレーキペダルで、該ブレーキペダル9は、プッシュロッド8を介して第1のピストン4に連結され、第1のピストン4をシリンダ孔2C内へと軸方向(図1中の矢示A方向)に押込むように踏込み操作するものである。そして、ブレーキペダル9には、後述のブレーキ反力(ペダル反力)が第1のピストン4、プッシュロッド8を通じて伝達されるものである。
10A,10Bは第1,第2のピストン4,5によりシリンダ孔2C内に画成された第1,第2の液圧室で、該液圧室10A,10B内には、シリンダ孔2C内でピストン4,5が軸方向へと変位するに応じて液圧が発生するものである。そして、これらの液圧室10A,10Bには、シリンダ2に設けた第1,第2の配管ポート11A,11Bを介して後述のブレーキ配管53A,53Bが接続されるものである。
また、第1,第2の液圧室10A,10Bは、第1,第2のピストン4,5がシリンダ孔2C内を矢示A,B方向に摺動変位するときに、ピストン4,5の通路孔6,7によりシリンダ2のサプライポート2F,2Gに対して連通,遮断される。そして、第1,第2のピストン4,5が図2、図3に示す初期位置に戻ったときには、第1,第2の液圧室10A,10Bが第1,第2のピストン4,5の通路孔6,7、シリンダ2のサプライポート2F,2Gを介してリザーバ3内と連通した状態に保持されるものである。
一方、ブレーキペダル9の踏込み操作により第1,第2のピストン4,5が共に図2中の矢示A方向に押動されると、ピストン4,5の通路孔6,7は、後述のシール部材14,19を矢示A方向に越える位置までシリンダ孔2C内を摺動変位し、これにより液圧室10A,10Bは、サプライポート2F,2G(リザーバ3内)から遮断されるものである。
12は第1のピストン4と第2のピストン5との間に配設された第1の戻しばねで、該戻しばね12は、後述する第2の戻しばね15よりも付勢力が小さい(ばね定数が小さい)コイルばね等を用いて構成されている。そして、戻しばね12は、第1のピストン4を図2中の矢示B方向に常時付勢し、ブレーキペダル9の踏込み操作を解除したときには、第1のピストン4を図2、図3に示すストロークエンド(初期位置)に戻すものである。
ここで、第1の戻しばね12は、その一側がピストン4のばね収容穴4B内に収容され、ばね収容穴4Bの底部側に初期荷重(初期撓み)をもって当接している。また、第1の戻しばね12は、その他側がピストン5の蓋部5Aに初期荷重をもって当接し、第2のピストン5を初期位置に保持する機能も有している。そして、第1,第2のピストン4,5が図2、図3に示す如く初期位置に保持されたときには、ピストン4の端面4Cとピストン5の蓋部5Aとの間の離間寸法が図3に示す距離Laに設定されるものである。
13,14は第1のピストン4とシリンダ孔2Cとの間をシールするシール部材で、該シール部材13,14は、例えば環状のリップシール等を用いて構成されている。そして、シール部材13,14は、第1のサプライポート2Fの前,後に離間してシリンダ2の内周側(シール溝内)にそれぞれ装着されている。この場合、シリンダ2の開口端2A寄りに位置するシール部材13は、第1のピストン4の外周面に摺接することによりシリンダ孔2C内のブレーキ液が外部に漏洩するのを防ぐものである。
また、シール部材14は、第1のサプライポート2Fよりもシリンダ孔2Cの奥所側でピストン4の外周面に摺接する。そして、シール部材14は、ブレーキペダル9の踏込み操作に従って第1の液圧室10A内に発生する液圧が、例えば第1のサプライポート2F側に漏洩(逆流)するのを防ぎ、第1の液圧室10A内を比較的高い液圧状態に保つものである。
15は第2のピストン5を初期位置に向けて付勢する第2の戻しばねで、該第2の戻しばね15は、後述のリテーナ部材16とストッパ部材17を介して第2のピストン5のばね収容穴5Bとシリンダ2の底部2Bとの間に配設されている。そして、第2の戻しばね15は、軸方向一側の端部が後述のばね受16Aを介してばね収容穴5Bの奥所側に嵌合され、第2のピストン5に対して抜止め状態で固定されている。
また、第2の戻しばね15は、軸方向他側の端部がシリンダ2の底部2Bに対して当接,離間可能となるように後述のばね受17Aに取付けられている。そして、第2の戻しばね15は、第1の戻しばね12に抗して第2のピストン5を図2中の矢示B方向に付勢し、ブレーキペダル9の踏込み操作を解除したときには、第2のピストン5を図2、図3に示す初期位置に戻すものである。
16は第2の戻しばね15のばね長制限部材をストッパ部材17と共に構成するリテーナ部材で、該リテーナ部材16は、第2の液圧室10B内に配置され、ストッパ部材17との間で第2の戻しばね15を軸方向に縮小,伸長可能に保持するものである。そして、リテーナ部材16は、図3に示すように段付筒状体として形成され、その内周側には棒状のストッパ部材17が摺動可能に挿嵌されている。
また、リテーナ部材16の一側端部には、径方向外向きに突出するばね受16Aが設けられ、このばね受16Aは、ストッパ部材17側のばね受17Aとの間で第2の戻しばね15を縮装状態に保つものである。そして、筒状のリテーナ部材16は、第2のピストン5が戻しばね15に抗して図3中の矢示A方向に押圧されるときに、ストッパ部材17がリテーナ部材16内を軸方向に相対変位するのを許す。
しかし、第2のピストン5が図2、図3に示す初期位置に戻ったときには、ストッパ部材17がリテーナ部材16の端部に当接する。これにより、ストッパ部材17は、第2の戻しばね15がこれ以上に伸長するのをリテーナ部材16と共に制限(規制)し、戻しばね15が最大伸長するときのばね長さを、図8に示す如く予め決められた所定長Ls に設定するものである。
即ち、第2の戻しばね15は、リテーナ部材16とストッパ部材17によりばね長さが所定長Ls の範囲内に規制される。そして、第2のピストン5が図8に示すようにオーバリターンしたときには、ストッパ部材17側のばね受17Aが戻しばね15と共にシリンダ2の底部2Bから離間した状態におかれるものである。
18,19は第2のピストン5とシリンダ孔2Cとの間をシールするシール部材で、該シール部材18,19は、例えば環状のリップシール等を用いて構成されている。そして、シール部材18,19は、第2のサプライポート2Gの前,後に離間してシリンダ2の内周側(シール溝内)にそれぞれ装着されている。
この場合、第1の液圧室10A寄りに位置するシール部材18は、第2のピストン5の外周面に摺接することにより第1の液圧室10Aをリザーバ3側に対してシールし、第1の液圧室10A内のブレーキ液が第2のサプライポート2G側に漏洩するのを防ぐものである。そして、第2のピストン5が初期位置にあるときに、通路孔7とシール部材18との離間寸法(間隔)は、図3に示す寸法Lbとなり、この寸法Lbは、ピストン4,5間の距離Laよりも大なる寸法関係(Lb>La)に設定されるものである。
また、シリンダ孔2Cの奥所側に位置するシール部材19は、ピストン5の外周面に摺接することにより、ブレーキペダル9の踏込み操作に従って第2の液圧室10B内に液圧が発生するのを補償し、このときの液圧が、例えば第2のサプライポート2G側に漏洩(逆流)するのを防ぐものである。
20は本実施の形態で採用したストロークシミュレータで、該ストロークシミュレータ20は、後述のシミュレータケース21、蓋体24、段付ピストン36およびスプリング39、40等により構成されている。そして、ストロークシミュレータ20は、ブレーキペダル9の踏込み操作に従って第1の液圧室10A内に発生する液圧を後述の蓄圧室37内に蓄圧し、このときの圧力に従ってブレーキペダル9側にブレーキ反力を生じさせるものである。
21はシリンダ2に一体形成されたシミュレータケースで、該シミュレータケース21は、図2、図3に示す如くシリンダ2に沿ってシリンダ孔2Cの軸方向に延びる筒状体として形成され、後述の蓋体24と共にストロークシミュレータ20の外殻を構成するものである。そして、シミュレータケース21内には、その一側(蓋体24側)に開口するばね受取付穴21Aと、他側に開口するバルブ取付穴21Bと、これらの取付穴21A,21B間に位置するピストン摺動穴21Cとが段付穴として形成されている。
ここで、シミュレータケース21のピストン摺動穴21Cは、一側のばね受取付穴21Aよりも小径に形成され、他側のバルブ取付穴21Bよりも大径に形成されている。そして、このピストン摺動穴21C内には、後述の段付ピストン36が挿嵌され、後述の弁座部材44側に蓄圧室37が画成されるものである。
22はシリンダ2の軸方向(長さ方向)中間部に設けられた通液路で、該通液路22は、図3に示す如くシリンダ孔2Cからシミュレータケース21のバルブ取付穴21Bに向け斜めに傾斜して延び、その先端側にはフィルタ23が設けられている。そして、このフィルタ23は、通液路22内を流通するブレーキ液を清浄化するものである。
ここで、通液路22は、シリンダ2内の液圧室10Aをバルブ取付穴21Bに連通させるものである。そして、このバルブ取付穴21B内は、後述するソレノイドバルブ43の開弁時に蓄圧室37内と連通し、ソレノイドバルブ43の閉弁時には、シリンダ2内の液圧室10Aを蓄圧室37から遮断するものである。
24はシミュレータケース21のばね受取付穴21Aを軸方向の一側から閉塞し、第1のピストン4に対する規制部材を構成する蓋体で、該蓋体24は、図4ないし図7に示す如く中央に位置する筒状のピストンカバー部25と、該ピストンカバー部25の上,下に位置して左,右方向に突出した合計4個の取付座部26,27,28,29と、ピストンカバー部25の下側に位置して取付座部28,29間に一体形成されたばね収容部30等とにより構成されている。
また、蓋体24の取付座部26,27間には、蓋体24の軽量化を図るために肉盗み用の空洞部31が形成されている。そして、蓋体24は、一側面がマスタシリンダ装置1を車両のボディ(図示せず)側に取付ける平坦な取付面24Aとなり、他側面はシリンダ2(シミュレータケース21)の端面に対する当接面24Bとなっている。
即ち、蓋体24は、ピストンカバー部25の周囲に位置する取付座部26,27,28,29、ばね収容部30および空洞部31の底部側が図4、図5に示すように同一の平面(取付面24A)上に配置され、ピストンカバー部25の一側(後述のストッパ部25B側)のみが、取付面24Aから所定寸法だけ軸方向に突出している。
また、蓋体24の当接面24B側には、空洞部31が開口すると共に、後述の挿通穴25A、空洞部28A、有底穴30A、空間29Aが開口され、空洞部31,28Aおよび空間29Aの開口端は、シリンダ2、シミュレータケース21の端面により閉塞されるものである。
ここで、蓋体24のピストンカバー部25は、その内周側が段付きの挿通穴25Aとなり、この挿通穴25A内には、図3に示すように第1のピストン4のロッド取付部4Aが挿通して配置される。また、ピストンカバー部25の一側端部には、径方向内向きに突出する環状のストッパ部25Bが形成され、該ストッパ部25Bの内周側は、図3に示すプッシュロッド8が挿通されるロッド挿通穴25C(図4参照)となっている。
そして、ピストンカバー部25のストッパ部25Bは、図3に示す如くロッド取付部4Aの端面に当接し、第1のピストン4が矢示B方向に後退するのを規制している。即ち、第1のピストン4は、ロッド取付部4Aの先端が蓋体24(ピストンカバー部25)のストッパ部25Bに当接することにより、ブレーキ操作を解除したときのストロークエンド(後退限の位置)が規制されるものである。
また、蓋体24の取付座部26,27には、図5、図6に示すようにボルト挿通孔26A,27Aが穿設され、これらのボルト挿通孔26A,27A内には、後述のボルト34が挿通して取付けられる。そして、一方の取付座部26には、ボルト挿通孔26Aの一側に位置して後述のナット35が収容される円形の座ぐり部26Bが形成されている。
一方、蓋体24のばね収容部30内には、円形の有底穴30Aと、該有底穴30Aの底部側に形成され該有底穴30Aよりも小径となった凹部30Bとが設けられている。そして、有底穴30Aは、後述するばね室38の一部を形成し、凹部30B内には、後述のバンプラバー42が取付けられるものである。また、左側の取付座部28には、肉盗み用の空洞部28Aが形成されると共に、その底部側にはボルト挿通孔28Bが形成されている。
また、蓋体24の取付座部29には、取付座部28の空洞部28Aとほぼ左右対称な形状の空間29Aが形成され、その底部側には、ボルト挿通孔29Bと、後述のナット35が収容される円形の座ぐり部29Cとが形成されている。そして、取付座部29の座ぐり部29C側には、図5〜図7に示す如く空間29A内に連通する通気孔29Dと、座ぐり部29Cの径方向に延びる通気溝29Eとが形成され、この通気溝29Eは、通気孔29Dと共に空間29Aを大気に開放する通気開口を構成するものである。
32は蓋体24の空間29Aとばね収容部30の有底穴30Aとを連通する連通路で、該連通路32は、図4に示す如く後述の連絡通路33よりも下側に位置して蓋体24の当接面24B側に形成された凹溝からなり、図5、図6に示す如くばね収容部30の有底穴30Aと空間29Aとの間を斜めに延びている。
そして、連通路32は、ストロークシミュレータ20の作動により後述のばね室38が拡縮されるときに、ばね室38の空気を空間29A内に流出,入させるものである。また、連通路32は、取付座部29の通気孔29Dよりも上側となる位置に配置されている。
33は蓋体24のピストンカバー部25内をばね収容部30の有底穴30Aに連通させる連絡通路で、該連絡通路33は、図4〜図6に示す如くピストンカバー部25の挿通穴25Aをばね収容部30の有底穴30A内に上,下方向で連通するものである。そして、連絡通路33は、挿通穴25Aの最下部位に位置して蓋体24の当接面24B側に形成された凹溝からなり、ばね収容部30の有底穴30Aに向けて下向きに延びている。
34,34,…はシリンダ2、シミュレータケース21の端面側に設けられた締結部材としてのボルトで、これらのボルト34は、マスタシリンダ装置1を車両のボディに締結状態で取付けるもので、例えば合計4個のボルト34がシリンダ2、シミュレータケース21の端面側に植設されている。そして、これらのボルト34は、図5、図6に示す取付座部26,27,28,29のボルト挿通孔26A,27A,28B,29B内に挿通されるものである。
35,35は蓋体24をボルト34に固定する固定部材としてのナットで、該ナット35は、合計4本のボルト34のうち取付座部26,29のボルト挿通孔26A,29B内に挿通されたボルト34に螺着される。そして、ナット35は、取付座部26,29の座ぐり部26B,29C内に配置され(図3参照)、蓋体24の当接面24Bをシリンダ2、シミュレータケース21の端面に衝合させた状態に保持するものである。
このとき、ナット35は、蓋体24の取付面24Aとほぼ面一となるように座ぐり部26B,29C内に収容される。そして、蓋体24の取付面24Aから図2に示す如く突出する各ボルト34は、その突出端側が車両のボディに別のナット(図示せず)等を用いて締結され、これによりマスタシリンダ装置1は、車両に設置されるものである。
36はストロークシミュレータ20の可動隔壁を構成する段付ピストンで、該該段付ピストン36は、シミュレータケース21のピストン摺動穴21C内に摺動可能に挿嵌され、シミュレータケース21内を蓄圧室37とばね室38とに画成している。そして、シミュレータケース21内を蓄圧室37は、後述のソレノイドバルブ43、通液路22を介してシリンダ2内の液圧室10Aに連通されるものである。
また、ばね室38は、シミュレータケース21のばね受取付部21Aと蓋体24のばね収容部30(有底穴30A)との間に形成され、図5、図6に示す空間29Aに連通路32を介して連通されると共に、空間29Aが通気孔29D等を介して大気に連通されるものである。
39,40はばね室38内にばね受41を介して配設された付勢部材としてのスプリングで、これらのスプリング39,40のうちばね定数の小さいスプリング39は、段付ピストン36とばね受41との間に初期荷重(初期撓み)を与えた状態で設けられ、ばね定数の大きい方のスプリング40は、蓋体24(ばね収容部30)の有底穴30Aとばね受41との間に初期荷重を与えた状態で設けられている。
ここで、ストロークシミュレータ20の作動時には、ブレーキペダル9の踏込み操作に従って液圧室10A内に液圧が発生すると、この液圧が比較的小さい段階でスプリング39が撓み変形し、シミュレータケース21内の段付ピストン36が図3中の矢示C方向に摺動変位するのを許しつつ、蓄圧室37内に液圧を蓄圧させる。
そして、液圧室10A、蓄圧室37内の圧力がさらに上昇すると、スプリング39に続いてスプリング40が撓み変形し、このときには段付ピストン36がばね受41と一緒に矢示C方向に変位する。
42は蓋体24(ばね収容部30)の凹部30B内に設けられたバンプラバーを示し、該バンプラバー42は、合成ゴム等の弾性材料を用いて形成され、ばね受41がばね収容部30(有底穴30A)の底部側に衝突するのを防ぐものである。即ち、ばね受41が段付ピストン36と一緒に図3中の矢示C方向に大きく変位したときには、ばね受41の先端がバンプラバー42に弾性的に当接することにより、このときのストロークエンドがバンプラバー42で規制されるものである。
このため、蓄圧室37内の圧力は、スプリング39,40の撓み変形により2段階で変化し、さらに、バンプラバー42の弾性力でも変化する。そして、このときの蓄圧室37内の圧力がブレーキ反力となって、シリンダ2内の液圧室10Aから第1のピストン4を介してブレーキペダル9に伝達され、3段階のペダル反力を生じさせるものである。
43はシミュレータケース21のバルブ取付穴21B側に設けられた開閉弁としてのソレノイドバルブで、該ソレノイドバルブ43は、図3に示すように、段付ピストン36に対向してバルブ取付穴21B内に固定(嵌合)して設けられた有蓋筒状の弁座部材44と、該弁座部材44を段付ピストン36との間で挟むようにバルブ取付穴21Bに螺合して設けられたバルブ筒45と、後述のソレノイド47、固定鉄心48、可動鉄心49、弁体50および弁ばね51等とにより構成されている。
ここで、弁座部材44の蓋部側には、弁体50により開,閉される通路孔44Aが穿設され、該通路孔44Aは、ストロークシミュレータ20の蓄圧室37と恒常的に連通している。また、弁座部材44の内側には、通路孔44Aを流通するブレーキ液を清浄化するためのフィルタ46が装着されている。そして、弁座部材44は、後述する弁体50の開弁時に通路孔44Aを通じて蓄圧室37内にブレーキ液を流出,入させ、弁体50の閉弁時にはブレーキ液の流通を遮断するものである。
47はソレノイドバルブ43のバルブ筒45に設けられたソレノイドで、該ソレノイド47は、バルブ筒45の外周側に巻回して設けられた電磁コイルにより構成されるものである。そして、バルブ筒45内には、ソレノイド47の内周側に位置して固定鉄心48が設けられている。なお、ソレノイド47には、図2に示すソレノイドバルブ43のコネクタ43Aを通じて外部から通電が行われるものである。
49は固定鉄心48に対向してバルブ筒45内に設けられた可動鉄心で、該可動鉄心49には、弁座部材44に対して離着座する弁体50が固定して設けられている。また、可動鉄心49と固定鉄心48との間には弁ばね51が設けられ、この弁ばね51は、可動鉄心49と一緒に弁体50を常時閉弁方向に付勢するものである。
そして、ソレノイドバルブ43は、例えば車両のエンジンを始動するとソレノイド47が励磁されることにより、可動鉄心49を固定鉄心48側(図3中の矢示D方向)に吸引または吸着し、弁体50を弁座部材44から離座させる。これにより、シリンダ2内の液圧室10Aは、通液路22、弁座部材44の通路孔44A等を介してストロークシミュレータ20の蓄圧室37に連通される。即ち、常閉のソレノイドバルブ43は、図1に示す如くソレノイド47が励磁されることにより、閉弁位置(c)から開弁位置(d)に切換えられる。
また、車両のエンジンを停止させたり、電気系統に失陥等が生じたときには、ソレノイド47に対する通電が解除されるために、可動鉄心49は弁ばね51の付勢力で弁座部材44側に付勢され、弁座部材44の通路孔44Aは弁体50により閉弁される。これにより、ソレノイドバルブ43は、通液路22と弁座部材44との間を閉塞し、シリンダ2内の液圧室10Aをストロークシミュレータ20の蓄圧室37に対して遮断するものである。この場合、ソレノイドバルブ43は、図1に示す開弁位置(d)から閉弁位置(c)に弁ばね51により切換えられる。
52A,52Bは図1に示す如く車両の車輪側に設けられる第1,第2のホイールシリンダを示し、該ホイールシリンダ52A,52Bは、例えばドラムブレーキまたはディスクブレーキ等のシリンダ部を構成し、図1に示す第1,第2のブレーキ配管53A,53Bを介してブレーキ液圧が給排されることにより、車両に制動力を付与するものである。
54A,54Bはブレーキ配管53A,53Bの途中に設けられた第1,第2のフェイルセーフ弁で、該フェイルセーフ弁54A,54Bは、後述するコントロールユニット60からの制御信号により開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられる。即ち、フェイルセーフ弁54A,54Bは、システムの正常動作時には開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられ、システムの失陥時等には開弁位置(a)に復帰するものである。
55A,55Bはホイールシリンダ52A,52Bに液圧を供給するための液圧源を構成する第1,第2の液圧ユニットで、これらの液圧ユニット55A,55Bは、ホイールシリンダ52A,52B、フェイルセーフ弁54A,54B間に位置するブレーキ配管53A,53Bの途中部位とリザーバ3の管路3Cとの間に配設されている。
そして、第1の液圧ユニット55Aは、図1に示す如くリザーバ3に管路3Cを介して接続された液圧ポンプ56Aと、該液圧ポンプ56Aの吐出側にチェック弁57Aを介して接続され常開の電磁弁からなるブレーキ液圧の供給弁58Aと、常閉の電磁弁からなるブレーキ液圧の排出弁59A等とにより構成されるものである。
また、第2の液圧ユニット55Bについても同様に、リザーバ3に管路3Cを介して接続され液圧源を構成する液圧ポンプ56Bと、該液圧ポンプ56Bの吐出側にチェック弁57Bを介して接続された常開の供給弁58B、常閉の排出弁59B等とにより構成されるものである。
60はBBWシステムの制御装置を構成するコントロールユニットで、該コントロールユニット60は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、その入力側は、ブレーキペダル9の操作検出器(以下、ペダルセンサ61という)とホイールシリンダ52A,52B側の圧力センサ62A,62B等とに接続されている。
この場合、ペダルセンサ61は、ブレーキペダル9を踏込み操作したときのストロークまたは踏力を検出するものである。また、圧力センサ62A,62Bは、ホイールシリンダ52A,52Bに供給されるブレーキ液圧を検出する。そして、コントロールユニット60は、ペダルセンサ61、圧力センサ62A,62Bからの検出信号に従ってBBWシステムが正常に動作しているか否かを判別すると共に、後述の如くブレーキ液圧の制御等を行うものである。
また、コントロールユニット60は、出力側がフェイルセーフ弁54A,54Bおよび液圧ユニット55A,55B等に接続されている。そして、コントロールユニット60は、システムの正常動作時にフェイルセーフ弁54A,54Bを閉弁位置(b)に切換えると共に、液圧ユニット55A,55Bに給電を行って液圧ポンプ56A,56Bを作動させ、ホイールシリンダ52A,52Bのブレーキ液圧を増圧、保持または減圧するために供給弁58A,58B、排出弁59A,59Bを選択的に開,閉弁させるものである。
63は図2に示すプッシュロッド8を外側から覆う保護ブーツで、該保護ブーツ63は、例えば合成ゴム等の弾性材料により蛇腹状をなす筒体として形成され、その一側はプッシュロッド8に取付けられている。また、保護ブーツ63の他側は、ピストンカバー部25の突出端側に抜止め状態で取付けられている。
本実施の形態によるタンデム型のマスタシリンダ装置1を用いたBBWシステムは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、BBWシステムが正常に動作する本来の状態では、コントロールユニット60からの制御信号により常開のフェイルセーフ弁54A,54Bが図1に示す開弁位置(a)から閉弁位置(b)に切換えられるため、シリンダ2内の液圧室10A,10Bは、ホイールシリンダ52A,52Bに対して遮断された状態となる。
また、常閉のソレノイドバルブ43は、ソレノイド47が励磁されることにより閉弁位置(c)から開弁位置(d)に切換えられ、シリンダ2内の液圧室10Aは、ストロークシミュレータ20の蓄圧室37に通液路22、ソレノイドバルブ43等を介して連通した状態に保持される。
そして、この状態で車両の制動時にブレーキペダル9が踏込み操作されると、シリンダ孔2C内で第1,第2のピストン4,5が図2中の矢示A方向に押動される。このとき、第2の液圧室10Bは、フェイルセーフ弁54Bによりホイールシリンダ52Bに対して遮断されている。このため、第2のピストン5は、図2に示す通路孔7がシリンダ2のサプライポート2Gから遮断された段階で液圧ロック状態となり、これ以上の摺動変位が抑制される。
しかし、第1の液圧室10Aは、通液路22、ソレノイドバルブ43等を介してストロークシミュレータ20側に連通されている。このため、第1の液圧室10Aは、第1のピストン4が矢示A方向に摺動変位するに従って液圧が上昇するが、この液圧は通液路22側からストロークシミュレータ20のシミュレータケース21(蓄圧室37)内に供給される。
このときストロークシミュレータ20は、ばね室38のスプリング39,40のうち弱ばねであるスプリング39が先に撓み変形され、シミュレータケース21のピストン摺動穴21C内で段付ピストン36を摺動変位させることにより、蓄圧室37内に液圧を蓄圧する。そして、この蓄圧室37内の圧力はブレーキ反力となって、シリンダ2内の液圧室10Aから第1のピストン4を介してブレーキペダル9に伝えられる。
そして、第1のピストン4が矢示A方向に摺動変位するに従って第1の液圧室10Aの液圧がさらに上昇すると、蓄圧室37内の圧力も上昇するので、これに従ってばね室38内では、ばね定数の大きいスプリング40も撓み変形するようになり、ブレーキ反力も増大する。さらに、ばね受41の先端がバンプラバー42に当接することで、バンプラバー42が弾性変形することによりブレーキ反力が増大する。この結果、ブレーキペダル9のペダル反力は3段階で変化することになり、車両の運転者には良好なペダルフィーリング(ブレーキの効き)、所謂踏み応えを与えることができる。
即ち、車両の運転者に対しては、ブレーキペダル9の踏み初めが軽く、ブレーキペダル9を踏み込むに従って徐々に重くなり、ある程度踏み込んだ段階でいきなり重さを感じるような踏み応えを与えることができる。これにより、ブレーキペダル9の操作感を向上でき、その踏み応えを良好に保つことができる。
また、このようなブレーキ操作時には、ブレーキペダル9の踏込み操作をペダルセンサ61で検出することにより、コントロールユニット60から液圧ユニット55A,55Bに制御信号を出力して液圧ポンプ56A,56Bを作動できると共に、供給弁58A,58B、排出弁59A,59Bを選択的に開,閉弁することができる。
このため、車両の制動時等には、ブレーキペダル9の踏込み操作に従って液圧ポンプ56A,56Bからホイールシリンダ52A,52Bに供給するブレーキ液圧を増圧、保持または減圧でき、ブレーキペダル9の踏込み操作に対応したブレーキ液圧をホイールシリンダ52A,52Bに供給できると共に、車両の制動力制御を高精度に行うことができる。
一方、例えば液圧源となる液圧ポンプ56A,56Bが故障したり、コントロールユニット60が故障したりした場合には、前述の如きBBWシステムによる自動的なブレーキ液圧の制御が失効する。そして、このようなシステムの失陥時には、コントロールユニット60からフェイルセーフ弁54A,54Bに制御信号が出力されず、フェイルセーフ弁54A,54Bは図1に示す開弁位置(a)に自動的に復帰する。
これにより、マスタシリンダ装置1は、シリンダ2内の液圧室10A,10Bがホイールシリンダ52A,52Bに連通した状態となる。また、常閉のソレノイドバルブ43も、ソレノイド47の消磁に従って弁ばね51により閉弁位置(c)に戻され、シリンダ2内の液圧室10Aは、ストロークシミュレータ20の蓄圧室37から遮断された状態に保持される。
このため、車両の制動時等にブレーキペダル9が踏込み操作されると、シリンダ孔2C内でピストン4,5が共に軸方向に押動され、液圧室10A,10Bにはブレーキペダル9の踏込み操作に対応した液圧が発生する。そして、液圧室10A,10B内に発生した液圧は、ブレーキ配管53A,53Bを介してホイールシリンダ52A,52Bにブレーキ液圧として供給され、この場合でも、ブレーキペダル9の踏込み操作に対応したブレーキ液圧をホイールシリンダ52A,52Bに供給することができる。
また、シリンダ2内の液圧室10Aとストロークシミュレータ20との間に通液路22を介して設けたソレノイドバルブ43は、電気系統の失陥等に伴ってソレノイド47の磁力が失われると、弁ばね51により閉弁位置(c)へと自動的に復帰し、シリンダ2内の液圧室10Aをストロークシミュレータ20の蓄圧室37から遮断する。
これにより、例えばシステムの失陥時等には、液圧室10A内の液圧がストロークシミュレータ20側で余分に消費されるのを防止できると共に、液圧室10A内に発生した液圧をブレーキ配管53Aを介してホイールシリンダ52Aに対し効率的に供給することができる。
ところで、シリンダ2内で第1,第2のピストン4,5の間に配設した第1の戻しばね12は、両者を互いに離間する方向に付勢することにより、通常時には第1,第2のピストン4,5が初期位置に戻るのを補償している。しかし、例えばマスタシリンダ装置1を車両に組付ける段階で、シリンダ2内等にブレーキ液を充填する場合に第1,第2の液圧室10A,10B間に圧力差が発生すると、これに伴って第1の戻しばね12が図8に示す如く大きく圧縮変形され、第2のピストン5が初期位置を越えてシリンダ2の開口端2A側に移動する所謂オーバリターンを生じることがある。
そして、第2のピストン5が図3に示す初期位置を越えて、図8に示すようにオーバリターンした場合には、例えばシリンダ2の奥所側に設けたシール部材18がピストン5のオーバリターンによってピストン5の通路孔7が通過することで摩耗、損傷され、シール寿命が低下する虞れが生じる。
そこで、本実施の形態によれば、シリンダ2の開口端2A側に蓋体24のピストンカバー部25を設け、該ピストンカバー部25のストッパ部25Bにより第1のピストン4のストロークエンド(初期位置)を規制し、シリンダ2内で第1,第2のピストン4,5が共に初期位置あるときには、図3に示す如くピストン4,5間の離間寸法を距離Laとし、第2の通路孔7とシール部材18との間隔(寸法Lb)を、ピストン4,5間の距離Laよりも大なる寸法関係(Lb>La)に設定する構成としている。
これにより、例えばシリンダ2内へのブレーキ液の充填作業等を行うときに、第2のピストン5が図3に示す初期位置から、図8に例示するように矢示B方向にオーバリターンしたとしても、第2のピストン5は、その蓋部5A側が第1のピストン4の端面4Cに当接することによって最大の戻り位置(ストロークエンド)が規制される。
この結果、第2のピストン5が最大の戻り位置に達した段階でも、第2のピストン5に形成した第2の通路孔7が、図8に示す如くシール部材18の位置まで移動(摺動変位)するのを規制(阻止)できる。これにより、シール部材18が第2の通路孔7によって接触(摩耗)、干渉されるのを防ぐことができ、シール部材18の損傷防止を図ることができる。
そして、シリンダ2の開口端2A側に設けた蓋体24のピストンカバー部25により第1のピストン4のストロークエンドを規制するだけで、第1のピストン4によって第2のピストン5の最大の戻り位置を規制することができるため、従来技術のように戻り止めピン等を用いる必要がなく、ピストン5のオーバリターンに伴う最大戻り位置を簡単な構造で規制することができる。
また、第2の戻しばね15が最大伸長するときのばね長さを、リテーナ部材16とストッパ部材17とを用いて図8に示す如く所定長Ls に設定する構成としている。このため、第1,第2の戻しばね12,15の間に配置する第2のピストン5を、戻しばね15がリテーナ部材16により所定長Ls に設定(規制)された段階で、ブレーキ操作前の待機位置(初期位置)に戻すことができる。
そして、車両の走行時にブレーキ操作が行われるまでは、シリンダ2の開口端2A側に設けた蓋体24のピストンカバー部25と第1,第2の戻しばね12,15とにより、第1,第2のピストン4,5を待機位置(初期位置)に保持しておくことができ、このための構成を簡素化することができる。
また、第1の戻しばね12は、第2の戻しばね15よりも付勢力が小さいばねにより構成しているので、車両のブレーキ操作時にブレーキペダル9を踏込んで、第1のピストン4を第1の戻しばね12に抗して摺動変位させるときに、小さなペダル踏力で第1の戻しばね12を撓み変形でき、ペダル踏力を軽くすることができる。
従って、本実施の形態によれば、第2のピストン5を簡単な構造で初期位置に戻すことができ、図8に示すようにオーバリターンが発生した場合でもシール部材18の摩耗、損傷を防いで、シール寿命を延ばすことができると共に、装置のメンテナンス性、信頼性等を向上することができる。
また、ストロークシミュレータ20のばね室38は、上述の如く大気に開放する構造であるため、従来技術のようにブレーキ液用の配管作業等を特別に行う必要がなくなり、ストロークシミュレータ20を付設したマスタシリンダ装置1の構造を簡素化できると共に、装置の製造、組立て時にわたる作業性を向上することができる。
また、連絡通路33は、図5、図6に示す如くピストンカバー部25の挿通穴25Aをばね収容部30の有底穴30A内に上,下方向で連通するため、挿通穴25Aの最下部位から下向きに延びている。このため、仮にシリンダ2内のブレーキ液がシール部材13の損傷等によってピストン4のロッド取付部4A側へと漏出したとしても、この漏出液をピストンカバー部25の挿通穴25A内から連絡通路33によりばね室38(ばね収容部30の有底穴30A)内へと自動的に導くことができ、ブレーキ液が装置の外部に漏洩するのを防ぐことができる。
次に、図9ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ストロークシミュレータを有さない通常のマスタシリンダ装置であって、第1のピストンのストロークエンド(初期位置)を規制する規制部材を倍力装置の出力ロッドによって構成したことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、71は本実施の形態で採用したタンデム型のマスタシリンダ装置で、該マスタシリンダ装置71は、第1の実施の形態で述べたマスタシリンダ装置1とほぼ同様に構成され、第1,第2の液圧室10A,10B、後述のシリンダ72、第1,第2のピストン74,75等を有している。しかし、このマスタシリンダ装置71は、ストロークシミュレータ等を備えたものではなく、後述の気圧式倍力装置90を介してブレーキペダルの踏込み操作が伝達されるものである。
72はマスタシリンダ装置71の主要部を構成するシリンダで、該シリンダ72は、第1の実施の形態で述べたシリンダ2と同様に構成され、開口端72A、底部72B、シリンダ孔72C、第1,第2のボス部72D,72Eおよび第1,第2のサプライポート72F,72G等を有している。しかし、この場合のシリンダ72には、開口端72Aの外周側に後述する気圧式倍力装置90のシェル91が気密状態に嵌合して取付けられるものである。
73は作動液タンクとしてのリザーバで、該リザーバ73も第1の実施の形態で述べたリザーバ3と同様に構成され、シリンダ72のボス部72D,72Eに接続されるに管路73A,73B等を有している。
74はプライマリピストン(以下、第1のピストン74という)、75はセカンダリピストン(以下、第2のピストン75という)を示している。そして、第1,第2のピストン74,75は、第1の実施の形態で述べた第1,第2のピストン4,5とほぼ同様に構成され、シリンダ2内に第1,第2の液圧室10A,10Bを画成するものである。
ここで、第1のピストン74は、図10に示す如く軸方向の一側が有底のロッド挿入穴74Aとなり、軸方向の他側は有底のばね収容穴74Bとなっている。そして、該ばね収容穴74Bは、ロッド挿入穴74Aとは反対側(他側)の端面74Cに開口している。
また、第1のピストン74は、ロッド挿入穴74A側がシリンダ72の開口端72Aから外部に突出し、ロッド挿入穴74A内には、後述の出力ロッド95が突当て状態で挿入される。そして、第1のピストン74は、ロッド挿入穴74Aの底部側に出力ロッド95が当接することにより、初期位置(待機位置)におけるストロークエンドが規制されるものである。
一方、第2のピストン75は、有蓋筒状に形成され、第1のピストン74と軸方向で対向する一側が蓋部75Aとなって閉塞されている。また、第2のピストン75には、他側に開口するばね収容穴75Bが形成され、該ばね収容穴75B内には、後述する第2の戻しばね84の一側が配置されている。
76,77は第1,第2のピストン74,75に設けられた第1,第2の通路孔で、該第1,第2の通路孔76,77は、第1の実施の形態で述べた通路孔6,7と同様に径方向孔により構成されている。
78A,78Bはシリンダ72に設けられた第1,第2の配管ポートで、該第1,第2の配管ポート78A,78Bは、第1の実施の形態で述べた第1,第2の配管ポート11A,11Bと同様に構成され、第1,第2の液圧室10A,10Bを第1,第2のブレーキ配管を介して車両のホイールシリンダ(いずれも図示せず)に接続するものである。
79は第1のピストン74と第2のピストン75との間に配設された第1の戻しばねで、該戻しばね79は、後述のリテーナ部材80とストッパ部材81を介して第1のピストン74のばね収容穴74Bと第2のピストン75の蓋部75Aとの間に配設されている。そして、第1の戻しばね79は、軸方向一側の端部が後述のばね受81Aを介してばね収容穴74Bの奥所側に嵌合され、第1のピストン74に対して抜止め状態で固定されている。
また、第1の戻しばね79は、軸方向他側の端部が第2のピストン75の蓋部75Aに対して当接,離間可能となるように後述のばね受80Aに取付けられている。そして、第1の戻しばね79は、第1のピストン74を図10中の矢示B方向に常時付勢し、ブレーキペダルの踏込み操作を解除したときには、第1のピストン74を図9、図10に示すストロークエンド(初期位置)に戻すものである。
ここで、第1の戻しばね79は、その他側がピストン75の蓋部75Aに後述のばね受80Aを介して当接し、第2のピストン75を初期位置に保持する機能も有している。そして、第1,第2のピストン74,75が図9、図10に示すように初期位置に保持されたときには、ピストン74の端面74Cとピストン75の蓋部75Aとの間の離間寸法が図10に示す距離Laに設定されるものである。
80は第1の戻しばね79のばね長制限部材をストッパ部材81と共に構成するリテーナ部材で、該リテーナ部材80は、第1の液圧室10A内に配置され、ストッパ部材81との間で第1の戻しばね79を軸方向に縮小,伸長可能に保持するものである。そして、リテーナ部材80は、図10に示す如く段付筒状体として形成され、その内周側には棒状のストッパ部材81が摺動可能に挿嵌されている。
また、リテーナ部材80の他側端部には、径方向外向きに突出するばね受80Aが設けられ、このばね受80Aは、ストッパ部材81側のばね受81Aとの間で第1の戻しばね79を縮装状態に保つものである。そして、筒状のリテーナ部材80は、第1のピストン74が戻しばね79に抗して図10中の矢示A方向に押圧されるときに、ストッパ部材81がリテーナ部材80内を軸方向に相対変位するのを許す。
しかし、第1のピストン74が図9、図10に示す初期位置に戻ったときには、ストッパ部材81がリテーナ部材80の一側端部に当接する。これにより、ストッパ部材81は、第1の戻しばね79がこれ以上に伸長するのをリテーナ部材80と共に制限(規制)し、戻しばね79が最大伸長するときのばね長さを、図10に示す如く予め決められた所定長に設定するものである。
82,83は第1のピストン74とシリンダ孔72Cとの間をシールするシール部材で、該シール部材82,83は、第1の実施の形態で述べたシール部材13,14と同様に構成され、第1のサプライポート72Fの前,後に離間してシリンダ72の内周側(シール溝内)にそれぞれ装着されている。
84は第2のピストン75を初期位置に向けて付勢する第2の戻しばねで、該第2の戻しばね84は、後述のリテーナ部材85とストッパ部材86を介して第2のピストン75のばね収容穴75Bとシリンダ72の底部72Bとの間に配設されている。
そして、第2の戻しばね84は、軸方向一側の端部が後述のばね受86Aを介してばね収容穴75Bの奥所側に嵌合され、第2のピストン75に対して抜止め状態で固定されている。また、第2の戻しばね84は、軸方向他側の端部がシリンダ72の底部72Bに対して当接,離間可能となるように後述のばね受85Aに取付けられている。
また、第2の戻しばね84は、第1の戻しばね79よりもばね定数が小さい(付勢力が弱い)コイルばね等を用いて構成されている。そして、第2の戻しばね84は、第2のピストン75を図10中の矢示B方向に常時付勢し、ブレーキペダルの踏込み操作を解除したときには、第2のピストン75を図9、図10に示す初期位置に戻すものである。
85は第2の戻しばね84のばね長制限部材をストッパ部材86と共に構成するリテーナ部材で、該リテーナ部材85は、第2の液圧室10B内に配置され、ストッパ部材86との間で第2の戻しばね84を軸方向に縮小,伸長可能に保持するものである。そして、リテーナ部材85は、図10に示す如く段付筒状体として形成され、その内周側には筒状のストッパ部材86が摺動可能に挿嵌されている。
また、リテーナ部材85の他側端部には、径方向外向きに突出するばね受85Aが設けられ、このばね受85Aは、ストッパ部材86側のばね受86Aとの間で第2の戻しばね84を縮装状態に保つものである。そして、筒状のリテーナ部材85は、第2のピストン75が戻しばね84に抗して図10中の矢示A方向に押圧されるときに、ストッパ部材86がリテーナ部材85内を軸方向に相対変位するのを許す。
しかし、第2のピストン75が図9、図10に示す初期位置に戻ったときには、ストッパ部材86がリテーナ部材85の一側端部に当接する。これにより、ストッパ部材86は、第2の戻しばね84がこれ以上に伸長するのをリテーナ部材85と共に制限(規制)し、戻しばね84が最大伸長するときのばね長さを、図11に示す如く予め決められた所定長Ls に設定するものである。
即ち、第2の戻しばね84は、リテーナ部材85とストッパ部材86によりばね長さが所定長Ls の範囲内に規制される。そして、第2のピストン75が図11に示すようにオーバリターンしたときには、リテーナ部材85側のばね受85Aが戻しばね84と共にシリンダ72の底部72Bから離間した状態におかれるものである。
87,88は第2のピストン75とシリンダ孔72Cとの間をシールするシール部材で、該シール部材87,88は、第1の実施の形態で述べたシール部材18,19と同様に構成され、第2のサプライポート72Gの前,後に離間してシリンダ72の内周側(シール溝内)にそれぞれ装着されている。
この場合、第1の液圧室10A寄りに位置するシール部材87は、第2のピストン75の外周面に摺接することにより第1の液圧室10Aをリザーバ73側に対してシールする。そして、第2のピストン75が初期位置にあるときに、通路孔77とシール部材87との離間寸法(間隔)は、図10に示すように寸法Lbとなり、この寸法Lbは、ピストン74,75間の距離Laよりも大なる寸法関係(Lb>La)に設定されるものである。
また、シリンダ孔72Cの奥所側に位置するシール部材88は、ピストン75の外周面に摺接することにより、ブレーキペダルの踏込み操作に従って第2の液圧室10B内に液圧が発生するのを補償し、このときの液圧が、例えば第2のサプライポート72G側に漏洩(逆流)するのを防ぐものである。
次に、90はブレーキペダルの踏込み操作を倍力するブースタ装置としての気圧倍力装置を示し、該気圧倍力装置90は、その外殻を構成するシェル91と、該シェル91内にダイヤフラム(図示せず)等を介して軸方向に移動可能に設けられた可動隔壁92と、該可動隔壁92によりシェル91内に画成された負圧室93および制御圧室(図示せず)と、負圧室93内に設けられ可動隔壁92を矢示B方向に常時付勢するスプリング94と、後述の出力ロッド95とにより大略構成されている。
ここで、気圧倍力装置90のシェル91は、負圧室93側の端部がシリンダ72の開口端72A側に嵌合して取付けられ、シリンダ72とシェル91との間はシール部材等により気,液密にシールされている。また、シェル91内には、第1のピストン74の一側(ロッド収容穴74A側)が摺動可能に挿入され、第1のピストン74は、ロッド収容穴74A内が負圧室93内と常に連通した状態におかれている。
そして、気圧倍力装置90の可動隔壁92は、車両のブレーキ操作により前記制御圧室内に大気が導入されると、この制御圧室(大気圧)と負圧室93との間の圧力差によりスプリング94に抗して矢示A方向に押圧される。このため、後述の出力ロッド95には、ブレーキペダルの踏力を倍力した押圧力が発生し、このときの押圧力によりシリンダ2内のピストン74,75は、軸方向に摺動変位されるものである。
95は気圧倍力装置90の出力ロッドで、該出力ロッド95は、その先端側が第1のピストン74のロッド挿入穴74A内に挿入され、ロッド挿入穴74Aの底部側に突当てた状態に保持されている。そして、出力ロッド95は、第1のピストン74が初期位置(待機位置)に戻るときのストロークエンドを規制する規制部材を構成しているものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1,第2のピストン74,75が初期位置にあるときに、第2の通路孔77とシール部材87との離間寸法(間隔)を、図10に示す如く寸法Lbとし、この寸法Lbは、ピストン74,75間の距離Laよりも大なる寸法関係(Lb>La)に設定する構成としている。
このため、例えばシリンダ72内へのブレーキ液の充填作業等を行うときに、第2のピストン75が図10に示す初期位置から、図11に示すように第1のピストン74に当接する位置まで矢示B方向にオーバリターンしたとしても、第2のピストン75に形成した第2の通路孔77がシール部材87に接触(摺接)する位置まで摺動変位するのを抑えることができ、シール部材87の損傷防止を図ることができる。
そして、シリンダ72の開口端72A側に設けた気圧倍力装置90の出力ロッド95により第1のピストン74のストロークエンドを規制するだけで、第1のピストン74によって第2のピストン75の最大の戻り位置を規制することができるため、ピストン75のオーバリターンに伴う最大戻り位置を簡単な構造で規制することができる。
なお、前記第2の実施の形態では、気圧倍力装置90の出力ロッド95により第1のピストン74のストロークエンドを規制する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばシリンダの開口端側に段付筒状の規制部材を設け、この規制部材により第1のピストンが初期位置に戻るときのストロークエンドを規制する構成としてもよいものである。
また、前記第1の実施の形態では、第2のピストン5が図8に示す最大の戻り位置で第1のピストン4の端面4Cに当接することにより、第2のピストン5のストロークエンドを規制する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1,第2のピストン間に配設する第1の戻りばねが最縮小した状態で、この第1の戻りばねにより第2のピストンのストロークエンド(最大の戻り位置)を規制する構成としてもよく、第1,第2のピストンが必ずしも直接に当接しない状態で最大の戻り位置を規制する構成としてもよい。そして、この点は第2の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、ストロークシミュレータ20のシミュレータケース21をシリンダ2に一体形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばシミュレータケース等をシリンダとは別体に形成する構成としてもよいものである。
本発明の第1の実施の形態によるマスタシリンダ装置を示すブレーキ液圧回路図である。 図1中のマスタシリンダ装置を拡大して示す縦断面図である。 図2中のシリンダおよびストロークシミュレータ等を拡大して示す断面図である。 図3中の蓋体を単体として示す断面図である。 図4の蓋体を右側からみた右側面図である。 図4の蓋体を左側からみた左側面図である。 蓋体を図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。 シリンダ内で第2のピストンがオーバリターンした状態を示す図3と同様位置での断面図である。 第2の実施の形態によるマスタシリンダ装置を示す縦断面図である。 図9中のシリンダ、第1,第2のピストン等を拡大して示す断面図である。 シリンダ内で第2のピストンがオーバリターンした状態を示す図10と同様位置での断面図である。
符号の説明
1,71 マスタシリンダ装置
2,72 シリンダ
2A,72A 開口端
2B,72B 底部
3,73 リザーバ
4,74 第1のピストン
5,75 第2のピストン
6,76 第1の通路孔
7,77 第2の通路孔
8 プッシュロッド
9 ブレーキペダル
10A 第1の液圧室
10B 第2の液圧室
11A,11B,78A,78B 配管ポート
12,79 第1の戻しばね
15,84 第2の戻しばね
16,80,85 リテーナ部材(ばね長制限部材)
17,81,86 ストッパ部材(ばね長制限部材)
18,87 シール部材
20 ストロークシミュレータ
21 シミュレータケース
22 通液路
23,46 フィルタ
24 蓋体(規制部材)
25 ピストンカバー部
25B ストッパ部
35 ナット
36 段付ピストン(可動隔壁)
37 蓄圧室
38 ばね室
39,40 スプリング(付勢部材)
43 ソレノイドバルブ(開閉弁)
44 弁座部材
50 弁体
52A,52B ホイールシリンダ
53A,53B ブレーキ配管
54A,54B フェイルセーフ弁
55A,55B 液圧ユニット(液圧源)
56A,56B 液圧ポンプ
58A,58B 供給弁
59A,59B 排出弁
60 コントロールユニット(制御装置)
90 気圧倍力装置(ブースタ装置)
95 出力ロッド(規制部材)
La 距離
Lb 寸法

Claims (5)

  1. 一側が開口端となり他側が底部となって閉塞された有底筒状のシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌されブレーキ操作に応じて該シリンダ内を軸方向に変位する第1,第2のピストンと、該第1,第2のピストンの間で前記シリンダ内に画成された第1の液圧室と、前記シリンダの底部と第2のピストンとの間で前記シリンダ内に画成された第2の液圧室と、前記第1の液圧室内に位置して前記第1,第2のピストンの間に配設され前記第1のピストンを前記シリンダの開口端側に向けて付勢する第1の戻しばねと、前記第2の液圧室内に位置して前記シリンダの底部と第2のピストンとの間に配設され前記第2のピストンを第1のピストン側に向けて付勢する第2の戻しばねと、前記第1,第2のピストンとシリンダとの間をシールするため前記シリンダにそれぞれ設けられた複数のシール部材とを備え、
    前記第1,第2のピストンには、ブレーキ操作を行う前の初期位置にあるときにブレーキ液を貯留するリザーバに前記第1,第2の液圧室を連通させ、ブレーキ操作を開始すると前記第1,第2の液圧室をリザーバに対して遮断する第1,第2の通路孔を形成してなるタンデム型マスタシリンダ装置において、
    前記シリンダの開口端側には、前記第1のピストンが初期位置に戻るときのストロークエンドを規制する規制部材を設け、前記第2のピストンは、前記初期位置に戻った第1のピストンにより最大の戻り位置を規制される構成とし、
    前記複数のシール部材のうち前記第2のピストンに摺接し前記第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが最大の戻り位置に達しても前記第2の通路孔が移動してこない位置に配置されことを特徴とするタンデム型マスタシリンダ装置。
  2. 前記第2のピストンに摺接し前記第1の液圧室をリザーバ側に対して封止するシール部材は、前記第2のピストンが初期位置にあるときに前記第2の通路孔から所定の寸法(Lb)だけ離間した位置に配置され、
    前記第2のピストンが初期位置から前記第1のピストンにより規制される最大の戻り位置までの間の距離(La)を前記所定の寸法(Lb)よりも小さい寸法に設定したことを特徴とする請求項1に記載のタンデム型マスタシリンダ装置。
  3. 前記第1,第2の戻しばねのうち少なくとも一方の戻しばねには、当該戻しばねが最大伸長するときのばね長さを予め決められた所定長に制限するばね長制限部材を設けてなる請求項1または2に記載のタンデム型マスタシリンダ装置。
  4. 前記第1の戻しばねは、前記第2の戻しばねよりも付勢力が小さいばねにより構成してなる請求項1,2または3に記載のタンデム型マスタシリンダ装置。
  5. 前記シリンダは、内部に画成した前記第1,第2の液圧室を車輪側のホイールシリンダに第1,第2のブレーキ配管を介して接続すると共に、該第1,第2のブレーキ配管の途中には第1,第2のフェイルセーフ弁を設ける構成とし、前記シリンダには、該第1,第2のフェイルセーフ弁により前記第1,第2の液圧室とホイールシリンダとの間を遮断しているときに前記第1の液圧室内の液圧を蓄圧しブレーキ反力を生じさせるストロークシミュレータを設ける構成としてなる請求項1,2,3または4に記載のタンデム型マスタシリンダ装置。
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