JP2004299607A - マスタシリンダ - Google Patents

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Kazuaki Shimizu
和明 清水
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Abstract

【課題】BBWシステムのフェイルセーフ時にセカンダリピストンのシール損傷を防止し、かつ大型化を抑えたマスタシリンダを提供する。
【解決手段】シリンダ本体20に装嵌される第2スリーブ25の内周には、周方向通路56と補給通路57との間にセカンダリピストン23の外周が摺動可能なカップシール59が設けられている。セカンダリピストン23には、プライマリ圧力室27に開口する軸方向孔66と、セカンダリピストン23の外周にその周方向において部分的に開口する4つの周方向孔67とが穿設されている。
この周方向孔67の開口67aは、フェイルセーフ時にセカンダリピストン23がその非作動位置から所定量移動すると、セカンダリピストン23の周方向孔67の開口67aが第2スリーブ25に保持されたカップシール59にラップし、周方向孔67と周方向通路56との連通が遮断される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の制動系統に配置されるマスタシリンダに係り、特にブレーキペダルの操作に応じて液圧源からの液圧を制御してホイールシリンダに液圧を供給するブレーキ液圧制御システム、いわゆるブレーキバイワイヤ(以下、BBWと略す)システムに用いて好適なマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のBBWシステムに用いられるマスタシリンダには、システムが失陥したときに2系統の液圧発生装置として作動するフェイルセーフ用の液圧発生機能と、システムの正常動作時にブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータ機能とが装備されている。
【0003】
このストロークシミュレータ機能を備えたマスタシリンダは、BBWシステムの正常動作時には、そのストロークシミュレータ機能により、ブレーキペダル操作によって発生するマスタシリンダのプライマリ圧力室の液圧を蓄圧してブレーキペダルのストロークフィーリングを確保する。また、BBWシステムの失陥時すなわちフェイルセーフ時には、ストロークシミュレータにプライマリ圧力室の液圧を蓄圧させないようにし、ブレーキペダルの操作によってプライマリ圧力室及びセカンダリ圧力室で発生する液圧をホイールシリンダに供給する。
【0004】
従来、このようなマスタシリンダとしては、マスタシリンダのシリンダ孔外にアキュムレータを配置して、このアキュムレータをストロークシミュレータとして、アキュムレータの蓄圧室側をプライマリ圧力室側に接続したものがある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特表2001−526150号公報
このものは、アキュムレータの蓄圧室側をプライマリ圧力室側に接続する通路の途中に、セカンダリピストンの移動によって当該通路を連通遮断する機構を有している。この機構の一の実施例として、シリンダ孔に形成された環状の周溝をアキュムレータの蓄圧室側とプライマリ圧力室側とを接続する通路とし、セカンダリピストンのプライマリ圧力室側端部の外周に前記周溝に対応してOリングを配設している。そして、BBWシステムの正常動作時には、周溝によりアキュムレータとプライマリ圧力室とを連通し、また、フェイルセーフ時には、セカンダリピストンの移動に伴ってOリングが周溝からずれてシリンダ孔に当接し、アキュムレータとプライマリ圧力室との連通が遮断されるようになっている。
【0006】
また、他の実施例として、セカンダリピストンの内部にプライマリ圧力室とアキュムレータとを連通する連通路が形成され、その連通路内を摺動可能でシリンダ本体に固定されたプランジャを配設するものがある。このものでは、フェイルセーフ時にセカンダリピストンが移動したとき、プランジャによって連通路の連通が遮断するものとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に示されるマスタシリンダの一の実施例においては、セカンダリピストンの端部外周に配設されたOリングがセカンダリピストンの移動に伴って移動して周溝の端部に当接する。このとき、周溝はシリンダ内周の全周に亘って形成されているため、Oリングは周溝の端部とセカンダリピストンとの間に挟まれて損傷する可能性がある。
【0008】
また、他の実施例においては、セカンダリピストンの内部に摺動可能なプランジャが配設されるため、セカンダリピストンの径寸法を大きくせざるを得ず、マスタシリンダ全体が大型化してしまうといった問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、BBWシステムに用いるマスタシリンダにおいて、圧力室(液圧発生室)とアキュムレータとを連通する連通路を遮断するシール部材の損傷を防止するとともに、マスタシリンダの大型化を抑えることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、有底筒状のシリンダ内に、ブレーキペダルの操作により摺動可能にプライマリピストンとセカンダリピストンとをシリンダの軸方向直列に配置するとともに、前記シリンダ内の前記プライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧発生室と、該液圧発生室をホイールシリンダにフェイルセーフ弁を介して接続するべく前記シリンダに穿設される吐出口と、前記シリンダ外に設けられ、前記液圧発生室で発生する液圧を蓄圧するストロークアキュムレータとを有するマスタシリンダにおいて、前記セカンダリピストンの外周に面して開口するように前記シリンダに穿設され、前記ストロークアキュムレータと連通するアキュムレータ通路と、前記セカンダリピストンの内部に穿設され、一端が液圧発生室に連通するとともに、他端が前記セカンダリピストンの外周にその周方向において部分的に開口する連通路と、前記シリンダに設けられ、前記セカンダリピストンがその非作動位置から前記ブレーキペダルの操作方向に所定量移動したとき、前記アキュムレータ通路と前記連通路との連通を遮断するシール部材とからなることを特徴としている。
【0011】
本発明のマスタシリンダにおいては、正常作動時に液圧発生室で発生した液圧が連通路及びアキュムレータ通路を介してストロークアキュムレータに供給される。また、フェイルセーフ弁が前記液圧発生室とホイールシリンダとが連通したとき、セカンダリピストンが非作動位置から前記ブレーキペダルの操作方向へ所定量移動することで、連通路の開口が移動し、シール部材によりアキュムレータ通路と連通路との連通が遮断される。このとき、連通路はセカンダリピストンの外周にその周方向において部分的に開口しているため、シール部材が連通路の開口に挟まれて損傷することはない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明のマスタシリンダ1を含むBBWシステムの系統図である。同図において、本発明に係るマスタシリンダ1は、ブレーキペダル2に作動連結されており、通常時には、ブレーキペダル2の操作に応じて所定の液圧を発生する液圧制御装置3が四輪それぞれに設けられたホイールシリンダ4(4A,4B,4C,4D)に液圧を供給するようになっている。各ホイールシリンダ4に対しては、マスタシリンダ1と液圧制御装置3とを選択的に接続するフェイルセーフ弁5(5A,5B,5C,5D)が設けられている。
【0014】
マスタシリンダ1には、ストロークアキュムレータ6(ストロークシミュレータ)が設けられており、後に詳述するようにタンデムマスタシリンダとしての液圧発生機能とストロークシミュレータとしての機能とを併せ持っている。また、マスタシリンダ1で発生させた液圧は、前・後輪単位でまたはX型配列で二系統に区分したホイールシリンダ4Aと4B並びに4Cと4Dへ配管7,8を通じて供給されるようになっている。なお、各フェイルセーフ弁5は、常時は各ホイールシリンダ4をマスタシリンダ1に接続するようにその位置が設定されている。
【0015】
本実施の形態において、上記液圧制御装置3は液圧源9と、液圧制御弁10と電子制御ユニット(ECU)11とを備えている。液圧制御弁10は、電子制御ユニット11からの指令で作動するリニアソレノイド(図示略)の推力に応じて液圧源9からの液圧を調圧(制御)する機能を有している。なお、液圧源9は、マスタシリンダ1に取り付けられたリザーバ14に、図示しない配管によって接続されている。
【0016】
電子制御ユニット11は、ブレーキペダル2の踏込量や踏込力を検出するセンサ12からの信号に基づき各フェイルセーフ弁5(5A,5B,5C,5D)を液圧制御装置3側へ切換えると共に、液圧制御弁10内の前記リニアソレノイドに供給する前記踏込量や踏込力に応じた電流を制御する。これにより液圧制御弁10は所定の液圧を発生し、この液圧は各フェイルセーフ弁5を介して四輪のホイールシリンダ4(4A,4B,4C,4D)へ均等に供給されるようになる。
【0017】
なお、この液圧供給によっても各ホイールシリンダ4への液圧が上昇しないことが、対応する液圧センサ13によって確認されると、電子制御ユニット11は、フェイルセーフ弁5を図示の位置に復帰させて、マスタシリンダ1での発生液圧を直接各ホイールシリンダ4へ供給可能にする。
【0018】
つぎに、図2の断面図に詳細に示すように、本発明におけるマスタシリンダ1は、有底筒状のシリンダ本体20を備え、このシリンダ本体20の段付孔となったシリンダ内周21に二つのピストン、すなわちプライマリピストン22とセカンダリピストン23とを配設している。シリンダ内周21は、底部21aから順に小径部21b、中径部21c、及び大径部21dが形成されている。各ピストン22、23は、大径部21dに嵌装した二つのスリーブ、第1スリーブ24と第2スリーブ25とによりそれぞれ摺動案内されるようになっている。第1スリーブ24及び第2スリーブ25は、シリンダ内周21の開口端部に固定したカップ状のカバー26により押えられて、その位置が固定されている。なお、本実施の形態においては、本発明のシリンダを、シリンダ本体20、第1スリーブ24、及び第2スリーブ25により構成している。
【0019】
プライマリピストン22の先端部(シリンダ内周21の底部21a側端部)はカップ部22aとなっており、カップ部22a内を含む第1スリーブ24内のプライマリピストン22とセカンダリピストン23との間で、プライマリ圧力室27(液圧発生室)が形成されている。また、セカンダリピストン23の先端部(シリンダ内周21の底部21a側端部)はカップ部23aとなっており、このカップ部23a内を含むセカンダリピストン23と底部21aとの間で、セカンダリ圧力室28が形成されている。
【0020】
シリンダ本体20には、その前・後部に離間して前記リザーバ14(図1参照)内の独立の室にそれぞれ連通する二つのリザーバポート29、30が設けられている。また、シリンダ本体20には、前記配管7に接続されるプライマリ吐出ポート31と前記配管8に接続されるセカンダリ吐出ポート32とが、シリンダ本体20の前・後部に離間して設けられている。
【0021】
シリンダ本体20には、シリンダ内周21の他に前記ストロークアキュムレータ6を構成するためのアキュムレータ孔33が設けられている。このアキュムレータ孔33には、その内部を摺動可能でカップシールが介装されたピストン34が設けられ、このピストン34によりバネ室35と蓄圧室36とが画成されている。バネ室35は、ピストン34とアキュムレータ孔33の底部33aとの間に形成され、その内部にはピストン34をアキュムレータ孔33の開口33b側に付勢するバネ37が設けられている。
【0022】
また、アキュムレータ孔33の開口33b側には、アキュムレータ孔33を閉塞するキャップ38が設けられており、このキャップ38と前記ピストン34とにより蓄圧室36が形成される。このキャップ38の内部には、蓄圧室36に開口する蓄圧通路39が設けられている。なお、キャップ38は、その外周にアキュムレータ孔33及び蓄圧通路39を密封するためのOリング40,40が介装されており、ネジ41により位置決めされてシリンダ本体20に固定されている。
【0023】
シリンダ本体20の軸方向における前記プライマリ吐出ポート31と前記セカンダリ吐出ポート32と間には、キャップ38の蓄圧通路39を介してストロークアキュムレータ6の蓄圧室36に連通する蓄圧ポート42が穿設されている。また、この蓄圧ポート42とセカンダリ吐出ポート32と間には、ストロークアキュムレータ6のバネ室35に連通するバネ室通路43が穿設されている。なお、蓄圧ポート42は、アキュムレータ孔33の外周側から大径部21dに向けて穿設され、アキュムレータ孔33の外周側の開口は、蓋部材44で閉止されている。また、バネ室通路43は、前記リザーバポート30とともに穿設されるようになっている。
【0024】
前記第1スリーブ24には、リザーバ14の作動液をリザーバポート29を介して前記プライマリ圧力室27に補給するための補給通路45が穿設されている。また、第1スリーブ24の外周にはシリンダ内周21を密封するためのOリング46が設けられ、第1スリーブ24の内周には、プライマリ圧力室27を密封するためにプライマリピストン22が摺動可能となっているカップシール47とが設けられている。
【0025】
前記第2スリーブの外周には、シリンダ孔21の開口側から順に、前記リザーバポート29と補給通路45とを接続するための環状溝48と、前記プライマリ吐出ポート31に接続される環状溝49と、前記蓄圧ポート42に接続される環状溝50と、リザーバポート30に接続される環状溝51とが形成されている。
【0026】
上記各環状溝48,49,50,51の間には、各環状溝48,49,50,51の間をそれぞれ密封するためのOリング52,53,54が設けられている。
【0027】
上記環状溝49には、環状溝49と第2スリーブ25の内周とを接続するための周方向通路55が穿設され、上記環状溝50には、環状溝50と第2スリーブ25の内周とを接続するための周方向通路56が穿設されている。また、上記環状溝51には、リザーバ14の作動液をリザーバポート30を介して前記セカンダリ圧力室28に補給するための補給通路57が穿設されている。ここで、本実施の形態においては、本発明の吐出口を前記プライマリ吐出ポート31、環状溝49及び周方向通路55により構成している。また、本発明のアキュムレータ通路を前記蓄圧通路39、前記蓄圧ポート42、環状溝50、及び上記周方向通路56により構成している。
【0028】
第2スリーブ25の内周側でシリンダ内周21の開口側の端部には、前記プライマリピストン22の外周が摺動可能なカップシール58が設けられている。また、第2スリーブ25の内周における周方向通路56と補給通路57との間には、前記セカンダリピストン23側に開口する環状の周溝25aが形成されている。この周溝25a内には、セカンダリピストン23の外周が摺動可能なカップシール59(シール部材)が設けられている。さらに、シリンダ内周21の中径部21cには、前記セカンダリピストン23の外周が摺動可能なカップシール60が設けられている。
【0029】
前記プライマリピストン22のカップ部22aには、外周側が第1スリーブ24の内周または第2スリーブ25の内周に面して開口し、内周側が前記プライマリ圧力室27に常時開口している補給孔22bが穿設されている。補給孔22bと第1スリーブ24の補給通路45とは、プライマリピストン22の外周と第1スリーブ24の内周との間の隙間により連通状態となっている。また、プライマリピストン22は、その後端部(シリンダ孔21の開口端部側)に形成した凹部22cに前記ブレーキペダル2から延びた入力軸2a(図1参照)の先端を受入れることにより、該ブレーキペダル2の踏込みに応じて第1スリーブ24及び第2スリーブ25内をその奥側へ前進するようになっている。
【0030】
このようにブレーキペダル2の踏込みに応じてプライマリピストン22が前進して、補給孔22bの外周側が前記カップシール58の位置まで来てラップすると、前記プライマリ圧力室27と第1スリーブ24の補給通路45との連通が遮断されて前記プライマリ圧力室27内にある作動液を押圧して液圧が発生するようになっている。
【0031】
プライマリピストン22のカップ部22aを含むプライマリ圧力室27内には第1スプリング61が配設されている。この第1スプリング61は、軸部材62を介して相互に接近離間可能に連結された二つのカップ状ばね受け63と64に両端を着座させた状態で配置され、常時はプライマリピストン22をカバー26側へ付勢している。ここで、カバー26は、プライマリピストン22の抜け止めとしても機能している。
【0032】
前記セカンダリピストン23のカップ部23aには、外周側が第2スリーブ25の内周側に面して開口し、内周側が前記セカンダリ圧力室28に常時開口している補給孔23bが穿設されている。補給孔23bと第2スリーブ25の補給通路57とは、セカンダリピストン23の外周と第2スリーブ25の内周との間の隙間により連通状態となっている。セカンダリピストン23は、前記液圧源9の異常等のフェイルセーフ時に配管8の途中に設けられているフェイルセーフ弁5A,5Bがマスタシリンダ1とホイールシリンダ4A,4Bとを連通状態としているときに前進することができる。このとき、補給孔23bの外周側が前記カップシール60の位置まで来てラップすると、前記セカンダリ圧力室28と第2スリーブ25の補給通路57との連通が遮断されて前記セカンダリ圧力室28内にある作動液を押圧して液圧が発生するようになっている。
【0033】
セカンダリピストン23のカップ部23aを含むセカンダリ圧力室28内には第2スプリング65が配設されている。この第2スプリング65は、カップ部23aの底部とシリンダ内周21の底部21aとに両端を着座させた状態で配置され、常時はセカンダリピストン23をプライマリピストン22側へ付勢している。
【0034】
セカンダリピストン23は、その後端部(シリンダ内周21の開口端部側)に前記プライマリ圧力室27に開口する軸方向孔66が穿設されている。また、この軸方向孔66の底部側には、一端が軸方向孔66に連通して他端がセカンダリピストン23の外周にその周方向において部分的に開口する4つの周方向孔67が穿設されている。この周方向孔67のセカンダリピストン23外周側の開口67aは、マスタシリンダ1の非作動時やマスタシリンダ1での発生液圧を直接各ホイールシリンダ4へ供給しないとき、すなわち、セカンダリピストン23が非作動位置にあるときに、前記第2スリーブ25の周方向通路56とカップシール59との間に位置するようになっている。この状態において、周方向孔67と前記周方向通路56とは、セカンダリピストン23の外周と第2スリーブ25内周との間の隙間により連通状態となっている。そして、フェイルセーフ時にセカンダリピストン23がその非作動位置から所定量移動すると、セカンダリピストン23の周方向孔67の開口67aが第2スリーブ25に保持されたカップシール59にラップし、周方向孔67と周方向通路56との連通が遮断される。このため、プライマリ圧力室27はアキュムレータ6の蓄圧室36との連通が遮断されることになる。なお、本実施の形態においては、本発明の連通路を上記軸方向孔66と上記周方向孔67とにより構成している。
【0035】
セカンダリピストン23には、その外周の後端部に前記プライマリ圧力室27と周方向通路56との間を密封するためのカップシール68と、前記周方向孔67及び第2スリーブ25のカップシール59よりも底部21a方向の外周に前記プライマリ圧力室27と補給通路57との間を密封するためのカップシール69とが設けられている。
【0036】
本発明のマスタシリンダ1は、以上のような構成を有しているもので、つぎに、BBWシステムの作動状態におけるマスタシリンダ1の作用を説明する。
【0037】
まず、液圧制御装置3が正常に動作している場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁5が液圧制御装置3側へ切換えられる。このため、マスタシリンダ1内のプライマリ圧力室27及びセカンダリ圧力室28内の作動液のプライマリ吐出ポート31及びセカンダリ吐出ポート32からの吐出は遮られている。
【0038】
この状態のもと、ブレーキペダル2が踏込まれるとプライマリピストン22が第1スプリング61を撓めて前進することで、プライマリピストン22の補給孔22bがカップシール58にラップして、プライマリ圧力室27と補給通路45との連通が遮断されてプライマリ圧力室27の液圧が高まる。このプライマリ圧力室27の液圧は、セカンダリピストン23の軸方向孔66・周方向孔67・第2スリーブ25の周方向通路56・環状溝50・蓄圧ポート42・キャップ38の蓄圧通路39を介してストロークアキュムレータ6の蓄圧室36に作用する。この液圧によりピストン34が底部33a側に付勢される。一方、ストロークアキュムレータ6のバネ室35は、バネ室通路43・第2スリーブ25の環状溝51・リザーバポート30を介してリザーバ14に接続されているので、大気圧となっており、ピストン34によりバネ37が撓められる。このときにバネ37が撓められる力が反力としてブレーキペダル2に伝わり、制動力(ブレーキペダル2の踏込量・踏込力)に則したペダルフィーリング性が確保される。
【0039】
次に、液圧制御装置3が失陥した場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁5が切換わってマスタシリンダ1が各ホイールシリンダ4へ接続される。
【0040】
この状態でブレーキペダル2が踏込まれるとプライマリピストン22とセカンダリピストン23とが一体的に前進し、セカンダリ圧力室28内の液圧がセカンダリ吐出ポート32を通じて一系統のホイールシリンダ4A,4Bへ供給される。この結果、セカンダリピストン23の周方向孔67の開口67aが第2スリーブ25に保持されたカップシール59にラップし、周方向孔67と周方向通路56との連通が遮断されるので、プライマリ圧力室27はアキュムレータ6の蓄圧室36との連通が遮断されることになる。このため、プライマリ圧力室27において発生する液圧を蓄圧室36へ浪費することなく、プライマリ吐出ポート31を介して必要な液圧が他系統のホイールシリンダ4C,4Dへ供給されることになる。
【0041】
このように、本実施の形態におけるマスタシリンダ1は、フェイルセーフ時には、一般的なタンデムマスタシリンダとして機能する。
【0042】
したがって、本実施の形態のマスタシリンダ1は、液圧制御装置3の失陥やホイールブレーキ系統の失陥に対して、有効にフェイルセーフ機能を発揮するものとなる。
【0043】
また、上述した周方向孔67の開口67aがカップシール59にラップするとき、周方向孔67の開口67aとカップシール59とが当接することになる。しかしながら、周方向孔67の開口67aがセカンダリピストン23の外周にその周方向において部分的に設けられているため、カップシール59が周方向孔67の開口67aによって挟まれて損傷することはない。
【0044】
さらに、蓄圧室36への液圧供給を遮断ためにセカンダリピストン23内にプランジャを配置する必要がないため、セカンダリピストン23の径寸法を必要以上に大きくすることがなく、マスタシリンダ1の大型化を抑止することができる。
【0045】
セカンダリピストン23が移動すると、すぐに周方向孔67の開口67aがカップシール59にラップするので、無効ストロークがほとんどなくなって所望のブレーキ操作性が確保される。
【0046】
なお、本実施の形態においては、シリンダ内周21の大径部21dに第1スリーブ24と第2スリーブ25とを装嵌して、これらスリーブ24,25の内周を2つのピストン22,23が摺動する構成としているが、第1スリーブ24及び第2スリーブ25を設けずに、シリンダ内周に直接2つのピストン22,23を摺動させる構成としてもよい。
【0047】
また、本実施の形態においては、本発明のシール部材をカップシール59としたが、シール部材の形状としてOリングを用いてもよい。
【0048】
本実施例においては、セカンダリピストン23内に穿設する周方向孔67を4つ設けることとしたが、この周方向孔67はセカンダリピストン23の外周にその周方向において部分的に開口するように、少なくとも1つ穿設されていればよい。
【0049】
本実施例においては、カップシール69をセカンダリピストン23の外周に設けるように構成したが、これに限らず、第2スリーブ25の内周に設けるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のマスタシリンダは、有底筒状のシリンダ内に、ブレーキペダルの操作により摺動可能にプライマリピストンとセカンダリピストンとをシリンダの軸方向直列に配置するとともに、前記シリンダ内の前記プライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧発生室と、該液圧発生室をホイールシリンダにフェイルセーフ弁を介して接続するべく前記シリンダに穿設される吐出口と、前記シリンダ外に設けられ、前記液圧発生室で発生する液圧を蓄圧するストロークアキュムレータとを有するマスタシリンダにおいて、前記セカンダリピストンの外周に面して開口するように前記シリンダに穿設され、前記ストロークアキュムレータと連通するアキュムレータ通路と、前記セカンダリピストンの内部に穿設され、一端が液圧発生室に連通するとともに、他端が前記セカンダリピストンの外周にその周方向において部分的に開口する連通路と、前記シリンダに設けられ、前記セカンダリピストンがその非作動位置から前記ブレーキペダルの操作方向に所定量移動したとき、前記アキュムレータ通路と前記連通路との連通を遮断するシール部材とからなるように構成されている。
【0051】
この構成により、本発明のマスタシリンダによれば、正常作動時に液圧発生室で発生した液圧が連通路及びアキュムレータ通路を介してストロークアキュムレータに供給される。また、フェイルセーフ弁が前記液圧発生室とホイールシリンダとが連通したとき、セカンダリピストンが非作動位置から前記ブレーキペダルの操作方向へ所定量移動することで、連通路の開口が移動し、シール部材によりアキュムレータ通路と連通路との連通が遮断される。このとき、連通路はセカンダリピストンの外周にその周方向において部分的に開口しているため、シール部材が連通路の開口に挟まれて損傷することはない。また、ストロークアキュムレータへの液圧供給を遮断ためにセカンダリピストン内にプランジャを配置する必要がないため、セカンダリピストンの径寸法を必要以上に大きくすることがなく、マスタシリンダの大型化を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマスタシリンダを含むBBWシステムの系統図である
【図2】本発明の実施の形態としてのマスタシリンダの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ
6 ストロークアキュムレータ
20 シリンダ本体(シリンダ)
21 シリンダ内周
21b 小径部
22 プライマリピストン
23 セカンダリピストン
24 第1スリーブ(シリンダ)
25 第2スリーブ(シリンダ)
27 プライマリ圧力室(液圧発生室)
28 セカンダリ圧力室
31 プライマリ吐出ポート(吐出口)
39 蓄圧通路(アキュムレータ通路)
42 蓄圧ポート(アキュムレータ通路)
49 環状溝(吐出口)
50 環状溝(アキュムレータ通路)
55 周方向通路(吐出口)
56 周方向通路(アキュムレータ通路)
59 カップシール(シール部材)
66 軸方向孔(連通路)
67 周方向孔(連通路)
67a 開口(連通路の開口)

Claims (1)

  1. 有底筒状のシリンダ内に、ブレーキペダルの操作により摺動可能にプライマリピストンとセカンダリピストンとをシリンダの軸方向直列に配置するとともに、前記シリンダ内の前記プライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧発生室と、該液圧発生室をホイールシリンダにフェイルセーフ弁を介して接続するべく前記シリンダに穿設される吐出口と、前記シリンダ外に設けられ、前記液圧発生室で発生する液圧を蓄圧するストロークアキュムレータとを有するマスタシリンダにおいて、
    前記セカンダリピストンの外周に面して開口するように前記シリンダに穿設され、前記ストロークアキュムレータと連通するアキュムレータ通路と、
    前記セカンダリピストンの内部に穿設され、一端が液圧発生室に連通するとともに、他端が前記セカンダリピストンの外周にその周方向において部分的に開口する連通路と、
    前記シリンダに設けられ、前記セカンダリピストンがその非作動位置から前記ブレーキペダルの操作方向に所定量移動したとき、前記アキュムレータ通路と前記連通路との連通を遮断するシール部材とからなることを特徴とするマスタシリンダ。
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