JP2005104336A - マスタシリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスタシリンダを大型化することなく、ストロークシミュレータの円滑な作動とマスタシリンダ自体の円滑な作動とを保証する。
【解決手段】 ホイールシリンダ1に対してフェイルセーフ弁2を介して接続されるタンデム型マスタシリンダ4のシリンダ本体10に、マスタシリンダ4内の液圧室13のブレーキ液をシミュレータ通路6を通じて導入して、ブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータ5と、制御系失陥時にセカンダリピストン12の動きと連動してシミュレータ通路6を閉じるチルト弁7と、フェイルセーフ弁2の開弁時(制御系の失陥時)にはチルト弁7の二次側のシミュレータ通路6を閉じる一方で、マスタシリンダ4からホイールシリンダ1へのブレーキ液の流通を許容するスプール弁9とを内蔵するバルブボデー50を外付けする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のブレーキ系統に係り、特にホイールシリンダへ供給する液圧を電気的に制御するブレーキ制御装置に用いられるマスタシリンダ装置に関する。
この種のブレーキ制御装置に用いられるマスタシリンダ装置は、ホイールシリンダに対してフェイルセーフ弁を介して接続されるマスタシリンダと該マスタシリンダ内のブレーキ液を導入してブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備えており、制御系の失陥時には、前記フェイルセーフ弁が開かれて、マスタシリンダの発生液圧がホイールシリンダへ供給されるようになっている。
そして従来、このようなマスタシリンダ装置としては、特許文献1に記載されるものがあった。このものは、タンデム型マスタシリンダのシリンダ本体にストロークシミュレータを外付けしてなっており、マスタシリンダ内のプライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧室と、前記ストロークシミュレータとを連通する通液路が、後退位置にあるセカンダリピストンに対するピストンシール位置よりもプライマリピストン側に設定されている。
そして、その1つの実施形態(特許文献1の図2、3)では、セカンダリピストンの延長端部(ランド)にシール部材を支持させると共に、シリンダ本体のボア内面に、セカンダリピストンが後退位置にあるときに前記シール部材に対向して配置される環状溝を形成し、制御系の正常時には、前記シール部材を前記環状溝に対向させて液圧室内のブレーキ液をストロークシミュレータへ導き、制御系の失陥時には、セカンダリピストンの前進に応じて前記シール部材を前記環状溝を超えて移動させ、ストロークシミュレータへのブレーキ液導入を遮断するようにしている。また、他の実施形態では(特許文献1の図4、5)では、セカンダリピストンの延長部に設けた軸方向孔にプランジャを摺動可能に嵌装し、該プランジャをスプール弁として機能させ(図4)、あるいは前記孔内に嵌装したシール部材に接離可能とし(図5)、制御系の正常時には、前記プランジャにより流路を開いて液圧室内のブレーキ液をストロークシミュレータへ導き、制御系の失陥時には、前記プランジャをセカンダリピストンと相対移動させて、ストロークシミュレータへのブレーキ液の導入を遮断するようにしている。
特表2001−526150号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のマスタシリンダ装置によれば、何れの実施形態ともに、マスタシリンダ内のセカンダリピストンの移動によってストロークシミュレータに対するブレーキ液の導入および導入遮断を行う機構が配設されている。ここで、制御系が失陥した時に、前記液圧室のブレーキ液がホイールシリンダに供給されることになるが、上述した特許文献1の構成では、セカンダリピストンが移動するまでの間、ホイールシリンダに供給されるべき液圧室のブレーキ液がストロークシミュレータに導入されてしまう。この結果、ストロークシミュレータに導入されるブレーキ液分のプライマリピストンのストロークがそのまま無効ストロークとなってしまうという問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、制御系が失陥した時に、無効ストロークを最小限に抑えて効率のよい制動を可能とし得るマスタシリンダ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、ホイールシリンダに対してフェイルセーフ弁を介して接続されるタンデム型マスタシリンダと、該マスタシリンダ内のプライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧室のブレーキ液を導入して、ブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備え、前記ストロークシミュレータが前記マスタシリンダのシリンダ本体に外付けされるマスタシリンダ装置において、前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとを連通するシミュレータ通路に、セカンダリピストンの移動に応じて該シミュレータ通路を開閉する開閉手段と、該開閉手段と前記ストロークシミュレータとの間のシミュレータ通路および前記液圧室と前記ホイールシリンダとの間に設けられ、前記液圧室から前記ホイールシリンダへのブレーキ液の流れに応じて前記シミュレータ通路における前記ストロークシミュレータに対するブレーキ液の導入を遮断する切替手段とを配設したことを特徴とする。
このように構成したマスタシリンダ装置においては、制御系が失陥してフェイルセーフ弁が開弁される時には、切替手段により液圧室から前記ホイールシリンダへのブレーキ液の流れに応じて前記シミュレータ通路における前記ストロークシミュレータに対するブレーキの導入が直ちに遮断されるので、ペダルストロークの無駄な消費すなわち無効ストロークが最小限に抑えられる。
本発明において、上記切替手段はスプール弁からなる構成とすることができ、この場合は、迅速に液圧室からストロークシミュレータへのブレーキ液の導入を遮断することができる。前記スプール弁は、内部をマスタシリンダとホイールシリンダとを連通させる連通路として提供する中空スプールを備えており、該中空スプールは、その中空内部に前記連通路を絞る絞り手段を設けている構成とすることができる。このようにスプール弁を構成することで、制御系の失陥時には中空スプールがマスタシリンダの液圧室の圧力を受けて自動的に移動し、特別の駆動手段を設けてスプール弁の開閉を行う必要がなくなる。この絞り手段は、絞り通路を有する絞り部材からなり、該絞り部材は弾性体からなって、その絞り通路が、ホイールシリンダからマスタシリンダへのブレーキ液の戻りに応じて、拡大するようになっている構成とすることができ、この場合は、制動解除時におけるホールシリンダからマスタシリンダへのブレーキ液の円滑な戻りが保証される。
本発明に係るマスタシリンダ装置によれば、制御系が失陥した時には、切替手段により開閉手段からストロークシミュレータへのシミュレータ通路が直ちに閉じられるので、無効ストロークが最小限に抑えられる。
また、切替手段としてスプール弁を用いた場合は、迅速に液圧室からストロークシミュレータへのブレーキ液の導入を遮断することができ,装置に対する信頼性が向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るマスタシリンダ装置の全体構造を示したものである。本マスタシリンダ装置は、ホイールシリンダ1に対してフェイルセーフ弁2を介して接続され、ブレーキペダル3の踏力に応じた液圧を発生するタンデム型マスタシリンダ4と、マスタシリンダ4のシリンダ本体10に外付けされ、マスタシリンダ4内のプライマリピストン11とセカンダリピストン12との間に画成される液圧室(第1液圧室)13のブレーキ液を導入して、ブレーキペダル3の必要なストロークを確保するストロークシミュレータ5と、前記第1液圧室13とストロークシミュレータ5内とを連通する通液路(シミュレータ通路)6に介装されたチルト弁(開閉手段)7と、該チルト弁7の二次側の通液路6および前記第1液圧室13内と前記ホイールシリンダ2とを連通する連通路8に共通に介装されたスプール弁(切替手段)9とから概略構成されている。
上記フェイルセーフ弁2は、後輪側または前輪側の2輪のホイールシリンダ1に対してそれぞれ設けられるが、ここでは、説明の便宜のため、フェイルセーフ弁2およびホイールシリンダ1にそれぞれ1つだけ図示している。また、ブレーキ制御装置は、本マスタシリンダ装置以外に液圧源、液圧制御弁、電子制御ユニット等を含む液圧制御手段を備えており、該液圧制御手段は、常時はマスタシリンダ4の発生液圧やブレーキペダル3の操作力または操作量等に基づいてホイールシリンダ1へ供給する液圧を制御するようになっている。
上記マスタシリンダ4は、そのシリンダ本体10のボア14に、前記プライマリピストン11と前記セカンダリピストン12とを摺動可能に収めている。図2によく示されるように、プライマリピストン11は、ピストン部11aとこのピストン部11aに連接された軸部11bとからなっており、その軸部11bが、ボア14の開口端部に液密に装着したピストンガイド15をカップシール16を介して摺動可能に挿通してシリンダ本体10の後方へ延ばされている。また、ピストン部11aには、ボア14の内面との間をシールするカップシール(ピストンシール)17が装着されており、前記第1液圧室13は、このピストンシール17により外部から遮断されている。
一方、セカンダリピストン12の両端部には、ボア14の内面との間をシールするカップシール(ピストンシール)18A、18Bが装着されている。前記第1液圧室13は、このセカンダリピストン12の一端側に装着したピストンシール18Aと前記プライマリピストン11上のピストンシール17とにより密閉室として区画されている。また、尻菜本体10の内底側は、前記セカンダリピストン12の他端側に装着したピストンシール18Bにより液圧室(第2液圧室)19として区画されている。なお、シリンダ本体10には、第1液圧室13内をホールシリンダ1(フェイルセーフ弁2)に連通させる連通路8が接続されるポート20と、第2液圧室19を他のホールシリンダ1(フェイルセーフ弁2)に連通させるポートとが設けられているが、第2液圧室19側のポートについては、図示省略している。
上記プライマリピストン11とセカンダリピストン12との間には第1戻しばね21が、セカンダリピストン12とシリンダ本体10の内底との間には第2戻しばね22がそれぞれ介装されている。第1戻しばね21の一端はプライマリピストン11に装着したリテーナ23に、第2戻しばね22の一端はセカンダリピストン12に装着したリテーナ24にそれぞれ係止されている。プライマリピストン11には、前記ピストンガイド15に添設したストッパプレート25に当接可能なストッパ環26が外嵌されており、プライマリピストン11はそのストッパ環26をストッパプレート25に当接させる位置が戻り位置となっている。一方、セカンダリピストン12は、その中間部に貫設した軸径方向孔(長孔)27に挿入されたストッパピン28により戻り位置が規制されている。ストッパピン28は、ボア14を横断して延ばされ、その基端部がシリンダ本体10の壁に螺着されている。
プライマリピストン11のピストン部11aの背面とピストンガイド15との間には、軸部11bを囲む環状の給油室(プライマリ側給油室)29が形成されている。このプライマリ側給油室29は、シリンダ本体10に設けた通液路30によりリザーバ(図示略)に連通される一方で、前記軸部11bに貫設した軸径方向孔(長孔)31と前記ピストン部11aに貫設した軸方向孔32とにより第1液圧室13に連通されている。
ここで、第1液圧室13に面するプライマリピストン11の端部には前記軸方向孔32が開口する凹部が形成されており、この凹部内には、該軸方向孔32を開閉するセンターバルブ33が配設されている。このセンターバルブ33は、前記リテーナ23に一端が係止された弁ばね34により前記軸方向孔31を閉じる方向へ付勢された弁体35とこの弁体35から軸方向孔32を挿通して前記軸径方向孔31内まで延ばされたバルブステム36とを備えている。前記軸径方向孔31には、前記ストッパ環26に両端部が支持されたストッパピン37が配置されており、プライマリピストン11が戻り位置にあるときには、このストッパピン37にバルブステム36が当接することで、弁体35が軸方向孔31を開く位置に移動し、これにより第1液圧室13が前記リザーバに対して開放される。一方、ストッパ環26は、ばね38によりピストンガイド16側へ付勢されており、プライマリピストン11が前記戻り位置から前進すると、ストッパ環26と一体にストッパピン37がピストンガイド16側へ相対移動し、センターバルブ33の弁体35が軸方向孔32を閉じるようになる。
一方、セカンダリピストン12の中間部は小径部となっており、この小径部の周りは、環状の給油室(セカンダリ側給油室)39として区画されている。このセカンダリ側給油室39は、シリンダ本体10に設けた通液路40により図示を略すリザーバに連通されると共に、セカンダリピストン12に貫設した前記軸径方向孔27とセカンダリピストン12の前端部に貫設した軸方向孔41とにより前記第2液圧室21に連通されている。
また、上記第2液圧室19に面するセカンダリピストン12の端部には前記軸方向孔41が開口する凹部が形成されており、この凹部内には該軸方向孔41を開閉するセンターバルブ42が配設されている。このセンターバルブ42は、前記リテーナ24に一端が係止された弁ばね43により軸方向孔41を閉じる方向へ付勢された弁体44とこの弁体44から軸方向孔41を挿通して前記軸径方向孔27内まで延ばされたバルブステム45とを備えている。セカンダリピストン12が戻り位置にあるときには、前記ストッパピン28にバルブステム45が当接することで、弁体44が軸方向孔41を開く位置に移動し、これにより第2液圧室19が前記リザーバに対して開放される。一方、セカンダリピストン12が前進すると、これと相対にストッパピン28が移動し、センターバルブ42の弁体44が軸方向孔41を閉じる。
本実施形態において、上記ストロークシミュレータ5と、チルト弁7とスプール弁9とは、共通のバルブボデー50内に設定されている。図3にも示されるように、バルブボデー50の一端部には、外周におねじを設けたボス部51が突設されており、バルブボデー50は、そのボス部51を上記シリンダ本体10に形成された凹穴52に設けためねじに螺合させることにより、該シリンダ本体10に直結(外付け)されている。バルブボデー50には、前記通液路6が設けられており、この液通路6は、前記ボス部51の先端からスプール弁9を経てストロークシミュレータ5に至るまで心違いに延ばされている。一方、前記シリンダ本体10の凹穴52の内底部には、前記第1液圧室13を前記バルブボデー50内の通液路6に開通させるポート53が形成されている。このポート53は、後退位置にあるセカンダリピストン12に対するピストンシール18Aの位置よりもプライマリピストン11側であって、該ピストンシール18Aに隣接する部位に設定されている(図2)。
上記ストロークシミュレータ5は、特開平11−334577号公報に記載されたアキュムレータと実質同じものであり、図3によく示されるように、小径ボア60と大径ボア61とを環状のストッパ壁62を介して連接してなっている。小径ボア60内には、円筒状の大径ピストン63と小径ピストン64とが同心に配設されている。大径ピストン63には小径ボア60の内面との間をシールするカップシール(ピストンシール)65Aが、小径ピストン64には大径ピストン63の内面との間をシールするカップシール(ピストンシール)65Bがそれぞれ設けられている。両ピストン63および64と小径ボア60の内底との間には、前記ピストンシール65A、65Bにより密閉の圧力室66が画成されており、この圧力室66に前記通液路6が開口している。
また、上記大径ボア61内には、可動ばね受け67が配設されている。この可動ばね受け67は、大径ボア61の底面との間に介装した大径の第1ばね68により常時は小径ボア60側へ付勢され、その一端側に設けた円筒部67aを小径ボア60内に臨ませている。また、この可動ばね受け67の円筒部67aの内底と前記小径ピストン64との間には、前記第1ばね68よりもばね力の小さい小径の第2ばね69が介装されており、小径ピストン54は、常時はこの第2ばね69により、その先端肩部を大径ピストン63の開口端の内方フランジ63aに当接させる前進端に位置決めされている。なお、大径ボア61内は、前記マスタシリンダ4内の、リザーバと連通するセカンダリ側給油室39に対して管路54により接続されている(図1)。
このようなストロークシミュレータ5において、圧力室66内の液圧が上昇すると、先ず、大径ピストン63および小径ピストン64が第2ばね69のばね力に抗して一体に後退し、大径ピストン53がストッパ壁62に当接した後は、小径ピストン64のみが第2ばね69のばね力に抗して後退する。そして、その後、さらに液圧が上昇すると、小径ピストン64が可動ばね受け67に当接して、小径ピストン64と可動ばね受け67とが第1ばね68のばね力に抗して一体となって後退する。
上記開閉手段としてのチルト弁7は、上記バルブボデー50のボス部51の先端とシリンダ本体10との間に配設されている。このチルト弁7は、図4によく示されるように、前記ボス部51の先端に形成した凹部50a内に通液路6の開口を囲むように設けられた弁座70と、この弁座70に離着座する弁体71と、この弁体71に一端部が係止され、他端部が前記シリンダ本体10のポート53を挿通してマスタシリンダ4内の第1液圧室13内に延出された作動ロッド(駆動部材)72と、バルブボデー50のボス部51の先端に係止されかつシリンダ本体10の凹部52に嵌合されたスリーブ73と、このスリーブ73に嵌合され前記作動ロッド72を支持する弾性支持体74と、ボス部51に一端が係止され、前記弁体71を常時は弁座70に着座する閉弁方向へ付勢する弁ばね75とからなっている。
上記弾性支持体74は、図5に示されるように、周辺の固定部76と、前記作動ロッド72を支持する中心の支持部77と、前記固定部76と支持部77とを連接するスクロール状のブリッジ部78とを備えており、例えば、ポリアミド樹脂により一体成形されている。このようなチルト弁7において、上記作動ロッド72は、セカンダリピストン12が後退位置にあるとき、該セカンダリピストン12の後端部(端部)55に当接してプライマリピストン11側へ移動するようになっており、これに応じて弁体71が、図4に示すように傾動し、バルブボデー50内の通液路6がマスタシリンダ4内の第1液圧室13へ連通される。
上記切替手段としてのスプール弁7は、図3および図6〜8にも示されるように、通液路6と交差して設けられたボア80内に中空スプール81を摺動可能に配設している。ボア80は、その開口端が蓋体82により閉じられており、中空スプール81は、その一端をバルブボデー50によって提供されるボア底に当接させる後退端(図3、6)とその他端を蓋体82に当接させる前進端(図7)との間で摺動できるようになっている。中空スプール81と蓋体82との間には圧縮ばね83が介装されており、中空スプール81は、常時はこの圧縮ばね83のばね力でその一端をボア底に当接させる後退端に位置決めされている。中空スプール81の外周面とボア80の内周面との間には環状室84が形成されており、中空スプール81が後退端に位置決めされている状態において、バルブボデー50内の通液路(シミュレータ通路)6が導通し、これにより上記ストロークシミュレータ5内の圧力室66には、マスタシリンダ4の第1液圧室13内のブレーキ液が供給可能となる。
一方、上記ボア底を提供するバルブボデー50の壁部には、前記連通路8を介してマスタシリンダ4内の第1液圧室13に接続されるポート85が、上記蓋体82には、同じ連通路8を介して前記ホイールシリンダ1に接続されるポート86がそれぞれ設けられており、中空スプール81の中空内部は、マスタシリンダ4とホイールシリンダ1とを連通させる連通路8´として提供されている。しかして、この中空スプール81の中空内部には、前記連通路8´を絞る絞り部材(絞り手段)87が配設されている。この絞り部材87は、弾性体からなっており、その中心部には絞り通路88が形成されている。絞り部材87は、中空スプール81の内面に位置固定されており、中空スプール81と一体に移動する。
上記中空スプール81にはまた、通液路6に臨む環状室84から絞り部材87側へ離間してポート89が形成されいる。このポート89は、中空スプール81が後退端に位置決めされている状態でバルブボデー50に設けたポート90と整合するようになっている。このバルブボデー50のポート90には、前記マスタシリンダ4とホールシリンダ1とを接続する通液路6に一端が接続されたバイパス管路91の他端部が接続されており(図1)、したがって、中空スプール81が前進端に位置決めされている状態で、中空スプール81内の連通路8´は、このポート90と前記蓋体82のポート86との2つのポートを介してホイールシリンダ1に連通される。
以下、上記のように構成したマスタシリンダ装置の作用を説明する。
先ず、ブレーキ制御装置の制御系が正常に作動している場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁2が閉鎖(閉弁)されており、ブレーキペダル3の踏込みに応じてプライマリピストン11が、同図の左方向へ前進し、プライマリピストン11上のストッパ環26と一体にストッパピン25が図1の右方向へ相対移動する。これにより、センターバルブ33の弁体35が弁ばね34のばね力で同図の右方向へ移動し、プライマリピストン11内の軸方向孔32が閉じられ、第1液圧室13と図示を略すリザーバとの連通が遮断される。
この結果、第1液圧室13内にブレーキペダル3の入力に応じた液圧が発生し、このとき、後退位置にあるセカンダリピストン12の後端部53との係合によりチルト弁7の弁体71が開いているので(図4)、第1液圧室13内のブレーキ液は、シリンダ本体10のポート53からバルブボデー50内の通液路6へ供給される。一方、フェイルセーフ弁2が閉じていることから、連通路8の途中のスプール弁9内の中空スプール87にかかる左右液圧は均衡し、中空スプール81は圧縮ばね83のばね力で後退端を維持する(図6)。これにより中空スプール81の周りの管状室84を経てバルブボデー50内の通液路6が導通し、上記マスタシリンダ4の第1液圧室13内のブレーキ液は、通液路6を経てストロークシミュレータ5内の圧力室66に導入される。ここで、第1液圧室13の圧力上昇によりセカンダリピストン12も前進するが、このセカンダリピストン12と相対にストッパピン28(図2)が後退するので、その前面のセンターバルブ42が閉弁動作し、これによりセカンダリピストン12はわずか前進して停止し、この結果、チルト弁7の開弁状態が維持される。
一方、ストロークシミュレータ5の圧力室66にブレーキ液が導入されると、先ず、大径ピストン63および小径ピストン64が第2ばね69のばね力に抗して一体に後退し、これにより圧力室66が急速に拡大し、ブレーキペダル3の適切な初期ストロークが確保される。そして、大径ピストン63がストッパ壁62に当接することで、小径ピストン64のみが第2ばね69のばね力に抗して後退し、この間、ブレーキペダル3のストロークに対する反力が適当に高まり、良好なブレーキ操作感(ペダルフィーリング性)が得られる。その後、さらにブレーキペダル3が踏込まれると、小径ピストン64が可動ばね受け67に当接して、小径ピストン64と可動ばね受け67とが第1ばね68のばね力に抗して一体となって後退する。これにより、ブレーキペダル3のストロークに対する反力がさらに高まり、いわゆる踏み応えが生じて、ペダルフィーリング性は理想の状態となる。なお、このとき、ストロークシミュレータ5内の大径ボア61内は管路54およびマスタシリンダ4内のセカンダリ側給油室39を経由してリザーバと連通されているので、可動ばね受け67の円滑な移動が保証される。
次に、ブレーキ制御装置の制御系が失陥した場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁2が開いてマスタシリンダ4がホイールシリンダ1へ接続される。そして、プライマリピストン11の前進により第1液圧室13に液圧が発生すると、第1液圧室13内のブレーキ液は、ポート20から連通路8およびスプール弁9内の連通路8´を経て対応するホールシリンダ1へ供給される。一方、この第1液圧室13内の液圧上昇によりセカンダリピストン12も前進し、これにより第2液圧室19にも液圧が発生し、該第2液圧室19内のブレーキ液圧も、対応するフェイルセーフ弁2を通ってホイールシリンダ1へ供給される。そして、セカンダリピストン12が前進すると、その後端部55とチルト弁7の作動ロッド72との当接(図4)が外れ、弁体71が弁ばね75の付勢力により起立姿勢となる。すると、バルブボデー50内のシミュレータ通路(通液路)6がマスタシリンダ4内の第1液圧室13から遮断され、これによりストロークシミュレータ5へのブレーキ液供給は停止する。
ところで、上記チルト弁7を構成する作動ロッド72は、セカンダリピストン12がある程度前進しないと起立姿勢とならず、この間、チルト弁7が開いた状態を維持し、そのままブレーキ液がストロークシミュレータ5へ供給されたのでは、ペダルストロークが長くなり、無効ストロークが生じることになる。しかし、本実施形態においては、フェイルセーフ弁2の開弁と同時にマスタシリンダ4内の第1液圧室13のブレーキ液がスプール弁9内に供給される。この場合、中空スプール81内に絞り通路88を有する絞り部材87が存在することから、前記絞り通路88によって連通路8、8´が絞られ、これにより中空スプール81は、図7に示すように圧縮ばね83のばね力に抗して前進する。すると、同図に示すように中空スプール81の周りの環状室84とストロークシミュレータ5に通じる通液路6とが遮断される。すなわち、セカンダリピストン12と連動するチルト弁7の作動と無関係にストロークシミュレータ5へのブレーキ液供給が遮断され、この結果、前記した無効ストロークは著しく低減される。
ここで、上記中空スプール81の前進により、該中空スプール81に設けられたポート89とバルブボデー50に設けられたポート90とが整合し、マスタシリンダ4の第1液圧室13内のブレーキ液は、前記蓋体82のポート86に接続する連通路(本管)8とバイパス管路91とを通してホイールシリンダ1へ供給され、したがって、有効に制動が行われる。
一方、ブレーキペダル3が緩められると、先ず、マスタシリンダ4内のプライマリピストン11が第1戻しばね21のばね力により戻り、第1液圧室13内の液圧が低下する。すると、ホイールシリンダ1からスプール弁9を経由してマスタシリンダ4へブレーキ液が戻り、これに応じてスプール弁9内の中空スプール81も戻り方向へ移動する。そして、中空スプール81に設けられたポート89とバルブボデー50に設けられたポート90との導通が遮断されると、戻り通路が中空スプール81内の絞り部材87内の絞り通路88だけとなるが、絞り部材87が弾性体により形成されているため、図8に示すようにその絞り通路88が拡大し、これによりマスタシリンダ4への円滑なブレーキ液の戻りが保証される。そして、中空スプール81が後退端に達すると環状室84と通液路6とが再び導通するが、この段階では、マスタシリンダ4内のセカンダリピストン12が初期の戻り位置まで復帰していないため、チルト弁7は閉じた状態を維持し、したがって、ストロークシミュレータ5へのブレーキ液供給は遮断されたままとなっている。その後、セカンダリピストンピストン12が第2戻しばね22のばね力で戻り位置に復帰し、これによりチルト弁7が再び開き、ストロークシミュレータ5へのブレーキ液供給が可能な状態になる。
なお、本実施の形態では、開閉手段としてチルト弁7を用いたが、これに限らず、セカンダリピストン12に当接するものであれば、スライド弁、スプール弁等を用いてもよい。
一方、切替手段としてのスプール弁9は、構造簡単で、それほどのスペースをとらないので、マスタシリンダ4のシリンダ本体10に直結されるバルブボデー50内にコンパクトに納めることができる。また、このスプール弁9は、内部をマスタシリンダ4とホイールシリンダ1とを連通させる連通路8´として提供する中空スプール81を備えると共に、この中空スプール81の中空内部に絞り手段(絞り部材87)を設けた構造となっているので、中空スプール81は特別の駆動手段に頼ることなく自動的に摺動し、応答性は良好となる。さらに、前記絞り手段を構成する絞り部材87は弾性体からなって、その絞り通路88が、ホイールシリンダ1からマスタシリンダ4へのブレーキ液の戻りに応じて、拡大するようになっているので、制動解除も円滑となる。
本発明に係るマスタシリンダ装置の全体構造を示す断面図である。 本マスタシリンダ装置を構成するマスタシリンダの構造を示す断面図である。 本マスタシリンダ装置を構成するストロークシミュレータ、開閉手段および切替手段の構造を示す断面図である。 図3に示した開閉手段としてのチルト弁の構造を拡大して示す断面図である。 開閉手段を構成する弾性支持体の形状を示す平面図である。 図3に示した切替手段としてのスプール弁の構造を拡大して示す断面図である。 ブレーキ制御装置の制御系が失陥した際のスプール弁の作動状態を示す断面図である。 ブレーキ解放時のスプール弁の作動状態を示す断面図である。
符号の説明
1 ホイールシリンダ
2 フェイルセーフ弁
3 ブレーキベダル
4 マスタシリンダ
5 ストロークシミュレータ
6 通液路(シミュレータ通路)
7 チルト弁(開閉手段)
8 連通路
9 スプール弁(切替手段)
11 プライマリピストン
12 セカンダリピストン
13 第1液圧室(液圧室)
50 バルブボデー
81 中空スプール
8´ 中空スプール内の通液路
87 絞り部材
88 絞り部材の絞り通路

Claims (4)

  1. ホイールシリンダに対してフェイルセーフ弁を介して接続されるタンデム型マスタシリンダと、該マスタシリンダ内のプライマリピストンとセカンダリピストンとの間に画成される液圧室のブレーキ液を導入して、ブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備え、前記ストロークシミュレータが前記マスタシリンダのシリンダ本体に外付けされるマスタシリンダ装置において、前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとを連通するシミュレータ通路に、セカンダリピストンの移動に応じて該シミュレータ通路を開閉する開閉手段と、該開閉手段と前記ストロークシミュレータとの間のシミュレータ通路および前記液圧室と前記ホイールシリンダとの間に設けられ、前記液圧室から前記ホイールシリンダへのブレーキ液の流れに応じて前記シミュレータ通路における前記ストロークシミュレータに対するブレーキ液の導入を遮断する切替手段とを配設したことを特徴とするマスタシリンダ装置。
  2. 前記切替手段は、スプール弁からなることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ装置。
  3. 前記スプール弁が、内部を前記液圧室と前記ホイールシリンダとを連通させる連通路として提供する中空スプールを備えており、該中空スプールは、その中空内部に前記連通路を絞る絞り手段を設けていることを特徴とする請求項2に記載のマスタシリンダ装置。
  4. 前記絞り手段が、絞り通路を有する絞り部材からなり、該絞り部材は弾性体からなって、その絞り通路が、ホイールシリンダからマスタシリンダへのブレーキ液の戻りに応じて、拡大するようになっていることを特徴とする請求項3に記載のマスタシリンダ装置。

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