JP2000302022A - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

Info

Publication number
JP2000302022A
JP2000302022A JP11116221A JP11622199A JP2000302022A JP 2000302022 A JP2000302022 A JP 2000302022A JP 11116221 A JP11116221 A JP 11116221A JP 11622199 A JP11622199 A JP 11622199A JP 2000302022 A JP2000302022 A JP 2000302022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
lever
input shaft
power
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11116221A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Kobayashi
小林道夫
Masahiro Shimada
島田昌宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Braking Systems Co Ltd, Bosch Braking Systems Corp filed Critical Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority to JP11116221A priority Critical patent/JP2000302022A/ja
Publication of JP2000302022A publication Critical patent/JP2000302022A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】排出通路の簡素化を図るとともに、加工性を向
上し、更に小型・軽量にする。 【解決手段】動力室5の圧液をリザーバ10に排出する
排出通路11の一部が、弁体12に穿設された軸方向貫
通孔12aから構成されており、この排出通路11はこ
の軸方向貫通孔12aを介して制御弁6から直接前方の
リザーバ10の方へ延設されている。これにより、ハウ
ジング2内の排出通路11が簡素化されるとともに、孔
の加工が容易となる。更に、弁作動部材14および入力
軸3に、排出通路11のための孔を設ける必要がなくな
るので、これらを小さくできる。したがって、ブレーキ
液圧倍力装置1を小型・軽量にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧により入力を
所定の大きさに倍力させて出力する液圧倍力装置の技術
分野に属し、特に、パワーピストンと並列に配設された
制御弁が入力ピストンの入力によりレバーを介して作動
されるレバー式の液圧倍力装置の技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に用いられるブレーキ液
圧倍力装置は、小さな入力で大きな出力を得るようにす
るものである。このブレーキ液圧倍力装置の一つとし
て、パワーピストンと制御弁とが並列に配設され、入力
ピストンの入力によりレバーを介して制御弁が作動制御
されることで、パワーピストンが作動されるようになっ
ているレバー式の液圧倍力装置がある。このレバー式の
液圧倍力装置は、パワーピストンと制御弁とが並列に配
置されていることで、パワーピストン内に制御弁が内蔵
されたタイプの液圧制御装置より、その全長を短くでき
る。
【0003】ところで、このようなレバー式の液圧倍力
装置においては、制御弁がスプール弁型の制御弁である
ため、このスプール弁のバルブスプールがハウジングの
孔内を摺動するようになっている。このため、ハウジン
グをアルミ等の軽量材で形成することで軽量化を図ろう
としても、バルブスプールの摺動により軽量材のハウジ
ングは摩耗し易いので、軽量材の使用によるハウジング
の軽量化が難しい。
【0004】そこで、制御弁としてスプール弁型に代え
て、ボール弁型の制御弁を備えたレバー式の液圧倍力装
置を用いたブレーキ液圧倍力装置が特開平9−2863
20号公報において提案されている。図9は、この公開
公報に開示さているレバー式のブレーキ液圧倍力装置を
示す断面図であり、図10は、図9に示す制御弁部分の
部分拡大断面図である。図中、1′はブレーキ液圧倍力
装置、2′はハウジング、3′は入力軸、3a′は係合
ピン、4′はパワーピストン、5′は出力軸、6′はリ
ターンスプリング、7′は動力室、8′は制御弁、9′
はポンプ、10′はアキュムレータ、11′は供給通
路、12′は弁体、12a′は弁体12′に設けられた
ボール弁、13′は弁座部材、13a′は第1弁座、1
4′はリザーバ、15′は排出通路、16′は筒状部
材、16a′は第2弁座、17′は第1バルブスプリン
グ、18′は第2バルブスプリング、19′は筒状部材
15′がOリング20′で液密にかつ摺動可能に嵌合さ
れる突出部、21′はレバー支持部材、22′はレバ
ー、22a′は長孔、23′は第1支持ピン、24′は
第2支持ピンである。なお、また、以下の説明および本
発明の説明において「前」は図の「左」を表し、「後」
は図の「右」を表す。
【0005】このブレーキ液圧倍力装置1′において
は、作動時は、ペダルの踏込によって入力軸3′が前進
する。すると、まず係合ピン3a′が長孔22a′の側
壁に当接して第1支持ピン23′を中心にレバー22′
を時計方向に回動させるので、筒状部材16′が前進し
て第2弁座16a′をボール弁12a′に着座させかつ
ボール弁12a′を第1弁座13a′から離座させる。
したがって、動力室7′は排出通路15′およびリザー
バ14′から遮断されるとともに、供給通路11′を介
してアキュムレータ10′に連通され、この動力室7′
内にはアキュムレータ10′からの液圧が供給される。
この動力室7′内の液圧がパワーピストン4′に作用す
ることにより、パワーピストン4′が前進して出力を発
生する。また、動力室7′の液圧は入力軸3′にもその
後退方向に作用する。パワーピストン4′の前進によ
り、レバー22′が係合ピン3a′を中心に反時計方向
に回動するようになり、その結果筒状部材16′が後退
して、ボール弁12a′と第1弁座13a′との隙間が
小さくなる。そして、動力室7′内の液圧がペダル踏力
に応じた圧力となると、入力軸3′の前進が停止すると
もに第1および第2弁座13a′,16a′がともにボ
ール弁12a′に着座した中立位置となり、動力室7′
内の液圧がこのペダル踏力に応じた圧力に保持される。
したがって、パワーピストン4′の出力はこのときの出
力の大きさすなわちペダルの踏力を倍力した大きさとな
る。
【0006】作動解除のためにペダルの踏込を解放する
と、入力軸3′が後退する。すると、係合ピン3a′が
第1支持ピン23′を中心にレバー22′を反時計方向
に回動し、筒状部材16′が後退する。これにより、ボ
ール弁12a′が第2弁座16a′に着座して動力室
7′が供給通路11′およびアキュムレータ10′から
遮断され、更にボール弁12a′から第2弁座16a′
が離れて、動力室7′が排出通路15′を介してリザー
バ14′に連通する。これにより、動力室7′内の液圧
が排出通路15′を通ってリザーバ14′に排出され、
動力室7′内の圧力が低下する。このため、パワーピス
トン4′がリターンスプリング6′のばね力で後退し、
このときレバー22′は第2支持ピン24′を中心に時
計方向に回動する。パワーピストン4′の後端のレバー
支持部材21′の後端が図9および図10に示すように
ハウジング2′に当接すると、パワーピストン4′は後
退限すなわち非作動位置となり、これに伴い入力軸3′
および筒状部材16′も非作動位置となる。こうして、
ブレーキ液圧倍力装置1′は出力しなくなり、作動が解
除される。
【0007】このブレーキ液圧倍力装置1′によれば、
制御弁8′を構成するボール弁12a′がハウジング
2′に対して摺動しなく、ハウジング2′が摩耗し難い
ので、ハウジング2′をアルミ等の軽量材で形成するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の公開
公報のブレーキ液圧倍力装置1′では、動力室7′の圧
液をリザーバ14′に排出するための排出通路15′
が、制御弁8′から一旦後方に延びた後、径方向に延
び、更にリザーバ14′に向かって延びる構成となって
いるため、排出通路15′の構造が複雑となっているば
かりでなく、排出通路15′の各孔等の加工性が良好で
あるとは必ずしもいえない。また、筒状部材16′がハ
ウジング2′の突出部19′に液密にかつ摺動可能に嵌
合されているが、筒状部材16′と突出部19′との間
の液密性も良好であるとは必ずしもいえない。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、排出通路の簡素化を図る
とともに、加工性を向上し、更に小型・軽量にできる液
圧倍力装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の液圧倍力装置は、作動液を蓄え
るリザーバと、このリザーバの作動液により作動液圧を
発生する液圧発生源と、入力が加えられて作動する入力
軸と、作動時前記作動液圧が供給されるとともに非作動
時この供給された作動液圧が排出通路を介して前記リザ
ーバに排出されるようになっている動力室と、この動力
室内の作動液圧によって作動して前記入力を倍力して出
力するパワーピストンと、このパワーピストンと並列に
配設され、前記液圧発生源の前記作動液圧の前記動力室
への供給または前記動力室の前記作動液圧の前記リザー
バへの排出を選択的に制御する制御弁と、一端が前記パ
ワーピストンに揺動可能に支持されるとともに他端が前
記制御弁と揺動可能に支持され、更に中間部が前記入力
軸に係合可能なレバーとを備え、前記入力軸の作動時こ
の入力軸の作動が前記レバーを介して前記制御弁に伝え
られることにより前記制御弁が作動するようになってお
り、前記制御弁が、ポペット型の弁体と、この弁体が着
座または離座する2つの第1弁座および第2弁座とを備
え、前記弁体と前記第1弁座とにより前記液圧発生源の
前記作動液圧の前記動力室への供給を制御し、前記弁体
と前記第2弁座とにより前記排出通路を開閉制御するこ
とで、前記動力室の前記作動液圧の前記リザーバへの排
出を制御するようになっており、更に、前記排出通路の
一部が、前記弁体に設けられた通路で構成されているこ
とを特徴としている。
【0011】また、請求項2の発明は、少なくとも前記
パワーピストンと前記制御弁と前記レバーとが収容され
たハウジングを有し、前記入力軸は、一端が前記ハウジ
ングに回動可能に支持されるとともに、他端がこの入力
軸に回動可能に支持された第2のレバーを介して前記レ
バーの中間部に係合可能となっていることを特徴として
いる。
【0012】
【作用】このような構成をした本発明の液圧倍力装置に
おいては、排出通路の一部が制御弁の弁体に設けられた
通路により構成されて、制御弁から前方のリザーバの方
へ直接延設されるようになる。したがって、排出通路は
簡単な構造になる。また、排出通路の構造が簡単になる
ことから、孔等の加工も簡単になり、部品の加工性が向
上する。更に、排出通路の構造が簡単になることから、
排出通路を形成するための余分なスペースが不要となる
ので、液圧倍力装置を小型・軽量にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係る液圧倍力
装置の実施の形態の第1例が適用されたブレーキ液圧倍
力装置を示す断面図、図2は図1に示すブレーキ液圧倍
力装置の制御弁およびレバー部分の部分拡大断面図、図
3は図1に示すマスタシリンダ部分の部分拡大断面図で
ある。
【0014】図1および図2に示すようにこの第1例の
ブレーキ液圧倍力装置1はマスタシリンダ23が一体的
に連結されていて、ブレーキ液圧倍力装置1の出力によ
ってマスタシリンダ23が作動されるようになってい
る。ブレーキ液圧倍力装置1はブレーキ液圧倍力装置用
ハウジング2を備えており、このブレーキ液圧倍力装置
用ハウジング2には、互いに連結された前側入力部材3
aと後側入力部材3bとからなり、図示しないブレーキ
ペダルに連結される入力軸3が液密にかつ摺動可能に貫
通されている。またブレーキ液圧倍力装置用ハウジング
2には、パワーピストン4が液密にかつ摺動可能に設け
られており、このパワーピストン4の後端部の穴4aに
入力軸3の先端部が液密にかつ摺動可能に嵌挿されてい
る。またパワーピストン4の前端は、後述するマスタシ
リンダ23のプライマリピストン27と一体に形成され
ている。更に、ハウジング部2内には動力室5が形成さ
れており、この動力室5にパワーピストン4の後端が面
している。
【0015】更にブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2
内には制御弁6が設けられている。図2に詳細に示すよ
うに、この制御弁6は、動力室5とポンプ7の吐出圧が
蓄えられるアキュムレータ8とを接続する通路のうち、
ブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2に形成された供給
通路9と動力室5とリザーバ10とを接続する排出通路
11のうち、ブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2に形
成された排出通路11との分岐部に設けられており、排
出通路11の一部を構成する軸方向貫通孔12aおよび
円錐弁12bを有する弁体12と、供給通路9および排
出通路11の共通部に設けられ、この弁体12の円錐弁
12bが着座可能な第1弁座13aを有する筒状の弁座
部材13と、ブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2の穴
2aに摺動可能に保持され、円錐弁12bの軸方向貫通
孔12aの開口端周囲に当接可能な第2弁座14aを有
するとともに、弁体12の円錐弁12bを第1弁座13
aから離座させるように作用する弁作動部材14と、弁
体12を第1弁座13aの方向に常時付勢する第1バル
ブスプリング15と、弁作動部材14を弁体12から離
れる方向に常時付勢する第2バルブスプリング16とか
ら構成されている。
【0016】この制御弁6は、ブレーキ液圧倍力装置1
の非作動時には、図2に示すように円錐弁12bが第1
弁座13aに着座するとともに第2弁座14aが円錐弁
12bから離れている。したがって、動力室5は、この
非作動時にはアキュムレータ8から遮断されているとと
もに、弁座部材13の内周面と弁作動部材14の外周面
との間の隙間、円錐弁12bと第2弁座14aとの間の
隙間および軸方向貫通孔12a、ブレーキ液圧倍力装置
用ハウジング2の孔2bおよび排出通路11の他部を通
ってリザーバ10に連通されている。
【0017】またブレーキ液圧倍力装置1の作動時に
は、弁作動部材14が前進して、第2弁座14aが円錐
弁12bに当接するとともに、円錐弁12bが第1弁座
13aから離座するようになっている。したがって、動
力室5は、この作動時にはリザーバ10から遮断される
とともに、弁座部材13の内周面と弁作動部材14の外
周面との間の隙間、円錐弁12bと第1弁座13aとの
間の隙間および供給通路9の他部を通ってを介してアキ
ュムレータ8に連通される。
【0018】更にパワーピストン4の後端にはレバー支
持部材17が固定されており、このレバー支持部材17
にレバー18の一端が第1支持ピン19によって揺動可
能に支持されている。このレバー18の他端は弁作動部
材14に第2支持ピン20によって揺動可能に支持され
ている。また、レバー18の一端側寄りには軸方向の長
孔18aが穿設されており、この長孔18aに入力軸3
に左右方向に突設された係合ピン3dが嵌合されてい
る。この係合ピン3dは長孔18aの両側壁に係合可能
となっている。その場合、第1支持ピン19と係合ピン
3dとの間の距離は、ブレーキ液圧倍力装置1の作動、
非作動に関わらず、係合ピン3dと第2支持ピン20と
の間の距離よりも常に小さくなるように設定されてい
る。また、レバー18のリテーナ部18bと入力軸3の
後端部側の段部3e(前側入力部材3aと後側入力部材
3bとの連結部)との間に、レバー18を図1において
左方向に常時付勢するスプリング48が設けられてい
る。そして、通常時は図示のようにスプリング48の付
勢力によりリテーナ部18bが入力軸3の先端部3c側
の段部3eに当接されている。
【0019】更に、入力軸3の先端部3cにはトラベル
リミッタ21が設けられている。このトラベルリミッタ
21は前述の公開公報に記載されているものとまったく
同じであり、また本発明に直接関係しないので、その詳
細な説明は省略するが、後述するようにブレーキ液圧倍
力装置1が全負荷状態になった後、入力軸3がパワーピ
ストン4に対して更に相対的に前進移動するときに作動
して、この入力軸3の相対移動を不能に制御し、それ以
外では、パワーピストン4に対する入力軸3の相対移動
を可能に制御するものである。更に、ポンプ7とアキュ
ムレータ8との間の通路には、ポンプ7からアキュムレ
ータ8に向かう作動液の流れのみを許容するチェックバ
ルブ22が設けられている。
【0020】次に、マスタシリンダについて説明する
と、図1および図3に示すように、マスタシリンダ23
は後端開口部を有する筒状のマスタシリンダ用ハウジン
グ24を備えており、このマスタシリンダ用ハウジング
24の内部にスリーブ25が配設されているとともに、
このスリーブ25をマスタシリンダ用ハウジング24と
の間で軸方向に支持する筒状のキャップ26がマスタシ
リンダ用ハウジング24に液密に螺合されている。この
キャップ26はブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2に
液密に嵌合固定されている。このマスタシリンダ23
は、互いに有効受圧面積が等しく設定されたプライマリ
ピストン27とセカンダリピストン28とを有するタン
デムマスタシリンダとして構成されている。
【0021】プライマリピストン27はパワーピストン
4と一体に形成されており、キャップ26およびスリー
ブ25の各孔内に配設されている。このプライマリピス
トン27はキャップ26の孔の内周面に設けられた第1
カップシール29、およびスリーブ25とキャップ26
との間に配設され、キャップ26の孔の内周面に設けら
れた第2カップシール30により液密にかつ摺動可能に
設けられている。第2カップシール30は、その前側か
ら後側への液の流れを阻止しかつその逆の流れを許容す
るようになっている。
【0022】セカンダリピストン28はスリーブ25の
孔およびマスタシリンダ用ハウジング24の内に配設さ
れている。このセカンダリピストン28はスリーブ25
の孔の内周面に設けられた第3カップシール31および
マスタシリンダ用ハウジング24とスリーブ25との間
に配設され、マスタシリンダ用ハウジング24の孔の内
周面に設けられた第4カップシール32により液密にか
つ摺動可能に設けられている。第4カップシール32
は、その前側から後側への液の流れを阻止しかつその逆
の液の流れを許容するようになっている。
【0023】プライマリピストン27とセカンダリピス
トン28との間にはプライマリ室33が形成されている
とともに、プライマリスプリングリテーナ34によって
最大長が規制されたプライマリリターンスプリング35
が縮設されている。また、マスタシリンダ用ハウジング
24とセカンダリピストン28との間の孔には、セカン
ダリ室36が形成されているとともに、セカンダリスプ
リングリテーナ37によって最大長が規制されたセカン
ダリリターンスプリング38が縮設されている。その場
合、プライマリリターンスプリング35のばね力よりセ
カンダリリターンスプリング38のばね力が大きく設定
されている。
【0024】プライマリピストン27の前端部には径方
向孔39が穿設されており、この径方向孔39は、プラ
イマリピストン27の外周面とキャップ26の孔内周面
との間の隙間、第1および第2カップシール29,30
の間のキャップ26に穿設された通路孔40、マスタシ
リンダ用ハウジング24に穿設された通路孔41を介し
てリザーバ10に連通可能となっている。キャップ26
の通路孔40は、キャップ26の孔に開口する径方向に
延びる円周溝40aと、この円周溝40aから連続して
軸方向に延びる傾斜孔40bとから構成されている。そ
して、通路孔40と通路孔41とにより、リザーバ10
からプライマリ室33へのブレーキ液の補給液通路が構
成されている。
【0025】プライマリピストン27の図示の非作動位
置では、径方向孔39が第2カップシール30より若干
後方に位置しており、このときは、プライマリ室33が
リザーバ10に連通するが、プライマリピストン27の
前進で径方向孔39が第2カップシール30より前方に
位置したときは、プライマリ室33とリザーバ10とが
プライマリ室33からリザーバ10に向かう方向には遮
断され、プライマリ室33にマスタシリンダ圧が発生す
るようになっている。
【0026】また、セカンダリピストン28の前端部に
は径方向孔42が穿設されており、この径方向孔42
は、セカンダリピストン28の外周面とマスタシリンダ
用ハウジング24の孔内周面との間の隙間、第3および
第4カップシール31,32の間のスリーブ25に穿設
された通路孔43、マスタシリンダ用ハウジング24に
穿設された通路孔44を介してマスタシリンダ用リザー
バ10に連通可能となっている。そして、通路孔43と
通路孔44とにより、リザーバ10からセカンダリ室3
6へのブレーキ液の補給液通路が構成されている。
【0027】セカンダリピストン28の図示の非作動位
置では、径方向孔42が第4カップシール32より若干
後方に位置しており、このときは、セカンダリ室36が
リザーバ10に連通するが、セカンダリピストン28の
前進で径方向孔42が第4カップシール32より前方に
位置したときは、セカンダリ室36とリザーバ10と
が、セカンダリ室36からリザーバ10に向かう方向に
は遮断され、セカンダリ室36にはマスタシリンダ圧が
発生するようになっている。
【0028】プライマリ室33は、スリーブ25に穿設
された孔45およびマスタシリンダ用ハウジング24に
穿設されたプライマリ出力口46を介して2ブレーキ系
統のうちの一方の系統のホイールシリンダに接続されて
いるとともに、セカンダリ室36が、マスタシリンダ用
ハウジング24に穿設されたセカンダリ出力口47を介
して2ブレーキ系統の他方の系統の図示しないホイール
シリンダに接続されている。
【0029】このように構成された第1例のブレーキ液
圧倍力装置1においては、ブレーキ非作動時は、入力軸
3が図1および図2に示す後退限位置にあり、このため
制御弁6は前述の非作動状態となっている。したがっ
て、動力室5はアキュムレータ8から遮断されていると
ともにリザーバ10に連通されている。このため、アキ
ュムレータ8からの液圧は円錐弁12bと第1弁座13
aとの着座位置よりアキュムレータ8側の位置まで導入
されているが動力室5内には供給されなく、パワーピス
トン4は作動しない。
【0030】また、マスタシリンダ3も作動しなく、図
3に示すようにプライマリピストン27の径方向孔42
は第2カップシール30より後方にあり,プライマリ室
33は径方向孔39および通路孔40,41を介してリ
ザーバ10に連通している。更に、セカンダリピストン
28の径方向孔42は第4カップシール32より後方に
あり,セカンダリ室36は径方向孔42および通路孔4
3,44を介してリザーバ10に連通している。したが
って、プライマリ室33およびセカンダリ室36には、
マスタシリンダ圧は発生していない。
【0031】ブレーキ作動時は、ブレーキペダルの踏込
によってペダル踏力に基づく入力が入力軸3に加えら
れ、この入力軸3が前進する。このとき、トラベルリミ
ッタ21は作動しないとともにパワーピストン4が前進
しないので、入力軸3はパワーピストン4に対して相対
移動する。すると、まず係合ピン3dが長孔18aの側
壁に当接して第1支持ピン19を中心にレバー18を反
時計方向に回動させるので、弁作動部材14が前進して
第2弁座14aを円錐弁12bに着座させかつ円錐弁1
2bを第1弁座13aから離座させる。したがって、動
力室5はリザーバ10から遮断されるとともにアキュム
レータ8に連通され、この動力室5内にはアキュムレー
タ8からの液圧が供給される。この動力室5内に導入さ
れた液圧はパワーピストン4に作用するが、この液圧が
パワーピストン4の摺動抵抗およびプライマリリターン
スプリング35のばね力に打ち勝つ圧力になると、この
動力室5の液圧によりパワーピストン12が前進する。
また、動力室5の液圧は入力軸3にもその後退方向に作
用する。
【0032】パワーピストン4の前進により、レバー1
8が係合ピン3dを中心に反時計方向に回動するように
なり、その結果弁作動部材14が後退して、円錐弁12
bと第1弁座13aとの隙間が小さくなる。そして、動
力室5内の液圧がブレーキペダル踏力に応じた圧力とな
ると、入力軸3の前進が停止するともに第1および第2
弁座13a,14aがともに円錐弁12bに着座した中
立位置となる、つまり弁体12および弁作動部材14は
バランスし、動力室5内の液圧がこのブレーキペダル踏
力に応じた圧力に保持され、ブレーキ液圧倍力装置1は
中間負荷状態となる。これにより、パワーピストン4の
出力は、このときの入力の大きさすなわちブレーキペダ
ルの踏力を倍力した大きさとなる。
【0033】そして、パワーピストン4が前進すると、
弁体12および弁作動部材14がバランスして前進しな
いので、レバー18は第2支持ピン20を中心に時計方
向に回転するが、入力軸3も前進する。このときの入力
軸3のストローク量はパワーピストン4のストローク量
より、レバー比(第2支持ピン20と係合ピン3dとの
距離/第2支持ピン20と第1支持ピン19との距離)
分だけ小さくなる。
【0034】プライマリピストン27が前進してその径
方向孔39が第2カップシール30を通過し、プライマ
リ室33にマスタシリンダ圧が発生する。更に、プライ
マリ室33に発生したマスタシリンダ圧とプライマリリ
ターンスプリング27のばね力とにより、セカンダリピ
ストン28が前進してその径方向孔42が第4カップシ
ール32を通過し、セカンダリ室36にもマスタシリン
ダ圧が発生する。そして、プライマリ室33に発生した
マスタシリンダ圧がプライマリ出力口46を介して一方
の系統の両ホイールシリンダに導入され、また、セカン
ダリ室36に発生したマスタシリンダ圧は、セカンダリ
出力口47から他方の系統の両ホイールシリンダに導入
されて、二系統のブレーキが作動する。このとき、プラ
イマリ室33およびセカンダリ室36の各マスタシリン
ダ圧は同圧となっていて、二系統の各ホイールシリンダ
にはともに等しい液圧の圧液が供給され、二系統のブレ
ーキ液圧は等しくなっている。このブレーキ液圧は、ブ
レーキペダルの踏力を倍力した大きさとなっている。
【0035】ブレーキ作動を解除するためにブレーキペ
ダルの踏込を解放すると、入力軸3が後退する。する
と、係合ピン3dが第1支持ピン19を中心にレバー1
8を時計方向に回動し、弁作動部材14が後退する。こ
れにより、円錐弁12bから第2弁座14aが離座し
て、動力室5がリザーバ10に連通するので、動力室5
内の液圧が弁体12の軸方向貫通孔12a、ブレーキ液
圧倍力装置用ハウジング2の孔2bおよび排出通路11
の他の部分を通ってリザーバ10に排出され、動力室5
内の液圧が低下する。
【0036】動力室5内の液圧が低下すると、プライマ
リ室33のマスタシリンダ圧とプライマリリターンスプ
リング35のばね力とにより、プライマリピストン27
およびパワーピストン4が後退する。このパワーピスト
ン4の後退で、レバー18は第2支持ピン20を中心に
反時計方向に回動する。また、プライマリピストン27
の後退により、プライマリ室33のマスタシリンダ圧が
低下するので、セカンダリ室36のマスタシリンダ圧と
セカンダリリターンスプリング38のばね力とにより、
セカンダリピストン28も後退する。これらのプライマ
リピストン27およびセカンダリピストン28の後退
で、径方向孔39および径方向孔42がそれぞれ第2カ
ップシール30および第4カップシール32を通過して
再び第2カップシール30および第4カップシール32
の後方に位置するので、プライマリ室33およびセカン
ダリ室32がともに再びリザーバ10に連通する。この
ため、両系統のホイールシリンダの圧液が、それぞれ、
プライマリ室33およびセカンダリ室36を通ってリザ
ーバ10に排出される。
【0037】パワーピストン4の後端にあるレバー支持
部材17の後端が図1に示すようにブレーキ圧倍力装置
用ハウジング2に当接すると、パワーピストン4は後退
限すなわち非作動位置となり、これに伴い入力軸3およ
び弁作動部材14も非作動位置となり、ブレーキ液圧倍
力装置1は出力しなくなる。また、パワーピストン4の
非作動位置により、プライマリピストン27が非作動位
置となるとともに、セカンダリピストン28も非作動位
置となって、マスタシリンダ23がマスタシリンダ圧を
発生しなくなる。これにより、両ブレーキ系統のブレー
キが迅速に解除される。
【0038】ブレーキ作動時、ブレーキペダルの踏力が
大きく上昇して制御弁6の弁作動部材14および弁体1
2が大きく前進し、円錐弁12bと第1弁座13aとの
間の隙間が非常に大きくなり、動力室5の液圧がアキュ
ムレータ8の圧力と同じ圧力となってそれ以上上昇しな
くなり、ブレーキ液圧倍力装置1は全負荷状態となる。
このようなブレーキ液圧倍力装置1の全負荷状態では、
動力室5の液圧が一定となるので、動力室5の液圧によ
るパワーピストン4の移動は停止する。しかし、この全
負荷状態になっても、入力軸3がパワーピストン4に対
して前進すると、レバー18が第1支持ピン19を中心
に反時計方向に回動し、弁作動部材14および弁体12
が更に前進する。弁体12の前端がハウジング2のスト
ッパ(対向壁)2cに当接すると、弁体12および弁作
動部材14はそれ以上前進しなくなる。このため、円錐
弁12bと第1弁座13aとの間の隙間がそれ以上大き
くならないとともに、レバー18の入力軸3からの力に
よる反時計方向の回動は停止する。
【0039】更にブレーキペダルの踏力が上昇すると、
入力軸3のみがパワーピストン4に対して相対移動する
ようになる。このときの入力軸3のストローク量は前述
の中間負荷状態で少なかった分のストローク量となる。
そして、入力軸3がこのストローク量だけパワーピスト
ン4に対して相対移動すると、トラベルリミッタ21が
作動し、入力軸3がパワーピストン4に対して相対移動
不能となる。すると、ブレーキペダルの踏力は入力軸3
を介して直接パワーピストン4に作用し、パワーピスト
ン4がこのペダル踏力で更に作動するようになる。この
とき、ラバー18は第2支持ピン20を中心に時計方向
に回動する。こうして、パワーピストン4の出力はこの
ペダル踏力の増加分だけ増加する。
【0040】ポンプ7やアキュムレータ8等の液圧源が
故障して、ブレーキ操作時に動力室5にアキュムレータ
8からの液圧が導入されないときは、ブレーキペダルが
踏み込まれて入力軸3が前進すると、前述の全負荷状態
の場合と同様に弁作動部材14が大きく前進して円錐弁
12bに当接して弁体12を前方に押圧するので、弁体
12が大きく前進し、その前端がハウジング2の対向壁
に当接する。このため、入力軸3がパワーピストン4お
よびプライマリピストン27を直接押すようになるた
め、プライマリピストン27が前進する。このとき、レ
バー18のレバー比〔(第1支持ピン19と第2支持ピ
ン20との間の距離)/(係合ピン3dと第2支持ピン
20との間の距離)〕により、ブレーキペダルの踏力が
倍力されてパワーピストン4に伝えられるようになるの
で、パワーピストン4は入力軸3に作用するペダル踏力
に基づく入力をレバー比で倍力した力で押圧されるよう
になる。
【0041】これにより、前述と同様に径方向孔39が
第2カップシール30より前方に前進してプライマリ室
33にマスタシリンダ圧が発生するとともに、このプラ
イマリ室33のマスタシリンダ圧とプライマリリターン
スプリング35のばね力とによりセカンダリピストン2
8が前進するため、径方向孔42が第4カップシール3
2より前方に前進してセカンダリ室36にマスタシリン
ダ圧が発生する。これらのプライマリ室33およびセカ
ンダリ室36のマスタシリンダ圧が、それぞれプライマ
リ出力口46およびセカンダリ出力口47を介して2ブ
レーキ系統の各ホイールシリンダに供給され、2ブレー
キ系統のブレーキが作動される。こうして、ポンプ7や
アキュムレータ8等の液圧源の故障時にも、ブレーキペ
ダルの踏力をレバー比で倍力した力により、2ブレーキ
系統のブレーキ作動が確実にかけられるようになる。
【0042】この第1例のブレーキ液圧倍力装置1によ
れば、動力室5の圧液をリザーバ10に排出する排出通
路11のうち、ブレーキ液圧倍力装置1内の排出通路1
1が弁体12に形成された軸方向貫通孔12aおよびハ
ウジング2に形成された孔2bで構成しているので、排
出通路11が制御弁6から直接ブレーキ液圧倍力装置1
の前方、つまりマスタシリンダ23側に設けられている
リザーバ10の方へ形成されるようになる。したがっ
て、ブレーキ液圧倍力装置用ハウジング2内の排出通路
11の簡素化を図ることができるとともに、ブレーキ液
圧倍力装置用ハウジング2を小型軽量にできる。
【0043】また、弁体12に穿設された軸方向貫通孔
12aは単純な貫通孔であるので、部品加工性が向上す
る。更に、弁作動部材14および入力軸3に、排出通路
11のための孔を設ける必要がなくなるので、これらを
小さくできる。更に、パワーピストン4と制御弁6とが
並列に配置されているので、制御弁6をパワーピストン
4に内蔵する場合に比べて、ブレーキ液圧倍力装置1の
全長が短縮される。なお、前述の例では、制御弁6が円
錐弁12aを有する弁体12を備えるものとしている
が、円錐弁12aに代えてボール弁を用いることもでき
る。
【0044】図4は、本発明の実施の形態の第2例を示
す、図1と同様の断面図、図5は図4に示すブレーキ液
圧倍力装置の制御弁およびレバー部分の部分拡大断面図
である。なお、以下の例において第1例と同じ構成要素
の一部には同じ符号を付してその説明は省略するが、符
号を付さない構成要素でも第1例と対応するものは同じ
である。
【0045】前述の第1例では、入力軸3に、パワーピ
ストン4に対する入力軸3の相対移動を可能または不能
に制御するトラベルリミッタ21を設けているが、図4
および図5に示すように、この第2例のブレーキ液圧倍
力装置1は、トラベルリミッタ21が省略されている。
したがって、この第2例では、ブレーキ液圧倍力装置が
全負荷状態になった後も、前述と同様に入力軸3が前進
すると、レバー18が第1支持ピン19を中心に反時計
方向に回動し、弁体12および弁左動部材14が前進す
る。弁体12および弁左動部材14がハウジング2のス
トッパ2cに当接すると、弁体12および弁左動部材1
4の前進移動が停止するので、前述と同様にレバー18
が第2支持ピン20を中心に時計方向に回動し、パワー
ピストン4に入力軸3からの入力がレバー18を介して
伝達され、パワーピストン4が前進するようになる。そ
して、入力軸3の先端がパワーピストン4の後端部の穴
4aの底部に当接することで、前述の第1例でトラベル
リミッタ21が作動してパワーピストン4に対する入力
軸3の相対移動が不能となる場合と同様に、パワーピス
トン4に対する入力軸3の相対移動が不能となる。
【0046】また、前述の第1例では、弁作動部材14
を常時付勢する第2バルブスプリング16が、ブレーキ
液圧倍力装置用ハウジング2と弁作動部材14との間に
設けられているが、この第2例のブレーキ液圧倍力装置
1は、第2バルブスプリング16が筒状の弁座部材13
と弁作動部材14との間で弁座部材13の内周側に位置
するようにして設けられている。これにより、第2バル
ブスプリング16のコイル径を小さくすることができる
とともに、弁作動部材14を小型軽量に形成することが
できる。更に、この第2例では入力軸3が単一部材で形
成されている。この第2例のブレーキ液圧倍力装置1の
他の構成および他の作用効果は、第1例と同じである。
また、第2例のマスタシリンダ23も第1例のマスタシ
リンダ23と同じである。
【0047】図6は、本発明の実施の形態の第3例を示
す、図1と同様の断面図、図7は図6に示すブレーキ液
圧倍力装置の制御弁およびレバー部分の部分拡大断面図
である。前述の第2例では、1本のレバー18の両端が
それぞれパワーピストン4および弁作動部材14に相対
回動可能に支持されているとともに、レバー18の中間
部が入力軸3に相対回動可能に支持されているが、図6
および図7に示すように、この第3例のブレーキ液圧倍
力装置1は、レバー18が二重構造とされている。
【0048】すなわち、第1レバー18cの一端が球状
または円弧状に形成されていて入力軸3に相対回動可能
に連結され、この入力軸3と一体的にストロークするよ
うになっている。また、第1レバー18cの他端がブレ
ーキ液圧倍力装置用ハウジング2に第2支持ピン20に
より回動可能に支持されている。一方、第2レバー18
dの一端が球状または円弧状に形成されていてパワーピ
ストン4のレバー支持部材17に相対回動可能に連結さ
れ、このパワーピストン4と一体的にストロークするよ
うになっている。また、第2レバー18dの他端が弁作
動部材14に相対回動可能に連結されている。そして、
これらの第1および第2レバー18c,18dは、それ
らの中間部が連結ピン18eにより互いに相対回動可能
に連結されている。
【0049】換言すると、この第3例の二重構造のレバ
ー18は、第2レバー18dが前述の第2例のレバー1
8に相当し、第2例ではこのレバー18の中間部に入力
軸3が相対回動可能に直接連結されているのに対して、
この第3例では、第2レバー18dの中間部に、入力軸
3が、ハウジング2に回動可能に支持された第1レバー
18cを介して相対回動可能に間接的に連結されている
構造となっている。
【0050】この二重構造のレバー18について具体的
に説明する。まず、弁作動部材14は、先端に第2弁座
14aを有する軸13bが中心に突設された円形フラン
ジ部14cと、軸13bと同軸上でハウジング2の穴2
aに摺動可能に嵌合される軸14dが中心に突設された
円形フランジ部14eとが、互いに間隔をおいて配設さ
れ、それぞれ大きな長円形の孔14f1,14g1を有す
る一対の連結壁14f,14gで連結されて構成されて
いる。
【0051】また、第1レバー18cの円弧状の下端部
18c1が入力軸3の孔3fに嵌合されて、入力軸3に
相対回動可能に連結されている。第1レバー18cの上
端部には、第2支持ピン20が相対回動可能に貫通する
円形孔18c2が穿設されている。更に、第2レバー1
8dは、一対のレバー部材18d1,18d2からなり、
これらのレバー部材18d1,18d2の円弧状の下端部
18d3,18d4がそれぞれレバー支持部材17の孔1
7aに嵌合されて、パワーピストン4に相対回動可能に
連結されている。各レバー部材18d1,18d2の上端
部には、それぞれ、第2支持ピン20が遊嵌状態で貫通
する長円形孔18d5,18d6が穿設されている。
【0052】そして、第1レバー18cが第2レバー1
8dの一対のレバー部材18d1,18d2に挟まれた状
態で、第1レバー18cと一対のレバー部材18d1,1
8d2とが連結ピン18eで相対回動可能に連結され
る。更に、第1レバー18cおおよび一対のレバー部材
18d1,18d2の各上端部が弁作動部材14の一対の
連結壁14f,14gの間に配置されて、第2支持ピン
20が孔14f1,18d5,18c2,18d6,14g1
貫通して、ハウジング2に固定される。
【0053】このように組み合わされた状態では、一対
のレバー部材18d1,18d2の下端部18d3,18d4
がほぼ一体的にパワーピストン4とともに移動するよう
になるので、一対のレバー部材18d1,18d2はほぼ
一体的に挙動するようになる。また、第1レバー18c
の上端部は第2支持ピン20がハウジング2に固定され
ているのでハウジング2に対して相対移動しなく、第1
レバー18cは第2支持ピン20を中心に回転のみ行う
ようになる。更に、一対のレバー部材18d 1,18d2
の上端部の長円形孔18d5,18d6に、第2支持ピン
20が遊嵌されているので、一対のレバー部材18d1,
18d2の上端部は第2支持ピン20に対して相対的に
移動可能となっている。そして、図6および図7に示す
非作動状態では、第2支持ピン20が長円形孔18d5,
18d6の前端に当接した状態に設定されており、一対
のレバー部材18d1,18d2がその下端部を中心に回
動したときに、レバー部材18d1,18d2の上端部が
第2支持ピン20に対して相対的に前方へ移動し、弁作
動部材14を前進させるようになっている。この第3例
のブレーキ液圧倍力装置1の他の構成は、第2例と同じ
であり、また、この第3例のマスタシリンダ23の構成
も第1例のマスタシリンダ23と同じである。
【0054】この二重構造のレバー18においては、ブ
レーキ作動時、前述のように入力軸3が前進すると、パ
ワーピストン4はまだ前進しないので、第1レバー18
cがブレーキ液圧倍力装置用ハウジング側の支持端を中
心に時計方向に回動する。このため、連結ピン18eが
前進するので、第2レバー18dがパワーピストン4側
の連結端を中心に反時計方向に回動する。すると、第2
レバー18dの上端部が弁作動部材14を押圧するので
弁作動部材14が前進し、前述と同様に第2弁座14a
が円錐弁12bに当接するとともに、円錐弁12bが第
1弁座13aから離座する。これにより、アキュムレー
タ8の液圧が動力室5に導入され、パワーピストン4が
前進して、前述と同様にマスタシリンダ23がマスタシ
リンダ圧を発生し、ブレーキが作動する。
【0055】このとき、前述のように弁体12および弁
作動部材14がバランスしていて移動しないので、パワ
ーピストン4の前進により、第2レバー18dが弁作動
部材側の連結端を中心に時計方向に回動する。この第2
レバー18dの時計方向の回動により、連結ピン18e
が前進するので、第1レバー18dがブレーキ液圧倍力
装置用ハウジング2側の支持端を中心に時計方向に回動
する。これにより、第1レバー18dが前進する。
【0056】ブレーキペダルを解放すると、入力軸3が
後退するので、第1レバー18cがブレーキ液圧倍力装
置用ハウジング2側の支持端を中心に反時計方向に回動
する。このため、連結ピン18eが後退するが、このと
きパワーピストン4が後退しないので、第2レバー18
dがパワーピストン側の連結端を中心に時計方向に回動
する。すると、弁作動部材14が後退するので、第2弁
座14aが円錐弁12bから離座し、前述と同様に動力
室5の液圧が弁体12の軸方向貫通孔12aを通ってリ
ザーバ10に排出される。これにより、動力室5の液圧
が低下し、前述と同様にパワーピストン4が後退し、入
力軸3およびパワーピストン4は非作動位置に戻るとと
もに、マスタシリンダ23が非作動となり、ブレーキが
解除する。
【0057】この第3例のブレーキ液圧倍力装置1の他
の作用効果は、第2例と同じである。また、第3例のマ
スタシリンダ23の他の作用効果も第1例のマスタシリ
ンダ23と同じである。なお、前述の各例では、いずれ
も本発明の液圧倍力装置をブレーキ液圧倍力装置に適用
して説明しているが、ブレーキ以外の他の液圧倍力装置
にも適用できる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液圧倍力装置によれば、排出通路の一部を制御弁の弁
体に形成し、制御弁から直接前方のリザーバの方へ延び
るようにしているので、排出通路の構造を簡単にでき、
排出通路の簡素化を図ることができる。また、排出通路
の構造が簡単になることから、部品の加工性を向上でき
る。更に、排出通路の構造が簡単になることから、液圧
倍力装置の小型・軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液圧倍力装置の実施の形態の第
1例が適用されたブレーキ液圧倍力装置を示す断面図で
ある。
【図2】 図1に示すブレーキ液圧倍力装置の制御弁お
よびレバー部分の部分拡大断面図である。
【図3】 図1に示すマスタシリンダ部分の部分拡大断
面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と
同様の断面図である。
【図5】 図4に示す、ブレーキ液圧倍力装置の制御弁
およびレバー部分の、図2と同様の部分拡大断面図であ
る。
【図6】 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1と
同様の断面図である。
【図7】 図6に示すブレーキ液圧倍力装置の制御弁お
よびレバー部分の、図2と同様の部分拡大断面図であ
る。
【図8】 図6に示すブレーキ液圧倍力装置のレバー部
分の分解斜視図である。
【図9】従来のブレーキ液圧倍力装置を部分的に示す部
分断面図である。
【図10】図9に示す従来のブレーキ液圧倍力装置の制
御弁およびレバー部分の、図2と同様の部分拡大断面図
である。
【符号の説明】
1…ブレーキ液圧倍力装置、2…ハウジング、3…入力
軸、4…パワーピストン、5…動力室、6…制御弁、1
0…リザーバ、11…排出通路、12…弁体、12a…
軸方向貫通孔、12b…円錐弁、13…弁座部材、13
a…第1弁座、14…弁作動部材、14a…第2弁座、
18…レバー、18c…第1レバー、18d…第2レバ
ー、19…第1支持ピン、20…第2支持ピン、23…
マスタシリンダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動液を蓄えるリザーバと、このリザー
    バの作動液により作動液圧を発生する液圧発生源と、入
    力が加えられて作動する入力軸と、作動時前記作動液圧
    が供給されるとともに非作動時この供給された作動液圧
    が排出通路を介して前記リザーバに排出されるようにな
    っている動力室と、この動力室内の作動液圧によって作
    動して前記入力を倍力して出力するパワーピストンと、
    このパワーピストンと並列に配設され、前記液圧発生源
    の前記作動液圧の前記動力室への供給または前記動力室
    の前記作動液圧の前記リザーバへの排出を選択的に制御
    する制御弁と、一端が前記パワーピストンに揺動可能に
    支持されるとともに他端が前記制御弁と揺動可能に支持
    され、更に中間部が前記入力軸に係合可能なレバーとを
    備え、前記入力軸の作動時この入力軸の作動が前記レバ
    ーを介して前記制御弁に伝えられることにより前記制御
    弁が作動するようになっており、 前記制御弁が、ポペット型の弁体と、この弁体が着座ま
    たは離座する2つの第1弁座および第2弁座とを備え、
    前記弁体と前記第1弁座とにより前記液圧発生源の前記
    作動液圧の前記動力室への供給を制御し、前記弁体と前
    記第2弁座とにより前記排出通路を開閉制御すること
    で、前記動力室の前記作動液圧の前記リザーバへの排出
    を制御するようになっており、 更に、前記排出通路の一部が、前記弁体に設けられた通
    路で構成されていることを特徴とする液圧倍力装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記パワーピストンと前記制
    御弁と前記レバーとが収容されたハウジングを有し、前
    記入力軸は、一端が前記ハウジングに回動可能に支持さ
    れるとともに、他端がこの入力軸に回動可能に支持され
    た第2のレバーを介して前記レバーの中間部に係合可能
    となっていることを特徴とする請求項1記載の液圧倍力
    装置。
JP11116221A 1999-04-23 1999-04-23 液圧倍力装置 Pending JP2000302022A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116221A JP2000302022A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 液圧倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116221A JP2000302022A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 液圧倍力装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000302022A true JP2000302022A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14681836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11116221A Pending JP2000302022A (ja) 1999-04-23 1999-04-23 液圧倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000302022A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136095A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Nissin Kogyo Co Ltd ブレーキ装置用液圧ブースタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012136095A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Nissin Kogyo Co Ltd ブレーキ装置用液圧ブースタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6467267B2 (en) Fluid pressure boosting device and brake system employing the same
JPH10147234A (ja) 液圧ブレーキシステム
KR910001412B1 (ko) 액압 부우스터
JP2000302022A (ja) 液圧倍力装置
JP2000127944A (ja) 流体圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステム
JP3932153B2 (ja) ブレーキシステム
JPH10147233A (ja) ブレーキ液圧発生装置
JP2000318594A (ja) 液圧倍力装置
JP3821335B2 (ja) 液圧倍力装置およびこの液圧倍力装置を用いたブレーキ液圧倍力システム
JP2001294145A (ja) 液圧倍力装置
US6543860B2 (en) Hydraulic pressure brake device
JP3741531B2 (ja) 液圧倍力装置およびこの液圧倍力装置を用いたブレーキ液圧倍力システム
JPH11192936A (ja) 液圧倍力装置
JP2005104336A (ja) マスタシリンダ装置
JP3932152B2 (ja) ブレーキ液圧倍力システム
JP4287027B2 (ja) ブレーキ用液圧倍力装置
JP2000168538A (ja) 液圧倍力装置
JPH11263213A (ja) 液圧倍力装置
JPH11240442A (ja) セミフルパワーブレーキ装置
JP2002347603A (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2000203407A (ja) ハイドロリックブ―スタのダンプバルブ
JPS6250264A (ja) 液圧倍力装置の圧力流体供給装置
JPH11115727A (ja) 液圧倍力装置
JPH04356268A (ja) 液圧倍力装置の反力装置
JP2000313329A (ja) ブレーキ用油圧倍力装置