JP2000318594A - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

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JP2000318594A
JP2000318594A JP11134357A JP13435799A JP2000318594A JP 2000318594 A JP2000318594 A JP 2000318594A JP 11134357 A JP11134357 A JP 11134357A JP 13435799 A JP13435799 A JP 13435799A JP 2000318594 A JP2000318594 A JP 2000318594A
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hydraulic pressure
housing
input shaft
hydraulic
piston
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JP11134357A
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Masahiro Shimada
島田昌宏
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
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Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全長をより一層効果的に短縮できる液圧倍力装
置を提供する。 【解決手段】液圧倍力装置用ハウジング4の軸方向孔の
右端はプラグ(本発明の閉塞部材)5によって液密に閉
塞されている。パワーピストン7は段付ピストンとして
構成され、前側の大径部7aが液圧倍力装置用ハウジン
グ4の軸方向孔に液密にかつ摺動可能に嵌合されている
とともに、パワーピストン7の小径部7bがプラグ5の
軸方向孔に液密にかつ摺動可能に嵌合されている。大径
部7aの径方向孔7dと入力軸8の環状溝8bとで、動
力室11に液圧源の液圧を供給する供給弁14が構成さ
れ、また、小径部7bの径方向孔7eと入力軸8の環状
溝8dとで、動力室11の液圧リザーバに排出する排出
弁15が構成されている。これらの弁14,15はスプ
ール弁で構成されている。排出弁15がプラグ5の後端
部に対応する位置に設けられているので、ハウジング4
を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧によって入力
を倍力して出力する液圧倍力装置の技術分野に属するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車に採用されているブレー
キ液圧発生装置は、液圧によりブレーキペダルのペダル
踏力を所定の大きさに倍力させて出力する液圧倍力装置
と、この液圧倍力装置の大きな出力でマスタシリンダ圧
を発生するブレーキマスタシリンダとを備えており、小
さなブレーキペダル踏力で大きなブレーキ液圧を発生さ
せるものである。
【0003】このようなブレーキ液圧発生装置の従来の
液圧倍力装置として、実願平4ー33402号(実開平
5ー84553号)のマイクロフィルムに開示されたブ
レーキ液圧倍力装置がある。図4は、このマイクロフィ
ルムに開示されているブレーキ液圧倍力装置を示す図で
ある。図中、1′はブレーキ液圧倍力装置、2′はハウ
ジング、3′はパワーピストン、4′は制御弁、5′は
弁座部材、6′はボール弁、7′は弁体、8′は筒状部
材、9′は入力軸、10′は反力ピストン、11′は動
力室、12′は出力軸である。
【0004】このブレーキ液圧倍力装置1′において
は、図示の非作動状態から入力が加えられて、入力軸
9′が前進すると、筒状部材8′も前進して、筒状部材
8′の先端弁部がパワーピストン3′に内蔵された制御
弁4′のボール弁6′に当接するとともにこのボール弁
6′を押して、弁座部材5′から離座する。これによ
り、動力室11′は液圧源に接続された入力口13′に
連通するとともに、リザーバに常時連通する室14′か
ら遮断され、動力室11′に圧液が導入され、パワーピ
ストン3′が作動する。パワーピストン3′の作動によ
り、ブレーキ液圧倍力装置1′は出力軸15′から出力
し、図示しないマスタシリンダのピストンを作動し、マ
スタシリンダはマスタシリンダ圧を発生し、このマスタ
シリンダ圧によりブレーキが作動する。動力室11′の
液圧が入力に応じた大きさになると、ボール弁6′が弁
座部材5′に着座するので、ブレーキ液圧倍力装置1′
の出力は、入力を倍力した大きさとなる。
【0005】入力がなくなり入力軸9′が後退すると、
筒状部材8′も後退してボール弁6′が弁座部材5′に
着座し、筒状部材8′の前端がボール弁6′から離れ
る。これにより、動力室11′は室14′に接続され、
動力室11′の圧液が排出され、パワーピストン3′が
後退する。パワーピストン3′の後退により、ブレーキ
液圧倍力装置1′は図示の非作動状態となって出力しな
くなり、マスタシリンダが非作動となって、ブレーキが
解除する。このとき、ハウジング2′の軸方向孔を塞ぐ
プラグ16′の中央突出部16′aの前端に、入力軸
9′に固定された筒状ストッパ部材17′のフランジ状
のストッパ部17′aが当接し、入力軸9′の後退限が
規定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキ液
圧倍力装置1′には、小型化のためにその全長を短縮す
ることが求められている。しかしながら、前述の従来の
ブレーキ液圧倍力装置1′においては、制御弁4′の弁
座部材5′、ボール弁6′および弁体7′がパワーピス
トン3′に内蔵されているが、制御弁4′のこれらの構
成部材を内蔵している分だけ、パワーピストン3′の全
長が長くならざるを得なくなっている。これに加えて、
この制御弁4′が車両への取付フランジ18′の車輌取
付面18′aより前方に配置されているため、車輌取付
面18′aから前端までのハウジング2′の長さが長く
なっている。そこで、車輌取付面18′aを単純に制御
弁4′の前方に配置することが考えられるが、このよう
に配置してもパワーピストン3′の全長が変わらないと
ともに、入力軸9′の後退限を規定するプラグ17′の
中央突出部17′aがパワーピストン3′に対して軸方
向に配置されているので、ブレーキ液圧倍力装置1′の
ハウジング2′の全長は依然として長くなってしまい、
従来のブレーキ液圧倍力装置1′ではその全長の短縮化
に限度がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、全長をより一層効果的に
短縮できる液圧倍力装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、液を蓄えるリザーバと、この
リザーバの液により液圧を発生する液圧源と、ハウジン
グと、このハウジングの軸方向孔を塞ぐ閉塞部材と、前
記ハウジング内に設けられ、作動時液圧源の液圧が導入
される動力室と、前記ハウジングの軸方向孔に液密にか
つ摺動可能に設けられ、前記動力室に導入された液圧に
より作動して出力するパワーピストンと、入力が加えら
れて作動して前進する入力軸と、前記入力軸の非作動時
前記動力室を前記リザーバに接続し、前記入力軸の作動
時前記動力室を前記液圧源に接続して前記動力室の液圧
を制御する制御弁とを備えている液圧倍力装置におい
て、
【0009】前記パワーピストンは、前記ハウジングの
軸方向孔に液密にかつ摺動可能に配置される大径部と前
記プラグを液密にかつ摺動可能に貫通する筒状の小径部
との段付ピストンで形成されており、前記動力室が前記
大径部と前記プラグとの間に設けられているとともに、
前記制御弁が前記小径部に配置されていることを特徴と
している。
【0010】また、請求項2の発明は、前記制御弁はス
プール弁から構成されていることを特徴としている。更
に、請求項3の発明は、前記スプール弁のバルブスプー
ルが、前記入力軸で形成されていることを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】このような構成をした本発明の液圧倍力装置に
おいては、制御弁が閉塞部材の後端部に対応する位置
の、パワーピストンの小径部内に設けられるようにな
る。このため、制御弁がハウジングに設けられた取付フ
ランジの車輌取付面より後方に配置されるようになる。
したがって、ハウジングの車輌取付面から前端までの液
圧倍力装置のハウジングの長さが短縮されるようにな
る。しかも、パワーピストンが閉塞部材を貫通している
ので、その分、液圧倍力装置のハウジングの全長が短縮
される。
【0012】また、制御弁がスプール弁で構成されてい
るので、弁体とこの弁体が着座する弁座とからなるポペ
ット型の弁に比べて部品点数が削減され、制御弁の構成
が簡素化される。特に、入力軸にスプール弁が形成され
ているので、部品点数が更に削減される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係る液圧倍力
装置の実施の形態の一例が適用されたブレーキ液圧発生
装置を示す図、図2は図1に示す液圧倍力装置の部分拡
大断面図、図3は図1に示すマスタシリンダの部分拡大
断面図である。なお、以下の説明において、「前」はい
ずれの図においても図の左を指し、「後」は図の右を指
す。図1に示すように、この例におけるブレーキ液圧発
生装置1は、液圧倍力装置2とこの液圧倍力装置2の出
力によって作動されるマスタシリンダ3とからなってい
る。
【0014】まず、液圧倍力装置2について説明する
と、図1および図2に示すように液圧倍力装置2は、軸
方向に延びる貫通孔を有する液圧倍力装置用ハウジング
4を備えており、この液圧倍力装置用ハウジング4の軸
方向孔の右端はプラグ(本発明の閉塞部材)5によって
液密に閉塞されているとともに、このプラグ5は液圧倍
力装置用ハウジング4に螺合されたナット6によって液
圧倍力装置用ハウジング4に軸方向に固定されている。
プラグ5には、軸方向に延びる中央突出部5aが形成さ
れている。
【0015】液圧倍力装置用ハウジング4およびプラグ
5には液圧倍力装置2のパワーピストン7が配設されて
おり、このパワーピストン7は前側の大径部7aと後側
の筒状の小径部7bとの段付ピストンとして構成されて
いる。そして、パワーピストン7の大径部7aが液圧倍
力装置用ハウジング4の軸方向孔に液密にかつ摺動可能
に嵌合されているとともに、パワーピストン7の小径部
7bがプラグ5の軸方向孔に液密にかつ摺動可能に嵌合
されている。すなわち、パワーピストン7がプラグ5内
まで延設されている。
【0016】パワーピストン7の軸方向孔には、入力軸
8が摺動可能に嵌合されており、その後端部が図示しな
いブレーキペダルに連結されている。この入力軸8には
中央に軸方向に延びる軸方向孔8aが穿設されていると
ともに、環状溝8b,8c,8dがそれぞれ前方から順に
形成されている。これらの環状溝8b,8c,8dはそれ
ぞれ径方向孔8e,8f,8gを介して軸方向孔8aに連
通している。
【0017】また、ピン9が入力軸8にその中間の環状
溝8cを通るようにして径方向に貫通して固設されてい
る。このピン9はパワーピストン7の小径部7bに形成
された径方向孔7cを貫通し、その両端がこの小径部7
bより外側に延びている。そして、ピン9の両端部はプ
ラグ5の中央突出部5aの前端部に形成された内側段部
5bに軸方向に当接可能となっている。径方向孔7cは
その直径がピン9の直径より大きく設定されているとと
もに、環状溝8cに常時連通している。
【0018】入力軸8の前端とパワーピストン7との間
に反力室10が設けられており、この反力室10は軸方
向孔8aと常時連通している。そして、液圧倍力装置2
の作動時、この反力室10の液圧が入力軸8に反力とし
て作用するようになっている。更に、入力軸8はこの入
力軸8の前端とパワーピストン7との間に縮設されたリ
ターンスプリング36のばね力によって常時後方へ付勢
されている。パワーピストン7の大径部7a後端とプラ
グ5の中央突出部5aの前端との間には動力室11が設
けられている。この動力室11は、径方向孔7c、環状
溝8cおよび径方向孔8fを介して軸方向孔8aに常時
接続されている。
【0019】更に、パワーピストン7の大径部7aには
径方向孔7cの前側に径方向孔7dが穿設されていると
ともに、パワーピストン7の小径部7bには径方向孔7
cの後側に径方向孔7eが穿設されている。前側の径方
向孔7dはパワーピストン7の外周面に形成された環状
溝7fおよび液圧倍力装置用ハウジング4に形成された
供給口4aを介して、図示しない液圧源に常時接続され
ている。また、後側の径方向孔7eはパワーピストン7
の外周面とプラグ5の内周面との間の環状隙間12、プ
ラグ5に穿設された径方向孔5c、プラグ5と液圧倍力
装置用ハウジング4との間の環状室13、液圧倍力装置
用ハウジング4に穿設された軸方向孔4bおよび排出口
4cを介して後述するマスタシリンダ3のリザーバ32
に常時接続されている。なお、リザーバは液圧倍力装置
用とマスタシリンダ用とで別々に設けることもできる。
【0020】そして、環状溝8bと径方向孔7dとが遮
断しているときは、動力室11が液圧源から遮断される
とともに、環状溝8bと径方向孔7dとが接続されたと
きは、動力室11が液圧源に接続されてこの液圧源の液
圧が動力室11に導入されるようになっている。すなわ
ち、環状溝8bと径方向孔7dとで液圧源の液圧を動力
室11に供給する供給弁14を構成している。また、環
状溝8dと径方向孔7eとが遮断しているときは、動力
室11がリザーバ32から遮断されるとともに、環状溝
8dと径方向孔7eとが接続されたときは、動力室11
がリザーバ32に接続されて動力室11の液圧がリザー
バ32に排出されるようになっている。すなわち、環状
溝8dと径方向孔7eとで動力室11の液圧をリザーバ
32に排出する排出弁15を構成している。これら供給
弁14および排出弁15は入力軸8の一部をバルブスプ
ールとし、パワーピストン7の一部をシリンダとするス
プール弁として構成されている。その場合、排出弁15
はプラグ5の後端部に対応する位置に設けられている。
【0021】そして、図示の液圧倍力装置2の非作動状
態では、パワーピストン7の大径部7aの後端(大径部
7aと小径部7bとの段部)がプラグ5の中央突出部5
aの前端に当接してパワーピストン7は後退限となって
おり、また、入力軸8がスプリング36のばね力で後方
へ付勢されてピン9がプラグ5の内側段部5bに当接し
て入力軸8は後退限となっている。このとき、ピン9は
径方向孔7cの後端より所定量前方に位置している。更
に、環状溝8bが径方向孔7dから遮断されて供給弁1
4が閉じているとともに、環状溝8dが径方向孔7eに
接続されて排出弁15が開いている。
【0022】一方、マスタシリンダ3について説明する
と、図1および図3に示すように、マスタシリンダ3は
後端開口部を有する筒状のマスタシリンダ用ハウジング
16を備えており、このマスタシリンダ用ハウジング1
6の内部にスリーブ17が配設されているとともに、こ
のスリーブ17をマスタシリンダ用ハウジング16との
間で軸方向に支持するキャップ18がマスタシリンダ用
ハウジング16に、その後端開口部を閉塞するように螺
合されている。このマスタシリンダ3は、互いに有効受
圧面積が等しく設定されたプライマリピストン19とセ
カンダリピストン20とを有するタンデムマスタシリン
ダとして構成されている。
【0023】プライマリピストン19はパワーピストン
7と一体に形成されており、液圧倍力装置用ハウジング
4の軸方向孔、キャップ18の軸方向孔およびスリーブ
17の軸方向孔内に配設されている。このプライマリピ
ストン19はキャップ18の軸方向孔の内周面に設けら
れたカップシール21、およびスリーブ17およびキャ
ップ18の間に配設され、キャップ18に設けられたカ
ップシール22により液密にかつ摺動可能に設けられて
いる。カップシール22は、その前側から後側への液の
流れを阻止しかつその逆の流れを許容するようになって
いる。
【0024】セカンダリピストン20は、スリーブ17
の軸方向孔およびマスタシリンダ用ハウジング16の軸
方向孔内に配設されている。このセカンダリピストン2
0はスリーブ17の軸方向孔の内周面に設けられたカッ
プシール23およびマスタシリンダ用ハウジング16と
スリーブ17との間に配設され、マスタシリンダ用ハウ
ジング16に設けられたカップシール24により液密に
かつ摺動可能に設けられている。カップシール24は、
その前側から後側への液の流れを阻止しかつその逆の液
の流れを許容するようになっている。
【0025】プライマリピストン19とセカンダリピス
トン20との間にはプライマリ室25が形成されている
とともに、プライマリスプリングリテーナ26によって
最大長が規制されたプライマリリターンスプリング27
が縮設されている。また、マスタシリンダ用ハウジング
16とセカンダリピストン20との間には、セカンダリ
室28が形成されているとともに、セカンダリスプリン
グリテーナ29によって最大長が規制されたセカンダリ
リターンスプリング30が縮設されている。その場合、
プライマリリターンスプリング27のばね力よりセカン
ダリリターンスプリング30のばね力が大きく設定され
ている。
【0026】プライマリピストン19には径方向孔31
が穿設されている。この径方向孔31は、プライマリピ
ストン19の図示の非作動位置ではカップシール22よ
り若干後方に位置しており、このときは、プライマリ室
25が、径方向孔31、カップシール22の後面とキャ
ップ18の内周面との間の隙間、キャップ18に穿設さ
れた軸方向孔18a、カップシール21,22の間のキ
ャップ18に穿設された円周溝18b、この円周溝18
bから連続して軸方向に延びる傾斜孔18cおよびマス
タシリンダ用ハウジング16の径方向孔16aを介して
リザーバ32に接続されるようになっている。したがっ
て、この状態では、プライマリ室25にマスタシリンダ
圧が発生しない。また、プライマリピストン19の前進
で径方向孔31がカップシール22より前方に位置した
ときは、プライマリ室25にマスタシリンダ圧が発生す
るようになっている。
【0027】また、セカンダリピストン20には径方向
孔33が穿設されている。この径方向孔33は、セカン
ダリピストン20の図示の非作動位置では、径方向孔3
3がカップシール24より若干後方に位置しており、こ
のときは、セカンダリ室28が、径方向孔33、セカン
ダリピストン20の外周面とマスタシリンダ用ハウジン
グ16の軸方向孔内周面との間の隙間、カップシール2
3,24の間のスリーブ17に穿設された径方向孔17
a、マスタシリンダ用ハウジング16に穿設された通路
孔16bを介してリザーバ32に接続されるようになっ
ている。したがって、この状態では、セカンダリ室28
にマスタシリンダ圧が発生しない。また、セカンダリピ
ストン20の前進で径方向孔33がカップシール24よ
り前方に位置したときは、セカンダリ室28にマスタシ
リンダ圧が発生するようになっている。
【0028】プライマリ室25は、スリーブ17に穿設
された孔17bおよびマスタシリンダ用ハウジング16
に穿設されたプライマリ出力口34を介して2ブレーキ
系統のうちの一方の系統のホイールシリンダに接続され
ているとともに、セカンダリ室28が、マスタシリンダ
用ハウジング16に穿設されたセカンダリ出力口35を
介して2ブレーキ系統の他方の系統の図示しないホイー
ルシリンダに接続されている。
【0029】このように構成されたこの例のブレーキ液
圧発生装置1においては、例えばイグニッションスイッ
チがオンすることで、液圧源が運転されると、液圧源の
液圧が供給口4aおよび環状溝7fを介して径方向孔7
dに導入されている。図示の非作動時は、前述のように
パワーピストン7および入力軸8はともに後退限となっ
ていて、供給弁14が閉じているとともに排出弁15が
開いており、径方向孔7dに導入されている液圧源の液
圧は動力室11に供給されない。したがって、液圧倍力
装置2は出力しなく、マスタシリンダ3はマスタシリン
ダ圧を発生しなく、ブレーキは作動しない。
【0030】ブレーキペダルが踏み込まれると、入力軸
8が前進し、環状溝8dが径方向孔7eから遮断されて
排出弁15が閉じるとともに、環状溝8bが径方向孔7
dに接続されて供給弁14が開く。すると、径方向孔7
dに導入されている液圧源の液圧は動力室11に供給さ
れ、パワーピストン7が前進するので、液圧倍力装置2
が作動して出力する。
【0031】パワーピストン7の前進で、パワーピスト
ン7と一体のプライマリピストン19が前進してその径
方向孔31がカップシール22を通過し、プライマリ室
25にマスタシリンダ圧が発生する。更に、プライマリ
室25に発生したマスタシリンダ圧により、セカンダリ
ピストン20が前進してその径方向孔33がカップシー
ル24を通過し、セカンダリ室28にもマスタシリンダ
圧が発生する。プライマリ室25およびセカンダリ室2
8に発生した各マスタシリンダ圧は、それぞれ、プライ
マリ出力口34およびセカンダリ出力口35から各系統
の各ホイールシリンダに導入される。このとき、前述の
ように両ピストン19,28の有効受圧面積が互いに等
しく設定されているので、プライマリ室25およびセカ
ンダリ室28の各マスタシリンダ圧は同圧となってい
て、各ホイールシリンダにはともに等しい液圧の圧液が
供給され、2ブレーキ系統のブレーキ圧は等しくなって
いる。
【0032】また、動力室11に供給された液圧源の液
圧は軸方向孔8aを介して反力室10にも導入され、反
力室10の液圧が上昇する。この反力室10の液圧は入
力軸8に作用して、入力軸8にはその入力に対抗する反
力が加えられる。液圧倍力装置2の中間負荷状態では、
これらの入力と反力とがバランスするようにスプール弁
つまり供給弁14と排出弁15とが制御され、動力室1
1の液圧は入力つまりペダル踏力に応じた圧力に制御さ
れる。こうして、液圧倍力装置2は入力を倍力して出力
するようになる。したがって、この液圧倍力装置2の出
力で作動されるマスタシリンダ3の各マスタシリンダ圧
も入力Fを倍力した値となるので、ホイールシリンダの
ブレーキ圧も入力Fを倍力した値となり、ブレーキペダ
ルの踏力を倍力した大きなブレーキ力が得られる。
【0033】ブレーキペダルを解放してブレーキ作動の
解除操作を行うと、まず最初に、入力軸18がパワーピ
ストン7に対して、ピン9がパワーピストン7の径方向
孔cの後端に当接するまで後退する。すると、環状溝8
bが径方向孔7dから遮断されて供給弁14が閉じると
ともに、環状溝8dが径方向孔7eに接続されて排出弁
15が開く。このとき、ピン9が径方向孔cの後端に当
接するまで入力軸8がパワーピストン7に対して後退す
るので、排出弁15の開弁量が大きくなっている。この
ため、動力室11の液圧は迅速にリザーバ32の排出さ
れて低下する。
【0034】このため、セカンダリ室28のマスタシリ
ンダ圧およびセカンダリリターンスプリング30のばね
力により、プライマリピストン19、セカンダリピスト
ン20およびパワーピストン7がともに迅速に後退す
る。セカンダリピストン20の後退で、径方向孔33が
カップシール24を通過して再びカップシール24の後
方に位置するので、セカンダリ室28が再びリザーバ3
2に連通する。すると、他方の系統のホイールシリンダ
の圧液が迅速にセカンダリ室28を通ってリザーバ32
に排出される。更に、プライマリ室25のマスタシリン
ダ圧およびプライマリリターンスプリング27のばね力
で、プライマリピストン19およびパワーピストン7が
更に大きく後退する、このプライマリピストン19の後
退で、径方向孔31がカップシール22を通過して再び
カップシール22の後方に位置するので、プライマリ室
25が再びリザーバ32に連通する。このため、一方の
系統のホイールシリンダの圧液も迅速にプライマリ室2
5を通ってリザーバ32に排出される。これにより、両
ブレーキ系統のブレーキが迅速に解除される。
【0035】そして、入力軸8のピン9がプラグ5の中
央突出部5aの内側段部5bに当接すると、入力軸8は
後退限となりそれ以上液圧倍力装置用ハウジング4に対
して後退しなくなる。しかし、パワーピストン7はまだ
後退限となっていなく引き続き後退するので、径方向孔
7cの後端がピン9より離れる。パワーピストン7の後
端がプラグ9の中央突出部5aの前端に当接すると、パ
ワーピストン7も後退限となる。これにより、液圧倍力
装置2およびマスタシリンダ3はともに図1ないし図3
に示す非作動状態に戻る。このとき、入力軸8のピン9
が径方向孔7cの後端より、所定量前方に位置している
ので、排出弁15の開弁量が入力軸8の戻り時よりは小
さくなっており、次のブレーキペダルの踏み込み時に、
入力軸8のわずかな前進で排出弁15がすぐに閉じるよ
うになる。すなわち、入力軸8のロスストロークが減少
する。その場合、ピン9とプラグ5の内側段部5bと径
方向孔7cとによりロスストローク減少機構が構成され
ている。こうして、液圧倍力装置2はブレーキペダルの
踏み込みで迅速に作動して出力し、またブレーキペダル
の解放で迅速に作動解除するようになり、応答性が良好
となっている。
【0036】液圧源からの液圧が失陥して、ブレーキペ
ダルが踏み込まれても動力室20に液圧源の吐出圧が導
入されないときは、入力軸8が大きく前進すると、その
前端がパワーピストン3に当接して、入力軸8とパワー
ピストン7とは一体に前進する。このため、入力軸8が
パワーピストン7を介してプライマリピストン19を直
接押すようになるため、プライマリピストン19が前進
する。これにより、前述のようにプライマリ室25およ
びセカンダリ室28にマスタシリンダ圧が発生し、ブレ
ーキが作動する。こうして、液圧源の液圧失陥時にも、
2ブレーキ系統のブレーキ作動が確実に行われるように
なる。
【0037】このように、この例の液圧倍力装置2によ
れば、排出弁15がプラグ5の後端部に対応する位置
の、パワーピストン7の小径部7b内に設けられている
ので、排出弁15を液圧倍力装置用ハウジング4に設け
られた取付フランジ4dの車輌取付面4eより後方に配
置することができるようになる。したがって、液圧倍力
装置用ハウジング4の車輌取付面4eから前端までの長
さを短くすることができるようになる。しかも、パワー
ピストン7の小径部7aをプラグ5に貫通させているの
で、その分、液圧倍力装置用ハウジング4の全長を短縮
できる。また、制御弁がスプール弁で構成されているの
で、前述のマイクロフィルムに記載されている、弁体と
この弁体が着座する弁座とからなるポペット型の弁に比
べて部品点数を削減でき、制御弁の構成を簡素化でき
る。特に、入力軸8にスプール弁が形成されているの
で、部品点数を更に削減できる。
【0038】なお、本発明は、作動時動力室に液圧が導
入されるものであれば、どのような液圧倍力装置にも適
用できる。また、本発明の液圧倍力装置は、ブレーキシ
ステム以外の他の液圧システムにも適用することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液圧倍力装置によれば、制御弁を閉塞部材の後端部に
対応する位置の、パワーピストンの小径部内に設けてい
るので、制御弁をハウジングの車輌取付面より後方に配
置できるようになる。したがって、ハウジングの車輌取
付面から前端までの液圧倍力装置のハウジングの長さを
短縮できる。しかも、パワーピストンの小径部を閉塞部
材に貫通させているので、その分、液圧倍力装置のハウ
ジングの全長を更に短縮できる。
【0040】また、制御弁をスプール弁で構成している
ので、弁体とこの弁体が着座する弁座とからなるポペッ
ト型の弁に比べて部品点数を削減でき、制御弁の構成を
より一層簡素化できる。特に、入力軸にスプール弁を形
成しているので、部品点数を更に削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液圧倍力装置の実施の形態の一
例が適用されたブレーキ液圧発生装置の断面図である。
【図2】 図1に示す液圧倍力装置の部分拡大断面図で
ある。
【図3】 図1に示すマスタシリンダの部分拡大断面図
である。
【図4】 従来の液圧倍力装置の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…ブレーキ液圧倍力装置、2…液圧倍力装置、3…マ
スタシリンダ、4…液圧倍力装置用ハウジング、5…プ
ラグ、5a…中央突出部、5b…内側段部、7…パワー
ピストン、7a…大径部、7b…小径部、7c,7d,7
e…径方向孔、8…入力軸、8a…軸方向孔、8b,8
c,8d…環状溝、8e,8f,8g…径方向孔、9…ピ
ン、10…反力室、14…供給弁、15…排出弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液を蓄えるリザーバと、このリザーバの
    液により液圧を発生する液圧源と、ハウジングと、この
    ハウジングの軸方向孔を塞ぐ閉塞部材と、前記ハウジン
    グ内に設けられ、作動時液圧源の液圧が導入される動力
    室と、前記ハウジングの軸方向孔に液密にかつ摺動可能
    に設けられ、前記動力室に導入された液圧により作動し
    て出力するパワーピストンと、入力が加えられて作動し
    て前進する入力軸と、前記入力軸の非作動時前記動力室
    を前記リザーバに接続し、前記入力軸の作動時前記動力
    室を前記液圧源に接続して前記動力室の液圧を制御する
    制御弁とを備えている液圧倍力装置において、 前記パワーピストンは、前記ハウジングの軸方向孔に液
    密にかつ摺動可能に配置される大径部と前記プラグを液
    密にかつ摺動可能に貫通する筒状の小径部との段付ピス
    トンで形成されており、 前記動力室は前記大径部と前記プラグとの間に設けられ
    ているとともに、前記制御弁が前記小径部に配置されて
    いることを特徴とする液圧倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記制御弁はスプール弁から構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の液圧倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記スプール弁のバルブスプールは前記
    入力軸で形成されていることを特徴とする請求項2記載
    の液圧倍力装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104118412A (zh) * 2014-08-09 2014-10-29 张世俊 一种车辆液压制动增压器和制动压力分配系统
CN105667480A (zh) * 2014-08-09 2016-06-15 张世俊 一种车辆液压制动增压器

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