JP2002079930A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JP2002079930A
JP2002079930A JP2000251075A JP2000251075A JP2002079930A JP 2002079930 A JP2002079930 A JP 2002079930A JP 2000251075 A JP2000251075 A JP 2000251075A JP 2000251075 A JP2000251075 A JP 2000251075A JP 2002079930 A JP2002079930 A JP 2002079930A
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JP
Japan
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valve
piston
primary
hydraulic pressure
valve member
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000251075A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Fukushima
福島俊明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Braking Systems Co Ltd, Bosch Braking Systems Corp filed Critical Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority to JP2000251075A priority Critical patent/JP2002079930A/ja
Publication of JP2002079930A publication Critical patent/JP2002079930A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T11/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator without power assistance or drive or where such assistance or drive is irrelevant
    • B60T11/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator without power assistance or drive or where such assistance or drive is irrelevant transmitting by fluid means, e.g. hydraulic
    • B60T11/16Master control, e.g. master cylinders
    • B60T11/20Tandem, side-by-side, or other multiple master cylinder units

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ロスストロークを短縮し、更にブレーキ液の流
れに対する通路抵抗を可能な限り小さくする。 【解決手段】プライマリピストン3に入力が加えられる
と、まずセカンダリリターンスプリング31が撓んで、
プライマリピストン3、第1筒状部材6およびセカンダ
リピストン4が一体的に前進する。セカンダリピストン
4の前進により、第1開閉弁(7,39b)および第2
開閉弁(4d,9)が同時に閉じ、液圧室10,11にM
CY圧が発生する。これにより、MCY圧が発生するま
でのプライマリピストン3のロスストロークが短縮す
る。第1開閉弁(7,39b)および第2開閉弁(4d,
9)にテーパ部が形成されて、これらの開閉弁の非作動
時にブレーキ液の流れのための通路面積が十分に確保さ
れており、通路抵抗が小さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
おけるブレーキシステムに用いられ、通常ブレーキ作動
時マスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダの技術
分野に属し、特に、例えば車両姿勢安定制御におけるブ
レーキ作動制御等の通常ブレーキ作動以外の他のブレー
キ作動制御に用いられるマスタシリンダの技術分野に属
するものである。なお、以下の説明において、マスタシ
リンダをMCYとも表記する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車のブレーキシステムにお
いては、従来、ブレーキペダルの踏み込みによって作動
されてMCY圧を発生するMCYを備えており、このM
CY圧が車輪のホイールシリンダに供給されて通常ブレ
ーキが作動する。従来、MCYとして、ハウジングの軸
方向孔におけるリア側に移動可能に設けたプライマリピ
ストンと、ハウジングの軸方向孔におけるフロント側に
移動可能に設けたセカンダリピストンと、プライマリピ
ストンが前進されたときにMCY圧を発生するプライマ
リ液圧室と、セカンダリピストンが前進されたときにM
CY圧を発生するセカンダリ液圧室とを備えたいわゆる
タンデム形のMCYが周知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のタン
デム形のMCYの1つとしてプランジャタイプのMCY
があり、このプランジャタイプのMCYにおいては、プ
ライマリピストンとセカンダリピストンとの間にリター
ンスプリングが圧縮保持されている。そして、このリタ
ーンスプリングを圧縮保持するため、リターンスプリン
グの両端にそれぞれリテーナが設けられているととも
に、これらのリテーナがステム等により連繋されてい
る。このため、MCYは部品点数の多いものとなってい
るばかりでなく、コストの高いものとなっている。ま
た、従来の一般的なプランジャタイプのMCYはハウジ
ング内に設けられたスリーブに軸方向溝が形成されてい
るとともに、この軸方向溝に、プライマリピストン側の
リターンスプリングのリテーナに一体に設けられた後退
限部材が挿入される構造となっており、このため構造が
複雑であり、組立性が悪いばかりでなくコストが更に高
くなっている。
【0004】そこで、本出願人は、プライマリピストン
の前端小径部をセカンダリピストンの後端部の軸方向孔
に摺動可能に嵌合させるとともに、ハウジング内に設け
られたスリーブあるいはセカンダリピストンに、このセ
カンダリピストンに対するプライマリピストンの後退限
を規制する後退限部材を設け、更にプライマリピストン
およびセカンダリピストンの一方の後退限を規制して他
方のピストンの後退限を規制することにより、リターン
スプリングを圧縮保持するためのリテーナやステム等を
省略して、部品点数を低減するとともに、構造が簡単で
コストが安いMCYを特許出願している(特願2000
−118440)。
【0005】また、自動車においては、従来、通常ブレ
ーキ作動を行うブレーキシステムを用いて、通常ブレー
キ作動制御以外に車両姿勢安定制御におけるブレーキ作
動制御を行うようなものがある。例えば、コーナリング
時に内輪にブレーキをかけることで、自動車の旋回を容
易にしてコーナリング時の車体の姿勢を安定にすること
が行われている。
【0006】そこで、前述の特許出願のようなMCYを
この車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動制御に対応
させることが考えられる。図6は、車両姿勢安定制御に
おけるブレーキ作動制御に対応させた前述の特許出願の
ようなMCYの一例をブレーキシステムとともに示す図
である。なお、図6に示すMCYは前述の特許出願のM
CYとは単に図面上若干異なっているだけで、実質的に
はこの特許出願のMCYと同じである。また、このMC
Yの以下の説明および後述するこの発明の実施の形態の
説明において、前は図において左を、後は図において右
を示す。
【0007】図中、1はMCY、2はハウジング、3は
ハウジング2の軸方向孔2aに液密にかつ摺動可能に嵌
合されたプライマリピストン、4はハウジング2の軸方
向孔2aに液密にかつ摺動可能に嵌合されたセカンダリ
ピストン、5はプライマリピストン3の前方突出部3a
に一体に取り付けられたカップシール保持部材、6はハ
ウジング2の軸方向孔2aに液密にかつセカンダリピス
トン4と一体的に摺動可能に嵌合されるとともに内周孔
6aにカップシール保持部材5が第1カップシール7で
液密にかつ摺動可能に嵌合される第1筒状部材、8はハ
ウジング2の軸方向孔2aに液密に嵌合されるとともに
内周孔8aにセカンダリピストン4の前方突出部4aが
第2カップシール9で液密にかつ摺動可能に嵌合される
第2筒状部材、10はプライマリピストン3と第1筒状
部材6との間に設けられたプライマリ液圧室、11はセ
カンダリピストン4と第2筒状部材8との間に設けられ
たセカンダリ液圧室、12はプライマリ液圧室10を一
系統のホイールシリンダ13,14に直接またはポンプ
15を介して接続されるプライマリ出力口、16は通常
ブレーキ作動時時はブレーキ液をプライマリ出力口12
からホイールシリンダ13,14に直接供給し、車両姿
勢安定制御等の他のブレーキ作動制御時にはポンプ15
によってプライマリ出力口12から吸い込みかつ吐出さ
れるMCY1のブレーキ液をホイールシリンダ13,1
4に供給するように制御する第1ブレーキ液供給制御装
置、19はセカンダリ液圧室11を他系統のホイールシ
リンダ20,21に直接またはポンプ22を介して接続
するセカンダリ出力口、23は通常ブレーキ作動時時は
ブレーキ液をセカンダリ出力口19からホイールシリン
ダ20,21に直接供給し、車両姿勢安定制御等の他の
ブレーキ作動制御時にはポンプ11によってセカンダリ
出力口19から吸い込みかつ吐出されるMCY1のブレ
ーキ液をホイールシリンダ20,21に供給するように
制御する第2ブレーキ液供給制御装置、26はリザーバ
(不図示)に常時連通するプライマリリザーバ連通口、
27はリザーバに常時連通するセカンダリリザーバ連通
口、28はカップシール保持部材5の前方および第1筒
状部材6の外周とハウジング2の軸方向孔2aの内周と
の間の空間に設けられ、プライマリリザーバ連通口26
を介して常時リザーバに連通する第1大気圧室、29は
第2筒状部材8の内周孔8a内でセカンダリピストン4
の前方突出部4aの前方に設けられ、セカンダリリザー
バ連通口27を介して常時リザーバに連通する第2大気
圧室、30はプライマリピストン3と第1筒状部材6と
の間に縮設されたプライマリリターンスプリング、31
はセカンダリピストン4と第2筒状部材8との間に縮設
されたセカンダリリターンスプリング、32は第1筒状
部材6に穿設され、プライマリ液圧室10と第1筒状部
材6の内周孔6aを常時連通する第1径方向孔、33は
第2筒状部材8に穿設され、セカンダリ液圧室11と第
2筒状部材8の内周孔8aを常時連通する第2径方向
孔、34は第1筒状部材6の後端に設けられ、カップシ
ール保持部材5の後端が係止することで、第1筒状部材
6に対するつまりセカンダリピストン4に対するプライ
マリピストン3の後退限を規制する後退限係止部、35
はハウジング2設けられ、セカンダリピストン4の最大
の後退限を規制するストッパ、36はハウジング2の後
端部に設けられ、プライマリピストン3の後退限を規制
するストッパリングである。
【0008】その場合、プライマリリターンスプリング
30およびセカンダリリターンスプリング31の各設定
ばね力は、プライマリリターンスプリング30のばね力
>セカンダリリターンスプリング31のばね力に設定さ
れている。また、第1カップシール7と第1筒状部材6
の第1径方向孔32とにより、プライマリ液圧室10と
第1大気圧室28とを連通、遮断する常開の第1開閉弁
(7,32)が構成されているとともに、第2カップシ
ール9と第2筒状部材8の第2径方向孔33とにより、
セカンダリ液圧室11と第2大気圧室29とを連通、遮
断する常開の第2開閉弁(9,33)が構成されてい
る。
【0009】更に、ポンプ15,22、第1および第2
ブレーキ液供給制御装置16,23は図示しないコント
ローラで作動制御されるようになっている。そして、ポ
ンプ15,22の駆動によりリザーバのブレーキ液が、
MCY1の各液圧室10,11を通して各ホイールシリ
ンダ13,14,20,21に供給可能となっている。す
なわち、このMCY1は自給型のMCYとして構成され
ている。
【0010】図示しないブレーキペダルが踏み込まれな
い通常ブレーキの非作動時には、このMCY1は図示の
状態にある。すなわち、プライマリピストン3がストッ
パリング36に当接して後退限にあり、第1筒状部材6
の後退限係止部34とカップシール保持部材5とが係止
し、セカンダリピストン4が第1筒状部材6に当接して
通常時の後退限にある。セカンダリピストン4はストッ
パ35に当接していない。また、このときは、第1カッ
プシール7の外周リップ部が第1径方向孔32より後方
位置にあって第1開閉弁(7,32)が開き、プライマ
リ液圧室10が第1大気圧室28に連通して大気圧とな
っているとともに、第2カップシール9の外周リップが
第2径方向孔33より後方位置にあって第2開閉弁
(9,33)が開き、セカンダリ液圧室11が第2大気
圧室29に連通して大気圧となっている。更に、第1お
よび第2ブレーキ液供給制御装置16,23は、それぞ
れプライマリ出力口12をホイールシリンダ13,14
に直接連通するとともに、セカンダリ出力口19がホイ
ールシリンダ20,21に直接連通するようになってい
る。
【0011】この状態で、ブレーキペダルが踏み込まれ
て通常ブレーキ操作が行われると、ペダル踏力による入
力がプライマリピストン3に加えられる。すると、この
入力がプライマリピストン3からプライマリリターンス
プリング30、第1筒状部材6およびセカンダリピスト
ン4を介してセカンダリリターンスプリングに伝達され
るので、まずセカンダリリターンスプリング31が撓
む。これにより、プライマリピストン3、プライマリリ
ターンスプリング30、第1筒状部材6およびセカンダ
リピストン4が一体的に前進する。セカンダリピストン
4の前進により、第2カップシール9の外周リップ部が
第2径方向孔33より前方へ移動するので第2開閉弁
(9,33)が閉じてセカンダリ液圧室11が第2大気
圧室29から遮断され、セカンダリ液圧室11にMCY
圧が発生する。これにより、プライマリリターンスプリ
ング30が撓むのでプライマリピストン3とカップシー
ル保持部材5が第1筒状部材6に対して相対的に前進す
る。すると、第1カップシール7の外周リップ部が第1
径方向孔32より前方へ移動するので第1開閉弁(7,
32)が閉じてプライマリ液圧室10が第1大気圧室2
8から遮断され、プライマリ液圧室10にMCY圧が発
生する。これらのMCY圧がそれぞれ各ホイールシリン
ダ13,14,20,21に供給され、通常ブレーキが作
動する。
【0012】ブレーキペダルが解放されてプライマリピ
ストン3の入力がなくなると、プライマリピストン3が
後退するので、カップシール保持部材5も後退してその
後端が第1筒状部材6の後退限係止部34に係止する。
このとき、第1カップシール7の外周リップ部が第1径
方向孔32より後方に位置して第1開閉弁(7,32)
が開く。更に、プライマリピストン3が後退すると、第
1筒状部材6およびセカンダリピストン4も一体に後退
するので、第2カップシール9の外周リップ部が第2径
方向孔33より後方に位置して第2開閉弁(9,33)
が開く。これにより、プライマリ液圧室10およびセカ
ンダリ液圧室11がそれぞれ第1および第2大気圧室2
8,29に連通するので、プライマリ液圧室10および
セカンダリ液圧室11内のMCY圧が消滅し、通常ブレ
ーキが解除する。
【0013】ところで、このようなMCY1では、第2
開閉弁(9,33)が閉じるまでプライマリピストン
3、カップシール保持部材5および第1筒状部材6が第
1開閉弁(7,32)を閉じることなく前進ストローク
し、その後プライマリピストン3およびカップシール保
持部材5が第1筒状部材6に対して前進ストロークする
ことで第1開閉弁(7,32)が閉じるようになってい
るため、MCY1の2系統にともにMCY圧が発生する
までのプライマリピストン3のロスストロークつまりブ
レーキペダルのロスストロークは、第2開閉弁(9,3
3)が閉じるまでのストロークと第1開閉弁(7,3
2)が閉じるまでのストロークとの和となり、大きいも
のとなっている。
【0014】また、前述の特許出願のMCYのような、
非作動時にセカンダリピストン4がストッパ35に当接
することでセカンダリピストン4の後退限が規制される
とともに、カップシール保持部材5が後退限係止部34
に係止することでプライマリピストン3の後退限が規制
されるMCY1の場合も、同様にプライマリピストン3
のロスストロークは大きい。しかも、プライマリピスト
ン3のロスストロークが大きいこともあって、MCY1
はその全長が比較的長いものとなっている。
【0015】一方、自動車の走行中で、ブレーキペダル
が踏み込まれない通常ブレーキの非作動時に、例えば図
示しないステアリングハンドルが操舵されると、車両姿
勢安定制御におけるブレーキ作動制御が自動的に行われ
る。すなわち、この操舵が検知されて、図示しないコン
トローラは操舵方向側つまり内輪側のホイールシリンダ
にブレーキ液が供給可能なように第1および第2ブレー
キ液供給制御装置16,23を作動するとともにポンプ
15,22を駆動する。すると、ポンプ15,22はそれ
ぞれリザーバからブレーキ液を、プライマリリザーバ連
通口26およびセカンダリリザーバ連通口27、第1お
よび第2大気圧室28,29、第1および第2開閉弁
(7,32),(9,33)、プライマリ液圧室10およ
びセカンダリ液圧室11、プライマリ出力口12および
セカンダリ出力口19を通して吸い込んで、このブレー
キ液を内輪側のホイールシリンダに吐出し、内輪に自動
ブレーキをかける。これにより、自動車は旋回し易くな
り、安定した姿勢で旋回するようになる。操作が終了す
ると、コントローラは第1および第2ブレーキ液供給制
御装置16,23およびポンプ15,22をそれぞれ非作
動にする。これにより、ポンプ15,22によってホイ
ールシリンダに吐出されたブレーキ液はリザーバに戻さ
れ、内輪のブレーキが解除され、車両姿勢安定制御にお
けるブレーキ作動が終了する。
【0016】なお、通常ブレーキ作動時に、車両姿勢安
定制御におけるブレーキ作動制御開始の条件が成立して
も、コントローラは第1および第2ブレーキ液供給制御
装置16,23およびポンプ15,22をいずれも作動さ
せなく、また、車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動
制御中に通常ブレーキ操作が行われたときには、コント
ローラは第1および第2ブレーキ液供給制御装置16,
23およびポンプ15,22をいずれも非作動にするこ
とにより、通常ブレーキ作動が優先するようになってい
る。
【0017】ところで、車両姿勢安定制御におけるブレ
ーキ作動制御時にポンプ15,22がリザーバのブレー
キ液を吸い込むが、このときリザーバからのブレーキ液
が第1および第2開閉弁(7,32),(9,33)を流
れる。これらの第1および第2開閉弁(7,32),
(9,33)においては、第1径方向孔32の角部と第
1カップシール7を保持するカップシール保持部材5の
保持部の角部との間の隙間、および第2径方向孔33の
角部と第2カップシール7を保持するセカンダリピスト
ン4の保持部の角部との間の隙間が比較的狭くてなって
いて、それぞれブレーキ液の流れのための通路面積が急
に小さくなる構造となっている。このため、これらの第
1および第2開閉弁(7,32),(9,33)におい
て、ブレーキ液の流れに対する通路抵抗が大きいものと
なっている。そこで、車両姿勢安定制御に用いられるM
CY1には、車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動の
制御性をできるだけ良好にするために、これらの部分の
ブレーキ液の流れに対する通路抵抗はできるだけ小さく
することが求められる。
【0018】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ロスストロークを短縮す
ることのできるマスタシリンダを提供することである。
本発明の他の目的は、リザーバから液圧室を通してブレ
ーキ液をポンプによって吸い込むことでブレーキを作動
する自給型のマスタシリンダにおいて、ブレーキ液の流
れに対する通路抵抗を可能な限り小さくすることのでき
るマスタシリンダを提供することである。本発明の更に
他の目的は、部品点数を少なくしかつ構造を簡単にする
ことのできるマスタシリンダを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、ブレーキ液を蓄えるリザーバ
と、入力により前進するプライマリピストンと、このプ
ライマリピストンの前進で前進するセカンダリピストン
と、前記プライマリ液圧室と前記リザーバとの開閉を制
御する常開の第1開閉弁と、前記セカンダリ液圧室と前
記リザーバとの開閉を制御する常開の第2開閉弁とを少
なくとも備えているマスタシリンダにおいて、円柱状部
材がハウジング内に設けられ、前記セカンダリピストン
は筒状に形成されているとともに、前記円柱状部材に液
密にかつ摺動可能に嵌合されており、前記第1開閉弁
が、前記セカンダリピストンと一体的に移動可能な筒状
部材に設けられた第1弁部材と前記円柱状部材に設けら
れた第2弁部材とから構成されているとともに、前記第
1弁部材が前進したときこの第1弁部材と前記第2弁部
材とによって閉じられるようになっており、前記第2開
閉弁が、前記セカンダリピストンに設けられた第3弁部
材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材とから構成
されているとともに、前記第3弁部材が前進したときこ
の第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉じられるよ
うになっていることを特徴としている。
【0020】また、請求項2の発明は、ブレーキ液を蓄
えるリザーバと、入力により前進するプライマリピスト
ンと、このプライマリピストンの前進で前進するセカン
ダリピストンと、前記プライマリ液圧室と前記リザーバ
との開閉を制御する常開の第1開閉弁と、前記セカンダ
リ液圧室と前記リザーバとの開閉を制御する常開の第2
開閉弁とを少なくとも備えているマスタシリンダにおい
て、円柱状部材がハウング内に設けられ、前記セカンダ
リピストンは筒状に形成されているとともに、前記円柱
状部材に液密にかつ摺動可能に嵌合されており、前記第
1開閉弁が、前記セカンダリピストンと一体的に移動可
能な筒状部材に設けられた第1弁部材と前記円柱状部材
に設けられた第2弁部材とから構成されているととも
に、前記第1弁部材が前進したときこの第1弁部材と前
記第2弁部材とによって閉じられるようになっており、
前記第2開閉弁が、前記セカンダリピストンに設けられ
た第3弁部材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材
とから構成されているとともに、前記第3弁部材が前進
したときこの第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉
じられるようになっており、更に、作動時前記入力に対
応した液圧より大きな液圧が前記プライマリ液圧室に発
生したとき、この大きな液圧により前記プライマリピス
トンが後退するとともに前記筒状部材が前記セカンダリ
ピストンに対して相対的に後退することにより、前記第
1開閉弁が、大きな液圧が前記入力に対応した液圧とな
るまで開かれるようになっており、また、作動時前記入
力に対応した液圧より大きな液圧が前記セカンダリ液圧
室に発生したとき、この大きな液圧により前記セカンダ
リピストンが後退することにより、前記第2開閉弁が、
大きな液圧が前記入力に対応した液圧となるまで開かれ
るようになっていることを特徴としている。
【0021】更に、請求項3の発明は、前記第1および
第2弁部材のいずれか一方が第1カップシールで構成さ
れているとともに、前記第1および第2弁部材のいずれ
か他方にこの第1カップシールのリップ部が接触可能な
第1テーパ部が形成されており、前記第1カップシール
を保持する第1カップシール保持部に、前記第1テーパ
部に対向するようにしかつ前記第1テーパ部と間隔を置
いて第2テーパ部が形成されており、また、前記第3お
よび第4弁部材のいずれか一方が第2カップシールで構
成されているとともに、前記第3および第4弁部材のい
ずれか他方にこの第2カップシールのリップ部が接触可
能な第3テーパ部が形成されているとともに、前記第2
カップシールを保持する第2カップシール保持部に、前
記第3テーパ部に対向するようにしかつ前記第3テーパ
部と間隔を置いて第4テーパ部が形成されていることを
特徴としている。
【0022】更に、請求項4の発明は、ブレーキ液を蓄
えるリザーバと、入力により前進するプライマリピスト
ンと、このプライマリピストンの前進で前進するセカン
ダリピストンと、前記プライマリ液圧室と前記リザーバ
との開閉を制御する常開の第1開閉弁と、前記セカンダ
リ液圧室と前記リザーバとの開閉を制御する常開の第2
開閉弁とを少なくとも備えているマスタシリンダにおい
て、ハウジング内に、筒状部材が前記プライマリピスト
ンに対して所定量だけ相対移動可能に設けられていると
ともに、前記ハウジング内に円柱状部材が設けられてお
り、前記セカンダリピストンは有底筒状に形成されて前
記筒状部材にセカンダリピストンが液密にかつ相対移動
可能に嵌合されているとともに、前記円柱状部材に液密
にかつ摺動可能に嵌合されており、前記第1開閉弁が、
前記筒状部材に設けられた第1弁部材と前記ハウジング
側に設けられた第2弁部材とから構成されているととも
に、前記第1弁部材が前進したときこの第1弁部材と前
記第2弁部材とによって閉じられるようになっており、
前記第2開閉弁が、前記セカンダリピストンに設けられ
た第3弁部材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材
とから構成されているとともに、前記第3弁部材が前進
したときこの第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉
じられるようになっており、更に、前記プライマリ液圧
室と前記リザーバとの開閉を制御する常閉の第3開閉弁
が設けられており、この第3開閉弁が、前記セカンダリ
ピストンに設けられた第5弁部材と前記筒状部材に設け
られた第6弁部材とから構成されているとともに、作動
時前記入力に対応した液圧より大きな液圧が前記プライ
マリ液圧室に発生したとき、この大きな液圧により前記
セカンダリピストンが前記筒状部材に対して相対的移動
することで、開かれるようになっており、また、作動時
前記入力に対応した液圧より大きな液圧が前記セカンダ
リ液圧室に発生したとき、この大きな液圧により前記セ
カンダリピストンが後退することにより、前記第2開閉
弁が、大きな液圧が前記入力に対応した液圧となるまで
開かれるようになっていることを特徴としている。更
に、請求項5の発明は、前記プライマリピストンが、前
記ハウジングの後方に延出されていることを特徴として
いる。
【0023】
【作用】このような構成をした本発明のマスタシリンダ
においては、セカンダリピストンまたはこのセカンダリ
ピストンと一体的に移動するセカンダリ側係止部材が前
進すると第1弁部材も前進し、この第1弁部材と第2弁
部材とによって第1開閉弁が閉じると同時に、このとき
のセカンダリピストンの前進で第3弁部材も前進し、こ
の第3弁部材と第4弁部材とによって第2開閉弁が閉じ
る。このように、マスタシリンダの作動時、第1および
第2開閉弁が同時にまたはほぼ同時に閉じられるように
なる。したがって、MCYの2系統にともにMCY圧が
発生するまでのプライマリピストンのロスストロークは
一方の開閉弁が閉じてから他方の開閉弁の閉じ作動が開
始するようなMCYに比べて約半分になるので、大幅に
短縮される。
【0024】しかも、プライマリピストンのロスストロ
ークが小さくなることから、MCYの全長が短縮可能と
なる。特に、請求項5の発明においては、プライマリピ
ストンがハウジング後方に延出されて構造となっている
ので、MCYの全長が更に短くなる。また、ハウジング
内に設けられた円柱状部材に、筒状のセカンダリピスト
ンが液密にかつ摺動可能に嵌合させるとともに、セカン
ダリピストンまたはこのセカンダリピストンと一体的に
移動可能な筒状部材に第1開閉弁の第1弁部材を設ける
とともに、セカンダリピストンに第2開閉弁の第3弁部
材を設ける構成としているので、構造が簡単でかつ孔加
工等の加工が容易になる。
【0025】更に、請求項2の発明においては、前述の
請求項1の発明と実質的に同じ作用が行われる。更に、
これに加えて、通常ブレーキ以外の他のブレーキの作動
によりプライマリ液圧室に残圧が生じている状態で通常
ブレーキ作動が行われたとき、この残圧により、プライ
マリ液圧室の液圧がこの通常ブレーキ作動時の入力に対
応した液圧より大きくなる。すると、この大きな液圧に
よりプライマリピストンが後退するとともに筒状部材お
よび第1弁部材がセカンダリピストンに対して相対的に
後退することにより、第1開閉弁が開く。これにより、
プライマリ液圧室の大きな液圧がリザーバに排出され、
プライマリ液圧室の液圧は低下する。そして、プライマ
リ液圧室の液圧が入力に対応した液圧になると、通常ブ
レーキ作動時の入力によりプライマリピストンが前進す
るので、筒状部材および第1弁部材も前進して第1開閉
弁が閉じ、プライマリ液圧室の液圧が入力に対応した液
圧に設定される。こうして、プライマリ液圧室の液圧の
残圧分が排出されるので、この残圧によるプライマリ液
圧室の液圧上昇が抑制され、残圧による通常ブレーキ作
動への影響が確実に防止される。
【0026】また、前述の残圧により、セカンダリ液圧
室の液圧が通常ブレーキ作動時の入力に対応した液圧よ
り大きくなると、この大きな液圧によりセカンダリピス
トンおよび第3弁部材が後退することにより、第2開閉
弁が開く。これにより、セカンダリ液圧室の大きな液圧
がリザーバに排出され、セカンダリ液圧室の液圧は低下
する。そして、セカンダリ液圧室の液圧が入力に対応し
た液圧になると、通常ブレーキ作動時の入力によりセカ
ンダリピストンおよび第3弁部材も前進して第2開閉弁
が閉じ、セカンダリ液圧室の液圧が入力に対応した液圧
に設定される。こうして、セカンダリ液圧室の液圧の残
圧分が排出されるので、この残圧によるセカンダリ液圧
室の液圧上昇が抑制され、残圧による通常ブレーキ作動
への影響が確実に防止される。
【0027】更に、請求項3の発明においては、相対向
するテーパ部により、所定長さで所定通路面積を有する
截頭円錐形状のブレーキ液通路が形成されるようになる
ので、ブレーキ液の流れのための通路面積が急に小さく
なることなく、所定の通路面積が十分に確保される。し
たがって、ブレーキ液の流れに対する通路抵抗がより一
層小さくなるので、この発明のMCYを車両姿勢安定制
御におけるブレーキ作動制御に用いることにより、車両
姿勢安定制御におけるブレーキ作動の制御性がより一層
良好になる。
【0028】更に、請求項4の発明においても、前述の
請求項1の発明と実質的に同じ作用が行われる。更に、
これに加えて、通常ブレーキ以外の他のブレーキの作動
によりプライマリ液圧室に残圧が生じている状態で通常
ブレーキ作動が行われたとき、この残圧により、プライ
マリ液圧室の液圧がこの通常ブレーキ作動時の入力に対
応した液圧より大きくなる。すると、この大きな液圧に
よりセカンダリピストンが筒状部材に対して相対的に前
進し、第5弁部材が第6弁部材より前方へ移動すること
により、常閉の第3開閉弁が開く。これにより、プライ
マリ液圧室の大きな液圧がリザーバに排出され、プライ
マリ液圧室の液圧は低下する。そして、プライマリ液圧
室の液圧が入力に対応した液圧になると、セカンダリピ
ストンが筒状部材に対して相対的に後退して元に戻るこ
とにより、第3開閉弁が閉じ、プライマリ液圧室の液圧
が入力に対応した液圧に設定される。こうして、プライ
マリ液圧室の液圧の残圧分が排出されるので、この残圧
によるプライマリ液圧室の液圧上昇が抑制され、残圧に
よる通常ブレーキ作動への影響が確実に防止される。ま
た、前述の残圧により、セカンダリ液圧室の液圧が通常
ブレーキ作動時の入力に対応した液圧より大きくなった
場合は、前述の請求項2の発明と同じである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係るマスタシ
リンダの実施の形態の第1例をブレーキシステムととも
に示す、図6と同様の図である。なお、前述の図6に示
すブレーキシステムと同じ構成要素には同じ符号を付す
ことにより、その詳細な説明は省略する。
【0030】図1に示すように、この第1例におけるマ
スタシリンダ1は、前述のストッパリング36が設けら
れていなく、ハウジング2の後端部に螺合された筒状の
プラグ部材37が設けられている。また、プライマリピ
ストン3はこのプラグ部材37を液密にかつ摺動可能に
貫通してハウジング2の外で後方に延設されている。そ
して、プライマリピストン3の前端に形成されたフラン
ジ状係止部3bがプラグ部材37に形成された後退限係
止部37aに当接することで、プライマリピストン3の
後退限が規制されている。
【0031】プライマリピストン3の前端部は軸方向孔
3cを有するシリンダ状に形成されており、プライマリ
ピストン3の前端部の中央にボルト状部材38が軸方向
孔3c内に位置して螺合連結されている。また、前述の
第1筒状部材6が筒状のリテーナで構成されているとと
もに、セカンダリピストン4と一体的に前後方向に(軸
方向)に移動可能にプライマリ液圧室10内に配設され
ている。ボルト状部材38の頭部38aは第1筒状部材
6の内周孔6a内に進入し、第1筒状部材6の後退限係
止部34に対して後方に係止可能となっている。そし
て、図示のように頭部38aが後退限係止部34に後方
に向かって係止したとき、セカンダリピストン4および
第1筒状部材6に対するプライマリピストン3の後退限
が規制されるようになっている。すなわち、後退限係止
部34および頭部38aにより、本発明のセカンダリピ
ストン4に対するプライマリピストン3の後退限規制手
段が構成されている。
【0032】更に、前述の第2筒状部材8が設けられて
いなく、代わりにハウジング2の軸方向孔2a内に円柱
状部材39が液密に嵌合されており、この円柱状部材3
9は軸方向孔2a内を後方に延びている。更に、セカン
ダリピストン4は筒状に形成されていて、軸方向孔2a
の内周に液密にかつ摺動可能に内嵌されているととも
に、円柱状部材39の後方延長部39aの外周に液密に
かつ摺動可能に外嵌されている。そして、セカンダリリ
ターンスプリング31がセカンダリピストン4と円柱状
部材39との間に縮設されている。セカンダリピストン
4の外径は、プライマリピストン3の外径より大きく設
定されており、プライマリピストン3の有効受圧面積と
セカンダリピストン4の有効受圧面積とが同じになるよ
うに設定されている。これにより、プライマリ液圧室1
0に発生するMCY圧とセカンダリ液圧室11に発生す
るMCY圧とが同じになるようにされている。第1カッ
プシール7(本発明の第1弁部材に相当)はこのセカン
ダリピストン4の軸方向孔の後端部内周に保持されてい
る。
【0033】更に、前述のプライマリ液圧室10はプラ
イマリピストン3と第1筒状部材6との間に設けられて
いるが、この第1例のプライマリ液圧室10はプライマ
リピストン3と第1筒状部材6との間に設けられている
ばかりでなく、第1筒状部材6の第1径方向孔32を通
して第1筒状部材6と円柱状部材39との間にまで延設
されている。また、第1大気圧室28はセカンダリピス
トン4の外周とハウジング2の軸方向孔2aの内周との
間に設けられている。これらの第1大気圧室28とプラ
イマリ液圧室10とは、セカンダリピストン4に形成さ
れた径方向孔40、セカンダリピストン4の軸方向孔の
環状溝と円柱状部材39の後方延長部39aの外周とで
形成される環状空間41、および後方延長部39aの後
端39bと第1カップシール7の保持部4bとの間の通
路42を介して連通可能となっている。
【0034】通路42は次のように形成されている。す
なわち、図2(a)に示すように後方延長部39aの後
端部39bの外周側にはテーパ部39cが形成されてい
るとともに、第1カップシール7の保持部4bのこのテ
ーパ部39cに対向する部分に、テーパ部39cと所定
間隔を置いて平行にテーパ部4cが形成されている。こ
れらの両テーパ部4c,39cにより、所定長さで所定
通路面積を有する截頭円錐形状の通路42が構成されて
いる。これにより、MCY1の非作動時、プライマリ液
圧室10と第1大気圧室28とは、通路面積が急に小さ
くなることなく、所定の通路面積が確保されて連通して
いる。
【0035】そして、前述の第1開閉弁は第1筒状部材
6の第1径方向孔32とカップシール保持部材5に保持
された第1カップシール7とで構成されているが、この
第1例の第1開閉弁は、セカンダリピストン4に保持さ
れた第1カップシール7と後方延長部39aの後端部3
9bのテーパ部39c(本発明の第2弁部材に相当)と
により構成されている。
【0036】一方、第2カップシール9(本発明の第4
弁部材に相当)は円柱状部材39の後方延長部39aに
保持されている。また、第2大気圧室29とセカンダリ
液圧室11とは、円柱状部材39に形成された軸方向孔
43および径方向孔44、セカンダリピストン4の軸方
向孔の内周と後方延長部39aの環状溝とで形成される
環状の空間45、およびセカンダリピストン4の前端部
4dと第2カップシール9の保持部39dとの間の通路
46を介して連通可能となっている。
【0037】通路46は次のように形成されている。す
なわち、図2(b)に示すようにセカンダリピストン4
の前端部4dの内周側にはテーパ部4eが形成されてい
るとともに、第2カップシール9の保持部39dのこの
テーパ部4eに対向する部分に、テーパ部4eと所定間
隔を置いて平行にテーパ部39eが形成されている。こ
れらの両テーパ部4e,39eにより、所定長さで所定
通路面積を有する截頭円錐形状の通路46が構成されて
いる。これにより、MCY1の非作動時、セカンダリ液
圧室11と第2大気圧室29とは、通路面積が急に小さ
くなることなく、所定の通路面積が確保されて連通して
いる。
【0038】そして、前述の第2開閉弁は第2筒状部材
8の径方向孔9とセカンダリピストン4の前方突出部4
aに保持された第2カップシール9とで構成されている
が、この第1例の第2開閉弁は、後方延長部39aに保
持された第2カップシール9(本発明の第4弁部材に相
当)とセカンダリピストン4の前端部4dのテーパ部4
e(本発明の第3弁部材に相当)とにより構成されてい
る。セカンダリリターンスプリング31はセカンダリピ
ストン4と円柱状部材39との間に縮設されている。こ
のセカンダリリターンスプリング31のセット荷重は、
前述の図6に示すMCY1と同様にプライマリリターン
スプリング30のセット荷重より小さく設定されてい
る。この第1例のMCY1を含むブレーキシステムの他
の構成は、ストッパ35が設けられない以外は前述の図
6に示す構成と同じである。
【0039】このように構成されたこの第1例のブレー
キシステムの作動について説明する。図1に示すブレー
キペダルが踏み込まれないMCYの非作動状態では、プ
ライマリピストン3はそのフランジ状係止部3bがプラ
グ部材37の後退限係止部37aに係止して後退限とな
っている。また、プライマリリターンスプリング30の
ばね力により、第1筒状部材6の後退限係止部34がプ
ライマリピストン3に螺合連結されたボルト状部材38
の頭部38aに係止しているとともに、前述の図6に示
すMCY1と同様にセカンダリピストン4はその後端が
この第1筒状部材6に当接して後退限となっている。
【0040】更に、この非作動状態では、第1カップシ
ール7の内周リップ部が円柱状部材39の後端部39b
より後方に位置していて第1開閉弁(7,39b,39
c)が開いている。このとき、後端部39bのテーパ部
39cと第1カップシール7の保持部4bのテーパ部4
cとにより、ブレーキ液の流れのための通路面積が急に
小さくなることなくかつ十分に確保されている。また、
セカンダリピストン4の前端部4dが第2カップシール
9の外周リップ部より後方に位置していて第2開閉弁
(4d,4e,9)が開いている。このとき、前端部4d
のテーパ部4eと第2カップシール9の保持部39dの
テーパ部39eとにより、ブレーキ液の流れのための通
路面積が急に小さくなることなくかつ十分に確保されて
いる。第1および第2開閉弁(7,39b,39c),
(4d,4e,9)が開いていることにより、プライマリ
液圧室10およびセカンダリ液圧室11はそれぞれ第1
および第2大気圧室28,29に連通し、大気圧となっ
ている。
【0041】この状態で、ブレーキペダルが踏み込まれ
て通常ブレーキ操作が行われると、前述の図6に示すM
CY1と同様にペダル踏力による入力がプライマリピス
トン3に加えられる。すると、セカンダリリターンスプ
リング31のセット荷重が一番小さく、しかもこの入力
がプライマリピストン3からプライマリリターンスプリ
ング30、第1筒状部材6およびセカンダリピストン4
を介してセカンダリリターンスプリング31に伝達され
るので、まず最初にセカンダリリターンスプリング31
が撓む。これにより、プライマリピストン3、プライマ
リリターンスプリング30、ボルト状部材38、第1筒
状部材6およびセカンダリピストン4が一体的に前進す
る。しかし、これらが一体的に前進しても、円柱状部材
39は何ら移動しなく、したがって、端部39b、テー
パ部39cおよび第2カップシール9は移動しない。
【0042】セカンダリピストン4の前進により、第1
カップシール7が前進してその内周リップ部が円柱状部
材39の後端部39bのテーパ部39cに接触し、第1
開閉弁(7,39b,39c)が閉じてプライマリ液圧室
10が第1大気圧室28に常時連通する環状空間41か
ら遮断されると同時に、セカンダリピストン4の前端部
4dが前進してそのテーパ部4eが円柱状部材39の第
2カップシール9の外周リップ部に接触し、第2開閉弁
(4d,4e,9)が閉じてセカンダリ液圧室11が第2
大気圧室29に常時連通する環状の空間45から遮断さ
れる。すなわち、第1および第2開閉弁(7,39b,3
9c),(4d,4e,9)が同時に閉じて、プライマリ
液圧室10およびセカンダリ液圧室11にそれぞれMC
Y圧が発生する。これらのMCY圧がそれぞれ各ホイー
ルシリンダ13,14,20,21に供給され、通常ブレ
ーキが作動する。セカンダリピストン4が更に前進する
と、第1カップシール7の内周リップ部が円柱状部材3
9の後端部39bの外周面39fに接触してプライマリ
液圧室10の液密が保持されるとともに、第2カップシ
ール9の外周リップ部がセカンダリピストン4の内周面
4fに接触してセカンダリ液圧室11の液密が保持され
る。
【0043】プライマリピストン3の入力が増大するこ
とで、セカンダリリターンスプリング31のばね力が大
きくなってセカンダリピストン4を後方に押す力がプラ
イマリリターンスプリング30を撓ませる力より大きく
なると、プライマリリターンスプリング30が撓むの
で、プライマリピストン3およびボルト状部材38がと
もに第1筒状部材6に対して相対的に前進し、ボルト状
部材38の頭部38aが後退限係止部34から離れる。
【0044】ブレーキペダルが解放されてプライマリピ
ストン3の入力がなくなると、プライマリピストン3が
後退するので、まずボルト状部材38の頭部38aが第
1筒状部材6の後退限係止部34に係止する。プライマ
リピストン3が更に後退すると、プライマリピストン
3、プライマリリターンスプリング30、ボルト状部材
38、第1筒状部材6およびセカンダリピストン4が一
体的に後退する。セカンダリピストン4の後退により、
第1カップシール7が後退してその内周リップ部が円柱
状部材39の後端部39bより後方に位置し、第1開閉
弁(7,39b,39c)が開いてプライマリ液圧室10
が第1大気圧室28に連通すると同時に、セカンダリピ
ストン4の前端部4dが後退して円柱状部材39の第2
カップシール9の外周リップ部より後方に位置し、第2
開閉弁(4d,4e,9)が開いてセカンダリ液圧室11
が第2大気圧室29に連通して、プライマリ液圧室10
およびセカンダリ液圧室11のMCY圧がそれぞれ消滅
するので、通常ブレーキが解除する。
【0045】この第1例のMCY1によれば、前述の図
6に示すMCY1と同様に、後退限規制部34とボルト
状部材38の頭部38aとを係止させることにより、セ
カンダリピストン4および第1筒状部材6に対するプラ
イマリピストン3の後退限を規制しているので、従来の
MCYのようなプライマリリターンスプリング30を圧
縮保持するためのリテーナやステム等を省略でき、部品
点数を低減できるとともに、構造を簡単にしてコストを
低減できる。
【0046】また、この第1例のMCY1によれば、第
1および第2開閉弁(7,39b,39c),(4d,4
e,9)を同時に閉じるようにしているため、MCY1
の2系統にともにMCY圧が発生するまでのプライマリ
ピストン3のロスストロークつまりブレーキペダルのロ
スストロークが各開閉弁(7,39b,39c),(4d,
4e,9)が閉じるまでのストロークとなる。したがっ
て、プライマリピストン3のロスストロークを前述の図
6に示すMCY1に比べて約半分にできるので、大幅に
短縮することができる。しかも、プライマリピストン3
のロスストロークを小さくできることにより、MCY1
の全長を短縮することができる。そのうえ、プライマリ
ピストン3をハウジング2の後方に延出する構造として
いるので、MCY1の全長を更に短くできる。
【0047】一方、この第1例のブレーキシステムにお
いても、前述の図6に示すブレ−キシステムの場合と同
様に通常ブレーキの非作動時に、例えばステアリングハ
ンドルの操舵により、車両姿勢安定制御におけるブレー
キ作動制御が行われる。このとき、この第1例のMCY
1によれば、後方延長部39aの後端部39bのテーパ
部39cと第1カップシール7の保持部4bのテーパ部
4cとにより、およびセカンダリピストン4の前端部4
dのテーパ部4eと第2カップシール9の保持部39d
のテーパ部39eとにより、それぞれ、所定長さで所定
通路面積を有する截頭円錐形状の通路42,46を形成
しているので、ブレーキ液の流れのための通路面積が急
に小さくなることなく、所定の通路面積を十分に確保で
きる。したがって、ブレーキ液の流れに対する通路抵抗
をより一層小さくすることができるので、この第1例の
MCY1を用いることにより、車両姿勢安定制御におけ
るブレーキ作動の制御性をより一層良好にすることがで
きる。
【0048】図3は、本発明の実施の形態の第2例を示
す図である。前述の図1に示す第1例では、第1カップ
シール7をセカンダリピストン4に設けるものとしてい
るが、この第2例のMCY1では、図3に示すようにこ
の第1カップシール7は第1筒状部材6に設けられてい
る。この第2例のMCY1の他の構成は図1に示す第1
例と同じであり、また図3には示されていないが、この
第2例のMCY1にも図1に示す車両姿勢安定制御のた
めのブレーキシステムが接続されている。
【0049】このように構成されたこの第2例のMCY
1およびブレーキシステムにおいては、前述の図1に示
す第1例と同様に車両姿勢安定制御におけるブレーキ作
動が行われる。そして、車両姿勢安定制御におけるブレ
ーキ作動終了時のプライマリ液圧室に残圧が生じている
状態で通常ブレーキ作動が行われると、この残圧によ
り、プライマリ液圧室10の液圧がこの通常ブレーキ作
動時の入力に対応した液圧より大きくなる。すると、こ
の大きな液圧によりプライマリピストン3が後退すると
ともに第1筒状部材6および第1カップシール7がセカ
ンダリピストン4に対して相対的に後退する。このた
め、第1開閉弁(7,39b,39c)が開いて、プライ
マリ液圧室10の大きな液圧がリザーバに排出され、プ
ライマリ液圧室10の液圧は低下する。そして、プライ
マリ液圧室10の液圧が入力に対応した液圧になると、
通常ブレーキ作動時の入力によりプライマリピストン3
が前進するので、第1筒状部材6および第1カップシー
ル7も前進して第1開閉弁(7,39b,39c)が再び
閉じる。これにより、プライマリ液圧室10の液圧が入
力に対応した液圧に設定される。こうして、プライマリ
液圧室10の液圧の残圧分が排出されるので、この残圧
によるプライマリ液圧室10の液圧上昇が抑制され、残
圧による通常ブレーキ作動への影響が確実に防止され
る。
【0050】また、前述の残圧により、セカンダリ液圧
室11の液圧が通常ブレーキ作動時の入力に対応した液
圧より大きくなると、この大きな液圧によりセカンダリ
ピストン4およびそのテーパ部4eが後退することによ
り、第2開閉弁(4d,4e,9)が開く。これにより、
セカンダリ液圧室11の大きな液圧がリザーバに排出さ
れ、セカンダリ液圧室11の液圧は低下する。そして、
セカンダリ液圧室11の液圧が入力に対応した液圧にな
ると、通常ブレーキ作動時の入力によりセカンダリピス
トン4およびそのテーパ部4eも前進して第2開閉弁
(4d,4e,9)が閉じ、セカンダリ液圧室11の液圧
が入力に対応した液圧に設定される。こうして、セカン
ダリ液圧室11の液圧の残圧分が排出されるので、この
残圧によるセカンダリ液圧室11の液圧上昇が抑制さ
れ、残圧による通常ブレーキ作動への影響が確実に防止
される。
【0051】図4は、本発明の実施の形態の第3例のマ
スタシリンダを示し、(a)はその縦断面図、(b)は
(a)におけるIVB部の部分拡大図である。前述の図3
に示す第2例では、第1筒状部材6の内周側に設けた第
1カップシール7と円柱状部材39における後方延長部
39aの後端39bとによって、第1開閉弁が構成され
ているが、この第3例のマスタシリンダでは、この第1
開閉弁は、第1筒状部材6の外周側に設けた第1カップ
シール7と筒状のプラグ部材37の内周側に設けた環状
凹部のテーパ側壁とによって構成されている。
【0052】すなわち、図4(a)に示すように第3例
のマスタシリンダ1では、筒状のプラグ部材37の、ハ
ウジング2の軸方向孔2aに液密に嵌合する嵌合部37
bがプライマリリザーバ連通口26の位置まで延出され
ている。そして、このように筒状のプラグ部材37の嵌
合部37bが前方へ大きく延出されることで、プライマ
リ出力口12が取付フランジ部49より前方位置に設け
られるようになる。そして、図4(b)に拡大して示す
ようにプラグ部材37の嵌合部37bの内周面の所定位
置に環状凹部37cが形成されている。この凹部37c
の前側壁37c 1および後側壁37c2は、ともに傾斜し
たテーパ側壁とされている。
【0053】この環状凹部37cには、環状凹部37c
の内外周面を連通する所定数の径方向孔37dが穿設さ
れており、これらの径方向孔37dは、プライマリ液圧
室10およびプライマリ出力口12にそれぞれ常時連通
している。そして、図示の非作動時は、第1カップシー
ル7の外周リップ部が前側壁37c1から離間して、プ
ライマリ液圧室10および径方向孔37dと第1大気圧
室28とが連通するようになっている。また、第1筒状
部材6の前進で第1カップシール7の外周リップ部が前
側壁37c1に当接すると、プライマリ液圧室10およ
び径方向孔37dと第1大気圧室28とが遮断するとと
もに、この遮断は、更なる第1筒状部材6の前進で第1
カップシール7の外周リップ部がプラグ部材37の嵌合
部37bの、前側壁37c1より前方の内周面37eに
当接したときにも保持されるようになっている。したが
って、第1カップシール7と環状凹部37cの前側壁3
7c1とによって第1開閉弁(7,37c1)が構成され
ている。
【0054】また、この第3例のマスタシリンダ1は、
図4(a)に示すように第1筒状部材6の前端部の内周
孔6aにセカンダリピストン4の後端部がOリング47
で液密にかつ摺動可能に嵌合されている。また、第1筒
状部材6の前端部には、この第1筒状部材6の前端部の
内外周を連通する所定数の径方向孔48が穿設されてお
り、これらの径方向孔48は常時第1大気圧室28に連
通している。図示のように通常時セカンダリピストン4
の後端が第1筒状部材6の内周段部6bに当接すること
で、セカンダリピストン4は第1筒状部材6に対してそ
れ以上の後退が阻止されている。
【0055】そして、セカンダリピストン4の後端が第
1筒状部材6の内周段部6bに当接した状態では、Oリ
ング47が径方向孔48より後方に位置していて、プラ
イマリ液圧室10がこのOリング47によって径方向孔
48から遮断される、つまり第1大気圧室28から遮断
されるようになっている。また、セカンダリピストン4
が第1筒状部材6に対して前進し、Oリング47が径方
向孔47より前方に位置したときは、プライマリ液圧室
10が径方向孔12に連通する、つまり第1大気圧室2
8と連通するようになっている。したがって、Oリング
47(本発明の第5弁部材)と径方向孔48(本発明の
第6弁部材)とにより常閉の第3開閉弁(47,48)
が構成されている。
【0056】更に、前述の第1および第2例では、セカ
ンダリピストン4がその内周孔が軸方向貫通する完全な
筒状に形成されているが、この第3例では、セカンダリ
ピストン4はその後端部に底部を有してその内周孔が軸
方向貫通しない有底筒状に形成されている。したがっ
て、円柱状部材39はその前端から第2カップシール9
の保持部39dまで形成されてそれより後方部が削除さ
れている。更に、セカンダリピストン4の内周孔に形成
される空間45は環状ではなく、円柱状に形成されてい
る。また、第2開閉弁を構成するテーパ部4eはセカン
ダリピストン4の前端ではなく、中間部に設けられてい
る。この第3例のMCY1の他の構成は図3に示す第2
例と同じであり、また図4には示されていないが、この
第3例のMCY1にも図1に示す車両姿勢安定制御のた
めのブレーキシステムが接続されている。
【0057】このように構成されたこの第3例のMCY
1においては、図4(a)に示す非作動状態から、ブレ
ーキペダルの踏込で入力がプライマリピストン3に加え
られると、プライマリピストン3が前進して、プライマ
リリターンスプリング30が撓んでプライマリピストン
3およびボルト状部材38が第1筒状部材6に対して前
進する。すると、撓んだプライマリリターンスプリング
30のばね力で、第1筒状部材6およびセカンダリピス
トン4が一体的に前進する。
【0058】図5(a)に示すように、第1カップシー
ル7の外周リップ部が環状凹部37cの前側壁37c1
に当接して第1開閉弁(7,37c,37c1)が閉じる
とともに、第2カップシール9の外周リップ部にセカン
ダリピストン4の前端部4dが当接して第2開閉弁(4
d,4e,9)が閉じると、プライマリ液圧室10および
セカンダリ液圧室11はともにリザーバから遮断されて
これらのプライマリ液圧室10およびセカンダリ液圧室
11に液圧が発生する。これらの液圧が、前述のように
各ホイールシリンダ13,14,20,21に供給されて
ブレーキが作動する。プライマリピストン3に加えられ
る入力がなくなると、前述のようにプライマリピストン
3およびセカンダリピストン4が後退して第1および第
2開閉弁(7,37c,37c1),(4d,4e,9)が開
き、プライマリ液圧室10およびセカンダリ液圧室11
内の液圧が消滅してブレーキが解除する。
【0059】また、この第3例でも、前述の第1例と同
様に車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動が行われる
が、車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動終了時のプ
ライマリ液圧室10に残圧が生じている状態で通常ブレ
ーキ作動が行われると、この残圧により、プライマリ液
圧室10の液圧がこの通常ブレーキ作動時の入力に対応
した液圧より大きくなる。すると、図5(b)に示すよ
うにこの大きな液圧により、図5(a)に示す通常ブレ
ーキの場合に比べて第1筒状部材6およびセカンダリピ
ストン4が一体的に大きく前進し、第1筒状部材6の後
退限係止部34がボルト状部材38の頭部38aに当接
する。すると、第1筒状部材6はプライマリピストン3
に対しそれ以上相対的に前進しなくなるので、図5
(c)に示すようにセカンダリピストン4のみがプライ
マリ液圧室10の大きな液圧により第1筒状部材6に対
して相対的に前進するようになる。
【0060】これにより、セカンダリピストン4のOリ
ング47が第1筒状部材6の径方向孔48より前方に移
動して第3開閉弁(47,48)が開くので、プライマ
リ液圧室10が径方向孔48に連通し、更には第1大気
圧室28およびプライマリリザーバ連通口26を介して
リザーバに連通する。したがって、プライマリ液圧室1
0の液圧は図5(c)に矢印で示すようにリザーバに排
出されて低下し、前述の第2例と同様に残圧によるプラ
イマリ液圧室10の液圧上昇が抑制され、残圧による通
常ブレーキ作動への影響が確実に防止される。そして、
プライマリ液圧室10の液圧が入力に対応した液圧にな
ると、セカンダリピストン4が筒状部材6に対して相対
的に後退して元に戻ることにより、第3開閉弁(47,
48)が閉じ、プライマリ液圧室10の液圧が入力に対
応した液圧に設定される。この第3例のMCY1の他の
作動は前述の第2例と同様である。
【0061】この第3例のMCY1によれば、プライマ
リ出力口12が取付フランジ部49から離れた前方に設
けることができるので、このプライマリ出力口12の孔
加工が第1および第2例に比べて容易になるとともに、
プライマリ出力口12に接続される配管の取付も簡単に
なる。この第3例のMCY1の他の作用効果は前述の第
2例と同様である。
【0062】なお、前述の各例では、第1カップシール
7をセカンダリピストン4または第1筒状部材6に設け
るとともに第2カップシール9を円柱状部材39に設け
るものとしているが、第1および第2カップシール7,
9をともにセカンダリピストン4または第1筒状部材6
のいずれかに設けるとともにテーパ部を円柱状部材39
に設けるか、あるいは、第1および第2カップシール
7,9をともに円柱状部材39に設けるとともにテーパ
部をセカンダリピストン4または第1筒状部材6のいず
れかに設けることもできる。この場合には、テーパ部は
外周面または内周面に段部を形成してその角部に設けれ
ばよい。更に、テーパ部4cとこれに対向するテーパ部
39cとを互いに平行に設け、またテーパ部4eとテー
パ部39eとを互いに平行に設けるものとしているが、
これらのテーパ部は必ずしも平行でなくてもよい。
【0063】更に、前述のように第1および第2開閉弁
(7,39b,39c),(4d,4e,9)が同時に閉じ
るようにすれば、ロスストロークを最大限に短縮するこ
とができるが、一方の開閉弁が閉じる前に他方の開閉弁
の閉じ動作が開始されるようにして2つの開閉弁をほぼ
同時に閉じるようにすれば、図6に示すMCY1のよう
に開閉弁が完全に閉じてから他方の開閉弁の閉じ動作が
開始される場合に比べてロスストロークを短縮すること
ができる。
【0064】更に、車両姿勢安定制御等の自動ブレーキ
のためのブレーキシステムは、前述の例に限定されるも
のではなく、ポンプによってリザーバのブレーキ液をM
CYの液圧室を介して吸い込んで、ホイールシリンダに
供給するブレーキシステムでありさえすれば、どのよう
なブレーキシステムにも本発明のMCYを適用すること
ができる。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のマスタシリンダによれば、マスタシリンダの作動時、
第1および第2開閉弁を同時にまたはほぼ同時に閉じる
ようにしているので、MCYの2系統にともにMCY圧
が発生するまでのプライマリピストンのロスストローク
を、一方の開閉弁が閉じてから他方の開閉弁の閉じ作動
が開始するようなMCYに比べて約半分にできる。これ
により、ロスストロークを大幅に短縮できるようにな
る。
【0066】しかも、プライマリピストンのロスストロ
ークが小さくなることから、MCYの全長を短縮でき
る。特に、請求項6の発明によれば、プライマリピスト
ンをハウジング後方に延出させているので、MCYの全
長を更に短くできるようになる。また、ハウジング内に
設けられた円柱状部材に、筒状のセカンダリピストンが
液密にかつ摺動可能に嵌合させるとともに、セカンダリ
ピストンまたはこのセカンダリピストンと一体的に移動
可能な筒状部材に第1開閉弁の第1弁部材を設けるとと
もに、セカンダリピストンに第2開閉弁の第3弁部材を
設ける構成としているので、構造が簡単でかつ孔加工等
の加工が容易になる。
【0067】更に、請求項2および4の発明によれば、
いずれも、前述の請求項1の発明と実質的に同じ効果を
得ることができる。更に、これに加えて、通常ブレーキ
以外の他のブレーキの作動によりプライマリ液圧室ある
いはセカンダリ液圧室に残圧が生じている状態で通常ブ
レーキ作動が行われたとき、この残圧により、プライマ
リ液圧室あるいはセカンダリ液圧室の液圧がこの通常ブ
レーキ作動時の入力に対応した液圧より大きくなって
も、プライマリ液圧室あるいはセカンダリ液圧室の液圧
の残圧分を排出するようにしているので、この残圧によ
るプライマリ液圧室あるいはセカンダリ液圧室の液圧上
昇を抑制でき、残圧による通常ブレーキ作動への影響を
確実に防止できる。
【0068】また、請求項3の発明によれば、テーパ部
によってブレーキ液の流れのための通路面積を急に小さ
くすることなく、所定の通路面積を十分に確保している
ので、ブレーキ液の流れに対する通路抵抗をより一層小
さくできる。したがって、この発明のMCYを車両姿勢
安定制御におけるブレーキ作動制御に用いることによ
り、車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動の制御性を
より一層良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るマスタシリンダの実施の形態の
第1例をブレーキシステムとともに示す図である。
【図2】 図1に示す第1例のマスタシリンダを部分的
に示し、(a)は第1開閉弁の部分拡大図、(b)は第
2開閉弁の部分拡大図である。
【図3】 本発明に係るマスタシリンダの実施の形態の
第2例を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の第3例のマスタシリン
ダを示し、(a)はその縦断面図、(b)は(a)にお
けるIVB部の部分拡大図である。
【図5】 図4に示す第3例のマスタシリンダの作動を
説明し、(a)は通常ブレーキ時の初期状態を示す図、
(b)は残圧発生時での通常ブレーキ作動初期時の状態
を示す図、(c)は残圧排出時の状態を示す図である。
【図6】 車両姿勢安定制御におけるブレーキ作動制御
に対応させた前述の特許出願のようなMCYの一例を示
す図である。
【符号の説明】
1…マスタシリンダ(MCY)、2…ハウジング、2a
…軸方向孔、3…プライマリピストン、3b…フランジ
状係止部、3c…軸方向孔、4…セカンダリピストン、
4b…保持部、4c…テーパ部、4d…前端、4e…テ
ーパ部、6…第1筒状部材、6a…内周孔、7…第1カ
ップシール、9…第2カップシール、10…プライマリ
液圧室、11…セカンダリ液圧室、12…プライマリ出
力口、13,14…ホイールシリンダ、15…ポンプ、
16…第1ブレーキ液供給制御装置、19…セカンダリ
出力口、20,21…ホイールシリンダ、22…ポン
プ、23…第2ブレーキ液供給制御装置、26…プライ
マリリザーバ連通口、27…セカンダリリザーバ連通
口、28…第1大気圧室、29…第2大気圧室、30…
プライマリリターンスプリング、31…セカンダリリタ
ーンスプリング、34…後退限係止部、37…プラグ部
材、37a…後退限係止部、38…ボルト状部材、38
a…頭部、39…円柱状部材、39a…後方延長部、3
9b…後端、39c…テーパ部、39d…保持部、39
e…テーパ部、40…径方向孔、41…環状空間、42
…通路、43…軸方向孔、44…径方向孔、45…環状
空間、46…通路、(7,39b,39c)…第1開閉
弁、(4d,4e,9)…第2開閉弁、(47,48)…
第3開閉弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ液を蓄えるリザーバと、入力に
    より前進するプライマリピストンと、このプライマリピ
    ストンの前進で前進するセカンダリピストンと、前記プ
    ライマリ液圧室と前記リザーバとの開閉を制御する常開
    の第1開閉弁と、前記セカンダリ液圧室と前記リザーバ
    との開閉を制御する常開の第2開閉弁とを少なくとも備
    えているマスタシリンダにおいて、 円柱状部材がハウジング内に設けられ、前記セカンダリ
    ピストンは筒状に形成されているとともに、前記円柱状
    部材に液密にかつ摺動可能に嵌合されており、 前記第1開閉弁は、前記セカンダリピストンと一体的に
    移動可能な筒状部材に設けられた第1弁部材と前記円柱
    状部材に設けられた第2弁部材とから構成されていると
    ともに、前記第1弁部材が前進したときこの第1弁部材
    と前記第2弁部材とによって閉じられるようになってお
    り、 前記第2開閉弁は、前記セカンダリピストンに設けられ
    た第3弁部材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材
    とから構成されているとともに、前記第3弁部材が前進
    したときこの第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉
    じられるようになっていることを特徴とするマスタシリ
    ンダ。
  2. 【請求項2】 ブレーキ液を蓄えるリザーバと、入力に
    より前進するプライマリピストンと、このプライマリピ
    ストンの前進で前進するセカンダリピストンと、前記プ
    ライマリ液圧室と前記リザーバとの開閉を制御する常開
    の第1開閉弁と、前記セカンダリ液圧室と前記リザーバ
    との開閉を制御する常開の第2開閉弁とを少なくとも備
    えているマスタシリンダにおいて、 円柱状部材がハウジング内に設けられ、前記セカンダリ
    ピストンは筒状に形成されているとともに、前記円柱状
    部材に液密にかつ摺動可能に嵌合されており、 前記第1開閉弁は、前記セカンダリピストンと一体的に
    移動可能な筒状部材に設けられた第1弁部材と前記円柱
    状部材に設けられた第2弁部材とから構成されていると
    ともに、前記第1弁部材が前進したときこの第1弁部材
    と前記第2弁部材とによって閉じられるようになってお
    り、 前記第2開閉弁は、前記セカンダリピストンに設けられ
    た第3弁部材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材
    とから構成されているとともに、前記第3弁部材が前進
    したときこの第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉
    じられるようになっており、 更に、作動時前記入力に対応した液圧より大きな液圧が
    前記プライマリ液圧室に発生したとき、この大きな液圧
    により前記プライマリピストンが後退するとともに前記
    筒状部材が前記セカンダリピストンに対して相対的に後
    退することにより、前記第1開閉弁が、大きな液圧が前
    記入力に対応した液圧となるまで開かれるようになって
    おり、 また、作動時前記入力に対応した液圧より大きな液圧が
    前記セカンダリ液圧室に発生したとき、この大きな液圧
    により前記セカンダリピストンが後退することにより、
    前記第2開閉弁が、大きな液圧が前記入力に対応した液
    圧となるまで開かれるようになっていることを特徴とす
    るマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2弁部材のいずれか一
    方が第1カップシールで構成されているとともに、前記
    第1および第2弁部材のいずれか他方にこの第1カップ
    シールのリップ部が接触可能な第1テーパ部が形成され
    おり、前記第1カップシールを保持する第1カップシ
    ール保持部に、前記第1テーパ部に対向するようにしか
    つ前記第1テーパ部と間隔を置いて第2テーパ部が形成
    されており、 また、前記第3および第4弁部材のいずれか一方が第2
    カップシールで構成されているとともに、前記第3およ
    び第4弁部材のいずれか他方にこの第2カップシールの
    リップ部が接触可能な第3テーパ部が形成されていると
    ともに、前記第2カップシールを保持する第2カップシ
    ール保持部に、前記第3テーパ部に対向するようにしか
    つ前記第3テーパ部と間隔を置いて第4テーパ部が形成
    されていることを特徴とする請求項1または2記載のマ
    スタシリンダ。
  4. 【請求項4】 ブレーキ液を蓄えるリザーバと、入力に
    より前進するプライマリピストンと、このプライマリピ
    ストンの前進で前進するセカンダリピストンと、前記プ
    ライマリ液圧室と前記リザーバとの開閉を制御する常開
    の第1開閉弁と、前記セカンダリ液圧室と前記リザーバ
    との開閉を制御する常開の第2開閉弁とを少なくとも備
    えているマスタシリンダにおいて、 ハウジング内に、筒状部材が前記プライマリピストンに
    対して所定量だけ相対移動可能に設けられているととも
    に、前記ハウジング内に円柱状部材が設けられており、 前記セカンダリピストンは有底筒状に形成されて前記筒
    状部材にセカンダリピストンが液密にかつ相対移動可能
    に嵌合されているとともに、前記円柱状部材に液密にか
    つ摺動可能に嵌合されており、 前記第1開閉弁は、前記筒状部材に設けられた第1弁部
    材と前記ハウジング側に設けられた第2弁部材とから構
    成されているとともに、前記第1弁部材が前進したとき
    この第1弁部材と前記第2弁部材とによって閉じられる
    ようになっており、 前記第2開閉弁は、前記セカンダリピストンに設けられ
    た第3弁部材と前記円柱状部材に設けられた第4弁部材
    とから構成されているとともに、前記第3弁部材が前進
    したときこの第3弁部材と前記第4弁部材とによって閉
    じられるようになっており、 更に、前記プライマリ液圧室と前記リザーバとの開閉を
    制御する常閉の第3開閉弁が設けられており、 この第3開閉弁は、前記セカンダリピストンに設けられ
    た第5弁部材と前記筒状部材に設けられた第6弁部材と
    から構成されているとともに、作動時前記入力に対応し
    た液圧より大きな液圧が前記プライマリ液圧室に発生し
    たとき、この大きな液圧により前記セカンダリピストン
    が前記筒状部材に対して相対的移動することで、開かれ
    るようになっており、 また、作動時前記入力に対応した液圧より大きな液圧が
    前記セカンダリ液圧室に発生したとき、この大きな液圧
    により前記セカンダリピストンが後退することにより、
    前記第2開閉弁が、大きな液圧が前記入力に対応した液
    圧となるまで開かれるようになっていることを特徴とす
    るマスタシリンダ。
  5. 【請求項5】 前記プライマリピストンは、前記ハウジ
    ングの後方に延出されていることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか1記載のマスタシリンダ。
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