JP3932152B2 - ブレーキ液圧倍力システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧により入力を所定の大きさに倍力させて出力することにより大きなブレーキ力を得るようになっているブレーキ液圧倍力システムの技術分野に属し、特に、ブレーキペダルのストロークを変えることのできるブレーキ液圧倍力システムの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のブレーキ液圧倍力システムは、小さなペダル踏力を液圧で倍力して大きなブレーキ力を得る液圧倍力装置を備えており、このような液圧倍力装置の一例として、実用新案登録第2551658号公報により提案されているものがある。
【0003】
図5は、この実用新案登録の液圧倍力装置を示す図である。図中、1′はブレーキ液圧倍力装置、2′はハウジング、3′はプラグ、4′はパワーピストン、5′は制御弁、6′は弁座部材、7′は筒状固定部材、8′はナット、9′はボール弁、10′は弁体、11′は筒状部材、12′は入力軸、13′は筒状ストッパ部材、14′は反力ピストン、15′は動力室、16′は出力軸である。
【0004】
このブレーキ液圧倍力装置1′においては、図示の非作動状態では、制御弁5′のボール弁9′が弁座部材6′に着座しているとともに、筒状部材11′の先端弁部がボール弁9′から離座している。したがって、動力室15′が、図示しない液圧源に常時接続されている入力口17′から遮断しているとともに、同じく図示しないリザーバに常時接続されている室18′に連通し、動力室15′には液圧が導入されていなく、パワーピストン4′は作動しない。
【0005】
この非作動状態から、図示しないブレーキペダルが踏み込まれ、入力軸12′に入力が加えられて入力軸12′が前進すると、筒状部材11′も前進して、筒状部材11′の先端弁部が制御弁5′のボール弁9′に当接するとともにこのボール弁9′を押して、弁座部材6′から離座する。これにより、動力室15′は入力口17′に連通するとともに、室18′から遮断し、動力室15′に圧液が導入され、パワーピストン4′が作動する。パワーピストン4′の作動により、ブレーキ液圧倍力装置1′は出力軸16′から出力し、図示しないマスタシリンダのピストンを作動し、マスタシリンダはマスタシリンダ圧を発生する。このマスタシリンダ圧が、例えば2系統ブレーキシステムにおいて両系統のホイールシリンダにそれぞれ導入されて、両系統のブレーキが作動する。そして、動力室15′の液圧が入力に応じた大きさになると、ボール弁9′が弁座部材6′に着座するので、ブレーキ液圧倍力装置1′の出力は、入力を倍力した大きさとなる。
【0006】
ブレーキペダルを解放して入力をなくすと、入力軸12′が図示しないリターンスプリングにより後退するので、筒状部材11′も後退して、筒状部材11′の先端弁部が制御弁5′のボール弁9′から離座する。これにより、動力室15′は入力口17から遮断するとともに、室18′に連通し、動力室15′に導入された液圧がリザーバに排出され、パワーピストン4′がリターンスプリング20′により後退する。入力軸12′に固定された筒状ストッパ部材13′がプラグ3′のストッパ21′に当接すると、入力軸12′はそれ以上後退しなく、後退限となって、図示の非作動状態に戻る。動力室15′の液圧が完全に排出されると、パワーピストン4′も図示の非作動状態に戻り、ブレーキ液圧倍力装置1′は出力しなく、マスタシリンダも非作動状態となる。
【0007】
この従来のブレーキ液圧倍力装置1′においては、その出力と入力軸12′のストロークとの関係が一定となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本出願人は、2系統ブレーキにおいて、例えば前述のようなブレーキ液圧倍力装置1′の動力室15′に導入される液圧を一方の系統のホイールシリンダに直接導入して一方の系統のブレーキを作動するとともに、ブレーキ液圧倍力装置1′の出力で作動されるマスタシリンダのマスタシリンダ圧を、他方の系統のホイールシリンダに導入して他方の系統のブレーキを作動するセミフルパワーブレーキシステムを提案している(特願平8−309214号)。
【0009】
このセミフルパワーブレーキシステムにおいては、動力室15′の液圧を一方の系統のホイールシリンダに直接導入しているので、同じブレーキ力を得る場合、ブレーキペダルのストロークが、前述のマスタシリンダ圧を両系統のホイールシリンダに導入する従来のブレーキシステムに比べて小さくなる。このため、運転者はブレーキ作動時に違和感を抱くようになる。
【0010】
また、積載状態等の車両状況、ブレーキ状況、あるいは運転者等によって、より適正なペダルストロークを設定できるようにすることが望ましいが、前述の出力とペダルストロークとの関係が一定である従来のブレーキ液圧倍力装置1′では、この要望に応えることは難しい。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ブレーキペダルのストロークを変えることができるようにして、適正なペダルストロークが可能なブレーキ液圧倍力システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明のブレーキ液圧倍力システムは、液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンの出力によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダピストンを有するマスタシリンダと、このマスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入されることによりブレーキ力を発生するブレーキシリンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え、更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記液室との間に配設され、これらの間の連通・遮断を制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また請求項2の発明のブレーキ液圧倍力システムは、2系統のブレーキシステムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンに一体に設けられかつ前記パワーピストンの出力によって作動制御されるプライマリピストンおよび前記プライマリピストンの作動によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するセカンダリピストンを有するマスタシリンダと、前記動力室の液圧が導入されることにより一方の系統のブレーキ力を発生する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリンダの前記マスタシリンダ圧が導入されることにより他方の系統のブレーキ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記プライマリピストンと前セカンダリピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え、更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記液室との間に配設され、これらの間の連通・遮断を制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴としている。
【0014】
更に請求項3の発明は、前記第2の受圧シリンダが前記一方の系統のブレーキシリンダであり、前記連通・遮断制御弁は、前記一方の系統のブレーキシリンダを前記動力室または前記液室に選択的に切換接続する切換弁であることを特徴としている。
【0015】
更に請求項4の発明のブレーキ液圧倍力システムは、2系統のブレーキシステムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンに一体に設けられかつ前記パワーピストンの出力によって作動制御されるプライマリピストンおよび前記プライマリピストンの作動によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するセカンダリピストンを有するマスタシリンダと、一方の系統のブレーキ力を発生する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入されることにより他方の系統のブレーキ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え、更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記動力室または前記液室に選択的に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記動力室または前記液室の作動液が導入されることで一方の系統のブレーキ圧を発生しかつこのブレーキ圧を前記一方の系統のブレーキシリンダに供給する第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記動力室および前記液室との間に配設され、前記第2の受圧シリンダと前記動力室とを連通するときは前記第2の受圧シリンダと前記液圧とを遮断し、また前記第2の受圧シリンダと前記液室とを連通するときは前記第2の受圧シリンダと前記動力室を遮断するように選択的に制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴としている。
【0016】
更に、請求項の発明は、前記第2の受圧シリンダが、前記動力室または前記液室の作動液が選択的に導入されることにより前記動力室の液圧または前記液室の液圧を前記一方の系統のブレーキ圧に変換する圧力変換シリンダであり、前記連通・遮断制御弁が、前記一方の系統のブレーキシリンダを前記動力室または前記液室に選択的に切換接続する切換弁であることを特徴としている。
【0017】
更に請求項の発明は、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に、少なくともオリフィスが配設されていることを特徴としている。
【0018】
更に請求項の発明は、前記オリフィスと並列に、前記ストロークシュミレータから前記液室への液の流れのみを許容するチェックバルブが設けられていることを特徴としている。
【0019】
【作用】
このような構成をした請求項1ないしの発明のブレーキ液圧倍力システムにおいては、パワーピストンの作動時に液室の作動液がストロークシュミレータに導入される。したがって、このときは作動液がストロークシュミレータに吸収された分、ブレーキペダルのストロークが従来のペダルストロークより増大する。
【0020】
また、ストロークシュミレータおよび第2の受圧シリンダをともに液室から遮断するように、開閉弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、液室はロック状態となり、パワーピストンが作動しても液室の作動液はこの液室から流出することはない。したがって、このときはブレーキペダルのストロークの増減はなく、従来と同様の、ペダルストロークはマスタシリンダ圧が導入されるブレーキシリンダのピストンストローク等のブレーキ系のストローク分となる。
【0021】
ストロークシュミレータを液室に連通しかつ第2の受圧シリンダを液室から遮断するように、開閉弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワーピストンの作動時、液室の作動液はストロークシュミレータのみに導入されるようになる
【0022】
ストロークシュミレータを液室から遮断しかつ第2の受圧シリンダを液室に連通するように、開閉弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワーピストンの作動時、液室の作動液は第2の受圧シリンダのみに導入されるようになる。したがって、このときは作動液が第2の受圧シリンダに吸収された分、ブレーキペダルのストロークが増大する。その場合、第2の受圧シリンダの作動液吸収量をストロークシュミレータの作動液吸収量と異なるように設定すれば、このときのペダルストロークの増大量がストロークシュミレータのそれと異なるようになる。
【0023】
ストロークシュミレータおよび第2の受圧シリンダをともに液室に連通するように、開閉弁および連通・遮断制御弁をそれぞれ制御すると、パワーピストンの作動時、液室の作動液はストロークシュミレータおよび第2の受圧シリンダの両方に導入されるようになる。したがって、このときは作動液がストロークシュミレータおよび第2の受圧シリンダにそれぞれ吸収された分、ブレーキペダルのストロークが増大する。この場合には、作動液の吸収量が最も多くなるので、ペダルストロークは他の場合に比べて最も増大する。
このように、開閉弁および連通・遮断制御弁を適宜制御することにより、ペダルストロークを種々変えることができる。
【0024】
特に、請求項2および4の発明のブレーキ液圧倍力システムはセミフルパワーブレーキシステムであり、このセミフルパワーブレーキシステムにおいてペダルストロークが増大するので、適正なペダルストロークが可能となる。
更に、請求項の発明においては、前述の第2の受圧シリンダを一方の系統のブレーキシリンダと替えるとともに、連通・遮断制御弁を切換弁と替えるだけで、請求項の作用と同じである。
【0025】
更に、請求項の発明においては、前述の請求項の第2の受圧シリンダを圧力変換シリンダと替えるとともに、連通・遮断制御弁を切換弁と替えるだけで、請求項の作用と同じである。
【0026】
更に、請求項の発明においては、ブレーキペダルを急速に踏み込んだ急ブレーキ時には、パワーピストンが急速にストロークして液室の作動液をストロークシュミレータに送給しようとするが、オリフィスによるオリフィス効果によりストロークシュミレータへの作動液の送給が遅れるので、ペダルストロークは通常より小さくなる。それとともに、ストロークシュミレータへの作動液の送給が遅れる分だけ液室の液圧は通常より高くなる。したがって、急ブレーキ時、通常よりペダルストロークが小さくなるとともに液室の液圧も高くなり、急ブレーキが効果的に作動されるようになる。
【0027】
更に、請求項の発明においては、ストロークシュミレータに供給された液が、チェックバルブにより遅れることなく液室の方へ戻されるので、オリフィスが設けられても、マスタシリンダピストン、パワーピストンおよび入力軸が遅れることなく、非作動位置の方へ戻るようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るブレーキ液圧倍力装置の実施の形態の第1例を示す断面図、図2は図1の部分拡大断面図である。
【0029】
図1および図2に示すようにこの第1例のブレーキ液圧倍力装置1は、マスタシリンダ2が一体に設けられており、このマスタシリンダ2と共通のハウジング3を備えている。
【0030】
ハウジング3には、比較的軸方向に長い段付孔4が図1において右端に開口して穿設されているとともに、この段付孔4の小径部4aが一定の断面積でブレーキ液圧倍力装置1からマスタシリンダ2まで延びている。この軸方向孔4の右端開口部は、Oリング5を有するプラグ6によって液密に閉塞されている。このプラグ6は段付筒状突出部6aを有しており、この段付筒状突出部6aの小径突出部6bがハウジング3の段付孔4の小径部4a内に位置するようにして、段付筒状突出部6aの大径突出部6cが小径部4a内に圧入されているとともに、プラグ6はハウジング3に螺合されたナット7によって段付孔4の段部に当接されてハウジング3に固定されている。
【0031】
段付孔4の小径部4a内にパワーピストン8が液密にかつ摺動可能に配設されている。パワーピストン8には、その中心に位置して軸方向に延びるとともにパワーピストン8の右端に開口する段付孔9が穿設されており、段付孔9の小径部9a内には、端部に第1弁座10aを有する筒状の弁座部材10が圧入されている。弁座部材10の右端のフランジ部10bが段付孔9の段部に当接されているとともに、段付孔9の大径部9b内に嵌入された筒状固定部材11によって軸方向に支持されており、更に筒状固定部材11はCリング12によってパワーピストン8に固定されている。
【0032】
段付孔9の小径部9a内には、カラー13が圧入されており、このカラー13に、円錐弁14が一体に形成された筒状の弁体15が摺動可能に配設されており、この弁体15はスプリング16により円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10aに着座する方向に常時付勢されている。また、弁座部材10の軸方向孔10c内には、弁作動部材17の先端に形成された第2弁座17aが円錐弁14に着座可能に配設されている。また、弁作動部材17は入力軸18に嵌合固定されているとともに、この弁作動部材17には、プラグ6の小径突出部6bの先端に当接可能で、この当接時に入力軸18の後退限を規定するフランジ状のストッパ部17bが一体に設けられている。弁座部材10と弁作動部材17との間にはスプリング19が縮設されていて、弁作動部材17および入力軸18は、常時図において右方に付勢されている。入力軸18はプラグ6を液密に貫通し、その後端は図示しないがブレーキペダルに連結されている。
【0033】
入力軸18と弁作動部材17の各外周とプラグ6の小径突出部6bの軸方向孔の内周との間に、筒状の反力ピストン20がいずれにも摺動可能に嵌合されている。図3に示すように、この反力ピストン20の図3において左端部には、第1フランジ部20aと第2フランジ部20bとが設けられている。第1フランジ部20aの左側部は、ストッパ部17bが当接可能となっており、このストッパ部17bが第1フランジ部20aの左側部に当接することにより、反力ピストン20に対してこの弁作動部材17のそれ以上の後退を阻止するストッパ部20cとされている。換言すれば、弁作動部材17のストッパ部17bが反力ピストン20のストッパ部20cに当接することにより、反力ピストン20に対して入力軸18のそれ以上の後退が阻止されるようになっている。
【0034】
また、第2フランジ部20bの右側部は、反力ピストン20がパワーピストン8に対して所定量後退移動したとき、筒状固定部材11の段部11aに係合する係合部20dとされている。更に、反力ピストン20の右端20eは、入力軸18の段部18aに当接可能となっている。そして、反力ピストン20の第2フランジ部20bと筒状固定部材11との間にスプリング21が縮設されており、このスプリング21により、通常時は反力ピストン20の第2フランジ部20bは弁座部材10のフランジ部10bに当接されている。
【0035】
更にハウジング3には、圧液が導入される入力口22と、この入力口22と段付孔4の小径部4aとを連通する通路孔23とが設けられているとともに、パワーピストン8に、この通路孔23と段付孔9の小径部9aとを連通する通路孔24が穿設されている。その場合、通路孔24は、弁座部材10とカラー13との間の小径部9aに開口している。これらの入力口22および通路孔23,24により、液圧供給通路が構成されている。
【0036】
プラグ6とパワーピストン8の右端との間には、動力室25が形成されており、この動力室25は弁座部材10の軸方向孔10cに常時連通されている。この動力室25内に、弁作動部材17のストッパ部材17bおよび反力ピストン20の第1および第2フランジ部20a,20bがそれぞれ位置されている。なお、プラグ6の小径突出部6bの外周面と筒状固定部材11の内周面との間には、隙間が設けられていて、筒状固定部材11の軸方向両側で作動液が自由に流動可能となっている。
【0037】
また、動力室25は、ハウジング3に穿設された通路孔26を介して出力口27に常時連通されているとともに、この出力口27は2ブレーキ系統のうちの一方の系統におけるホイールシリンダ28,29に常時連通されている。
【0038】
更に、弁体15には軸方向に貫通する軸方向孔30が穿設されており、この軸方向孔30はパワーピストン8に穿設された通路孔31に常時連通している。この通路孔31は小径部4aを介してハウジング3に穿設された排出口32に常時連通されており、この排出口32はリザーバ33に常時連通されている。
更に、動力室25は、パワーピストン8に穿設された通路孔34を介して弁体15の段部15aに面する室35に常時連通されている。
【0039】
更に、入力口22とリザーバ33とを接続する液圧回路36に、モータ37で駆動される液圧ポンプ38と、液圧ポンプ38の吐出側にチェックバルブ39を介してアキュムレータ40とがそれぞれ設けられている。アキュムレータ40には、液圧ポンプ38の吐出圧によって常時所定圧が蓄えられるようになっている。
【0040】
ところで、本例のブレーキ液圧倍力装置1は、更にプラグ6に形成された反力室41が設けられており、この反力室41に、入力軸18の段部18aおよび反力ピストン20の右端20eが面するようになっている。そして、反力室41はプラグ6に穿設された径方向孔42、ハウジング3とプラグ6との間の環状空間43、ハウジング3に穿設された軸方向孔44を介して、制御圧導入口45に常時連通されている。
【0041】
図1に示すように、制御圧導入口45は、二位置三方弁からなる圧力切換弁46を備えた可変サーボ装置47に接続されている。この二位置三方切換弁46は、制御圧導入口45を、リザーバ33に常時連通する液圧回路36に接続する第1位置Iと、制御圧導入口45を、出力口27とホイールシリンダ28,29とを接続するブレーキ液通路に接続する第2位置IIとが設定されており、通常時は第1位置Iに設定されるとともに、出力口27の液圧、つまり動力室25の液圧が設定作動圧になったとき、第2位置IIに切換制御されるようになっている。
【0042】
一方、マスタシリンダ2は、パワーピストン8の有効受圧面積と同じ有効受圧面積にそれぞれ設定されたプライマリピストン48′とセカンダリピストン48″とを有するタンデムマスタシリンダとして構成されている。その場合、プライマリピストン48′がパワーピストン8の前端に一体に設けられている。
【0043】
両ピストン48′,48″の間隔を規制する間隔規制ロッド49がマスタシリンダピストン48の方へ突出して固定されているとともに、この間隔規制ロッド49にリテーナ50が軸方向に摺動可能に嵌合されている。また、リテーナ50とプライマリピストン48′の前端との間には、スプリング51が縮設されていて、リテーナ50が常時プライマリピストン48′から遠ざかる方向に付勢されている。通常時は、このリテーナ50は間隔規制ロッド49の頭部49aに当接して、それ以上プライマリピストン48′から離れることを規制されている。
【0044】
セカンダリピストン48″はリターンスプリング52のばね力により常時後方(図1において右方)に付勢されていて、その後端は、通常時はリテーナ50に当接されている。プライマリピストン48′の前端とセカンダリピストン48″の後端には、それぞれカップシール53,54が設けられており、これらのカップシール53,54の間の小径部4aに、液室55が画成されている。両カップシール53,54は、それぞれカップシール53,54を通る液室55外から液室55内への液の流れは許容するが、カップシール53,54を通る液室55から液室55外への液の流れは阻止するようになっている。
【0045】
また、ハウジング3には、マスタシリンダのブレーキ液補償口56が穿設されており、このブレーキ液補償口56は、常時リザーバ33に連通している。そして、プライマリピストン48′の非作動位置では、カップシール53が排出口32とブレーキ液補償口56との間に位置するようにされている。したがって、非作動時には、液は液室55とブレーキ液補償口56との間で両方向に自由に流れるようになっているが、パワーピストン8が前進して、カップシール53がブレーキ液補償口56を通り過ぎると、液室55からブレーキ液補償口56に向かう液の流れは阻止されるようになっている。
【0046】
セカンダリピストン48″は、ハウジング3の段付孔4の小径部4aに、その前端に設けられたカップシール57により一方向にのみ液密に、かつ摺動可能に嵌合されている。
【0047】
また、小径部4a内にはセカンダリピストン48″により液室58が画成されているとともに、この液室58は出力口59を介して2ブレーキ系統のうちの他方の系統におけるホイールシリンダ60,61に常時連通されている。更に、セカンダリピストン48″には、径方向孔62とこの径方向孔62に連通する軸方向孔63が穿設されている。この軸方向孔63には、先端に弁64が設けられた弁ロッド65が貫通しており、この弁ロッド65は、ハウジング3に小径部4aおよびセカンダリピストン48″に穿設された径方向孔62を径方向に貫通して設けられた弁解放ロッド66に当接可能となっている。更に、弁64はスプリング67によって弁座68に着座する方向に常時付勢されている。そして、セカンダリピストン48″が図示の非作動位置にあるときは、弁ロッド65が弁解放ロッド66に当接することにより、弁64がスプリング67のばね力に抗して弁座68から離座し、リザーバ33と液室58とが連通されるようになっている。また、セカンダリピストン48″が前進したときは、スプリング67のばね力により弁64が弁座68に着座しかつ弁ロッド65が弁解放ロッド66から離れ、リザーバ33と液室58とが遮断されてマスタシリンダ圧が発生するようになっている。
【0048】
そして、パワーピストン8の有効受圧面積、プライマリピストン48′の有効受圧面積、およびセカンダリピストン48″の前後端部の各有効受圧面積はすべて等しく設定されている。
【0049】
更に、ハウジング3には、常時リザーバ33に連通している通路孔69が穿設されており、したがってセカンダリピストン48″の軸方向孔63は、径方向孔62、小径部4a、および通路孔69を介してリザーバ33に常時接続されている。
【0050】
液室55は、ハウジング3の接続口70を介して可変ストローク装置71に接続されている。この可変ストローク装置71は、ピストン72、シリンダ73、およびスプリング74を有し、ペダルストロークを確保するためのストロークシュミレータ75と、接続口70とストロークシュミレータ75との間の通路に設けられたオリフィス76と、このオリフィス76をバイパスして設けられ、ストロークシュミレータ75から接続口70への液の流れのみを許容するチェックバルブ77とから構成されている。
【0051】
また、ブレーキ液圧倍力装置1の出力口27と一方の系統のホイールシリンダ28,29とを接続する液通路には、ポンプ38およびアキュムレータ40の液圧源の失陥時に、一方の系統のブレーキを確実に作動するための液圧失陥時ブレーキ作動装置78が設けられている。この液圧失陥時ブレーキ作動装置78は、ピストン79、シリンダ80、およびスプリング81を有する圧力変換シリンダ82と、二位置三方弁からなる圧力制御切換弁83とから構成されている。
【0052】
圧力変換シリンダ82は本発明の第2の受圧シリンダに相当し、動力室25または液室55から送給された圧液が導入されたとき、ピストン79が作動してブレーキ液圧を発生し、ホイールシリンダ28,29に導入されるようになっている。また、圧力変換シリンダ82は、液圧失陥がホイールシリンダ28,29側の失陥によるものである場合、動力室25または液室55からの圧液がこの失陥部から外に漏出するのを防止するようになっている。
【0053】
圧力制御切換弁83は、アキュムレータ40の蓄圧によるパイロット圧で制御されるようにされている。また、この圧力制御切換弁83は、圧力変換シリンダ82を出力口27に接続する第1位置Iと、圧力変換シリンダ82を接続口70に接続する第2位置IIとが設定されており、液圧正常時は第1位置Iに設定されているとともに、液圧失陥時は第2位置IIに切り換え設定されるようになっている。
【0054】
このように、この第1例の、マスタシリンダ2と一体のブレーキ液圧倍力装置1を用いたブレーキシステムは、一方のブレーキ系統がそのホイールシリンダ28,29に動力室25の液圧が導入されるフルパワーブレーキ系統であり、また他方のブレーキ系統がそのホイールシリンダ60,61にマスタシリンダ圧が導入される液圧ブレーキ系統であるセミフルパワーブレーキシステムとして構成されている。
【0055】
次に、この例のマスタシリンダと一体のブレーキ液圧倍力装置の作用について説明する。
ブレーキペダルが踏み込まれないブレーキ非操作時は、円錐弁14、弁座部材10の第1弁座10aおよび弁作動部材17の第2弁座17aは、図1および図2に示す位置関係にある。すなわち、円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10aに着座しているとともに、弁作動部材17の第2弁座17aが円錐弁14から離座している。この状態では、入力口22に常時連通している通路孔24と弁座部材10の軸方向孔10cとが遮断されているとともに、弁座部材10の軸方向孔10cと排出口32に常時連通している弁体15の軸方向孔30とが連通している。したがって、ブレーキ非操作時は、動力室25がポンプ38およびアキュムレータ40から遮断されているとともにリザーバ33に連通し、動力室25には圧液が供給されない。
【0056】
また、反力ピストン20の右端20eは、入力軸18の段部18aから離隔している。更に、弁作動部材17のストッパ部17bがプラグ6の小径突出部6bに当接しているとともに、反力ピストン20の第1フランジ部20aのストッパ部20cから離隔してこのストッパ部20cより前進した位置となっている。 更に、プライマリピストン48′のカップシール53がブレーキ液補償口56より後方に位置しており、したがって液室55はリザーバ33に接続されている。
【0057】
一方、マスタシリンダ2においては、弁ロッド65が弁開放ロッド66に当接して、弁64が弁座68から離座している。したがって、液室58はリザーバ33に接続されている。
【0058】
更に、可変サーボ装置47の圧力切換弁46が図示の第1位置Iにあり、反力室41はリザーバ33に連通している。また、液圧失陥時ブレーキ作動装置78の圧力制御切換弁83が図示の第1位置Iにあり、圧力変換シリンダ82が出力口27に接続されている。
【0059】
ブレーキペダルの踏込みによる通常ブレーキ操作時は、入力軸18が前進し、弁作動部材17の第2弁座17aが円錐弁14に着座するとともに、円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10aから離座するので、この状態では通路孔24と弁座部材10の軸方向孔10cとが連通するとともに、弁座部材10の軸方向孔10cと弁体15の軸方向孔30とが遮断される。したがって、動力室25がリザーバ33から遮断されるとともにポンプ38およびアキュムレータ40に連通し、動力室25にアキュムレータ40の圧液が供給される。この場合、円錐弁14、第1弁座10aおよび第2弁座17aにより、動力室25をポンプ38およびアキュムレータ40の液圧源またはリザーバ33に選択的に切換制御するブレーキ液圧倍力装置1の制御弁84が構成されている。
【0060】
動力室25に液圧が導入されると、パワーピストン8が前進するとともに、反力ピストン20は直ぐに作動して、その右端20eが入力軸18の段部18aに当接する。
動力室25内に導入された圧液がリターンスプリング52のばね力に打ち勝つ圧力になると、この液圧によりパワーピストン8が出力を発生し、この出力によりプライマリピストン48′が前進するとともに、セカンダリピストン48″が前進する。このセカンダリピストン48″の前進で弁64が弁座68に着座して、液室58にマスタシリンダ圧が発生する。
【0061】
そして、動力室25内の液圧が一方の系統の両ホイールシリンダ28,29に導入されるとともに、マスタシリンダ圧が他方の系統の両ホイールシリンダ60,61に導入され、両系統のブレーキが作動する。このとき、動力室25内の液圧が作用するパワーピストン8の有効受圧面積が液室58のマスタシリンダ圧が受けるマスタシリンダピストン48″の有効受圧面積とが等しいことから、動力室25内の液圧とマスタシリンダ圧とはバランスして等しくなる。したがって、各ホイールシリンダ28,29;60,61にはともに等しい液圧の圧液が供給される。
【0062】
動力室25内の圧液は軸方向の通路孔34を介して室35内にも導入され、この室35内の液圧が弁体15の段部15aに作用することにより、弁体15は動力室25の液圧に対抗する方向に付勢される。
【0063】
プライマリピストン48′が前進し、そのカップシール53がブレーキ補償口56を通過すると、液室55がリザーバ33から遮断されて密封状態となる。そして、このときプライマリピストン48′がセカンダリピストン48″より大きく前進するので、液室55の作動液が接続口70から、可変ストローク装置71のストロークシュミレータ75に送られる。このとき、プライマリピストン48′は、通常ブレーキ作動時であるため通常の速度で前進するので、ストロークシュミレータへ流動する液に対するオリフィス76のオリフィス効果は小さい。したがって、プライマリピストン48′すなわちパワーピストン8は通常の速度で、ピストン72のストローク分つまりストロークシュミレータ75の作動液吸収分、ストロークするようになる。したがって、通常作動時のペダルストロークは、ホイールシリンダ60,61のロスストローク分とストロークシュミレータ75の作動液吸収分とを加えたものに基づいたストローク量になる。
【0064】
入力軸18の反力が入力軸18の入力に等しくなると、円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10aおよび弁作動部材17の第2弁座17aのいずれにも着座し、動力室25はアキュムレータ40およびリザーバ33のいずれからも遮断される。入力軸18の入力が更に上昇すると、再び円錐弁14が第1弁座10aから離座し、動力室25には更に圧液が供給され、動力室25内の液圧が更に上昇する。以後、円錐弁14が第1弁座10aに対する着座および離座を繰り返すことにより、動力室25内の液圧が入力軸18の入力の上昇にしたがって上昇する。このときは、ブレーキ液圧倍力装置1は、通常ブレーキ時のサーボ比の比較的小さなサーボ比でサーボ制御を行うようになる。
【0065】
このサーボ制御中で、入力が所定の大きさになるまでは、動力室25内の液圧が圧力切換弁46の作動圧まで上昇しないので、圧力切換弁46は第1位置Iに設定されたままとなり、反力室41はリザーバ33に接続されたままとなっている。
【0066】
そして、各ホイールシリンダ28,29;60,61はそれぞれ入力軸18の入力に対して倍力されたブレーキ力を発生し、このブレーキ力でブレーキが作動する。このとき、前述のように動力室25内の液圧とマスタシリンダ圧とはバランスして互いに等しくなり、各ホイールシリンダ33,34;68,52が発生するブレーキ力も互いに等しい。
【0067】
入力が所定量になって、動力室25内の液圧が圧力切換弁46の作動圧になると、圧力切換弁46は切り換えられて第2位置IIに設定される。すると、反力室41は出力口27と液圧失陥時ブレーキ作動装置78との間のブレーキ液通路に接続され、反力室41には、出力口27の液圧、つまり動力室25の液圧が導入される。そして、反力室41に導入された液圧は、入力軸18の段部18aに当接している反力ピストン20の右端20eの一部に、入力軸18に加えられている入力と同方向に作用するようになる。このため、入力軸18に作用される反力が小さくなり、以後、ブレーキ液圧倍力装置1の出力は入力軸18の入力に対して通常ブレーキ時のサーボ制御中よりは大きく上昇する。すなわち、ブレーキ液圧倍力装置1は比較的大きなサーボ比で入力軸18の入力を倍力して出力するサーボ制御を行うようになる。これにより、各ホイールシリンダ28,29;60,61はそれぞれ入力軸18の入力に対して通常ブレーキ時のブレーキ力より大きなブレーキ力を発生する。このように、ブレーキ液圧倍力装置1は、入力が所定以上大きくなると通常ブレーキ時のサーボ比より大きなサーボ比でサーボ制御を行う逆二段サーボ特性を有している。
【0068】
更に、入力が上昇して、動力室25の液圧がアキュムレータ40に蓄圧される最大設定圧になると、動力室25の液圧はそれ以上上昇しなく、ブレーキ液圧倍力装置1は大きなサーボ比によるサーボ制御を終了し、全負荷状態となる。したがって、これ以後、ブレーキ液圧倍力装置1の出力上昇分は、入力上昇分を倍力しないものとなる。
【0069】
ブレーキペダルを解放してブレーキ作動を解除すると、入力軸18および弁作動部材17がともに右方へ後退して制御弁84の第2弁座17aが円錐弁14から離座し、動力室25内の圧液が、弁座部材10の軸方向孔10c、円錐弁14と第2弁座17aとの間の隙間、弁体15の軸方向孔30,径方向孔31、段付孔4の小径部4a、および排出口32を介してリザーバ33に排出される。このとき、弁作動部材17のストッパ部17bが、反力ピストン20のストッパ部20cに当接するまで、入力軸18が大きく後退するので、第2弁座17aが円錐弁14から大きく開き、動力室25内の圧液は迅速に排出される。
【0070】
動力室25内の圧液の排出により、一方の系統の両ホイールシリンダ28,29の圧液も迅速に動力室25を通ってリザーバ33に排出されて、両ホイールシリンダ28,29の液圧が低下する。一方、リターンスプリング52のばね力により、セカンダリピストン48″、プライマリピストン48′およびパワーピストン8が迅速に後退する。このとき、スプリング51のばね力により、プライマリピストン48′がセカンダリピストン48″より大きく後退するようになるが、ストロークシュミレータ75に供給された液が、チェックバルブ77により遅れることなく液室55の方へ戻されるので、オリフィス76が設けられても、プライマリピストン48′、パワーピストン8および入力軸18は遅れることなく、非作動位置の方へ戻るようになる。
【0071】
セカンダリピストン48″が後退すると、液室58の液圧および他方の系統の両ホイールシリンダ60,61の液圧がともに低下する。そして、弁ロッド65が弁開放ロッド66に当接すると、それ以後のセカンダリピストン48″の後退に対して、弁64が弁座68から離座し、液室58がリザーバ33に接続される。このため、両ホイールシリンダ60,61の圧液も迅速に液室58を通ってリザーバ33に排出されて、両ホイールシリンダ60,61の液圧が更に低下する。これにより、両系統のブレーキが迅速に解除開始される。
【0072】
動力室25内の液圧が圧力切換弁46の設定作動圧より低下すると、圧力切換弁46が第1位置Iに切り換わり、反力室41がリザーバ33に接続される。したがって、ブレーキ液圧倍力装置1の出力が入力の低下に対して通常ブレーキの小さいサーボ比で低下する。
【0073】
ブレーキ解除がほぼ終了するまで入力軸18が更に後退すると、弁作動部材17のストッパ部17bがプラグ6の小径突出部6bの先端に当接することにより、入力軸18および弁作動部材17の後退が停止し、入力軸18および弁作動部材17はともに後退限となる。しかしながら、入力軸18および弁作動部材17の後退が停止しても、パワーピストン8、反力ピストン20、円錐弁14および弁座部材10は、ともに更に後退を続ける。このため、弁作動部材17のストッパ部17bが反力ピストン20のストッパ部20cから離隔するとともに、円錐弁14が弁作動部材17の第2弁座17aに近づいてくる。
【0074】
パワーピストン8の右端がプラグ6に当接すると、パワーピストン8の後退が停止し、セカンダリピストン48″およびパワーピストン8は非作動位置となって、ブレーキが迅速にかつ完全に解除される。この状態では、プライマリピストン48′のカップシール53がブレーキ液補償口56より後方に位置するので、室55はブレーキ液補償口56を介してリザーバ33に接続されるようになる。
【0075】
パワーピストン8の非作動位置では、円錐弁14が弁作動部材17の第2弁座17aにきわめて近づいて円錐弁14と第2弁座17aとの間の間隙がきわめて小さくなり、着座寸前となる。したがってブレーキペダルが踏み込まれて入力軸18および弁作動部材17が前進すると、直ぐに第2弁座17aが円錐弁14に着座するとともに円錐弁14が弁座部材10の第1弁座10aから直ぐに離座する。すなわち、制御弁84の切換作動を行うためのロスストロークがきわめて小さくなり、ブレーキが迅速に作動する。
【0076】
このようにして、ブレーキ操作時には迅速にブレーキが作動するとともに、ブレーキ操作解除時にはブレーキ作動が迅速に解除し、ブレーキ液圧発生装置1はきわめて応答性のよいものとなる。
また、ブレーキペダルを急速に踏み込んで急ブレーキをかけると、パワーピストン8およびプライマリピストン48′も急速に前進し、液室55の液を急速に接続口70からストロークシュミレータ75に送給しようとするが、オリフィス76によるオリフィス効果により、ストロークシュミレータ75への液の送給が遅れるので、ペダルストロークは通常より小さくなる。それとともに、ストロークシュミレータ75への液の送給が遅れる分だけ液室55の液圧が高くなる。このとき、セカンダリピストン48″、プライマリピストン48′、パワーピストン8の有効受圧面積が同じであることから、動力室25の液圧および液室58の液圧は、液室55の液圧と等しく、通常より高くなる。
【0077】
そして、動力室25の高い液圧が出力口27から圧力変換シリンダ82に供給され、圧力変換シリンダ82のピストン79が作動して高圧のブレーキ液圧を発生し、この高いブレーキ液圧がホイールシリンダ28,29に導入され、ホイールシリンダ28,29は大きなブレーキ力を発生する。一方、高いマスタシリンダ圧が出力口59からホイールシリンダ60,61に導入され、ホイールシリンダ60,61は大きなブレーキ力を発生する。こうして、急ブレーキ時には、ブレーキ液圧倍力装置1は、オリフィス76により小さなペダルストロークで大きなブレーキ力を発生させることができる。
【0078】
このようにして、第1例のブレーキ液圧倍力装置1においては、オリフィス76によりブレーキペダルの踏み込み速度に応じてペダルストロークを変えることができ、ブレーキペダルの急速な踏み込み時には、可変ストローク装置71により、液圧倍力装置1は入力軸18の小さいストロークで大きな出力を発生するので、ブレーキ力の立ち上がりが早くなるとともに、両系統に大きなブレーキ力を迅速に発生させることができるようになる。
【0079】
更に、ポンプ38およびアキュムレータ40等の液圧源の液圧が失陥すると、圧力制御切換弁83が第2位置IIに設定される。この状態で、運転者がブレーキペダルの踏み込みによる通常ブレーキ操作を行って入力軸18を前進させ、制御弁84を切り換えても、動力室25には液圧が導入されない。このため、パワーピストン8は、動力室25の液圧によっては作動しない。更に、ブレーキペダルが大きく踏み込まれて入力軸18が大きく前進すると、弁作動部材17が最大ストロークして弁座部材10に当接し、このパワーピストン8を押すようになる。すると、パワーピストン8と一体のプライマリピストン48′が前進し、そのカップシール53がブレーキ液補償口56を通過すると、液室55に液圧が発生し、この液圧が接続口70および圧力制御切換弁83を介して圧力変換シリンダ82に導入される。これ以後の一方の系統のブレーキは、前述の通常ブレーキの場合と同じようにして作動する。
このときのペダルストロークは、通常作動時のペダルストロークに対してホイールシリンダ28,29のロスストローク分だけ大きいものになる。
【0080】
更に、この液圧失陥時のブレーキ作動においては、プライマリピストン48′が前進することにより、セカンダリピストン48″も前進し、前述と同様に弁64が弁座68に着座して、液室58に液圧が発生する。液室58の液圧は出力口59を介して他方の系統のホイールシリンダ60,61に導入され、他方の系統のブレーキも作動する。このとき、セカンダリピストン48″の前後端の各有効受圧面積が等しいので、液室55の液圧と液室58の液圧は同じになり、その結果、両系統のブレーキ力は同じになる。
【0081】
液圧失陥時におけるブレーキ作動の解除は、通常ブレーキの解除と同様にブレーキペダルを解放することにより行われる。ブレーキペダルの解放により、パワーピストン8とともにプライマリピストン48′が後退して、液室55の液圧が低下するので、一方の系統のブレーキ力が低下するとともに、セカンダリピストン48″が後退して、液室58の液圧が低下するので、他方の系統のブレーキ力も低下する。更に、プライマリピストン48′が後退して、カップシール53がブレーキ補償口56を通過すると、液室55がこのブレーキ補償口56に連通する。すると、液室55がリザーバ33に連通するので、液室55および圧力変換シリンダ82の液圧がリザーバ33に排出されるので、一方の系統のブレーキが完全に解除される。また、セカンダリピストン48″も更に後退するので、通常ブレーキの作動解除と同様に、弁64が弁座68から離座するので、液室58がリザーバ33に連通し、他方の系統のブレーキも完全に解除される。
このようにして、第1例のブレーキ液圧倍力装置1においては、液圧失陥時に、両系統にブレーキ力を確実に発生させることができるようになる。
【0082】
なお、オリフィス76およびチェックバルブ77は必ずしも必要ではなく、例えばブレーキ液圧倍力装置1に急ブレーキの機能を他の装置で持たせる場合等、場合によっては省略することができる。
【0083】
図4は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図である。
この第1例のブレーキ液圧倍力装置1は、前述の図1に示す第1例の可変サーボ装置47における動力室25の液圧により制御される圧力切換弁46に代えて、これと同じ二位置三方弁からなり、電磁力により制御される電磁切換弁85が設けられている。また、出力口27の近傍には、出力口27の液圧つまりは動力室25の液圧を検出する圧力センサ86が設けられている。そして、図示しない電子制御装置は、圧力センサ86によって検出された動力室25の液圧が前述の圧力切換弁46の作動圧と同じ圧力になったことを検出すると、電磁切換弁85を第2位置IIに切り換えるようになっている。
【0084】
また、可変ストローク装置71は、第1電磁開閉弁87を介して接続口70に接続されている。この第1電磁開閉弁87は、連通位置Iと遮断位置IIとが設定されており、通常時は連通位置Iに設定される常開弁とされている。更に、可変ストローク装置71は、接続口70と圧力変換シリンダ82とを接続する通路に設けられた第2電磁開閉弁88を備えている。この第2電磁開閉弁88は、遮断位置Iと連通位置IIとが設定されており、通常時は遮断位置Iに設定される常閉弁とされている。これら第1および第2電磁開閉弁87,88は、ともに電子制御装置により制御されるようになっている。
【0085】
前述の第1例の液圧失陥時ブレーキ作動装置78における圧力制御切換弁83は、アキュムレータ40の蓄圧によって切換制御されるようになっているが、この第2例の液圧失陥時ブレーキ作動装置78においては、この圧力制御切換弁83に代えて、同じ二位置三方弁からなり電磁力で制御される電磁切換弁89が設けられている。そして、この電磁切換弁89を液圧失陥時に切換制御するために、アキュムレータ40の蓄圧を検出する圧力センサ90が設けられている。そして、電子制御装置は、圧力センサ90からの検出信号に基づいてアキュムレータ40の蓄圧が失陥したと判断したときに、電磁切換弁89を第2位置IIに切換設定するようになっている。なお、電子制御装置は、後述する自動ブレーキ作動条件が成立したと判断したときも、電磁切換弁89を第2位置IIに切換設定するようになっている。
【0086】
更に、この第2例のブレーキ液圧倍力装置1では、ブレーキ液補償口56が第1例とは反対側に設けられているとともに、このブレーキ液補償口56は、液圧回路36から分岐された液通路91に接続されている。この液通路91には、自動ブレーキ装置92が設けられており、この自動ブレーキ装置92は、二位置三方弁からなる電磁切換弁93と、圧力調整弁94とから構成されている。この電磁切換弁93は、ブレーキ液補償口56をリザーバ33に接続する第1位置Iと、接続口79を、圧力調整弁94を介してアキュムレータ40に接続する第2位置IIとが設定されており、通常時は第1位置Iに設定されているとともに、自動ブレーキ作動時に第2位置IIに切り換え設定されるようになっている。
この第2例のブレーキ液圧倍力装置の他の構成は、第1例と同じである。
【0087】
このように構成されたこの第2例のブレーキ液圧倍力装置1の作用について説明する。
ブレーキ非作動時は、ブレーキ液圧倍力装置1およびマスタシリンダ2の各構成要素は、図4に示す非作動位置にある。この非作動状態では、前述の第1例の場合とまったく同じ状態となっている。したがって、この状態でブレーキペダルの通常速度の踏み込みで通常ブレーキ操作が行われると、同様にブレーキ液圧倍力装置1は第1例の場合とまったく同じ作用を行う。
これらの各電磁弁87,88,89がすべて非作動時には、ペダルストロークは、第1例の通常作動時のペダルストロークと同じになる。
【0088】
また、第1電磁開閉弁87のみが作動して遮断位置IIに設定されると、液室55がストロークシュミレータ75から遮断される。したがって、プライマリピストン48′のカップシール53がブレーキ液補償口56を超えて前進すると、液室55はロック状態となる。このときは、ペダルストロークはマスタシリンダ2のセカンダリピストン48″側の他方の系統のストローク分のみとなる。
【0089】
更に、第1および第2電磁開閉弁87,88と電磁切換弁89とが作動してともに位置IIに設定されると、圧力変換シリンダ82が動力室25から遮断されかつ液室55に接続されるとともに、液室55がストロークシュミレータ75から遮断される。このときは、ペダルストロークはホイールシリンダ28,29,60,61のストローク分となる。
【0090】
更に、第2電磁開閉弁88と電磁切換弁89とが作動してともに位置IIに設定され、また第1電磁開閉弁87が非作動であると、圧力変換シリンダ82が動力室25から遮断されかつ液室55に接続されるとともに、液室55がストロークシュミレータ75に接続される。したがって、このときのペダルストロークは、第1例の通常作動時のペダルストロークに対して、ホイールシリンダ28,29のストローク分だけ大きくなる。
【0091】
このように、各電磁弁87,88,89の作動を制御することにより、ペダルストロークを種々変えることができるようになる。したがって、積載状態等の車両状況、ブレーキ状況、あるいは運転者等によって、より適正なペダルストロークを設定することができる。
【0092】
次に、自動ブレーキ作用について説明する。車両走行中に、自動ブレーキ作動条件が成立すると、電子制御装置が2つの電磁切換弁89,93をともに第2位置IIに切換設定する。すると、圧力変換シリンダ82が動力室25から遮断されるとともに接続口70に接続され、またブレーキ液補償口56がリザーバ33から遮断されるとともに圧力調整弁94を介してアキュムレータ40に接続される。これにより、アキュムレータ40の蓄圧が圧力調整弁94によって所定圧に調整され、この調整された液圧がブレーキ液補償口56を通って液室55に導入され、更に液室55の液圧は接続口70を通ってストロークシュミレータ75に導入されるとともに、圧力変換シリンダ82に導入される。すると、ピストン79が作動してブレーキ液圧を発生し、発生したブレーキ液圧がホイールシリンダ28,29に導入されて、一方の系統のブレーキが作動する。
【0093】
一方、液室55に導入された液圧は、マスタシリンダ2のセカンダリピストン48″の後端面に作用するようになるので、セカンダリピストン48″が作動し、液室58に、液室55の液圧と等しいマスタシリンダ圧を発生する。このマスタシリンダ圧が出力口59を介してホイールシリンダ60,61に導入されて、他方の系統のブレーキが作動する。こうして、両系統において自動ブレーキが確実に作動するようになる。
【0094】
自動ブレーキの作動解除の条件が成立すると、電子制御装置は両電磁切換弁89,93をともに再び非作動の第1位置Iに設定する。すると、圧力変換シリンダ82が接続口70から遮断されるとともに動力室25に接続され、またブレーキ液補償口56がアキュムレータ40から遮断されるとともにリザーバ33に接続される。これにより、液室55の液圧は電磁切換弁93を介してリザーバ33に排出されるとともに、圧力変換シリンダ82の液圧は動力室25を通ってリザーバ33に排出される。これにより、圧力変換シリンダ82のブレーキ液圧が消滅し、一方の系統のブレーキが解除される。
【0095】
また、液室55がリザーバ33に接続されてその液圧が低下することにより、セカンダリピストン48″も後退し、セカンダリピストン48″が非作動位置に戻ったときは、前述の通常ブレーキの場合と同様に液室58がリザーバ33に連通するので、マスタシリンダ圧が消滅し、他方の系統のブレーキが解除される。こうして、自動ブレーキが完全に解除される。
【0096】
更に、液圧失陥時ブレーキ作動装置78においては、アキュムレータ40の液圧が失陥すると、圧力センサ90からの検出信号により、電子制御装置は電磁切換弁89を第2位置IIに切り換える。したがって、前述の第1例の場合とまったく同じになり、液圧失陥時でも、ブレーキペダルの踏み込みによりブレーキを作動させることが可能となる。
この第2例のブレーキ液圧倍力装置の他の作用効果は、第1例と同じである。
【0097】
なお、前述の各例では、圧力可変シリンダ82を設けるものとしているが、この圧力可変シリンダ82を省略して動力室25の液圧および液室55の液圧を直接ホイールシリンダ28,29に導入することもできる。また、オリフィス76も省略して液室55の作動液を直接ストロークシュミレータ75に導入することもできる。
【0098】
更に、パワーピストン8の前部にマスタシリンダ2のプライマリピストン48′を設けているが、パワーピストン8の前部はプライマリピストン48として機能する必要はなく、パワーピストン8の作動時に液室55の作動液を接続口70から送給できるようになっていさえすればよい。
【0099】
更に、前述の各例では、本発明の液圧倍力装置をセミフルパワーブレーキシステムのブレーキ液圧倍力装置に適用して説明しているが、従来のようなマスタシリンダ圧のみによりブレーキを作動させる一系統または二系統ブレーキシステムにも適用することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のブレーキ液圧倍力システムによれば、ブレーキペダルのストロークを必要に応じて種々変えることができるようになる。これにより、積載状態等の車両状況、ブレーキ状況、あるいは運転者等によって、より適正なペダルストロークを設定できるようになる。
【0101】
特に、請求項およびの発明によれば、セミフルパワーブレーキにおいて、ブレーキペダルストロークを種々変えることにより、適正なストロークに設定することが可能となる。これにより、運転者はブレーキ作動時に違和感を抱くことがなく、ブレーキ操作フィーリングを良好にできる。
【0102】
また、請求項の発明によれば、ブレーキペダルの踏込速度によっても、ペダルストロークを変えることができるようになる。これにより、例えば急ブレーキ時に小さなペダルストロークで大きなブレーキ力を得ることができるようになり、急ブレーキを確実に作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキ液圧倍力システムの実施の形態の第1例を示す断面図である。
【図2】 図1に示すブレーキ液圧倍力装置の部分拡大断面図である。
【図3】 図1に示すブレーキ液圧倍力装置に用いられている反力ピストンを示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の第2例を示す断面図である。
【図5】従来のブレーキ液圧倍力装置を部分的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…ブレーキ液圧倍力装置、2…マスタシリンダ、3…ハウジング、8…パワーピストン、18…入力軸、25…動力室、27,59…出力口、28,29,60,61…ホイールシリンダ、33…リザーバ、40…アキュムレータ、48′…プライマリピストン、48″…セカンダリピストン、55,58…液室、56…ブレーキ液補償口、70…接続口、71…可変ストローク装置、75…ストロークシュミレータ、76…オリフィス、77…チェックバルブ、78…液圧失陥時ブレーキ作動装置、82…圧力変換シリンダ、83…圧力制御切換弁、84…制御弁、85,93…電磁切換弁、86,90…圧力センサ、87…第1電磁開閉弁、88…第2電磁開閉弁、89…電磁切換弁、92…自動ブレーキ装置、94…圧力調整弁

Claims (7)

  1. 液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンの出力によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダピストンを有するマスタシリンダと、このマスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入されることによりブレーキ力を発生するブレーキシリンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え
    更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記液室との間に配設され、これらの間の連通・遮断を制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴とするブレーキ液圧倍力システム。
  2. 2系統のブレーキシステムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンに一体に設けられかつ前記パワーピストンの出力によって作動制御されるプライマリピストンおよび前記プライマリピストンの作動によって作動制御されてマスタシリンダ圧を発生するセカンダリピストンを有するマスタシリンダと、前記動力室の液圧が導入されることにより一方の系統のブレーキ力を発生する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリンダの前記マスタシリンダ圧が導入されることにより他方の系統のブレーキ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記プライマリピストンと前セカンダリピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え
    更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記液室との間に配設され、これらの間の連通・遮断を制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴とするブレーキ液圧倍力システム。
  3. 前記第2の受圧シリンダが前記一方の系統のブレーキシリンダであり、前記連通・遮断制御弁は、前記一方の系統のブレーキシリンダを前記動力室または前記液室に選択的に切換接続する切換弁であることを特徴とする請求項記載のブレーキ液圧倍力システム。
  4. 2系統のブレーキシステムにおいて、液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御する入力軸と、入力が加えられて前記入力軸を作動するブレーキペダルと、前記パワーピストンに一体に設けられかつ前記パワーピストンの出力によって作動制御されるプライマリピストンおよび前記プライマリピストンの作動によって作動制御されてマス タシリンダ圧を発生するセカンダリピストンを有するマスタシリンダと、一方の系統のブレーキ力を発生する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧が導入されることにより他方の系統のブレーキ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記パワーピストンと前記マスタシリンダピストンとの間に設けられ、少なくとも前記パワーピストンの作動時に密封される液室と、この液室に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記液室の作動液が導入される受圧シリンダからなるストロークシュミレータとを備え
    更に、前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に配設されている開閉弁と、前記動力室または前記液室に選択的に接続され、前記パワーピストンの作動時に前記動力室または前記液室の作動液が導入されることで一方の系統のブレーキ圧を発生しかつこのブレーキ圧を前記一方の系統のブレーキシリンダに供給する第2の受圧シリンダと、この第2の受圧シリンダと前記動力室および前記液室との間に配設され、前記第2の受圧シリンダと前記動力室とを連通するときは前記第2の受圧シリンダと前記液圧とを遮断し、また前記第2の受圧シリンダと前記液室とを連通するときは前記第2の受圧シリンダと前記動力室を遮断するように選択的に制御する連通・遮断制御弁とを備えていることを特徴とするブレーキ液圧倍力システム。
  5. 前記第2の受圧シリンダが、前記動力室または前記液室の作動液が選択的に導入されることにより前記動力室の液圧または前記液室の液圧を前記一方の系統のブレーキ圧に変換する圧力変換シリンダであり、
    前記連通・遮断制御弁は、前記一方の系統のブレーキシリンダを前記動力室または前記液室に選択的に切換接続する切換弁であることを特徴とする請求項記載のブレーキ液圧倍力システム。
  6. 前記液室と前記ストロークシュミレータとの間に、少なくともオリフィスが配設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1記載のブレーキ液圧倍力システム。
  7. 前記オリフィスと並列に、前記ストロークシュミレータから前記液室への液の流れのみを許容するチェックバルブが設けられていることを特徴とする請求項記載のブレーキ液圧倍力システム。
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