JPH1024832A - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

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JPH1024832A
JPH1024832A JP8319182A JP31918296A JPH1024832A JP H1024832 A JPH1024832 A JP H1024832A JP 8319182 A JP8319182 A JP 8319182A JP 31918296 A JP31918296 A JP 31918296A JP H1024832 A JPH1024832 A JP H1024832A
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JP
Japan
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valve
hydraulic pressure
pressure
hydraulic
passage
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JP8319182A
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English (en)
Inventor
Masahiro Shimada
島田昌宏
Satoru Watabe
渡部悟
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非常用アキュムレータに所定の液圧を確実に蓄
圧するとともに、構造を簡単にして信頼性を向上し、し
かも安価に形成する。 【解決手段】非常用アキュムレータの蓄圧が設定圧以下
であると、段付ピストン70が下動し、絞り弁部72は
弁座71に着座した第1位置に設定され、ポンプから入
口通路14を通って流れてくる作動液は流量制限弁68
によって絞られるので、環状通路73に液圧が発生す
る。この液圧は通路69、アキュムレータバルブ27お
よびアキュムレータ通路31を通って非助用アキュムレ
ータに蓄えられる。非常用アキュムレータの蓄圧が設定
圧を超えると、段付ピストン70が上動し、絞り弁部7
2は弁座71から離座した第2位置に設定され、ポンプ
から作動液は流量制限弁68によって何等絞られない
で、制御弁の方へ自由に流動する。この状態では、環状
通路73には液圧が発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車にお
いてブレーキペダルの踏力を作動液の液圧により倍力し
てブレーキ力を増大させるオープンセンタ型のブレーキ
ブースタ等のオープンセンタ型の液圧倍力装置の技術分
野に属し、特に作動液の液圧失陥時に液圧倍力装置を作
動させるための非常用の液圧を蓄えておく非常用アキュ
ムレータを備えた液圧倍力装置の技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の車両においては、操作
部材の操作力を作動液の液圧により倍力して出力する液
圧倍力システムが用いられているものがある。この液圧
倍力システムとして、例えば、ブレーキペダルのペダル
踏力のみでは得られない大きなブレーキ力を得るためや
ペダル踏力を軽減するため等により、作動液の液圧によ
り作動する液圧ブレーキ倍力装置を用いてペダル踏力を
倍力してマスタシリンダを作動させる液圧ブレーキシス
テムがある。
【0003】このような液圧ブレーキシステムとして、
従来図11に示すような液圧ブレーキシステムがある。
図中、1は液圧ブレーキシステム、2はブレーキペダ
ル、3はこのブレーキペダル2によって作動されてペダ
ル踏力を倍力して出力するオープンセンタ型ハイドロリ
ックブレーキブースタ(以下、ブレーキブースタまたは
単にブースタともいう)、4はこのブースタ3の出力に
よって作動されブレーキ液圧を発生するタンデム型のマ
スタシリンダ、5はマスタシリンダ4からのブレーキ液
圧で作動して各車輪に対するブレーキ力を発生するブレ
ーキシリンダ、6はエンジン7によって駆動されて作動
液をブースタ3に送給するポンプ、8は作動液を貯留す
るリザーバ、および9はポンプ6の故障等によりポンプ
6から作動液が送給されないときに、ブースタ3を作動
させるための非常用の液圧を蓄える非常用アキュムレー
タである。
【0004】オープンセンタ型のブースタ3は、ブレー
キ非操作時に制御弁の隙間が最大に開いて作動液を自由
に流すとともに、操作時に制御弁の隙間を絞ることによ
り作動液の流れを制限して液圧を発生し、この液圧によ
り出力するものであり、従来種々の構造のものが公知と
なっている。その一例のブースタ3を図12に示す。こ
のブースタ3は従来公知であり、しかも後述する本発明
のブースタにおいて詳細に説明するので、ここでは本発
明が解決しようとする課題に関係する部分について簡単
に説明する。
【0005】図12に示すブレーキ非操作状態において
は、第1環状溝10と第2環状溝11との間の隙間が最
大となっており、また第2環状溝11と第3環状溝12
との間が遮断しているとともに第3環状溝12と第4環
状溝13との間が連通している。したがって、ポンプ6
から吐出された作動液は、オープンセンタ型のブースタ
3の入口通路14、第2環状溝11、第1環状溝10と
第2環状溝11との間の隙間、第1環状溝10、および
循環通路15を通って、再びリザーバ8に循環してい
る。その場合、第1環状溝10と第2環状溝11との間
の隙間が最大となっているので、循環している作動液に
はほとんど液圧は発生しない。
【0006】この状態でブレーキペダル2の踏込により
入力軸16が前進すると、一対のレバー17,18(一
対のレバーは図12において図面に直交する方向に重合
している)が回動してバルブスプール19が前進する。
すると、第1環状溝10と第2環状溝11との間の隙間
が絞られ、また第2環状溝11と第3環状溝12とが連
通し、かつ第3環状溝12と第4環状溝13とが遮断す
る。第1および第2環状溝10,11との間の隙間が絞
られる(最終的にはこの隙間は0となる場合もある)こ
とにより、第2環状溝11に液圧が発生する。この液圧
は、第2環状溝11と第3環状溝12との間の隙間、第
1径方向孔20、軸方向孔21、および第3チェックバ
ルブと第2径方向孔22とを通って動力室23に導入さ
れて、パワーピストン24に作用する。これにより、パ
ワーピストン24はペダル踏力を倍力したブーキ操作力
を発生し、このブレーキ操作力が出力軸25から出力さ
れてマスタシリンダ4を作動し、ブレーキが作動する。
【0007】また、第2環状溝11に発生した液圧は、
アキュムレータバルブ27のチェックバルブからなるチ
ャージバルブ28における弁体29を図12において右
方に移動して、弁体29をゴムシート30から離座させ
てチャージングバルブ28を開く。これにより、この液
圧は弁体29とゴムシート30との間の隙間、弁体29
の外周およびアキュムレータ通路31を通って非常用ア
キュムレータ9に導入され、この非常用アキュムレータ
9に蓄えられる。
【0008】ブレーキペダル2を解放すると、入力軸1
6およびバルブスプール19が図12に示す非作動位置
に後退して、第3環状溝12と第4環状溝13とが連通
し、かつ第2環状溝11と第3環状溝12とが遮断し、
更に第1環状溝10と第2環状溝11との間の隙間が最
大となる。このため、動力室23の作動液は、孔22,
21,20、第3環状溝12、第3環状溝12と第4環
状溝13との間の隙間、第4環状溝13および排出通路
32を通ってリザーバ8に排出される。これにより、パ
ワーピストン24が非作動位置に後退してブレーキ操作
力が消滅し、マスタシリンダ4が非作動状態に戻ってブ
レーキ作動が解除される。そして、第1および第2環状
溝10,11との間の隙間が最大となることにより、第
2環状溝11に発生した液圧は消滅する。なお、77は
非常用アキュムレータ9の蓄圧が所定圧を超えたとき開
いて、通路14に非常用アキュムレータ9の液圧を逃が
すリリーフバルブである。
【0009】ポンプ6が故障して、第1環状溝10と第
2環状溝11との間の隙間が絞られても液圧が発生しな
くなったときは、ブレーキペダル2が更に大きく踏み込
まれることにより、バルブスプール19が最大ストロー
ク前進する。バルブスプール19がそれ以上前進しなく
なった後、ブレーキペダル2が更に踏み込まれて入力軸
16が更に前進すると、レバー17,18が更に回転
し、スライドバルブ33がバルブスプール19に対して
相対的に前進移動する。すると、第2径方向孔22が閉
塞され、動力室23がポンプ6から遮断される。スライ
ドバルブ33が更に前進するとリテーナ34も前進する
ので、このリテーナ34によりアキュムレータバルブ2
7におけるチェックバルブからなるダンプバルブ36の
弁体35が前進させられて、このダンプバルブ36が開
き、非常用アキュムレータ9に蓄えられている液圧が動
力室23に導入され、この非常用アキュムレータ9の液
圧によりパワーピストン24が作動する。これにより、
ポンプ6が故障しても、非常用アキュムレータ9に所定
圧の液圧が蓄えられている間、非常用アキュムレータ9
の液圧により、ペダル踏力が倍力されてブレーキを作動
させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この液圧ブ
レーキシステム1においては、非常用アキュムレータ9
への蓄圧は、ブレーキ操作時に発生する液圧すなわちポ
ンプ吐出圧を非常用アキュムレータ9に導入することに
より行われている。このため、ブレーキ操作力が小さい
と、非常用アキュムレータ9に十分に蓄圧されない場合
が生じ、ポンプ6の故障時に非常用アキュムレータ9の
液圧による倍力可能回数が少なくなり、ブレーキ力を十
分に確保できないことが考えられる。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、非常用アキュムレータに
所定の液圧を確実に蓄圧することができるようにしなが
ら、しかも構造を簡単にして信頼性を向上できかつ安価
に形成することのできる液圧倍力装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明は、操作力によって作動する入力軸と、ポ
ンプから吐出される作動液が送給される入口通路と、前
記作動液をリザーバへ循環させる循環通路と、作動時前
記作動液の液圧が導入される動力室と、この動力室の液
圧によって作動して出力するパワーピストンと、前記入
力軸の作動によって作動制御され、非作動時前記入口通
路を通って流れてくる前記作動液を自由に前記循環通路
へ流動させかつ前記動力室を前記リザーバに接続すると
ともに、作動時前記入口通路を通って流れてくる前記作
動液の流れを少なくとも絞って液圧を発生させかつこの
液圧を前記動力室に導入する制御弁と、前記入口通路ま
たは前記循環通路を通って流れる前記作動液の流れを絞
って液圧を発生する第1位置と前記作動液の流れを制限
することなく自由に流す第2位置とが設定された絞り弁
を有する流量制限手段と、この流量制限手段によって発
生された液圧を蓄える非常用アキュムレータと、非常時
に前記制御弁の作動によって作動されて前記非常用アキ
ュムレータの液圧を前記動力室に導入する非常用弁手段
とを備え、前記入力軸に伝えられた操作力を前記動力室
に導入された液圧により倍力して出力するオープンセン
タ型の液圧倍力装置であって、前記流量制限手段が、前
記非常用アキュムレータの液圧が作用されて、前記非常
用アキュムレータの液圧が設定圧以下のときは前記絞り
弁を前記第1位置に設定し、前記非常用アキュムレータ
の液圧が前記設定圧を超えたときは前記絞り弁を前記第
2位置に設定する弁作動制御手段を備えていることを特
徴としている。
【0013】また本発明は、操作力によって作動する入
力軸と、ポンプから吐出される作動液が送給される入口
通路と、前記作動液をリザーバへ循環させる循環通路
と、作動時前記作動液の液圧が導入される動力室と、こ
の動力室の液圧によって作動して出力するパワーピスト
ンと、前記入力軸の作動によって作動制御され、非作動
時前記入口通路を通って流れてくる前記作動液を自由に
前記循環通路へ流動させかつ前記動力室を前記リザーバ
に接続するとともに、作動時前記入口通路を通って流れ
てくる前記作動液の流れを少なくとも絞って液圧を発生
させかつこの液圧を前記動力室に導入する制御弁と、前
記入口通路を通って流れる前記作動液の流れを絞って液
圧を発生する第1位置と前記作動液の流れを制限するこ
となく自由に流す第2位置とが設定された絞り弁を有す
る流量制限手段と、この流量制限手段によって発生され
た液圧を蓄える非常用アキュムレータと、非常時に前記
制御弁の作動によって作動されて前記非常用アキュムレ
ータの液圧を前記動力室に導入する非常用弁手段とを備
え、前記入力軸に伝えられた操作力を前記動力室に導入
された液圧により倍力して出力するオープンセンタ型の
液圧倍力装置であって、前記流量制限手段が、前記非常
用アキュムレータの液圧が作用されて、前記非常用アキ
ュムレータの液圧が設定圧以下のときは前記絞り弁を前
記第1位置に設定し、前記非常用アキュムレータの液圧
が前記設定圧を超えたときは前記絞り弁を前記第2位置
に設定する弁作動制御手段を備え、更に前記ポンプから
吐出される作動液を前記流量制限手段をバイパスして前
記制御弁へ流動させるバイパス通路を備えているととも
に、このバイパス通路が前記制御弁によって非作動時は
遮断されかつ作動時は連通するように制御されることを
特徴としている。
【0014】更に本発明は、操作力によって作動する入
力軸と、ポンプから吐出される作動液が送給される入口
通路と、前記作動液をリザーバへ循環させる循環通路
と、作動時前記作動液の液圧が導入される動力室と、こ
の動力室の液圧によって作動して出力するパワーピスト
ンと、前記入力軸の作動によって作動制御され、非作動
時前記入口通路を通って流れてくる前記作動液を自由に
前記循環通路へ流動させかつ前記動力室を前記リザーバ
に接続するとともに、作動時前記入口通路を通って流れ
てくる前記作動液の流れを少なくとも絞って液圧を発生
させかつこの液圧を前記動力室に導入する制御弁と、前
記ポンプの失陥時等の異常時に前記パワーピストンを作
動させるための非常用液圧を蓄える非常用アキュムレー
タと、前記ポンプの非駆動時、前記ポンプと前記非常用
アキュムレータとを接続する通路を第1絞り弁により絞
るとともに前記ポンプと前記入口通路とを遮断し、前記
ポンプの始動時に前記ポンプから吐出される作動液を前
記第1絞り弁により絞ることにより第1液圧を発生させ
る第1状態と、前記非常用アキュムレータの蓄圧が設定
圧より小さいとき、前記第1液圧により作動して前記ポ
ンプと前記入口通路とを第2絞り弁により絞りながら連
通しかつ前記ポンプと前記非常用アキュムレータとを接
続する通路をほとんど絞らなく、前記ポンプから吐出さ
れた作動液を絞って前記入口通路に供給するとともに前
記第1液圧より大きい第2液圧を発生させて前記非常用
アキュムレータに供給する第2状態と、前記非常用アキ
ュムレータの蓄圧が設定圧以上のとき、前記前記ポンプ
と前記入口通路とをほとんど絞らない第3状態とが設定
された流量制限手段と、この流量制限手段によって発生
された非常時に前記制御弁の作動によって作動されて前
記非常用アキュムレータの液圧を前記動力室に導入する
非常用弁手段とを備え、前記入力軸に伝えられた操作力
を前記動力室に導入された液圧により倍力して出力する
ことを特徴としている。
【0015】
【作用】このように構成された本発明においては、非常
用アキュムレータの液圧が設定圧以下のときは弁作動制
御手段が絞り弁を第1位置に設定する。これにより、入
口通路または循環通路を通って流れる作動液の流れが絞
られて液圧が発生し、この液圧は非常用アキュムレータ
に蓄えられる。また、非常用アキュムレータの液圧が設
定圧を超えたときは絞り弁を第2位置に設定する。これ
により、入口通路または循環通路を通って流れる作動液
の流れが制限されることなく自由に流れ、液圧倍力装置
は弁作動制御手段に影響されることなく、通常の作動を
行うことができるようになる。
【0016】このようにして、非常用アキュムレータの
液圧が設定圧以下のときは、常にかつ自動的に液圧が発
生するとともに、非常用アキュムレータには設定圧の液
圧が常時確実に蓄えられるようになる。したがって、ポ
ンプの故障により制御弁の作動によっては液圧が得られ
ないときにも、液圧倍力装置は倍力作用を従来に比べて
より多くの回数を確実に行うことができ、液圧倍力装置
の作動における安全性が向上する。
【0017】また、弁作動制御手段が非常用アキュムレ
ータの液圧の作用により作動するようになることから、
絞り弁と弁作動制御手段とを有する流量制限手段を機械
的に構成することができるようになる。これにより、流
量制限手段の構成が簡単になるとともに作動がより一層
確実であり、その結果液圧倍力装置の信頼性が向上しか
つ液圧倍力装置を安価に形成することができるようにな
る。
【0018】更に本発明においては、液圧倍力装置の通
常の作動時、制御弁が流量制限手段をバイパスするバイ
パス通路を連通させる。したがって、通常の作動時には
ポンプから吐出された作動液がこのバイパス通路を通っ
て流量制限手段をバイパスして制御弁に流動するように
なる。これにより、流量制限手段が制御弁へ流れる作動
液の流量を制限しているときに、通常の操作が行われて
も、液圧倍力装置は操作力を通常と同様の所定の大きさ
に倍力して出力する倍力作用を行うようになる。
【0019】更に本発明においては、ポンプ非作動時に
流量制限手段が第1状態に設定され、このときはポンプ
から吐出された作動液が第1絞り弁により絞られて第1
液圧が発生する。そして、非常用アキュムレータの液圧
が設定圧より小さいときは、この第1液圧により流量制
限手段が第2状態に設定され、ポンプから吐出された作
動液は、第2絞り弁により絞られて制御弁の方へ供給さ
れる。また、作動液が第2絞り弁で絞られることにより
第2液圧が発生し、この第2液圧が非常用アキュムレー
タに蓄圧される。
【0020】非常用アキュムレータの液圧が設定圧以上
になると、流量制限手段が第3状態に設定され、ポンプ
から吐出された作動液は、第2絞り弁によってほとんど
絞られないで制御弁の方へ供給される。
【0021】非常用アキュムレータの液圧が設定圧以上
に蓄圧されているときは、ポンプが始動すると、ポンプ
から吐出された作動液の液圧により、流量制限手段は直
接第3状態に設定される。
【0022】これにより、非常用アキュムレータの設定
圧より小さい状態では、ポンプが始動されたとき、ポン
プから吐出された作動液は流量制限手段の第2絞り弁に
より流量が絞られて非常用アキュムレータに流入するの
で、この非常用アキュムレータの突入圧力が小さくな
る。したがって、ポンプ始動時、突入圧力による非常用
アキュムレータへの衝撃が抑制される。
【0023】更に、流量制限手段が第1及び第2液圧と
非常用アキュムレータの液圧とにより制御されるように
なるので、アキュムレータが迅速に設定圧となるように
蓄圧されるとともに、この設定圧への蓄圧制御の精度が
良好になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明に係る液圧倍
力装置をブレーキブースタに適用した実施の形態の第1
例を示し、(a)はその縦断面図、(b)は(a)にお
けるIB−IB線に沿う横断面図である。なお、前述の図1
1および図12に示す従来のシステムと同じ構成要素に
は同じ符号を付して説明する。
【0025】図1(a)に示すように、本第1例の液圧
倍力装置が適用されたブレーキブースタ3は、前方ハウ
ジング部37と後方ハウジング部38とからなるハウジ
ング39を備えている。後方ハウジング部38には、図
示しないブレーキペダルに連結部材40を介して連結さ
れる入力軸16が液密にかつ摺動可能に貫通されてい
る。また前方ハウジング部37には、パワーピストン2
4が液密にかつ摺動可能に設けられている。このパワー
ピストン24は同心状に配設された一対のリターンスプ
リング41,42により図1(a)において常時右方に
付勢されている。このパワーピストン24の前端部に
は、このパワーピストン24の出力をマスタシリンダ4
のピストンに伝達してこのピストンを作動する出力軸2
5が嵌合当接されている。更に、前方ハウジング部37
と後方ハウジング部38との間のハウジン39内に、動
力室23が形成されており、この動力室23にパワーピ
ストン24のピストン部24bの後面が面している。
【0026】更に前方ハウジング部37には、パワーピ
ストン24の上方に制御弁43が設けられている。図2
に詳細に示すように、この制御弁43は、前方ハウジン
グ部37の孔44内に摺動可能に嵌挿された筒状のバル
ブスプール19を備えている。前方ハウジング部37の
孔44の内面には第1環状溝10および第3環状溝12
がそれぞれ形成されているとともに、バルブスプール1
9の外周面には第2環状溝11および第4環状溝13が
形成されている。
【0027】更にバルブスプール19には、軸方向に貫
通する軸方向孔21が穿設されているとともに、第3環
状溝12に対向する位置に、この第3環状溝12と軸方
向孔21との間を連通する第1径方向孔20が穿設され
ている。更に、動力室23内に延設されたバルブスプー
ル19の後端部19aには、動力室23と軸方向孔21
との間を連通する第2径方向孔22が穿設されている。
【0028】更に、この第2径方向孔22が形成されて
いるバルブスプール19の後端部19aの外周には、第
3径方向孔45を有する筒状のスライドバルブ33が摺
動可能に嵌合されており、このスライドバルブ33はス
プリング46により常時後方(図2において右方)に付
勢されており、非作動時はバルブスプール19の後端に
固定されたストッパ47に当接されている。このバルブ
スプール19のストッパ47当接位置では、図示のよう
に第2径方向孔22と第3径方向孔45とが整合し、軸
方向孔21と動力室23とが第2および第3径方向孔2
2,45を介して連通している。また、スライドバルブ
33がスプリング46の付勢力に抗してバルブスプール
19に対して前方へ相対移動したとき第3径方向孔45
が第2径方向孔22からずれて、両孔22,45を介す
る軸方向孔21と動力室23との連通が遮断されるよう
になっている。
【0029】更に、バルブスプール19の軸方向孔21
の右端は動力室23に開口しており、この開口部に第3
チェックバルブが設けられている。この第3チェックバ
ルブは軸方向孔21から動力室23に向かう作動液の流
れを許容し、逆に動力室23から軸方向孔21に向かう
作動液の流れは阻止するようになっている。
【0030】第1環状溝10は循環通路15を介してリ
ザーバ8に常時連通している。また第2環状溝11は、
液圧源であるポンプ6に接続される入口通路14に常時
連通している。更に第3環状溝12は第1径方向孔20
を介して軸方向孔21に常時連通している。この第3環
状溝12は、また非作動時第2環状溝11から遮断され
かつ第4環状溝13に連通するとともに、作動時第2環
状溝11に連通しかつ第4環状溝13から遮断されるよ
うになっている。更に第4環状溝13は、リザーバ8に
接続される循環通路15に常時連通している。すなわ
ち、循環通路15の一部は、図12に示す排出通路32
にもなっている。
【0031】バルブスプール19はスプリング49によ
り常時後方に付勢されており、非作動時は図示のように
その後端が後方ハウジング部38に当接して後退限位置
(すなわち、非作動位置)に設定されている。そして、
このバルブスプール19の非作動位置では、第1環状溝
10と第2環状溝11との連通面積が最大となってい
る。これにより、ポンプ6が駆動されると、このポンプ
6によって送給されてきたリザーバ8の作動液は入口通
路14、第2環状溝11、第1環状溝10および循環通
路15を通ってリザーバ8へ再び戻る、すなわち循環し
て流れるようになっているが、このとき第1環状溝10
と第2環状溝11との連通面積が最大となっているの
で、作動液のこの循環流れは何等絞られることはなく、
第2環状溝11には液圧は発生しないようになってい
る。また、バルブスプール19が作動して前進移動した
ときは、第1環状溝10と第2環状溝11との連通面積
が次第に小さくなって、最終的にほぼ0となる。これに
より、ポンプ6からの作動液の流れが絞られるので、第
2環状溝11に液圧が発生するようになっている。
【0032】更にパワーピストン24の後端にはレバー
支持部材50が固定されており、図1(b)に詳細に示
すようにこのレバー支持部材50に入力軸16の軸方向
と直交する横方向にそれぞれ突設された一対の支持ピン
51,52に、一対のレバー17,18の各一端がそれぞ
れ揺動可能に支持されている。図1(a)に示すよう
に、これらのレバー17,18の各他端はそれぞれスラ
イドバルブ33に突設された図示しない支持ピンに揺動
可能に支持されている。また、各レバー17,18の一
端側寄りには、それぞれレバー17,18における長手
方向の長孔53,54が穿設されている。
【0033】筒状の弁制御部材55が入力軸16に摺動
可能に外嵌されている。この弁制御部材55は、入力軸
16の後部部材16bとの間に縮設されたコイルスプリ
ング56により常時左方へ付勢されていて、非作動時は
入力軸16の先端部16aの段部16cに当接されてい
る。また、図1(b)に示すように弁制御部材55に
は、一対の係合ピン57,58がそれぞれ入力軸16の
軸方向と直交する横方向に突設されており、これらの係
合ピン57,58はそれぞれレバー17,18の長孔5
3,54を貫通して延設されている。そして、これらの
係合ピン57,58はともにレバー17,18の長孔5
3,54の内壁面には軸方向移動時に係合するようにな
っている。
【0034】更に、入力軸16の先端部16aにはトラ
ベルリミッタ59が設けられている。このトラベルリミ
ッタ59は、入力軸16の先端部16aに穿設されて、
パワーピストン24の内孔24cに先端部16aが嵌挿
されることにより形成された室60と動力室23とを連
通する通路61に、ボール弁62とこのボール弁62が
着座可能な弁座63とこのボール弁62を弁座63方向
に常時付勢するスプリング64とからなる常開の開閉弁
65、および同じ通路61に摺動可能に嵌挿され、ボー
ル弁62を押圧して開閉弁65を開閉制御する押圧ピン
66とから構成されている。
【0035】そしてこのトラベルリミッタ59は、弁制
御部材55が段部16cに当接して押圧ピン66を図2
において左方に押圧しているときは、この押圧ピン66
がボール弁62を押圧して弁座63から離座させて開閉
弁65を開き、これにより動力室23と室60とが押圧
ピン66の外周面に形成された軸方向の溝66aおよび
開いた開閉弁65を通して連通している。このように動
力室23と室60とが連通しているときは、入力軸16
がパワーピストン24に対して軸方向に相対移動可能と
なる。また、弁制御部材55が押圧ピン66を押圧して
いないときは、この押圧ピン66はボール弁62を何等
押圧しない。したがって、このときはボール弁62はス
プリング64の付勢力により弁座63に着座して開閉弁
65を閉じ、動力室23と室60とが遮断されて室60
が密封される。このように室60が密封されているとき
は、入力軸16はパワーピストン24に対して軸方向に
相対移動不能となる。
【0036】なお、各スプリング41,42,46,49,
56の各ばね力は、それぞれ通常のブレーキ操作時に入
力軸16が前進したとき、まずスプリング41,42が
撓み、次いでスプリング49が撓み、次いでスプリング
56が撓み、最後にスプリング46が撓むような大きさ
に設定されている。
【0037】また、67は後方ハウジング部38と連結
部材40との間に設けられた伸縮可能なゴム等からなる
ブーツであり、このブーツ58は入力軸16の後方部材
16bの外周面に異物が侵入するのを防止するためのも
のである。
【0038】ところで、本第1例のブースタ3において
は、図1(a)に示すように入口通路14に流量制限弁
68が設けられている。また、入口通路14とアキュム
レータ通路31とが通路69により接続されており、こ
の通路69にアキュムレータバルブ27が設けられてい
る。
【0039】図3に示すように、流量制限弁68は前方
ハウジング部37に摺動可能にかつ液密に設けられた段
付ピストン70を有している。段付ピストン70の下端
部には、前方ハウジング部37に形成された弁座71に
着座可能な円錐状の絞り弁部72が形成されているとと
もに、この下端部に形成された縮径部により形成された
断面積の比較的大きな環状通路73と段付ピストン70
の下端とに開口するT字状の絞り通路74が穿設されて
いる。この絞り通路74の径は入口通路14に比してか
なり小さく設定されている。また、段付ピストン70は
スプリング75のばね力により絞り弁部72が弁座71
に着座する方向に常時付勢されている。更に、段付ピス
トン70の段部70aには、非常用アキュムレータ9の
液圧がアキュムレータ通路31から分岐した通路88を
通ってスプリング75のばね力に対抗する方向に常時作
用されている。
【0040】スプリング75のばね力および段部70a
の有効受圧面積は、非常用アキュムレータ9の蓄圧が設
定圧以上であるとき、段付ピストン70が非常用アキュ
ムレータ9の液圧によりスプリング75のばね力に抗し
て上方へ移動して、二点鎖線で示すように絞り弁部72
が弁座71から離座した第2位置に設定され、また非常
用アキュムレータ9の蓄圧が設定圧より小さいとき、段
付ピストン70がスプリング75のばね力により下方へ
移動して、絞り弁部72が弁座71に着座する第1位置
に設定されるような大きさに設定されている。
【0041】そして、絞り弁部72が弁座71に着座し
ているときは、ポンプ6から吐出された作動液は絞り通
路74のみを通って流れるようになり、作動液の流れが
絞られ、環状通路73に液圧が発生するようになってい
る。また、絞り弁部72が弁座71から離座していると
きは、ポンプ6から吐出された作動液は、主に絞り弁部
72と弁座71との間隙を通って流れるようになり、作
動液の流れが何等絞られなく、環状通路73には液圧は
発生しないようになっている。
【0042】なお、流量制限弁68より上流側の入口通
路14と通路69とは、環状通路73を介して常時連通
されている。
【0043】一方、アキュムレータバルブ27は、前方
ハウジング部37に摺動可能に設けられた弁体29とこ
の弁体29が着座可能なゴムシート30とからなるチャ
ージングバルブ28を有している。このチャージングバ
ルブ28は入口通路14から非常用アキュムレータ9に
向かう方向の作動液の流れのみを許容するようになって
いる。その場合、通路69を通って流れてきた作動液は
チャージングバルブ28を開いた後、弁体29の外周と
前方ハウジング部37との間の間隙76を通って非常用
アキュムレータ9の方へ流れるようになっている。
【0044】また弁体29内にはリリーフ弁77が設け
られており、このリリーフ弁77はボール弁を有する弁
体78とこの弁体78が着座可能な弁座79とからなっ
ている。そして、このリリーフ弁77は非常用アキュム
レータ9の蓄圧が設定圧以下のときは弁体78が弁座7
9に着座して閉じ、非常用アキュムレータ9の蓄圧が設
定圧を超えるときは弁体78が弁座79から離座して開
くようになっている。リリーフ弁77が開いたときは、
非常用アキュムレータ9に蓄圧された液圧は、間隙7
6、弁体78の上方の室80および弁体78の中央部の
長手方向の貫通孔81を通って通路69の方へ逃げるよ
うになっている。
【0045】更に、図1(a)に示すように前方ハウジ
ング部37には、アキュムレータ通路31の動力室23
への開口部に位置してアキュムレータバルブ27の他の
部分であるダンプバルブ36が設けられている。図2に
示すように、このダンプバルブ36は、摺動可能に設け
られた弁体35とこの弁体35が着座可能な弁座82か
らなっている。このダンプバルブ36は、リテーナ34
が所定量前進したときこのリテーナ34によって弁体3
5が前進して弁座82から離座したとき開くようになっ
ている。
【0046】このように構成された本例のブレーキブー
スタ3においては、ブレーキ非作動時には入力軸16お
よび制御弁43のバルブスプール19が図示の非作動位
置にある。この状態で、非常用アキュムレータ9の蓄圧
が設定圧以下であると、段付ピストン70は下動し、図
3に実線で示すように絞り弁部72は弁座71に着座し
た第1位置に設定される。したがって、このときは前述
のようにポンプ6からの作動液は流量制限弁68によっ
て絞られるので、環状通路73に液圧が発生する。この
液圧は通路69、アキュムレータバルブ27およびアキ
ュムレータ通路31を通って非助用非常用アキュムレー
タ9に蓄えられる。
【0047】非常用アキュムレータ9の蓄圧が設定圧を
超えると、段付ピストン70が上動し、図3に二点鎖線
で示すように絞り弁部72は弁座71から離座した第2
位置に設定される。したがって、このときは前述のよう
にポンプ6からの作動液は流量制限弁68によって何等
絞られないので、第2環状溝11の方へ流動する。更
に、この作動液は第2環状溝11から循環通路15を通
って再びリザーバ8に戻り、循環するようになる。この
状態では、環状通路73には液圧が発生しないが、非常
用アキュムレータ9に蓄えられた液圧はチャージングバ
ルブ28により環状通路73の方へ漏出することはない
とともに、ダンプバルブ36により動力室23の方へ侵
入することもない。
【0048】ブレーキペダル2の踏込によりブレーキ操
作が行われると、入力軸16および弁制御部材55がと
もに一体的に前進する。すると、まず係合ピン57,5
8が長孔53,54の側壁に当接して、レバー17,18
がそれぞれスライドバルブ33の支持ピンを中心に図2
において時計方向に回動する。これにより、パワーピス
トン24が前進し、これに伴って出力軸25が前進して
マスタシリンダ4のピストンを押す。
【0049】マスタシリンダ4のピストンが作動してマ
スタシリンダ4に液圧が発生し始めると、パワーピスト
ン24の最初の前進がほぼなくなる。更に入力軸16が
前進すると、今度はレバー17,18はそれぞれ支持ピ
ン51,52を中心に図2において反時計方向に回動す
る。すると、レバー17,18の他端がスライドバルブ
33を介してバルブスプール19が押圧するので、バル
ブスプール19が前進する。このため、第3環状溝12
と第4環状溝13とが遮断されるとともに、第1環状溝
10と第2環状溝11との間の間隙が絞られ、更に第2
環状溝11と第3環状溝12とが連通する。すると、第
2環状溝11に液圧が発生し、この液圧は第2環状溝1
1から第3環状溝12、第1径方向孔20、軸方向孔2
1および第3チェックバルブを通って動力室23に供給
されるばかりでなく、軸方向孔21から第2および第3
径方向孔22,45を通っても動力室23に供給され
る。これにより、パワーピストン24が更に前進しブレ
ーキペダル2のペダル踏力を倍力して出力する。このパ
ワーピストン24の出力が出力軸25を介してマスタシ
リンダ4のピストンを更に押圧し、マスタシリンダ4は
大きな液圧を発生する。このマスタシリンダ4の液圧に
より、ブレーキがかけられる。
【0050】同時に動力室23の液圧は入力軸16を右
方に押圧するが、この入力軸16を押圧する力とブレー
キペダル2の踏力によって入力軸16に左方へ作用され
る力とが釣り合った状態に保持される。こうして、動力
室23にはブレーキペダル2の踏力に対応した液圧が供
給されるようになる。ブレーキペダル2の踏込が上昇し
て入力軸16が更に大きく前進すると、バルブスプール
19も更に大きく前進し、第1環状溝10と第2環状溝
11との間の隙間が更に小さくなる(最終的にはこの隙
間が0となる場合もある)と、発生する液圧が大きくな
るので、動力室23の液圧も上昇する。したがって、パ
ワーピストン24の出力も増大し、マスタシリンダ液圧
も上昇する。
【0051】ブレーキ解除時ブレーキペダル2の踏込が
解放されると、入力軸16が後退する。すると、まずレ
バー17,18が支持ピン51,52を中心に時計方向に
回動し、バルブスプール19が非作動位置の方へ移動す
る。このため、第1環状溝10と第2環状溝11との間
の隙間が最大となって、ポンプ6からの作動液の流れが
絞られなくなり、第2環状溝11に発生していた液圧が
循環通路15を通ってリザーバ8へ排出されて消滅す
る。また、第2環状溝11と第3環状溝12とが遮断さ
れかつ第3環状溝12と第4環状溝13とが連通する。
すると、動力室23に供給されていた液圧も、第3およ
び第2径方向孔45,22、軸方向孔21、第1径方向
孔20、第3環状溝12、第4環状溝13および循環通
路15を通ってリザーバ8に排出されて消滅する。これ
により、パワーピストン24が非作動位置の方へ後退す
る。バルブスプール19の後端が後方ハウジング部38
に当接して後退限位置となると、レバー17,18はス
ライドバルブ33の支持ピンを中心に反時計方向に回動
する。これにより、パワーピストン24が非作動位置と
なって出力を発生しなくなるので、マスタシリンダ4も
非作動となって、ブレーキが解除する。
【0052】ブレーキ作動時に、ブレーキペダル2の踏
込が大きくなって、バルブスプール19の前端が前方ハ
ウジング部37の孔44を塞ぐプラグ83に当接する、
すなわちバルブスプール19がフルストロークすると、
動力室23の液圧がそれ以上上昇しなくなる。すなわ
ち、ブレーキブースタ3は全負荷点となる。この全負荷
点になっても更にブレーキペダル2が踏み込まれると、
バルブスプール19が前進しなくかつレバー17,18
がほとんど回動しないが、入力軸16のみが前進するよ
うになる。
【0053】これにより、入力軸16がスプリング56
のばね力に抗して弁制御部材55に対して相対的に前進
する。すると、弁制御部材55が押圧ピン66を押圧し
なくなるので、押圧ピン66はボール弁62を押圧しな
くなる。このため、ボール弁62は弁座63に着座し、
開閉弁65が閉じ、室60は密封される。すなわち、ト
ラベルリミッタ59が作動する。これにより、ブレーキ
ペダル2の踏力によって入力軸16に作用する力は直接
パワーピストン24に加えられる。したがって、ブレー
キブースタ3の全負荷点以降は、ブレーキブースタ3は
入力軸16の入力の増加分だけ出力が増加するようにな
る。
【0054】なお、バルブスプール19がフルストロー
クした後、入力軸16が更に前進したとき、レバー1
7,18を介してスライドバルブ33がスプリング46
のばね力に抗してバルブスプール19に対して相対的に
前進する。このため、このスライドバルブ33に設けら
れているリテーナ34も前進して弁体35を前進させて
ダンプバルブ36を開き、動力室23が非常用アキュム
レータ9に連通する。しかし、非常用アキュムレータ9
の蓄圧は全負荷点時の動力室23の液圧と同じであるの
で、動力室23の液圧は全負荷点時の液圧と同じとな
る。
【0055】更にポンプ6が故障すると、入力軸16お
よびバルブスプール19がともに前進しても第2環状溝
11には液圧が発生しないので、動力室23にも液圧が
供給されない。したがって、ブレーキブースタ3は倍力
作用を行わない。しかし、入力軸16が更に大きく前進
すると、前述と同様にバルブスプール19がフルストロ
ークした後、レバー17,18を介してスライドバルブ
33がバルブスプール19に対して相対的に前進する。
このため、まずスライドバルブ33の第3径方向孔45
がバルブスプール19の第2径方向孔22とずれて、第
2および第3径方向孔22,45を介する軸方向孔21
と動力室23との連通がスライドバルブ33により遮断
される。更にスライドバルブ33が前進すると、リテー
ナ34が弁体35を前進させるのでダンプバルブ36が
開かれて、動力室23が非常用アキュムレータ9に連通
する。したがって、非常用アキュムレータ9の液圧が動
力室23に供給され、動力室23の液圧が全負荷点時の
液圧と同じになるまで上昇する。そしてこの動力室23
の液圧により、ブレーキブースタ3は倍力作用を行う。
こうして、ポンプ故障時にも、非常用アキュムレータ9
に蓄圧がある間、ブレーキブースタ3は所定の大きさの
出力を発生するようになる。
【0056】なお、非常用アキュムレータ9の液圧が設
定圧以下で、流量制限弁68が入口通路14を通って第
2環状溝11へ流れる作動液の流量を制限しているとき
に、ブレーキ操作が行われることはほとんどないが、こ
のような場合には第2環状溝11へ流れる作動液が不足
し、ブレーキ3の倍力作用が不十分になることが考えら
れる。しかし、この場合には前述のポンプ6の故障の場
合と同様に、バルブスプール19がフルストロークした
後、リテーナ34がダンプバルブ36を開くことによ
り、非常用アキュムレータ9の液圧が動力室23に供給
されるので、ブースタ3はこの液圧で倍力作用を行うよ
うになる。すなわち、この場合にもブースタ3はある程
度の倍力作用を確実に行うことができるようになってい
る。
【0057】このように本第1例の液圧倍力装置のブレ
ーキブースタ3によれば、非常用アキュムレータ9の蓄
圧が設定圧以下のときは、常に流量制限弁68により入
口通路14を流れる作動液を絞って液圧を発生させると
ともに、この液圧を非常用アキュムレータ9に自動的に
蓄えるようにしているので、非常用アキュムレータ9に
は設定圧の液圧が常時確実に蓄えることができるように
なる。これにより、ポンプ6の故障時においても、ブレ
ーキブースタ3は倍力作用を従来に比べてより多くの回
数行うことができるようになる。したがって、ポンプ6
の故障時等により、制御弁43の作動によっては液圧が
得られないときにも、非常用アキュムレータ9の液圧に
よって所定回数確実にブレーキブースタ3の倍力作用を
行わせることができ、液圧ブレーキシステムの安全性が
向上する。
【0058】また流量制限弁68を、非常用アキュムレ
ータ9の液圧が作用される段付ピストン70と、この段
付ピストン70の端部に設けられ絞り通路74を有する
絞り弁部72と、この絞り弁部72が着座可能な弁座7
1と、スプリング75とによって機械的に構成している
ので、流量制限弁68は、構成が簡単であるとともに作
動が確実であり、その結果ブレーキブースタ3の信頼性
が良好でありかつブレーキブースタ3を安価に形成する
ことができるようになる。
【0059】図4は、本発明の実施の形態の第2例を示
す図1(a)と同様の縦断面図である。なお、前述の第
1例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、そ
の詳細な説明は省略する。
【0060】前述の第1例では、アキュムレータバルブ
27のチャージングバルブ28およびリリーフバルブ7
7と流量制限弁68とが、バルブスプール19およびパ
ワーピストン24と直交する方向に配設されているのに
対して、アキュムレータバルブ27のチャージングバル
ブ28およびリリーフバルブ77と流量制限弁68と
が、バルブスプール19およびパワーピストン24と平
行に配設されている。
【0061】また前述の第1例では、流量制限弁68の
段付ピストン70に形成されている絞り手段が、入口通
路16を開閉する円錐状の絞り弁部72と、弁座71
と、小径の絞り通路74とにより構成されているのに対
して、本第2例では、図4に示すようにこの絞り手段
が、スプールバルブで構成されている。
【0062】図5に詳細に示すように、チャージングバ
ルブ28の左方に形成された室80は、アキュムレータ
通路31の一部を形成する通路87を介して非常用アキ
ュムレータ9に連通している。したがって、流量制限弁
68によって入口通路14に発生された液圧は、弁体2
9を左方へ移動してチャージングバルブ28を開き、弁
体29の外周と前方ハウジング部37との間の間隙7
6、室80および通路87を通って非常用アキュムレー
タ9に蓄えられるようになっている。
【0063】また流量制限弁68の段付ピストン70の
右端部には断面積の小さな環状絞り溝84が形成されて
いるとともに、段付ピストン70の右端には縮径部85
が形成されている。この縮径部85により前方ハウジン
グ37との間に、比較的大きな断面積の環状通路86が
形成されている。
【0064】そして、非常用アキュムレータ9の液圧が
設定圧以下のときは、段付ピストン71はスプリング7
5のばね力により図5に実線で示す位置に設定され、こ
の位置では環状絞り溝84のみが入口通路14が面する
ようになる。したがって、このときは入口通路14を流
れてくるポンプ6からの作動液はこの環状絞り溝84で
絞られるので、環状絞り溝84より上流側の入口通路1
4に液圧が発生するようになっている。また非常用アキ
ュムレータ9の液圧が設定圧を超えると、この液圧によ
り段付ピストン71はスプリング75のばね力に抗して
図5に二点鎖線で示す位置に設定され、この位置では主
に縮径部85が入口通路14が面するようになる。した
がって、このときは入口通路14を流れてくるポンプ6
からの作動液は環状通路86を通って何等絞られること
なく第2環状溝11の方へ流れ、液圧は発生しないよう
になっている。このように、段付ピストン70の右端部
の環状絞り溝84および縮径部85によってスプールバ
ルブが構成されている。
【0065】なお、非常用アキュムレータ9の液圧は通
路87、室80、間隙76アキュムレータ通路31およ
び通路88を通って段付ピストン70の段部70aに作
用するようになっている。
【0066】この第2例のブースタ3の他の構成は図1
の第1例のブースタ3の構成と同じである。また第2例
のブースタ3の作用効果も、スプールバルブの作用が異
なる以外は、第1例のブースタ3の作用効果と同じであ
る。
【0067】図6は、本発明の実施の形態の第3例を示
す、図1(a)と同様の縦断面図である。なお、前述の
第1例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、
その詳細な説明は省略する。
【0068】前述の第1および第2例のブースタ3で
は、いずれも流量制限弁68が第2環状溝11へ流れる
作動液の流量を制限しているときに、ブレーキ操作が行
われた場合、非常用アキュムレータ9の液圧である程度
の倍力作用が確保されるようになっているが、この第3
例では、このような場合にもブースタ3が通常ブレーキ
作動時と同様の倍力作用を行うことができるようにして
いる。
【0069】すなわち、図6に示すように流量制限弁6
8よりポンプ6側の入口通路14とバルブスプール19
が嵌挿されている前方ハウジング部37の孔44とに開
口する直線状の第1バイパス通路89、および流量制限
弁68よりバルブスプールの入口通路14と孔44とに
開口するL字状の第2バイパス通路90とが設けられて
いる。
【0070】図7に詳細に示すように、バルブスプール
19の第4環状溝13より先端側に、第5環状溝91が
更に設けられている。この第5環状溝91は第2バイパ
ス通路90に常時連通されている。また、第1バイパス
通路89の孔44側の開口端はブレーキ非操作時はバル
ブスプール19によって閉塞されている。そして、通常
ブレーキ操作時、バルブスプール19が前進して、第5
環状溝91が第1バイパス通路89に連通することによ
り、第1および第2バイパス通路89,90が第5環状
溝91を介して連通するようになっている。すなわち、
通常ブレーキ作動時はポンプ6が入口通路14、第1バ
イパス通路89、第5環状溝91、第2環状溝90およ
び入口通路14を通り、流量制限弁68をバイパスし
て、バルブスプール19の第2環状溝11に直接連通す
るようになっている。この第3例のブースタ3の他の構
成は図1の第1例のブースタ3の構成と同じである。
【0071】このように構成された第3例のブースタ3
においては、非常用アキュムレータ9の液圧が設定圧以
下のとき流量制限弁68が第2環状溝11へ流れる作動
液の流量を制限しているときに、通常ブレーキ操作が行
われた場合、ポンプ6から吐出された作動液は、入口通
路14、第1バイパス通路89、第5環状溝91、第2
環状溝90および入口通路14を通って、何等制限され
ることなく第2環状溝11に流動し、前述の第1および
第2例のブースタ3の場合と同様にブレーキペダル2の
踏力に対応した所定の液圧を発生する。したがって、通
常ブレーキ操作時、ブースタ3は所定の大きさの倍力作
用を行い、通常ブレーキが所定の大きさで作動するよう
になる。
【0072】したがって、この第3例のブースタ3によ
れば、流量制限弁68が第2環状溝11へ流れる作動液
の流量を制限しているときに、ブレーキ操作が行われて
も、ブレーキペダル2の踏力を所定の大きさに倍力して
通常ブレーキを確実にかけることができる。この第3例
のブースタ3の他の作用効果は、第1例のブースタ3の
作用効果と同じである。
【0073】図8および図9は、本発明の実施の形態の
第4例を示す、図1(a)と同様の縦断面図である。な
お、前述の従来例および本発明の実施の形態の各例と同
じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な
説明は省略する。
【0074】前述の本発明の各例におよび従来例では、
チャージングバルブ28がブースタ3のハウジングに一
体に組み込まれているが、この第4例の液圧倍力装置に
おいては、チャージングバルブ28はブースタ3のハウ
ジングに組み込まれなく、ブースタ3とは別体に設けら
れている。
【0075】すなわち、図8に示すように第4例の液圧
倍力装置のブレーキブースタ3は、図12に示す従来の
ブースタと同様に19がパワーピストン24の下方に配
置されている。また、図12に示す従来のブースタ3の
アキュムレータバルブ27では、弁体29とゴムシート
30とからなるチェックバルブからなるチャージングバ
ルブ28が設けられているが、この第4例のブースタ3
では、このチャージバルブ28は設けられていなく、リ
リーフバルブ77およびチェックバルブからなるダンプ
バルブ36のみが設けられている。そして、後述するよ
うに本例の液圧倍力装置においては、チャージングバル
ブ28に相当する、すなわち非常用アキュムレータ9に
自動的に蓄圧するためのチャージングバルブ装置28が
ブースタ3とは別体に設けられている。
【0076】更に、第4例のブースタ3では、前述の本
発明の実施の形態の各例のブースタと同様に循環通路1
5が図12の従来のブースタの排出通路32にも兼用さ
れており、したがって第1環状溝10が循環通路15お
よび配管通路127を通って常時リザーバ8に連通され
ている。
【0077】更に、開閉弁65および押圧ピン66は第
1例のブースタ3のものと同じであるが、第1例では右
下がりに傾斜して配設されているのに対して、この第4
例では右上がりに傾斜して配設されている。更に、弁制
御部材55が第1例のブースタ3のものとその上下が逆
になっているだけで、同じ構造に形成されている。この
第4例のブースタ3の他の構成は、図12に示す従来の
ブースタ3と同じである。
【0078】一方、図9に示すように本第4例の液圧倍
力装置のチャージングバルブ装置28は、ブースタ3の
ハウジングから分離して配設されたハウジング93を備
え、このハウジング93に非常用アキュムレータ9が設
けられている。また、ハウジング93には、配管通路9
4を介してポンプ6の吐出側に接続された作動液導入口
95が形成されており、この作動液導入口95はブース
タ3の入口通路14に接続される通路96に接続されて
いるとともに、非常用アキュムレータ9に連通する通路
69に接続されている。そして、作動液導入口95と通
路96との間および作動液導入口95と通路69との間
にともに位置するようにして、流量制限弁68が配設さ
れており、この流量制限弁68は、ハウジング93に液
密にかつ摺動可能に設けられ、段部70aを有する段付
ピストン70を備えている。
【0079】段付ピストン70の下端部は、ハウジング
93に形成された弁座97に着座可能な第1弁部98と
されている。この第1弁部98には通路69と段付ピス
トン70の下端とに開口するT字状の絞り通路99が穿
設されており、この絞り通路99の径は通路94,96
に比してかなり小さく設定されている。これらの弁座9
7と第1弁部98と絞り通路99とにより、第1絞り弁
が構成されている。また、通路96が開口する環状溝1
00と段付ピストン70の段部70aとで第2絞り弁が
構成されている。
【0080】そして、段付ピストン70はスプリング7
5のばね力により第1弁部98が弁座97に着座する方
向かつ段部が環状溝100から離隔する方向に常時付勢
されている。また、段付ピストン70の段部70aに
は、通路69の液圧がスプリング75のばね力に対抗す
る方向に作用されるようになっている。更に、ハウジン
グ93には、段付ピストン70の上端が面する室101
が形成されており、後述するようにこの室101に導入
された作動液の液圧が段付ピストン70にスイッチ75
のばね力と同方向に作用するようになっている。
【0081】室101は、各通路102,103を介し
て非常用アキュムレータ9に接続可能にされているとと
もに、各通路102,104、排出口105および配管
通路106を介してリザーバ8に接続可能にされてい
る。通路102と通路103および通路104との間に
は、圧力制御バルブ107が配設されている。この圧力
制御バルブ107は、ハウジング93に液密にかつ摺動
可能に配設され、上端に第1シート部108を有すると
ともに下端に第2シート部109を有する筒状の段付シ
ート部材110と、第1シート部108に着座可能な第
1ボール弁111と、第2シート部109に着座可能な
第2ボール弁112と、第1押圧部材113を介して第
1ボール弁111を第1シート部108に着座させる方
向に常時付勢する第1スプリング114と、第2押圧部
材115を介して第2ボール弁112を第2シート部1
09に着座させる方向に常時付勢する第2スプリング1
16と、後述するように非常用アキュムレータ9の蓄圧
が設定圧より小さいとき第2ボール弁112が第2シー
ト部109に着座するとともに非常用アキュムレータ9
の蓄圧が設定圧になったとき第2ボール弁112が第2
シート部109から離座するように、リテーナ117を
介して第2スプリング116の設定ばね力を調節する調
節ねじ118と、この調節ねじ118をハウジング93
に固定するダブルナット119と、段付シート部材11
0の内孔に摺動自在に嵌挿され、第1および第2ボール
弁111,112をそれぞれ第1および第2シート部1
08,109から離座する方向に選択的に押圧するステ
ム120とを備えている。
【0082】そして、この圧力制御バルブ107は、図
示の非作動状態では段付シート部材110が第2スプリ
ング116のばね力により第2ボール弁112を介して
上方に押圧されてハウジング93に螺合されたプラグ1
21当接している。この状態では、第2ボール弁112
が第2シート部109に着座しているとともに、第1ボ
ール弁111がステム120に押圧されて第1シート部
108から離座している。圧力制御バルブ107のこの
状態は、非常用アキュムレータ9の蓄圧が設定圧より小
さい間、保持されるようになっている。非常用アキュム
レータ9の蓄圧が設定圧になると、第2ボール弁112
が第2スプリング116のばね力に抗して第2シート部
109から離座するとともに、第1ボール弁111が第
1シート部108に着座するようになっている。
【0083】通路69には、非常用アキュムレータ9に
向かう方向の作動液の流れのみを許容するチェックバル
ブ1122が設けられている。更に非常用アキュムレー
タ9は通路123および配管通路126を介してブース
タ3のアキュムレータ通路31に接続されているととも
に、通路123に非常用アキュムレータ9の蓄圧低下を
検知する圧力スイッチからなる警報用スイッチ124が
設けられている。
【0084】このように構成された第4例の液圧倍力装
置においては、ポンプ6が運転されないときは、流量制
限弁68および圧力制御バルブ107がそれぞれ図9に
示す状態に設定されている。すなわち、第1弁部98が
弁座97に着座しているとともに段部70aが環状溝1
00から離隔した第1状態に設定される。この第1状態
でしかも非常用アキュムレータ9の液圧が設定圧より小
さい状態で、エンジン7が駆動されてポンプ6が運転さ
れると、ポンプ6から吐出された作動液が配管通路94
を通してチャージングバルブ装置28の作動液導入口9
5に導入される。作動液導入口95に導入された作動液
は、更に流量制限弁68の段付ピストン70の絞り通路
99を通って通路69の方へ流れる。このとき、作動液
は絞られるので、作動液導入口95側に比較的低い第1
液圧が発生する。この第1液圧により、段付ピストン7
0が少し上方へ移動し、流量制限弁68は第1弁部98
が弁座97から離座するとともに、第2絞り弁の段部7
0aが環状溝100に若干連通する第2状態に設定され
る。これにより、ポンプ6から吐出された作動液は、第
1弁部98と弁座97との間の間隙を通過した作動液
は、段付ピストン70の段部70aと環状溝100との
間の連通路を通って絞られて通路96に流れ、更に配管
通路125を通ってブースタ3の入口通路14に流れて
いく。
【0085】同時に通路96に流れる作動液が段部70
aと環状溝100とからなる第2絞り弁で絞られること
により、通路69には前述の第1液圧より大きい第2液
圧が発生し、この第2液圧がチェックバルブ122を通
って非常用アキュムレータ9に流入し、非常用アキュム
レータ9が自動的に蓄圧される。
【0086】非常用アキュムレータ9に蓄圧された液圧
は、通路103、第1ボール弁111と第1シート部1
08および通路102を通って室101に導入される。
この室101に導入された液圧は段付ピストン70に下
向きに作用するので、段付ピストン101は、通路69
の液圧がこの段付ピストン101に上向きに作用するこ
とにより生じる上向きの力と、室101の液圧が段付ピ
ストン70に下向きに作用することにより生じる下向き
の力およびスプリング75のばね力の合力とがバランス
した状態に保持される。このとき、段付ピストン101
のこの状態では、通路96を介してのブースタ3への作
動液の流れが絞られた状態に保持される。したがって、
ブースタ3への作動液の流れが絞られた状態で、非常用
アキュムレータ9が蓄圧され続ける。この状態での、室
101の液圧は通路69の液圧よりスプリング75の分
だけ若干低い。また、通路103の液圧すなわち非常用
アキュムレータ9の液圧により、段付シート部材110
はスプリング116のばね力に抗して若干下動して、そ
の段部がハウジングの段部に当接した状態に保持され
る。
【0087】非常用アキュムレータ9の液圧が設定圧よ
り小さく、非常用アキュムレータ9の蓄圧が続けられて
いるときに、通常ブレーキ操作が行われた場合は、前述
の本発明の各例および従来例の場合と同様に、制御弁の
バルブスプール19が前進し、第1環状溝10と第2環
状溝11との間の隙間が絞られて、第2環状溝11に液
圧が発生し、この液圧がブースタ3の動力室23に導入
されるので、ブースタ3が作動する。その場合、第1環
状溝10と第2環状溝11との間の隙間が、流量制限弁
68の段付ピストン70の段部70aと環状溝100と
の間の隙間より小さくなるように絞られるので、第2環
状溝11に液圧が確実にかつ迅速に発生し、ブースタも
同様に確実にかつ迅速に作動する。
【0088】非常用アキュムレータ9に蓄えられた液圧
が設定圧になると、室101に導入される液圧により、
第2ボール弁112がスプリング116のばね力に抗し
て下動し、第2シート部109から離座するとともに、
この第2ボール弁112の下動により、ステム120お
よび第1ボール弁111も下動するので、第1ボール弁
111が下動して第1シート部108に着座する。した
がって、通路102が通路103から遮断されるととも
に、通路104に連通されるので、室101には非常用
アキュムレータ9の液圧が導入されなくなるとともに、
室101の液圧が通路102、第2ボール弁112と第
2シート部109との間の間隙、通路104、排出口1
05および配管通路106を通してリザーバ8に排出さ
れる。
【0089】これにより、室101の液圧が実質的にな
くなる、すなわち大気圧となるので、段付ピストン70
が更に上方へ移動して、その段部70aと環状溝100
との間の間隙が大きくなり、流量制限弁68は第3状態
に設定されて、通路69から通路96へ流れる作動液が
少し絞られた状態に保持される。すなわち、ブースタ3
への作動液の流量が増大し、通路69に発生する液圧が
小さくなって非常用アキュムレータ9への蓄圧が終了す
る。また、室101の液圧がなくなるので、第1ボール
弁111の第1シート部108に着座するシート力が増
大し、スプリング116のばね力によっては第1シート
部108から離座することはない。非常用アキュムレー
タ9の液圧が設定圧以上に蓄圧されている状態で、ポン
プ6が始動されると、流量制限弁68は第1状態から直
接第3状態に設定される。
【0090】ポンプ6故障時には、前述の従来例の場合
と同様に、動力室23がポンプ6およびリザーバ8から
遮断されるとともに、リテーナ34によりアキュムレー
タバルブ27の弁体35が前進させられてダンプバルブ
36が開き、非常用アキュムレータ9に蓄えられている
液圧が通路123、配管通路126、アキュムレータ通
路31および開いたダンプバルブ36を通って動力室2
3に導入され、この非常用アキュムレータ9の液圧によ
りパワーピストン24が作動する。
【0091】非常用アキュムレータ9の液圧が消費され
て、非常用アキュムレータ9の蓄圧が低下すると、圧力
制御バルブ107の第2ボール弁112がスプリング1
16のばね力により上動して第2シート部109に着座
するとともに、ステム120が上動することにより第1
ボール弁111が上動して第1シート部108から離座
する。これにより、非常用アキュムレータ9の液圧が再
び室101に導入され、再び段付ピストン70が下動
し、その段部70aと環状溝100との間の間隙が小さ
くなり、通路69から通路96へ流れる作動液が前述の
非常用アキュムレータ9の蓄圧時の状態に再び絞られ
る。したがって、すなわち通路69の液圧すなわちポン
プ6の吐出圧が上昇し、非常用アキュムレータ9の蓄圧
が再開する。また、この非常用アキュムレータ9の蓄圧
低下が警報用スイッチ124によって検知されて運転者
に報される。
【0092】この第4例の液圧倍力装置によれば、非常
用アキュムレータ9の自動蓄圧作動が行われているとき
に、ブレーキ操作が行われても、ブレーキペダル2の踏
力を所定の大きさに倍力して通常ブレーキを確実にかけ
ることができるばかりでなく、非常用アキュムレータ9
の蓄圧が設定圧以上のときは、流量制限弁68によりブ
ースタ3への作動液の流量を増大させて通常ブレーキを
更に一層確実にかけることができる。
【0093】また、非常用アキュムレータ9の設定圧よ
り小さい状態で、ポンプ6が始動されたとき、ポンプ6
から吐出された作動液は流量制限弁68の第2絞り弁に
より流量が絞られて非常用アキュムレータ9に流入する
ので、この非常用アキュムレータ9の突入圧力が小さく
なる。したがって、ポンプ6始動時、突入圧力による非
常用アキュムレータ9への衝撃を抑制することができ
る。
【0094】更に、圧力制御バルブ107により、非常
用アキュムレータ9の蓄圧状態に応じて流量制限弁68
による非常用アキュムレータ9への作動液の流量を制御
しているので、非常用アキュムレータ9の蓄圧が設定圧
より小さいときは多くの作動液を非常用アキュムレータ
9へ送給して、非常用アキュムレータ9が迅速に設定圧
となるように蓄圧されるとともに、この設定圧への蓄圧
制御の精度が良好になる。
【0095】更に、警報用スイッチ124により、非常
用アキュムレータ9の蓄圧が設定圧であるか否かを検知
するようにしているので、チャージングバルブ装置28
のチャージング機能の異常等により、ポンプ6が運転さ
れても非常用アキュムレータ9に設定圧以上の液圧が蓄
圧されない異常状態になったときに、この異常状態を確
実に知ることができる。この第4例の液圧倍力装置の他
の作用効果は、第1例のブースタ3の作用効果と同じで
ある。
【0096】図10は、前述の第4例の変形例を示す図
である。前述の第4例の液圧倍力装置においては、それ
ぞれユニットとして別体に形成されたブースタ3とチャ
ージングバルブ装置28とが分離して配置され、これら
ブースタ3とチャージングバルブ装置28とが配管通路
125,126で接続されているが、図10に示すよう
にこの変形例では、チャージングバルブ装置28がブー
スタ3にボルト128で取り外し可能に一体的に固定さ
れている。これにより、ブースタ3とチャージングバル
ブ装置28との設置スペースを小さくできるとともに、
コンタミ管理が容易となる。しかも、配管が不要となる
とともに、チャージングバルブ装置28の加工が容易で
ありかつバルブ性能の検査が可能となる。
【0097】なお前述の第1および第2例では、流量制
限弁68を入口通路14に設けるものとしているが、本
発明は、これに限定されるものではなく、流量制限弁6
8を循環通路15に設けることもできる。
【0098】また本発明は、ブレーキブースタの下流側
の循環通路にオープンセンタ型のパワーステアリング装
置が設けられている液圧倍力装置にも適用することがで
きる。更に本発明は、ブレーキブースタ以外の、例えば
クラッチ倍力装置等の他のオープンセンタ型の液圧倍力
装置にも適用することができる。
【0099】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液圧倍力装置によれば、非常用アキュムレータの液圧
が設定圧以下のときは、常にかつ自動的に液圧を発生さ
せて非常用アキュムレータに設定圧の液圧を常時確実に
蓄えるようにしているので、ポンプの故障により制御弁
の作動によっては液圧が得られないときにも、液圧倍力
装置の倍力作用を従来に比べてより多くの回数を確実に
行うことができ、液圧倍力装置の作動における安全性が
向上する。
【0100】また、絞り弁と弁作動制御手段とを有する
流量制限手段を機械的に構成することができるので、流
量制限手段の構成が簡単になるとともに作動がより一層
確実となる。したがって、液圧倍力装置の信頼性が向上
しかつ液圧倍力装置を安価に形成することができる。
【0101】更に本発明によれば、液圧倍力装置の通常
の作動時、制御弁により流量制限手段をバイパスするバ
イパス通路を連通させるようにしているので、流量制限
手段が制御弁へ流れる作動液の流量を制限しているとき
に、通常の操作が行われても、液圧倍力装置は、操作力
を通常と同様の所定の大きさに倍力して出力する倍力作
用を行うことができる。
【0102】更に本発明によれば、非常用アキュムレー
タの設定圧より小さい状態では、ポンプが始動されたと
き、作動液が流量制限手段により流量が絞られて非常用
アキュムレータに流入するので、非常用アキュムレータ
の突入圧力を小さくでき、ポンプ始動時、突入圧力によ
る非常用アキュムレータへの衝撃を抑制できる。更に、
流量制限手段を第1および第2液圧と非常用アキュムレ
ータの液圧とにより制御しているので、アキュムレータ
の液圧迅速に設定圧にすることができるとともに、この
設定圧への蓄圧制御の精度を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液圧倍力装置をブレーキブース
タに適用した実施の形態の第1例を示し、(a)はその
縦断面図、(b)は(a)におけるIB-IB線に沿う断面
図である。
【図2】 図1に示す第1例のブレーキブースタの一部
を部分的に拡大して示す拡大断面図である。
【図3】 図1に示す第1例のブレーキブースタの他の
一部を部分的に拡大して示す拡大断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の第2例を示す縦断面図
である。
【図5】 図4に示す第2例のブレーキブースタの一部
を部分的に拡大して示す拡大断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の第3例を示す縦断面図
である。
【図7】 図6に示す第3例のブレーキブースタの一部
を部分的に拡大して示す拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の第4例の一部を示す縦
断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態の第4例の他部を示す縦
断面図である。
【図10】図8および図9に示す第4例の変形例示し、
(a)は正面図、(b)は左側面図である。
【図11】従来の液圧倍力システムの一例を示す図であ
る。
【図12】従来のオープンセンタ型ハイドロリックブレ
ーキブースタの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…液圧倍力システム、2…ブレーキペダル、3…オー
プンセンタ型ハイドロリックブレーキブースタ、4…マ
スタシリンダ、5…ブレーキシリンダ、6…ポンプ、8
…リザーバ、9…非常用アキュムレータ、10…第1環
状溝、11…第2環状溝、12…第2環状溝、13…第
4環状溝、14…入口通路、15…循環通路、16…入
力軸、17,18…レバー、19…バルブスプール、2
3…動力室、24…パワーピストン、25…出力軸、2
7…アキュムレータバルブ、28…チャージングバル
ブ;チャージングバルブ装置、31…アキュムレータ通
路、34…リテーナ、34…リテーナ、36…ダンプバ
ルブ、37…前方ハウジング、38…後方ハウジング、
44…孔、50…レバー支持部材、55…弁制御部材、
59…トラベルリミッタ、68…流量制限弁、70…段
付ピストン、70a…段部、71…弁座、72…絞り弁
部、73…環状通路、74…絞り通路、77…リリーフ
バルブ、84…環状溝、86…環状通路、89…第1バ
イパス通路、90…第2バイパス通路、91…第5環状
溝、93…ハウジング、95…作動液導入口、96…通
路、97…弁座、98…第1弁部、99…絞りり通路、
100…環状溝、101…室、105…排出口、107
…圧力制御バルブ、108…第1シート部、109…第
2シート部、110…段付シート部材、111…第1ボ
ール弁111、112…第2ボール弁、114…第1ス
プリング、116…第2スプリング、118…調節ね
じ、120…ステム、122…チェックバルブ、124
…警報用スイッチ、128…ボルト
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作力によって作動する入力軸と、ポン
    プから吐出される作動液が送給される入口通路と、前記
    作動液をリザーバへ循環させる循環通路と、作動時前記
    作動液の液圧が導入される動力室と、この動力室の液圧
    によって作動して出力するパワーピストンと、前記入力
    軸の作動によって作動制御され、非作動時前記入口通路
    を通って流れてくる前記作動液を自由に前記循環通路へ
    流動させかつ前記動力室を前記リザーバに接続するとと
    もに、作動時前記入口通路を通って流れてくる前記作動
    液の流れを少なくとも絞って液圧を発生させかつこの液
    圧を前記動力室に導入する制御弁と、前記入口通路また
    は前記循環通路を通って流れる前記作動液の流れを絞っ
    て液圧を発生する第1位置と前記作動液の流れを制限す
    ることなく自由に流す第2位置とが設定された絞り弁を
    有する流量制限手段と、この流量制限手段によって発生
    された液圧を蓄える非常用アキュムレータと、非常時に
    前記制御弁の作動によって作動されて前記非常用アキュ
    ムレータの液圧を前記動力室に導入する非常用弁手段と
    を備え、前記入力軸に伝えられた操作力を前記動力室に
    導入された液圧により倍力して出力するオープンセンタ
    型の液圧倍力装置であって、 前記流量制限手段は、前記非常用アキュムレータの液圧
    が作用されて、前記非常用アキュムレータの液圧が設定
    圧以下のときは前記絞り弁を前記第1位置に設定し、前
    記非常用アキュムレータの液圧が前記設定圧を超えたと
    きは前記絞り弁を前記第2位置に設定する弁作動制御手
    段を備えていることを特徴する液圧倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記弁作動制御手段は前記非常用アキュ
    ムレータの液圧が作用される段部を有する段付ピストン
    であることを特徴とする請求項1記載の液圧倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記絞り弁は、絞り通路が形成された円
    錐弁と、この円錐弁が着座可能な弁座とからなり、前記
    弁作動制御手段は、前記非常用アキュムレータの液圧が
    前記設定圧以下のときは前記円錐弁を前記弁座に着座す
    るように制御して前記第1位置に設定し、前記入口通路
    または前記循環通路を通って流れる前記作動液が前記絞
    り通路を流れることにより液圧を発生させるとともに、
    前記非常用アキュムレータの液圧が前記設定圧を超えた
    ときは前記円錐弁を前記弁座から離座するように制御し
    て前記第2位置に設定し、前記入口通路または前記循環
    通路を通って流れる前記作動液が前記円錐弁と前記弁座
    との間の間隙を流れることにより制限されることなく自
    由に流れることを特徴とする請求項1または2記載の液
    圧倍力装置。
  4. 【請求項4】 前記絞り弁はスプールバルブにより構成
    され、このスプールバルブは環状絞り溝と比較的大きな
    断面積の環状通路を形成する環状通路形成部とからな
    り、前記弁作動制御手段は、前記非常用アキュムレータ
    の液圧が前記設定圧以下のときは前記スプールバルブを
    前記環状絞り溝が前記入口通路または前記循環通路に位
    置するように制御して前記第1位置に設定し、前記入口
    通路または前記循環通路を通って流れる前記作動液が前
    記環状絞り溝を流れることにより液圧を発生させるとと
    もに、前記非常用アキュムレータの液圧が前記設定圧を
    超えたときは前記スプールバルブを前記環状通路形成部
    が前記入口通路または前記循環通路に位置するように制
    御して前記第2位置に設定し、前記入口通路または前記
    循環通路を通って流れる前記作動液が前記環状通路を流
    れることにより制限されることなく自由に流れることを
    特徴とする請求項1または2記載の液圧倍力装置。
  5. 【請求項5】 操作力によって作動する入力軸と、ポン
    プから吐出される作動液が送給される入口通路と、前記
    作動液をリザーバへ循環させる循環通路と、作動時前記
    作動液の液圧が導入される動力室と、この動力室の液圧
    によって作動して出力するパワーピストンと、前記入力
    軸の作動によって作動制御され、非作動時前記入口通路
    を通って流れてくる前記作動液を自由に前記循環通路へ
    流動させかつ前記動力室を前記リザーバに接続するとと
    もに、作動時前記入口通路を通って流れてくる前記作動
    液の流れを少なくとも絞って液圧を発生させかつこの液
    圧を前記動力室に導入する制御弁と、前記入口通路を通
    って流れる前記作動液の流れを絞って液圧を発生する第
    1位置と前記作動液の流れを制限することなく自由に流
    す第2位置とが設定された絞り弁を有する流量制限手段
    と、この流量制限手段によって発生された液圧を蓄える
    非常用アキュムレータと、非常時に前記制御弁の作動に
    よって作動されて前記非常用アキュムレータの液圧を前
    記動力室に導入する非常用弁手段とを備え、前記入力軸
    に伝えられた操作力を前記動力室に導入された液圧によ
    り倍力して出力するオープンセンタ型の液圧倍力装置で
    あって、 前記流量制限手段は、前記非常用アキュムレータの液圧
    が作用されて、前記非常用アキュムレータの液圧が設定
    圧以下のときは前記絞り弁を前記第1位置に設定し、前
    記非常用アキュムレータの液圧が前記設定圧を超えたと
    きは前記絞り弁を前記第2位置に設定する弁作動制御手
    段を備え、 更に前記ポンプから吐出される作動液を前記流量制限手
    段をバイパスして前記制御弁へ流動させるバイパス通路
    を備えているとともに、このバイパス通路が前記制御弁
    によって非作動時は遮断されかつ作動時は連通するよう
    に制御されることを特徴とする液圧倍力装置。
  6. 【請求項6】 操作力によって作動する入力軸と、 ポンプから吐出される作動液が送給される入口通路と、 前記作動液をリザーバへ循環させる循環通路と、作動時
    前記作動液の液圧が導入される動力室と、 この動力室の液圧によって作動して出力するパワーピス
    トンと、 前記入力軸の作動によって作動制御され、非作動時前記
    入口通路を通って流れてくる前記作動液を自由に前記循
    環通路へ流動させかつ前記動力室を前記リザーバに接続
    するとともに、作動時前記入口通路を通って流れてくる
    前記作動液の流れを少なくとも絞って液圧を発生させか
    つこの液圧を前記動力室に導入する制御弁と、 前記ポンプの失陥時等の異常時に前記パワーピストンを
    作動させるための非常用液圧を蓄える非常用アキュムレ
    ータと、 前記ポンプの非駆動時、前記ポンプと前記非常用アキュ
    ムレータとを接続する通路を第1絞り弁により絞るとと
    もに前記ポンプと前記入口通路とを遮断し、前記ポンプ
    の始動時に前記ポンプから吐出される作動液を前記第1
    絞り弁により絞ることにより第1液圧を発生させる第1
    状態と、前記非常用アキュムレータの蓄圧が設定圧より
    小さいとき、前記第1液圧により作動して前記ポンプと
    前記入口通路とを第2絞り弁により絞りながら連通しか
    つ前記ポンプと前記非常用アキュムレータとを接続する
    通路をほとんど絞らなく、前記ポンプから吐出された作
    動液を絞って前記入口通路に供給するとともに前記第1
    液圧より大きい第2液圧を発生させて前記非常用アキュ
    ムレータに供給する第2状態と、前記非常用アキュムレ
    ータの蓄圧が設定圧以上のとき、前記前記ポンプと前記
    入口通路とをほとんど絞らない第3状態とが設定された
    流量制限手段と、 この流量制限手段によって発生された非常時に前記制御
    弁の作動によって作動されて前記非常用アキュムレータ
    の液圧を前記動力室に導入する非常用弁手段と、を備
    え、前記入力軸に伝えられた操作力を前記動力室に導入
    された液圧により倍力して出力することを特徴とする液
    圧倍力装置。
  7. 【請求項7】 前記流量制限手段は、ハウジングに摺動
    自在に配設され、前記第1液圧および前記第2液圧が作
    用されるとともに前記非常用アキュムレータの液圧が前
    記第1液圧および前記第2液圧の作用方向と逆方向に作
    用される段付ピストンにより構成され、 前記第1絞り弁は、前記段付ピストンに形成された絞り
    通路を有する弁と、前記第1状態でこの弁が着座しかつ
    前記第2および第3状態で前記弁が離座する弁座とから
    なり、 前記第2絞り弁は、前記段付ピストンに設けられた段部
    と前記ハウジングに形成され前記入口通路に連通する環
    状溝とからなり、これらの段部と環状溝とは、前記第1
    状態では互いに遮断されるとともに、前記第2状態では
    互いに小さく連通し、更に前記第3状態では互いに大き
    く連通するようにされており、 前記段付ピストンは、前記第1液圧、前記第2液圧およ
    び前記非常用アキュムレータの液圧に基づいて、前記第
    1ないし第3状態の選択的に設定されることを特徴とす
    る請求項6記載の液圧倍力装置。
  8. 【請求項8】 前記アキュムレータの蓄圧が設定圧より
    小さいときは前記アキュムレータの液圧を前記段付ピス
    トンに作用させ、また前記アキュムレータの蓄圧が設定
    圧以上のときは前記段付ピストンに前記アキュムレータ
    の液圧を作用させないように制御する圧力制御弁が設け
    られていることを特徴とする請求項7記載の液圧倍力装
    置。
JP8319182A 1996-05-10 1996-11-29 液圧倍力装置 Pending JPH1024832A (ja)

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JP2006193107A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Honda Motor Co Ltd 液圧ブレーキ装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193107A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Honda Motor Co Ltd 液圧ブレーキ装置
JP4630070B2 (ja) * 2005-01-17 2011-02-09 本田技研工業株式会社 液圧ブレーキ装置

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