JP2006193107A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アキュムレータや調圧弁に異常が生じた場合でも、ブレーキペダルの踏力だけによる機械的動作によって所定のブレーキ制動力を発生させることができる液圧ブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 アキュムレータ11側と調圧弁3の液圧入力側から液圧出力側を通してリザーバ8との間を連通する第2分岐液管35に常閉の第2電磁開閉弁36を設け、アキュムレータ11の異常により調圧弁3に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した場合に、第2電磁開閉弁36を閉状態から開状態に切り換えることにより、アキュムレータ11内の残圧および調圧弁3の出力液圧室15内の残圧を、出力液管31および第2開閉弁36を設けた第2分岐液管35を通して連通したリザーバ8を通して開放することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液圧ブレーキ装置に関する。
自動車等の車両に設けられる液圧ブレーキ装置として、例えば、特許文献1に開示されている液圧ブレーキ装置は、作動液を蓄圧するアキュムレータを有する液圧源と、この液圧源から供給される液圧をブレーキペダルの踏力に応じて調圧して出力する調圧弁と、この調圧弁から補助液圧室に供給された液圧により作動して補助液圧室内の液圧に応じた液圧をマスターシリンダ液圧室に発生し出力するマスターシリンダと、このマスターシリンダの出力液圧により作動して車両の車輪に制動力を付与するホイールシリンダとを備えており、調圧弁で調圧された液圧により、軽いブレーキペダルの踏力で大きなブレーキ力を得ることができる。
特開2002−264795号公報(請求項1、図1)
ところで、前記特許文献1の液圧ブレーキ装置は、例えば、アキュムレータの故障によってアキュムレータに蓄圧される液圧が所定の範囲以下に低下、もしくは液圧がほぼ0になった場合には、運転者によるブレーキペダルの踏力だけで、調圧弁の弁ボディ内に摺動可能に嵌合されている弁スプールを前方側に押し込んで、機械的にマスターシリンダ液圧室のピストンを押動させてブレーキ制動力を発生させる、いわゆるフェールセーフ機能を有している。
しかしながら、このフェールセーフ機能の実行時に、アキュムレータ内に残圧が残っていると、弁スプールの前方側への移動にともなってこの残圧が調圧弁の出力液圧室に出力されること、および残圧が弁ボディの前進を後方側に向けて作用し続けることにより、この残圧がブレーキペダルの踏力に対抗する力、および残圧が弁ボディの前進を妨げる力となるので、所定のブレーキ制動力が得られなくなるおそれがあった。
また、前記特許文献1の液圧ブレーキ装置では、アキュムレータから所定の液圧が調圧弁に出力されているときに、調圧弁側に何かの異常が生じると、ブレーキ操作時に調圧弁から補助液圧室に出力される液圧が著しく低下することにより、所定のブレーキ制動力が得られなくなってしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、アキュムレータや調圧弁に異常が生じた場合でも、残圧の影響を除去してブレーキペダルの踏力だけによる機械的動作で所定のブレーキ制動力を確実に得ることができる液圧ブレーキ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、リザーバから作動液を汲み出すポンプとこのポンプにより汲み出された作動液を所定の圧力範囲で蓄圧するアキュムレータとを有する液圧発生手段と、前記アキュムレータから供給された液圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて調圧して出力する調圧弁と、前記調圧弁を摺動自在に嵌合したハウジングと、前記ハウジング内の前記調圧弁の前方側に摺動自在に嵌合され、前記調圧弁からの出力液圧によりマスターシリンダ圧を発生させるマスターシリンダピストンと、を備え、通常時は、前記調圧弁から出力される出力液圧で前記マスターシリンダピストンを移動させてマスターシリンダ圧を発生させ、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した異常発生時は、前記ブレーキ操作部材の操作力で機械的に前記調圧弁を前方側に移動させることにより、前記調圧弁の外側端面に圧接した前記マスターシリンダピストンを直接機械的に移動させてマスターシリンダ圧を発生するように構成された液圧ブレーキ装置において、前記アキュムレータ側と前記調圧弁の前記液圧入力側から液圧出力側を通して前記リザーバとの間を連通する液通路または前記アキュムレータおよび前記リザーバを直接連通する液通路に介装された常閉の開閉弁と、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧の値を検出する液圧値検出手段と、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記開閉弁を開閉制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、アキュムレータの異常により調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した場合に、開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることにより、アキュムレータ内の残圧および調圧弁内の残圧を、開閉弁を設けた液通路を通して連通したリザーバを通して開放することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えたときに、前記制御手段から前記ポンプの駆動手段に停止信号を出力して前記ポンプの作動を停止することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、ポンプの作動を停止することにより、アキュムレータに異常が発生したときにアキュムレータへの作動液の供給を停止することができる。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記ポンプの駆動手段から前記ポンプの作動時にポンプ作動信号を入力し、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記ポンプ作動信号が入力されていることを条件にして、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、ポンプの作動信号の入力により、アキュムレータ側に異常が発生していることをより確実に判断することができる。
請求項4に記載の発明は、ブレーキ操作部材の操作有無情報を前記制御手段に出力する操作状態検出手段を備え、前記制御手段は、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記操作状態検出手段からブレーキ操作部材の非操作情報が入力されていることをさらに条件にして、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、ブレーキ操作部材の非操作情報の入力により、アキュムレータ側に異常が発生していることをより確実に判断することができる。
請求項5に記載の発明は、リザーバから作動液を汲み出すポンプとこのポンプにより汲み出された作動液を所定の圧力範囲で蓄圧するアキュムレータとを有する液圧発生手段と、前記アキュムレータから供給された液圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて調圧して出力する調圧弁と、前記調圧弁を摺動自在に嵌合したハウジングと、前記ハウジング内の前記調圧弁の前方側に摺動自在に嵌合され、前記調圧弁からの出力液圧によりマスターシリンダ圧を発生させるマスターシリンダピストンと、を備え、通常時は、前記調圧弁から出力される出力液圧で前記マスターシリンダピストンを移動させてマスターシリンダ圧を発生させ、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した異常発生時は、前記ブレーキ操作部材の操作力で機械的に前記調圧弁を前方側に移動させることにより、前記調圧弁の外側端面に圧接した前記マスターシリンダピストンを直接機械的に移動させてマスターシリンダ圧を発生するように構成された液圧ブレーキ装置において、前記アキュムレータ側と前記調圧弁の前記液圧入力側から液圧出力側を通して前記リザーバとの間を連通する液通路に介装された常閉の開閉弁と、前記調圧弁の液圧出力側から前記マスターシリンダピストンに出力される出力液圧の値を検出する出力液圧値検出手段と、前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、前記出力液圧値検出手段および前記操作量検出手段からの各検出情報に基づいて、前記開閉弁を開閉制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記出力液圧値検出手段および前記操作量検出手段からの各検出情報に基づいて、前記調圧弁の液圧出力側から出力される出力液圧が前記ブレーキ操作部材の操作量に対応して定められる所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、調圧弁の異常により調圧弁の液圧出力側から出力される出力液圧がブレーキ操作部材の操作量に対応して定められる所定の範囲以下に低下した場合に、開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることにより、アキュムレータ内の残圧および調圧弁内の残圧を、開閉弁を設けた液通路を通して連通したリザーバを通して大気に開放することができる。
また、請求項6に記載の発明は、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えたときに、前記制御手段から前記ポンプの駆動手段に停止信号を出力して前記ポンプの作動を停止することを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、ポンプの作動を停止することにより、アキュムレータが故障したときにアキュムレータへの作動液の供給を停止することができる。
請求項1に記載の発明によれば、アキュムレータに異常が発生して調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した場合に、開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることにより、アキュムレータ内の残圧および調圧弁内の残圧を、開閉弁を設けた液通路を通して連通したリザーバを通して開放することができるので、アキュムレータに異常が生じた場合でも、残圧の影響を除去してブレーキペダルの踏力だけによる機械的動作で所定のブレーキ制動力を確実に得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、ポンプの作動を停止することにより、アキュムレータに異常が発生したときにアキュムレータへの作動液の供給を停止することができるので、アキュムレータ内の残圧の上昇を防止して残圧を開放することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ポンプの作動信号の入力により、アキュムレータ側に異常が発生していることをより確実に判断することができる。
請求項4に記載の発明によれば、ブレーキ操作部材の非操作情報の入力により、アキュムレータ側に異常が発生していることをより確実に判断することができる。
請求項5に記載の発明によれば、調圧弁の異常により調圧弁の液圧出力側から出力される出力液圧がブレーキ操作部材の操作量に対応して定められる所定の範囲以下に低下した場合に、開閉弁を閉状態から開状態に切り換えることにより、アキュムレータ内の残圧および調圧弁内の残圧を、開閉弁を設けた液通路を通して連通したリザーバを通して開放することができるので、調圧弁に異常が生じた場合でも、残圧の影響を除去してブレーキペダルの踏力だけによる機械的動作で所定のブレーキ制動力を確実に得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、ポンプの作動を停止することにより、アキュムレータが故障したときにアキュムレータへの作動液の供給を停止することができるので、アキュムレータ内の残圧の上昇を防止して残圧を開放することができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る液圧ブレーキ装置を示す概略構成図であり、本実施形態では車両用の液圧ブレーキ装置に適用したものである。
図1に示すように、本実施形態に係る液圧ブレーキ装置1は、液圧P1を発生する液圧発生源2と、液圧発生源2から出力された液圧を調圧する調圧弁3と、調圧弁3から出力される液圧(出力液圧)により各ブレーキのホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を付与するための液圧(マスターシリンダ圧)を出力するマスターシリンダ5と、ブレーキペタル6を備えている。
液圧発生源2は、モータ7と、このモータ7により駆動されてリザーバ8から作動液(ブレーキ液)Lを液管9を通して汲み上げるポンプ10と、ポンプ10で汲み上げた作動液を所定の圧力範囲で蓄圧するアキュムレータ11と、アキュムレータ11から出力される液圧P1の圧力を検出する第1圧力センサ12とを備えている。リザーバ8に貯溜されている作動液Lは大気圧状態である。
調圧弁3は、筒状のハウジング13内の一方側(図の右側)に摺動自在に嵌合した弁体14と、弁体14内に一方側(図の右側)の端部が開口するように形成された筒状の出力液圧室15の周面(弁体14の内周面)に摺動自在に嵌合した調圧弁スプール16と、調圧弁スプール16を図1の右側方向へ付勢するばね17を備えている。
弁体14の外周面両端側のハウジング13内と摺接する大径端部14a,14bの間には、小径中間部14cと中径中間部14dが形成されており、小径中間部14cがハウジング13に形成した小径内周面13aに摺接している。なお、ハウジング13の内周に摺接する弁体14の大径端部14a,14bの周面、およびハウジング13の小径内周面13aに摺接する弁体14の小径中間部14cの周面には不図示の環状のシール部材が設けられている。
弁体14の大径端部14aおよび小径中間部14cと、ハウジング13の内周および小径内周面13aとによって形成される環状の高圧室18は、ハウジング13に形成した液通路13bと、この液通路13bに接続された液管19を介してアキュムレータ11に接続されている。また、弁体14の大径端部14aの外側端面とハウジング13内の一方側(図の右側)の端面とによって形成される低圧室20は、ハウジング13に形成した液通路13cと、この液通路13cに接続された液管9を介してリザーバ8に接続されている。
調圧弁スプール16の出力液圧室15と反対側(図の右側)には、ハウジング13の端面開口部13dから突出するようにして軸部16aが一体的に形成されている。ハウジング13の端面開口部13dの周面に摺接する軸部16aの周面には、不図示の環状のシール部材が設けられている。調圧弁スプール16の軸部16aの先端側には、回動自在に保持されたブレーキペダル6が連結されており、運転者がブレーキペダル6を踏込んでいない非ブレーキ操作時(図1の状態)では、ばね17の付勢力によって調圧弁スプール16の大径中間部16bはハウジング13内の端面に当接している。ブレーキペダル6には、ブレーキペダル6の操作状態(ブレーキペダル6の踏込の有無および操作量)を非接触方式で検出する公知のブレーキストロークセンサ38が設けられている。
調圧弁スプール16には、出力液圧室15内に位置する端面中央から長手方向(図1の左側)に沿うように形成した液通路16cと、外周面形成した小径中間部16dと、この小径中間部16dと液通路16cとを連通する連通路16eを有している。弁体14には、その内周面と高圧室18との間に連通する連通路14eと、その内周面と低圧室20との間に連通する連通路14fとが形成されている。そして、非ブレーキ操作時(図1の状態)では、弁体14の連通路14eは調圧弁スプール16の外周面で遮断され、かつ連通路14fは調圧弁スプール16の小径中間部16dに連通するとともに、ブレーキ操作時(図2の状態)では、弁体14の連通路14eは調圧弁スプール16の小径中間部16dに連通され、かつ連通路14fは調圧弁スプール16の外周面で遮断されるように構成されている。
また、弁体14の中径中間部14dには、その外側(ハウジング13側)に形成される出力室21と出力液圧室15との間に連通する連通路14gが形成されている。
マスターシリンダ5は、ハウジング13内の他方側(図の左側)で弁体14と隣接するようにして設けられており、ハウジング13の内周にそれぞれ摺動自在に嵌合した第1、2ピストン22a,22bと、第1、第2ピストン22a,22bをそれぞれ図1の右側方向へ付勢するばね23a,23bを備えている。なお、ハウジング13の内周に摺接する第1、第2ピストン22a,22bの各周面には不図示の環状のシール部材が設けられている。
第1ピストン22aと第2ピストン22bとの間には、第1マスターシリンダ液圧室24が形成されており、第2ピストン22bとハウジング13内の端面(図の左側)との間には、第2マスターシリンダ液圧室25が形成されている。また、第1ピストン22aと弁体14の端面との間には、補助液圧室26が形成されている。
第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25は、ハウジング13にそれぞれ形成した液通路13e,13fと各液通路13e,13fに接続された液管27,28を介して、各車輪に設けたホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに接続されている。また、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25は、ハウジング13にそれぞれ形成した液通路13g,13hと各液通路13g,13hに接続された液管29,30を介して、リザーバ8に接続されている。
調圧弁3の出力室21と補助液圧室26とは、ハウジング13に形成した各液通路13i,13jとを接続した出力液管31を介して連通している。出力液管31には第2圧力センサ32が設けられている。調圧弁3の高圧室18は、ハウジング13に形成した液通路13kに接続された第1分岐液管33を通して出力液管31に連通している。第1分岐液管33には、常閉の第1電磁開閉弁34が設けられている。また、調圧弁3の低圧室20は、ハウジング13に形成した液通路13lに接続された第2分岐液管35を通して出力液管31に連通している。第2分岐液管35には、常閉の第2電磁開閉弁36が設けられている。
制御装置(ECU)37は、第1圧力センサ12または第2圧力センサ32から入力される圧力検出信号、およびブレーキストロークセンサ38から入力されるストローク検出信号に基づいて、前記モータ7のON/OFF制御、および常閉の第1、第2電磁開閉弁34,36の開閉制御を行う(詳細は後記する)。
次に、前記した液圧ブレーキ装置1の作動について説明する。
〈非ブレーキ操作時〉
ブレーキペダル6が踏込まれていない図1に示す状況(非ブレーキ操作時)には、モータ7の駆動(ON)により、ポンプ10によってリザーバ8から作動液(ブレーキ液)Lを液管9を通して汲み上げ、アキュムレータ11で作動液を加圧して所定の液圧を蓄圧している。アキュムレータ11から出力される液圧P1は、液管19、液通路13bを通して調圧弁3の高圧室18に供給されている。この際、制御装置37は、第1圧力センサ12から入力される検出信号に基づいてモータ7の駆動を制御して、所定の圧力範囲に設定された液圧P1を出力させる。
この状況時では、連通路14eはばね17で図の右側方向に付勢されている調圧弁スプール16の外周面で遮断されているので、高圧室18から出力液圧室15に液圧P1は出力されていない。よって、図1に示すブレーキペダル6が踏込まれていない非ブレーキ操作時は、出力液圧室15には液圧は発生していない。また、弁体14は高圧室18の圧力により後退位置(図1に示す位置)に付勢されている。
なお、前記非ブレーキ操作時において、制御装置37には、ブレーキストロークセンサ38からブレーキペダル6が踏込まれていない非操作状態信号が入力されており、また、モータ7の駆動時にはモータ7から駆動信号が入力されている。
〈通常のブレーキ操作時〉
通常のブレーキ操作時は、図2に示すように、運転者によってブレーキペダル6を踏込むとその踏込み量に応じて調圧弁スプール16の先端側(図2の左側)が、ばね17による付勢力に抗して出力液圧室15の奥側(図2の左側)に摺動する。この状況時では、高圧室18から連通路14e、小径中間部16d、連通路16eおよび液通路16cを通して連通状態にある出力液圧室15に液圧P1が出力される。これにより、出力液圧室15では、入力される液圧P1がブレーキペダル6の踏込み量に応じた液圧(出力液圧)P2(P2>P1)に調圧される。
調圧された液圧P2は、連通路14g、出力室21、液通路13i、出力液管31および液通路13jを通して補助液圧室26に出力される。補助液圧室26内に入力された液圧P2により、ばね23aによる付勢力に抗して第1ピストン22aがハウジング13の奥側(図2の左側)に摺動することによって、第1マスターシリンダ液圧室24内に液圧P3が発生する。さらに、第1マスターシリンダ液圧室24内で発生した液圧(マスターシリンダ圧)P3により、ばね23bによる付勢力に抗して第2ピストン22bがハウジング13の奥側(図2の左側)に摺動することによって、第2マスターシリンダ液圧室25内に液圧(マスターシリンダ圧)P4が発生する。
これにより、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25で発生した液圧P3,P4が、各液通路13e,13fおよび各液管27,28を通して各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに出力されることにより、所定の制動力が得られる。
このように、通常のブレーキ操作時には、ブレーキペダル6の踏込み量に応じて調圧された液圧P2を調圧弁3の出力液圧室15からマスターシリンダ5の補助液圧室26に出力することにより、軽い踏込み力で所定の制動力を得ることができる。
なお、前記ブレーキ操作状態からブレーキペダル6の踏込みが解除されると、ばね17による付勢力で調圧弁スプール16が、出力液圧室15のブレーキペダル6側(図2の右側)に摺動して図1に示す非ブレーキ操作時の位置に戻り、高圧室18から出力液圧室15への液圧P1の出力が遮断される。この状況では、出力液圧室15は、連通路16c,16d、小径中間部16d、連通路14f、低圧室20、液通路13cおよび液管9を通してリザーバ8と連通し、出力液圧室15内および補助液圧室26内の作動液は大気圧となっている。
また、第1、第2ピストン22a,22bもばね23a,23bによる付勢力でハウジング13の弁体14側(図2の右側)に摺動して図1に示す非ブレーキ操作時の位置に戻る。この状況では、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25は、それぞれ液通路13g,13hおよび液管29.30を通してリザーバ8と連通し、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25内の作動液は大気圧となっている。
〈アキュムレータ11の異常発生時〉
制御装置37が、ブレーキストロークセンサ38からの非操作状態信号によりブレーキペダル6が踏込まれていないと判断し、かつ、モータ7からの駆動信号によりモータ7(ポンプ10)が駆動していると判断している、図1に示した非ブレーキ操作時において、アキュムレータ11に何らかの異常(故障)が発生した場合、モータ7が駆動しているにもかかわらず、アキュムレータ11から出力される液圧P1が低下して予め設定している所定範囲以下の低圧(液圧がほぼ0の場合も含む)になって、前記した通常のブレーキ操作ができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図1に示した非ブレーキ操作時にアキュムレータ11に何らかの異常(故障)が発生した場合において、制御装置37は、第1圧力センサ12から入力される圧力検出信号により、アキュムレータ11から出力される液圧P1が低下して予め設定している所定範囲以下の低圧であると判定して、アキュムレータ11に異常(故障)が発生したと判断する。制御装置37は、アキュムレータ11に異常が発生したと判断すると、第1、第2電磁開閉弁34,36に開信号を出力するとともに、モータ7にOFF信号を出力する。
前記したアキュムレータ11の異常発生時には、ブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させることができる。すなわち、アキュムレータ11に異常が発生して高圧室18に所定の液圧P1が出力されていない場合には、図3に示すように、前記した通常のブレーキ操作時よりもブレーキペダル6をさらに奥まで強い踏込み力で踏込むと、調圧弁スプール16の先端側(図3の左側)が、ばね17による付勢力に抗して出力液圧室15の奥側(通常のブレーキ操作時よりもさらに奥側(図3の左側))に摺動する。これにより、調圧弁スプール16の大径中間部16bが弁体14の端面に圧接し、弁体14がハウジング13内の補助液圧室26側(図3の左側)に摺動する。
よって、弁体14の外側端面にばね23aによる付勢力で当接している第1ピストン22aが、ブレーキペダル6の強い踏込みによって機械的にハウジング13内の端面側(図3の左側)に摺動することにより、第1マスターシリンダ液圧室24内に液圧P3が発生する。さらに、第1マスターシリンダ液圧室24内で発生した液圧P3により、ばね23bによる付勢力に抗して第2ピストン22bがハウジング13内の端面側(図2の左側)に摺動することにより、第2マスターシリンダ液圧室25内に液圧P4が発生する。
これにより、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25で発生した液圧P3,P4が、各液通路13e,13fおよび各液管27,28を通して各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに出力されることにより、所定の制動力が得られる。
前記したアキュムレータ11の異常発生時にブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させる場合(図3参照)において、本実施形態では、前記したように制御装置37からの開信号により、第1、第2電磁開閉弁34,36が閉状態から開状態になっているので、高圧室18は、液通路13k、第1電磁開閉弁34を設けた第1分岐液管33、出力液管31、第2電磁開閉弁36を設けた第2分岐液管35および液通路13lを通して低圧室20と連通状態となる。さらに、高圧室18と連通状態にある出力液圧室15は、連通路14g、出力室21、液通路13i、出力液管31、第2電磁開閉弁36を設けた第2分岐液管35および液通路13lを通して低圧室20と連通状態になる。また、低圧室20は、液通路13cおよび液管9を通してリザーバ8と連通している。
これにより、高圧室18内の残圧は、第1、第2電磁開閉弁34,36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放されるとともに、出力液圧室15内の残圧は、第2電磁開閉弁36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放される。
また、制御装置37からのOFF信号によって、モータ7の駆動を停止してポンプ10によるアキュムレータ11への作動液の汲み上げを停止することにより、調圧弁3に異常が発生したと判断した後は、アキュムレータ11内の残圧を確実に0にすることができる。
このように、アキュムレータ11の異常発生時にブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させる場合において、本実施形態では、前記したように高圧室18内の残圧は、第1、第2電磁開閉弁34,36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放されるとともに、出力液圧室15内の残圧は、第2電磁開閉弁36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放される。さらに、モータ7の駆動が停止されることにより、アキュムレータ11に異常が発生したと判断した後は、アキュムレータ11から残圧が出力されることはない。
よって、出力液圧室15内に調圧弁スプール16の前方(図3の左側)への移動を妨げる液圧が発生することが防止され、弁体14の前方への移動を妨げる高圧室18の液圧が開放されるので、アキュムレータ11に異常が発生した場合でも、ブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を確実に発生させることができる。
なお、前記した実施形態では、非ブレーキ操作時にアキュムレータ11に異常が発生した場合であったが、前記した通常のブレーキ操作時にアキュムレータ11に異常が発生した場合においても、出力液圧室15の液圧は、前記同様に第2電磁開閉弁36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放されることにより、ブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を確実に発生させることができる。
〈調圧弁3の異常発生時〉
アキュムレータ11から調圧弁3の高圧室18に所定の液圧P1が出力されているにもかかわらず、図2に示すブレーキ操作時において、例えば弁体14の連通路14gに異物などが詰まって出力液圧室15から補助液圧室26に出力される所定の液圧P2が大幅に低下、もしくはほぼ0になると、前記した通常のブレーキ操作ができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図2に示したブレーキ操作時に調圧弁3に何らかの異常が発生した場合において、制御装置37は、第2圧力センサ32から入力される圧力検出信号およびブレーキストロークセンサ38から入力されるストローク検出信号により、出力液圧室15からから出力される液圧P2が低下してブレーキ操作量に対応して予め定められる所定範囲以下の低圧、もしくは液圧がほぼ0であると判定して、調圧弁3に異常が発生したと判断する。制御装置37は、調圧弁3に異常が発生したと判断すると、第1、第2電磁開閉弁34,36に開信号を出力するとともに、モータ7にOFF信号を出力する。
前記した調圧弁3の異常発生時には、ブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させることができる。すなわち、図2に示した通常のブレーキ操作時に、調圧弁3に何らかの異常が発生して補助液圧室26に所定の液圧P2が出力されていない場合には、図3に示したように、前記した通常のブレーキ操作時よりもブレーキペダル5をさらに奥まで強い踏込み力で踏込むと、調圧弁スプール16の先端側(図3の左側)が、ばね17による付勢力に抗して出力液圧室15の奥側(通常のブレーキ操作時よりもさらに奥側(図3の左側))に摺動する。これにより、調圧弁スプール16の大径中間部16bが弁体14の外側端面に圧接し、弁体14がハウジング13内の補助液圧室26側(図3の左側)に摺動する。
よって、弁体14の外側端面にばね23aによる付勢力で当接している第1ピストン22aが、ブレーキペダル6の強い踏込みによって機械的にハウジング13内の端面側(図3の左側)に摺動することにより、第1マスターシリンダ液圧室24内に液圧P3が発生する。さらに、第1マスターシリンダ液圧室24内で発生した液圧P3により、ばね23bによる付勢力に抗して第2ピストン22bがハウジング13内の端面側(図2の左側)に摺動することにより、第2マスターシリンダ液圧室25内に液圧P4が発生する。
これにより、第1、第2マスターシリンダ液圧室24,25で発生した液圧P3,P4が、各液通路13e,13fおよび各液管27,28を通して各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに出力されることにより、所定の制動力が得られる。
前記した調圧弁3の異常発生時にブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させる場合(図3参照)において、本実施形態では、前記したように制御装置37からの開信号により、第1、第2電磁開閉弁34,36が閉状態から開状態になっているので、高圧室18は、液通路13k、第1電磁開閉弁34を設けた第1分岐液管33、出力液管31、第2電磁開閉弁36を設けた第2分岐液管35および液通路13lを通して低圧室20と連通状態となる。さらに、高圧室18と連通状態にある出力液圧室15は、連通路14g、出力室21、液通路13i、出力液管31、第2電磁開閉弁36を設けた第2分岐液管35および液通路13lを通して低圧室20と連通状態になる。また、低圧室20は、液通路13cおよび液管9を通してリザーバ8と連通している。
これにより、高圧室18内の残圧は、第1、第2電磁開閉弁34,36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放されるとともに、出力液圧室15内の残圧は、第2電磁開閉弁36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放される。
また、制御装置37からのOFF信号によって、モータ7の駆動を停止してポンプ10によるアキュムレータ11への作動液の汲み上げを停止することにより、調圧弁3に異常が発生したと判断した後は、アキュムレータ11内の残圧を確実に0にすることができる。
このように、調圧弁3の異常発生時にブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を発生させる場合において、本実施形態では、前記したように高圧室18内の残圧は、第1、第2電磁開閉弁34,36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放されるとともに、出力液圧室15内の残圧は、第2電磁開閉弁36の開によって連通したリザーバ8を通して大気に開放される。さらに、モータ7の駆動が停止されることにより、調圧弁3に異常が発生したと判断した後は、アキュムレータ11から残圧が出力されることはない。
よって、出力液圧室15内に調圧弁スプール16の前方(図3の左側)への移動を妨げる液圧が発生することが防止され、弁体14の前方への移動を妨げる高圧室18の液圧が開放されるので、調圧弁3に異常が発生した場合でも、ブレーキペダル6の踏力だけによる機械的動作で各ホイールシリンダ4a,4b,4c,4dに制動力を確実に発生させることができる。
本発明の実施形態に係る液圧ブレーキ装置の非ブレーキ操作時を示す概略構成図。 本実施形態に係る液圧ブレーキ装置の通常ブレーキ操作時を示す概略構成図。 本発明の本実施形態に係る液圧ブレーキ装置のブレーキペダルの踏力だけによる機械的なブレーキ操作時を示す概略構成図。
符号の説明
1 液圧ブレーキ装置
2 液圧発生源(液圧発生手段)
3 調圧弁
4a,4b,4c,4d ホイールシリンダ
5 マスターシリンダ
6 ブレーキペタル(ブレーキ操作部材)
7 モータ
8 リザーバ
10 ポンプ
11 アキュムレータ
12 第1圧力センサ(液圧値検出手段)
13 ハウジング
14 弁体
15 出力液圧室
16 調圧弁スプール
22a 第1ピストン(マスターシリンダピストン)
22b 第2ピストン(マスターシリンダピストン)
32 第2圧力センサ(出力液圧値検出手段)
34 第1電磁開閉弁
36 第2電磁開閉弁(開閉弁)
37 制御装置(制御手段)
38 ブレーキストロークセンサ(操作状態検出手段、操作量検出手段)

Claims (6)

  1. リザーバから作動液を汲み出すポンプとこのポンプにより汲み出された作動液を所定の圧力範囲で蓄圧するアキュムレータとを有する液圧発生手段と、前記アキュムレータから供給された液圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて調圧して出力する調圧弁と、前記調圧弁を摺動自在に嵌合したハウジングと、前記ハウジング内の前記調圧弁の前方側に摺動自在に嵌合され、前記調圧弁からの出力液圧によりマスターシリンダ圧を発生させるマスターシリンダピストンと、を備え、通常時は、前記調圧弁から出力される出力液圧で前記マスターシリンダピストンを移動させてマスターシリンダ圧を発生させ、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した異常発生時は、前記ブレーキ操作部材の操作力で機械的に前記調圧弁を前方側に移動させることにより、前記調圧弁の外側端面に圧接した前記マスターシリンダピストンを直接機械的に移動させてマスターシリンダ圧を発生するように構成された液圧ブレーキ装置において、
    前記アキュムレータ側と前記調圧弁の前記液圧入力側から液圧出力側を通して前記リザーバとの間を連通する液通路または前記アキュムレータおよび前記リザーバを直接連通する液通路に介装された常閉の開閉弁と、
    前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧の値を検出する液圧値検出手段と、
    前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記開閉弁を開閉制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換える、
    ことを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えたときに、前記制御手段から前記ポンプの駆動手段に停止信号を出力して前記ポンプの作動を停止する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキ装置。
  3. 前記制御手段は、前記ポンプの駆動手段から前記ポンプの作動時にポンプ作動信号を入力し、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記ポンプ作動信号が入力されていることを条件にして、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換える、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液圧ブレーキ装置。
  4. ブレーキ操作部材の操作有無情報を前記制御手段に出力する操作状態検出手段を備え、前記制御手段は、前記液圧値検出手段からの検出情報に基づいて、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記操作状態検出手段からブレーキ操作部材の非操作情報が入力されていることをさらに条件にして、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換える、
    ことを特徴とする請求項3に記載の液圧ブレーキ装置。
  5. リザーバから作動液を汲み出すポンプとこのポンプにより汲み出された作動液を所定の圧力範囲で蓄圧するアキュムレータとを有する液圧発生手段と、前記アキュムレータから供給された液圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて調圧して出力する調圧弁と、前記調圧弁を摺動自在に嵌合したハウジングと、前記ハウジング内の前記調圧弁の前方側に摺動自在に嵌合され、前記調圧弁からの出力液圧によりマスターシリンダ圧を発生させるマスターシリンダピストンと、を備え、通常時は、前記調圧弁から出力される出力液圧で前記マスターシリンダピストンを移動させてマスターシリンダ圧を発生させ、前記アキュムレータから前記調圧弁に供給される液圧が所定の範囲以下に低下した異常発生時は、前記ブレーキ操作部材の操作力で機械的に前記調圧弁を前方側に移動させることにより、前記調圧弁の外側端面に圧接した前記マスターシリンダピストンを直接機械的に移動させてマスターシリンダ圧を発生するように構成された液圧ブレーキ装置において、
    前記アキュムレータ側と前記調圧弁の前記液圧入力側から液圧出力側を通して前記リザーバとの間を連通する液通路に介装された常閉の開閉弁と、
    前記調圧弁の液圧出力側から前記マスターシリンダピストンに出力される出力液圧の値を検出する出力液圧値検出手段と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記出力液圧値検出手段および前記操作量検出手段からの各検出情報に基づいて、前記開閉弁を開閉制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記出力液圧値検出手段および前記操作量検出手段からの各検出情報に基づいて、前記調圧弁の液圧出力側から出力される出力液圧が前記ブレーキ操作部材の操作量に対応して定められる所定の範囲以下に低下していると判定した場合に、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換える、
    ことを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  6. 前記制御手段は、前記開閉弁を閉状態から開状態に切り換えたときに、前記ポンプの駆動手段に停止信号を出力して前記ポンプの作動を停止する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の液圧ブレーキ装置。
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