JP2000313329A - ブレーキ用油圧倍力装置 - Google Patents

ブレーキ用油圧倍力装置

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JP2000313329A
JP2000313329A JP11122932A JP12293299A JP2000313329A JP 2000313329 A JP2000313329 A JP 2000313329A JP 11122932 A JP11122932 A JP 11122932A JP 12293299 A JP12293299 A JP 12293299A JP 2000313329 A JP2000313329 A JP 2000313329A
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Japan
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hydraulic
valve
chamber
brake
booster
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JP11122932A
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Isao Matsuno
功 松野
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成要素の配置を自由にできて,限られた狭
隘なスペースでも容易に設置でき,しかも構造簡単なブ
レーキ用油圧倍力装置を提供する。 【解決手段】 1次マスタシリンダM1 と,油圧源5
と,作動油タンク11と,前記1次マスタシリンダM1
の出力油圧を比例的に増圧して車輪ブレーキBfa,B
fb,Bra,Brbに供給する比例増圧弁Vf,Vr
とを備え,その比例増圧弁Vf,Vrをスプール型に構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車,自動二輪
車等の車両のブレーキを油圧をもって倍力作動させ得る
ブレーキ用油圧倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝるブレーキ用油圧倍力装置は,例え
ば特公平4−864号公報に開示されているように,既
に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のブレーキ用油圧
倍力装置は,ブレーキペダルに連なる弁ピストンによっ
て作動される油圧ブースタと,この油圧ブースタのピス
トンによって作動されるマスタシリンダとを直列に連結
して構成しているので,その全長が極めて長いものとな
り,車両の限られた狭隘なスペースに設置することが困
難なことがある。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,構成要素の配置を自由にできて,限られた狭隘な
スペースでも容易に設置することができ,しかも構造簡
単なブレーキ用油圧倍力装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明の油圧倍力装置は,ブレーキ操作入力に応じ
て出力油圧を発生する1次マスタシリンダと;油圧源
と;この油圧源の作動油を貯留する作動油タンクと;前
記1次マスタシリンダの出力油圧を比例的に増圧して車
輪ブレーキに供給する比例増圧弁とを備え,その比例増
圧弁は,シリンダ孔,このシリンダ孔の一端に連なる弁
孔,前記油圧源に連通して前記弁孔の内周面に開口する
油圧源ポート,前記作動油タンクに連通して前記弁孔の
内周面に開口する戻しポート,及び車輪ブレーキに連通
する倍力ポートを有する弁ハウジングと,前記シリンダ
孔に摺動自在に嵌合してその一端側に,前記1次マスタ
シリンダの出力油圧を導入する制御油圧室を画成する制
御ピストンと,この制御ピストンに連結して前記弁孔に
摺動自在に嵌合するスプール弁体とから構成され,前記
制御油圧室の昇圧による前記制御ピストンの前進時に
は,前記スプール弁体が前記油圧源ポート及び倍力ポー
ト間を連通し,前記制御油圧室の減圧による前記制御ピ
ストンの後退時には,前記スプール弁体が前記戻しポー
ト及び倍力ポート間を連通することを第1の特徴とす
る。
【0006】この第1の特徴によれば,1次マスタシリ
ンダを作動したとき,その出力油圧に比例した倍力油圧
を比例増圧弁から出力し,車輪ブレーキに供給して,そ
れを強力に作動することができる。しかも1次マスタシ
リンダ及び比例増圧弁は,互いに干渉し合うことなく,
車両の狭隘なエンジンルームにおいても個々に自由に配
置することができる。
【0007】しかも,比例増圧弁は,弁ハウジング,制
御ピストン及びスプール弁体から構成されるので,部品
点数が極めて少なく構造が簡単であるから,これを安価
に提供することができる。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記
比例増圧弁の倍力ポートと車輪ブレーキとの間に,2次
マスタシリンダを配設し,この2次マスタシリンダに
は,シリンダボディと,このシリンダボディのシリンダ
孔に前後動可能に嵌装されて,そのシリンダ孔内部を前
部の出力油圧室,中間部の第1入力油圧室及び後部の第
2入力油圧室に区画する作動ピストンと,この作動ピス
トンを後退方向に付勢する戻しばねと,作動ピストンの
後退位置では第1入力油圧室及び出力油圧室間を連通
し,作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手
段とを備え,第1入力油圧室には前記1次マスタシリン
ダの出力ポートを,第2入力油圧室には前記比例増圧弁
の倍力ポートを,また出力油圧室には前記車輪ブレーキ
をそれぞれ接続したことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,油圧源や比例増
圧弁の失陥により,2次マスタシリンダの第2入力油圧
室を昇圧させ得ない場合でも,1次マスタシリンダの出
力油圧を車輪ブレーキに直接伝達して,それを作動さ
せ,フェールセーフを確保することができる。
【0010】さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前
記2次マスタシリンダの作動ピストンに,前部の大径ピ
ストン部と,それより小径の後部の小径ピストン部とを
形成し,これら大径ピストン部及び小径ピストン部間に
前記第1入力油圧室を画成し,小径ピストン部及び前記
シリンダ孔の後端面間で前記第2入力油圧室を画成した
ことを第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,2次マスタシリ
ンダの第1入力油圧室に供給される1次マスタシリンダ
の出力油圧も作動ピストンに推力として加わることにな
り,ブレーキ力を増強することができる。
【0012】さらにまた本発明は,第1の特徴に加え
て,前記比例増圧弁の倍力ポートと車輪ブレーキとの間
に,2次マスタシリンダを配設し,この2次マスタシリ
ンダには,シリンダボディと,このシリンダボディのシ
リンダ孔に前後動可能に嵌装されて,そのシリンダ孔内
に前部の出力油圧室,中間部の補給油室,後部の第1入
力油圧室及び最後部の第2入力油圧室を画成する作動ピ
ストンと,この作動ピストンを後退方向に付勢する戻し
ばねと,前記作動ピストンの後退位置では前記補給油室
及び出力油圧室間を連通し,前記作動ピストンの前進位
置ではその間を遮断する弁手段とを備え,前記作動ピス
トンには,前後両端面を前記出力油圧室及び補給油室に
臨ませる前部の大径ピストン部と,前後両端面を前記補
給油室及び第1入力油圧室に臨ませる中間ピストン部
と,この中間ピストン部より小径で後端面を前記第2入
力油圧室に臨ませる小径ピストン部とを形成し,前記第
1及び第2入力油圧室の一方には前記1次マスタシリン
ダの出力ポートを,他方には前記比例増圧弁の倍力ポー
トをそれぞれ接続し,また前記出力油圧室には前記車輪
ブレーキを,前記補給油室には前記作動油タンクをそれ
ぞれ接続したことを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,第2マスタシリ
ンダの作動ピストンには,第1マスタシリンダの出力油
圧による推力と,比例増圧弁の倍力油圧による推力とが
加算されて加わることになり,作動ピストンを強力に作
動することができる。しかも,油圧源や比例増圧弁が失
陥した場合でも,1次マスタシリンダの出力油圧により
2次マスタシリンダを作動させて,車輪ブレーキを作動
させ,フェールセーフを確保することができる。
【0014】さらにまた本発明は,第1〜第4の特徴の
何れかに加えて,前記スプール弁体を前記制御ピストン
より小径に形成すると共に,このスプール弁体の,前記
制御ピストンと反対側の外端面が臨む反力室を前記弁孔
に画成し,この反力室を前記倍力ポートに連通したこと
を第5の特徴とする。
【0015】この第5の特徴によれば,比例増圧弁の作
動中,それが出力する倍力油圧に対応した適当な反力が
1次マスタシリンダにフィードバックされることにな
り,操縦者は良好な操作フィーリングを感受することが
できる。
【0016】さらにまた本発明は,第5の特徴に加え
て,前記制御ピストンには,これを所定のセット荷重を
もって前記制御油圧室側へ付勢する戻しばねを連結した
ことを第6の特徴とする。
【0017】この第6の特徴によれば,前記戻しばねの
セット荷重の設定により,1次マスタシリンダの出力油
圧が所望の値まで上昇してから比例増圧弁の作動を開始
させることができる。
【0018】さらにまた本発明は,第6の特徴に加え
て,前記比例増圧弁として,前輪ブレーキ及び後輪ブレ
ーキにそれぞれ対応する前部比例増圧弁及び後部比例増
圧弁を併設し,後部比例増圧弁における反力室に臨むス
プール弁体の受圧面積と制御油圧室に臨む制御ピストン
の受圧面積との比を,前部比例増圧弁における反力室に
臨むスプール弁体の受圧面積と制御油圧室に臨む制御ピ
ストンの受圧面積との比より大きく設定すると共に,前
部比例増圧弁及び後部比例増圧弁の各戻しばねのセット
荷重を,前部比例増圧弁の作動開始油圧が後部比例増圧
弁のそれより高くなるように設定したことを第7の特徴
とする。
【0019】この第7の特徴によれば,特別な比例減圧
弁を用いずとも,前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレ
ーキ力配分を制動効率上,望ましい比率で行うことがで
きる。
【0020】さらにまた本発明は,第2〜7の特徴の何
れかに加えて,前記油圧源を,油圧ポンプと,この油圧
ポンプの吐出油圧を蓄圧するアキュムレータとで構成す
る一方,前記2次マスタシリンダの出力油圧室を前記車
輪ブレーキに接続する主ブレーキ油路に,前記倍力ポー
トから延出するアンチロックブレーキ油路を接続し,こ
の接続点の上流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共
に前記アンチロックブレーキ油路を閉鎖する状態と,前
記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記アンチロックブ
レーキ油路を開通する状態とに切換え可能な第1アンチ
ロック制御弁手段を設け,また前記接続点の下流側で前
記主ブレーキ油路に排出油路を接続し,この接続点の上
流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記排出油
路を閉鎖する状態と,前記主ブレーキ油路を閉鎖すると
共に前記排出油路を開通する状態と,前記主ブレーキ油
路及び前記排出油路を共に閉鎖する状態とに切換え可能
な第2アンチロック制御弁手段を設けたことを第8の特
徴とする。
【0021】この第8の特徴によれば,車輪ブレーキの
アンチロック制御は,主ブレーキ油路を途中で閉鎖し
て,その下流側で車輪ブレーキの油圧を排出油路へ逃が
したり,アキュムレータの油圧を車輪ブレーキに供給し
たり,車輪ブレーキの油圧を保持たりして行われるの
で,この制御中,車輪ブレーキの油圧変動が1次及び2
次マスタシリンダには伝達されず,したがって1次マス
タシリンダに対する操作量の無用な増加や,操縦者に不
快感を与えるキックバック現象の発生を防ぐことができ
る。
【0022】さらにまた本発明は,第8の特徴に加え
て,前記排出油路の下流端を前記マスタシリンダの作動
油タンクに開放したことを第9の特徴とする。
【0023】この第9の特徴によれば,アンチロック制
御のための車輪ブレーキの減圧構造を簡単に構成するこ
とができる。
【0024】さらにまた本発明は,第8の特徴に加え
て,前記油圧ポンプ及び前記作動油タンク間を接続する
吸入油路に逆流防止用の一方向弁を設け,この一方向弁
と前記油ポンプとの間の吸入油路に前記排出油路の下流
端を接続すると共に,この排出油路に油圧リザーバを接
続したことを第10の特徴とする。
【0025】この第10の特徴によれば,アンチロック
制御のための車輪ブレーキの減圧は,車輪ブレーキから
排出油路へ逃がした油圧を油圧リザーバに吸収させるこ
とにより行われる。しかもアキュムレータの蓄圧のため
に油圧ポンプが作動するとき,先に油圧リザーバに吸収
させた油圧は該油圧ポンプによりアキュムレータに送ら
れるので,油圧ポンプの負荷を増大させることもない。
また万一,第2アンチロック制御弁手段の故障により排
出油路が開き放しになった場合でも,車輪ブレーキから
作動油タンクへの油圧解放を一方向弁により阻止して,
車輪ブレーキの通常の作動を確保することができる。
【0026】さらにまた本発明は,第2〜第10の特徴
の何れかに加えて,前記1次マスタシリンダ及び前記2
次マスタシリンダ間を接続する入力油路に,前記アキュ
ムレータに連なる補助入力油路を接続し,この接続点の
上流側で前記入力油路を開通すると共に前記補助入力油
路を閉鎖する状態と,前記入力油路を閉鎖すると共に前
記補助入力油路を開通する状態とに切換え可能な自動ブ
レーキ制御弁手段を設けたことを第11の特徴とする。
【0027】この第11の特徴によれば,アキュムレー
タの油圧を利用して,自動ブレーキを実行することがで
きる。
【0028】さらにまた本発明は,第2〜第11の特徴
の何れかに加えて,前記比例増圧弁及び2次マスタシリ
ンダを平行に隣接配置すると共に,この比例増圧弁のケ
ーシングと2次マスタシリンダのシリンダボディとを一
体化したことを第12の特徴とする。
【0029】この第12の特徴によれば,比例増圧弁及
び2次マスタシリンダの組立体を簡単且つコンパクトに
構成でき,狭隘なスペースへの設置を容易に行うことが
できる。
【0030】
【実施例の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示
す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0031】図1〜図5は本発明の第1実施例を示すも
ので,図1は本発明のブレーキ用油圧倍力装置を備えた
自動車用ブレーキの油圧回路図,図2は図1における比
例増圧弁及び第2マスタシリンダの拡大縦断面図,図3
は図2の比例増圧弁の増圧作用説明図,図4は同比例増
圧弁の油圧保持作用説明図,図5は2次マスタシリンダ
の特性線図,図6は本発明の第2実施例を示す,図1に
対応する油圧回路図,図7及び図8は本発明の第3実施
例を示すもので,図7はブレーキ用油圧倍力装置の縦断
面図,図8(A)は前部2次マスタシリンダの特性線
図,図8(B)は後部2次マスタシリンダの特性線図,
図8(C)は前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ
力配分特性線図,図9は本発明の第4実施例を示すブレ
ーキ用油圧倍力装置の縦断面図である。
【0032】先ず,本発明の第1実施例の説明より始め
る。図1において,1次マスタシリンダM1 は,ブレー
キペダルPからピストンに加えられる入力に応じてブレ
ーキ油圧を出力する一対の前部及び後部出力ポート1f
,1rを備えるタンデム型であり,その前部出力ポー
ト1fから延出した前部入力油路2fに前部比例増圧弁
Vf及び前部2次マスタシリンダM2 fが接続され,後
部出力ポート1rから延出した後部入力油路2rに後部
比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシリンダM 2 rが接
続される。また前部2次マスタシリンダM2 fから延出
した前部主ブレーキ油路3fに,左右の前輪を制動する
一対の前輪ブレーキBfa,Bfbが接続され,後部2
次マスタシリンダM2 rから延出した後部主ブレーキ油
路3rに,左右の後輪を制動する一対の後輪ブレーキB
ra,Brbが接続される。
【0033】符号5は,前部及び後部比例増圧弁Vf,
Vrに接続される共通の油圧源で,図示しない電動モー
タにより駆動される油圧ポンプ6と,その吐出油圧を蓄
圧するアキュムレータ7とからなっている。このアキュ
ムレータ7の油圧は油圧センサ8により検知され,その
検知油圧が下限値以下になると油圧ポンプ6を作動し,
上限値以上になると油圧ポンプ6の作動を停止するよう
になっている。
【0034】油圧ポンプ6の吸入側は,吸入油路10を
介して1次マスタシリンダM1 の作動油タンク11に接
続され,その途中に逆流防止用の,並列する第1及び第
2一方向弁121 ,122 が設けられる。
【0035】前部比例増圧弁Vf及び前部2次マスタシ
リンダM2 fを含む,前輪ブレーキBfa,Bfb用の
油圧回路と,後部比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシ
リンダM2 rを含む,後輪ブレーキBra,Brb用の
油圧回路とは同一の構成を有するので,それらを代表し
て前輪ブレーキBfa,Bfb用の油圧回路について,
図1及び図2により説明する。
【0036】先ず,図2において,前部比例増圧弁Vf
は,弁ハウジング15,制御ピストン16及びスプール
弁体17を主たる構成要素とする。弁ハウジング15
は,一端を開放した有底のシリンダ孔18と,このシリ
ンダ孔18の内端に同軸上で連なる有底の弁孔19とを
有しており,その弁孔19はシリンダ孔18より充分に
小径に形成されている。その弁孔19の内周面には,前
記アキュムレータ7に連通する油圧源ポート20,前記
作動油タンク11に連通する戻しポート21,及び前部
2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室552 に連
通する倍力ポート22が開口している。シリンダ孔18
には,制御ピストン16が摺動自在に嵌装され,そして
シリンダ孔18の開放面を閉じる蓋体15aが弁ハウジ
ング15に固着される。シリンダ孔18は,制御ピスト
ン16によって蓋体15a側の制御油圧室23と反対側
の大気圧室24とに区画され,その制御油圧室23は,
油路56と,前部2次マスタシリンダM2 fの後述する
第1入力油圧室551 とを介して前部入力油路2fに接
続されるが,制御油圧室23と前部入力油路2fとは直
接接続してもよい。
【0037】大気圧室24には,制御ピストン16を制
御油圧室23側に付勢する戻しばね25が収容される。
大気圧室24は戻し油路27と接続され,この戻し油路
27の下流端は,前記第1及び第2一方向弁121 ,1
2 と作動油タンク11との間の吸入油路10に接続さ
れる。
【0038】スプール弁体17は,制御ピストン16に
一体に連結されて,弁孔19に摺動自在に嵌装されるも
ので,その先端面と,それに対向する弁孔19の内端壁
との間に反力室26が画成される。このスプール弁体1
7は,その外周を取り巻く環状溝28と,この環状溝2
8を反力室26に連通するT字形の通孔29とを備えて
いて,制御ピストン16が蓋体15aに当接する後退位
置では(図2の状態),油圧源ポート20を閉じると共
に,環状溝28,通孔29及び反力室26を介して戻し
ポート21及び倍力ポート22間を連通し,スプール弁
体17が弁孔19の内端に当接する制御ピストン16の
前進位置では(図3の状態),戻しポート21を閉じる
と共に,環状溝28及び通孔29を介して油圧源ポート
20及び倍力ポート22間を連通し,制御ピストン16
の中間位置では(図4の状態),油圧源ポート20及び
戻しポート21を共に閉じるようになっており,また反
力室26は通孔29及び環状溝28を通して倍力ポート
22に常時連通するようになっている。
【0039】次に,前部2次マスタシリンダM2 fは,
前部比例増圧弁Vfの弁ハウジング15と一体に形成さ
れたシリンダボディ50と,このシリンダボディ50の
有底のシリンダ孔51の前方開口面を閉鎖する端板52
とを備える。シリンダ孔51は,大径孔部51b及び小
径孔部51sを有する段付きに形成されており,それら
に対応した大径ピストン部53b及び小径ピストン部5
3sを有する作動ピストン53がシリンダ孔51に摺動
自在に嵌装される。この作動ピストン53によりシリン
ダ孔51内は,前部の出力油圧室54,中間の第1入力
油圧室551 及び後部の第2入力油圧室552 の三室に
区画される。そして第1入力油圧室55 1 には前部入力
油路2fが,出力油圧室54には前記主ブレーキ油路3
fがそれぞれ接続される。また第2入力油圧室55
2 は,前部比例増圧弁Vfの後述する倍力ポート22と
連通され,出力油圧室54には,作動ピストン53を後
退方向へ付勢する戻しばね57が収容される。
【0040】作動ピストン53には,その中間部を横断
して第1入力油圧室551 に開口する長孔58と,この
長孔58から大径ピストン部53bの中心部を貫通する
リリーフポート59とが形成されると共に,このリリー
フポート59を開閉する弁手段としてのリリーフポート
弁60が設けられる。上記長孔58は,作動ピストン5
3の摺動ストロークよりも長い長径を該ピストン53の
軸方向に向けて配置される。
【0041】リリーフポート弁60は,大径ピストン部
53bの前端面に形成される有底の円筒状弁室61を有
し,その底面にリリーフポート59の前端が開口する。
弁室61には,リリーフポート59に弁杆62sを遊挿
したポペット弁体62の傘部62fと,リリーフポート
59を閉じるべく傘部62fをリリーフポート59側へ
付勢する弁ばね63とが収容される。この弁ばね63の
固定端を支持するリテーナ64が大径ピストン部53b
の先端に嵌着され,このリテーナ64には,弁室61及
び出力油圧室54間を連通する通孔65が穿設されてい
る。
【0042】シリンダボディ50には,作動ピストン5
3の前記長孔58を貫通する開弁棒66の両端が固定さ
れる。この開弁棒66は,作動ピストン53が後退位置
を占めるとき,ポペット弁体62の後端を受け止めて,
それを開弁させるように配置される。したがって,作動
ピストン53の前進時には,ポペット弁体62は直ちに
開弁棒66から離れて,弁ばね63の付勢力で閉弁する
ことができる。
【0043】再び図1において,前部2次マスタシリン
ダM2 fの出力油圧室54を左前輪ブレーキBfa及び
右前輪ブレーキBfbに接続する主ブレーキ油路3f
は,出力油圧室54に連なる上流油路67と,それから
分岐して左前輪ブレーキBfa及び右前輪ブレーキBf
bにそれぞれ至る左下流油路68a及び右下流油路68
bとから構成され,その上流油路67にアンチロック制
御用の常開型遮断弁70が介裝される。またこの遮断弁
70の下流側で上流油路67には,前部2次マスタシリ
ンダM2 fの第2入力油圧室552 に連なるアンチロッ
クブレーキ油路71が接続され,該油路71にアンチロ
ック制御用の常閉型第1入口弁72が介裝される。これ
らアンチロック制御用の遮断弁70及び第1入口弁72
により第1アンチロック制御弁手段731 が構成され
る。
【0044】さらに左右の下流油路68a,68bに
は,アンチロック制御用の常開型第2入口弁74,74
と,一方向弁75,75とが並列に接続される。一方向
弁75,75は,対応する第2入口弁74,74の閉弁
時,前輪ブレーキBfa,Bfbから前部2次マスタシ
リンダM2 f側への油圧の戻りを許容するものである。
【0045】第2入口弁74,74及び一方向弁75,
75の下流側で下流油路68a,68bに排出油路7
7,77が接続され,これら排出油路77,77にアン
チロック制御用の常閉型出口弁76,76が介裝され
る。
【0046】排出油路77,77の下流端は,一本の油
路に纏められて,前記第1一方向弁121 及び油圧ポン
プ6間の吸入油路10に接続され,また一本に纏められ
た排出油路77に油圧リザーバ78が接続される。
【0047】上記アンチロック制御用の第2入口弁74
及び出口弁76により第2アンチロック制御弁手段73
2 が構成される。
【0048】尚,後輪ブレーキBra,Brb側の排出
油路77の下流端は,前記第2一方向弁122 及び油圧
ポンプ6間の吸入油路10に接続される。
【0049】また前部入力油路2fには自動ブレーキ用
の常開型出口弁80が介裝され,この出口弁80の下流
側で前部入力油路2fとアキュムレータ7とを結ぶ補助
入力油路81に自動ブレーキ用の常閉型入口弁82が介
裝される。これら自動ブレーキ用の出口弁80及び入口
弁82により自動ブレーキ制御弁手段83が構成され
る。
【0050】次に,この実施例の作用について説明す
る。
【0051】ブレーキペダルPの踏み込み操作時,1次
マスタシリンダM1 の前部及び後部出力ポート1f,1
rから出力される油圧は,前部及び後部2次マスタシリ
ンダM2 f,M2 rの第1入力油圧室551 と,前部及
び後部比例増圧弁Vf,Vrの制御油圧室23に供給さ
れる。
【0052】前部2次マスタシリンダM2 fの第1入力
油圧室551 に供給された油圧は開弁状態のリリーフポ
ート弁60を通して出力油圧室54,及び前部主ブレー
キ油路3fを順次経て,前輪ブレーキBfa,Bfbに
伝達して,これらを通常通り作動する。
【0053】一方,前部比例増圧弁Vfの制御油圧室2
3に供給された油圧が戻しばね25のセット荷重により
規定された所定値以上になると,その油圧により制御ピ
ストン16は,戻しばね25を圧縮させつゝスプール弁
体17と共に前進し,スプール弁体17が弁孔19の内
端壁に当接する前進位置(図3参照)に達すると,スプ
ール弁体17が油圧源ポート20及び倍力ポート22間
を連通するので,アキュムレータ7の油圧が油圧源ポー
ト20及び倍力ポート22を通って前部2次マスタシリ
ンダM2 fの第2入力油圧室552 に伝達して,作動ピ
ストン53の小径ピストン部53sを押圧するので,作
動ピストン53は前進する。作動ピストン53が前進す
ると,前述のようにリリーフポート弁60が直ちに閉弁
するので,作動ピストン53の前進に応じて,出力油圧
室54に油圧が発生し,その油圧は前部主ブレーキ油路
3fに出力されて前輪ブレーキBfa,Bfbに伝達
し,これらを倍力作動することになる。
【0054】ところで,倍力ポート22及び反力室26
間は,スプール弁体17により常時連通されているか
ら,反力室26には,倍力ポート22の出力油圧と同等
の油圧が作用する。そして,その油圧はスプール弁体1
7の先端面に作用して,制御ピストン16を後退方向へ
押力する反力を発生する。その反力が,制御油圧室23
の油圧による制御ピストン16の押圧力より大となる
と,制御ピストン16はスプール弁体17と共に後退し
始める。
【0055】而して,制御ピストン16が図4の示す中
間位置に達すると,スプール弁体17が油圧源ポート2
0及び戻しポート21を共に閉じるので,前部2次マス
タシリンダM2 fの第2入力油圧室552 の油圧は保持
状態となる。
【0056】さらに制御ピストン16が図2に示す後退
位置まで戻ると,スプール弁体17が戻しポート21及
び倍力ポート22間を連通するので,前記第2入力油圧
室552 の油圧は戻しポート21及び戻しポート21を
通して作動油タンク11へ排出され,減圧状態となる。
【0057】前記第2入力油圧室552 ,即ち反力室2
6の減圧に伴い,制御ピストン16が制御油圧室23の
油圧により再び前進して,スプール弁体17が再び油圧
源ポート20及び倍力ポート22間を連通すると,アキ
ュムレータ7から前記第2入力油圧室552 への油圧供
給が再開される。
【0058】このような作用の繰返により,前記第2入
力油圧室552 は,制御油圧室23の油圧,即ち1次マ
スタシリンダM1 の出力油圧に比例して増圧制御され
る。
【0059】この間,反力室26の油圧は,スプール弁
体17を介して制御ピストン16に反力を与え続け,そ
れは油圧的にブレーキペダルPまでフィードバックされ
るので,操縦者は倍力ポート22の出力油圧の大きさ,
即ちブレーキ力を感知して,良好な操作フィーリングを
得ることができる。
【0060】また前部2次マスタシリンダM2 fの作動
ピストン53は前側の大径ピストン部53b及び後側の
小径ピストン部53sを備え,これらの対向面に,第1
入力油圧室551 に油圧,即ち1次マスタシリンダM1
の出力油圧を受けるので,リリーフポート弁60が閉弁
した状態では,上記対向面の面積差に第1入力油圧室5
1 の油圧を乗じた推力も作動ピストン53に加わるこ
とになり,出力油圧室54の発生油圧の増強に寄与す
る。
【0061】この間のブレーキペダルPの1次マスタシ
リンダM1 に対する入力と,2次マスタシリンダM2
の出力油圧との関係を示すと,図5のようになる。
【0062】また万一,油圧源5に失陥が生じて,倍力
ポート22が出力不能となった場合には,第2マスタシ
リンダM2 fの作動ピストン53は後退限から前進する
ことができず,リリーフポート弁60を開弁状態にして
いるから,1次マスタシリンダM1 から前部2次マスタ
シリンダM2 fの第1入力油圧室551 に供給された油
圧が,開弁状態のリリーフポート59を通過して出力油
圧室54に伝達し,更に前輪ブレーキBfa,Bfbへ
と伝達して,これらを作動することができ,フェールセ
ーフが確保される。
【0063】制動中,前輪がロックしそうになると,そ
の状況を感知した図示しない電子コンピュータにより,
アンチロック制御用の遮断弁70及び第2入口弁74,
74を閉弁すると共に,出口弁76,76を開弁するの
で,前輪ブレーキBfa,Bfbから戻し油路27へ油
圧を逃がし,これを直ちに油圧リザーバ78に吸収さ
せ,これにより左右の前輪のロックを未然に回避するこ
とができる。
【0064】前輪ブレーキBfa,Bfbのブレーキ油
圧が適当になると,出口弁76,76のみが閉弁状態に
戻されて,そのブレーキ油圧を保持する。またそのブレ
ーキ油圧を回復する必要があるときは,第1入口弁72
が開弁する一方,第2入口弁74,74が開弁状態に戻
されると共に,第2出口弁76,76も閉弁状態に戻さ
れるので,今度は倍力ポート22の出力油圧が第1入口
弁72及び第2入口弁74,74を経て前輪ブレーキB
fa,Bfbに供給され,そのブレーキ油圧を回復する
ことができる。こうして,前輪ブレーキBfa,Bfb
は,前輪をロックさせることなく効率良く作動すること
ができる。
【0065】このようなアンチロック制御中,主ブレー
キ油路3fの上流油路67はアンチロック制御用の遮断
弁70により遮断され続けるので,前輪ブレーキBf
a,Bfbの油圧変動が1次マスタシリンダM1 側へ伝
達するキックバック現象が起こらないのみならず,1次
マスタシリンダM1 の送り出した作動油が無用に消費さ
れることもないから,ブレーキペダルPの踏み込み量の
増加を防ぐことができる。
【0066】油圧リザーバ78に吸収させた油圧は,油
圧ポンプ6がアキュムレータ7の低下した油圧を回復す
べく作動したとき,作動油タンク11の作動油と共に,
油圧ポンプ6に吸入されて,アキュムレータ7に供給さ
れる。
【0067】このように,比較的高価な油圧ポンプ6
は,アキュムレータ7の蓄圧用と,ブレーキ油圧の還流
用とに共用されるので,コストの低減を図ることができ
る。しかも油圧リザーバ78の存在により,アンチロッ
ク制御中,絶え間なく油圧ポンプ6を作動させ続ける必
要もないから,電力消費を極力抑えることができる。
【0068】また第2出口弁76を介装した排出油路7
7の下流端は,第1一方向弁121及び油圧ポンプ6間
の吸入油路10に接続されているから,万一,第2出口
弁76が故障により開弁の膠着状態を起こしても,前輪
ブレーキBfa,Brbのブレーキ油圧が作動油タンク
11及び戻し油路27へリークすることを第1及び第2
一方向弁121 ,122 によって阻止することができ
る。
【0069】ブレーキペダルPから1次マスタシリンダ
1 への操作力を解除すると,上記各弁70,72,7
4,76は当初の状態に復帰する一方,前部比例増圧弁
Vfにおいて,制御ピストン16が戻しばね25の付勢
力でスプール弁体と共に後退し,それに伴い油圧源ポー
ト20が閉じられると共に,倍力ポート22及び戻しポ
ート21間が連通されるので,アキュムレータ7から倍
力ポート22への油圧の供給が絶たれると共に,前部2
次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室55 2 の油圧
が1次マスタシリンダM1 の作動油タンク11へ戻され
る。
【0070】また同時に,前部2次マスタシリンダM2
fの第1入力油室551 の油圧も,1次マスタシリンダ
1 側へ解放されるので,作動ピストン53は,戻しば
ね57の付勢力をもって後退しながら出力油圧室54を
減圧させていき,当初の後退限まで後退すると,ポペッ
ト弁体62が開弁棒66に受け止められて,リリーフポ
ート弁60が開弁状態とされるので,出力油圧室54の
油圧は,リリーフポート59から第1入力油圧室551
を経て1次マスタシリンダM1 側へ解放される。こうし
て前輪ブレーキBfa,Bfbは非作動状態に復帰す
る。
【0071】車両の走行中,図示しない電子制御ユニッ
トが自動ブレーキ用の出口弁80を閉弁すると共に,入
口弁82を開弁すると,アキュムレータ7の油圧が補助
入力油路81及び前部入力油路2fの下流部を経て前部
2次マスタシリンダM2 fの第1入力油圧室551 に伝
達し,開弁状態のリリーフポート弁60を通過して,出
力油圧室54及び前部ブレーキ油路3fを経て,前輪ブ
レーキBfa,Bfbへと伝達するので,前輪ブレーキ
Bfa,Bfbを自動的に作動することができる。この
とき,出口弁80の閉弁により,アキュムレータ7の油
圧の1次マスタシリンダM1 側へのリークは阻止され
る。
【0072】その後,入口弁82及び出口弁80が当初
の状態に戻されると,前部2次マスタシリンダM2 fの
出力油圧室54の油圧は,開弁状態の出口弁80を経て
1次マスタシリンダM1 の内部を通り,その作動油タン
ク11に戻ることになり,前輪ブレーキBfa,Bfb
を非作動状態に自動的に復帰させることができる。
【0073】このように,アキュムレータ7の油圧は,
自動ブレーキの作動油圧としても利用されるので,これ
に蓄圧する油圧ポンプ6の付加価値を高めることができ
る。
【0074】後部比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシ
リンダM2 rも上記と同様に作動して後輪ブレーキBr
a,Brbを前輪ブレーキBfa,Bfbと同様に制御
されるものである。
【0075】ところで,1次マスタシリンダM1 ,2次
マスタシリンダM2 f,M2 r及び比例増圧弁Vf,V
rの三者は油路で接続するようにしたので,それらを個
々に車両のエンジンルームの狭隘な場所に設置すること
が可能である。特に,図示例のように,2次マスタシリ
ンダM2 f,M2 rのシリンダボディ50及び比例増圧
弁Vf,Vrの弁ハウジング15を一体化して,2次マ
スタシリンダM2 f,M2 r及び比例増圧弁Vf,Vr
をそれぞれ平行に配置すると,構造の簡素化とコンパク
ト化を図ることができて,好都合である。
【0076】また,比例増圧弁Vf,Vrは,弁ハウジ
ング15,制御ピストン16及びスプール弁体17から
構成されるので,部品点数が極めて少なく構造が簡単で
あるから,これを安価に提供することができる。
【0077】次に,図6により本発明の第2実施例につ
いて説明する。
【0078】この第2実施例では,戻し油路27及び排
出油路77の各下流端を1次マスタシリンダM1 の作動
油タンク11に直接接続して,第1及び第2一方向弁1
1,122 ,並びに油圧リザーバ78を廃止し,構造
の簡素化を図っている。その他の構成は,前実施例と同
様であるので,図中,前実施例との対応部分には,同一
符号を付して,その説明を省略する。
【0079】次に,図7及び図8により本発明の第3実
施例について説明する。
【0080】図7に示すように,後部比例増圧弁Vrの
戻しばね25のセット荷重は,前部比例増圧弁Vfの戻
しばね25より遙かに小さく設定される。また後部比例
増圧弁Vrのスプール弁体17は,前部比例増圧弁Vf
のスプール弁体17より大径に形成され,こうすること
により,後部比例増圧弁Vrにおいて反力室26に臨む
スプール弁体17の受圧面積と,制御油圧室23に臨む
制御ピストン16の受圧面積との比は,前部比例増圧弁
Vfにおいて反力室26に臨むスプール弁体17の受圧
面積と,制御油圧室23に臨む制御ピストン16の受圧
面積との比より大きく設定される。
【0081】その他の構成は,第1実施例と同様である
ので,図中,前実施例との対応部分には,同一符号を付
して,その説明を省略する。
【0082】而して,前部比例増圧弁Vfは,前実施例
の場合と同様に作動するので,前部2次マスタシリンダ
2 fの出力特性も前記第1実施例の場合と同様に図8
(A)に示すようなものとなる。一方,後部比例増圧弁
Vrでは,戻しばね25のセット荷重が極めて小さいこ
とから,制御ピストン16が1次マスタシリンダM1
作動開始と略同時に作動して倍力ポート22から倍力油
圧を出力するので,図8(B)に示すように,後部2次
マスタシリンダM2 rの出力油圧は,1次マスタシリン
ダM1 の略作動開始時から,その入力に比例して増圧制
御される。しかも,後部比例増圧弁Vrにおけるスプー
ル弁体17の受圧面積と制御ピストン16の受圧面積と
の比が,前部比例増圧弁(Vf)におけるスプール弁体
17の受圧面積と制御ピストン16の受圧面積との比よ
り大きく設定されていることから,後部比例増圧弁Vr
が出力する倍力油圧の上昇勾配は,前部比例増圧弁Vf
が出力する倍力油圧の上昇勾配より緩やかとなる。その
結果,前部2次マスタシリンダM2 fの出力油圧と後部
2次マスタシリンダM2 rの出力油圧との関係は図8
(C)の通りとなり,特別な比例減圧弁を用いずとも,
前輪ブレーキBfa,Bfb及び後輪ブレーキBra,
Brbのブレーキ力配分を制動効率上,望ましい比率で
行うことができる。
【0083】次に,図9により本発明の第4実施例につ
いて説明する。
【0084】前部及び後部2次マスタシリンダM2 f,
2 rにおいて,作動ピストン53には,前部の大径ピ
ストン部53bと後部の小径ピストン部53sとの間
に,大径ピストン部53bと同径の中間ピストン部53
mが形成される。即ち,小径ピストン部53sは中間ピ
ストン部53mより小径になっている。そしてシリンダ
ボディ50のシリンダ孔51において,大径ピストン部
53b及び中間ピストン部53m間で補給油室85が,
また中間ピストン部53m及び小径ピストン部53s間
で第1入力油圧室871 が,さらに小径ピストン部53
s及びシリンダ孔51の後端壁間で第2入力油圧室87
2 がそれぞれ画成される。補給油室85には,補給油路
86を介して作動油タンク11が接続されると共に,リ
リーフポート弁60を介して出力油圧室54が連通さ
れ,第1及び第2入力油圧室871 ,872 の一方(図
示例では第1入力油圧室871 )に比例増圧弁Vf,V
rの倍力ポート22が連通され,またそれらの他方(図
示例では第2入力油圧室872)に1次マスタシリンダ
1 から延出する入力油路2f,2rが接続される。比
例増圧弁Vf,Vrの制御油圧室23は,油路86と第
1入力油圧室871 とを介して入力油路2f,2rに接
続される。この場合も,制御油圧室23と入力油路2
f,2rとは直接接続してもよい。
【0085】その他の構成は,前記第1実施例と同様で
あるので,図中,第1実施例との対応部分には同一符号
を付して,その説明を省略する。
【0086】而して,1次マスタシリンダM1 が作動さ
れると,その出力油圧は,2次マスタシリンダM2 fの
第2入力油圧室872 及び比例増圧弁Vf,Vrの制御
油圧室23に供給される。2次マスタシリンダM2 fの
第2入力油圧室872 に供給された油圧は,直ちに作動
ピストン53を前進させるので,リリーフポート弁60
が閉弁して,出力油圧室54を通常通りに昇圧すること
ができる。また制御油圧室23に供給された油圧が所定
値以上に上昇すると,第1実施例の場合と同様に,比例
増圧弁Vf,Vrの作動が開始して倍力ポート22から
第1入力油圧室871 に倍力油圧が供給され,これが作
動ピストン53を更に前方へ押圧する。したがって,作
動ピストン53の前進推力は,第2入力油圧室872
供給された1次マスタシリンダM1 の出力油圧が小径ピ
ストン部53sに与える推力と,第1入力油圧室871
に供給された倍力油圧が中間ピストン部53mに与える
推力との和となるから,2次マスタシリンダM2 fの出
力特性は,第1実施例と同様なものとなる。
【0087】この第4実施例においても,2次マスタシ
リンダM2 fの第1及び第2入力油圧室871 ,872
がそれぞれ独立しているから,万一,油圧源5の失陥に
より,第1入力油圧室871 に倍力油圧が供給されない
場合でも,1次マスタシリンダM1 から第2入力油圧室
872 に供給される出力油圧によって作動ピストン53
を作動せしめることができ,フェールセーフが確保され
る。
【0088】本発明は,上記実施例に限定されるもので
はなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。例えば,前部及び後部2次マスタシリンダ
Vf,Vrのリリーフポート弁60に代えて,シリンダ
孔51の内面に開口するリリーフポートを作動ピストン
53前端のカップシールにより開閉するサイドポート型
に構成することもできる。また本発明は自動二輪車のブ
レーキ用油圧倍力装置への適用も可能である。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,油圧倍力装置が,ブレーキ操作入力に応じて出力油
圧を発生する1次マスタシリンダと;油圧源と;この油
圧源の作動油を貯留する作動油タンクと;前記1次マス
タシリンダの出力油圧を比例的に増圧して車輪ブレーキ
に供給する比例増圧弁とを備え,その比例増圧弁は,シ
リンダ孔,このシリンダ孔の一端に連なる弁孔,前記油
圧源に連通して前記弁孔の内周面に開口する油圧源ポー
ト,前記作動油タンクに連通して前記弁孔の内周面に開
口する戻しポート,及び車輪ブレーキに連通する倍力ポ
ートを有する弁ハウジングと,前記シリンダ孔に摺動自
在に嵌合してその一端側に,前記1次マスタシリンダの
出力油圧を導入する制御油圧室を画成する制御ピストン
と,この制御ピストンに連結して前記弁孔に摺動自在に
嵌合するスプール弁体とから構成され,前記制御油圧室
の昇圧による前記制御ピストンの前進時には,前記スプ
ール弁体が前記油圧源ポート及び倍力ポート間を連通
し,前記制御油圧室の減圧による前記制御ピストンの後
退時には,前記スプール弁体が前記戻しポート及び倍力
ポート間を連通するので,1次マスタシリンダを作動し
たとき,その出力油圧に比例した倍力油圧を比例増圧弁
から出力し,車輪ブレーキに供給して,それを強力に作
動することができる。しかも1次マスタシリンダ及び比
例増圧弁は,互いに干渉し合うことなく,車両の狭隘な
エンジンルームにおいても個々に自由に配置することが
できる。しかも,弁ハウジング,制御ピストン及びスプ
ール弁体からなる比例増圧弁は,部品点数が極めて少な
く構造が簡単であるから,これを安価に提供することが
できる。
【0090】また本発明はの第2の特徴によれば,前記
比例増圧弁の倍力ポートと車輪ブレーキとの間に,2次
マスタシリンダを配設し,この2次マスタシリンダに
は,シリンダボディと,このシリンダボディのシリンダ
孔に前後動可能に嵌装されて,そのシリンダ孔内部を前
部の出力油圧室,中間部の第1入力油圧室及び後部の第
2入力油圧室に区画する作動ピストンと,この作動ピス
トンを後退方向に付勢する戻しばねと,作動ピストンの
後退位置では第1入力油圧室及び出力油圧室間を連通
し,作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手
段とを備え,第1入力油圧室には前記1次マスタシリン
ダの出力ポートを,第2入力油圧室には前記比例増圧弁
の倍力ポートを,また出力油圧室には前記車輪ブレーキ
をそれぞれ接続したので,油圧源や比例増圧弁の失陥に
より,2次マスタシリンダの第2入力油圧室を昇圧させ
得ない場合でも,1次マスタシリンダの出力油圧を車輪
ブレーキに直接伝達して,それを作動させ,フェールセ
ーフを確保することができる。
【0091】さらに本発明の第3の特徴によれば,前記
2次マスタシリンダの作動ピストンに,前部の大径ピス
トン部と,それより小径の後部の小径ピストン部とを形
成し,これら大径ピストン部及び小径ピストン部間に前
記第1入力油室を画成し,小径ピストン部及び前記シリ
ンダ孔の後端面間で前記第2入力油圧室を画成したの
で,2次マスタシリンダの第1入力油圧室に供給される
1次マスタシリンダの出力油圧も作動ピストンに推力と
して加わることになり,ブレーキ力を高めることができ
る。
【0092】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
前記比例増圧弁の倍力ポートと車輪ブレーキとの間に,
2次マスタシリンダを配設し,この2次マスタシリンダ
には,シリンダボディと,このシリンダボディのシリン
ダ孔に前後動可能に嵌装されて,そのシリンダ孔内に前
部の出力油圧室,中間部の補給油室,後部の第1入力油
圧室及び最後部の第2入力油圧室を画成する作動ピスト
ンと,この作動ピストンを後退方向に付勢する戻しばね
と,前記作動ピストンの後退位置では前記補給油室及び
出力油圧室間を連通し,前記作動ピストンの前進位置で
はその間を遮断する弁手段とを備え,前記作動ピストン
には,前後両端面を前記出力油圧室及び補給油室に臨ま
せる前部の大径ピストン部と,前後両端面を前記補給油
室及び第1入力油圧室に臨ませる中間ピストン部と,こ
の中間ピストン部より小径で後端面を前記第2入力油圧
室に臨ませる小径ピストン部とを形成し,前記第1及び
第2入力油圧室の一方には前記1次マスタシリンダの出
力ポートを,他方には前記比例増圧弁の倍力ポートをそ
れぞれ接続し,また前記出力油圧室には前記車輪ブレー
キを,前記補給油室には前記作動油タンクをそれぞれ接
続したので,第2マスタシリンダの作動ピストンには,
第1マスタシリンダの出力油圧による推力と,比例増圧
弁の倍力油圧による推力とが加算されて加わることにな
り,作動ピストンを強力に作動することができる。しか
も,油圧源や比例増圧弁が失陥した場合でも,1次マス
タシリンダの出力油圧により2次マスタシリンダを作動
させて,車輪ブレーキを作動させ,フェールセーフを確
保することができる。
【0093】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,
前記スプール弁体を前記制御ピストンより小径に形成す
ると共に,このスプール弁体の,前記制御ピストンと反
対側の外端面が臨む反力室を前記弁孔に画成し,この反
力室を前記倍力ポートに連通したので,比例増圧弁の作
動中,それが出力する倍力油圧に対応した適当な反力が
1次マスタシリンダにフィードバックされることにな
り,操縦者は良好な操作フィーリングを感受することが
できる。
【0094】さらにまた本発明の第6の特徴によれば,
前記制御ピストンには,これを所定のセット荷重をもっ
て前記制御油圧室側へ付勢する戻しばねを連結したの
で,その戻しばねのセット荷重の選定により,比例増圧
弁の作動を開始させる,1次マスタシリンダの出力油圧
の値を自由に設定することができる。
【0095】さらにまた本発明の第7の特徴によれば,
前記比例増圧弁として,前輪ブレーキ及び後輪ブレーキ
にそれぞれ対応する前部比例増圧弁及び後部比例増圧弁
を併設し,後部比例増圧弁における反力室に臨むスプー
ル弁体の受圧面積と制御油圧室に臨む制御ピストンの受
圧面積との比を,前部比例増圧弁における反力室に臨む
スプール弁体の受圧面積と制御油圧室に臨む制御ピスト
ンの受圧面積との比より大きく設定すると共に,前部比
例増圧弁及び後部比例増圧弁の各戻しばねのセット荷重
を,前部比例増圧弁の作動開始油圧が後部比例増圧弁の
それより高くなるように設定したので,特別な比例減圧
弁を用いずとも,前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレ
ーキ力配分を制動効率上,望ましい比率で行うことがで
きる。
【0096】さらにまた本発明の第8の特徴によれば,
前記油圧源を,油圧ポンプと,この油圧ポンプの吐出油
圧を蓄圧するアキュムレータとで構成する一方,前記2
次マスタシリンダの出力油圧室を前記車輪ブレーキに接
続する主ブレーキ油路に,前記倍力ポートから延出する
アンチロックブレーキ油路を接続し,この接続点の上流
側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記アンチロ
ックブレーキ油路を閉鎖する状態と,前記主ブレーキ油
路を閉鎖すると共に前記アンチロックブレーキ油路を開
通する状態とに切換え可能な第1アンチロック制御弁手
段を設け,また前記接続点の下流側で前記主ブレーキ油
路に排出油路を接続し,この接続点の上流側で前記主ブ
レーキ油路を開通すると共に前記排出油路を閉鎖する状
態と,前記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記排出油
路を開通する状態と,前記主ブレーキ油路及び前記排出
油路を共に閉鎖する状態とに切換え可能な第2アンチロ
ック制御弁手段を設けたので,車輪ブレーキのアンチロ
ック制御制御中,車輪ブレーキの油圧変動が1次及び2
次マスタシリンダには伝達されず,したがって1次マス
タシリンダに対する操作量の無用な増加や,操縦者に不
快感を与えるキックバック現象の発生を防ぐことができ
る。
【0097】さらにまた本発明の第9の特徴によれば,
前記排出油路の下流端を前記マスタシリンダの作動油タ
ンクに開放したので,アンチロック制御のための車輪ブ
レーキの減圧構造を簡単に構成することができる。
【0098】さらにまた本発明の第10の特徴によれ
ば,前記油圧ポンプ及び前記作動油タンク間を接続する
吸入油路に逆流防止用の一方向弁を設け,この一方向弁
と前記油ポンプとの間の吸入油路に前記排出油路の下流
端を接続すると共に,この排出油路に油圧リザーバを接
続したので,アンチロック制御のための車輪ブレーキの
減圧は,車輪ブレーキから排出油路へ逃がした油圧を油
圧リザーバに吸収させることにより行うことができ,し
かもアキュムレータの蓄圧のために油圧ポンプが作動す
るとき,先に油圧リザーバに吸収させた油圧を該油圧ポ
ンプによりアキュムレータに送るので,油圧ポンプの負
荷を増大させることもない。その上,第2アンチロック
制御弁手段の故障により排出油路が開き放しになった場
合でも,車輪ブレーキから作動油タンクへの油圧解放を
一方向弁により阻止して,車輪ブレーキの通常の作動を
確保することができる。
【0099】さらにまた本発明の第11の特徴によれ
ば,前記1次マスタシリンダ及び前記2次マスタシリン
ダ間を接続する入力油路に,前記アキュムレータに連な
る高圧油路を接続し,この接続点の上流側で前記入力油
路を開通すると共に前記高圧油路を閉鎖する状態と,前
記入力油路を閉鎖すると共に前記高圧油路を開通する状
態とに切換え可能な自動ブレーキ制御弁を設けたので,
アキュムレータの油圧を利用して,自動ブレーキを実行
することができる。
【0100】さらにまた本発明の第12の特徴によれ
ば,前記比例増圧弁及び2次マスタシリンダを平行に隣
接配置すると共に,この比例増圧弁のハウジングと2次
マスタシリンダのシリンダボディとを一体化したので,
比例増圧弁及び2次マスタシリンダの組立体を簡単且つ
コンパクトに構成でき,狭隘なスペースへの設置を容易
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るブレーキ用油圧倍力
装置を備えた自動車用ブレーキの油圧回路図。
【図2】図1における比例増圧弁及び第2マスタシリン
ダの拡大縦断面図。
【図3】同比例増圧弁の増圧作用説明図。
【図4】図2の比例増圧弁の油圧保持作用説明図。
【図5】2次マスタシリンダの特性線図。
【図6】本発明の第2実施例を示す,図1に対応する油
圧回路図。
【図7】本発明の第3実施例に係るブレーキ用油圧倍力
装置の縦断面図。
【図8】(A)は前部2次マスタシリンダの特性線図,
(B)は後部2次マスタシリンダの特性線図,(C)は
前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ力配分特性線
図。
【図9】本発明の第4実施例に係るブレーキ用油圧倍力
装置の縦断面図。
【符号の説明】
Bfa・・・・車輪ブレーキ(左前輪ブレーキ) Bfb・・・・車輪ブレーキ(右前輪ブレーキ) Bra・・・・車輪ブレーキ(左後輪ブレーキ) Brb・・・・車輪ブレーキ(右後輪ブレーキ) M1 ・・・・・1次マスタシリンダ M2 f・・・・2次マスタシリンダ(前部2次マスタシ
リンダ) M2 r・・・・2次マスタシリンダ(後部2次マスタシ
リンダ) Vf・・・・・比例増圧弁(前部比例増圧弁) Vr・・・・・比例増圧弁(後部比例増圧弁) 1f・・・・・前部出力ポート 1r・・・・・後部出力ポート 2f・・・・・前部入力油路 2r・・・・・後部入力油路 3f・・・・・前部主ブレーキ油路 3r・・・・・後部主ブレーキ油路 5・・・・・・油圧源 6・・・・・・油圧ポンプ 7・・・・・・アキュムレータ 10・・・・・吸入油路 11・・・・・作動油タンク 121 ・・・・一方向弁 15・・・・・弁ハウジング 16・・・・・制御ピストン 17・・・・・スプール弁体 18・・・・・シリンダ孔 19・・・・・弁孔 20・・・・・油圧源ポート 21・・・・・戻しポート 22・・・・・倍力ポート 23・・・・・制御油圧室 25・・・・・戻しばね 26・・・・・反力室 50・・・・・シリンダボディ 51・・・・・シリンダ孔 53・・・・・作動ピストン 53b・・・・大径ピストン部 53s・・・・小径ピストン部 53m・・・・中間ピストン部 54・・・・・出力油圧室 551 ・・・・第1入力油圧室 552 ・・・・第1入力油圧室 57・・・・・戻しばね 60・・・・・弁手段(リリーフポート弁) 71・・・・・アンチロックブレーキ油路 731 ・・・・第1アンチロック制御弁手段 732 ・・・・第2アンチロック制御弁手段 77・・・・・排出油路 78・・・・・油圧リザーバ 83・・・・・自動ブレーキ制御弁手段 85・・・・・補給油室 871 ・・・・第1入力油圧室 872 ・・・・第2入力油圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D045 AA03 BB28 CC01 EE21 EE28 FF42 3D046 AA03 BB11 CC02 LL05 LL23 LL25 LL28 LL31 LL37 LL46 LL51 3D048 AA01 BB54 CC08 GG13 GG16 HH14 HH15 HH26 HH31 HH38 HH53 HH56 HH75

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作入力に応じて出力油圧を発
    生する1次マスタシリンダ(M1 )と;油圧源(5)
    と;この油圧源(5)の作動油を貯留する作動油タンク
    (11)と;前記1次マスタシリンダ(M1 )の出力油
    圧を比例的に増圧して車輪ブレーキ(Bfa,Bfb,
    Bra,Brb)に供給する比例増圧弁(Vf,Vr)
    とを備え,その比例増圧弁(Vf,Vr)は,シリンダ
    孔(18),このシリンダ孔(18)の一端に連なる弁
    孔(19),前記油圧源(5)に連通して前記弁孔(1
    9)の内周面に開口する油圧源ポート(20),前記作
    動油タンク(11)に連通して前記弁孔(19)の内周
    面に開口する戻しポート(21),及び車輪ブレーキ
    (Bfa,Bfb,Bra,Brb)に連通する倍力ポ
    ート(22)を有する弁ハウジング(15)と,前記シ
    リンダ孔(18)に摺動自在に嵌合してその一端側に,
    前記1次マスタシリンダ(M1 )の出力油圧を導入する
    制御油圧室(23)を画成する制御ピストン(16)
    と,この制御ピストン(16)に連結して前記弁孔(1
    9)に摺動自在に嵌合するスプール弁体(17)とから
    構成され,前記制御油圧室(23)の昇圧による前記制
    御ピストン(16)の前進時には,前記スプール弁体
    (17)が前記油圧源ポート(20)及び倍力ポート
    (22)間を連通し,前記制御油圧室(23)の減圧に
    よる前記制御ピストン(16)の後退時には,前記スプ
    ール弁体(17)が前記戻しポート(21)及び倍力ポ
    ート(22)間を連通することを特徴とする,ブレーキ
    用油圧倍力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記比例増圧弁(Vf,Vr)の倍力ポート
    (22)と車輪ブレーキ(Bfa,Bfb,Bra,B
    rb)との間に,2次マスタシリンダ(M2 f,M
    2 r)を配設し,この2次マスタシリンダ(M2 f,M
    2 r)には,シリンダボディ(50)と,このシリンダ
    ボディ(50)のシリンダ孔(51)に前後動可能に嵌
    装されて,そのシリンダ孔(51)内部を前部の出力油
    圧室(54),中間部の第1入力油圧室(551 )及び
    後部の第2入力油圧室(552 )に区画する作動ピスト
    ン(53)と,この作動ピストン(53)を後退方向に
    付勢する戻しばね(57)と,作動ピストン(53)の
    後退位置では第1入力油圧室(551 )及び出力油圧室
    (54)間を連通し,作動ピストン(53)の前進位置
    ではその間を遮断する弁手段(60)とを備え,第1入
    力油圧室(551 )には前記1次マスタシリンダ
    (M1 )の出力ポート(1f,1r)を,第2入力油圧
    室(552)には前記比例増圧弁(Vf,Vr)の倍力
    ポート(22)を,また出力油圧室(54)には前記車
    輪ブレーキ(Bfa,Bfb,Bra,Brb)をそれ
    ぞれ接続したことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記2次マスタシリンダ(M2 f,M2 r)
    の作動ピストン(53)に,前部の大径ピストン部(5
    3b)と,それより小径の後部の小径ピストン部(53
    s)とを形成し,これら大径ピストン部(53b)及び
    小径ピストン部(53s)間に前記第1入力油圧室(5
    1 )を画成し,小径ピストン部(53s)及び前記シ
    リンダ孔(51)の後端面間で前記第2入力油圧室(5
    2 )を画成したことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍
    力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記比例増圧弁(Vf,Vr)の倍力ポート
    (22)と車輪ブレーキ(Bfa,Bfb,Bra,B
    rb)との間に,2次マスタシリンダ(M2 f,M
    2 r)を配設し,この2次マスタシリンダ(M2 f,M
    2 r)には,シリンダボディ(50)と,このシリンダ
    ボディ(50)のシリンダ孔(51)に前後動可能に嵌
    装されて,そのシリンダ孔(51)内に前部の出力油圧
    室(54),中間部の補給油室(85),後部の第1入
    力油圧室(871 )及び最後部の第2入力油圧室(87
    2 )を画成する作動ピストン(53)と,この作動ピス
    トン(53)を後退方向に付勢する戻しばね(57)
    と,前記作動ピストン(53)の後退位置では前記補給
    油室(85)及び出力油圧室(54)間を連通し,前記
    作動ピストン(53)の前進位置ではその間を遮断する
    弁手段(60)とを備え,前記作動ピストン(53)に
    は,前後両端面を前記出力油圧室(54)及び補給油室
    (85)に臨ませる前部の大径ピストン部(53b)
    と,前後両端面を前記補給油室(85)及び第1入力油
    圧室(871 )に臨ませる中間ピストン部(53m)
    と,この中間ピストン部(53m)より小径で後端面を
    前記第2入力油圧室(872)に臨ませる小径ピストン
    部(53s)とを形成し,前記第1及び第2入力油圧室
    (871 ,872 )の一方には前記1次マスタシリンダ
    (M1 )の出力ポート(1f,1r)を,他方には前記
    比例増圧弁(Vf,Vr)の倍力ポート(22)をそれ
    ぞれ接続し,また前記出力油圧室(54)には前記車輪
    ブレーキ(Bfa,Bfb,Bra,Brb)を,前記
    補給油室(85)には前記作動油タンク(11)をそれ
    ぞれ接続したことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のブレーキ
    用油圧倍力装置において,前記スプール弁体(17)を
    前記制御ピストン(16)より小径に形成すると共に,
    このスプール弁体(17)の,前記制御ピストン(1
    6)と反対側の外端面が臨む反力室(26)を前記弁孔
    (19)に画成し,この反力室(26)を前記倍力ポー
    ト(22)に連通したことを特徴とする,ブレーキ用油
    圧倍力装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記制御ピストン(16)には,これを所定
    のセット荷重をもって前記制御油圧室(23)側へ付勢
    する戻しばね(25)を連結したことを特徴とする,ブ
    レーキ用油圧倍力装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記比例増圧弁として,前輪ブレーキ(Bf
    a,Bfb)及び後輪ブレーキ(Bra,Brb)にそ
    れぞれ対応する前部比例増圧弁(Vf)及び後部比例増
    圧弁(Vr)を併設し,後部比例増圧弁(Vr)におけ
    る反力室(26)に臨むスプール弁体(17)の受圧面
    積と,制御油圧室(23)に臨む制御ピストン(16)
    の受圧面積との比を,前部比例増圧弁(Vf)における
    反力室(26)に臨むスプール弁体(17)の受圧面積
    と,制御油圧室(23)に臨む制御ピストン(16)の
    受圧面積との比より大きく設定すると共に,前部比例増
    圧弁(Vf)及び後部比例増圧弁(Vr)の各戻しばね
    (25)のセット荷重を,前部比例増圧弁(Vf)の作
    動開始油圧が後部比例増圧弁(Vr)のそれより高くな
    るように設定したことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍
    力装置。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7の何れかに記載のブレーキ
    用油圧倍力装置において,前記油圧源(5)を,油圧ポ
    ンプ(6)と,この油圧ポンプ(6)の吐出油圧を蓄圧
    するアキュムレータ(7)とで構成する一方,前記2次
    マスタシリンダ(M2 f,M2 r)の出力油圧室(5
    4)を前記車輪ブレーキ(Bfa,Bfb,Bra,B
    rb)に接続する主ブレーキ油路(3f,3r)に,前
    記倍力ポート(22)から延出するアンチロックブレー
    キ油路(71)を接続し,この接続点の上流側で前記主
    ブレーキ油路(3f,3r)を開通すると共に前記アン
    チロックブレーキ油路(71)を閉鎖する状態と,前記
    主ブレーキ油路(3f,3r)を閉鎖すると共に前記ア
    ンチロックブレーキ油路(71)を開通する状態とに切
    換え可能な第1アンチロック制御弁手段(731 )を設
    け,また前記接続点の下流側で前記主ブレーキ油路(3
    f,3r)に排出油路(77)を接続し,この接続点の
    上流側で前記主ブレーキ油路(3f,3r)を開通する
    と共に前記排出油路(77)を閉鎖する状態と,前記主
    ブレーキ油路(3f,3r)を閉鎖すると共に前記排出
    油路(77)を開通する状態と,前記主ブレーキ油路
    (3f,3r)及び前記排出油路(77)を共に閉鎖す
    る状態とに切換え可能な第2アンチロック制御弁手段
    (732 )を設けたことを特徴とする,ブレーキ用油圧
    倍力装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のブレーキ用油圧倍力装置
    において,前記排出油路(77)の下流端を前記1次マ
    スタシリンダ(M1 )の作動油タンク(11)に開放し
    たことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のブレーキ用油圧倍力装
    置において,前記油圧ポンプ(6)及び前記作動油タン
    ク(11)間を接続する吸入油路(10)に逆流防止用
    の一方向弁(121 )を設け,この一方向弁(121
    と前記油ポンプ(6)との間の吸入油路(10)に前記
    排出油路(77)の下流端を接続すると共に,この排出
    油路(77)に油圧リザーバ(78)を接続したことを
    特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装置。
  11. 【請求項11】 請求項2〜10の何れかに記載のブレ
    ーキ用油圧倍力装置において,前記1次マスタシリンダ
    (M1 )及び前記2次マスタシリンダ(M2 f,M
    2r)間を接続する入力油路(2f,2r)に,前記ア
    キュムレータ(7)に連なる補助入力油路(81)を接
    続し,この接続点の上流側で前記入力油路(2f,2
    r)を開通すると共に前記補助入力油路(81)を閉鎖
    する状態と,前記入力油路(2f,2r)を閉鎖すると
    共に前記補助入力油路(81)を開通する状態とに切換
    え可能な自動ブレーキ制御弁手段(83)を設けたこと
    を特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装置。
  12. 【請求項12】 請求項2〜11の何れかに記載のブレ
    ーキ用油圧倍力装置において,前記比例増圧弁(Vf,
    Vr)及び2次マスタシリンダ(M2 f,M2 r)を平
    行に隣接配置すると共に,この比例増圧弁(Vf,V
    r)のケーシング(13)と2次マスタシリンダ(M2
    f,M2 r)のシリンダボディ(50)とを一体化した
    ことを特徴とする,ブレーキ用油圧倍力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7350853B2 (ja) 2019-06-19 2023-09-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 制御装置及び制御方法

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