JP3901372B2 - ブレーキ用油圧倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、自動二輪車等の車両のブレーキを油圧をもって倍力作動させ得るブレーキ用油圧倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるブレーキ用油圧倍力装置は、例えば特公平4−864号公報に開示されているように、既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のブレーキ用油圧倍力装置は、ブレーキペダルに連なる弁ピストンによって作動される油圧ブースタと、この油圧ブースタのピストンによって作動されるマスタシリンダとを直列に連結して構成しているので、その全長が極めて長いものとなり、車両の限られた狭隘なスペースに設置することが困難なことがある。
【0004】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、構成要素の配置を自由にできて、限られた狭隘なスペースでも容易に設置することができるようにした、ブレーキ用油圧倍力装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の油圧倍力装置は、ブレーキ操作入力に応じて出力油圧を発生する1次マスタシリンダと油圧源とこの油圧源のための作動油を貯留する作動油タンクと、1次マスタシリンダを作動させたとき、その出力油圧に比例した、車輪ブレーキ作動用の倍力油圧を出力する比例増圧弁とを備えたブレーキ用油圧倍力装置であって、その比例増圧弁は、1次マスタシリンダの出力油圧を導入する制御油圧室と、前記倍力油圧を発生する倍力油圧室、これら制御油圧室及び倍力油圧室の油圧応じて、制御油圧室寄りの後退位置と倍力油圧室寄りの前進位置との間を移動する制御ピストン手段、この制御ピストン手段の前進・後退に対応して油圧源及び倍力油圧室間を開・閉する入口弁、制御ピストン手段の前進・後退に対応して倍力油圧室及び作動油タンク間を閉・開する出口弁とを有していると共に、制御ピストン手段には、1次マスタシリンダの出力油圧を前進方向の押圧力として受けるように制御油圧室に受圧面を臨ませる制御ピストンと、この制御ピストンに連結されると共に該制御ピストンの受圧面よりも受圧面積の小さな受圧面を倍力油圧室に臨ませていて、その倍力油圧室の発生油圧を後退方向の反力として受ける反力ピストンとが設けられ、ブレーキ操作入力時において、制御油圧室の油圧上昇に応じて制御ピストン手段が前進して出口弁を閉弁し且つ入口弁を開弁することで倍力油圧室に倍力油圧が発生したときは、反力ピストンの反力で制御ピストン手段が後退して出口弁を開弁し且つ入口弁を閉弁することにより倍力油圧室の油圧が減少する作用と、その減圧により反力ピストンの反力が制御ピストンの押圧力と釣り合って出口弁及び入口弁を共に閉弁することにより倍力油圧室の油圧が保持される作用と、制御油圧室の更なる油圧上昇で制御ピストンの押圧力が反力ピストンの反力より大きくなって制御ピストン手段が再前進して出口弁を閉弁し且つ入口弁を開弁することにより倍力油圧室の油圧が増大する作用とが繰り返されることにより、制御油圧室の油圧に比例して倍力油圧室の油圧が増圧制御されるようにしたことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば、1次マスタシリンダを作動させたとき、その出力油圧に比例した倍力油圧を比例増圧弁から出力することができ、これにより車輪ブレーキを強力に作動することができる。また上記反力ピストンの特設により、比例増圧弁の作動中、それが出力する倍力油圧(即ちブレーキ力)に応じた適当な反力が1次マスタシリンダにフィードバックされることになり、操縦者は良好な操作フィーリングを感受することができる。しかも1次マスタシリンダ及び比例増圧弁は、互いに干渉し合うことなく、個々に車両の狭隘なエンジンルームにでも容易に配置することができる。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記比例増圧弁の倍力油圧室と車輪ブレーキとの間に、2次マスタシリンダを配設し、この2次マスタシリンダには、シリンダボディと、このシリンダボディのシリンダ孔に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔内部を前部の出力油圧室、中間部の第1入力油圧室及び後部の第2入力油圧室に区画する作動ピストンと、この作動ピストンを後退方向に付勢する戻しばねと、作動ピストンの後退位置では第1入力油圧室及び出力油圧室間を連通し、作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手段とを備え、第1入力油圧室には前記1次マスタシリンダの出力ポートを、第2入力油圧室には前記比例増圧弁の倍力油圧室を、また出力油圧室には前記車輪ブレーキをそれぞれ接続したことを第2の特徴とする。
【0008】
この第2の特徴によれば、油圧源や比例増圧弁の失陥により、2次マスタシリンダの第2入力油圧室を昇圧させ得ない場合でも、1次マスタシリンダの出力油圧を車輪ブレーキに直接伝達して、それを作動させ、フェールセーフを確保することができる。
【0009】
さらに本発明は、第2の特徴に加えて、前記2次マスタシリンダの作動ピストンに、前部の大径ピストン部と、それより小径の後部の小径ピストン部とを形成し、これら大径ピストン部及び小径ピストン部間に前記第1入力油圧室を画成し、小径ピストン部及び前記シリンダ孔の後端面間で前記第2入力油圧室を画成したことを第3の特徴とする。
【0010】
この第3の特徴によれば、2次マスタシリンダの第1入力油圧室に供給される1次マスタシリンダの出力油圧も作動ピストンに推力として加わることになり、ブレーキ力を高めることができる。
【0011】
さらにまた本発明は、第1の特徴に加えて、前記比例増圧弁の倍力油圧室と車輪ブレーキとの間に、2次マスタシリンダを配設し、この2次マスタシリンダには、シリンダボディと、このシリンダボディのシリンダ孔に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔内に前部の出力油圧室、中間部の補給油室、後部の第1入力油圧室及び最後部の第2入力油圧室を画成する作動ピストンと、この作動ピストンを後退方向に付勢する戻しばねと、前記作動ピストンの後退位置では前記補給油室及び出力油圧室間を連通し、前記作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手段とを備え、前記作動ピストンには、前後両端面を前記出力油圧室及び補給油室に臨ませる前部の大径ピストン部と、前後両端面を前記補給油室及び第1入力油圧室に臨ませる中間ピストン部と、この中間ピストン部より小径で後端面を前記第2入力油圧室に臨ませる小径ピストン部とを形成し、前記第1及び第2入力油圧室の一方には前記1次マスタシリンダの出力ポートを、他方には前記比例増圧弁の倍力油圧室をそれぞれ接続し、また前記出力油圧室には前記車輪ブレーキを、前記補給油室には前記作動油タンクをそれぞれ接続したことを第4の特徴とする。
【0012】
この第4の特徴によれば、第2マスタシリンダの作動ピストンには、第1マスタシリンダの出力油圧による推力と、比例増圧弁の倍力油圧による推力とが加算されて加わることになり、作動ピストンを強力に作動することができる。しかも、油圧源や比例増圧弁が失陥した場合でも、1次マスタシリンダの出力油圧により2次マスタシリンダを作動させて、車輪ブレーキを作動させ、フェールセーフを確保することができる。
【0013】
さらにまた本発明は、第1〜第4の特徴の何れかに加えて、前記制御ピストン手段には、これを所定のセット荷重をもって前記制御油圧室側へ付勢する戻しばねを連結したことを第の特徴とする。
【0014】
この第の特徴によれば、戻しばねのセット荷重の設定により、1次マスタシリンダの出力油圧が所望の値まで上昇してから比例増圧弁の作動を開始させることができる。
【0015】
さらにまた本発明は、第1〜第5の特徴の何れかに加えて、前記比例増圧弁として、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキにそれぞれ対応する前部比例増圧弁及び後部比例増圧弁を併設し、後部比例増圧弁の反力ピストンの受圧面積を前部比例増圧弁の反力ピストンのそれより大きく設定すると共に、後部比例増圧弁の戻しばねのセット荷重を前部比例増圧弁の戻しばねのそれより小さくしたことを第の特徴とする。
【0016】
この第の特徴によれば、特別な比例減圧弁を用いずとも、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ力配分を制動効率上、望ましい比率で行うことができる。
【0017】
さらにまた本発明は、第1〜6の特徴の何れかに加えて、前記油圧源を、油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油圧を蓄圧するアキュムレータとで構成する一方、前記2次マスタシリンダの出力油圧室を前記車輪ブレーキに接続する主ブレーキ油路に、前記倍力油圧室から延出するアンチロックブレーキ油路を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記アンチロックブレーキ油路を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記アンチロックブレーキ油路を開通する状態とに切換え可能な第1アンチロック制御弁手段を設け、また前記接続点の下流側で前記主ブレーキ油路に排出油路を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記排出油路を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記排出油路を開通する状態と、前記主ブレーキ油路及び前記排出油路を共に閉鎖する状態とに切換え可能な第2アンチロック制御弁手段を設けたことを第の特徴とする。
【0018】
この第の特徴によれば、車輪ブレーキのアンチロック制御は、主ブレーキ油路を途中で閉鎖して、その下流側で車輪ブレーキの油圧を排出油路へ逃がしたり、アキュムレータの油圧を車輪ブレーキに供給したり、車輪ブレーキの油圧を保持したりして行われるので、この制御中、車輪ブレーキの油圧変動が1次及び2次マスタシリンダには伝達されず、したがって1次マスタシリンダに対する操作量の無用な増加や、操縦者に不快感を与えるキックバック現象の発生を防ぐことができる。
【0019】
さらにまた本発明は、第の特徴に加えて、前記排出油路の下流端を前記マスタシリンダの作動油タンクに開放したことを第の特徴とする。
【0020】
この第の特徴によれば、アンチロック制御のための車輪ブレーキの減圧構造を簡単に構成することができる。
【0021】
さらにまた本発明は、第の特徴に加えて、前記油圧ポンプ及び前記作動油タンク間を接続する吸入油路に逆流防止用の一方向弁を設け、この一方向弁と前記油ポンプとの間の吸入油路に前記排出油路の下流端を接続すると共に、この排出油路に油圧リザーバを接続したことを第の特徴とする。
【0022】
この第の特徴によれば、アンチロック制御のための車輪ブレーキの減圧は、車輪ブレーキから排出油路へ逃がした油圧を油圧リザーバに吸収させることにより行われる。しかもアキュムレータの蓄圧のために油圧ポンプが作動するとき、先に油圧リザーバに吸収させた油圧は該油圧ポンプによりアキュムレータに送られるので、油圧ポンプの負荷を増大させることもない。また万一、第2アンチロック制御弁手段の故障により排出油路が開き放しになった場合でも、車輪ブレーキから作動油タンクへの油圧解放を一方向弁により阻止して、車輪ブレーキの通常の作動を確保することができる。
【0023】
さらにまた本発明は、第1〜第9の特徴の何れかに加えて、前記1次マスタシリンダ及び前記2次マスタシリンダ間を接続する入力油路に、前記アキュムレータに連なる補助入力油路を接続し、この接続点の上流側で前記入力油路を開通すると共に前記補助入力油路を閉鎖する状態と、前記入力油路を閉鎖すると共に前記補助入力油路を開通する状態とに切換え可能な自動ブレーキ制御弁手段を設けたことを第10の特徴とする。
【0024】
さににまた本発明は、第1〜第10の特徴の何れかに加えて、前記比例増圧弁及び2次マスタシリンダを平行に隣接配置すると共に、この比例増圧弁のケーシングと2次マスタシリンダのシリンダボディとを一体化したことを第11の特徴とする。
【0025】
この第11の特徴によれば、比例増圧弁及び2次マスタシリンダの組立体を簡単且つコンパクトに構成でき、狭隘なスペースへの設置を容易に行うことができる。
【0026】
【実施例の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0027】
図1〜図3は本発明の第1実施例を示すもので、図1は本発明のブレーキ用油圧倍力装置を備えた自動車用ブレーキの油圧回路図、図2は図1における比例増圧弁及び第2マスタシリンダの拡大縦断面図、図3は2次マスタシリンダの特性線図、図4は本発明の第2実施例を示す、図1に対応する油圧回路図、図5及び図6は本発明の第3実施例を示すもので、図5はブレーキ用油圧倍力装置の縦断面図、図6(A)は前部2次マスタシリンダの特性線図、図6(B)は後部2次マスタシリンダの特性線図、図6(C)は前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ力配分特性線図、図7は本発明の第4実施例を示すブレーキ用油圧倍力装置の縦断面図である。
【0028】
先ず、本発明の第1実施例の説明より始める。図1において、1次マスタシリンダM1 は、ブレーキペダルPからピストンに加えられる入力に応じてブレーキ油圧を出力する一対の前部及び後部出力ポート1f ,1rを備えるタンデム型であり、その前部出力ポート1fから延出した前部入力油路2fに前部比例増圧弁Vf及び前部2次マスタシリンダM2 fが接続され、後部出力ポート1rから延出した後部入力油路2rに後部比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシリンダM2 rが接続される。また前部2次マスタシリンダM2 fから延出した前部主ブレーキ油路3fに、左右の前輪を制動する一対の前輪ブレーキBfa、Bfbが接続され、後部2次マスタシリンダM2 rから延出した後部主ブレーキ油路3rに、左右の後輪を制動する一対の後輪ブレーキBra、Brbが接続される。
【0029】
符号5は、前部及び後部比例増圧弁Vf、Vrに接続される共通の油圧源で、図示しない電動モータにより駆動される油圧ポンプ6と、その吐出油圧を蓄圧するアキュムレータ7とからなっている。このアキュムレータ7の油圧は油圧センサ8により検知され、その検知油圧が下限値以下になると油圧ポンプ6を作動し、上限値以上になると油圧ポンプ6の作動を停止するようになっている。
【0030】
油圧ポンプ6の吸入側は、吸入油路10を介して1次マスタシリンダM1 の作動油タンク11に接続され、その途中に逆流防止用の、並列する第1及び第2一方向弁121 ,122 が設けられる。
【0031】
前部比例増圧弁Vf及び前部2次マスタシリンダM2 fを含む、前輪ブレーキBfa、Bfb用の油圧回路と、後部比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシリンダM2 rを含む、後輪ブレーキBra、Brb用の油圧回路とは同一の構成を有するので、それらを代表して前輪ブレーキBfa、Bfb用の油圧回路について、図1及び図2により説明する。
【0032】
先ず、図2において、前部比例増圧弁Vfは、ケーシング13と、その一端に隔壁板14を挟んで接合されるキャップ15と、ケーシング13の他端に接合される蓋板16とを備える。キャップ15は、隔壁板14で開口面を閉鎖される有底のシリンダ孔17を有しており、それに摺動自在に嵌装される制御ピストン18により、該シリンダ孔17内は、隔壁板14側の大気圧室19と、それと反対側の制御油圧室20とに区画され、その制御油圧室20に前記前部入力油路2fが接続される。
【0033】
ケーシング13は、隔壁板14で開口面を閉鎖される有底のシリンダ孔21を有しており、それに弁ピストン22が摺動自在に嵌装されると共に、該ピストン22を隔壁板14に向けて付勢する戻しばね23が収容される。上記制御ピストン18及び弁ピストン22により制御ピストン手段32が構成される。
【0034】
隔壁板14には、その中心部に透孔24が穿設される一方、制御ピストン18には、上記透孔24を貫通して、弁ピストン22の端面に当接する小軸18sが突設され、この小軸18sを介して制御ピストン18は弁ピストン22を押動することができる。
【0035】
弁ピストン22には、その両端面間を連通する通孔25と、隔壁板14との対向面で通孔25を前記透孔24に連通する溝26とが設けられ、これらによって、ケーシング13のシリンダ孔21内各部は前記大気圧室19と連通される。このシリンダ孔21又は大気圧室19に戻し油路27が接続され、この戻し油路27の下流端は、前記第1及び第2一方向弁121 ,122 と作動油タンク11との間の吸入油路10に接続される。
【0036】
またケーシング13には、それと一体の隔壁13wを挟んで前記シリンダ孔21と軸方向に並び且つ蓋板16で開口面を閉鎖される有底の装着孔28が設けられており、それに弁ハウジング29が固定的に装着され、それにより装着孔28の底部に倍力油圧室30が画成される。前記弁ピストン22には、隔壁13wを油密且つ摺動自在に貫通して先端を倍力油圧室30に臨ませる反力ピストン31が一体に形成される。この反力ピストン31は、前記制御ピストン18より充分に小径とされる。
【0037】
弁ハウジング29には、アキュムレータ7及び倍力油圧室30間の油路を開閉する入口弁33が設けられる。即ち、入口弁33は、アキュムレータ7から延出する高圧油路34が接続される弁室35と、この弁室35を前記倍力油圧室30に連通する弁孔36と、弁室35に収容されて、弁孔36を閉じるべくばね付勢されるチェック弁37と、弁孔36を緩く貫通してチェック弁37に対向する開弁棒38とから構成され、この開弁棒38は、前記反力ピストン31により押動されるとチェック弁37を開くようになっている。
【0038】
また弁ピストン22には、倍力油圧室30と弁ピストン22の溝26との間の油路を開閉する出口弁40が設けられる。即ち、出口弁40は、反力ピストン31の通孔41を介して倍力油圧室30に連通する弁室42と、この弁室42を弁ピストン22の溝26に連通する弁孔43と、弁室42に収容されて、弁孔43を閉じるべくばね付勢されるチェック弁44と、弁孔43を緩く貫通してチェック弁44に対向する開弁棒45とから構成され、この開弁棒45は、弁ピストン22の後退時、隔壁板14により押動されるとチェック弁44を開くようになっている。
【0039】
次に、前部2次マスタシリンダM2 fは、前部比例増圧弁Vfのケーシング13と一体に形成されたシリンダボディ50と、このシリンダボディ50の有底のシリンダ孔51の前方開口面を閉鎖する端板52とを備える。シリンダ孔51は、大径孔部51b及び小径孔部51sを有する段付きに形成されており、それらに対応した大径ピストン部53b及び小径ピストン部53sを有する作動ピストン53がシリンダ孔51に摺動自在に嵌装される。この作動ピストン53によりシリンダ孔51内は、前部の出力油圧室54、中間の第1入力油圧室551 及び後部の第2入力油圧室552 の三室に区画される。そして第1入力油圧室551 には前部入力油路2fが、出力油圧室54には前記主ブレーキ油路3fがそれぞれ接続される。また第2入力油圧室552 は、シリンダボディ50及びケーシング13に設けられた連通孔56を介して倍力油圧室30に接続される。また出力油圧室54には、作動ピストン53を後退方向へ付勢する戻しばね57が収容される。
【0040】
作動ピストン53には、その中間部を横断して第1入力油圧室551 に開口する長孔58と、この長孔58から大径ピストン部53bの中心部を貫通するリリーフポート59とが形成されると共に、このリリーフポート59を開閉する弁手段としてのリリーフポート弁60が設けられる。上記長孔58は、作動ピストン53の摺動ストロークよりも長い長径を該ピストン53の軸方向に向けて配置される。
【0041】
リリーフポート弁60は、大径ピストン部53bの前端面に形成される有底の円筒状弁室61を有し、その底面にリリーフポート59の前端が開口する。弁室61には、リリーフポート59に弁杆62sを遊挿したポペット弁体62の傘部62fと、リリーフポート59を閉じるべく傘部62fをリリーフポート59側へ付勢する弁ばね63とが収容される。この弁ばね63の固定端を支持するリテーナ64が大径ピストン部53bの先端に嵌着され、このリテーナ64には、弁室61及び出力油圧室54間を連通する通孔65が穿設されている。
【0042】
シリンダボディ50には、作動ピストン53の前記長孔58を貫通する開弁棒66の両端が固定される。この開弁棒66は、作動ピストン53が後退位置を占めるとき、ポペット弁体62の後端を受け止めて、それを開弁させるように配置される。したがって、作動ピストン53の前進時には、ポペット弁体62は直ちに開弁棒66から離れて、弁ばね63の付勢力で閉弁することができる。
【0043】
再び図1において、前部2次マスタシリンダM2 fの出力油圧室54を左前輪ブレーキBfa及び右前輪ブレーキBfbに接続する主ブレーキ油路3fは、出力油圧室54に連なる上流油路67と、それから分岐して左前輪ブレーキBfa及び右前輪ブレーキBfbにそれぞれ至る左下流油路68a及び右下流油路68bとから構成され、その上流油路67にアンチロック制御用の常開型遮断弁70が介裝される。またこの遮断弁70の下流側で上流油路67には、前部2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室552 に連なるアンチロックブレーキ油路71が接続され、該油路71にアンチロック制御用の常閉型第1入口弁72が介裝される。これらアンチロック制御用の遮断弁70及び第1入口弁72により第1アンチロック制御弁手段731 が構成される。
【0044】
さらに左右の下流油路68a,68bには、アンチロック制御用の常開型第2入口弁74,74と、一方向弁75,75とが並列に接続される。一方向弁75,75は、対応する第2入口弁74,74の閉弁時、前輪ブレーキBfa、Bfbから前部2次マスタシリンダM2 f側への油圧の戻りを許容するものである。
【0045】
第2入口弁74,74及び一方向弁75,75の下流側で下流油路68a,68bに排出油路77,77が接続され、これら排出油路77,77にアンチロック制御用の常閉型出口弁76,76が介裝される。
【0046】
排出油路77,77の下流端は、一本の油路に纏められて、前記第1一方向弁121 及び油圧ポンプ6間の吸入油路10に接続され、また一本に纏められた排出油路77に油圧リザーバ78が接続される。
【0047】
上記アンチロック制御用の第2入口弁74及び出口弁76により第2アンチロック制御弁手段732 が構成される。
【0048】
尚、後輪ブレーキBra、Brb側の排出油路77の下流端は、前記第2一方向弁122 及び油圧ポンプ6間の吸入油路10に接続される。
【0049】
また前部入力油路2fには自動ブレーキ用の常開型出口弁80が介裝され、この出口弁80の下流側で前部入力油路2fとアキュムレータ7とを結ぶ補助入力油路81に自動ブレーキ用の常閉型入口弁82が介裝される。これら自動ブレーキ用の出口弁80及び入口弁82により自動ブレーキ制御弁手段83が構成される。
【0050】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0051】
ブレーキペダルPの踏み込み操作時、1次マスタシリンダM1 の前部及び後部出力ポート1f,1rから出力される油圧は、前部及び後部2次マスタシリンダM2 f、M2 rの第1入力油圧室551 と、前部及び後部比例増圧弁Vf、Vrの制御油圧室20に供給される。
【0052】
前部2次マスタシリンダM2 fの第1入力油圧室551 に供給された油圧は開弁状態のリリーフポート弁60を通して出力油圧室54、及び前部主ブレーキ油路3fを順次経て、前輪ブレーキBfa、Bfbに伝達して、これらを通常通り作動する。
【0053】
一方、前部比例増圧弁Vfの制御油圧室20に供給された油圧が戻しばね23のセット荷重により規定される所定値以上になると、その油圧により制御ピストン18が戻しばね23を圧縮させつゝ弁ピストン22と共に前進するので、出口弁40では、開弁棒45が隔壁板14から解放されることからチェック弁44が閉じ、続いて、弁ピストン22の前進により反力ピストン31が入口弁33の開弁棒38を押動するので、チェック弁37を開く。すると、アキュムレータ7の油圧が入口弁33を通って、倍力油圧室30に伝達する。その油圧は反力ピストン31の端面に作用して反力を及ぼし、その反力は、弁ピストン22及び制御ピストン18を後退方向へ付勢する。その結果、その反力が、制御油圧室20の油圧による制御ピストン18の押圧力より大となると、両ピストン18,22は後退して、入口弁33を閉弁すると共に、出口弁40を開弁し、これによりアキュムレータ7から倍力油圧室30への油圧の供給を遮断すると共に、倍力油圧室30から大気圧室19側へ油圧をリークさせる。そして制御油圧室20の油圧による制御ピストン18の押圧力が上記反力と釣り合うと、入口弁33及び出口40は共に閉弁して、倍力油圧室30の油圧を保持する。また制御油圧室20の油圧による制御ピストン18の押圧力が上記反力を上回ると、再び両ピストン18,22が前進して、出口弁40を閉弁すると共に、入口弁33を開弁するので、アキュムレータ7から倍力油圧室30への油圧の供給が再開される。このような作用の繰返により、倍力油圧室30の油圧は、制御油圧室20の油圧、即ち1次マスタシリンダM1 の出力油圧に比例して増圧制御される。
【0054】
このように制御される倍力油圧室30の油圧は、連通孔56を経て前部2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室552 に伝達して、作動ピストン53の小径ピストン部53sを押圧するので、作動ピストン53は前進する。作動ピストン53が前進すると、前述のようにリリーフポート弁60が直ちに閉弁するので、作動ピストン53の前進に応じて、出力油圧室54に油圧が発生し、その油圧は前部主ブレーキ油路3fに出力されて前輪ブレーキBfa、Bfbに伝達し、これらを倍力作動することになる。
【0055】
この間、倍力油圧室30の油圧は反力ピストン31に反力を与え続け、それは油圧的にブレーキペダルPまでフィードバックされるので、操縦者は倍力油圧室30の油圧の大きさ、即ちブレーキ力を感知して、良好な操作フィーリングを得ることができる。
【0056】
また前部2次マスタシリンダM2 fの作動ピストン53は前側の大径ピストン部53b及び後側の小径ピストン部53sを備え、これらの対向面に、第1入力油圧室551 に油圧、即ち1次マスタシリンダM1 の出力油圧を受けるので、リリーフポート弁60が閉弁した状態では、上記対向面の面積差に第1入力油圧室551 の油圧を乗じた推力も作動ピストン53に加わることになり、出力油圧室54の発生油圧の増強に寄与する。
【0057】
この間のブレーキペダルPの1次マスタシリンダM1 に対する入力と、2次マスタシリンダM2 fの出力油圧との関係を示すと、図3のようになる。
【0058】
また万一、油圧源5に失陥が生じて、倍力油圧室30が昇圧不能となった場合には、第2マスタシリンダM2 fの作動ピストン53は後退限から前進することができず、リリーフポート弁60を開弁状態にしているから、1次マスタシリンダM1 から前部2次マスタシリンダM2 fの第1入力油圧室551 に供給された油圧が、開弁状態のリリーフポート59を通過して出力油圧室54に伝達することができるから、前輪ブレーキBfa、Bfbを1次マスタシリンダM1 の出力油圧により作動することができ、フェールセーフが確保される。
【0059】
制動中、前輪がロックしそうになると、その状況を感知した図示しない電子コンピュータにより、アンチロック制御用の遮断弁70及び第2入口弁74,74を閉弁すると共に、出口弁76,76を開弁するので、前輪ブレーキBfa、Bfbから戻し油路27へ油圧を逃がし、これを直ちに油圧リザーバ78に吸収させ、これにより左右の前輪のロックを未然に回避することができる。
【0060】
前輪ブレーキBfa、Bfbのブレーキ油圧が適当になると、出口弁76,76のみが閉弁状態に戻されて、そのブレーキ油圧を保持する。またそのブレーキ油圧を回復する必要があるときは、第1入口弁72が開弁する一方、第2入口弁74,74が開弁状態に戻されると共に、第2出口弁76,76も閉弁状態に戻されるので、今度は倍力油圧室30の油圧が第1入口弁72及び第2入口弁74,74を経て前輪ブレーキBfa、Bfbに供給され、そのブレーキ油圧を回復することができる。こうして、前輪ブレーキBfa、Bfbは、前輪をロックさせることなく効率良く作動することができる。
【0061】
このようなアンチロック制御中は、主ブレーキ油路3fの上流油路67はアンチロック制御用の遮断弁70により遮断され続けるので、1次マスタシリンダM1 の送り出した作動油が無用に消費されることもないから、ブレーキペダルPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。
【0062】
このようなアンチロック制御中、主ブレーキ油路3fの上流油路67はアンチロック制御用の遮断弁70により遮断され続けるので、前輪ブレーキBfa、Bfbの油圧変動が1次マスタシリンダM1 側へ伝達するキックバック現象が起こらないのみならず、1次マスタシリンダM1 の送り出した作動油が無用に消費されることもないから、ブレーキペダルPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。
【0063】
油圧リザーバ78に吸収させた油圧は、油圧ポンプ6がアキュムレータ7の低下した油圧を回復すべく作動したとき、作動油タンク11の作動油と共に、油圧ポンプ6に吸入されて、アキュムレータ7に供給される。
【0064】
このように、比較的高価な油圧ポンプ6は、アキュムレータ7の蓄圧用と、ブレーキ油圧の還流用とに共用されるので、コストの低減を図ることができる。しかも油圧リザーバ78の存在により、アンチロック制御中、絶え間なく油圧ポンプ6を作動させ続ける必要もないから、電力消費を極力抑えることができる。
【0065】
また第2出口弁76を介装した排出油路77の下流端は、第1一方向弁121 及び油圧ポンプ6間の吸入油路10に接続されているから、万一、第2出口弁76が故障により開弁の膠着状態を起こしても、前輪ブレーキBfa、Brbのブレーキ油圧が作動油タンク11及び戻し油路27へリークすることを第1及び第2一方向弁121 ,122 によって阻止することができる。
【0066】
ブレーキペダルPから1次マスタシリンダM1 への操作力を解除すると、上記各弁70,72,74,76は当初の状態に復帰する一方、前部比例増圧弁Vfにおいて、弁ピストン22が戻しばね23の付勢力で制御ピストン18と共に後退し、それに伴い入口弁33が閉弁すると共に出口弁40が開弁するので、アキュムレータ7から倍力油圧室30への油圧の供給が絶たれると共に、倍力油圧室30及び前部2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室552 の油圧が出口弁40を通って戻し油路27へ、そして1次マスタシリンダM1 の作動油タンク11へ戻される。
【0067】
また同時に、前部2次マスタシリンダM2 fの第1入力油室551 の油圧も、1次マスタシリンダM1 側へ解放されるので、作動ピストン53は、戻しばね57の付勢力をもって後退しながら出力油圧室54を減圧させていき、当初の後退限まで後退すると、ポペット弁体62が開弁棒66に受け止められて、リリーフポート弁60が開弁状態とされるので、出力油圧室54の油圧は、リリーフポート59から第1入力油圧室551 を経て1次マスタシリンダM1 側へ解放される。こうして前輪ブレーキBfa、Bfbは非作動状態に復帰する。
【0068】
車両の走行中、図示しない電子制御ユニットが自動ブレーキ用の出口弁80を閉弁すると共に、入口弁82を開弁すると、アキュムレータ7の油圧が補助入力油路81及び前部入力油路2fの下流部を経て前部2次マスタシリンダM2 fの第1入力油圧室551 に伝達し、開弁状態のリリーフポート弁60を通過して、出力油圧室54及び前部ブレーキ油路3fを経て、前輪ブレーキBfa、Bfbへと伝達するので、前輪ブレーキBfa、Bfbを自動的に作動することができる。このとき、出口弁80の閉弁により、アキュムレータ7の油圧の1次マスタシリンダM1 側へのリークは阻止される。
【0069】
その後、入口弁82及び出口弁80が当初の状態に戻されると、前部2次マスタシリンダM2 fの出力油圧室54の油圧は、開弁状態の出口弁80を経て1次マスタシリンダM1 の内部を通り、その作動油タンク11に戻ることになり、前輪ブレーキBfa、Bfbを非作動状態に自動的に復帰させることができる。
【0070】
このように、アキュムレータ7の油圧は、自動ブレーキの作動油圧としても利用されるので、これに蓄圧する油圧ポンプ6の付加価値を高めることができる。
【0071】
後部比例増圧弁Vr及び後部2次マスタシリンダM2 rも上記と同様に作動して後輪ブレーキBra、Brbを前輪ブレーキBfa、Bfbと同様に制御されるものである。
【0072】
ところで、1次マスタシリンダM1 、2次マスタシリンダM2 f、M2 r及び比例増圧弁Vf、Vrの三者を油路で接続するようにしたので、それらを個々に車両のエンジンルームの狭隘な場所に設置することが可能である。特に、図示例のように、2次マスタシリンダM2 f、M2 rのシリンダボディ50及び比例増圧弁Vf、Vrのケーシング13を一体化して、2次マスタシリンダM2 f、M2 r及び比例増圧弁Vf、Vrをそれぞれ平行に配置すると、構造の簡素化とコンパクト化を図ることができて、好都合である。
【0073】
次に、図4により本発明の第2実施例について説明する。
【0074】
この第2実施例では、戻し油路27及び排出油路77の各下流端を1次マスタシリンダM1 の作動油タンク11に直接接続して、第1及び第2一方向弁121 ,122 、並びに油圧リザーバ78を廃止し、構造の簡素化を図っている。その他の構成は、前実施例と同様であるので、図中、前実施例との対応部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
次に図5、図6により本発明の第実施例について説明する。
【0076】
図5に示すように、後部比例増圧弁Vrにおいて、弁ピストン22の戻しばね23のセット荷重は前部比例増圧弁Vf側の戻しばね23のそれより遙に小さく設定され、また反力ピストン31は前部比例増圧弁Vf側の反力ピストン31より大径に形成される。その他の構成は、第1実施例と同様であるので、図中、前実施例との対応部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
上記のように構成すると、前部比例増圧弁Vfは、前実施例の場合と同様に作動するので、前部2次マスタシリンダM2 fの出力特性も前記第1実施例の場合と同様に図6(A)に示すようなものとなる。一方、後部比例増圧弁Vrは、1次マスタシリンダM1 の作動開始と略同時に作動するので、図6(B)に示すように、後部2次マスタシリンダM2 rの出力油圧は、1次マスタシリンダM1 の略作動開始時から、その入力に比例して増圧制御される。その結果、前部2次マスタシリンダM2 fの出力油圧と後部2次マスタシリンダM2 rの出力油圧との関係は図6(C)の通りとなり、特別な比例減圧弁を用いずとも、前輪ブレーキBfa、Bfb及び後輪ブレーキBra、Brbのブレーキ力配分を制動効率上、望ましい比率で行うことができる。
【0078】
次に図7により本発明の第実施例について説明する。
【0079】
前部及び後部2次マスタシリンダM2 f、M2 rにおいて、作動ピストン53には、前部の大径ピストン部53bと後部の小径ピストン部53sとの間に、大径ピストン部53bと同径の中間ピストン部53mが形成される。即ち、小径ピストン部53sは中間ピストン部53mより小径になっている。そしてシリンダボディ50のシリンダ孔51において、大径ピストン部53b及び中間ピストン部53m間で補給油室85が、また中間ピストン部53m及び小径ピストン部53s間で第1入力油圧室871 が、さらに小径ピストン部53s及びシリンダ孔51の後端壁間で第2入力油圧室872 がそれぞれ画成される。補給油室85には、補給油路86を介して作動油タンク11が接続されると共に、リリーフポート弁60を介して出力油圧室54が連通され、第1及び第2入力油圧室871 ,872 の一方(図示例では第1入力油圧室871 )に連通孔56を介して比例増圧弁Vf、Vrの倍力油圧室30が連通され、またそれらの他方(図示例では第2入力油圧室872 )に1次マスタシリンダM1 から延出する入力油路2f,2rが接続される。
【0080】
その他の構成は、前記第1実施例と同様であるので、図中、第1実施例との対応部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0081】
而して、1次マスタシリンダM1 が作動されると、その出力油圧は、2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室872 及び比例増圧弁Vf、Vrの制御油圧室20に供給される。2次マスタシリンダM2 fの第2入力油圧室872 に供給された油圧は、直ちに作動ピストン53を前進させるので、リリーフポート弁60が閉弁して、出力油圧室54を通常通りに昇圧することができる。また制御油圧室20に供給された油圧が所定値以上に上昇すると、第1実施例の場合と同様に、比例増圧弁Vf、Vrの作動が開始して倍力油圧室30から第1入力油圧室871 に倍力油圧が供給され、これが作動ピストン53を更に前方へ押圧する。従って、作動ピストン53の前進推力は、第2入力油圧室872 に供給された1次マスタシリンダM1 の出力油圧が小径ピストン部53sに与える推力と、第1入力油圧室871 に供給された倍力油圧が中間ピストン部53mに与える推力との和となるから、2次マスタシリンダM2 fの出力特性は、第1実施例と同様なものとなる。
【0082】
この第実施例においても、2次マスタシリンダM2 fの第1及び第2入力油圧室871 ,872 がそれぞれ独立しているから、万一、油圧源5の失陥により、第1入力油圧室871 に倍力油圧が供給されない場合でも、1次マスタシリンダM1 から第2入力油圧室872 に供給される出力油圧によって作動ピストン53を作動せしめることができ、フェールセーフが確保される。
【0083】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、前部及び後部2次マスタシリンダVf、Vrのリリーフポート弁60に代えて、シリンダ孔51の内面に開口するリリーフポートを作動ピストン53前端のカップシールにより開閉するサイドポート型に構成することもできる。また本発明は自動二輪車のブレーキ用油圧倍力装置への適用も可能である。
【0084】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば、ブレーキ用油圧倍力装置が、ブレーキ操作入力に応じて出力油圧を発生する1次マスタシリンダと油圧源とこの油圧源のための作動油を貯留する作動油タンクと、1次マスタシリンダを作動させたとき、その出力油圧に比例した、車輪ブレーキ作動用の倍力油圧を出力する比例増圧弁とを備えたブレーキ用油圧倍力装置であって、その比例増圧弁は、1次マスタシリンダの出力油圧を導入する制御油圧室と、前記倍力油圧を発生する倍力油圧室、これら制御油圧室及び倍力油圧室の油圧応じて、制御油圧室寄りの後退位置と倍力油圧室寄りの前進位置との間を移動する制御ピストン手段、この制御ピストン手段の前進・後退に対応して油圧源及び倍力油圧室間を開・閉する入口弁、制御ピストン手段の前進・後退に対応して倍力油圧室及び作動油タンク間を閉・開する出口弁とを有していると共に、制御ピストン手段には、1次マスタシリンダの出力油圧を前進方向の押圧力として受けるように制御油圧室に受圧面を臨ませる制御ピストンと、この制御ピストンに連結されると共に該制御ピストンの受圧面よりも受圧面積の小さな受圧面を倍力油圧室に臨ませていて、その倍力油圧室の発生油圧を後退方向の反力として受ける反力ピストンとが設けられ、ブレーキ操作入力時において、制御油圧室の油圧上昇に応じて制御ピストン手段が前進して出口弁を閉弁し且つ入口弁を開弁することで倍力油圧室に倍力油圧が発生したときは、反力ピストンの反力で制御ピストン手段が後退して出口弁を開弁し且つ入口弁を閉弁することにより倍力油圧室の油圧が減少する作用と、その減圧により反力ピストンの反力が制御ピストンの押圧力と釣り合って出口弁及び入口弁を共に閉弁することにより倍力油圧室の油圧が保持される作用と、制御油圧室の更なる油圧上昇で制御ピストンの押圧力が反力ピストンの反力より大きくなって制御ピストン手段が再前進して出口弁を閉弁し且つ入口弁を開弁することにより倍力油圧室の油圧が増大する作用とが繰り返されることにより、制御油圧室の油圧に比例して倍力油圧室の油圧が増圧制御されるようにしたので、1次マスタシリンダを作動させたとき、その出力油圧に比例した倍力油圧を比例増圧弁から出力することができ、これにより車輪ブレーキを強力に作動することができる。また上記反力ピストンの特設により、比例増圧弁の作動中、それが出力する倍力油圧(即ちブレーキ力)に応じた適当な反力が1次マスタシリンダにフィードバックされることになり、操縦者は良好な操作フィーリングを感受することができる。しかも1次マスタシリンダ及び比例増圧弁は、互いに干渉し合うことなく、それぞれ車両の狭隘なエンジンルームにでも容易に配置することができる。
【0085】
また本発明はの第2の特徴によれば、前記比例増圧弁の倍力油圧室と車輪ブレーキとの間に、2次マスタシリンダを配設し、この2次マスタシリンダには、シリンダボディと、このシリンダボディのシリンダ孔に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔内部を前部の出力室、中間部の第1入力油圧室及び後部の第2入力油圧室に区画する作動ピストンと、この作動ピストンを後退方向に付勢する戻しばねと、作動ピストンの後退位置では第1入力油圧室及び出力油圧室間を連通し、作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手段とを備え、第1入力油圧室には前記1次マスタシリンダの出力ポートを、第2入力油圧室には前記比例増圧弁の倍力油圧室を、また出力油圧室には前記車輪ブレーキをそれぞれ接続したので、油圧源や比例増圧弁の失陥により、2次マスタシリンダの第2入力油圧室を昇圧させ得ない場合でも、1次マスタシリンダの出力油圧を車輪ブレーキに直接伝達して、それを作動させ、フェールセーフを確保することができる。
【0086】
さらに本発明の第3の特徴によれば、前記2次マスタシリンダの作動ピストンに、前部の大径ピストン部と、それより小径の後部の小径ピストン部とを形成し、これら大径ピストン部及び小径ピストン部間に前記第1入力油室を画成し、小径ピストン部及び前記シリンダ孔の後端面間で前記第2入力油圧室を画成したので、2次マスタシリンダの第1入力油圧室に供給される1次マスタシリンダの出力油圧も作動ピストンに推力として加わることになり、ブレーキ力を高めることができる。
【0087】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば、前記比例増圧弁の倍力油圧室と車輪ブレーキとの間に、2次マスタシリンダを配設し、この2次マスタシリンダには、シリンダボディと、このシリンダボディのシリンダ孔に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔内に前部の出力油圧室、中間部の補給油室、後部の第1入力油圧室及び最後部の第2入力油圧室を画成する作動ピストンと、この作動ピストンを後退方向に付勢する戻しばねと、前記作動ピストンの後退位置では前記補給油室及び出力油圧室間を連通し、前記作動ピストンの前進位置ではその間を遮断する弁手段とを備え、前記作動ピストンには、前後両端面を前記出力油圧室及び補給油室に臨ませる前部の大径ピストン部と、前後両端面を前記補給油室及び第1入力油圧室に臨ませる中間ピストン部と、この中間ピストン部より小径で後端面を前記第2入力油圧室に臨ませる第2入力油圧室とを形成し、前記第1及び第2入力油圧室の一方には前記1次マスタシリンダの出力ポートを、他方には前記比例増圧弁の倍力油圧室をそれぞれ接続し、また前記出力油圧室には車輪ブレーキを、前記補給油室には前記作動油タンクをそれぞれ接続したので、第2マスタシリンダの作動ピストンには、第1マスタシリンダの出力油圧による推力と、比例増圧弁の倍力油圧による推力とが加算されて加わることになり、作動ピストンを強力に作動することができる。しかも、油圧源や比例増圧弁が失陥した場合でも、1次マスタシリンダの出力油圧により2次マスタシリンダを作動させて、車輪ブレーキを作動させ、フェールセーフを確保することができる
【0088】
さらにまた本発明の第の特徴によれば、前記制御ピストン手段に は、これを所定のセット荷重をもって前記制御油圧室側へ付勢する戻しばねを連結したので、その戻しばねのセット荷重の選定により、比例増圧弁の作動を開始させる、1次マスタシリンダの出力油圧の値を自由に設定することができる。
【0089】
さらにまた本発明の第の特徴によれば、前記比例増圧弁として、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキにそれぞれ対応する前部比例増圧弁及び後部比例増圧弁を併設し、後部比例増圧弁の反力ピストンの受圧面積を前部比例増圧弁の反力ピストンのそれより大きく設定すると共に、後部比例増圧弁の戻しばねのセット荷重を前部比例増圧弁の戻しばねのそれより小さくしたので、特別な比例減圧弁を用いずとも、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ力配分を制動効率上、望ましい比率で行うことができる。
【0090】
さらにまた本発明の第の特徴によれば、前記油圧源を、油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油圧を蓄圧するアキュムレータとで構成する一方、前記2次マスタシリンダの出力油圧室を前記車輪ブレーキに接続する主ブレーキ油路に、前記倍力油圧室から延出するアンチロックブレーキ油路を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記アンチロックブレーキ油路を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記アンチロックブレーキ油路を開通する状態とに切換え可能な第1アンチロック制御弁手段を設け、また前記接続点の下流側で前記主ブレーキ油路に排出油路を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路を開通すると共に前記排出油路を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路を閉鎖すると共に前記排出油路を開通する状態と、前記主ブレーキ油路及び前記排出油路を共に閉鎖する状態とに切換え可能な第2アンチロック制御弁手段を設けたので、車輪ブレーキのアンチロック制御制御中、車輪ブレーキの油圧変動が1次及び2次マスタシリンダには伝達されず、したがって1次マスタシリンダに対する操作量の無用な増加や、操縦者に不快感を与えるキックバック現象の発生を防ぐことができる。
【0091】
さらにまた本発明の第の特徴によれば、前記排出油路の下流端を前記マスタシリンダの作動油タンクに開放したので、アンチロック制御のための車輪ブレーキの減圧構造を簡単に構成することができる。
【0092】
さらにまた本発明の第の特徴によれば、前記油圧ポンプ及び前記作動油タンク間を接続する吸入油路に逆流防止用の一方向弁を設け、この一方向弁と前記油ポンプとの間の吸入油路に前記排出油路の下流端を接続すると共に、この排出油路に油圧リザーバを接続したので、アンチロック制御のための車輪ブレーキの減圧は、車輪ブレーキから排出油路へ逃がした油圧を油圧リザーバに吸収させることにより行うことができ、しかもアキュムレータの蓄圧のために油圧ポンプが作動するとき、先に油圧リザーバに吸収させた油圧を該油圧ポンプによりアキュムレータに送るので、油圧ポンプの負荷を増大させることもない。その上、第2アンチロック制御弁手段の故障により排出油路が開き放しになった場合でも、車輪ブレーキから作動油タンクへの油圧解放を一方向弁により阻止して、車輪ブレーキの通常の作動を確保することができる。
【0093】
さらにまた本発明の第10の特徴によれば、前記1次マスタシリンダ及び前記2次マスタシリンダ間を接続する入力油路に、前記アキュムレータに連なる高圧油路を接続し、この接続点の上流側で前記入力油路を開通すると共に前記高圧油路を閉鎖する状態と、前記入力油路を閉鎖すると共に前記高圧油路を開通する状態とに切換え可能な自動ブレーキ制御弁を設けたので、アキュムレータの油圧を利用して、自動ブレーキを実行することができる。
【0094】
さらにまた本発明の第11の特徴によれば、前記比例増圧弁及び2次マスタシリンダを平行に隣接配置すると共に、この比例増圧弁のハウジングと2次マスタシリンダのシリンダボディとを一体化したので、比例増圧弁及び2次マスタシリンダの組立体を簡単且つコンパクトに構成でき、狭隘なスペースへの設置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るブレーキ用油圧倍力装置を備えた自動車用ブレーキの油圧回路図。
【図2】 図1における比例増圧弁及び第2マスタシリンダの拡大縦断面図。
【図3】 2次マスタシリンダの特性線図。
【図4】 本発明の第2実施例を示す、図1に対応する油圧回路図。
【図5】 本発明の第3実施例に係るブレーキ用油圧倍力装置の縦断面図。
【図6】 (A)は前部2次マスタシリンダの特性線図、(B)は後部2次マスタシリンダの特性線図、(C)は前輪ブレーキ及び後輪ブレーキのブレーキ力配分特性線図。
【図7】 本発明の第4実施例に係るブレーキ用油圧倍力装置の縦断面図。
【符号の説明】
Bfa・・・・車輪ブレーキ(左前輪ブレーキ)
Bfb・・・・車輪ブレーキ(右前輪ブレーキ)
Bra・・・・車輪ブレーキ(左後輪ブレーキ)
Brb・・・・車輪ブレーキ(右後輪ブレーキ)
1 ・・・・・1次マスタシリンダ
2 f・・・・2次マスタシリンダ(前部2次マスタシリンダ)
2 r・・・・2次マスタシリンダ(後部2次マスタシリンダ)
Vf・・・・・比例増圧弁(前部比例増圧弁)
Vr・・・・・比例増圧弁(後部比例増圧弁)
1f・・・・・前部出力ポート
1r・・・・・後部出力ポート
2f・・・・・前部入力油路
2r・・・・・後部入力油路
3f・・・・・前部主ブレーキ油路
3r・・・・・後部主ブレーキ油路
5・・・・・・油圧源
6・・・・・・油圧ポンプ
7・・・・・・アキュムレータ
10・・・・・吸入油路
11・・・・・作動油タンク
121 ・・・・一方向弁
13・・・・・ケーシング
17・・・・・シリンダ孔
18・・・・・制御ピストン
20・・・・・制御油圧室
21・・・・・シリンダ孔
22・・・・・弁ピストン
23・・・・・戻しばね
30・・・・・倍力油圧室
31・・・・・反力ピストン
32・・・・・制御ピストン手段
33・・・・・入口弁
40・・・・・出口弁
50・・・・・シリンダボディ
51・・・・・シリンダ孔
53・・・・・作動ピストン
53b・・・・大径ピストン部
53s・・・・小径ピストン部
53m・・・・中間ピストン部
54・・・・・出力油圧室
551 ・・・・第1入力油圧室
552 ・・・・第1入力油圧室
57・・・・・戻しばね
62・・・・・弁手段(ポペット弁)
71・・・・・アンチロックブレーキ油路
731 ・・・・第1アンチロック制御弁手段
732 ・・・・第2アンチロック制御弁手段
77・・・・・排出油路
78・・・・・油圧リザーバ
83・・・・・自動ブレーキ制御弁手段
85・・・・・補給油室
871 ・・・・第1入力油圧室
872 ・・・・第2入力油圧室

Claims (11)

  1. ブレーキ操作入力に応じて出力油圧を発生する1次マスタシリンダ(M1 )と油圧源(5)とこの油圧源(5)のための作動油を貯留する作動油タンク(11)と、1次マスタシリンダ(M 1 )を作動させたとき、その出力油圧に比例した、車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)作動用の倍力油圧を出力する比例増圧弁(Vf、Vr)とを備えたブレーキ用油圧倍力装置であって、
    その比例増圧弁(Vf、Vr)は、1次マスタシリンダ(M1 )の出力油圧を導入する制御油圧室(20)と、前記倍力油圧を発生する倍力油圧室(30)、これら制御油圧室(20)及び倍力油圧室(30)の油圧応じて、制御油圧室(20)寄りの後退位置と倍力油圧室(30)寄りの前進位置との間を移動する制御ピストン手段(32)、この制御ピストン手段(32)の前進・後退に対応して油圧源(5)及び倍力油圧室(30)間を開・閉する入口弁(33)、制御ピストン手段(32)の前進・後退に対応して倍力油圧室(30)及び作動油タンク(11)間を閉・開する出口弁(40)とを有していると共に、制御ピストン手段(32)には、1次マスタシリンダ(M 1 )の出力油圧を前進方向の押圧力として受けるように制御油圧室(20)に受圧面を臨ませる制御ピストン(18)と、この制御ピストン(18)に連結されると共に該制御ピストン(18)の受圧面よりも受圧面積の小さな受圧面を倍力油圧室(30)に臨ませていて、その倍力油圧室(30)の発生油圧を後退方向の反力として受ける反力ピストン(31)とが設けられ、
    ブレーキ操作入力時において、制御油圧室(20)の油圧上昇に応じて制御ピストン手段(32)が前進して出口弁(40)を閉弁し且つ入口弁(33)を開弁することで倍力油圧室(30)に倍力油圧が発生したときは、反力ピストン(31)の反力で制御ピストン手段(32)が後退して出口弁(40)を開弁し且つ入口弁(33)を閉弁することにより倍力油圧室(30)の油圧が減少する作用と、その減圧により反力ピストン(31)の反力が制御ピストン(18)の押圧力と釣り合って出口弁(40)及び入口弁(33)を共に閉弁することにより倍力油圧室(30)の油圧が保持される作用と、制御油圧室(20)の更なる油圧上昇で制御ピストン(18)の押圧力が反力ピストン(31)の反力より大きくなって制御ピストン手段(32)が再前進して出口弁(40)を閉弁し且つ入口弁(33)を開弁することにより倍力油圧室(30)の油圧が増大する作用とが繰り返されることにより、制御油圧室(20)の油圧に比例して倍力油圧室(30)の油圧が増圧制御されるようにしたことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  2. 請求項1記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記比例増圧弁(Vf、Vr)の倍力油圧室(30)と車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)との間に、2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)を配設し、この2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)には、シリンダボディ(50)と、このシリンダボディ(50)のシリンダ孔(51)に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔(51)内部を前部の出力油圧室(54)、中間部の第1入力油圧室(551 )及び後部の第2入力油圧室(552 )に区画する作動ピストン(53)と、この作動ピストン(53)を後退方向に付勢する戻しばね(57)と、作動ピストン(53)の後退位置では第1入力油圧室(551 )及び出力油圧室(54)間を連通し、作動ピストン(53)の前進位置ではその間を遮断する弁手段(62)とを備え、第1入力油圧室(551 )には前記1次マスタシリンダ(M1 )の出力ポート(1f,1r)を、第2入力油圧室(552 )には前記比例増圧弁(Vf、Vr)の倍力油圧室(30)を、また出力油圧室(54)には前記車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)をそれぞれ接続したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  3. 請求項2記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)の作動ピストン(53)に、前部の大径ピストン部(53b)と、それより小径の後部の小径ピストン部(53s)とを形成し、これら大径ピストン部(53b)及び小径ピストン部(53s)間に前記第1入力油圧室(551 )を画成し、小径ピストン部(53s)及び前記シリンダ孔(51)の後端面間で前記第2入力油圧室(552 )を画成したことを特徴とするブレーキ用油圧倍力装置。
  4. 請求項1記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記比例増圧弁(Vf、Vr)の倍力油圧室(30)と車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)との間に、2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)を配設し、この2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)には、シリンダボディ(50)と、このシリンダボディ(50)のシリンダ孔(51)に前後動可能に嵌装されて、そのシリンダ孔(51)内に前部の出力油圧室(54)、中間部の補給油室(85)、後部の第1入力油圧室(871 )及び最後部の第2入力油圧室(872 )を画成する作動ピストン(53)と、この作動ピストン(53)を後退方向に付勢する戻しばね(57)と、前記作動ピストン(53)の後退位置では前記補給油室(85)及び出力油圧室(54)間を連通し、前記作動ピストン(53)の前進位置ではその間を遮断する弁手段(62)とを備え、前記作動ピストン(53)には、前後両端面を前記出力油圧室(54)及び補給油室(85)に臨ませる前部の大径ピストン部(53b)と、前後両端面を前記補給油室(85)及び第1入力油圧室(871 )に臨ませる中間ピストン部(53m)と、この中間ピストン部(53m)より小径で後端面を前記第2入力油圧室(872 )に臨ませる小径ピストン部(53s)とを形成し、前記第1及び第2入力油圧室(871 ,872 )の一方には前記1次マスタシリンダ(M1 )の出力ポート(1f,1r)を、他方には前記比例増圧弁(Vf、Vr)の倍力油圧室(30)をそれぞれ接続し、また前記出力油圧室(54)には前記車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)を、前記補給油室(85)には前記作動油タンク(11)をそれぞれ接続したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記制御ピストン手段(32)には、これを所定のセット荷重をもって前記制御油圧室(20)側へ付勢する戻しばね(23)を連結したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  6. 請求項記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記比例増圧弁として、前輪ブレーキ(Bfa、Bfb)及び後輪ブレーキ(Bra、Brb)にそれぞれ対応する前部比例増圧弁(Vf)及び後部比例増圧弁(Vr)を併設し、後部比例増圧弁(Vr)の反力ピストン(31)の受圧面積と制御ピストン(18)の受圧面積との比を、前部比例増圧弁(Vf)の反力ピストン(31)の受圧面積と制御ピストン(18)の受圧面積との比より大きく設定すると共に、前部比例増圧弁(Vf)及び後部比例増圧弁(Vr)の各戻しばね(23)のセット荷重を、前部比例増圧弁(Vf)の作動開始油圧が後部比例増圧弁(Vr)のそれより高くなるように設定したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  7. 請求項の何れかに記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記油圧源(5)を、油圧ポンプ(6)と、この油圧ポンプ(6)の吐出油圧を蓄圧するアキュムレータ(7)とで構成する一方、前記2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)の出力油圧室(54)を前記車輪ブレーキ(Bfa、Bfb、Bra、Brb)に接続する主ブレーキ油路(3f,3r)に、前記倍力油圧室(30)から延出するアンチロックブレーキ油路(71)を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路(3f,3r)を開通すると共に前記アンチロックブレーキ油路(71)を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路(3f,3r)を閉鎖すると共に前記アンチロックブレーキ油路(71)を開通する状態とに切換え可能な第1アンチロック制御弁手段(731 )を設け、また前記接続点の下流側で前記主ブレーキ油路(3f,3r)に排出油路(77)を接続し、この接続点の上流側で前記主ブレーキ油路(3f,3r)を開通すると共に前記排出油路(77)を閉鎖する状態と、前記主ブレーキ油路(3f,3r)を閉鎖すると共に前記排出油路(77)を開通する状態と、前記主ブレーキ油路(3f,3r)及び前記排出油路(77)を共に閉鎖する状態とに切換え可能な第2アンチロック制御弁手段(732 )を設けたことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  8. 請求項記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記排出油路(77)の下流端を前記1次マスタシリンダ(M1 )の作動油タンク(11)に開放したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  9. 請求項記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記油圧ポンプ(6)及び前記作動油タンク(11)間を接続する吸入油路(10)に逆流防止用の一方向弁(121 )を設け、この一方向弁(121 )と前記油ポンプ(6)との間の吸入油路(10)に前記排出油路(77)の下流端を接続すると共に、この排出油路(77)に油圧リザーバ(78)を接続したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のブレーキ用油圧倍力装置において、 前記1次マスタシリンダ(M1 )及び前記2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)間を接続する入力油路(2f,2r)に、前記アキュムレータ(7)に連なる補助入力油路(81)を接続し、この接続点の上流側で前記入力油路(2f,2r)を開通すると共に前記補助入力油路(81)を閉鎖する状態と、前記入力油路(2f,2r)を閉鎖すると共に前記補助入力油路(81)を開通する状態とに切換え可能な自動ブレーキ制御弁手段(83)を設けたことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のブレーキ用油圧倍力装置において、
    前記比例増圧弁(Vf、Vr)及び2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)を平行に隣接配置すると共に、この比例増圧弁(Vf、Vr)のケーシング(13)と2次マスタシリンダ(M2 f、M2 r)のシリンダボディ(50)とを一体化したことを特徴とする、ブレーキ用油圧倍力装置。
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