JP2019077363A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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Kimiyasu Suzuki
公康 鈴木
健太 石川
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Abstract

【課題】作動時における応答性を阻害することなく、小型化が可能な負圧式倍力装置を提供すること。【解決手段】負圧式倍力装置100は、ブースタシェル110に設けられた筒部112aの内周面112bとバルブボディ130の外周面131bとの間に介装されて、変圧室と大気との連通を遮断する環状のシール部材170を備えている。シール部材170は、筒状の基部171と、基部171の内周面171aに設けられていて、外周面131bに摺接して変圧室R2と大気との連通を遮断する内周シール部172と、基部171の外周面171bに設けられていて、内周面112bに摺接して変圧室と大気との連通を遮断し、且つ、内周シール部172よりも筒部112aの大気に開放された側に配置された外周シール部174と、外周面171bにて外周シール部174に隣接して変圧室と連通する空間部176と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、負圧式倍力装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示された負圧式倍力装置が知られている。この従来の負圧式倍力装置は、シェルに設けられた筒部の先端に取り付けられるとともに、バルブボディの外周面に摺接するシール部材を備えている。シール部材は、内周面において、筒部の内部に配置されてバルブボディの外周面に摺接する前方側のシール部と筒部の外部に配置されてバルブボディの外周面に摺接する後方側のシール部と、からなる内周シール部を有している。又、シール部材は、外周面において、筒部の内周面に摺接する外周シール部を有している。そして、上記従来の負圧式倍力装置においては、シール部材が、内周シール部及び外周シール部によって、シェル(筒部)の内部と外部とを気密的に遮断するようになっている。
特表平3−502565号公報
しかしながら、上記従来の負圧式倍力装置においては、作動に伴ってシェルの変圧室に大気が導入されるため、シール部材の内周シール部に作用する圧力は負圧から大気圧まで変化する。このため、負圧式倍力装置の作動の開始直後においては、シール部材の内周シール部には負圧によってバルブボディに向けて引き付けられる吸引力と、特に筒部から外部に突出した後方側のシール部には大気圧によってバルブボディに向けて押し付けられる押付力と、が作用する。一方、負圧式倍力装置の作動が継続すると、負圧が大気圧に向けて変化するので、シール部材の内周面は負圧による吸引力が小さくなる一方で、後方側のシール部は大気圧による押付力が作用する。
シール部材に作用する吸引力及び押付力は、シール部材に対して相対的に移動するバルブボディに摺動抵抗を付与する。このため、上記従来の負圧式倍力装置においては、作動の開始直後においては、シール部材がバルブボディの移動に対して付与する摺動抵抗が大きく、作動が継続されるとともに摺動抵抗が小さくなる。従って、上記従来の負圧式倍力装置では、シール部材による摺動抵抗の変化が生じることにより、作動時における応答性の低下や運転者がブレーキペダルを介して知覚する操作フィーリングの悪化が懸念される。
又、上記従来の負圧式倍力装置においては、シール部材が筒部の端部から突出する後方側のシール部を有する。このため、負圧式倍力装置の作動に伴ってバルブボディが相対的に移動した場合であっても、後方側のシール部が気密性を確保するためには、バルブボディの軸線の方向における長さを長く設定する必要があり、負圧式倍力装置が大型化する虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、作動時における応答性を阻害することなく、且つ、小型化が可能な負圧式倍力装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る負圧式倍力装置の発明は、中空状のブースタシェルと、ブースタシェルの内部を負圧源に連通する定圧室と、負圧源又は大気との連通が可能な変圧室とに気密的に区画して移動可能な可動隔壁と、ブースタシェルの変圧室と連通するように一端が接続されるとともに他端が大気に開放された筒部に対して相対移動可能に挿入されて可動隔壁とともに一体に移動する筒状のバルブボディと、バルブボディに収容されて、変圧室への負圧又は大気圧の流入を切り替える弁機構と、バルブボディの内部にて相対移動可能に設けられて操作力を入力する入力部材と、バルブボディの推進力を出力する出力部材と、筒部の内周面とバルブボディの外周面との間に介装されて、変圧室と大気との連通を遮断する環状のシール部材と、を備えた負圧式倍力装置であって、シール部材は、筒状の基部と、基部の内周面に設けられていて、バルブボディの外周面に摺接して変圧室と大気との連通を遮断する周状の内周シール部と、基部の外周面に設けられていて、筒部の内周面に摺接して変圧室と大気との連通を遮断し、且つ、内周シール部よりも筒部の他端の側に配置された周状の外周シール部と、基部の外周面にて外周シール部に対して筒部の一端の側に設けられて、基部の外周面と筒部の内周面との間に配設されて変圧室と連通する周状の空間部と、を有する。
これによれば、シール部材は、基部の内周面に設けられた内周シール部と、外周シール部よりも筒部の一端の側(変圧室の側)にて基部の外周面と筒部の内周面との間に設けられた、即ち、内周シール部の形成位置に対応して設けられた空間部と、を有する。これにより、変圧室における負圧から大気圧までの圧力変化に伴い、シール部材の基部には、内周シール部の形成位置にてバルブボディの外周面に引き付けられる吸引力と、空間部の形成位置にて筒部の内周面に引き付けられる吸引力と、が作用する。これにより、内周シール部の形成位置において基部に作用する吸引力と空間部の形成位置において基部に作用する吸引力とは、互いに逆方向となり、これらの吸引力は互いに相殺される。
これにより、負圧式倍力装置の作動に伴って変圧室に圧力変化が生じる場合であっても、内周シール部がバルブボディの外周部に押し付けられる押付力は、見かけ上、大気圧によって押し付けられる押付力となり、変圧室の圧力変化に応じて変化することが抑制される。その結果、シール部材がバルブボディの相対移動に対して付与する摺動抵抗の変化を抑制することができるとともに摺動抵抗を低減することができる。従って、負圧式倍力装置の作動時における良好な応答性が得られるとともに、運転者がブレーキペダルを介して良好な操作フィーリングを知覚することができる。
又、シール部材においては、筒部の内部において、外周シール部を内周シール部よりも筒部の他端の側に配置することができる。即ち、筒部の他端の側から突出させることなく、内周シール部を筒部の内部に設けることができる。従って、シール部材に対して相対移動するバルブボディの軸線の方向における長さを短く設定することができ、負圧式倍力装置の小型化を達成することができる。
本発明の実施形態に係る負圧式倍力装置を備えたブレーキ装置の構成を示す概略図である。 図1の負圧式倍力装置の構成を示す全体図である。 図2のシール部材の組み付け状態を示す断面図である。 図3のシール部材を示す断面図である。 図3のシール部材の作動を説明するための断面図である。 バルブボディの相対移動に対してシール部材が付与する摺動抵抗を説明する図である。 本発明の実施形態の変形例に係るシール部材の組み付け状態を示す断面図である。 図7のシール部材を示す断面図である。 図7のシール部材の作動を説明するための断面図である。 図7のシール部材を用いた場合のバルブボディの短縮を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び変形例の相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
本実施形態の負圧式倍力装置100は、図1に示すように、車両のブレーキ装置10を構成するものである。車両のブレーキ装置10は、シリンダ機構20を備えている。シリンダ機構20は、マスタシリンダ21と、マスタピストン22,23と、マスタリザーバ24と、を備えている。マスタピストン22,23は、マスタシリンダ21内に摺動可能に配設されている。マスタピストン22,23は、マスタシリンダ21内を第一マスタ室21aと第二マスタ室21bとに区画している。マスタリザーバ24は、第一マスタ室21a及び第二マスタ室21bに連通する管路を有するリザーバタンクである。マスタリザーバ24と各マスタ室21a,21bとは、マスタピストン22,23の移動により連通又は遮断される。
又、シリンダ機構20は、ホイールシリンダ25、ホイールシリンダ26、ホイールシリンダ27及びホイールシリンダ28を備えている。ホイールシリンダ25は、車両の左後輪RLに配置されている。ホイールシリンダ26は、車両の右後輪RRに配置されている。ホイールシリンダ27は、車両の左前輪FLに配置されている。ホイールシリンダ28は、車両の右前輪FRに配置されている。マスタシリンダ21と各ホイールシリンダ25〜28は、アクチュエータ30を介して接続されている。これにより、各ホイールシリンダ25〜28は、左後輪RL、右後輪RR、左前輪FL及び右前輪FRに制動力を付与する。尚、詳細な説明を省略するが、アクチュエータ30は、図示省略の管路、電動ポンプ、電磁弁及び逆止弁等から構成されている。
車両のブレーキ装置10においては、運転者がブレーキペダル11を踏み込むと、マスタシリンダ21に気密的に連結された負圧式倍力装置100により踏力が倍力され、マスタシリンダ21内のマスタピストン22,23が押圧される。これにより、第一マスタ室21a及び第二マスタ室21bに同圧のマスタシリンダ圧が発生する。マスタシリンダ圧は、アクチュエータ30を介してホイールシリンダ25〜28に伝達される。
負圧式倍力装置100は、図2に示すように、中空状のブースタシェル110を備えており、ブースタシェル110に対して、可動隔壁120及びバルブボディ130が一体に前後方向に移動可能に組み付けられている。そして、ブースタシェル110の内部は、可動隔壁120により、前方にて負圧源(例えば、図示省略のエンジンの吸気マニホールド)に連通する定圧室R1と、後方にて負圧源又は大気との連通が可能な変圧室R2と、に区画されている。
ブースタシェル110は、例えば、鉄、アルミ又は樹脂(強化プラスチック)等から形成されるフロントシェル部材111及びリアシェル部材112から構成される。フロントシェル部材111には、定圧室R1を負圧源に連通させるための負圧導入口111aが形成されている。リアシェル部材112には、バルブボディ130を軸線Jの方向に沿って前後方向に相対移動可能に挿通する筒部112aが設けられている。筒部112aは、一端が変圧室R2と連通するように接続されており、他端が大気に開放されている。負圧導入口111aには、逆止弁113が設けられている。逆止弁113は、定圧室R1の側から負圧源側への空気の連通を許可し、負圧源の側から定圧室R1側への空気の連通を遮断するように構成されている。
又、ブースタシェル110は、径方向の二箇所にて、フロントシェル部材111及びリアシェル部材112を気密的に貫通するタイロッドボルト114を有している。尚、図2においては、一方のタイロッドボルト114のみを示す。二本のタイロッドボルト114は、フロントシェル部材111の側にてマスタシリンダ21を支持するようになっている。このため、フロントシェル部材111の内面111bとタイロッドボルト114の拡径部114aとの間には、リテーナ115が配置されている。又、ブースタシェル110は、リアシェル部材112を気密的に貫通するリアボルト116を有している。リアボルト116は、車両の車体(例えば、カウル等)に固定されるようになっている。
可動隔壁120は、ブースタシェル110内にてバルブボディ130の軸線Jの方向に沿って前後方向に移動可能に設けられている。可動隔壁120は、環状のプレート部材121と、プレート部材121に支持される環状のダイアフラム122と、から構成されている。プレート部材121は、金属製(例えば、鉄)又は樹脂製であり、ダイアフラム122に対して前方側(フロントシェル部材111の側)にて、バルブボディ130の後述するフランジ部131aに対向するように配置される。
ダイアフラム122は、環状の弾性部材(例えば、環状のゴム材料)から形成されて伸縮変形可能となっており、外周縁がブースタシェル110(フロントシェル部材111及びリアシェル部材112)に気密的に固定され、且つ、内周縁がプレート部材121とともにバルブボディ130に気密的に固定される。具体的に、ダイアフラム122は、図2に示すように、外周ビード部122a、内周ビード部122b及びシート部122cを備えている。外周ビード部122aは、ダイアフラム122の外周縁に環状に設けられており、フロントシェル部材111とリアシェル部材112との連結部分にて気密的に挟持される。内周ビード部122bは、ダイアフラム122の内周縁に環状に設けられており、プレート部材121とともにバルブボディ130の外周面131bに気密的に固定される。シート部122cは、外周ビード部122aと内周ビード部122bとを互いに接続する。
筒状のバルブボディ130は、図2に示すように、ブースタシェル110(より具体的には、リアシェル部材112)の筒部112aに対して相対移動可能に挿入されており、可動隔壁120と一体にフロントシェル部材111に向けて前進及びリアシェル部材112に向けて後進する。バルブボディ130は、樹脂製で円筒状に形成された本体部131を備えている。本体部131は、前方側(一端側)の開口端部に径方向にて外方に向けて延設されたフランジ部131aを有している。本体部131は、フランジ部131aとフロントシェル部材111との間に設けられたリターンスプリングSと係合しており、リターンスプリングSによって後方に向けて付勢されている。
本体部131は、中央部分にてブースタシェル110のリアシェル部材112の筒部112aに軸線Jの方向に沿って前後方向に相対移動可能に組み付けられている。又、本体部131(即ち、バルブボディ130)のブースタシェル110(より具体的には、リアシェル部材112の筒部112a)の外に突出する部位は、蛇腹状のブーツ160によって被覆保護されている。
本体部131の内部には、一対の負圧連通路132が設けられている。尚、図2においては一方の負圧連通路132のみを示す。負圧連通路132は、前方端にてブースタシェル110の定圧室R1に連通するとともに、後方端にて本体部131の内部に連通するようになっている。又、本体部131の内部には、入力軸141とプランジャー142とが同軸になるように組み付けられるとともに、弁機構150とフィルタ部材147とが同軸になるように組み付けられている。更に、本体部131の内部には、プランジャー142の前方に、弾性部材(例えば、ゴム材料)からなる反動部材144及び出力軸145が同軸となるように組み付けられている。
入力部材としての入力軸141は、バルブボディ130(本体部131)の内部にて軸線Jの方向に沿って前後方向に相対移動可能に設けられて操作力を入力するものであり、球状先端部にてプランジャー142の連結部分に関節状に連結される。入力軸141は、後端に設けられた螺子部によりヨーク(図示省略)を介してブレーキペダル11に連結され、ブレーキペダル11に作用する踏力を操作力として前方に向けて受けるように構成されている。又、入力軸141は、弁機構150に係合しているスプリングによって後方に向けて付勢されている。
プランジャー142は、先端部にて反動部材144における後面の中央部分に当接する。又、プランジャー142は、中央部分に形成された環状の溝部においてキー部材143に係合する。更に、プランジャー142は、後端部に、弁機構150における環状の大気弁座が設けられている。尚、キー部材143は、バルブボディ130の本体部131に対するプランジャー142の前後方向への移動を規制する機能と、ブースタシェル110に対するバルブボディ130の後方への移動限界位置(バルブボディ130の後方復帰位置)を規定する機能を有する部材である。
反動部材144は、出力軸145の後方円筒部145aに収容されて、出力軸145の後方円筒部145aとともにバルブボディ130の本体部131に組み付けられている。反動部材144は、後方円筒部145aに収容された状態で、後面の中央部分が前方に向けて膨出変形するようになっている。
出力部材としての出力軸145は、バルブボディ130の推進力を出力するものであり、図示を省略するが、先端部においてマスタシリンダ21のマスタピストン22,23を押動するようになっている。又、出力軸145は、制動作動時において、マスタシリンダ21のマスタピストン22,23から受ける反力を反動部材144に伝達するようになっている。
弁機構150は、バルブボディ130の内部に配設されて、変圧室R2への負圧又は大気圧の流入を切り替える。弁機構150は、バルブボディ130の本体部131における負圧連通路132の後端部に一体に形成された負圧弁座と、プランジャー142の後端部に一体に形成された大気弁座と、を備えている。又、弁機構150は、大気弁座に対して同軸となるように配置された筒状の弁体151を備えている。弁体151は、環状の取付部と、取付部に一体に形成されて軸線Jの方向に沿って移動可能な筒状の可動部と、を有している。弁体151の取付部は、バルブボディ130の本体部131内に気密的に組み付けられており、円環部材146によって本体部131に保持されている。
弁体151の可動部は、負圧弁座に対して着座又は離座することにより、負圧弁座とともに定圧室R1と変圧室R2との間を連通又は遮断する負圧弁を構成する負圧制御弁部を有する。又、弁体151の可動部は、大気弁座に対して着座又は離座することにより、大気弁座とともに変圧室R2と大気との間を連通又は遮断する大気弁を構成する大気制御弁部を有する。
又、負圧式倍力装置100は、図2及び図3に示すように、リアシェル部材112の筒部112aの内周面112bとバルブボディ130の本体部131の外周面131bとの間に介装された周状のシール部材170を備えている。シール部材170は、筒部112aにおいて、変圧室R2と大気との連通を遮断する。
シール部材170は、図4に示すように、筒状の基部171を有している。基部171は、筒部112aの内径よりも小さな外径を有するとともに本体部131の外径よりも大きな内径を有している。基部171には、内周面171aの側にて内周シール部172及びガイド部173が設けられるとともに、外周面171bの側にて外周シール部174、環状突部175、空間部176及びブーツ保持部177が設けられる。又、基部171は、キー部材143と対向する側の端部に、キー部材143と当接する当接部171cを有している。
内周シール部172は、内周面171aからバルブボディ130の本体部131の外周面131bに向けて突出するように周状のリップ形状に形成されており、本体部131の外周面131bに摺接する。内周シール部172は、本体部131の外径に比べて僅かに小さな内径を有しており、本体部131を挿通した状態で、変圧室R2と大気(外部)との連通を遮断する。
ガイド部173は、内周シール部172よりも軸線Jの方向にて変圧室R2から離間する側、即ち、大気に開放された筒部112aの他端の側に設けられている。ガイド部173は、バルブボディ130の軸線Jの方向に沿って延びるように形成され、本体部131の外径に比べて僅かに小さな内径を有している。これにより、ガイド部173は、本体部131を挿通した状態で、本体部131が前後方向に相対移動するときに、本体部131を軸線Jの方向に沿って案内する。
又、ガイド部173は、本体部131の外周面131bに摺接する内周面において、内周シール部172の一側(図3及び図4において、軸線Jの方向にて右側)に大気を導入する(大気と連通する)大気連通溝173aが形成されている。大気連通溝173aは、軸線Jの方向に沿って形成されており、ガイド部173の周方向にて、例えば、等間隔に設けられている。
外周シール部174は、内周シール部172よりも軸線Jの方向にて筒部112aの他端の側(図3及び図4において軸線Jの方向にて右側)に配置されて設けられている。外周シール部174は、周状に外周面171bから筒部112aの内周面112bに向けて突出して筒部112aの内周面112bに摺接する。外周シール部174は、筒部112aの内径に比べて僅かに大きな外径を有しており、本体部131を挿通した状態で、変圧室R2と大気(外部)との連通を遮断する。
外周シール部174には、筒部112aの他端に設けられたフランジ部112cと係合する係合溝174aが形成されている。係合溝174aがフランジ部112cと係合することにより、シール部材170が脱落不能にリアシェル部材112の筒部112aに組み付けられる。
突部としての環状突部175は、軸線Jの方向にて外周シール部174から離間するように、変圧室R2に接続された筒部112aの一端の側(図3及び図4において軸線Jの方向にて左側)に設けられている。環状突部175は、外周面171bから筒部112aの内周面に向けて環状に突出して筒部112aの内周面に摺接する。環状突部175は、筒部112aの内径と略同一の外径を有している。
又、環状突部175は、筒部112aの内周面112bに摺接する外周面において、変圧室R2と空間部176とを連通する第三連通溝としての負圧連通溝175aが形成されている。負圧連通溝175aは、軸線Jの方向に沿って形成されており、環状突部175の周方向にて、例えば、等間隔に設けられている。
空間部176は、基部171の外周面171bと筒部112aの内周面112bとの間に配設されて変圧室R2と連通するように設けられる。本実施形態においては、空間部176は、軸線Jの方向にて、外周シール部174と環状突部175との間に凹状に設けられている。より具体的に、空間部176は、図4に示すように、軸線Jの方向において変圧室R2と大気(外部)とを区画する内周シール部172の形成位置に対応するように、基部171の外周面171bに設けられている。空間部176は、環状突部175の負圧連通溝175aを介して変圧室R2と連通することにより、通常時は負圧に維持されていて変圧室R2の圧力変化に合わせて負圧から大気圧まで変化するようになっている。
ブーツ保持部177は、ガイド部173から径方向にて外方に向けて周状に突出している。ブーツ保持部177は、図4に示すように、ブーツ160の開口端部に設けられた縮径部161の内径よりも大きな外径を有しており、縮径部161に挿通された状態で、縮径部161と係合するようになっている。
このように構成された負圧式倍力装置100においては、運転者がブレーキペダル11を踏み込み操作すると、入力軸141及びプランジャー142が、バルブボディ130の本体部131に対して図2に示す位置(原位置であり復帰非作動位置)から前方に移動する。これにより、負圧制御弁部が負圧弁座に着座するとともに大気弁座が大気制御弁部から離座し、変圧室R2は大気に連通する。従って、変圧室R2には、フィルタ部材147、弁体151の内部、大気弁座との隙間、本体部131に設けられた連通路等を通して、大気が流入する。その結果、定圧室R1の圧力が大きくなるように定圧室R1と変圧室R2との間に圧力差が発生し、入力軸141の前方への作動に伴って可動隔壁120が前方に(フロントシェル部材111、即ち、本体部131のフランジ部131aに向けて)移動する。
この場合、可動隔壁120は、バルブボディ130の本体部131に設けられたフランジ部131aと係合することにより、バルブボディ130の本体部131とともに前方に(フロントシェル部材111に向けて)移動する。これにより、出力軸145は前方に(フロントシェル部材111に向けて)移動してマスタシリンダ21のマスタピストン22,23を押圧し、マスタシリンダ圧がアクチュエータ30を介してホイールシリンダ25〜28に伝達される。
一方、運転者によってブレーキペダル11に対する踏み込み操作が解除されると、入力軸141及びプランジャー142が、バルブボディ130の本体部131に対して図2に示す復帰非作動位置(原位置)に戻る。入力軸141及びプランジャー142が復帰非作動位置(原位置)に戻ると、大気制御弁部が大気弁座に着座し、負圧制御弁部が負圧弁座から離座する。この場合、変圧室R2と大気との連通が遮断され、且つ、定圧室R1と変圧室R2とが連通することにより、変圧室R2は負圧源に連通する。
そして、この場合には、バルブボディ130の本体部131に設けられた連通路、負圧制御弁部と負圧弁座との隙間、負圧連通路132等を通して、変圧室R2から定圧室R1に空気が吸引される。その結果、変圧室R2の圧力と定圧室R1の圧力とは等しくなるので、リターンスプリングSの付勢力によって可動隔壁120及びバルブボディ130が後方に移動し、出力軸145が後方に移動する。これにより、出力軸145によるマスタシリンダ21のマスタピストン22,23の押圧が解除され、マスタシリンダ圧が減少する。
ところで、運転者がブレーキペダル11に対して踏み込み操作を開始した初期においては、入力軸141及びプランジャー142とともにバルブボディ130の本体部131が、リアシェル部材112の筒部112aに組み付けられたシール部材170に対して相対的に前方に(フロントシェル部材111に向けて)移動を開始する。
この場合、踏み込み操作が開始された初期においては、図5に示すように、内周シール部172が未だ負圧になっている変圧室R2と大気とを気密的に区画している。このため、内周シール部172は、基部171と共に、負圧と大気圧との圧力差によってバルブボディ130の本体部131に向けて押圧されている。一方、空間部176は、環状突部175の負圧連通溝175aを介して変圧室R2と連通しているので、空間部176は変圧室R2と同じ圧力、即ち、負圧になっている。そして、空間部176は、外周シール部174に隣接しており、内周シール部172に対応するように基部171の外周面171bに設けられている。従って、図5に示すように、空間部176の形成位置における基部171は、ガイド部173の大気連通溝173aを介して内周シール部172まで導入された大気圧によって、バルブボディ130の本体部131から離間する方向に押圧されている、換言すれば、空間部176の形成位置における基部171は、筒部112aの内周面に向けて引き付けられている。
そして、ブレーキペダル11が更に踏み込み操作されると、変圧室R2に大気が導入されるので、変圧室R2は負圧から大気圧になるように変化する。変圧室R2が大気圧になるように変化している状況においては、負圧によって内周シール部172及び基部171を本体部131の外周面への吸引力F1が小さくなり、変圧室R2が大気圧まで変化することによって内周シール部172に大気圧のみが作用する。一方、空間部176は、変圧室R2が大気圧になるように変化している状況においては、変圧室R2と同様に圧力が変化している。従って、空間部176の形成位置における基部171は、負圧による吸引力F2が小さくなり、変圧室R2が大気圧まで変化することによって基部171に大気圧のみが作用する。
ここで、基部171の内周面171aに設けられた内周シール部172及び基部171の外周面171bに設けられた空間部176は、共に、変圧室R2と連通している。このため、負圧式倍力装置100が作動している場合、内周シール部172及び空間部176には、変圧室R2の圧力変化と同様の圧力変化が生じる。これにより、図5に示すように、変圧室R2の圧力に起因して内周シール部172の形成位置における基部171に作用する吸引力F1と空間部176の形成位置における基部171に作用する吸引力F2とは、互いに逆向きであり互いに相殺する関係となる。従って、負圧式倍力装置100が作動している状況、即ち、バルブボディ130がシール部材170に対して相対的に移動する状況を通して、内周シール部172には、見かけ上、変圧室R2の圧力変化に起因して基部171に発生する吸引力F1が生じることなく、大気圧による押付力のみが作用するようになる。その結果、図6に示すように、バルブボディ130がシール部材170に対して相対移動(ストローク)する際にシール部材170がバルブボディ130に付与する摺動抵抗は、変圧室R2の圧力変化に拘わらず変化しない。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態の負圧式倍力装置100は、中空状のブースタシェル110と、ブースタシェル110の内部を負圧源に連通する定圧室R1と、負圧源又は大気との連通が可能な変圧室R2とに気密的に区画して移動可能な可動隔壁120と、ブースタシェル110の変圧室R2と連通するように一端が接続されるとともに他端が大気に開放された筒部112aに対して相対移動可能に挿入されて可動隔壁120とともに一体に移動する筒状のバルブボディ130と、バルブボディ130に収容されて、変圧室R2への負圧又は大気圧の流入を切り替える弁機構150と、バルブボディ130の内部にて相対移動可能に設けられて操作力を入力する入力部材としての入力軸141と、バルブボディ130の推進力を出力する出力部材としての出力軸145と、筒部112aの内周面112bとバルブボディ130(本体部131)の外周面131bとの間に介装されて、変圧室R2と大気との連通を遮断する環状のシール部材170と、を備えた負圧式倍力装置であって、シール部材170は、筒状の基部171と、基部171の内周面171aに設けられていて、バルブボディ130(本体部131)の外周面131bに摺接して変圧室R2と大気との連通を遮断する周状の内周シール部172と、基部171の外周面171bに設けられていて、筒部112aの内周面112bに摺接して変圧室R2と大気との連通を遮断し、且つ、内周シール部172よりも筒部112aの他端の側に配置された周状の外周シール部174と、基部171の外周面171bにて外周シール部174に対して筒部112aの一端の側(変圧室R2の側)に設けられて、基部171の外周面171bと筒部112aの内周面112bとの間に配設されて変圧室R2と連通する周状の空間部176と、を有する。
これによれば、シール部材170は、基部171の内周面171aに設けられた内周シール部172と、外周シール部174よりも変圧室R2の側にて基部171の外周面171bと筒部112aの内周面112bとの間に設けられた、即ち、内周シール部172の形成位置に対応して設けられた空間部176と、を有する。これにより、変圧室R2における負圧から大気圧までの圧力変化に伴い、シール部材170の基部171には、内周シール部172の形成位置にてバルブボディ130(本体部131)の外周面131bに引き付けられる吸引力F1と、空間部176の形成位置にて筒部112aの内周面112bに引き付けられる吸引力F2と、が作用する。これにより、内周シール部172の形成位置において基部171に作用する吸引力F1と空間部176の形成位置において基部171に作用する吸引力F2とは、互いに逆方向となり、これらの吸引力F1及び吸引力F2は互いに相殺される。
これにより、負圧式倍力装置100の作動に伴って変圧室R2に圧力変化が生じる場合であっても、内周シール部172がバルブボディ130(本体部131)の外周面131bに押し付けられる押付力は、見かけ上、大気圧によって押し付けられる押付力となり、変圧室R2の圧力変化に応じて変化することが抑制される。その結果、シール部材170がバルブボディ130の相対移動に対して付与する摺動抵抗の変化を抑制することができるとともに摺動抵抗を低減することができる。従って、負圧式倍力装置100の作動時における良好な応答性が得られるとともに、運転者がブレーキペダル11を介して良好な操作フィーリングを知覚することができる。
又、シール部材170においては、筒部112aの内部において、外周シール部174を内周シール部172よりも筒部112aの他端の側に配置することができる。即ち、筒部112aの他端の側から突出させることなく、内周シール部172を筒部112aの内部に設けることができる。従って、シール部材170に対して相対移動するバルブボディ130の軸線Jの方向における長さを短く設定することができ、負圧式倍力装置100の小型化を達成することができる。
この場合、シール部材170は、基部171の内周面171aに設けられていて、内周シール部172に向けて大気と連通する大気連通溝173aが形成され、バルブボディ130(本体部131)の外周面131bに摺接して筒部112aに対して相対移動するバルブボディ130を案内する周状のガイド部173を有する。
これによれば、ガイド部173は、バルブボディ130(本体部131)の揺動又は偏心を抑制することができる。従って、内周シール部172は、ガイド部173によってバルブボディ130(本体部131)の揺動又は偏心が抑制された状態で、安定したシール力(シール性)を発揮することができる。
これらの場合、シール部材170は、基部171の外周面171bにて筒部112aの一端の側(変圧室R2の側)に設けられていて、外周シール部174とともに空間部176を区画する周状の突部としての環状突部175を有しており、環状突部175に変圧室R2と空間部176とを連通する連通溝としての負圧連通溝175aを設けることができる。
これによれば、外周シール部174から離間して環状突部175を設けることにより、バルブボディ130(本体部131)がシール部材170に対して相対移動する際において、シール部材170の組み付け状態を適正に維持することができる。又、環状突部175に負圧連通溝175aを設けることにより、変圧室R2の圧力変化に合わせて空間部176の圧力変化を生じさせることができるため、シール部材170がバルブボディ130の相対移動に対して付与する摺動抵抗の変化を抑制することができるとともに摺動抵抗を低減することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、シール部材170が、筒部112aの他端の側に設けられた一つのガイド部173を有するようにした。この場合、相対移動するバルブボディ130を安定して案内(支持)するために、筒部112aの他端(開口端)からの突出量を大きくして、軸線Jに沿った方向のガイド部173の長さが長くなるようにした。即ち、上記実施形態においては、バルブボディ130を安定して支持できるものの、軸線Jに沿った方向におけるシール部材170の全長が長くなる。
これに代えて、図7及び図8に示すように、シール部材170が、第一ガイド部178及び第二ガイド部179を有するようにし、シール部材170の全長を小さくすることも可能である。以下、この変形例を詳細に説明する。
この変形例においては、シール部材170のガイド部が、筒部112aの内部にて、筒部112aの一端(変圧室R2の側)に設けられた第一ガイド部178と、筒部112aの他端(大気に開放された側)に設けられた第二ガイド部179と、から構成される。第一ガイド部178は、バルブボディ130の本体部131の外周面131bに摺接するように、基部171の内周面171aから本体部131の外周面131bに向けて突出している。第一ガイド部178には、内周シール部172と第一ガイド部178との間に形成された空間と変圧室R2とを連通する連通溝としての負圧連通溝178aが設けられている。これにより、内周シール部172は、上記実施形態と同様に、変圧室R2と大気(外部)との連通を遮断する。
第二ガイド部179は、上記実施形態におけるガイド部173に相当する。但し、第二ガイド部179は、軸線Jに沿った方向においてブーツ保持部177から突出する部分が省略されており(図10を参照)、上記実施形態におけるガイド部173に比べて軸線Jに沿った方向の長さが短縮されている。第二ガイド部179には、内周シール部172と第二ガイド部179との間に形成された空間と大気とを連通する連通溝としての大気連通溝179aが設けられている。
このように構成された変形例においては、図9に示すように、上記実施形態と同様に、変圧室R2の圧力変化に起因して内周シール部172の形成位置における基部171に作用する吸引力F1と空間部176の形成位置における基部171に作用する吸引力F2とが互いに相殺する。従って、上記実施形態と同様に、バルブボディ130の相対移動(ストローク)に対してシール部材170が付与する摺動抵抗は、変圧室R2の圧力変化に拘わらず変化しない。
又、この変形例においては、シール部材170は、ガイド部が、内周シール部172に対して筒部112aの一端の側(変圧室R2の側)となるように設けられた周状の第一ガイド部178と、内周シール部172に対して筒部112aの他端の側(大気に開放された側)となるように設けられた周状の第二ガイド部179と、から構成される。この場合、第一ガイド部178は内周シール部172及び第一ガイド部178の間の空間と変圧室R2とを連通する連通溝としての負圧連通溝178aを有することができ、第二ガイド部179は内周シール部172及び第二ガイド部179の間の空間と大気とを連通する第二連通溝としての大気連通溝179aを有することができる。
これにより、シール部材170は、バルブボディ130を案内(支持)する場合、軸線Jに沿った方向において互いに離間した第一ガイド部178及び第二ガイド部179の二点でバルブボディ130を案内(支持)することができる。従って、バルブボディ130(本体部131)が軸線Jに沿った方向に対して揺動又は偏心することを効果的に防止することができる。又、この変形例においては、内周シール部172が第一ガイド部178及び第二ガイド部179の間に配置される。これにより、バルブボディ130(本体部131)の揺動又は偏心を抑制した状態が維持されるため、内周シール部172は安定したシール力(シール性)を発揮することができる。
又、この変形例においては、二点でバルブボディ130を案内(支持)することにより、図10に示すように、第二ガイド部179(上記実施形態におけるガイド部173に相当)の軸線Jに沿った方向の長さを短くすることができる。ところで、第二ガイド部179はバルブボディ130の本体部131を支持するものである。従って、特に、バルブボディ130がフロントシェル部材111に向けてフルストロークした場合においても、本体部131が第二ガイド部179によって支持されるためには、本体部131のブレーキペダル11側の端部が第二ガイド部179よりも軸線Jに沿った方向にて常に突出していることが好ましい。
この場合、上記実施形態で説明したように、ガイド部173が一点でバルブボディ130の本体部131を案内(支持)する場合には、ガイド部173の軸線Jに沿った方向の長さが長くなり、その結果、本体部131の軸線Jに沿った方向の長さも長くなる。これに対し、図10に示すように、ガイド部173の長さよりも短い第二ガイド部179を設けた場合には、本体部131の軸線Jに沿った方向の長さをLだけ短くすることができる。
これにより、負圧式倍力装置100の軸線Jに沿った方向の長さを短縮することができる。従って、この変形例においては、上記実施形態における効果に加えて、負圧式倍力装置100の全長を短くすることができ、例えば、車両への搭載性を改善することができる。
又、シール部材170とバルブボディ130の本体部131との間の摺動抵抗を低減するために、基部171の内周面171aの側であって内周シール部172の周囲に潤滑剤(グリス)が塗布される場合がある。この変形例においては、内周シール部172は、第一ガイド部178及び第二ガイド部179の間に配置される。従って、第一ガイド部178及び第二ガイド部179の間に潤滑剤(グリス)を塗布しておくことにより、バルブボディ130の本体部131が相対移動(ストローク)した場合であっても、塗布された潤滑剤(グリス)が本体部131の外周面131bを介して外部に流出することが防止される。
これにより、バルブボディ130の本体部131がシール部材170に対して相対移動を繰り返した場合であっても、潤滑剤不足、所謂、グリス切れを生じさせることなく、長期間にわたり潤滑状態を保持することができる。従って、摺動抵抗を低減した状態を良好に維持することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態及び上記変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、シール部材170がガイド部173を有するようにした。又、上記変形例においては、シール部材170がガイド部173として、第一ガイド部178と第二ガイド部179とを有するようにした。これに対し、必要に応じて、ガイド部173(第一ガイド部178及び第二ガイド部179)を省略することも可能である。尚、ガイド部173(第二ガイド部179)を省略した場合には、ブーツ保持部177も省略される。この場合には、例えば、筒部112aのフランジ部112cが径方向にて外方に向けて突出するように形成され、このフランジ部112cにブーツ160の縮径部161が係合される。
又、上記実施形態及び上記変形例においては、シール部材170が基部171の外周面171bに設けられた環状突部175を有するようにした。これに代えて、環状突部175を省略することも可能である。この場合においても、空間部176は変圧室R2と連通しているため、上記実施形態及び上記変形例と同様の効果が得られる。
又、上記変形例においては、ガイド部173として、第一ガイド部178及び第二ガイド部179の両方を設けるようにした。これに代えて、シール部材170が第一ガイド部178のみを有することも可能である。この場合においても、第一ガイド部178は、シール部材170に対して相対移動するバルブボディ130(本体部131)を案内することができる。
更に、上記実施形態及び上記変形例においては、ガイド部173及び第二ガイド部179が軸線Jの方向に沿って延びるようにした。これに代えて、ガイド部173及び第二ガイド部179が周状の突部であっても良い。
10…ブレーキ装置、11…ブレーキペダル、20…シリンダ機構、21…マスタシリンダ、21a…第一マスタ室、21b…第二マスタ室、22,23…マスタピストン、24…マスタリザーバ、25〜28…ホイールシリンダ、30…アクチュエータ、100…負圧式倍力装置、110…ブースタシェル、111…フロントシェル部材、111a…負圧導入口、111b…内面、112…リアシェル部材、112a…筒部、112b…内周面、112c…フランジ部、113…逆止弁、114…タイロッドボルト、114a…拡径部、115…リテーナ、116…リアボルト、120…可動隔壁、121…プレート部材、122…ダイアフラム、122a…外周ビード部、122b…内周ビード部、122c…シート部、130…バルブボディ、131…本体部、131a…フランジ部、131b…外周面、132…負圧連通路、141…入力軸、142…プランジャー、143…キー部材、144…反動部材、145…出力軸、145a…後方円筒部、146…円環部材、147…フィルタ部材、150…弁機構、151…弁体、160…ブーツ、161…縮径部、170…シール部材、171…基部、171a…内周面、171b…外周面、171c…当接部、172…内周シール部、173…ガイド部、173a…大気連通溝、174…外周シール部、174a…係合溝、175…環状突部(突部)、175a…負圧連通溝(連通溝)、176…空間部、177…ブーツ保持部、178…第一ガイド部、178a…負圧連通溝、179…第二ガイド部、179a…大気連通溝、R1…定圧室、R2…変圧室、J…軸線、F1…吸引力、F2…吸引力、FL…左前輪、FR…右前輪、RL…左後輪、RR…右後輪、S…リターンスプリング

Claims (4)

  1. 中空状のブースタシェルと、
    前記ブースタシェルの内部を負圧源に連通する定圧室と、前記負圧源又は大気との連通が可能な変圧室とに気密的に区画して移動可能な可動隔壁と、
    前記ブースタシェルの前記変圧室と連通するように一端が接続されるとともに他端が大気に開放された筒部に対して相対移動可能に挿入されて前記可動隔壁とともに一体に移動する筒状のバルブボディと、
    前記バルブボディに収容されて、前記変圧室への負圧又は大気圧の流入を切り替える弁機構と、
    前記バルブボディの前記内部にて相対移動可能に設けられて操作力を入力する入力部材と、
    前記バルブボディの推進力を出力する出力部材と、
    前記筒部の内周面と前記バルブボディの外周面との間に介装されて、前記変圧室と前記大気との前記連通を遮断する周状のシール部材と、を備えた負圧式倍力装置であって、
    前記シール部材は、
    筒状の基部と、
    前記基部の内周面に設けられていて、前記バルブボディの前記外周面に摺接して前記変圧室と前記大気との前記連通を遮断する周状の内周シール部と、
    前記基部の外周面に設けられていて、前記筒部の前記内周面に摺接して前記変圧室と前記大気との前記連通を遮断し、且つ、前記内周シール部よりも前記筒部の前記他端の側に配置された周状の外周シール部と、
    前記基部の前記外周面にて前記外周シール部に対して前記筒部の前記一端の側に設けられて、前記基部の前記外周面と前記筒部の前記内周面との間に配設されて前記変圧室と連通する周状の空間部と、を有する、負圧式倍力装置。
  2. 前記シール部材は、
    前記基部の前記内周面に設けられていて、前記内周シール部に向けて前記大気と連通する大気連通溝が形成され、前記バルブボディの前記外周面に摺接して前記筒部に対して相対移動する前記バルブボディを案内する周状のガイド部を有する、請求項1に記載の負圧式倍力装置。
  3. 前記ガイド部は、
    前記内周シール部に対して前記筒部の前記一端の側となるように設けられた周状の第一ガイド部と、
    前記内周シール部に対して前記筒部の前記他端の側となるように設けられた周状の第二ガイド部と、から構成される、請求項2に記載の負圧式倍力装置。
  4. 前記シール部材は、
    前記基部の前記外周面にて前記筒部の前記一端の側に設けられていて、前記外周シール部とともに前記空間部を区画する周状の突部を有しており、
    前記突部に前記変圧室と前記空間部とを連通する連通溝を設けた、請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の負圧式倍力装置。
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