JP4111361B2 - 流体圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステム - Google Patents

流体圧倍力装置およびこれを用いたブレーキシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力手段に加えられる入力を、流体圧を用いて倍力して出力する、負圧倍力装置や液圧倍力装置等の流体圧倍力装置の技術分野に属し、特に、入力手段のストロークがきわめて短く設定され、しかも流体圧失陥時には簡単な構造で確実に出力することのできる流体圧倍力装置の技術分野に属するものである。
【0002】
また本発明は、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材のストロークがきわめて短く設定され、しかも流体圧失陥時には簡単な構造で確実にブレーキを作動させることのできるブレーキシステムの技術分野に属するものである。
【0003】
【従来の技術】
自動車のブレーキシステムにおいては、小さなペダル踏力でも大きなブレーキ力を得ることができるようにするために、従来、ペダル踏力を流体圧で倍力して大きな出力を発生する流体圧倍力装置が多々採用されている。このような流体圧倍力装置の1つとして、負圧でペダル踏力を倍力して大きな出力を得る負圧倍力装置がある。
【0004】
図10は、従来のこの負圧倍力装置の一般的な例を示す断面図である。図中、aは負圧倍力装置、bはフロントシェル、cはリヤシェル、dはパワーピストン部材、eはダイヤフラム、fはパワーピストン、gは負圧室、hは作動圧室、iはバルブボディ、jは入力ロッド、kは弁プランジャ、mは弁プランジャkに設けられた大気弁座、nはバルブボディiに設けられた負圧弁座、oは制御弁体、pは制御弁、q,rは通路孔、sは出力ロッド、tはリターンスプリング、uはリアクションディスク、vは負圧導入管およびwは大気導入口である。
【0005】
この従来の負圧倍力装置aにおいては、負圧室gには負圧導入管uを介して常時負圧が導入されている。そして、負圧倍力装置aの非作動状態では、制御弁pの大気弁座mが制御弁体oに当接しているとともに、制御弁体oが負圧弁座nからわずか離座しているかまたは負圧弁座nに着座し(この図示例では、制御弁体oが負圧弁座nに着座している)ており、制御弁pは非作動状態となっている。したがって、作動圧室hは、大気から遮断され、かつ通路孔r、制御弁体oと負圧弁座nとの間の隙間および通路孔qを介して負圧室gに連通されていて、この作動圧室hには負圧が導入されているか、または作動圧室hは大気および負圧室gのいずれからも遮断されていて、この作動圧室hには、制御弁体oが大気弁座mおよび負圧弁座nにいずれにも着座するように、リタースプリングtに対向する、負圧室gよりわずかに高い圧力が導入されている。
【0006】
この状態から、図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、入力ロッドが前方(図において左方)へストロークして、制御弁体oが負圧弁座nに着座した後、大気弁座mが制御弁体oから離れるか、または大気弁座mが直ぐに制御弁体oから離れる。すなわち、制御弁pが切り換えられる。すると、大気導入口wから、大気が、制御弁体oと大気弁座mとの間の隙間および通路孔rを介して作動圧室hに導入される。これにより、作動圧室hと負圧室gとの間に所定の差圧が生じるので、パワーピストン部材このdおよびダイヤフラムeからなるパワーピストンfが作動して出力を発生する。この出力は、バルブボディi、リアクションディスクuおよび出力ロッドsを介して図示しないブレーキのマスタシリンダ(以下、MCYともいう)に伝達されるので、MCYが作動してブレーキ圧を発生し、このブレーキ圧によりブレーキが作動する。
【0007】
作動圧室hの圧力が次第に高くなるにつれて、パワーピストンfの出力が大きくなってバルブボディiが更に前進するので、大気弁座mが負圧弁座nに着座している制御弁体oに当接するようになる。これにより、作動圧室hにはそれ以上大気が導入されなく、作動圧室hの圧力は入力ロッドjに加えられた入力(ペダル踏力に関係した力)に対応した圧力となる。このときのパワーピストンの出力はペダル踏力を倍力した大きな出力となり、その結果、MCYは大きなブレーキ圧を発生するようになる。このとき、バルブプランジャkがリアクションディスクuに当接し、リアクションディスクuがバルブボディiと出力ロッドsとの間に挟圧されるので弾性変形し、このリアクションディスクuの弾性変形により発生する力がバルブプランジャkおよび入力ロッドjを介してブレーキペダルに反力として伝えられる。
【0008】
ブレーキペダルを解放すると、入力ロッドjおよびバルブプランジャkがともに後退し、大気弁座mが制御弁体oに当接するとともに、制御弁体oが負圧弁座nから離座する。すると、作動圧室hに導入された大気は通路孔r、制御弁体oと負圧弁座nとの隙間、通路孔qおよび負圧室gを介して負圧導入管vから排出される。これにより、パワーピストンf、バルブボディiおよび出力ロッドsがともに後退して非作動位置となり、また制御弁pが非作動状態となる。
こうして、この負圧倍力装置では、小さなペダル踏力で大きな出力が得られるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ブレーキシステムにおいては、ブレーキペダルのストロークを可能な限り短縮させることが望まれている。しかしながら、前述の従来の負圧倍力装置では、作動時にパワーピストンfが出力すると、バルブボディiがパワーピストンfおよび出力ロッドsの前進とともに前進してしまう。このため、バルブボディiの設けられた制御弁pも大きく前進するで、入力ロッドjも必然的に大きくストロークしてしまう。しかも、MCYより先のブレーキ系におけるロスストローク(MCYが実際にブレーキ圧を発生するまでのMCYピストンのストローク)により、バルブボディi、パワーピストンfおよび出力ロッドsが更に大きく前進してしまう。その結果、従来の負圧倍力装置はペダルストロークが大きいものとなっており、ペダルストロークの可能な限りの短縮という前述の要望に応えることができない。
【0010】
このことは、液圧でペダル踏力を倍力する従来の液圧倍力装置においても、図示しないが制御弁がパワーピストンに設けられているため、同様に作動時に制御弁がパワーピストンとともに大きく前進してしまうので、入力ロッドのストロークつまりペダルストロークが大きくなっている。
【0011】
特に、低G域でのブレーキ(低減速度のブレーキ、つまり緩ブレーキ)では、ペダルストロークのうち、ブレーキシリンダ、マスタシリンダおよび倍力装置のアイドルストロークの占める割合が大きく、しかもこのアイドルストロークはブレーキの引きずり防止のために必要不可欠となっているため、ストローク短縮はより一層難しい。
【0012】
また、制御弁がパワーピストンとは別にハウジング内にパワーピストンと並列に設けられている流体圧倍力装置がある(例えば、特開平09−164938号公報等を参照)。この流体圧倍力装置では、入力ロッドに揺動可能に取り付けられたレバーの各端を制御弁およびパワーピストンに揺動可能に連結し、入力ロッドに加えられた入力によってこのレバーを介して制御弁およびパワーピストンが作動されるようになっている。このため、作動時パワーピストンのストロークとともにレバーも前進するので、入力ロッドのストロークがやはり大きくなる。しかも、この流体圧倍力装置では、レバーを入力ロッド、制御弁およびパワーピストンにともに揺動可能にかつ所定のレバー比で取り付けて、入力ロッドからの入力によりこのレバー比で制御弁とパワーピストンとを作動制御させるため、構造が複雑となっている。
【0013】
一方、ペダルストロークを短くできる従来のブレーキシステムとして、フルパワーブレーキシステムがある。このフルパワーブレーキシステムは、図示しないが、前述の負圧倍力装置や液圧倍力装置のようにパワーピストンの出力でMCYを作動させ、MCYが発生するブレーキ圧をブレーキアクチュエータに導入することによりブレーキを作動させるものとは異なり、パワーピストンを用いないで、ブレーキペダルにより作動制御されて作動流体の給排を制御するブレーキバルブとブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータとを備え、ブレーキバルブの作動で流体圧源の流体圧を直接ブレーキアクチュエータに導入することによりブレーキを作動させるものである。このフルパワーブレーキシステムでは、作動時単にブレーキバルブを作動させるだけであるので、ペダルストロークを比較的小さくできるが、流体圧源の失陥時にブレーキペダルの踏込によるブレ−キ作動を確実にするためのシステムが複雑になるという問題がある。
このため、このフルパワーブレーキにおける短いペダルストロークの構成を、パワーピストンを有する流体圧倍力装置に単純に適用することはできない。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、入力手段のストロークを極端に短いストロークに設定することができるとともに、流体圧失陥時にも、簡単な構造で入力手段により確実に出力することのできる流体圧倍力装置を提供することである。
【0015】
また、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材のストロークを極端に短いストロークにすることができるとともに、流体圧失陥時にも、簡単な構造でブレーキ操作部材により確実にブレーキを作動させることのできるブレーキシステムを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の流体圧倍力装置は、ハウジング内に、作動時作動圧室に供給される流体の流体圧の作用で作動出力する作動ピストンと、前記作動ピストンと直列にかつ少なくとも一部がこの作動ピストンに当接可能に設けられ、前記作動圧室を流体供給側と流体排出側とに切換制御することで、前記作動ピストンに作用させる流体圧の給排を制御する制御手段と、入力が加えられたときストロークして前記制御手段を作動制御するとともに、流体圧失陥時に加えられる入力で前記制御手段を介して前記作動ピストンを押す入力手段と、作動時前記作動ピストンに作用する流体圧が作用することで前記入力手段のストロークを抑制する制御ピストンとをそれぞれ設け、前記制御手段は、非作動時前記作動圧室を前記流体排出側に連通しかつ作動時前記作動圧室を前記流体供給側に連通するとともに、作動時前記作動圧室に供給された流体の流体圧が前記入力手段に加えられた入力に対応した圧力となったとき、前記作動圧室を流体供給側と流体排出側のいずれからも遮断する制御弁を備え、前記制御弁が前記作動圧室を流体供給側と流体排出側とに切換制御する部材を有し、前記制御ピストンが、前記作動ピストンに作用する流体圧が制御ピストンに作用されたとき、作用された流体圧による力を前記制御弁の前記部材に加えることで前記入力手段のストロークを抑制する制御ピストンであることを特徴としている。
【0017】
また、請求項2の発明は、作動時前記作動ピストンに作用する流体圧が前記入力手段の入力に対応した圧力となるように、前記流体圧と前記入力とで前記制御手段を制御することを特徴としている。
【0018】
更に、請求項3の発明は、前記制御手段と前記入力手段との間に、ストローク制御手段を介設したことを特徴としている。
更に、請求項4の発明は、前記ストローク制御手段が前記制御手段と前記入力手段との間に縮設されたスプリングを備えていることを特徴としている。
更に、請求項5の発明は、負圧を用いて入力を倍力する負圧倍力装置または液圧を用いて入力を倍力する液圧倍力装置であることを特徴としている。
【0019】
更に、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれか1記載の流体圧倍力装置と、この流体圧倍力装置の出力で作動されてブレーキ圧を発生するブレーキマスタシリンダとを少なくとも備えていることを特徴としている。
【0020】
【作用】
このような構成をした本発明の流体圧倍力装置においては、作動時、入力手段に加えられた入力によって制御手段の制御弁が作動制御されると、制御弁は作動圧室に圧力流体を供給する。作動圧室に供給された流体の流体圧が作動ピストンに作用することで、作動ピストンが作動して出力を発生する。
このとき、作動ピストンに作用する流体圧は制御ピストンにも作用するので、この制御ピストンが、作用された流体圧による力を制御弁の部材に加えることで、入力手段のストロークを抑制する。作動ピストンに作用する流体圧が制御ピストンに作用開始したときは、作動圧室の流体圧はまだ入力手段に加えられた入力に対応した圧力になっていない。このため、制御弁は作動圧室を流体供給側から遮断していない。したがって、制御ピストンは入力手段のストロークの抑制を、作動圧室を流体供給側と流体排出側のいずれからも遮断する前に開始するようになる。これにより、作動ピストンに必要な流体圧を作用させるために必要な制御手段の作動量が得られる程度のみ、つまり制御手段の流体圧給排の切換のみのほぼ0の極端に短いストロークに抑制する。このように、入力手段のストロークを超ショートストロークに抑制しても、作動ピストンは作用される流体圧でストロークを続け、入力手段の入力を倍力した大きな出力を発生するようになる。
【0021】
また、作動ピストンと制御手段とを直列に配設し、制御手段が作動ピストンに対して相対移動することによりこの作動ピストンに当接することから、流体圧が失陥したときは、入力手段のストロークで制御手段を介して作動ピストンを作動するようになるので、この流体圧の失陥時にも流体圧倍力装置は入力を倍力しないが確実に出力するようになる。作動ピストンと制御手段とを単に直列に配設するだけで済むので、構造がきわめて簡単になる。
【0022】
特に、請求項3および4の各発明の流体圧倍力装置においては、制御手段と入力手段との間に介設されたストローク制御手段により、入力手段のストロークを種々の大きさに設定することが可能となる。その場合、請求項4の発明では、ストローク制御手段がスプリングを備えているので、単にスプリングのばね定数を種々変えるだけで、入力手段のストロークを種々の大きさに簡単に設定することが可能となる。
【0023】
また、請求項6の発明のブレーキシステムにおいては、流体圧倍力装置の入力手段のストロークが超ショートストロークであることから、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材のストロークも超ショートストロークに設定されるようになる。
【0024】
しかも、制御手段と入力手段との間に介設されたストローク制御手段により、ブレーキ操作部材のストロークが、流体圧倍力装置の出力で作動されてブレーキ圧を発生するマスタシリンダから先のブレーキ系に何ら関係せずに自由に設定されるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る流体圧倍力装置の一例の負圧倍力装置を示す、図10と同様の断面図である。
【0026】
図1に示すように、この例の流体圧倍力装置は、前述の図10に示す負圧倍力装置と同様に負圧を用いて入力を倍力して出力する負圧倍力装置1である。この負圧倍力装置1は、第1シェル2と、この第1シェル2にバヨネット結合された第2シェル3と、この第2シェル3にバヨネット結合された第3シェル4とを備えている。これらの第1ないし3シェル2,3,4は本発明のハウジングを構成している。
【0027】
第3シェル4には筒状の弁座部材5が固定されており、この弁座部材5にはバルブ部材6が気密にかつ摺動自在に貫通されている。また、このバルブ部材6の後端部(図1において右端部)には、本発明の入力手段に相当する入力ロッド7の先端部が摺動自在に嵌合されており、この入力ロッド7の外周面にはフランジ8が形成されている。このフランジ8はバルブ部材6の後端に当接可能となっている。入力ロッド7の後端部には、図示しないが従来の負圧倍力装置と同様にブレ−キペダルが連結されている。
【0028】
バルブ部材6の後端外周部には筒状ナット部材9が螺合されており、この筒状ナット部材9は入力ロッド7に相対移動可能に貫通されている。この筒状ナット部材9の後端内周部にもフランジ10が形成されており、入力ロッド7のフランジ8と筒状ナット部材9のフランジ10とは、入力ロッド7の後退方向(図1位において右方向)に互いに係合するようになっている。したがって、入力ロッド7はバルブ部材6に対して、フランジ8がバルブ部材6の後端に当接する前進限位置とフランジ8がフランジ10に係合する後退限位置との間で相対移動可能となっている。そして、バルブ部材6と入力ロッド7との間には、スプリング11が縮設されており、このスプリング11のばね力により、入力ロッド7はバルブ部材6に対して常時後方へ付勢されていて、負圧倍力装置1の非作動時にはフランジ8がフランジ10に係合する後退限位置にされている。バルブ部材6と、このバルブ部材6に相対移動可能な入力ロッド7と、これらのバルブ部材6と入力ロッド7との間に縮設されたスプリング11とで、入力ロッド7のストロークを制御するストローク制御手段12が構成されている。
【0029】
バルブ部材6の前端内周部には、出力ロッド13の後端部が気密にかつ摺動自在に嵌合されており、この出力ロッド13の前端部は、従来の一般的な負圧倍力装置と同様に第1シェル2を気密に貫通して図示しないマスタシリンダ(以下、MCYともいう)を作動するようになっている。
【0030】
出力ロッド13にはピストン部材14が気密に嵌合されていると共に、このピストン部材14の後方に位置して可撓性のダイヤフラムピストン15が配設されており、このダイヤフラムピストン15の内周縁部は支持部材16に支持されている。また、ピストン部材14の内周縁部と支持部材16の内周縁部とが、出力ロッド13に螺合されたナット17と出力ロッド13のフランジ18との間に挟持されていると共に、ダイヤフラムピストン15の外周縁部が第1および第2シェル2,3の間に気密に挟持されている。そして、ピストン部材14とダイヤフラムピストン15とにより、本発明の作動ピストンに相当するパワーピストン19が構成されている。
【0031】
一方、バルブ部材6にはピストン部材20が気密に嵌合されていると共に、このピストン部材20の前方に位置して可撓性のダイヤフラムピストン21が配設されており、このダイヤフラムピストン21の内周縁部は支持部材22に支持されている。また、ピストン部材20の内周縁部と支持部材22の内周縁部とが、バルブ部材6に螺合されたナット23とバルブ部材6のフランジ24との間に挟持されていると共に、ダイヤフラムピストン21の外周縁部が第2および第3シェル3,4の間に気密に挟持されている。そして、ピストン部材20とダイヤフラムピストン21とにより、制御ピストン25が構成されている。
【0032】
第1シェル2とパワーピストン19との間には、リターンスプリング26が縮設されており、このリターンスプリング26のばね力でパワーピストン19および出力ロッド13が常時後方に付勢されている。また、第3シェル4と制御ピストン25との間には、制御用リターンスプリング27が縮設されており、この制御用リターンスプリング27のばね力で制御ピストン25およびバルブ部材6が常時前方に付勢されている。そして、非作動時は、バルブ部材6と出力ロッド13とが軸方向(図1において左右方向)に互いに当接していると共に、ダイヤフラム15の突部28が第2シェル3に当接して、バルブ部材6、出力ロッド13、パワーピストン19および制御ピストン25は、ともに図1に示す後退限位置となっている。
【0033】
第1ないし第3シェル2,3,4および弁座部材5内には、第1シェル2とパワーピストン19とで画成された第1真空室29、第2シェル3とパワーピストン19と制御ピストン25とで画成された作動圧室30、および弁座部材5と第3シェル4と制御ピストン25とで画成された第2真空室31がそれぞれ設けられている。第1真空室29は、従来の一般的な負圧倍力装置と同様に、例えばエンジンのインテークマニホールド等の負圧限に接続されていて、常時負圧が導入されている。また、第2真空室31は、バルブ部材6に形成された通路孔32、バルブ部材6と出力ロッド13との間の空間33、出力ロッド13に形成された通路孔34を介して第1真空室29に常時連通している。
【0034】
バルブ部材6には大気弁座35が形成されていると共に、弁座部材5には負圧弁座36が形成されており、更に、第3シェル4には、これらの大気弁座35および負圧弁座36に着座可能な筒状の制御弁体37が設けられている。制御弁体37はバルブシートスプリング38のばね力によって、大気弁座35および負圧弁座36の方に常時付勢されている。そして、制御弁体37が大気弁座35に着座しかつ負圧弁座36から離座しているときは、作動圧室30は、バルブ部材6に穿設された通路孔39、制御弁体37と負圧弁座36との間の隙間、および弁座部材5に形成された切り欠き溝40を介して第2真空室31に連通し、更に、第2真空室31から前述のように第1真空室29に連通すると共に真空源に連通し、また大気から遮断されるようになっている。また、制御弁体37が負圧弁座36に着座しかつ大気弁座35から離座しているときは、作動圧室30は、バルブ部材6に穿設された通路孔39、制御弁体37と大気弁座35との間の隙間、およびバルブ部材6の外周面と制御弁体37の内周面との間の空間を介して大気に連通し、また、第1および第2真空室29,31から遮断されるようになっている。
【0035】
非作動時は、バルブ部材6が図示の後退限位置にあり、制御弁体37が大気弁座35に着座しかつ負圧弁座36から離座しているので、作動圧室30は、第1および第2真空室29,31連通しかつ大気から遮断されている。このように、大気弁座35および負圧弁36と制御弁体37とによって、作動圧室30と第2真空室31または大気との連通、遮断を切換制御する制御弁41が構成されている。そして、弁座部材5、バルブ部材6および制御弁体37により本発明の制御手段が構成されている。
【0036】
このように構成されたこの例の負圧倍力装置1の作用について説明する。
負圧倍力装置1の非作動時では、負圧倍力装置1の各構成部材は図示に状態にあり、前述のように制御弁41によって作動圧室30が第1および第2真空室29,31連通しかつ大気から遮断されているので、第1および第2真空室29,30はもちろん作動圧室30も負圧が導入されている。したがって、パワーピストン19および制御ピストン25はともに図示の非作動位置となっており、負圧倍力装置1は出力しない。
【0037】
ブレーキ作動のためブレーキペダルを踏み込むと、ペダル踏力に基づく入力が入力ロッド7に加えられ、入力ロッド7は前方にストロークし、スプリング11を介してバルブ部材6を押す。すると、バルブ部材6も弁座部材5に対して相対摺動して前方へストロークし、制御弁体37が負圧弁座36に着座し、作動圧室30が第2真空室31から遮断され、作動圧室30への負圧の導入が停止する。更に、バルブ部材6が前方へストロークすると、大気弁座35が制御弁体37から離れ、大気が大気弁座35と制御弁体37との間の隙間および通路孔39を介して作動圧室30に導入され、作動圧室30と第1真空室29との間に差圧が生じてパワーピストン19に前方に向けて作用する。これにより、パワーピストン19が作動して、負圧倍力装置1は出力ロッド13から出力を発生する。この負圧倍力装置1の出力により、出力ロッド13はMCYのピストンを押すので、MCYはブレーキ圧を発生し、ブレーキが作動する。
【0038】
このとき、作動圧室30に導入された大気により、作動圧室30と第2真空室31との間にも差圧が生じて制御ピストン25に後方に向けて作用する。このため、バルブ部材6はそれ以上ストロークしなくなり、出力軸13(つまり、パワーピストン19)がバルブ部材6に対して相対移動し、前方へストロークするようになる。すなわち、入力ロッド7は、バルブ部材6が制御弁41を切り換える分(非作動時の第2弁座36と制御弁体37との間の隙間と作動時に作動圧室30に所定の圧力を得るために必要な、第1弁座35と制御弁体37との間の所定量の隙間との和の距離)だけストロークし、それ以上ストロークしないことになる。こうして、入力ロッド7のストロークの抑制が、作動圧室30が大気と第2真空室31のいずれからも遮断される前に開始される。
そして、導入された大気による作動圧室30の圧力が上昇し、この上昇した圧力が制御ピストン25を介してバルブ部材6を後方に押す力が大きくなると、バルブ部材6がスプリング11を縮小しながら後退して、第1弁座35が制御弁体37に着座し、作動圧室30は大気と第2真空室31のいずれからも遮断される。このため、作動圧室30にはそれ以上大気が導入されなくなり、作動圧室30の圧力は入力ロッド7に加えられた入力に応じた圧力となる。
すなわち、制御弁41は、制御ピストン25に作用する大気による力と入力ロッド7の入力とがバランスするように作動圧室30の圧力を制御するようになる。
【0039】
このようにして、負圧倍力装置1はブレーキペダルのペダル踏力を倍力した大きな出力を発生するサーボ制御を行うようになる。
なお、このとき、制御ピストン25に作用する前述の差圧によって生じる力がバルブ部材6に加えられ、この力がスプリング11および入力ロッド7を介してブレーキペダルに反力として伝えられる。
【0040】
ブレーキの作動状態からブレーキを解除するために、ブレーキペダルを解放すると、従来に負圧倍力装置と同様にこのブレーキペダルが図示しないペダルスプリングのばね力で非作動位置方向に戻る。このため、入力ロッド7に加えられていた入力が低下するので、入力ロッド7もブレーキペダルの戻り動作とともに後退し、バルブ部材6に作用していた入力も低下する。すると、制御ピストン25に作用している作動圧室30の大気の力によりバルブ部材6も後退し、第1弁座35が制御弁体37を後方に押すので、制御弁体37が第2弁座36から離座する。これにより、前述のように作動圧室30が第2真空室31および第1真空室29を介して負圧源に連通するので、作動圧室30に導入された大気はこれらの第2および第1真空室31,29を介して負圧源の方に排出される。その結果、作動圧室30の圧力が低下するので、リターンスプリング26のばね力によりパワーピストン19および出力ロッド13がともに後退し、非作動位置に戻り、負圧倍力装置1は出力しなくなる。したがって、MCYのピストンも非作動位置となるので、MCYはブレーキ圧を発生しなくなり、ブレーキが解除する。
【0041】
負圧源の負圧が失陥すると、第1および第2作動圧室29,32には負圧が導入されなく、これらの第1および第2作動圧室29,32は大気圧となるので、前述のようにブレーキペダルの踏み込みにより、バルブ部材6が前方へストロークして制御弁41が切り換わっても、作動圧室30と第1および第2作動圧室29,32との間には差圧が生じない。このため、パワーピストン19が作動しなく、負圧倍力装置1は出力しない。しかし、このときは、ブレーキペダルを更に踏み込むことにより、入力ロッド7のフランジ8がバルブ部材6の後端に当接し、入力ロッド7、バルブ部材6および出力ロッド13が一体的に前方へストロークするので、入力ロッド7に加えられたペダル踏力による入力でMCYのピストンを直接押すようになる。したがって、MCYはブレーキ圧を発生し、負圧の失陥時にも確実にブレーキが作動するようになる。
【0042】
ところで、この例の負圧倍力装置1では、作動時、作動圧室30と第2真空室31との間の差圧で制御ピストン25を介してバルブ部材6のストロークを規制し、パワーピストン19および出力ロッド13のみをストロークするようにしているので、負圧倍力装置1の同じ出力に対して、バルブ部材6のストロークが従来のバルブボディのストロークに比べてかなり小さくなる。このバルブ部材6のストローク規制は、制御ピストン25の受圧面積および制御用リターンスプリング27のばね力によって決定される。更に、弁座部材5が第3シェル4の固定されていることから、作動時にも第2弁座36が移動しないので、バルブ部材6は、作動時に第2弁座36に着座している制御弁体37から第1弁座35が所定量の隙間が形成されるだけストロークすればよい。すなわち、バルブ部材6は、作動時にも移動しない第2弁座36に対して、非作動時の第2弁座36と制御弁体37との間の隙間と作動時における前述の所定量の隙間との和の距離だけストロークすればよいので、バルブ部材6のストロークは、作動時に第2弁座が前進する従来のバルブボディのストロークに比べて更に一層大幅に短縮される。したがって、負圧倍力装置1の同じ出力に対して、入力ロッド7のストロークが従来の入力ロッドのストロークに比べて大幅に小さくなる、換言すれば、ペダルストロークが従来のペダルストロークに比べて大幅に短縮(例えば、ストローク10mm以下等に短縮)されるようになる。
【0043】
そして、これにより、同じペダル踏力に対しても、ペダルストロークが従来のペダルストロークに比べてかなり小さくなる。こうして、図2(a)ないし(c)に示すように、この例の負圧倍力装置1では、ペダルストロークに対するペダル踏力の特性、ペダルストロークに対する減速度(つまり、ブレーキ圧あるいは負圧倍力装置1の出力)の特性、およびペダル踏力に対する減速度(つまり、ブレーキ圧あるいは負圧倍力装置1の出力)の特性が得られるようになる。
【0044】
また、作動時に入力ロッド7とバルブ部材6との間に介設されているストローク制御手段12のスプリング11が入力ロッド7の入力により縮小するので、入力ロッド7はバルブ部材6よりこのスプリング11の縮小分だけ余分にストロークするようになる。すなわち、入力ロッド7のストロークつまりブレーキペダルのペダルストロークは、スプリング11の予め設定されたばね定数に応じて変化するようになる。したがって、ストローク制御手段12におけるスプリング11のばね定数を任意に設定することにより、ペダルストロークが自由に設定されるようになる。
【0045】
そして、このようにペダルストロークはスプリング11のばね定数によって決定されることから、MCYから先の図示しないブレーキ系には何ら関係しない。すなわち、例えばMCYのピストンストロークが大きくなっても、このピストンストロークの増大はただ負圧倍力装置1のパワーピストン19のストロークが大きくなって作動圧室30に導入される大気の量が単に増えるだけであり、ペダルストロークが増大することはない。
【0046】
なお、入力ロッド7のストロークがバルブ部材6よりスプリング11の縮小分だけ多くなるが、その増加量はバルブ部材6のストロークの大幅な短縮量に比べてはるかに小さいことから、入力ロッド7のストロークは、トータル的には従来の負圧倍力装置1の入力ロッド7のストロークに比べて大幅に短縮される。
【0047】
このように、この例の負圧倍力装置1は、入力ロッド7が制御弁41の切換に必要なストローク量のみをストロークするだけであり、しかもストローク制御手段12によってMCYから先のブレーキ系に関係せずにペダルストロークを自由に設定できるようになり、作動時ほとんどストロークしない超ショートストロークの負圧倍力装置となる。
【0048】
図3は、本発明の実施の形態の他の例を示す、図1と同様の断面図である。なお、図1に示す例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0049】
前述の図1に示す例では、制御用リターンスプリング27が制御ピストン25と第3シェル4との間に配設され、この制御用リターンスプリング27のばね力により、非作動時にバルブ部材6と出力ロッド13とが軸方向に当接しているとともに第3シェル4に固定された弁座部材5から離れているようになっているが、この例の負圧倍力装置1では、図3に示すように制御用リターンスプリング27がパワーピストン19と制御ピストン25との間に配設されている。そして、制御用リターンスプリング27のばね力により、バルブ部材6は、非作動時に出力ロッド13から軸方向に離れているとともに弁座部材5に当接するようになっている。
この例の負圧倍力装置の他の構成は、図1に示す例と同じである。
【0050】
次に、この例の負圧倍力装置の作用効果について説明する。
図1に示す例では、作動開始時の倍力開始前(つまり、制御弁41の切換前)において入力ロッド7の前方へのストロークに対して、バルブ部材6、パワーピストン19および出力ロッド13がともにストロークするようになっているが、この例の負圧倍力装置1では、作動開始時の倍力開始前において入力ロッド7の前方へのストロークに対して、バルブ部材6のみがストロークするだけで、パワーピストン19および出力ロッド13はともにストロークしなく、非作動位置に保持されるようになっている。したがって、この例の負圧倍力装置1では、倍力開始前に大きなパワーピストン19および出力軸13を動かさなくて済むので、作動開始時のペダルフィーリングが図1に示す例より良好になる。
この例の負圧倍力装置の他の作用および効果は、図1に示す例と同じである。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態の他の例を示す、図1と同様の断面図である。図1および図3に示す各例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0052】
前述の図1および図3に示す各例のストローク制御手段12では、いずれもバルブ部材6と入力ロッド7との間に1個のスプリング11のみが縮設されているが、この例の負圧倍力装置1におけるストローク制御手段12では、図4に示すようにバルブ部材6と入力ロッド7との間に、スプリング11に加えて更にもう1個のスプリング42が縮設されている。
【0053】
具体的に説明すると、この例のストローク制御手段12では、バルブ部材6に摺動自在に嵌合された入力ロッド7の前端部に縮径部43が形成され、この縮径部43には環状ディスク状のリテーナ44が摺動自在に嵌合されている。その場合、このリテーナ44が縮径部43に取り付けられたストッパリング45によってそれ以上の入力ロッド7の前方(図4において左方)への移動が規制されている。
【0054】
また、入力ロッド7の前端部が摺動自在に嵌合されるバルブ部材6の孔に連続して、縮径された孔46が設けられているとともに、この孔46により段部47がバルブ部材6に形成されている。孔46内には、入力ロッド6が前方へストロークしたとき、入力ロッド7の縮径部43およびストッパリング45が進入可能となっているが、リテーナ44は段部47に当接して進入不能となっている。そして、前述のもう1個のスプリング42は、縮径部43による入力ロッド7の段部48とリテーナ44との間に配設され、このスプリング42は、図示の非作動時において段部48とストッパリング45に当接したリテーナ44との間に、所定のばね力が生じるように縮設されている。更に、この非作動時において、リテーナ44と段部47との間に、所定の間隔が設定されている。
この例の負圧倍力装置1の他の構成は、図1または図2に示す例と同じである。
【0055】
このように構成されたこの例の負圧倍力装置1のストローク制御手段12においては、作動時、入力ロッド7が前方へストロークする際、まず最初にスプリング11を縮小させながら前進する。このとき、リテーナ44と段部47との間に所定の間隔が設定されているので、リテーナ44も一緒に前進する。そして、ストッパリング45が孔46内に進入し、リテーナ44が段部47に当接すると、リテーナ44はそれ以上前進しなくなる。このため、入力ロッド7はスプリング11に加えてスプリング42も縮小させながら前進するようになる。これにより、ストローク制御手段12のばね定数が変わり、ペダルストロークに対するペダル踏力および発生する減速度(ブレーキ圧)が二段特性を呈するようになる。この場合の、ペダルストロークに対するペダル踏力の特性、ペダルストロークに対する減速度(ブレーキ圧)の特性、およびペダル踏力に対する減速度(ブレーキ圧)の特性は、それぞれ図5(a)ないし(c)に示すようになる。
【0056】
そして、この例の負圧倍力装置1によれば、各スプリング11,42のばね定数、種々のスプリングの組合せ、およびリテーナ44と段部47との間の間隔等を適宜設定することにより、種々の特性を得ることができるようになる。
【0057】
図6は本発明に係る流体圧倍力装置の実施の形態の更に他の例を模式的に示す断面図である。前述の各例と同じ構成要素には同じ符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0058】
前述の各例は、いずれも本発明の流体圧倍力装置を負圧倍力装置1に適用しているが、この例の流体圧倍力装置は、図6に示すように液圧を用いて入力を倍力して出力する液圧倍力装置50である。この例の液圧倍力装置50は、クローズドセンタ型の液圧倍力装置であり、ハウジング51の段付孔52内に液密に摺動可能に設けられたパワーピストン19とこのパワーピストン19に一体に形成された出力ロッド13とを備えている。また、ハウジング51の段付孔52の後端部側には、筒状部材53が液密に嵌合されてナット54により軸方向に移動不能にされている。
【0059】
この筒状部材3の内孔の内周面には、第1環状溝55が設けられているとともに、ハウジング51および筒状部材53には、ハウジング51の外面から筒状部材3の内孔の内周面にまで延びる供給孔56および排出孔57がそれぞれ穿設されている。
【0060】
また、筒状部材3の内孔には、バルブ部材6が摺動自在に嵌合されている。このバルブ部材6の前部側には、前端に開口する軸方向孔58が穿設されているとともに、バルブ部材6の外周面には、第2および第3環状溝59,60が形成されている。また、バルブ部材6には、バルブ部材6の外周面から軸方向孔58の内周面に延びる径方向孔61が穿設されている。更に、バルブ部材6の前端部には、制御ピストン部25′が設けられているとともに、この制御ピストン部25′とパワーピストン19との間には、制御用リターンスプリング27が縮設されている。バルブ部材6の後端部には、前述の各例と同様のストローク制御手段12が設けられている。
【0061】
パワーピストン19と制御ピストン部25′との間には、作動流体である圧液が供給される作動室30が設けられている。そして、筒状部材53の第1環状溝55をバルブ部材6の第2または第3環状溝59,60に選択的に切り換えて連通させることにより、作動室30と供給孔56または排出孔57との連通、遮断が選択的に切換制御されるようになっている。すなわち、第1ないし第3環状溝55,59,60は制御弁41を構成している。その場合、非作動時は第1環状溝55は第2環状溝59に連通し、第3環状溝60から遮断されている。
【0062】
供給孔56はアキュムレータ62に接続されており、このアキュムレータ62にはポンプ63から吐出されるリザーバ64の作動液によって所定の液圧が蓄圧されている。したがって、供給孔56には常時アキュムレータ62の蓄圧が導入されている。一方、排出孔57はリザーバ64に常時接続されている。
この液圧倍力装置50の他の構成は、前述の各例の負圧倍力装置1と具体的な構造は異なるが、機能的には同じである。
【0063】
このように構成されたこの例の液圧倍力装置50においては、図示の非作動時は、第1環状溝55が第2環状溝59に連通し、第3環状溝60から遮断されていることから、作動室30は、軸方向孔58、径方向孔61、第1環状溝55、第3環状溝59および排出孔57を介してリザーバ64に連通しているとともに、供給孔56から遮断されている。このため、作動圧室30には供給孔56からの圧液が導入されなく、パワーピストン19は非作動位置となっていて、液圧倍力装置50は出力しない。また、この場合は、図3に示す例と同様にパワーピストン19と制御ピストン部25′との間に、制御用リターンスプリング27が縮設されているので、パワーピストン19の後端とバルブ部材6の前端とは離れている。
【0064】
図示しないブレーキペダルの踏込でブレーキ作動が行われると、前述の各例と同様に入力ロッド7がスプリング11を縮小させながら前方へストロークし、入力ロッド7に加えられた入力をバルブ部材6に伝達する。そして、バルブ部材6が前進し、第2環状溝59が第1環状溝55から遮断されるとともに、第3環状溝60が第1環状溝55に連通するようになる。すると、供給孔56に導入されていた圧液が、供給孔56、第3環状溝60、第1環状溝55、径方向孔61いおよび軸方向孔58を介して作動圧室30に導入される。これにより、パワーピストン19が作動して、液圧倍力装置50は出力ロッド13から出力する。この出力により、図示しないMCYが作動してブレーキ圧を発生するので、ブレーキが作動する。
【0065】
一方、作動圧室30に導入された圧液の液圧は、前述の各例と同様に制御ピストン部2′にも作用する(前述の各例の場合は、大気圧が制御ピストン2に作用する)ので、バルブ部材6はそれ以上ストロークしなくなり、パワーピストン19および出力軸13のみが前進するようになる。すなわち、この例の液圧倍力装置50においても、入力ロッド7は、バルブ部材6が制御弁41を切り換える分(第1環状溝55が第2環状溝59から遮断されて作動圧室30に所定の圧力を得るために必要な程度に第3環状溝60に連通するための距離)だけストロークし、それ以上ストロークしないことになる。そして、導入された圧液による作動圧室30の圧力が上昇し、この上昇した圧力が制御ピストン部25′を介してバルブ部材6を後方に押す力が大きくなると、バルブ部材6がスプリング11を縮小しながら後退して、第3環状溝60が第1環状溝55から遮断され、作動圧室30は供給孔56と排出孔57とのいずれからも遮断される。
このため、作動圧室30にはそれ以上圧液が導入されなくなり、作動圧室30の圧力は入力ロッド7に加えられた入力に応じた圧力となる。すなわち、制御弁41は、制御ピストン部25′に作用する圧液による力と入力ロッド7の入力とがバランスするように作動圧室30の圧力を制御するようになる。
【0066】
ブレーキの作動状態からブレーキを解除するために、ブレーキペダルを解放すると、従来に液圧倍力装置および前述の各例と同様に入力ロッド7が後退し、バルブ部材6に作用していた入力も低下する。すると、作動圧室30の圧液の力でバルブ部材6も後退し、第1環状溝55が第2環状溝59に連通するようになる。これにより、作動圧室30に導入された圧液はリザーバ64に排出され、リターンスプリング26のばね力でパワーピストン19および出力ロッド13がともに後退し、非作動位置に戻り、液圧倍力装置50は出力しなくなる。したがって、MCYのピストンも非作動位置となるので、MCYはブレーキ圧を発生しなくなり、ブレーキが解除する。
【0067】
アキュムレータ62やポンプ63等の液圧源が故障すると、供給孔56には液圧が導入されない。このため、前述のようにブレーキペダルの踏み込みにより、バルブ部材6が前方へストロークして制御弁41が切り換わっても、作動圧室30には液圧が導入されないので、パワーピストン19が作動しなく、液圧倍力装置50は出力しない。しかし、このときはブレーキペダルを更に踏み込むことにより、前述の各例と同様に、入力ロッド7のフランジ8がバルブ部材6の後端に当接し、かつバルブ部材6の前端がパワーピストン19に当接するので、入力ロッド7に加えられたペダル踏力による入力でMCYのピストンを直接押すようになる。したがって、MCYはブレーキ圧を発生し、液圧の失陥時にも確実にブレーキが作動するようになる。
【0068】
この例の液圧倍力装置50の他の作用効果は、前述の図4に示す例と同じであり、液圧倍力装置50の各特性は、図5(a)ないし(c)に示す特性と同じになる。
【0069】
図7は本発明に係る流体圧倍力装置の実施の形態の更に他の例を模式的に示す断面図である。なお、前述の各例の流体圧倍力装置と同じ構成要素には同じ符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0070】
図6に示す例の液圧倍力装置50はクローズドセンタ型であるが、この例の液圧倍力装置50は、図7に示すようにオープンセンタ型の液圧倍力装置である。また、図6に示す液圧倍力装置50では、筒状部材53が軸方向に移動不能となっているが、この例の液圧倍力装置50では、筒状部材53は液密に摺動可能となっている。更に、この例の液圧倍力装置50では、パワーピストン19が段付孔52の段部65に当接可能となっている。そして、パワーピストン19がこの段部65に当接したときは、パワーピストン19はそれ以上の後方への移動が規制されている。更に、筒状部材53も段付孔52の段部66に当接可能となっている。そして、筒状部材53がこの段部66に当接したときは、筒状部材53はそれ以上の後方への移動が規制されている。また、筒状部材53がパワーピストン19に対して相対的に前方に移動すると、筒状部材53はパワーピストン19に当接するようになっている。
【0071】
更に、この例の液圧倍力装置50の供給孔56および排出孔57は、それぞれ、ハウジング51に穿設された部分56a,57aと、これらの部分56a,57aに対して軸方向に相対移動はするがこれらの部分56a,57aと常時連通している、筒状部材53に穿設された部分56b,57bとから構成されている。
【0072】
更に、筒状部材53の段付孔67の内周面には、第1環状溝55に加えて第4環状溝68が設けられているとともに、第4環状溝68と排出孔57とを常時連通させる通路孔69が穿設されている。
【0073】
更に、バルブ部材6に設けられた軸方向孔58は、バルブ部材6の両端に開口する貫通孔とされている。更に、バルブ部材6の前端部には、図6に示す液圧倍力装置50の制御ピストン部25′に代えて大径部70が設けられているとともに、この大径部70が筒状部材53の段付孔67の段部71に当接することにより、バルブ部材6のそれ以上の後方の移動が規制されている。
【0074】
バルブ部材6の後端には入力ロッド7が直接連結されており、前述の各例のストローク制御手段12が省略されている。この入力ロッド7は連結ロッド72を介して図示しないブレーキペダルに連結されている。
【0075】
筒状部材53の第4環状溝68とバルブ部材6の第3環状溝60とが連通すると、供給孔56は第3環状溝60、第4環状溝68および通路孔69を介して排出孔57に連通するようになる。また、第1環状溝55と第3環状溝60とが連通すると、供給孔56は第3環状溝60、第1環状溝55、径方向孔61および軸方向孔58を介して作動圧室30に連通するようになる。更に、第1環状溝55と第2環状溝59とが連通すると、排出孔57は第2環状溝59、第1環状溝55、径方向孔61および軸方向孔58を介して作動圧室30に連通するようになる。
【0076】
そして、図6に示す例と同様に、バルブ部材6を筒状部材53に対して相対摺動させることにより、前述の各環状溝の連通を選択的に切り換えることにより、作動圧室30と供給孔56または排出孔57との連通、遮断が選択的に切換制御されるようになっている。すなわち、第1ないし第4環状溝55,59,60,68は、作動圧室30に対する圧液の給排を制御する制御弁を構成している。その場合、図7に示すように非作動時は第3環状溝60は第4環状溝68に連通されるとともに第1環状溝55から遮断され、また、第2環状溝59は第1環状溝55に連通されている。そして、この制御弁を含む筒状部材53およびバルブ部材6により本発明の制御手段が構成され、この制御手段はパワーピストン19に所定間隔を置いて直列に配置されている。
この例の液圧倍力装置50の他の構成は図6に示す例と同じである。
【0077】
次に、このように構成されたこの例の液圧倍力装置50の作用について説明する。
まず、図7に示す非作動時では、第3環状溝60が第4環状溝68に連通しているとともに第1環状溝55から遮断していることから、ポンプ63から吐出されたリザーバ64の作動液が供給孔56、第3環状溝60、第4環状溝68、通路孔69および排出孔57を通って流動した後再びリザーバ64へ戻る。このとき、作動流体は何ら絞られないので圧力を発生しない。すなわち、リザーバ64の作動流体は液圧倍力装置50内を通って、再びリザーバ64へ還流している。また、第2環状溝59が第1環状溝55に連通していることから、作動室30は、軸方向孔58、径方向孔61、第1環状溝55、第2環状溝59および排出孔57を介してリザーバ64に連通しているので、作動室30には液圧が導入されない。したがって、パワーピストン19は作動して出力を発生しない。
【0078】
また、この非作動時では、パワーピストン19がリターンスプリング26のばね力で段部65に当接した非作動位置に保持されるとともに、制御用リターンスプリング27のばね力でバルブ部材6が段部71に当接した非作動位置に、また筒状部材53が段部66に当接した非作動位置にそれぞれ保持されている。
【0079】
ブレーキペダルの踏込でブレーキ作動が行われると、入力ロッド7はバルブ部材6を前進させながら前方へストロークする。このバルブ部材6の前進により、第3環状溝60と第4環状溝68との連通が次第に絞られるようになり、また、第1環状溝55と第2環状溝59とが遮断されるとともに第1環状溝55と第3環状溝60とが連通するようになる。第4環状溝68と第3環状溝60との連通が絞られることにより、第3環状溝60内には液圧が発生し、この液圧が第3環状溝60から第1環状溝55、径方向孔61および軸方向孔58を介して作動圧室30に導入される。作動圧室30に導入された液圧がパワーピストン19に作用することにより、パワーピストン19が作動して前方へストロークし、出力を発生する。このパワーピストン19の出力は出力ロッド13を介して図示しないMCYが作動してブレーキ圧を発生するので、ブレーキが作動する。
【0080】
このとき、筒状部材53はストロークしなく、図示の非作動位置に保持されるので、バルブ部材6も各環状溝の連通、遮断の切換に必要な量だけきわめてわずかにストロークするだけであり、入力ロッド7もきわめてわずかにストロークするだけである。したがって、パワーピストン19および出力ロッド13のみが前進するようになる。
【0081】
一方、作動圧室30に導入された液圧はバルブ部材6に作用するので、バルブ部材6は、入力ロッド7を介して伝えられるペダル踏力による入力と作動圧室30の液圧により加えられる力とが釣り合うように制御されて、作動圧室30の液圧はペダル踏力による入力にバランスするように制御される。
【0082】
なお、このとき、作動圧室30の液圧によって生じる力がバルブ部材6に加えられ、この力が入力ロッド7を介してブレーキペダルに反力として伝えられる。また、第3環状溝60と第4環状溝68との連通が絞られるが、第3環状溝60と第4環状溝68とが遮断される場合もある。
【0083】
ブレーキを解除するために、ブレーキペダルを解放すると、入力ロッド7が非作動位置に後退するのでバルブ部材6も非作動位置に後退し、第3環状溝60が第1環状溝55から遮断し、再び第4環状溝68との連通が大きくなるとともに、第2環状溝59が第1環状溝55に連通する。これにより、前述の非作動状態と同じように、ポンプ63から吐出された作動液は第3環状溝60と第4環状溝68との間で何ら絞られることなく、再びリザーバ64へ還流するようになる。そして、作動液は絞られないので、第3環状溝60には液圧が発生しない。一方、作動室30に導入された圧液は、軸方向孔58、径方向孔61、第1環状溝55、第2環状溝59および排出孔57を介してリザーバ64に排出されるので、パワーピストン19は図示の非作動位置に戻る。これにより、液圧倍力装置50は出力を発生しない。こうしてブレーキは解除される。
【0084】
ポンプ63等の液圧源が失陥すると、作動時に制御弁が切り換わっても液圧が発生しないので、パワーピストン19は液圧によっては作動しなくなる。この場合は、更にブレーキペダルを踏み込むと、入力ロッド7が更に前進して、入力ロッド7の前端が筒状部材53に当接し、入力ロッド7と筒状部材53とが一体的に前進する。すると、筒状部材53がパワーピストン19に当接し、結局、入力ロッド7、筒状部材53、パワーピストン19および出力ロッド13とが一体に前進する。これにより、MCYが作動してブレーキ圧を発生するので、液圧源の失陥時にもブレーキが確実に作動する。
【0085】
なお、筒状部材53が前進することによりハウジング51の段付孔52の入力ロッド側の空間Aの容積が増加するが、このときには第3環状溝60と第1環状溝55とが連通しているので、リザーバ64の作動液がポンプ63、供給孔56,第3環状溝60、第1環状溝55、径方向孔61および軸方向孔58を介して空間Aに供給されるので、筒状部材53はスムーズに前進するようになる。
【0086】
ブレーキの解除時には、入力ロッド7が後退するので、バルブ部材6が後退して、図示のように大径部70が筒状部材53の段部71に当接する。これにより、第2環状溝59と第1環状溝55とが再び連通するので、パワーピストン19および筒状部材53は、空間Aに供給された作動液を軸方向孔58、径方向孔61、第1環状溝55、第2環状溝59および排出孔57を介してリザーバ64に排出させながら、図示の非作動位置まで後退する。
この例の液圧倍力装置50の他の作用および効果は、図6に示す例の液圧倍力装置50と同じである。
【0087】
なお、この例の液圧倍力装置50においても、ストローク制御手段12を設けてもよいことは言うまでもない。その場合は、非作動時に入力ロッド7をハウジング51外に延出するように設け、その延出部において入力ロッド7を2分割して、それらの間にストローク制御手段12を設けるようにすればよい。
【0088】
図8は本発明に係る流体圧倍力装置の実施の形態の更に他の例を模式的に示す図7と同様の断面図である。なお、前述の各例の流体圧倍力装置と同じ構成要素には同じ符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0089】
図7に示す例の液圧倍力装置50はオープンセンタ型の液圧倍力装置であるが、図8に示すように、この例の液圧倍力装置50は、図6に示す例と同様にクローズドセンタ型の液圧倍力装置である。したがって、この例の液圧倍力装置50では、液圧を作動圧室30に供給する部分の構成は図6に示す例と同じであり、他の構成は図7に示す例と同じである。すなわち、図7に示す液圧倍力装置50に対して、図6に示す例と同様に第4環状溝68および通路孔69が省略されているとともに、アキュムレータ62が設けられている。
【0090】
この例の液圧倍力装置50の作用も、液圧を作動圧室30に供給するための作用は図6に示す例と同じであり、他の作用は図7に示す例と同じである。また、この例の液圧倍力装置50の作用も、図7に示す例と同じである。
【0091】
図9は本発明に係る流体圧倍力装置の実施の形態の更に他の例を模式的に示す断面図である。なお、前述の各例の流体圧倍力装置と同じ構成要素には同じ符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0092】
図9に示すように、この例の液圧倍力装置50は、図6および図8に示す例と同様のクローズドセンタ型の液圧倍力装置である。また、図6ないし図8に示す例の液圧倍力装置50は、いずれも制御弁にスプール弁のバルブ部材が用いられているが、この例の液圧倍力装置50は、制御弁にボール弁と弁座からなる制御弁が用いられている。
【0093】
すなわち、図8に示す例に対して、筒状部材53に代えて、ハウジングの段付孔52内を液密にかつ摺動可能に制御ピストン73が設けられている。この制御ピストン73には、ボール弁74を有する弁体75が摺動可能に設けられるとともに、このボール弁74が着座可能な第1弁座76が固定されている。また入力ロッド7の前端部には、筒状の第2弁座77が設けられており、入力ロッド7が前方へストロークしたとき、この第2弁座77はボール弁74に着座するようになっている。そして、非作動時は、ボール弁74はバルブスプリング78のばね力により第1弁座76に着座しているとともに、第2弁座77がボール弁74から離座している。
【0094】
前述の供給孔56の部分56bは制御ピストン73に径方向に穿設されているとともに、第1弁座76に関してボール弁74側に開口されている。また、前述の空間Aは、第1弁座76に関して第2弁座77側に設けられている。
【0095】
更に、制御ピストン73には、作動圧室30と空間Aとを連通する軸方向孔79が穿設されている。更に、入力ロッド7には、前述の排出孔57の部分57bが穿設されており、この部分57bは、第2弁座77がボール弁74から離座しているときは筒状の第2弁座77の内孔77aを介して空間Aに連通されるとともに、第2弁座77がボール弁74に着座しているときは空間Aから遮断されるようになっている。この例の液圧倍力装置50では、ボール弁74、第1および第2弁座76,77により制御弁が構成されているとともに、この制御弁を含む制御ピストン73により本発明の制御手段が構成され、この制御手段はパワーピストン19に所定間隔を置いて直列に配置されている。
この例の液圧倍力装置50の他の構成は、図8に示す例と同じである。
【0096】
このように構成されたこの例の液圧倍力装置50においては、図示の非作動時は、入力ロッド7が、その前端のフランジ部7aがハウジング51のストッパ部51aに当接し、前述の各例と同様に後退限の非作動位置になっている。この非作動状態では、ボール弁74が第1弁座76に着座していることから、供給孔56は空間Aから遮断されている。つまり、供給孔56は作動圧室30から遮断されている。また、第2弁座77がボール弁74から離座していることから、排出孔57は第2弁座776の内孔77aを介して空間Aに連通されている。つまり、排出孔57は作動圧室30に連通されている。
【0097】
ブレーキ作動時、入力ロッド7が前方へストロークすると、第2弁座77も前進してボール弁74に着座し、排出孔57と空間Aとが遮断される。入力ロッド7が更に前進すると、第2弁座77はボール弁74を含む弁体75を前方へ移動させるので、ボール弁74が第1弁座76から離座する。すると、供給孔56と空間Aとが連通し、供給孔56に導入されている圧液がボール弁74と第1弁座76との隙間を通って空間Aに導入されるとともに、更に通路孔79を介して作動圧室30に導入され、前述の各例の液圧倍力装置50と同様にパワーピストン19作動して出力する。これにより、MCYがブレーキ圧を発生し、ブレーキが作動する。
【0098】
このとき、作動圧室30の液圧は制御ピストン73にも作用するが、この制御ピストン73は前述の各例の液圧倍力装置50の筒状部材53と同様に移動しなく、非作動位置に保持される。したがって、前述の各例の液圧倍力装置50と同様に入力ロッド7のストロークはきわめて短いストロークに抑制される。
また、作動圧室30の液圧は弁体75の前端にも作用するので、この液圧により弁体75に加えられる力が反力としてブレーキペダルに伝えられる。
【0099】
ブレーキ解除時は、入力ロッド7が後退するので、第2弁座77も後退し、ボール弁74が第1弁座76に着座するので、供給孔56が空間Aから遮断される。入力ロッド7が更に後退すると、第2弁座77も更に後退し、この第2弁座77はボール弁74から離れるので、排出孔57が空間Aに連通する。これにより、作動圧室30の圧液は、通路孔79、空間A、ボール弁74と第2弁座77との隙間、第2弁座77の内孔77aおよび排出孔57を介してリザーバ64に排出される。これにより、ブレーキが解除される。
【0100】
液圧源の失陥時は、ブレーキペダルの踏込で入力ロッド7が前進すると、その前端のフランジ部7aが第1弁座76を介して制御ピストン73に当接し、この制御ピストン73を前方へ押す。すると、制御ピストン73が前進し、パワーピストン19に当接してこの制御ピストン73を前方へ押すので、パワーピストン19は入力ロッド7および制御ピストン73と一体的に前進し、出力するようになる。これにより、前述の各例の液圧倍力装置50と同様に液圧源の失陥時にもブレーキを確実に作動させることができるようになる。
この例の液圧倍力装置50の他の作用効果は、図8に示す例と同じである。
【0101】
なお、前述の各例では、流体圧倍力装置を負圧倍力装置あるいは液圧倍力装置としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧縮空気を用いた倍力装置を始め、少なくとも、流体圧が作用することにより作動出力するパワーピストン等の作動ピストンとこの流体圧を制御する制御弁等の制御手段とこの制御手段を操作する入力ロッド等の入力手段とを備えた流体圧倍力装置であれば、どのような流体圧倍力装置にも適用できる。
【0102】
また、本発明の流体圧倍力装置は、ブレーキシステム以外に、入力を倍力して得られる大きな出力を必要とするシステムであればどのようなシステムにも適用できる。
【0103】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の流体倍力装置によれば、作動時入力手段のストロークの抑制を、作動圧室を流体供給側と流体排出側のいずれからも遮断する前に開始するようにしているので、入力手段のストロークをほぼ0の極端に短いストロークに設定することができる。しかも、入力手段のストロークを超ショートストロークに設定しても、作動ピストンがストロークを続けることができるようにしているので、入力手段の入力を倍力した大きな出力を発生させることができる。
【0104】
また、流体圧の失陥時には、入力手段のストロークで制御手段を介して作動ピストンを作動するようにしているので、流体圧の失陥時にも流体圧倍力装置に入力を倍力しないが確実に出力させることができる。しかも、作動ピストンと制御手段とを単に直列に配設しているだけで済むので、構造をきわめて簡単にできる。
【0105】
特に、請求項3および4の各発明の流体圧倍力装置によれば、制御手段と入力手段との間に介設されたストローク制御手段により、入力手段のストロークを種々の大きさに設定することができる。その場合、請求項4の発明によれば、ストローク制御手段のスプリングのばね定数を単に種々変えるだけで、入力手段のストロークを種々の大きさに簡単に設定することができる。
【0106】
また、請求項6の発明のブレーキシステムによれば、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材のストロークを超ショートストロークに設定できる。これにより、ブレーキ操作が楽になるとともに、緊急ブレーキ時等の強いブレーキ操作力が必要なときでも、ブレーキ操作部材のストローク位置がほとんど変化しないので、大きなブレーキ力を発生させることができる。
【0107】
特に、緩ブレーキ等の低G域のブレーキ作動時で、流体圧倍力装置の作動ピストン、マスタシリンダおよびブレーキシリンダ等のブレーキ系に必要不可欠なアイドルストロークを十分確保しながら、しかもブレーキ操作部材のストロークを簡単に短縮できるようになる。更に、ストローク制御手段により、ブレーキ操作部材のストロークをマスタシリンダから先のブレーキ系に何ら関係せずに自由に設定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流体圧倍力装置の実施の形態の一例である負圧倍力装置を示す断面図である。
【図2】 図1に示す負圧倍力装置の各特性を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態の他の例である負圧倍力装置を示す、図1と同様の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す図である。
【図5】 図4に示す例の負圧倍力装置の各特性を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態の他の例である液圧倍力装置を示す断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の更に他の例である液圧倍力装置を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の更に他の例である液圧倍力装置を示す断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態の更に他の例である液圧倍力装置を示す断面図である。
【図10】 従来の負圧倍力装置を示す、図1と同様の断面図である。
【符号の説明】
1…負圧倍力装置、2…第1シェル、3…第2シェル、4…第3シェル、5…弁座部材、6…バルブ部材、7…入力ロッド、8…フランジ、9…筒状ナット部材、10…フランジ、11…スプリング、12…ストローク制御手段、13…出力ロッド、19…パワーピストン、25…制御ピストン、25′…制御ピストン部、26…リターンスプリング、27…制御用リターンスプリング、29…第1真空室、30…作動圧室、31…第2真空室、35…大気弁座、36…負圧弁座、37…制御弁体、41…制御弁、42…スプリング、50…液圧倍力装置、51…ハウジング、53…筒状部材、55…第1環状溝、56…供給孔、57…排出孔、63…ポンプ、64…リザーバ、73…制御ピストン、74…ボール弁、76…第1弁座、77…第2弁座

Claims (6)

  1. ハウジング内に、作動時作動圧室に供給される流体の流体圧の作用で作動出力する作動ピストンと、前記作動ピストンと直列にかつ少なくとも一部がこの作動ピストンに当接可能に設けられ、前記作動圧室を流体供給側と流体排出側とに切換制御することで、前記作動ピストンに作用させる流体圧の給排を制御する制御手段と、入力が加えられたときストロークして前記制御手段を作動制御するとともに、流体圧失陥時に加えられる入力で前記制御手段を介して前記作動ピストンを押す入力手段と、作動時前記作動ピストンに作用する流体圧が作用することで前記入力手段のストロークを抑制する制御ピストンとをそれぞれ設け、
    前記制御手段は、非作動時前記作動圧室を前記流体排出側に連通しかつ作動時前記作動圧室を前記流体供給側に連通するとともに、作動時前記作動圧室に供給された流体の流体圧が前記入力手段に加えられた入力に対応した圧力となったとき、前記作動圧室を流体供給側と流体排出側のいずれからも遮断する制御弁を備え、
    前記制御弁は前記作動圧室を流体供給側と流体排出側とに切換制御する部材を有し、
    前記制御ピストンは、前記作動ピストンに作用する流体圧が制御ピストンに作用されたとき、作用された流体圧による力を前記制御弁の前記部材に加えることで前記入力手段のストロークを抑制する制御ピストンであることを特徴とする流体圧倍力装置。
  2. 作動時前記作動ピストンに作用する流体圧が前記入力手段の入力に対応した圧力となるように、前記流体圧と前記入力とで前記制御手段を制御することを特徴とする請求項1記載の流体圧倍力装置。
  3. 前記制御手段と前記入力手段との間に、ストローク制御手段を介設したことを特徴とする請求項1または2記載の流体圧倍力装置。
  4. 前記ストローク制御手段は前記制御手段と前記入力手段との間に縮設されたスプリングを備えていることを特徴とする請求項3記載の流体圧倍力装置。
  5. 負圧を用いて入力を倍力する負圧倍力装置または液圧を用いて入力を倍力する液圧倍力装置であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の流体圧倍力装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1記載の流体圧倍力装置と、この流体圧倍力装置の出力で作動されてブレーキ圧を発生するブレーキマスタシリンダとを少なくとも備えていることを特徴とするブレーキシステム。
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