JP3968679B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のブレーキ系統に用いられる気圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルに加えられる踏力を倍力する気圧式倍力装置と、該気圧式倍力装置の出力を受けて液圧を発生するマスタシリンダと、マスタシリンダからの液圧をキャリパ内のピストンに受けて所定の制動力を発生するディスクブレーキとが装備されることが多い。このようなシステムにおいて、前記気圧式倍力装置としては、高出力が得られることから、従来、小型車クラス以上では二つのパワーピストンを直列に配したタンデム型のものが用いられていたが、最近、ブレーキ系統の小型化を図るべく、一つのパワーピストンを備えたシングル型気圧式倍力装置の使用が検討されている。
【0003】
シングル型気圧式倍力装置の使用を可能とするには、上記ディスクブレーキのキャリパとマスタシリンダとの受圧面積比を大きくして、すなわちマスタシリンダの径を可及的に小さくしてマスタシリンダの効率を高める必要があるが、単にマスタシリンダの径を小さくしただけでは、ディスクブレーキを作動させるための液量が不足し、したがって、この液量不足を補うには、マスタシリンダおよび気圧式倍力装置をロングストローク化しなければならない。一方、気圧式倍力装置をロングストローク化した場合は、ペダルストロークも拡大してブレーキ操作性が悪化してしまい、したがって、従来どおりのブレーキ操作性を確保するには、ペダル比(ブレーキペダルの回動中心から力点、作用点までの距離の比)を下げなければならない。
【0004】
ところで、従来のシングル型気圧式倍力装置は、一般に図7および図8に示すように、シェル本体1内を、ダイアフラム2aを備えたパワーピストン2により定圧室3と変圧室4とに区画し、このパワーピストン2に支持させたバルブボデー5内に、ブレーキペダルから延ばした入力軸6に連結されプランジャ7と、このプランジャ7の、入力軸6との連結側端部に設けた環状の大気用弁座部8およびバルブボデー5の内面に設けた環状の負圧用弁座部9に離着座するポペット弁10と、入力軸6に一端が係止され、常時はポペット弁10を前記各弁座部8,9に着座する方向へ付勢する弁ばね12と、バルブボデー5に一端が係止され、常時は入力軸6を戻し方向へ付勢する戻しばね13とを含む弁機構14を配設した構造となっている。
【0005】
このような気圧式倍力装置において、前記定圧室3には、通常シェル本体1の前面に設けた導入管15を通じてエンジン負圧が導入されるようになっており、いま、ブレーキペダルの踏込みに応じて入力軸6が、図の左方向へ移動(前進)すると、これと一体にプランジャ7が前進し、弁機構14の大気用弁座部8がポペット弁10から離間して大気弁が開かれ、バルブボデー5に設けた半径方向通路16を通じて変圧室4に大気が導入される。なお、この時にはポペット弁10は負圧用弁座部9に当接していて、負圧弁は閉じている。この結果、負圧が導入されている定圧室3と変圧室4との間に差圧が発生し、パワーピストン2が推進して、その推力がバルブボデー5を介して出力軸17に伝達され、さらにマスタシリンダ(図示略)に伝達されるようになる。なお、この時の出力反力の一部は、ここではバルブボデー5と出力軸17との間に介装したリアクションディスク18およびバルブボデー5内に配設した反力調整機構19を介してプランジャ7(入力軸6)に伝達されるようになっている。
【0006】
一方、ブレーキペダルから踏力がなくなると、弁機構14を構成する戻しばね13によって入力軸6と一体にプランジャ7が後退し、大気用弁座部8がポペット弁10に当接して大気弁が閉じる一方で、ポペット弁10が負圧用弁座部9から離間して負圧弁が開かれ、定圧室3内の負圧がバルブボデー5に設けた軸方向通路22から前記半径方向通路16を経て変圧室4に導入され、上記差圧が解消される。その後は、ブレーキペダルの完全解放により、戻しばね20のばね力によりパワーピストン2およびバルブボデー5が図示の非作動状態に復帰すると共に、バルブボデー5に半径方向から挿入したストップキー21によりプランジャ7が初期位置に戻される。
【0007】
すなわち、倍力装置の非作動時には、プランジャ7の大気用弁座部8には、その背面側(出力軸17側)に負圧が、そのおもて面側(入力軸6側)に大気圧がそれぞれ作用しており、これらの差圧によってプランジャ7には出力軸17側への引込力FPRが働いている。一方、入力軸6には、前記弁ばね12のセット荷重FBSと戻しばね13のセット荷重FRSとの合力としての戻し力が働いており、これにより、ブレーキペダルの踏込み始めに際しては、前記戻し力(FBS+FRS)から引込力(FPR)を減じた無効推力(=FBS+FRS−FPR)が発生することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、上記したようにマスタシリンダおよび気圧式倍力装置のロングストローク化に応じてペダル比を小さく設定する場合は、上記無効推力をできるだけ小さくすること、換言すればプランジャ7の大気用弁座部8を拡径してこれに働く差圧をできるだけ大きくすることが必要となる。
しかしながら、上記した従来のシングル型気圧式倍力装置のように、大気用弁座部8と負圧用弁座部9とを略同一面上に同心状に配置しているものでは、両弁座部8と9との間の径方向に所定の流路面積を確保する都合上、プランジャ7の大気用弁座部8を拡径することには一定の限界があり、上記した無効推力を小さくすることはきわめて困難で、ブレーキ系統におけるタンデム型からシングル型気圧式倍力装置の置換は困難な状況にあった。
【0009】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレーキペダルを踏込んだ際の無効推力を低減し、もってロングストローク化にも円滑に適用できる気圧式倍力装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、プランジャの環状の大気用弁座部を前記負圧用弁座部よりも前記パワーピストンの推進方向の前側で該負圧用弁座部と軸方向に略直列となる部位に配置し、前記ポペット弁は、前記両弁座部に当接可能なシート面を軸方向に直列にそれぞれ個別に有する構造として、前記大気用弁座部の径を前記負圧用弁座部を設けた箇所であるバルブボデーの内面部分の径よりも拡径したことを特徴とする。この請求項1の発明においては、プランジャの大気用弁座部を拡径したことで、これに作用する差圧が増大し、ブレーキペダルを踏込んだ際の無効推力が低減する。しかも、大気用弁座部と負圧用弁座部とを直列に配置しているので、流路面積が十分に確保され、作動遅れや戻り遅れが生じることはない。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記負圧用弁座部が、前記バルブボデーとは別体の筒状の弁座部材上に設定され、前記ポペット弁は、前記負圧用弁座部に当接可能なシート面を有する主ポペット弁と、先端が前記弁座部材の内面より大径のシート面となって前記大気用弁座部に当接可能であり基端が前記主ポペット弁に当接可能な副ポペット弁と、からなることを特徴とする。この請求項4の発明においては、バルブボデーとは別体の弁座部材に負圧用弁座部を設定しているので、プランジャの大気用弁座部を大径に形成しても、組付けの障害となることはなく、該大気用弁座部を可及的に拡径することができる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記副ポペット弁は、前記大気用弁座部に当接可能なフランジ部と、前記弁座部材の内周面を摺動する筒状部とから構成されてなることを特徴とする。
さらに、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記筒状部と前記弁座部材との摺動面には、前記副ポペット弁の先端側と基端側とを常に連通する流通路が設けられていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0013】
図1〜3は、本発明に関連する参考技術としての気圧式倍力装置の構造を示したものである。なお、本気圧式倍力装置の全体的構造は、前出図7および8に示したものと同じであるので、ここでは、図7および8に示した部分と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することとする。本第1の実施の形態においては、バルブボデー5に設けられる、プランジャ7の摺動孔としての軸孔30を拡大して、この軸孔30の前側開口端部に段付孔31を有するガイド部材32を嵌合させ、このガイド部材32の段付孔31をプランジャ7および前記反力調整機構(後に詳述)19の摺動孔として用い、さらに、プランジャ7の大気用弁座部8を従来のもの(図7、8)よりも拡径して、前記バルブボデー5に設けられた負圧用弁座部9と略同一面上で、該負圧用弁座部9に隣接する部位に配置している。
【0014】
上記ガイド部材32は、その外周面の長手方向の中間部位に設けたフランジ33よりも後端側部分(図の右側部分)をバルブボデー5の軸孔30に嵌入させ、かつそのフランジ33をバルブボデー5の前端に設けた凹部34の底に当接させて位置固定されている。一方、このガイド部材32の前端部には、前記出力軸17の基端カップ部17aが前記フランジ33との間に所定の隙間を開けて、すなわち出力軸17がバルブボデー5に対して軸方向に相対移動できるように外嵌され、このカップ部17a内には前記リアクションディスク18が納められている。前記出力軸17の基端カップ部17aは、前記戻しばね20の一端を受けるばね受け35によりバルブボデー5に対して押えられており、これにより、ガイド部材32の、バルブボデー5からの抜けが規制されている。なお、ガイド部材32とバルブボデー5の軸孔30の内面との間はシール部材36によりシールされている。
【0015】
バルブボデー5に設けられた負圧用弁座部9は、従来よりもバルブボデー5の軸孔30を拡大したことによりバルブボデー5の内面に環状に突出する形態となっている。しかして、プランジャ7に設けた大気用弁座部8の背面側には、プランジャ7の前端側へ向けて次第に縮径する錐面37(図2)が設けられ、一方、前記負圧用弁座部9の背面側には、バルブボデー5の前端側へ向けて次第に拡径する錐面38(図2)が設けられている。すなわち、大気用弁座部8の背面側の錐面37と負圧用弁座部9の背面側の錐面38とは、パワーピストン2の推進方向へ向けて次第に相互間隙を拡大する逃げ部39を構成している。
【0016】
上記反力調整機構19は、前記ガイド部材32の段付孔31の小径部分に先端を摺動可能に嵌入させた反力受け40と、段付孔31の大径部分に配設されプランジャ7に一端を当接させたハット形状のばね受け41と、このばね受け41と前記反力受け40のフランジ部との間に介装された圧縮ばね42と、この圧縮ばね42に所定のセット荷重を与える調整ロッド43とからなっている。反力調整機構19は、反力受け40、ばね受け41および圧縮ばね42を調整ロッド43により組付けたサブアセンブリ体として供され、その全長は、倍力装置の非作動状態で確保されるところの、プランジャ7とリアクションディスク18との間の距離よりも小さく設定されている。したがって、非作動状態では、反力受け40の先端とリアクションディスク18との間には所定の間隙44が確保されるようになっている。
【0017】
本参考技術によれば、倍力装置の非作動時には、図1に示すように、大気用弁座部8と負圧用弁座部9とが、略同一面上でほとんど隙間の無い状態で隣接して配置されている。この場合、プランジャ7の大気用弁座部8が拡径されているため、プランジャ7には大きな差圧が作用しており、この差圧によってプランジャ7には出力軸17側への大きな引込力FPRが働いている。この状態からブレーキペダルを踏込むと、入力軸6とプランジャ7とが弁ばね12のセット荷重FBSと戻しばね13のセット荷重FRSとの合力としての戻し力に抗して前進し、プランジャ7に設けられた大気用弁座部8がポペット弁10から離間して大気弁が開かれる。すると、バルブボデー5の後端部側に配置したサイレンサ45およびフィルタ46(図1)を通じてバルブボデー5内に大気が流入し、この大気は、図2に示すように大気用弁座部8と負圧用弁座部9との間隙(逃げ部39)を流通してバルブボデー5の半径方向通路16から変圧室4に流入し、負圧が導入されている定圧室3との間に差圧が発生する。
【0018】
しかして、上記ブレーキペダルの踏込みに応じて生じる無効推力(=FBS+FRS−FPR)は、上記したようにプランジャ7に大きな引込力FPRが働いていることから可及的に低減し、したがって、ペダル比を小さく設定しても円滑なブレーキ操作性が得られるようになる。また、本参考技術では、大気用弁座部8と負圧用弁座部9との背面側がプランジャ7の前進方向へ向けて次第に相互間隙を拡大する逃げ部39となっているので、プランジャ7が前進すると大気用弁座部8の最外周縁が負圧用弁座部9の背面側の錐面38に対向し(図2)、これにより、プランジャ7の前進に応じて両者の間の流路面積が急激に拡大し、変圧室4には短時間で大量の大気が導入される。この結果、定圧室3と変圧室4との間に大きな差圧が発生し、この差圧によりパワーピストン2が推進して、その推力がバルブボデー5を介して出力軸17に伝達され、作動遅れを来すことなく倍力作用が行われる。
【0019】
なお、上記倍力作用の開始に際しては、反力調整機構19に圧縮ばね42の所定のセット荷重がかかっていることで、圧縮ばね42を圧縮することなく、プランジャ7と反力受け40とは一体的に前進し、反力受け40とリヤディスク34との間の隙44が解消され、所定のジャンプイン出力が発生する。その後、出力反力の一部がリアクションディスク18を介して反力受け40から非圧縮状態の圧縮ばね42およびばね受け41を介してプランジャ7および入力軸6に伝えられ、入力に応じて出力が増大する所定の倍力作用が行われる。しかし、入力軸6を介してプランジャ7に伝えられる入力(踏力)が圧縮ばね42のセット荷重を越えると、圧縮ばね42が縮んで二次的なジャンプイン出力が発生し、これにより倍力比が一段高まって制動力が向上する。ただし、この倍力調整機構19は必ずしも必要としないもので、この倍力調整機構19を省略した形態で気圧式倍力装置を構成してもよいことはもちろんである。
【0020】
一方、ブレーキペダルから踏力がなくなると、弁機構14を構成する戻しばね13によって入力軸6と一体にプランジャ7が後退し、図3に示すように、大気用弁座部8がポペット弁10に当接して大気弁が閉じる一方で、ポペット弁10が負圧用弁座部9から離間して負圧弁が開かれる。すると、定圧室3内の負圧がバルブボデー5の軸方向通路22からプランジャ7の大気用弁座部8の背面側および前記半径方向通路16を経て変圧室4に導入され、上記差圧が解消される。この時、プランジャ7の後退により負圧用弁座部9の最内周縁が大気用弁座部8の背面側の錐面37に対向し(図3)、これにより、プランジャ7の後退に応じて両者の間の流路面積が急激に拡大し、変圧室4には短時間で大量の負圧が導入される。すなわち、この変圧室4への急激な負圧導入と戻しばね20のばね力とによって、パワーピストン2およびバルブボデー5は、図1に示した非作動状態に遅滞なく復帰するようになる。
【0021】
図4〜6は、本発明の実施の形態としての気圧式倍力装置の構造を示したものである。なお、本気圧式倍力装置の全体的構造も、前出図7および8に示したものと同じであるので、ここでは、図7および8に示した部分と同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することとする。また、反力調整機構19の構造も、上記参考技術におけるそれと同じであるので、その構成要素についても、前出図1〜3と同じ符号を付すこととする。本実施の形態においては、バルブボデー5の内周に設ける負圧用弁座部9を、該バルブボデー5内に嵌着した筒状の弁座部材51の一端に設定し、前記プランジャ7の大気用弁座部8を拡径して、前記負圧用弁座部9よりも前記パワーピストン2の推進方向の前側で該負圧用弁座部9と略直列となる部位に配置し、さらに、前記弁座部材51に副ポペット弁52を摺動可能に嵌合させて、その先端のシール面52aを前記大気用弁座部8に、その基端を前記ポペット弁10にそれぞれ当接可能としている。
【0022】
上記弁座部材51は、前記負圧用弁座部9を設定した部分が厚肉筒部53として構成されると共に、この厚肉筒部53より後方に続く部分が薄肉筒部54として構成されており、その薄肉筒部54には、前記バルブボデー5の軸方向通路22の開口端に整合する貫通孔55が開けられている。この弁座部材51は、その厚肉筒部53の外周面に設けた段差をバルブボデー15の内周の段差に突き当て、かつその薄肉筒部54の後端部を前記ポペット弁10とバルブボデー5との間に嵌入させることでその位置が固定されている。なお、ポペット弁10は、前記戻しばね13を受けるばね受け56によってバルブボデー5の内面に押えられており、したがって、前記弁座部材51の薄肉筒部54も、このばね受け56によってバルブボデー5の内面に押えられた状態となっている。
【0023】
また、上記弁座部材51の厚肉筒部53とバルブボデー5の内面との間はシール部材57によりシールされ、一方、該厚肉筒部53の内面およびその端面には一連の溝58が形成されている。前記溝58は空気の流通路として用いられるもので、厚肉筒部53に対する副ポペット弁52の嵌合位置によらず、該流通路は常に開かれた状態となる。
【0024】
本実施の形態によれば、倍力装置の非作動時には、図4に示すように、弁座部材51の負圧用弁座部9にポペット弁10が着座すると共に、プランジャ7の大気用弁座部8に副ポペット弁52が着座している。この場合、プランジャ7の大気用弁座部8が拡径されているため、該プランジャ7には大きな差圧が作用しており、この差圧によってプランジャ7には出力軸17側への大きな引込力FPRが働いている。この状態からブレーキペダルを踏込むと、入力軸6とプランジャ7とが弁ばね12のセット荷重FBSと戻しばね13のセット荷重FRSとの合力としての戻し力に抗して前進し、プランジャ7に設けられた大気用弁座部8が副ポペット弁52のシート面52aから離間して大気弁が開かれる。すると、サイレンサ45およびフィルタ46を通じてバルブボデー5内に流入した大気が、図5に示すように大気用弁座部8と副ポペット弁52との間隙を流通して、プランジャ7のフランジ7aの背面側の空所Sに流込み、さらに、バルブボデー5の半径方向通路16を通じて変圧室4に流入し、負圧が導入されている定圧室3との間に差圧が発生する。
【0025】
しかして、上記ブレーキペダルの踏込みに応じて生じる無効推力(=FBS+FRS−FPR)は、上記したようにプランジャ7に大きな引込力FPRが働いていることから可及的に低減し、したがって、ペダル比を小さく設定しても円滑なブレーキ操作性が得られるようになる。また、本第2の実施の形態では、大気用弁座部8の周りに十分なる流路面積が確保されるので(図5)、プランジャ7の前進に応じて変圧室4には短時間で大量の大気が導入される。この結果、定圧室3と変圧室4との間に大きな差圧が発生し、パワーピストン2が推進して、その推力がバルブボデー5を介して出力軸17に伝達され、作動遅れを来すことなく倍力作用が行われる。なお、この倍力作用に際しての反力調整機構19の作用は、上記参考技術におけると同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0026】
一方、ブレーキペダルから踏力がなくなると、弁機構14を構成する戻しばね13によって入力軸6と一体にプランジャ7が後退し、図6に示すように、大気用弁座部8が副ポペット弁52のシート面52aに当接する一方、該副ポペット弁52を介して戻し力を受けることで、ポペット弁10が弁座部材51に設定した負圧用弁座部9から離間して負圧弁が開かれる。この結果、定圧室3内の負圧がバルブボデー5の軸方向通路22から弁座部材51の貫通孔55および弁座部材51の溝58を通じて、プランジャ7の大気用弁座部8の背面側に導入され、さらに、バルブボデー5の半径方向通路16を経て変圧室4に導入され、これにより上記差圧が解消される。この時、プランジャ7が後退すると、ポペット弁10と弁座部材51の負圧用弁座部9との間には十分なる流路面積が確保されるので、プランジャ7の後退に応じて変圧室4には短時間で大量の負圧が導入される。すなわち、この変圧室4への急激な負圧導入と戻しばね20のばね力とによって、パワーピストン2およびバルブボデー5は、図1に示した非作動状態に遅滞なく復帰するようになる。
【0027】
本実施の形態においては特に、バルブボデー5とは別体の弁座部材51に負圧用弁座部9を設定しているので、プランジャ7の大気用弁座部8を大径に形成しても、組付けの障害となることはなく、該大気用弁座部8を可及的に拡径することが可能になる。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る気圧式倍力装置によれば、ブレーキペダルを踏込んだ際の無効推力が低減されるので、ロングストローク化に対応すべく、ペダル比を小さく設定してもブレーキ操作性が低下することはなく、その適用範囲は拡大して、ブレーキ系統の小型化に大きく寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する参考技術としての気圧式倍力装置の要部構造を示す断面図である。
【図2】本参考技術の要部をさらに拡大して示すと共に、その作動状態を示 す断面図である。
【図3】本参考技術の作動状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態としての気圧式倍力装置の要部構造を示す断面図である。
【図5】本実施の形態の要部をさらに拡大して示すと共に、その作動状態を示す断面図である。
【図6】本実施の形態の作動状態を示す断面図である。
【図7】従来の一般的なシングル型気圧式倍力装置の全体構造を示す断面図である。
【図8】従来の一般的なシングル型気圧式倍力装置の要部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シェル本体
2 パワーピストン
3 定圧室
4 変圧室
5 バルブボデー
6 入力軸
7 プランジャ
8 大気用弁座部
9 負圧用弁座部
12 弁ばね
13 戻しばね
17 出力軸
18 リアクションディスク
19 反力調整機構
37 大気用弁座部の背面側の錐面
38 負圧用弁座部の背面側の錐面
39 逃げ部
51 弁座部材
52 副ポペット弁
Claims (4)
- シェル本体内をパワーピストンにより定圧室と変圧室とに区画し、前記パワーピストンに支持させたバルブボデー内に、ブレーキペダルから延ばした入力軸に連結されたプランジャと、該プランジャの前記入力軸との連結側端部に設けた環状の大気用弁座部およびバルブボデーの内面に設けた環状の負圧用弁座部に離着座するポペット弁と、常時は前記ポペット弁を前記各弁座部に着座する方向へ付勢する弁ばねと、前記バルブボデーに一端が係止され、常時は入力軸を戻し方向へ付勢する戻しばねとを含む弁機構を配設し、前記プランジャの移動に応じて該弁機構を作動させて前記変圧室に大気を導入し、前記定圧室との間に生じる差圧により前記パワーピストンを推進し、その推力を前記バルブボデーを介して出力軸に伝達されるようにした気圧式倍力装置において、前記プランジャの環状の大気用弁座部を前記負圧用弁座部よりも前記パワーピストンの推進方向の前側で該負圧用弁座部と軸方向に略直列となる部位に配置し、前記ポペット弁は、前記両弁座部に当接可能なシート面を軸方向に直列にそれぞれ個別に有する構造として、前記大気用弁座部の径を前記負圧用弁座部を設けた箇所であるバルブボデーの内面部分の径よりも拡径したことを特徴とする気圧式倍力装置。
- 前記負圧用弁座部が、前記バルブボデーとは別体の筒状の弁座部材上に設定され、前記ポペット弁は、前記負圧用弁座部に当接可能なシート面を有する主ポペット弁と、先端が前記弁座部材の内面より大径のシート面となって前記大気用弁座部に当接可能であり基端が前記主ポペット弁に当接可能な副ポペット弁と、からなることを特徴とする請求項1に記載の気圧式倍力装置。
- 前記副ポペット弁は、前記大気用弁座部に当接可能なフランジ部と、前記弁座部材の内周面を摺動する筒状部とから構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の気圧式倍力装置。
- 前記筒状部と前記弁座部材との摺動面には、前記副ポペット弁の先端側と基端側とを常に連通する流通路が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の気圧式倍力装置。
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