JP5829571B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動用シリンダへ液圧を供給するマスタシリンダに関する。
マスタシリンダには、移動するピストンに摺接しつつ、圧力室のシールを行うシール部材をシリンダ本体の周溝内に配置したものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2006−123879号公報
マスタシリンダにおいては、ピストンの移動時に、シール部材がピストンに対して円滑に摺動できずにピストンに連られて周溝内で内周側と外周側とが逆方向に移動するように回転する、いわゆる転びを生じる可能性がある。
したがって、本発明は、シール部材に生じる転びを抑制することができるマスタシリンダの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマスタシリンダは、シール部材が、周溝におけるシリンダ本体の開口側の周壁に当接可能なベース部と、該ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出してピストンの外周に摺接する内周リップ部と、前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して前記周溝の底部に当接する外周リップ部と、該外周リップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して先端が前記周溝における前記シリンダ本体の底部側の周壁に当接可能なセンタリップ部と、該センタリップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出し、延出長さが前記センタリップ部よりも短く形成された中間リップ部とを有する構成とした。
本発明のマスタシリンダによれば、シール部材に生じる転びを抑制することができる。
本発明に係る一実施形態のマスタシリンダを示す断面図である。 同実施形態のマスタシリンダの要部を示す部分拡大断面図である。 同実施形態のマスタシリンダのピストンシールを示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 同実施形態のマスタシリンダのピストン移動時の状態を順に説明する断面図である。 同実施形態のマスタシリンダのピストンシールの変形例を示す断面図である。
本発明に係る一実施形態のマスタシリンダを図面を参照して説明する。本実施形態のマスタシリンダ11は、ブレーキペダルの操作量に応じた力がブレーキブースタの出力軸10を介して導入されるもので、ブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ液圧を発生させるものである。このマスタシリンダ11には、鉛直方向上側にブレーキ液を給排するリザーバ12が取り付けられている。なお、本実施形態においては、マスタシリンダ11に直接リザーバ12を取り付けているが、マスタシリンダ11から離間した位置にリザーバを配して配管で接続するようにしても良い。
マスタシリンダ11は、底部13と筒部14とを有する有底筒状に一つの素材から加工されて形成されるとともに軸線方向が車両前後方向に沿う姿勢で車両に配置される金属製のシリンダ本体15を有している。このシリンダ本体15の開口部16側には、金属製のプライマリピストン(ピストン)18が移動可能に配置されている。また、シリンダ本体15のプライマリピストン18よりも底部13側には、同じく金属製のセカンダリピストン(ピストン)19が移動可能に配置されている。プライマリピストン18には底面を有する内周孔21が、セカンダリピストン19には底面を有する内周孔22が、それぞれ形成されており、マスタシリンダ11は、いわゆるプランジャ型のものとなっている。
また、マスタシリンダ11は、上記したように2つのピストン18,19を有するタンデムタイプのものとなっている。なお、本発明は、上記タンデムタイプのマスタシリンダへの適用に限られるものではなく、プランジャ型のマスタシリンダであれば、シリンダ本体に1つのピストンを配したシングルタイプのマスタシリンダや、3つ以上のピストンを有するマスタシリンダ等のいかなるプランジャ型のマスタシリンダにも適用できるものである。
シリンダ本体15には、筒部14の径方向(以下、シリンダ径方向と称す)の外側に突出する取付台部23が筒部14の円周方向(以下、シリンダ周方向と称す)における所定位置に一体に形成されている。この取付台部23には、リザーバ12を取り付けるための取付穴24,25が形成されている。なお、本実施形態においては、取付穴24,25は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態で、シリンダ本体15の筒部14の軸線(以下、シリンダ軸と称す)方向における位置をずらして形成されている。
シリンダ本体15の筒部14の取付台部23側には、底部13の近傍にセカンダリ吐出路(吐出路)26が、これよりも開口部16側にプライマリ吐出路(吐出路)27が、それぞれ形成されている。これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、図示は略すが、ブレーキ配管を介してディスクブレーキやドラムブレーキ等の制動用シリンダに連通しており、制動用シリンダに向けてブレーキ液を吐出する。なお、本実施形態においては、これらセカンダリ吐出路26およびプライマリ吐出路27は、互いにシリンダ周方向における位置を一致させた状態でシリンダ軸方向における位置をずらして形成されている。
セカンダリピストン19は、シリンダ本体15の筒部14の底部13側の内周部に設けられた、シリンダ軸に直交する断面が円形状の摺動内径部28に摺動可能に案内され、プライマリピストン18は、シリンダ本体15の筒部14の開口部16側の内周部に設けられた、シリンダ軸に直交する断面が円形状の摺動内径部29に摺動可能に案内される。
摺動内径部28には、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝30、周溝31が底部13側からこの順に形成されており、摺動内径部29にも、シリンダ軸方向における位置をずらして複数具体的には2カ所のいずれも円環状をなす周溝32、周溝33が底部13側からこの順に形成されている。これら周溝30〜33は、シリンダ周方向に環状をなしてシリンダ径方向外側に凹む形状をなしており、いずれも全体が切削加工により形成されている。
最も底部13側にある周溝30は、底部13側の取付穴24の近傍に形成されており、この周溝30内には、周溝30に保持されるように、円環状のピストンシール(シール部材)35が設けられている。
シリンダ本体15の摺動内径部28における周溝30よりも開口部16側には、底部13側の取付穴24から穿設される連通穴36を筒部14内に開口させるように、シリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝37が形成されている。ここで、この開口溝37と連通穴36とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ12に常時連通するセカンダリ補給路(補給路)38を主に構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部28には、シリンダ周方向における取付台部23側に、周溝30内に開口するとともに周溝30からシリンダ軸方向に直線状に底部13側に向け若干延出する連通溝41が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝41は、底部13と周溝30との間であって底部13の近傍となる位置に形成されたセカンダリ吐出路26と周溝30とを後述のセカンダリ圧力室68を介して連通させるものである。
シリンダ本体15の摺動内径部28には、シリンダ軸線方向における上記開口溝37の周溝30とは反対側つまり開口部16側に、上記周溝31が形成されており、この周溝31内には、周溝31に保持されるように、円環状の区画シール42が配置されている。
シリンダ本体15の摺動内径部29には、開口部16側の取付穴25の近傍に、上記した周溝32が形成されている。この周溝32内には、周溝32に保持されるように、円環状のピストンシール(シール部材)45が設けられている。
シリンダ本体15の摺動内径部29におけるこの周溝32の開口部16側には、開口部16側の取付穴25から穿設される連通穴46を筒部14内に開口させるように、シリンダ径方向外側に凹む環状の開口溝47が形成されている。ここで、この開口溝47と連通穴46とが、シリンダ本体15に設けられてリザーバ12に常時連通するプライマリ補給路(補給路)48を主に構成している。
シリンダ本体15の摺動内径部29の周溝32の底部13側には、シリンダ周方向における取付台部23側に、周溝32に開口するとともに周溝32からシリンダ軸方向に直線状に底部13側に向け若干延出する連通溝51が、シリンダ径方向外側に凹むように形成されている。この連通溝51は、周溝31の近傍となる位置に形成されたプライマリ吐出路27と周溝32とを後述するプライマリ圧力室85を介して連通させるものである。
シリンダ本体15の摺動内径部29における上記開口溝47の周溝32とは反対側つまり開口部16側に周溝33が形成されており、この周溝33内には、周溝33に保持されるように、円環状の区画シール52が配置されている。
シリンダ本体15の底部13側に嵌合されるセカンダリピストン19は、円筒状部55と、円筒状部55の軸線方向における一側に形成された底部56とを有する有底円筒状をなしている。上記内周孔22は、これら円筒状部55と底部56とにより形成されている。セカンダリピストン19は、円筒状部55をシリンダ本体15の底部13側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部28に設けられたピストンシール35および区画シール42のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合される。円筒状部55の底部56に対し反対側の端部の外周側には、他の外径部58よりも径方向内方に位置するように段差状をなす環状の段部59が形成されている。この段部59には、その底部56側にシリンダ径方向に貫通するポート60が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とシリンダ本体15の底部13との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング62を含む間隔調整部63が設けられている。この間隔調整部63は、シリンダ本体15の底部13に当接する係止部材64と、この係止部材64に所定範囲内でのみ摺動するように連結されてセカンダリピストン19の底部56に当接する係止部材65とを有している。上記セカンダリピストンスプリング62は、両側の係止部材64,65間に介装されている。
ここで、シリンダ本体15の底部13および筒部14の底部13側とセカンダリピストン19とで囲まれて形成される部分が、ブレーキ液圧を発生してセカンダリ吐出路26にブレーキ液圧を供給するセカンダリ圧力室(圧力室)68となっている。言い換えれば、セカンダリピストン19は、シリンダ本体15との間に、セカンダリ吐出路26に液圧を供給するセカンダリ圧力室68を形成している。このセカンダリ圧力室68は、セカンダリピストン19がポート60を開口溝37に開口させる位置にあるとき、セカンダリ補給路38に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝31に保持される区画シール42は、合成ゴムからなる一体成形品であり、その中心線を含む径方向断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール42は、内周がセカンダリピストン19の外周に摺接するとともに外周がシリンダ本体15の周溝31に当接してセカンダリピストン19およびシリンダ本体15の区画シール42の位置の隙間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝30に保持されるピストンシール35は、合成ゴムからなる一体成形品であり、内周がセカンダリピストン19の外周に摺接するとともに、外周がシリンダ本体15の周溝30に当接するようになっている。このピストンシール35は、セカンダリピストン19がポート60をピストンシール35よりも底部13側に位置させた状態では、セカンダリ補給路38とセカンダリ圧力室68との間を密封可能、つまり、セカンダリ圧力室68と、セカンダリ補給路38およびリザーバ12との連通を遮断可能となっている。この状態で、セカンダリピストン19が、シリンダ本体15の摺動内径部28およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール35および区画シール42の内周で摺動して底部13側に移動することによって、セカンダリ圧力室68内のブレーキ液を加圧してセカンダリ吐出路26から車輪側の制動用シリンダに供給することになる。
なお、図示せぬブレーキペダル側から入力がなく、上述のセカンダリピストン19がポート60を開口溝37に開口させる位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール35は上記セカンダリピストン19の段部59内でポート60に一部重なるようになっている。そして、セカンダリピストン19がシリンダ本体15の底部13側へ移動してピストンシール35の内周部がポート60に全部重なると、セカンダリ圧力室68とリザーバ12との連通が遮断されるようになっている。
シリンダ本体15の開口部16側に嵌合されるプライマリピストン18は、第1円筒状部71と、第1円筒状部71の軸線方向における一側に形成された底部72と、底部72の第1円筒状部71とは反対側に形成された第2円筒状部73とを有する形状をなしている。上記内周孔21は、これらのうちの第1円筒状部71と底部72とにより形成されている。プライマリピストン18は、第1円筒状部71をシリンダ本体15内のセカンダリピストン19側に配置した状態で、シリンダ本体15の摺動内径部29に設けられたピストンシール45および区画シール52のそれぞれの内周に摺動可能に嵌合されている。ここで、第2円筒状部73の内側には、ブレーキブースタの出力軸10が挿入され、この出力軸10によって底部72が押圧されることになる。
第1円筒状部71の底部72に対し反対側の端部の外周側は、他の外径部74よりも径方向内方に位置するように段差状をなす環状の段部75が形成されている。この段部75には、その底部72側に径方向に貫通するポート76が複数、シリンダ周方向の等間隔位置に、放射状となるように形成されている。
セカンダリピストン19とプライマリピストン18との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1における右側)から入力がない非制動状態でこれらの間隔を決めるプライマリピストンスプリング78を含む間隔調整部79が設けられている。この間隔調整部79は、セカンダリピストン19の底部56に当接する係止部材81と、プライマリピストン18の底部72に当接する係止部材82と、係止部材81に一端部が固定されるとともに係止部材82を所定範囲内でのみ摺動自在に支持する軸部材83とを有している。上記プライマリピストンスプリング78は、両側の係止部材81,82間に介装されている。
ここで、シリンダ本体15の筒部14とプライマリピストン18とセカンダリピストン19とで囲まれて形成される部分が、ブレーキ液圧を発生してプライマリ吐出路27にブレーキ液を供給するプライマリ圧力室(圧力室)85となっている。言い換えれば、プライマリピストン18は、セカンダリピストン19とシリンダ本体15との間に、プライマリ吐出路27に液圧を供給するプライマリ圧力室85を形成している。このプライマリ圧力室85は、プライマリピストン18がポート76を開口溝47に開口させる位置にあるとき、プライマリ補給路48に連通するようになっている。
シリンダ本体15の周溝33に保持される区画シール52は、区画シール42と同じ部品であり、合成ゴムからなる一体成形品であって、その中心線を含む径方向断面の片側形状がC字状をなしている。区画シール52は、内周がプライマリピストン18の外周に摺接するとともに外周がシリンダ本体15の周溝33に当接してプライマリピストン18およびシリンダ本体15の区画シール52の位置の隙間を常時密封する。
シリンダ本体15の周溝32に保持されるピストンシール45は、ピストンシール35と同じ部品であり、EPDM等の合成ゴムからなる一体成形品であって、内周がプライマリピストン18の外周に摺接するとともに、外周がシリンダ本体15の周溝32に当接するようになっている。このピストンシール45は、プライマリピストン18がポート76をピストンシール45よりも底部13側に位置させた状態では、プライマリ補給路48とプライマリ圧力室85との間を密封可能、つまり、プライマリ圧力室85と、プライマリ補給路48およびリザーバ12との連通を遮断可能となっている。この状態で、プライマリピストン18が、シリンダ本体15の摺動内径部29およびシリンダ本体15に保持されたピストンシール45および区画シール52の内周で摺動して底部13側に移動することによって、プライマリ圧力室85内のブレーキ液を加圧してプライマリ吐出路27から車輪側の制動用シリンダに供給することになる。
なお、図示せぬブレーキペダル側から入力がなく、上述のプライマリピストン18がポート76を開口溝47に開口させる位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール45は上記プライマリピストン18の段部75内でポート76に一部重なるようになっている。そして、プライマリピストン18がシリンダ本体15の底部13側へ移動してピストンシール45の内周部がポート76に全部重なると、プライマリ圧力室85とリザーバ12との連通が遮断されるようになっている。
シリンダ本体15の周溝30の近傍部分、ピストンシール35およびセカンダリピストン19のピストンシール35の摺接部分からなるセカンダリ側のシール構造部SSと、シリンダ本体15の周溝32の近傍部分、ピストンシール45およびプライマリピストン18のピストンシール45の摺接部分からなるプライマリ側のシール構造部SPとは、同様の構造となっており、以下においては、これらの詳細をプライマリ側のシール構造部SPを例にとり、主に図2〜図5を参照して説明する。
図2に示すように、周溝32は、シリンダ径方向の最も外側(図2における上側)にあってシリンダ軸方向に沿う円筒状の溝底部(周溝の底部)88と、溝底部88におけるシリンダ本体15の開口部16側(図2における右側)の端縁部の位置でシリンダ軸の直交方向に沿う周壁89と、溝底部88におけるシリンダ本体15の底部13側(図2における左側)の端縁部の位置でシリンダ軸の直交方向にほぼ沿う周壁90とを有している。周壁90は、径方向外側がシリンダ軸の直交方向に沿う円環状の平坦部91となっており、径方向内側が径方向内端側ほどシリンダ本体15の底部13側に位置するように傾斜するテーパ部92となっている。これら溝底部88、周壁89および周壁90は、シリンダ本体15に一体的に形成されており、シリンダ本体15に対する切削加工により形成されている。
プライマリピストン18に形成された段部75は、外径部74よりも小径の一定径に形成される円筒状部95と、この円筒状部95のシリンダ本体15の開口部16側にあってシリンダ本体15の開口部16側ほど大径となるように傾斜するテーパ部96とからなっている。段部75は、テーパ部96の小径側が円筒状部95と繋がっており、テーパ部96の大径側が、外径部74に繋がっている。ポート76は、円筒状部95およびテーパ部96の両方にかかる位置に形成されており、言い換えれば、そのシリンダ本体15の底部13側の端部が円筒状部95の位置に、そのシリンダ本体15の開口部16側の端部がテーパ部96の位置に、それぞれ位置している。
周溝32に配置されるピストンシール45は、EPDM等の合成ゴムからなる一体成形品であって、シリンダ本体15の開口部16側に配置される円環板状のベース部101と、ベース部101の内周端からベース部101の軸線方向にほぼ沿ってシリンダ本体15の底部13側に向けて延出する円環状の内周リップ部102と、ベース部101の外周端から底部13側に向けて延出する円環状の外周リップ部103と、外周リップ部103と内周リップ部102との間でベース部101から底部13側に向けて延出する円環状のセンタリップ部104と、センタリップ部104と内周リップ部102との間でベース部101から底部13側に向けて延出する円環状の中間リップ部105と、を有している。
周溝32に組み付ける前の自然状態にあるピストンシール45は、図3に示すように、内周リップ部102が、ベース部101から離れるほど若干小径となるテーパ筒状をなしており、外周リップ部103が、ベース部101から離れるほど大径となるテーパ筒状をなしている。また、センタリップ部104が、ベース部101からピストンシール45の軸方向に沿って延出する筒状をなしており、延出先端側ほど径方向に薄くなる先細りの形状をなしている。さらに、中間リップ部105が、ベース部101からピストンシール45の軸方向に沿って延出する筒状をなしており、延出先端側ほど径方向に薄くなる先細りの形状をなしている。センタリップ部104の延出先端には、径方向に貫通するスリット107が周方向に等間隔で複数形成されている。外周リップ部103の延出先端には、径方向に貫通するスリット108が周方向に等間隔で複数形成されるとともに、外周側に円環状の段差部109が形成されている。中間リップ部105は、内周リップ部102およびセンタリップ部104の両方から径方向に離間しており、延出長さが内周リップ部102およびセンタリップ部104の両方に対し短くなっている。
マスタシリンダ11内に組み込まれた状態でピストンシール45は、図2に示すように、ベース部101が最もシリンダ本体15の開口部16側(図2における右側)に位置しており、よって、周溝32における開口部16側の周壁89に対向配置され、この周壁89に当接可能となっている。また、内周リップ部102が最も内周側にあり、その内周部においてプライマリピストン18の外周部に摺接する。また、外周リップ部103が最も外周側にあり、その外周部において周溝32の溝底部88に当接する。また、センタリップ部104が最もシリンダ本体15の底部13側(図2における左側)に延出しており、その先端部が周溝32における底部13側の周壁90に対向配置され、この周壁90に当接可能となっている。この状態でも、中間リップ部105は、延出長さがセンタリップ部104および内周リップ部102の両方よりも短くなっている。
図示せぬブレーキペダル側から入力がなく、図2に示すように、プライマリピストン18がポート76を開口溝47に開口させる位置(非制動位置)にあるときに、ピストンシール45は、内周リップ部102およびベース部101の内周部が、プライマリピストン18の段部75の円筒状部95の位置にあって、ベース部101の内周部がポート76の一部にシリンダ軸方向の位置を重ね合わせるようになっている。このとき、センタリップ部104は、その先端部が、周壁90の平坦部91と径方向の位置を合わせている。
そして、ブレーキペダル側から入力があって、プライマリピストン18がシリンダ本体15の底部13側へ移動すると、図4(a)に示すように、ピストンシール45のベース部101が段部75のテーパ部96に乗り上げ、ポート76を越えると、プライマリ圧力室85とプライマリ補給路48との連通を遮断するようになっている。この位置を含んで、この位置からプライマリピストン18がシリンダ本体15の底部13側(図4における左側)に位置する範囲では、ピストンシール45がプライマリ圧力室85とプライマリ補給路48との間を密封する。この状態では、基本的に、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧P1よりもプライマリ圧力室85の液圧P2の方が高くなり、プライマリ圧力室85内のブレーキ液が図1に示すプライマリ吐出路27から車輪側の制動用シリンダに供給されることになる。
上記において、ピストンシール45は、図4(a)に示すように、まず、ベース部101が段部75のテーパ部96に当接することになり、このテーパ部96でシリンダ軸方向に押圧される。すると、ピストンシール45は、周溝32内で周壁90側に移動してベース部101が周壁89から離れるとともに、ベース部101がテーパ部96に乗り上げることでセンタリップ部104が径方向内側に若干倒れて周壁90のテーパ部92に当接することになり、テーパ部92の案内でセンタリップ部104が径方向内側にさらに倒れる。センタリップ部104が径方向内側に倒れることで、センタリップ部104と中間リップ部105とが、径方向に対向する面同士を面接触させ、相互間の隙間をほとんどなくすことになり、中間リップ部105と内周リップ部102とにおいても、径方向に対向する面同士を面接触させ、相互間の隙間をほとんどなくすことになる。
その後、ピストンシール45は、図4(b)に示すように、ベース部101がテーパ部96を乗り越えて外径部74に乗り上げるとともに内周リップ部102がテーパ部96に乗り上げた後、図4(c)に示すように、内周リップ部102が外径部74に乗り上げることになり、プライマリ圧力室85の液圧上昇で周溝32内で周壁89側に移動して、センタリップ部104が周壁90のテーパ部92から離れるとともにベース部101が周壁89に当接する。
なお、ベース部101が、段部75のテーパ部96に当接しテーパ部96でシリンダ軸方向に押圧されたときに、このテーパ部96を円滑に摺動できないと、プライマリピストン18の移動に連られて、さらに周溝32内で周壁90側に移動しようとすることになる。このとき、ピストンシール45のセンタリップ部104の先端部が、周溝32の周壁90のテーパ部92に当接していることから、このセンタリップ部104の先端部を支点に、内周リップ部102がセンタリップ部104側に移動する方向の回転モーメントが、ピストンシール45に生じる。
これに対し、本実施形態のマスタシリンダ11では、ピストンシール45の内周リップ部102とセンタリップ部104との間に中間リップ部105が設けられていることから、この中間リップ部105が、全面的に内周リップ部102およびセンタリップ部104の両方に面接触で当接することで、これら全体が厚みの厚い部分となるため、上記回転モーメントが作用する質量が大きくなる。したがって、上記回転モーメントでは、質量の大きくなった内周リップ部102、中間リップ部105、及びセンタリップ部104全体をを回転させるのに必要な回転モーメントに達しないことになる。また、内周リップ部102と中間リップ部105との間、及び、中間リップ部105とセンタリップ部104との間にスリットが形成されているので、これらスリットにより各リップ同士ですべりが生じる。このため、内周リップ105が肉厚方向に変形できるので、内周リップ部102のテーパ部96への乗り上げが容易に行われる。さらに、中間リップ部105が、全面的に内周リップ部102およびセンタリップ部104の両方に面接触で当接するため、内周リップ部102およびセンタリップ部104の変形状態によらず、常に、内周リップ部102のセンタリップ部104側への大きな変形を抑制することができる。したがって、ピストンシール45に、周溝32内で内周側が周壁90側に外周側が周壁89側に移動するように回転する転びが生じてしまうことを抑制できる。
上記の状態から、制動を解除するために図示略のブレーキペダルを戻し始めると、間隔調整部79によってプライマリピストン18が図2に示す待機位置に戻ろうとする。このプライマリピストン18の移動によってプライマリ圧力室85の容積が拡大していくことになるが、その際に、ブレーキ配管を介してのブレーキ液の戻りがプライマリ圧力室85の容積拡大に追いつかなくなってしまうと、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧P1とプライマリ圧力室85の液圧P2とが等しくなった後、プライマリ圧力室85内の液圧P2が負圧となり、大気圧であるプライマリ補給路48の液圧P1よりもプライマリ圧力室85の液圧P2の方が低くなる。すると、このプライマリ圧力室85内の負圧が、ピストンシール45の外周リップ部103を溝底部88から離間させるとともにベース部101を周壁89から離間させることから、プライマリ補給路48のブレーキ液は、周壁89とベース部101との隙間、溝底部88と外側リップ部103との隙間、および周壁90とセンタリップ部104のスリット107との隙間の流路を介して、プライマリ圧力室85に補給されることになり、プライマリ圧力室85の液圧P2を負圧状態から大気圧に戻すようになっている。
上記実施形態は、上記に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、図5(a)に示す第1変形例では、自然状態にあるときから、中間リップ部105が、全面的に内周リップ部102およびセンタリップ部104に隙間なく面接触している。このように構成すれば、回転モーメントが作用する質量がより大きくなることから、より確実にピストンシール45の転びを抑制することができる。
また、図5(b)に示す第2変形例では、自然状態にあるときから、中間リップ部105が、全面的に内周リップ部102およびセンタリップ部104に隙間なく面接触しており、さらに、中間リップ部105の軸方向長を、内周リップ部102と同等にしている。
また、図5(c)に示す第3変形例では、中間リップ部105の先端側に、内周面にテーパ面110を、外周面にテーパ面111を、それぞれ形成して、先端側ほど徐々に薄肉となる先方薄肉部112を形成している。これにより、センタリップ部104の先端側が径方向内方に変形し易くなり、プライマリ補給路48からプライマリ圧力室85への液補給性を向上させることができる。
以上においては、プライマリ側のシール構造部SPを例にとり詳細に説明したが、セカンダリ側のシール構造部SSも同様の構造となっているため、同様の効果を奏することができる。
以上の実施形態は、ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に移動可能に配置され、該シリンダ本体との間に前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、前記シリンダ本体内に形成される周溝内に設けられ前記補給路と前記圧力室との間を密封可能なシール部材とを有するマスタシリンダであって、前記シール部材は、前記周溝における前記シリンダ本体の開口側の周壁に当接可能なベース部と、該ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して前記ピストンの外周に摺接する内周リップ部と、前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して前記周溝の底部に当接する外周リップ部と、該外周リップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して先端が前記周溝における前記シリンダ本体の底部側の周壁に当接可能なセンタリップ部と、該センタリップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出し、延出長さが前記センタリップ部よりも短く形成された中間リップ部と、を有することを特徴とする。これにより、ピストンがシリンダ本体の底部側に移動した際に、シール部材のベース部がピストンに対して円滑に摺動できずに、ピストンに連られてシリンダ本体の底部側に移動しようとすると、シール部材の動きが周溝内に制限されていることから、内周リップ部がセンタリップ部側に移動する方向の回転モーメントがシール部材に生じる。これに対し、内周リップ部とセンタリップ部との間に中間リップ部が形成されていることから、この中間リップ部が内周リップ部およびセンタリップ部の両方に当接することでこれら全体が厚みの厚い部分となり、回転モーメントが作用する質量が大きくなり、シール部材を回転させるのに必要な回転モーメントに達しないようにする。これにより、シール部材に生じる転びを抑制することができる。
11 マスタシリンダ
12 リザーバ
15 シリンダ本体
18 プライマリピストン(ピストン)
19 セカンダリピストン(ピストン)
26 セカンダリ吐出路(吐出路)
27 プライマリ吐出路(吐出路)
30,32 周溝
35,45 ピストンシール(シール部材)
38 セカンダリ補給路(補給路)
48 プライマリ補給路(補給路)
68 セカンダリ圧力室(圧力室)
85 プライマリ圧力室(圧力室)
88 溝底部(周溝の底部)
89 周壁(シリンダ本体の開口部側の周壁)
90 周壁(シリンダ本体の底部側の周壁)
101 ベース部
102 内周リップ部
103 外周リップ部
104 センタリップ部
105 中間リップ部

Claims (1)

  1. ブレーキ液の吐出路とリザーバに連通する補給路とを有する有底筒状のシリンダ本体と、
    該シリンダ本体内に移動可能に配置され、該シリンダ本体との間に前記吐出路に液圧を供給する圧力室を形成するピストンと、
    前記シリンダ本体内に形成される周溝内に設けられ前記補給路と前記圧力室との間を密封可能なシール部材とを有するマスタシリンダであって、
    前記シール部材は、
    前記周溝における前記シリンダ本体の開口側の周壁に当接可能なベース部と、
    該ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して前記ピストンの外周に摺接する内周リップ部と、
    前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して前記周溝の底部に当接する外周リップ部と、
    該外周リップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出して先端が前記周溝における前記シリンダ本体の底部側の周壁に当接可能なセンタリップ部と、
    該センタリップ部と前記内周リップ部との間で前記ベース部から前記シリンダ本体の底部側に向けて延出し、延出長さが前記センタリップ部よりも短く形成された中間リップ部と、
    を有することを特徴とするマスタシリンダ。
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