JP5232376B2 - マスタシリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両におけるブレーキやクラッチのマスタシリンダ等に用いられるカップシールを備えたプランジャ型のマスタシリンダの技術分野に関するものである。
従来、自動車の液圧ブレーキシステムや液圧クラッチシステムにおいては、ブレーキやクラッチを作動するために、ブレーキペダルあるいはクラッチペダルの踏力に応じた液圧を発生するマスタシリンダが用いられている。このマスタシリンダとして、シリンダ孔を有するシリンダ本体と、シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、シリンダ本体に設けられリザーバに連通する連通路と、ピストンに形成されてこの連通路と液圧室とを連通するリリーフポートと、シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともにピストンが摺動可能に貫通して、シリンダ孔内周面とピストン外周面との間をシールするシール部材とを備えた、プランジャ型マスタシリンダが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このプランジャ型マスタシリンダは、非作動時、ピストンのリリーフポートと連通路とがシール部材で遮断されず、液圧室がリリーフポート及び連通路を介してリザーバに連通している。したがって、非作動時、液圧室内は大気圧となっていて、液圧は発生していない。クラッチペダルの踏込みでピストンが液圧室側へ前進すると、リリーフポートと連通路とがシール部材で遮断されて、液圧室がリザーバから遮断される。これにより、ピストンの前進にともなって、液圧室には液圧が発生するようになっている。
一般に、このプランジャ型マスタシリンダに用いられているシール部材には、ピストン前進による液圧発生時に液圧が漏出するのを防止のためのシール機能と、ピストン後退時の応答性向上のためにリザーバのブレーキ液を液圧室へ補給する液補給機能であるポンピング機能とが求められる。そこで、シール部材にこれらの両機能を発揮させるために、シール部材としてカップシールが採用されている。このカップシールは、径方向に延びる円環状のベース部と、このベース部の内周側端部から軸方向の延びるインナリップ部と、ベース部の外周側端部から軸方向の延びるアウタリップ部とから、断面コ字状に形成されている。
そして、液圧室に液圧が発生しているときは、この液圧によりインナリップ部がピストン外周面に密着され、また、液圧によりアウタリップ部がこのシール部材が収容される凹部の底壁に密着されることにより、シール部材はピストン外周面とシリンダ孔内周面との間を液密にシールしている。
また、液圧が発生後のピストン後退時に、液圧室の容積が増大するため、液圧室が低下し負圧になろうとする。このため、インナリップ部が外側に撓んでピストン外周面から離間して間隙が形成され、また、アウタリップ部が内側に撓んで凹部の底壁から離間して間隙が形成される。そして、これらの間隙を通して、リザーバのブレーキ液が液圧室に補給されることで、ピストンがスムーズにかつ迅速に後退するようになる。
特開2003−194100公報
ところで、上記特許文献1に記載された発明では、ペダル踏み込み時の圧力室の圧力があまり上がっていない状態でピストンが作動すると、シール部材の前方とハウジングとの間に隙間が空いているので、シール部材がピストンと共に移動してしまい力のロスが大きくなるという課題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ピストン作動時のシール部材の移動を防止し、作動の不安定や力のロスを低減するマスタシリンダを提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明のマスタシリンダは、シリンダ孔を有するシリンダ本体と、前記シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、前記シリンダ本体に設けられリザーバに連通する連通路と、前記ピストンに形成されて前記液圧室と常時連通するとともに前記連通路と前記液圧室とを連通するリリーフポートと、前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともに前記ピストンが摺動可能に貫通して、前記シリンダ孔内周面と前記ピストンの外周面との間をシールするシール部材とを備え、非作動時に前記連通路と前記リリーフポートとが連通し、作動時に前記ピストンが移動して前記シール部材により前記連通路と前記リリーフポートとが遮断されるようになっているマスタシリンダにおいて、前記シール部材は、ベース部が前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のベース部側壁に当接すると共に、少なくとも一つのリップ部が前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁に常に当接する締めしろを有し、前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁は、テーパ状に形成されたテーパ部を有し、前記シール部材は、その断面が略E字状のカップシールであって、前記E字状のカップシールは、前記リップ部側壁の前記テーパ部に当接する締めしろを有する中間リップ部を備えたことを特徴とする。
また、請求項の発明のマスタシリンダは、前記中間リップ部の締めしろは、周方向で部分的に配置されることを特徴とする。
また、請求項の発明のマスタシリンダは、前記テーパ部は前記凹部の底壁に向かうほど前記ベース部側壁と前記リップ部側壁との間隔が狭くなるように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、シール部材は、ベース部がシリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のベース部側壁に当接すると共に、少なくとも一つのリップ部がシリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁に常に当接する締めしろを有するので、ピストンストローク時のシール部材の移動を防止し、作動の不安定や力のロスを低減することができる。
また、シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁は、テーパ状に形成されたテーパ部を有するので、シール部材を容易に挿入でき組み付け性が向上すると共に、液補給性が向上する。
また、シール部材は、その断面が略E字状のカップシールであって、E字状のカップシールは、リップ部側壁に当接する締めしろを有する中間リップ部を備えたので、凹部のリップ部側壁の略中間部で当接することとなり、端部で当接するよりもシール部材が安定する。
また、中間リップ部の締めしろは、周方向で部分的に配置されるので、液の連通性がよくなる。
また、テーパ部は凹部の底壁に向かうほどベース部側壁とリップ部側壁との間隔が狭くなるように形成されるので、より容易に挿入することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るマスタシリンダの一実施形態を示す。図1に示すように、プランジャ型マスタシリンダ1はシリンダ本体2を備え、シリンダ本体2にはシリンダ孔3が形成されている。
シリンダ孔3内には、本発明のピストンの一例としてのプライマリピストン4と、同様に本発明のピストンの一例としてのセカンダリピストン5とが摺動可能に挿入されている。プライマリピストン4は、図示しないブレーキペダルあるいはこのブレーキペダルの踏力を倍力して出力するブレーキ倍力装置によって左方へ移動するようになっている。これらのプライマリピストン4及びセカンダリピストン5により、シリンダ孔3内には、第1液圧室6がプライマリピストン4とセカンダリピストン5との間に区画形成され、また第2液圧室8がセカンダリピストン5とシリンダ孔3の底部3aとの間に区画形成されている。
第1液圧室6には軸部材7が配設されており、この軸部材7には左右一対の第1及び第2リテーナ9,10が設けられている。第2リテーナ10は軸部材7に固定されているが、第1リテーナ9は軸部材7に摺動可能とされている。その場合、第1リテーナ9は軸部材7の右端に形成された掛止部7aに当接することで、第1及び第2リテーナ9,10は互いに図1に示す最大に離間した状態に設定される。これらの第1及び第2リテーナ9,10の間には、第1リターンスプリング11が縮設されている。第1リテーナ9はプライマリピストン4に常時当接されるとともに第2リテーナ10はセカンダリピストン5に常時当接されており、図1に示すマスタシリンダ1の非作動時には、プライマリピストン4とセカンダリピストン5は最大に離間した状態に設定される。
また、第2液圧室8には左右一対の第3及び第4リテーナ12,13が設けられている。第3リテーナ12は、第4リテーナ13に摺動可能とされている。その場合、第3及び第4リテーナ12,13は互いに図1に示す最大に離間した状態に設定される。これらの第3及び第4リテーナ12,13の間には、第2リターンスプリング14が縮設されている。第3リテーナ12はセカンダリピストン5に常時当接されるとともに第4リテーナ13はシリンダ孔3の底部3aに常時当接されており、マスタシリンダ1の非作動時には、セカンダリピストン5は底部3aから最大に離間した状態に設定される。
シリンダ本体2にはリザーバ29が設けられている。このリザーバ29は、第1連通路15及びプライマリピストン4に形成され第1液圧室6に常時連通する第1リリーフポート16を介して第1液圧室6に連通可能にされている。第1リリーフポート16は、プライマリピストン4の左端側筒状部4aに穿設されてプライマリピストン4の内周側の第1液圧室6と外周側の第1連通路15とを連通する径方向の連通孔から構成されている。また、リザーバ29は、第2連通路17及びセカンダリピストン5に形成された第2リリーフポート18を介して第2液圧室8に連通可能にされている。第1リリーフポート16と同様に、第2リリーフポート18も、セカンダリピストン5の筒状部5aに穿設されてセカンダリピストン5の内周側の第2液圧室8と外周側の第2連通路17とを連通する径方向の連通孔から構成されている。
図2は、第1シール部材20の周辺の拡大断面図である。図2に示すように、この環状の第1シール部材20は、径方向に延設され、第1凹部19のベース部側壁19aに当接し、プライマリピストン4が摺動可能に貫通する円環状のベース部20a、このベース部20aの内周側端部から軸方向に延設されかつプライマリピストン4が摺動可能に貫通する環状のインナリップ部20b、ベース部20aの外周側端部から軸方向に延設されかつ第1凹部19の底壁19bに離間可能に当接する環状のアウタリップ部20c及びこれらインナリップ部20bとアウタリップ部20cとの間でベース部20aから軸方向に延設され、第1凹部19のリップ部側壁19cに常に当接する締めしろを有する環状の中間リップ部20dからなる断面略E字状のカップシールで形成されている。
なお、第1シール部材20の中間リップ部20dを第1凹部19のリップ部側壁19cに常に当接する締めしろを有するように組み付ける際に、容易に挿入することができるように、第1凹部19のリップ部側壁19cに底壁19bに向かうほどベース部側壁19aとリップ部側壁19cとの間隔が狭くなるようにテーパ部19dを設ける。なお、テーパ部19dはリップ部側壁19cの一部に設けてもよいし、リップ部側壁19cをすべてテーパ状のテーパ部19dとしてもよい。
ベース部20aには、このベース部20aの外周側と内周側とを連通しかつ後方に開口する所定数のベース部側溝20eが設けられ、中間リップ部20dには、この中間リップ部20dの外周側と内周側とを連通しかつ先端に開口する所定数のリップ部側溝20fを設けられている。なお、中間リップ部20dは、完全な環状ではなく、締めしろを周方向で部分的に配置し、液の連通が可能となるように構成してもよい。
また、第1リリーフポート16が開口するプライマリピストン4の外周面には、
環状凹部4bが形成されている。この環状凹部4bは非作動状態では、シリンダ本体2の内周面との間に、比較的大きな間隙βが形成されるようになっている。
さらに、第1シール部材20のベース部20aに隣接するシリンダ本体2に形成されたシリンダ孔3の内周面には第1軸方向溝3bが形成されていて、ベース部側溝20eがリザーバ29に常時連通されている。また、第1シール部材20の中間リップ部20dのリップ部側溝20fに隣接するシリンダ本体2に形成されたシリンダ孔3の内周面にも第2軸方向溝3cが形成されていて、第1シール部材20が配設される第1凹部19が第1液圧室6に常時連通されている。なお、シリンダ本体2の内周面に形成される第1軸方向溝3b及び第2軸方向溝3cの軸方向溝に代えて、シリンダ本体2の内周面とプライマリピストン4の外周面との間に、ブレーキ液の流量を確保できプライマリピストン4のガイド機能を損なわない程度の隙間を設けるようにすることもできる。
なお、リップ部側溝20f及びベース部側溝20eがともに軸方向に対向する位置に設けられかつそれらの幅(周方向の長さ)が互いに同じ大きさに設定されているが、リップ部側溝20f及びベース部側溝20eとは、それらの数、それらの位置、及びそれらの幅を異ならせて互いに独立して任意に設定することができる。ただし、これらの溝20f,20eの各幅は、マスタシリンダ1の作動後の両ピストン4,5の戻り時にブレーキ液が流れる通路として活用されるため、最低でも両ピストン4,5の戻り時には各溝20f,20eが潰れない程度の大きさに設定することが必要である。このようにすることで、ブレーキ液のベース部側溝20eでの流れを確実にして、第1シール部材20の液補給性をより一層向上することができる。
図1に示すように、第1液圧室6は第1出力ポート23に連通されているとともに、この第1出力ポート23を介して図示しない二ブレーキ系統のうち、一方のブレーキ系統の車輪のホイールシリンダに接続されている。また、第2液圧室8は第2出力ポート24に連通されているとともに、この第2出力ポート24を介して図示しない二ブレーキ系統のうち、他方のブレーキ系統の車輪のホイールシリンダに接続されている。
また、プライマリピストン4が配設されるシリンダ本体2のシリンダ孔3の内周には第1密閉シール用凹部25が設けられ、第1密閉シール用凹部25には、第1密閉シール26が備えられている。この第1密閉シール26をプライマリピストン4が摺動可能に貫通している。第1密閉シール26のカップシールは前述の第1シール部材20のカップシールと異なり、従来公知のカップシールからなり、シリンダ本体2のシリンダ孔3の内周面とプライマリピストン4の外周面との間の液密を確保している。
なお、セカンダリピストン5が配設されるシリンダ孔3の第2凹部21には、環状の第2シール部材22が収容されているとともに、第2密閉シール用凹部27には、第2密閉シール28が備えられ、セカンダリピストン5がこの第2シール部材22及び第2密閉シール28を液密にかつ摺動可能に貫通している。この第2凹部21、第2シール部材22、第2密閉シール用凹部27及び第2密閉シール28は図2に示す第1凹部19、第1シール部材20、第1密閉シール用凹部25及び第1密閉シール26とまったく同じもので構成されている。したがって、第2凹部21、第2シール部材22、第2密閉シール用凹部27及び第2密閉シール28の詳細な説明は省略する。
このような非作動状態のマスタシリンダ1において、ブレーキペダルが踏み込まれてプライマリピストン4が前進すると、図3に示すように第1リリーフポート16の全体が第1シール部材20のベース部20aおよびインナリップ部20bによって閉塞される。このため、第1リリーフポート16と第1連通路15とが遮断されて第1液圧室6がリザーバ29から遮断され、ペダル踏力に応じた液圧が発生する。また、プライマリピストン4の前進による第1リターンスプリング11を介して伝達される上記踏力によってセカンダリピストン5が前進し、同様にして、第2液圧室8がリザーバ29から遮断され、第2液圧室8内に液圧が発生する。
そして、第1液圧室6内の液圧により、第1シール部材20のインナリップ部20bがプライマリピストン4の外周面に密着されるとともに、第1シール部材20のアウタリップ部20cが第1シール部材20を収容する凹部19の底壁20aに密着される。これにより、第1液圧室6はリザーバ29から密封され、第1液圧室6の液圧がリザーバ29へ漏出しない。プライマリピストン4が更に前進すると、第1液圧室6の液圧が上昇する。この第1液圧室6の液圧は、第1出力ポート23から一方のブレーキ系統のホイールシリンダに送給され、一方のブレーキ系統のブレーキが作動する。
同様にして、第2シール部材22により、第2液圧室8はリザーバ29から密封され、第2液圧室8の液圧がリザーバ29へ漏出しない。セカンダリピストン5が更に前進すると、第2液圧室8の液圧が上昇し、この液圧は第2出力ポート24から他方のブレーキ系統のホイールシリンダに送給され、他方のブレーキ系統のブレーキが作動する。
この時、従来のマスタシリンダでは、凹部のリップ側壁とシール部材との間に間隙を有していたため、ピストンの前進と共に、シール部材が引き摺られて移動し、作動が不安定となることがあった。しかしながら、本実施形態のマスタシリンダ1では、第1凹部19のリップ部側壁19cと第1シール部材20の中間リップ部20d及び第2凹部21の図示しないリップ部側壁21cと第2シール部材22の図示しない中間リップ部22dが当接しているため、第1シール部材20及び第2シール部材22は移動することなく、作動が不安定となる状態は低減される。
マスタシリンダ1の作動後、プライマリピストン4が急激な勢いで非作動状態に戻ろうとしたときには、図4に示すように、リザーバ29からブレーキ液がベース部側溝20e及びアウタリップ部20cの外周側を通ってアウタリップ部20cの左側の第1凹部19内に流入する。更に、このブレーキ液は、中間リップ部側溝20f、プライマリピストン4の環状凹部4b及び第1リリーフポート16を通って第1液圧室6内に補給され、第1液圧室6内が大気圧となる。これにより、プライマリピストン4がスムーズにかつ迅速に戻るようになる。
このように、第1シール部材20の中間リップ部20dを第1凹部19のリップ部側壁19cに常に当接させる締めしろを有するので、ピストンストローク時の第1シール部材20の移動を防止し、作動の不安定や力のロスを低減することができる。また、第1凹部19のリップ部側壁19cにテーパ部19dを設けたので、第1シール部材20を容易に挿入でき組み付け性が向上すると共に、液補給性が向上する。また、第1シール部材20は略E字状のカップシールであって、略E字状のカップシールはリップ部側壁19cに当接する締めしろを有する中間リップ部20dを備えたので、第1凹部19のリップ部側壁19cの略中間部で当接することとなり、端部で当接するよりも第1シール部材20が安定する。また、中間リップ部20dの締めしろは、周方向で部分的に配置されるので、液の連通性がよくなる。また、テーパ部19dは第1凹部19の底壁19bに向かうほどベース部側壁19aとリップ部側壁19cとの間隔が狭くなるように形成されるので、より容易に挿入することができる。
なお、本実施形態では、略E字状の第1シール部材20の中間リップ部20dを第1凹部19のリップ部側壁19cに常に当接させたが、図5に示すように、他のリップ部をリップ部側壁19cに当接させる構造としてもよい。また、図6に示すように、第1シール部材20をコ字状としてもよく、その際、図6(a)及び(b)に示すように、リップ部側壁19cに当接させるリップ部をどちらにしてもよい。なお、図5及び図6に示す例は、参考例である。
さらに、本発明のマスタシリンダは、ブレーキ装置のマスタシリンダに限定されることはなく、クラッチ装置のマスタシリンダを始め、ピストンの前進で液圧室に液圧を発生するものであれば、どのような液圧装置にも適用することができる。また、前述の例では、2つのピストンが直列に配置されたタンデムマスタシリンダについて説明しているが、プランジャ型マスタシリンダであれば、シングルマスタシリンダを始めどのようなマスタシリンダにも、本発明のマスタシリンダを適用することができる。
本発明に係るマスタシリンダの一実施形態を示す図である。 第1シール部材の拡大断面図である。 第1シール部材の拡大断面図である。 第1シール部材の拡大断面図である。 参考例を示す図である。 参考例を示す図である。
符号の説明
1…マスタシリンダ、2…シリンダ本体、3…シリンダ孔、3a…底部、4…プライマリピストン、5…セカンダリピストン、6…第1液圧室、7…軸部材、8…第2液圧室、9…第1リテーナ、10…第2リテーナ、11…第1リターンスプリング、12…第3リテーナ、13…第4リテーナ、14…第2リターンスプリング、15…第1連通路、16…第1リリーフポート、17…第2連通路、18…第2リリーフポート、19…第1凹部、19a…ベース部側壁、19b…底壁、19c…リップ部側壁、19d…テーパ部、20…第1シール部材、20a…ベース部、20b…インナリップ部、20c…アウタリップ部、20d…中間リップ部、20e…ベース部側溝、20f…リップ部側溝、21…第2凹部、22…第2シール部材、23…第1出力ポート、24…第2出力ポート、25…第1密閉シール用凹部、26…第1密閉シール、27…第2密閉シール用凹部、28…第2密閉シール、29…リザーバ

Claims (3)

  1. シリンダ孔を有するシリンダ本体と、
    前記シリンダ孔内に摺動可能に挿入された液圧室を区画するピストンと、
    前記シリンダ本体に設けられリザーバに連通する連通路と、
    前記ピストンに形成されて前記液圧室と常時連通するとともに前記連通路と前記液圧室とを連通するリリーフポートと、
    前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部に収容されるとともに前記ピストンが摺動可能に貫通して、前記シリンダ孔内周面と前記ピストンの外周面との間をシールするシール部材と
    を備え、
    非作動時に前記連通路と前記リリーフポートとが連通し、
    作動時に前記ピストンが移動して前記シール部材により前記連通路と前記リリーフポートとが遮断されるようになっているマスタシリンダにおいて、
    前記シール部材は、ベース部が前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のベース部側壁に当接すると共に、
    少なくとも一つのリップ部が前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁に常に当接する締めしろを有し、
    前記シリンダ本体のシリンダ孔内周面の凹部のリップ部側壁は、テーパ状に形成されたテーパ部を有し、
    前記シール部材は、その断面が略E字状のカップシールであって、
    前記E字状のカップシールは、前記リップ部側壁の前記テーパ部に当接する締めしろを有する中間リップ部を備えた
    ことを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 前記中間リップ部の締めしろは、周方向で部分的に配置されることを特徴とする請求項に記載のマスタシリンダ。
  3. 前記テーパ部は前記凹部の底壁に向かうほど前記ベース部側壁と前記リップ部側壁との間隔が狭くなるように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスタシリンダ。
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