JP2006272801A - 転写用積層シートおよび印刷物ならびにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小ロットの印刷シートであっても容易に被覆層を形成できる上に、得られる印刷物のカール発生を抑制でき、しかも印刷シート上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる転写用積層シートを提供する。
【解決手段】 本発明の転写用積層シートは、ホットメルト樹脂層を印刷シートの印刷面上に設けるためのものであり、離型シート上に、ホットメルト樹脂を含有するホットメルト樹脂層が形成されている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷シートの印刷面に被覆層を形成する際に使用される転写用積層シートに関する。また、印刷シートの印刷面に被覆層が形成された印刷物およびその製造方法に関する。
基材表面に印刷が施された印刷シートにおいては、印刷の汚染、傷つき、劣化を防止するために、保護層として機能する被覆層を印刷面上に形成することがある。あるいは、高光沢が求められる部分(例えば、写真部分)の表面を平滑にして光沢を向上させるために、光沢向上層として機能する被覆層を印刷面上に形成することがある。被覆層の形成方法としては、例えば、印刷面にニスを塗布する方法(例えば、特許文献1参照。)や、印刷面に透明フィルムを貼合する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−162975号公報 特開2004−175001号公報
近年、インクジェット記録方式等の普及により、小ロットの印刷シートが簡便に得られるようになっているため、小ロットの印刷シートに簡便に被覆層を形成して印刷物を製造する方法が求められている。しかしながら、ニスを塗布する方法は、通常、印刷機を使用し、大規模な設備になるため、小ロットの印刷シートへの適用が困難である。
一方、印刷面にフィルムを貼合する方法は、小規模の設備にも適用可能であるものの、印刷シートとフィルムとを貼合する際には、それぞれの張力が異なっていることが多いため、印刷シートにフィルムを貼合して得た印刷物は内部で歪みが生じ、時間の経過と共にカールしてしまうことがあった。
すなわち、これまで、印刷シートの印刷面上に被覆層を形成して印刷物を製造する方法として、小ロットの印刷シートにも容易に適用でき、しかも、印刷物のカール発生を抑制できる方法は知られていなかった。
また、印刷シートにおいては、印刷面上に被覆層以外の他の層(例えば、保護フィルム等)を設ける要求もある。印刷シートの印刷面上に他の層を設けるためには、印刷面に接着剤を直接塗工して接着層を形成し、その接着層を介して他の層を貼着する方法を採ることが考えられる。しかし、この方法は工程数が多く、簡便ではない上に、接着剤を塗工する際に印刷シートの印刷が損なわれやすく、実用的ではない。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、印刷シートの印刷面上に被覆層を形成して印刷物を製造する際に使用するものであって、小ロットの印刷シートであっても容易に被覆層を形成できる上に、得られる印刷物のカール発生を抑制でき、しかも印刷シート上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる転写用積層シートを提供することを目的とする。また、小ロットであっても容易に得られ、カールの発生が抑制され、しかも簡便にかつ印刷を損なわずに接着層が設けられた印刷物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の転写用積層シートは、ホットメルト樹脂層を印刷シートの印刷面上に設けるための転写用粘着シートであって、
離型シート上に、ホットメルト樹脂を含有するホットメルト樹脂層が形成されていることを特徴とする。
本発明の転写用積層シートにおいては、離型シートが二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることが好ましい。
本発明の印刷物は、上述した転写用積層シートから剥離されたホットメルト樹脂層が、印刷シートの印刷面に貼着されているものである。
本発明の印刷物の製造方法は、印刷シートに、上述した転写用積層シートを、印刷シートの印刷面と転写用積層シートのホットメルト樹脂層とが接するように積層し、加熱圧着した後、前記転写用積層シートの離型シートを剥離する方法である。
本発明の転写用積層シートは、小ロットの印刷シートであっても印刷面上に被覆層を容易に形成できる。また、本発明の転写用積層シートにより印刷シートの印刷面上に被覆層を形成して印刷物を得た際には、印刷物のカール発生を抑制できる。しかも印刷シート上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる。
本発明の印刷物は、小ロットであっても容易に得られるものである。また、カールの発生が抑制されている。しかも簡便にかつ印刷を損なわずに接着層が設けられたものである。
本発明の印刷物の製造方法によれば、小ロットの印刷シートであっても印刷面上に容易に被覆層を形成できる。また、得られる印刷物のカールの発生を抑制することができる。しかも簡便にかつ印刷を損なわずに接着層が設けられた印刷物を得ることができる。
本発明の転写用積層シートについて説明する。
本発明の転写用積層シートは、ホットメルト樹脂層を印刷シートの印刷面上に設けるための転写用粘着シートであって、離型シート上にホットメルト樹脂層が形成されているものである。
離型シートとしては特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどからなるプラスチックフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムには離型処理が施されていても構わない。プラスチックフィルムの中でも、離型性および強度が高いことから、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが好ましい。
また、離型シートとしては、紙またはプラスチックフィルムを基材とし、その基材上に剥離剤からなる剥離剤層が形成されたものが挙げられる。ここで、紙としては、例えば、グラシン紙、上質紙、コーテッド紙、クレーコート紙、クラフト紙などが挙げられる。また、プラスチックフィルムとしては、上述したものと同じものを使用できる。さらに、基材としては、前記紙の片面または両面に前記プラスチックをラミネートしたラミネート紙、金属箔、金属箔と紙あるいはプラスチックフィルムとの貼り合わせ品等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、中でも、剥離性に優れることから、シリコーン樹脂が好ましい。これら剥離剤は、エマルジョンや溶剤型または無溶剤型として使用される。
ホットメルト樹脂層は、ホットメルト樹脂を含有する。そのホットメルト樹脂としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)等のスチレン系ブロックコポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド、ポリエステル等や、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等の主モノマーに共重合可能成分を任意に重合したアクリル系ポリマーなどを用いることができる。
ホットメルト樹脂層には粘着付与剤が含まれていてもよい。粘着付与剤としては、ロジン、重合ロジン、不均化ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン、テルペンフェノール、ロジンフェノールなどのフェノール変性樹脂、アルキルフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂およびその水添物、スチレン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。
粘着付与剤の中でも、軟化点が150℃以下のものが好ましく、50〜130℃のものがより好ましい。軟化点が150℃を超えると、加熱時の接着性が低下することがある。
また、ホットメルト樹脂層にはワックスが含まれていてもよい。ワックスとしては、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルバナワックス、キャンデリラロウ、マイクロワックスなどの石油系ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの合成ワックスが用いられる。
ワックスの中でも、融点が50〜200℃のものが好ましく、60〜120℃のものがより好ましい。融点が50℃未満では、保存性が低下することがあり、200℃を超えると加熱時の接着性が低下することがある。
また、分子量が300〜2000のものが好ましく、500〜1500のものがより好ましい。分子量が300未満であると、ホットメルト樹脂層の凝集力が低下する場合があり、2000を超えると、ワックスの粘度が高くなり、ホットメルト樹脂層が硬くなって接着性が不足することがある。
転写用積層シートの製造方法としては、例えば、溶融したホットメルト樹脂および必要に応じて粘着付与剤、ワックスを含有するホットメルト樹脂組成物を溶融し、その溶融物を離型シート上に塗工した後、冷却する方法などが挙げられる。
溶融したホットメルト樹脂組成物の塗工方法としては、加熱、保温装置を備えたアプリケーター、コーターまたは印刷機を適用でき、コーターとしては、例えば、リバースロールコーター、グラビアロールコーター、ダイコーター、リップコーターなどが用いられ、印刷機としては、グラビア印刷機、凸版印刷機、スクリーン印刷機などが用いられる。
塗工の際の加熱温度はホットメルト樹脂の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
また、ホットメルト樹脂の塗工量としては、5〜60g/mであることが好ましく、20〜50g/mであることがより好ましい。
上述した転写用積層シートは、離型シート上にホットメルト樹脂層が形成されたものであり、ホットメルト樹脂層の離型性が高いため、離型シートから容易に剥離することができる。また、ホットメルト樹脂層は加熱することで接着性・粘着性が生じるため、印刷シートに貼着することが可能になる。したがって、この転写用積層シートによれば、小ロットの印刷シートであっても、印刷面上に容易に被覆層を設けることができる。また、ホットメルト樹脂は張力を緩和し易いため、得られる印刷物のカール発生を抑制できる。しかも、転写によって、印刷シート上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる
(印刷物)
本発明の印刷物は、上述した転写用積層シートから剥離されたホットメルト樹脂層が、印刷シートの印刷面に貼着されているものである。
印刷シートを構成する基材としては、例えば、紙基材、紙基材上にインク受容層が設けられたインクジェット記録シート、プラスチックフィルム、プラスチック板、金属箔、金属板などが挙げられる。基材は巻き取りシートであってもよいし、枚葉シートであってもよいが、本発明は小ロットの場合にとりわけ効果を発揮することから、小ロットの場合に好ましく用いられる枚葉シートが好ましい。
印刷面は基材の片面のみであってもよいし、両面であってもよい。
基材への印刷方法としては、例えば、凸版印刷、平版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリ−ン印刷、インクジェット記録方式等を利用できる。基材として枚葉シートを用いる場合には、インクジェット記録方式を採用することが好ましい。
この印刷物におけるホットメルト樹脂層は、印刷シートの印刷面を被覆しているため、印刷を保護する保護層として機能する上に、印刷シートの印刷面側の表面を平滑にできるため、光沢を高める光沢向上層として機能する。さらに、ホットメルト樹脂層は加熱することにより接着性が発現するから、印刷物1の用途に応じて、他の層を熱プレスなどにより容易に貼着することができる。
上記印刷物を製造するためには、図1に示すように、まず、印刷シート10に上述した転写用積層シート20を、印刷シート10の印刷面11と転写用積層シート20のホットメルト樹脂層21とが接するように積層し、これを加熱圧着した後、図2に示すように、ホットメルト樹脂層21から離型シート22を剥離する。このようにして、印刷シート10の印刷面11上に、被覆層としてホットメルト樹脂層21が形成された印刷物1が得られる。印刷物1のホットメルト樹脂層21は加熱により、接着性が発現するようになっている。
印刷シート10と転写用積層シート20との積層は専用の装置を用いてもよいし、手作業で行ってもよい。また、加熱圧着は、熱プレスなど周知のラミネート装置を用いることができる。加熱圧着の際の加熱温度および圧力は、印刷シート10およびホットメルト樹脂21の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
上述した印刷物の製造方法は、印刷シート10の印刷面11にホットメルト樹脂層21を転写する方法であるから、簡便であり、大規模設備は不要である。したがって、小ロットの印刷シートを用いても、印刷面11に容易に被覆層を形成して印刷物1を得ることができる。
また、ホットメルト樹脂を含有するホットメルト樹脂層21は積層時の張力を緩和しやすいため、上記製造方法により得られた印刷物1はカールの発生が抑制されている。しかも、離型シートは離型性が高いため、剥離した際にホットメルト樹脂層21内に応力が生じず、カール発生を防止できる。
上述した製造方法では、転写によりホットメルト樹脂層21を積層するから、印刷シート10の印刷面11上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる。
(実施例1)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ホットメルト樹脂(商品名トヨメルトH−279、東洋ペトロライト社製)を、アプリケータロールにより乾燥質量40g/mとなるように塗工し、150℃で乾燥して、転写用積層シートを得た。
(実施例2)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、表面を離型処理していない厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして転写用積層シートを得た。
(実施例3)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、表面を離型処理していない厚さ60μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして転写用積層シートを得た。
(実施例4)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、表面を離型処理していない厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして転写用積層シートを得た。
(実施例5)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、グラシン紙(40g/m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして転写用積層シートを得た。
(比較例1)
表面を離型処理した厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、支持シートとして塗工紙(商品名OK−TK、128g/m、王子製紙社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
(比較例2)
ホットメルト樹脂の代わりに、アクリル系粘着剤(商品名X404−432E、サイデン化学社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にして積層シートを得た。
(比較例3)
ホットメルト樹脂の代わりに、アクリル系粘着剤(商品名YJ8572DN、BASF社製)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層シートを得た。
なお、比較例2,3の積層シートは、アクリル系粘着剤層を印刷シートに転写するものではなく、印刷シートの印刷面上に貼り付けられるものである。したがって、PETフィルムまたはOPPフィルムを剥離するものではない。
実施例1〜5の転写用積層シートおよび比較例1〜3の積層シートを以下のように評価した。評価結果を表1(実施例)および表2(比較例)に示す。
(1)離型シートを剥離しない状態での印刷物のカール(剥離前のカール)
インクジェットプリンタ(商品名PIXUS IP3100、キャノン社製)を用いて、A4サイズの市販のインクジェット用紙(IJCマット130、王子製紙社製)の片面に印刷を施して印刷シートを得た。
次いで、ラミネート装置(LMP−350EX、ラミーコーポレーション社製)により、前記印刷シートの印刷面に実施例1〜5の転写用積層シートの樹脂層を積層し、それにより得られた積層体を、140℃で加熱しながら、転写用積層シートの離型シート側から押圧して、圧着した。なお、ニップ圧は0.3MPa(ゲージ圧)、送り速度は5m/分とした。
得られた離型シート付き印刷物を200mm×200mmに裁断し、これを平坦な表面の板状物の上に置き、[23℃、30%RH、24時間]および[23℃、80%、24時間]の環境下に放置した後の外観を目視により観察した。
また、上記と同様に、前記印刷シートの印刷面に比較例1〜3の積層シートの樹脂層または粘着剤層を積層し、加熱圧着して塗工紙またはプラスチックフィルム付きの印刷物を得た。そして、その塗工紙またはプラスチックフィルム付き印刷物を実施例1〜5の転写用積層シートと同様に評価した。
○:殆どカールせず、実用的である。
×:カールが大きすぎて実用的でない。
この評価によって、積層時の張力によるカール発生の有無を調べることができる。
(2)離型シートを剥離した後の印刷物のカール(剥離後のカール)
(1)において得られた離型シート付き印刷物の離型シートを剥離し、得られた印刷物の外観を目視により観察して評価した。なお、比較例1の積層シートでは離型シートの代わりに塗工紙を剥離し、比較例2,3については評価しなかった。
○:印刷シートと同程度のカールであった。
△:印刷シートよりわずかにカールが大きくなっていたが実用の範囲内である。
×:カールが目立ち、実用上支障がある。
この評価によって、離型シート(または比較例1においては塗工紙)の剥離によるカール発生の程度を調べることができる。
(3)離型性
上記(2)にてホットメルト樹脂層から離型シートまたは塗工紙を剥離した際の離型性について目視により評価した。
○:離型性に優れ、充分に実用的である。
△:離型性はやや低いが、実用の範囲内である。
×:実用できない程、離型性が低い。
(4)光沢
印刷物の光沢を目視により評価した。なお、比較例1については光沢の評価をせず、比較例2,3についてはPETフィルム、OPPフィルムを剥離しない状態で評価した。
◎:表面が平滑で光沢性にとても優れる。
○:表面の光沢性に優れる。
△:表面の平滑性がやや低いが、実用範囲内の光沢性が確保されている。
×:表面の平滑性が低く、光沢が小さい。
(5)再貼着性(接着性)
(2)にて得られた印刷物のホットメルト樹脂層に保護フィルムとして機能するPETフィルムを積層し、これをラミネート装置により、140℃で加熱しながら、印刷物の印刷シート側から押圧して圧着した。その際、ニップ圧は0.3MPa(ゲージ圧)、送り速度は5m/分とした。その際のホットメルト樹脂層の再貼着性について目視により評価した。なお、比較例2,3については評価しなかった。
◎:貼着性に優れる。
○:若干剥がれやすいが、充分に実用レベルである。
△:剥がれやすいが、実用レベルの貼着性を有する。
×:実用できないほど貼着性が低い。
Figure 2006272801
Figure 2006272801
離型シート上にホットメルト樹脂層が形成された実施例1〜5の転写用積層シートを、印刷シートの印刷面上に積層しても、張力が緩和されるため、印刷物のカールを抑えることができる。しかも離型シートは離型性に優れるから、離型シートを剥離したのちにもカールしにくかった。また、実施例1〜5の転写用積層シートを用いた場合には、印刷面側の表面の光沢を高くでき、印刷シート上に接着層を簡便にかつ印刷を損なわずに設けることができる。
これに対し、離型シートではない塗工紙上にホットメルト樹脂層が形成された比較例1の積層シートは、塗工紙の離型性が低いため、塗工紙を剥離したところ、印刷物がカールした。また、塗工紙に一部のホットメルト樹脂層が移行したため、接着性も低くなった。
また、PETフィルムまたはOPPフィルム上にアクリル系粘着剤層が形成された比較例2,3の積層シートを印刷シートに積層した場合には、張力を緩和できなかったため、印刷物にカールが生じた。
本発明の印刷物の製造方法の一例における一工程を模式的に示す図である。 本発明の印刷物の製造方法の一例における一工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1 印刷物、10 印刷シート、11 印刷面、20 転写用積層シート、21 ホットメルト樹脂層、22 離型シート

Claims (4)

  1. ホットメルト樹脂層を印刷シートの印刷面上に設けるための転写用粘着シートであって、
    離型シート上に、ホットメルト樹脂を含有するホットメルト樹脂層が形成されていることを特徴とする転写用積層シート。
  2. 離型シートが二軸延伸ポリプロピレンフィルムである請求項1に記載の転写用積層シート。
  3. 請求項1または2に記載の転写用積層シートから剥離されたホットメルト樹脂層が、印刷シートの印刷面に貼着されている印刷物。
  4. 印刷シートに、請求項1または2に記載の転写用積層シートを、印刷シートの印刷面と転写用積層シートのホットメルト樹脂層とが接するように積層し、加熱圧着した後、前記転写用積層シートの離型シートを剥離する印刷物の製造方法。
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