JP4707818B2 - 箔転写ラベル及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、アルミニウム蒸着層などの転写箔が転写された箔転写ラベル、及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器等の被着体に貼着されるタックラベルとしては、インキによる印刷に加えて金属箔等の転写箔が用いられているものがある。該ラベルは、転写箔を剥離可能に備えた転写箔フィルムから、所望の文字、図形に合わせてラベル基材の表面に転写箔が転写されたものである。尚、ラベル基材の裏面には接着剤が塗布されていて被着体に貼着できるようになっている。
【0003】
また、転写箔のラベル基材への転写は、従来、いわゆるホットスタンプ法により行われていた。具体的には、図4の如く、ベースフィルム30の一面に転写箔層31と感熱接着剤層32とを順に積層した転写箔フィルム34を使用する。尚、図示していないが、ベースフィルム30と転写箔層31との間には、ベースフィルム30側から順に、離型層と保護膜層とが介在されている。
【0004】
そして、該転写箔フィルム34をラベル基材36の表面側に僅かな隙間をあけて対向させる一方、所望の図柄等が彫刻されたスタンプ体35を所定温度に加熱する。加熱されたスタンプ体35で転写箔フィルム34をラベル基材36に押し当てると、スタンプ体35の凸部35aに対応した箇所の感熱接着剤が活性化してその位置の転写箔がラベル基材36の表面に転写される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして転写された転写箔は、その上の保護膜で保護されているものの、ラベル基材の表面側にあるため、ボトル等の容器に貼着した状態においては擦れや衝突によって傷ついたり、あるいは、洗浄液中の酸やアルカリによって腐食したりするおそれがある。そのため、ラベルの表面側に別途保護フィルムをラミネートして転写箔をこのフィルムで覆って保護することが行われているが、ラベル全体が必要以上に厚くなるうえにコスト面での問題も生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、転写された転写箔を簡易な構成によって保護することができる低コストな箔転写ラベル及びその製法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る箔転写ラベルは、透明なプラスチックフィルムからラベル基材が形成され、該ラベル基材の裏面側に、転写箔フィルムに設けられていた転写箔が透明な粘着剤により転写されており、更に、該転写箔を覆うように、被着体にラベルを貼着するための感熱接着剤が設けられ、転写箔は、厚さが1μm以下の金属の蒸着層からなる金属箔を含む箔転写ラベルであって、金属箔の表裏両面には、透明インキ層が設けられることを特徴とする。
特に、透明な粘着剤として紫外線反応タイプの粘着剤を使用することが好ましい。
ここで、粘着剤とは、常温で粘着性を有するものをいい、特に、紫外線反応タイプの粘着剤とは、紫外線照射前は低粘度であるが、紫外線を照射すると、その紫外線に反応して粘性が大きくなって粘着性を有するようになるものをいう。これに対して、感熱接着剤とは、常温では硬化していて粘着性を有さないが、加熱すると溶融又は軟化して粘着性を有するようになるものをいう。
また、本発明に係る箔転写ラベルの製法は、透明な粘着剤として紫外線反応タイプの粘着剤を使用している箔転写ラベルの製法であって、ラベル基材の裏面側に紫外線反応タイプの粘着剤を印刷により塗布し、塗布した粘着剤に紫外線を照射してその粘性を大きくし、転写箔をラベル基材に粘着剤の粘性により転写し、転写した転写箔を覆うように感熱接着剤を塗布することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の箔転写ラベル及びその製法の一実施形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1に本実施形態における箔転写ラベルの断面図を概略的に示しており、各部の厚みは誇張して示している。
該ラベルのラベル基材1は、透明なプラスチックフィルムからなる。ここで、透明なプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等からなるフィルムを採用できる。
該ラベル基材1の裏面側には、所定位置に文字等のデザインがインキによって施されたインキ部2が設けられていると共に、該インキ部2に重なり合わないように透明な粘着剤3が部分的に塗布されている。そして、該粘着剤3の裏面側に転写箔としての金属箔4が転写され、該金属箔4により、金属光沢を有する文字等のデザインが施されている。
【0009】
ここで、透明な粘着剤3としては、例えば、常温では粘性が大きく、加熱によって溶融状態となって粘性が低下して部分的に塗布することができるホットメルトタイプの粘着剤等が使用できる。特に、紫外線照射前は低粘度で印刷によって部分塗布ができ、その後の紫外線照射によって反応して粘着剤化する紫外線反応タイプが好ましい。紫外線反応タイプの粘着剤としては、例えば、3M Canada Company より提供されている商品名3M BRAND COLD FOIL LAMINATING ADHESIVE LC−7280を採用できる。
また、金属箔4は、例えば、アルミニウムの蒸着層からなるが、他の金属でもよい。尚、金属箔4の表裏両面には透明インキ層5が設けられており、これにより、着色された金属光沢が得られる。更に、転写箔としては、金属箔を一部に含む構成でもよく、また、ホログラム加工やエンボス加工を施したものも使用できる。
【0010】
かかる金属箔4及びインキ部2の全体を裏面側から覆うように、ラベル基材1の裏面全体に感熱接着剤7が塗布されている。金属箔4(蒸着層の場合)の厚さが1μm以下(例えば、0.05μm程度)であるのに対して、感熱接着剤7の層は十乃至数十μmの厚さ(例えば、20μm程度)を有している。
【0011】
このラベルは、例えば、以下の要領にて製造される。
まず、透明プラスチックフィルムからなる長尺状のラベル基材フィルム1’を所定の速度で連続送りしながら、その裏面に文字等のデザインを、紫外線硬化型のインキを用いたフレキソ印刷により施し(図3(イ)参照)、紫外線を照射する。次いで、同様にして、図3(ロ)の如く、金属箔4を転写する位置及びそのデザインに合わせてラベル基材フィルム1’の裏面に前記紫外線反応タイプの透明粘着剤3をフレキソ印刷により塗布する。そして、ラベル基材フィルム1’の裏面に紫外線を照射すると、この紫外線照射により、透明粘着剤3は瞬時にその粘性が大きくなって粘着剤化する。
紫外線反応タイプの透明粘着剤3は、紫外線照射前は低粘度であるためフレキソ印刷の適性が良く細かなデザイン状に塗布でき、また、紫外線硬化型のインキと同様に溶剤の乾燥が不要であるため、インキによってデザインを施すことと粘着剤塗布とを一工程で連続して行うことができ、効率がよい。
【0012】
一方、金属箔層4’が離型層11を介して片面に設けられている長尺状の転写箔フィルム13を、ラベル基材フィルム1’と同期して同一速度にて同一方向に連続送りすると共に、図3(ハ)の如く、一対の押圧ローラ12間に両フィルム1’,13を重ね合わせた状態で通過させることにより、押圧ローラ12の押圧力で両フィルム1’,13を圧着する。これにより、図3(ニ)の如く、塗布された透明粘着剤3の位置及びそのデザインに相当する金属箔4が、粘着剤の粘性により転写箔フィルム13から剥離してラベル基材フィルム1’の裏面に転写される。
【0013】
尚、転写箔フィルム13は、図2の如く、ベースフィルム10上に、離型層11、透明インキ層5’、金属箔層4’、透明インキ層5’、及び樹脂層6’が順に積層された構成となっており、離型層11を境界として、金属箔層4’が両透明インキ層5’と共にベースフィルム10から剥離してラベル基材フィルム1’に転写される。但し、図3においては、離型層11、両透明インキ層5’及び樹脂層6’は省略されている。
尚、最表層に設けた樹脂層6’は、ラベル基材フィルム1’の粘着剤3との接着性をより良好なものとするための層であり、例えば、アクリル系樹脂やビニル系樹脂に、ニトロセルロースをブレンドしたもの等が使用される。また、ベースフィルム10を除く全体の厚さは、4μm乃至10μm程度である。
【0014】
このように粘着剤3の塗布(印刷)部分に金属箔4を転写した後、図3(ホ)の如く、ラベル基材フィルム1’の裏面全体に感熱接着剤7’を塗布する。そして、該ラベル基材フィルム1’を打抜き、裁断等することにより、所定形状の箔転写ラベルが完成する。尚、一般には、ボトル等への貼着装置において、貼着前に打抜きや裁断が行われたり、所定幅に裁断されたラベル基材フィルム1’が所定長さ毎にカットされたりして、ボトル等に順次箔転写ラベルが貼着されることが多い。
また、感熱接着剤7’としては塗布後の塗膜が透明なものが良く、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体の溶液をグラビアコーティングする手法等により塗布することができるが、特に、エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン系の接着性樹脂を溶融押し出しコーティング法により塗布することが、均一な塗膜が形成されるため、また、転写箔の保護性能が良いため、好ましい。
【0015】
以上のように構成される箔転写ラベルにあっては、金属箔4が裏面側にあるので、ボトル等への貼着状態においては、その金属箔4がラベル基材1により保護される。従って、ボトル同士が衝突等しても金属箔4が傷つくことがなく、また、裏面にあり感熱接着剤7で被覆されているので、ボトルの洗浄液中の酸やアルカリによる腐食も効果的に防止できる。その結果、従来のような保護フィルムを別途ラベルに積層する必要がない。また、被着体に貼着するための接着剤が粘着剤ではなく感熱接着剤7なるため、従来の裏面側のセパレータも不要となる。従って、トータルとして従来に比して大きくコストダウンすることができる。尚、ボトルへの貼着状態においては、ラベル基材1、粘着剤3、透明インキ層5を介して金属箔4を見ることとなる。
【0016】
尚、貼着後は上述のように金属箔4はラベル基材1で保護されるが、貼着前の状態、即ち、ラベル単体の状態においては、金属箔4は、感熱接着剤7で覆われることである程度保護される。従って、貼着前においてもその取り扱いが容易である。
また、印刷によって塗布した粘着剤3の粘性により金属箔4を転写させた構成なるため、加熱したスタンプ体によって感熱接着剤を活性化させて転写させる従来のホットスタンプ法に比して、デザインの細部をより一層くっきりと表現できるという利点がある。
尚、透明インキ層5を介在させずに粘着剤3に直接金属箔4を転写したり、金属箔4の裏面側の透明インキ層5や樹脂層6を省略したりしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上のように、ボトル等の被着体への貼着状態において転写箔がラベル基材で保護される構成なるため、従来のような別途の保護フィルムが不要となる。しかも、感熱接着剤で転写箔を覆うことにより、セパレータも不要となるうえに、被着体への貼着前においても転写箔が感熱接着剤にて保護される。
特に、透明な粘着剤として紫外線反応タイプの粘着剤を用いる場合には、粘着剤を印刷によって塗布することが容易となる。粘着剤を印刷により塗布することにより、安価に製造できるうえに、転写箔による細かなデザインを容易に且つ高精度に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の箔転写ラベルを示す断面図。
【図2】同箔転写ラベルの製造に使用される転写箔フィルムの断面図。
【図3】同箔転写ラベルの製造工程を(イ)から(ホ)の順に示した要部断面図。
【図4】従来の箔転写ラベルの製造方法を示す要部断面図。
【符号の説明】
1…ラベル基材、1’…ラベル基材フィルム、2…インキ部、3…粘着剤、4…金属箔(転写箔)、4’…金属箔層、5,5’…透明インキ層、6,6’…樹脂層、7,7’…感熱接着剤、10…ベースフィルム、11…離型層、12…押圧ローラ、13…転写箔フィルム

Claims (3)

  1. 透明なプラスチックフィルムからラベル基材(1)が形成され、該ラベル基材(1)の裏面側に、転写箔フィルム(13)に設けられていた転写箔が透明な粘着剤(3)により転写されており、更に、該転写箔を覆うように、被着体にラベルを貼着するための感熱接着剤(7)が設けられ、
    転写箔は、厚さが1μm以下の金属の蒸着層からなる金属箔(4)を含む箔転写ラベルであって、
    金属箔(4)の表裏両面には、透明インキ層(5)が設けられることを特徴とする箔転写ラベル。
  2. 透明な粘着剤(3)として紫外線反応タイプの粘着剤が用いられている請求項1記載の箔転写ラベル。
  3. 請求項2記載の箔転写ラベルの製法であって、ラベル基材(1)の裏面側に紫外線反応タイプの粘着剤を印刷により塗布し、塗布した粘着剤に紫外線を照射してその粘性を大きくし、転写箔をラベル基材(1)に粘着剤の粘性により転写し、転写した転写箔を覆うように感熱接着剤(7)を塗布することを特徴とする箔転写ラベルの製法。
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